ミサト「今から15年後に使徒が来るわ」(5)

ツコ「私達人類が使徒に対抗しうる手段はエヴァンゲリオンだけ」

ミサト「なのに、エヴァを動かせる素養を持ってるのはあなたしかいないの」

シンジ「だから……僕に戦えって言うんですか?」

ミサト「違うわ」

シンジ「え?」

リツコ「エヴァとのシンクロには、A10神経の適度な発達が必要なのよ。
現在のシンジ君ならちょうどでしょうけど、15年後には発達しすぎているでしょうね」

シンジ「そんな! それじゃ、人類はもうダメってことじゃないですか」

ミサト「子種を撒きなさい、シンジ君。これから毎日、なるべく多く」

シンジ「こ、子種って、それって」

リツコ「想像している通り。あなたはその為にこの街に呼ばれたのよ」

シンジ「……」

ミサト「正直、エヴァとシンクロできる才能が遺伝する確率は高くないわ。でもそれしかないの。
15年後までに一人でも多くのパイロットを用意できるよう、頑張ってね」

リツコ「住居はこちらで用意します。身の回りの世話も一任してくれていいわ」

ミサト「シンジ君はとにかく、たくさん孕ませることだけ考えて」

シンジ「ムリですよ……」

―――

ドサ

シンジ(知らない天井……今日からここで暮らすのか)
シンジ(大きくて立派な家みたいだけど、他の部屋まで見て回る気になれないや)
シンジ(結局、父さんとは会えてすらいないし……)

コンコン

シンジ「はい」

『お茶の用意ができました』

シンジ「……ありがとうございます。すぐ行きます」

伊吹「改めて―――シンジ君の生活ケアの統括をさせていただく、伊吹マヤといいます」

シンジ「よ、よろしくお願いします」

マリ「で、私がシモのほうの統括役で真希波・マリ・イラストリアス。ヨロシクね」

シンジ「……どうも」

マリ「ありゃ。浮かない反応」

伊吹「急にこんなことになったんですもの、戸惑って当たり前よ」

マリ「ふーん。ま、いいや。あと他にメイドが何人かいるから、気が向いたら妊娠させといてね」

伊吹「もう、マリ!」

マリ「しょうがないじゃん、そういう仕事なんだからさ。お互いに」

シンジ「……」

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