P「響が亡くなって二週間か」 (41)
春香「事務所もずいぶん静かになりましたね……」
やよい「………そうですね」
P「俺の響ぃぃぃぃ!(蝉)」
響「やめろ」
美希「響の声がしないと何か変なの」
真「いつも明るくて元気だったからね」
春香「あっそろそろ撮影の時間だ」
やよい「はい……いってらっしゃいです」
春香「まさか私が、響ちゃんの代わりにフェアリーに入るなんて、ね」
@撮影スタジオ
春香「おはようございまーす!」
美希「おうはよう、なの」
貴音「おはようございます」
カメラマン「おはよー。あれ春香ちゃんその衣装……」
春香「えぇ、響ちゃんのです。サイズ、ぎりぎりでしたけど」
カメラマン「………じゃ、今日はよろしく」
響「自分が死んだと思ったのか? それは幻術だぞ」
春香「えへへ。そうだったの? じゃあ、もう一回殺さないとだね」
カメラマン「はい、美希ちゃん視線こっち向けてー」
美希「こう?」
カメラマン「そうそう、いいよーいいよー」
カメラマン「じゃ、貴音ちゃん。ちょっとこういうポーズで……」
貴音「……」
カメラマン「そーそーばっちし」
カメラマン「あー……春香ちゃんは……」
春香「こ、こういうのはどうでしょう?」
カメラマン「なんか違うなー」
カメラマン「じゃ、全員で撮るよ」
春香「………」
カメラマン「春香ちゃん、もうすこし端に寄って」
春香「はい……」
@事務所
春香「ただいまー」
貴音「ただいま帰りました」
美希「ただいまなの」
やよい「あ、みなさんお帰りなさいですー」
P「お疲れさん。春香、気にするなよ。これから徐々に慣れていけばいいんだから」
美希「そうなの。春香はちゃんと選ばれてミキ達の仲間になったんだからどんと胸をはればいいの」
貴音「真、その通りですよ。けっして誰かの代わりになど、なれはしないのですから」
春香「うん、ありがとう。皆」
@春香自宅
春香(とは言ったものの……)
春香(響ちゃんのようなワイルドさも運動神経もないからなぁ……)
春香(…………教えてよ、響ちゃん)
春香(…………zzzzz)
(まったく、仕方ないなぁ)
響なら俺の横で腰振ってるよ
翌日
@事務所
P「うーっす」
ハム蔵(うーっす)
やよい「おはよーございまーっす!」
P「いやぁ、今日も朝からフェアリーの仕事があるんだよ」
やよい「そうなんですかー大変ですねぇ」
P「最近はみんなのほうがおろそかになって申し訳ない」
やよい「いえいえ、そんな事気にしなくていいですよー。Fのみなさんが人気で私も嬉しいです!」
>>17
横かよww
P「貴音と美希はもう来てるみたいだな。あとは春香か……」
\ばたん!/
春香「みんなーっ、はいs――おっはよー!」
P「おはよう、春香。今日はドラマの撮影だが、大丈夫か?」
春香「もっちろん。なんてってじb――私は完璧だからな!!!」
P「……頼もしいな」
@ドラマ撮影スタジオ
カメラマン「アクション!」
美希『どうして貴方が………アマトウさんを殺したの!」
貴音『ふふ………それはお前が知ることではない』スッ
美希『! その銃でアマトウさんを……!』
P(二人共いい演技だ。そして次のシーン、春香が美希を庇って射殺されるシーンだが……)
春香「待たれぇぇぇぇぇいっ」
貴音『!?』
美希「は、『春香さん!』」
P(あれ)
春香「ちぇいさああああああああっ!」
貴音「くっ、銃が! 何者だ」
監督(…………)
春香「天が呼ぶ海が呼ぶ春が呼ぶ、悪を倒せと自分を呼ぶ!」
貴音「まさか……お前が!」
春香「そう、私が!アイドルSP天海春香だッ!」
P(おいおい、こんなの脚本にないぞ……)
監督(………)
P(すっげー見てる)
カメラマン「カーット」
P(あわわわわ)
監督「…………春香ちゃん」
春香「? はい」
美希(あわわわわ)
監督「サイッコーだったよ!!正直これまでの展開ずーっと違和感を感じてたんだけど春香ちゃんのおかげで答えが見えた!」
春香「……?えへへーそうでしょそうでしょ!」
春香「美希、これって確か『ナンクルナイザーX』の撮影だったよね?」
美希「へ?違うの。『どんがら探偵ハルカ~密室にアマトウは眠る~』の撮影だよ?」
春香「あ」
貴音「よいではありませんか。結果的にはぱーふぇくとのようですし」
春香・美希「そうだね」
P(いいのかこれ)
監督「アクショォォォォン!!」
春香「てやぁぁぁぁぁっ!」
貴音「くっ、この身のこなし、流石は天海!」
P(すげぇ春香、バク転しながら貴音に蹴りをあてた!)
貴音「このっ」
春香「甘いぞ!」
監督(今度は高くジャンプ……!2mも!さすがは完璧を謳うアイドル!!)
美希『さすが春香さんなの!』
春香「へへっ、自分、鍛えてるからな」シュッ
監督「いやぁ実に素晴らしかった。まさか春香ちゃんにあんな才能があるとはねえ。響ちゃんに負けず劣らずだったよ」
春香「ありがとうございます」
P「監督がそれでいいなら……」
@事務所
美希「今日の春香はすごかったの!」
小鳥「そうなの?」
P「そうなんです。今は疲れて眠ってしまっているけれど」
春香「………zzzz」
美希「これからも春香に期待、かな?」
貴音「それは、春香が決めることです」
春香「………う~~~ん」
P「おお春香、今日はお疲れ。監督も興奮冷めやらないまま次回作の構想練ってたよ」
春香「………あれ?今何時ですかPさん」
P「えーっと午後6時だけど?」
春香「………遅刻しちゃうーーーーっ!?」
P「落ち着け春香、日はまたいでないぞ?」
春香「えぇ……でも今日」
美希「お疲れ様なの春香。明日もまたいっしょに頑張ろ?」
貴音「えぇ、美希の言うとおりです」
春香「………はぁ…」
P「送っていこう」
Pの車内にて
春香「………はぁ……」
P「どうした、浮かない顔して」
春香「いえ、今日私、なんだかすっごいことをしたらしんですけど……そんな記憶ないんですよ」
P「………」
春香「それじゃ、私が頑張ったわけじゃないんです。それじゃ、私の実力じゃないんです」
P「そっか」
春香「でも、私にだって出来るはずなんです。今まで出来なかっただけで、きっと完璧にこなせるはずなんです」
P「うん」
春香「それが出来なかったことが悔しいんです……」
P「うん」
春香「今日だってきっと、完璧なんかじゃない。私は、それよりももっと完璧にならないといけないんです」
春香「私が、新しいフェアリーのリーダーなんですから」
完
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