鮫島「希望ヶ峰学園か……」苗木「コロシアイ?」 (207)


苗木「う……ううん」

苗木(ここは…学校の教室?)

窓には厚い鉄板とボルトがあり
教室の天井には監視カメラが彼を見つめていた

苗木(…とりあえず外に出てみよう)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1381323176

ダンガンロンパ×戦友。の鮫島さんです
書き溜め無しのゆっくりペースです。
舞苗成分ありです。苦手な人はお控えいただいたほうがよろしいかも知れません。

苗木(廊下の窓も全て覆われている……)

…ザワザワ

苗木(人の声?玄関のほうからだ!)


玄関には苗木を合わせて16人の新入生が集まっていた

石丸「!」

石丸「遅いぞ!君!」

苗木「え……えっと…」

石丸「だいたい集g…朝比奈「ねぇねぇ!そんなことよりここがどこなのかわかる!?」

苗木「それが…さっき起きたばっかりでよく……」

石丸「ちょ…朝比奈「あなたも?」

苗木「僕もって事は君も?」

朝比奈「うん。なんかみんなそんな感じで……」

苗木(みんなか…)

苗木「そうだ!僕は苗木。よろしくね」

朝比奈「あ!私は朝比奈!よろしくっ!」

苗木(確かスレによると超高校級のスイマーだったよな…)

苗木(他の人にも自己紹介を兼ねて話を聞いてみようかな)

苗木「あの…」

鮫島「ん?」

苗木「僕は苗木って言うんですが……君は?」

鮫島「俺か?俺は鮫島ってモンだ」

苗木(あれ、こんな人スレに書いてあったけ?)

苗木「ねぇ鮫島クン、ここって超高校級の才能を持った人が集まるんだよね?」

鮫島「…らしいな」

苗木「鮫島クンはどんな才能でここに来たの?」

鮫島「ふっ…そんなもんは無ぇよ」

苗木「え?」

鮫島「でもなぁ……」

鮫島「俺はどんな肩書きよりも重いもんを持ってんだよ。心にな」

苗木「なるほどッッッ!!」

苗木(あれ?よく考えてみれば…)

苗木「それは違うよ!」

鮫島「!!?」

苗木「だってそれはここに来れる理由になってないよ!」ロンパァッ

鮫島「……(·ω·)」苗木「……(·ω·)」

鮫島「ほ…本当だ…理由になってない!」

ドシャァ……

膝を着き絶望の淵に落とされる鮫島!
どうなる鮫島!どうなる苗木!

苗木(なんなんだろ、この人……)

葉隠「苗木っちって言ったべか?」

苗木「え?う、うん」

苗木(確か……占い師の……)

葉隠「苗木っち……あの男には気をつけたほうがいいべ」

苗木「あの男って鮫島クン?」

葉隠「あぁ。鮫島っちからは高い魔力を感じるべ」

苗木「」

葉隠「いや嘘じゃないべ。俺の占いは3割当たるべ」

苗木(たぶん後の7割のほうなんだろうなぁ……)


ーその他自己紹介後ー



ぴーんぽーんぱーんぽーん



モノクマ「オマエラ!至急体育館に集まってください!」


山田「何事ですかっ!?」

大和田「…体育館だァ?」

舞園「どうしましょう…?」

十神「どうするもこうする行く以外にはないだろう」

石丸「ならばっ!はりきって行こうではないか!」

大和田「ンだァ?誰もいねぇじゃねぇか!」

桑田「へっ、人を呼び出しといてコレかよ」

モノクマ「皆さぁぁぁん!注ぉぉぉ目!」

腐川「ぬ、ぬいぐるみ!?」

モノクマ「ヤイ!僕はぬいぐるみじゃないよっ!」

モノクマ「まったく!最近のゆとりはコレだから!」

モノクマ「ボクはモノクマ!この学園の学園長なんだよ!」

モノクマ「皆さん!ご入学おめでとうございます!」

モノクマ「皆さんにはこれからずっとここで生活してもらいます!」

十神「…ずっとだと?」

モノクマ「そうこれから一生ずっとです!」

モノクマ「でもね!皆さんには外に出る方法が1つだけあります!」

モノクマ「皆さんには卒業する為に……」

モノクマ「コロシアイをしてもらいます!」

モノクマ「うぷぷーいいねー」

モノクマ「オマエラいい感じに絶望してきてるよー」

モノクマ「特にオマエラの後ろにいる鮫島クンとかー」

モノクマ「絶望しきった顔してるよーうぷぷー」

切霧(それは違うんじゃないかしら……)

大和田「てめぇ!さっきからふざけたコトぬかしてんじゃねぇぞ!」

大声で叫びながら大和田がモノクマを持ち上げる

モノクマ「暴力反対!ボクに暴力は振るっちゃいけないんだよ!」

大和田「うるせぇ!」

その言葉に反応するかのようにモノクマは急に静かになり不自然な機械音が鳴り出す。
モノクマ「……」カチコチ…

そして、大和田が掴んだままモノクマは……
爆発した

苗木「大和田クンッ!!」

辺りには煙が立ち込め
驚いて声を失う者、悲鳴を上げる者、冷静に見つめる者
様々な反応を見せる皆の前に平然と新しいモノクマが現れる

モノクマ「コレでわかりましたね?オマエラには抵抗する事はできないんだよ!」

モノクマが高らかに宣言する



「ケホッ」

咳払いが煙の中から聞こえた
その場が一気に静かになる

「なんだこりゃァ?どうなってんだぁァ」

モノクマ「え?」

桑田「大和田!」

大和田「なんだよ?デカイ声で呼ぶなよ」

モノクマ「えぇ!?どうゆうこと!?」

大和田「あぁ!?どうゆうことはこっちのセリフだぁ」

大和田「てめぇ!よくわかんねぇけどなんかしやがったな!」

モノクマ「ボ…ボクにも訳がわかんないよ」

大和田「てめぇ…マジでふざけ…苗木「鮫島クン!!」

苗木が大和田の声を妨げて叫ぶ
その言葉に釣られ皆がそちらの方を見ると

鮫島が血を流して大の字で倒れていた。

腐川「ヒイッ…血がぁ…」

苗木と切霧がとっさに鮫島に駆け寄る

苗木「鮫島クン!」

切霧(脈はある、呼吸もしてる)

舞園「き…切霧さん?」

切霧「大丈夫。生きてはいるみたい…」

山田「し…しかし、なぜ鮫島殿が急に傷を…?」

大和田「オイッてめぇ!鮫島になにしやがった!?」

モノクマ「え!?えぇと……そう!学園長に攻撃したらあんな風になるからね!」

モノクマ「それじゃあ、コレ学生手帳!全員分!コレに色々書いてあるから!」

モノクマ「ではではオマエラ!サイナラ!頑張ってね~!」

桑田「おいっ!逃げんな!」

モノクマはその言葉を残していなくなった

桑田「クソッ!あの野郎!」

葉隠「な…なんなんだべ?」

セレス「何か置いて行きましたね」

不二咲「生徒手帳…だったっけ?」

セレス「えぇ。少し変わっていますが」

朝比奈「ねぇ!そんな物より今は鮫島君でしょ!」

山田「あと、腐川殿もですな…」

苗木「どこかで傷の手当てと安静にできる場所があれば良いんだけど…」

セレス「生徒手帳によれば保健室がありますわ」

不二咲「それに1人1人に個室が用意されてるみたい」

大神「…鮫島は我が連れて行こう」

大神が出て行くとセレスが生徒手帳をいじりだし、
それに引かれる様に残されたメンバーも生徒手帳を手にとり中身を確認する。

山田「色々書かれてる、と言っておりましたな……」

石丸「お!校則か。これは目を通さなければ!」

不二咲「そうだね、何か重要な事が書いてあるかも…」

ー校則確認中ー

ー校則確認後ー

大和田「ハッ!なぁにが校則だ」

大和田「そんなもんに縛られてたまるかよ!」

苗木「ねぇ。もしかしたらさっきのあの人形…モノクマが爆発したのって…」

切霧「校則によれば大和田君が攻撃しようとしたからでしょうね…」

大和田「なっ!」

不二咲「で…でも大和田君はなんともなかったよね?」

葉隠「その代わりに鮫島っちが倒れたんだべ!」

桑田「訳がわかんねぇ…」

朝比奈「とりあえず難しい事は考えないで学校を回ってみようよ!」

セレス「そうですわね…ここで騒いでいても仕方ありませんし」

十神「ふん。俺は1人で行動させてもらうぞ」

江ノ島さん出してない事に今気がついた
残姉ちゃん大好きなキャラなのに……(;ω;)
舞園さんとずっと駄弁ってたって事で1つ……

大和田「オイコラッ!」

十神「何だ、プランクトン。邪魔だどけ」

大和田「んだとぉ!?」

十神「貴様はさっきから行動が軽薄すぎだ」

十神「そんな奴と行動できるか」

十神「大体俺は初めから貴様ら愚民と慣れ合うつもりもない」

大和田「どうやらぶん殴る必要がありそうだな……」

苗木「ちょっと2人とも落ち着いて!」

苗木「喧嘩は…大和田「なんだ!?お前も俺に説教か!?」

苗木「え!?いやボクはただ…大和田「うるせぇぇ!!」

バキィ……

苗木「う……」

苗木(あれ?ここは……)

舞園「あ!苗木君!」

苗木「え?うわぁ!!」

苗木「ま…舞園さん!」

舞園「やっと気がついたんですね苗木君!よかったぁ…」

苗木「う…うん。ゴメンね…」

舞園「いえっ!」

苗木「舞園さん。ここは?」

舞園「ここは苗木君のお部屋ですよ。大和田君や葉隠君が運んでくれたんです」

苗木(さっきから背中が痛いんだけど、どうやって運んだんだろう……)

苗木「そうなんだ……他のみんなは?」

舞園「それがみんなバラバラに探索に回っちゃって……」

舞園「だから私はここで苗木君が起きるのを待ってたんです…」

苗木「え……あ…ありがとう」///

舞園「いえ……」///

苗木「……」

舞園「……」

苗木「あ!そうだ鮫島君は?」

舞園「保健室で包帯巻いて魔法のお薬飲ませて寝かしてあるって大神さんが言ってましたけど…」

苗木「魔法のお薬?」

舞園「えぇ……なんでも万病に効くとか…」

苗木「そっか…でもまだ起きてないならお見舞いにでも行ってあげなきゃね」

舞園「あ!それなら私もついていきます!」

ー廊下ー

テクテク…

舞園「あの、苗木君!1つ聞きたい事があるんですけど…」

苗木「え、聞きたいこと?」

舞園「はい、えっと…もしかして苗木君って根黒六中じゃないですか?2組の…」

苗木「うん、そうだけど……」

舞園「やっぱり!私4組だったんですよ!知ってますか?」

苗木「知ってるもなにも舞園さんのこと知らない人なんていなかったよ!」

苗木「それより舞園さんがボクのこと覚えてくれてるほうにびっくりしてるよ」

舞園「覚えてるに決まってるじゃないですか!同じ中学ですよ?」

舞園「それに苗木君は印象によく残りましたから!」

苗木「え!そ……そうかな?」

舞園「はい!」

舞園「なんだか苗木君とお話してると元気が出てきました」

苗木「ハハ、それは良かった。舞園さんの役に立てて」

舞園「じゃあ元気づけられたお礼に私が苗木君の『超高校級の助手』になっちゃいます!」

苗木「じょ…助手?」

舞園「はい!苗木君のお役に立つ為に精一杯頑張りますよ!」

舞園「ですから一緒に頑張りましょう、苗木君!」

苗木「う…うん!頑張ろう、舞園さん!」

舞園「あ!ここが保健室みたいですよ」

苗木「鮫島君起きてるかなぁ……」

ガラァ…

舞園「あ…!」


大神「む…?」

切霧「あら?」

葉隠「お!」

苗木「あれ、みんなどうしたの?」

大神「我は鮫島の看病だ…」

切霧「私は鮫島君に話が聞きたくて…そろそろ起きる頃だと思って」

葉隠「俺も鮫島っちが起きてないか気になってな!」

切霧「苗木君達は?」

苗木「僕達も同じで鮫島君が気になって…」

切霧「そう…」

舞園「鮫島さんは?」

葉隠「ほら、まだ寝てるべ」

そこには包帯でグルグル巻きにされた鮫島が寝ていた
傍らには茶色い液体の入ったコップも置いてある

切霧「ねぇ…」

苗木「?」

切霧「あなたは鮫島君が何者かわかる?」

苗木「何者って?」

切霧「私、鮫島君が『超高校級』のなんなのか知らないわ……」

切霧「それになぜあの時大和田君でなく鮫島君がダメージを負ったのか……」

切霧「大和田君は服がちょっと焦げた程度だったわ」

苗木「確かに……」

葉隠「ん?切霧っち達は鮫島っちが『超高校級』の何か知らないべ?」

苗木「葉隠クンは知ってるの?」

葉隠「もちろんだべ!占いで出たからな!」

葉隠「俺の占いは3割当たる!」

苗木「」

切霧「」

切霧「ハァ……それで?葉隠君の占いではどう出てるの?」

葉隠「おぉ!よくぞ聞いてくれたべ!」

葉隠「俺の占いに依ると鮫島っちは………」

葉隠「『超高校級の漢』だべ!」

切霧「……は?」

切霧(あぁ、つまり7割の方が出た訳ね……)

切霧「まったく……葉隠く…苗木「なるほどッッッッ!!」

切霧「ふぇ!?」

舞園「『超高校級の漢』なら納得ですねー」

大神「うむ…漢なら仕方あるまい……」

葉隠「だべー」

切霧「え?……え?」

霧切さんじゃね?

舞園「ねぇ、葉隠君!」

葉隠「だべ?」

舞園「体育館で鮫島君が倒れた理由も占えないの?」

大神「……実は我も気になっていたのだ」

苗木「アハハ、女の子は占いとか好きだね!」

葉隠「よーし、ちょっと待ってるべ!」

切霧「あの……ちょ……え?」

葉隠れ「うぬぬぬぅ……」ネンジネンジ……

>>44

Σ(°A°)ヴェッッ!?
言われるまで全く気がつかない罠。霧切さんね。pcのデスクトップ霧切さんなのに……キャラ愛不足です。
今までのは脳内保管でお願いします……。次から直します。

葉隠「出た!」

葉隠「[禁則事項です]っちは他人のダメージを自分に移す術を使ったんだべ!」

>>47
ミス

葉隠「出た!」

葉隠「鮫島っちは他人のダメージを自分に移す術を使ったんだべ!」

霧切「いや……そんな非科学て…苗木「なるほどッッッッ!!」

霧切「」

舞園「さすが鮫島さんですね!!」

大神「うむ、さすがは『超高校級の漢』……」

葉隠「だべー」

霧切「」

苗木「そういえば葉隠クンは鮫島クンには高い魔力があるって言ってたね!」

苗木「今やっと意味がわかったよ!」

葉隠「だべ!」

舞園「でも……そんな高い魔力を持ってるなら鮫島さんって実は危ない人なんじゃ……」

苗木「それは違うよ!」

舞園「!!?」

苗木「舞園さん、鮫島クンの足元をよく見てごらん!」

苗木「鮫島クンは学校指定の靴下を履いているんだ!」

苗木「学校指定の靴下を履いている人に悪い人はいないよ!」ロンパァッ

舞園「ほ…本当だ!真っ白だ!」

大神「見事だ……鮫島……」

葉隠「だべー」

霧切(1人王様ゲームでもしようかしら……)

鮫島「う……」

苗木「鮫島クン!」

鮫島「こ…ここは…?」

大神「保健室だ……」

鮫島「俺は……」ググッ

舞園「まだ起き上がっちゃいけません!傷が開きます!」

葉隠「今は安静が1番だべ!」

大神「まずはこれを飲め。プロテインだ……」

鮫島「グッ……すまない」

霧切(魔力とかでなんとかなんないのかしら……)

鮫島「お嬢ちゃん、回復ありがとう」

鮫島「おかげでだいぶ楽になったよ」

大神「お……お嬢ちゃん……」

大神「……ぬぅ…」///

霧切(探索してこよっかなー)ヒマダワー

ガラッ!

石丸「失礼するっ!」

不二咲「失礼しまーす…」

石丸「おぉ!やはり皆ここにいたのか!」

不二咲「あ、鮫島君」

不二咲「調子はどお?」

鮫島「あぁ。問題ないよ」

不二咲「そっか、良かったー」ニコッ

霧切(あらかわいい)

苗木「それで、石丸クン達はどうしてここに?」

石丸「うむ。そろそろ報告会の時間なのでな」

石丸「君達がどこにいるか探してたんだ!」

舞園「あ、もうそんな時間でしたか!」

苗木「報告会?」

舞園「あ!ごめんなさい苗木君。言ってませんでした」

舞園「みんなで探索した結果を交換しようって話になってて…」

苗木「そうだったんだ」

葉隠「よっし、それじゃあ行くとするべ!」

石丸「鮫島君、君はどうする?」

不二咲「動ける?」

鮫島「いや…俺はもう少しここで休んでおくよ…」

大神「なれば我もしばし共にいよう……」

鮫島「すまんな…」

舞園「じゃあ、後で報告会の内容を伝えに来ますねっ」

ー食堂ー

朝比奈「あ、苗木!起きてたんだ!」

大和田「よぉ…悪かったな」

苗木「仕方ないよ。こんな状況だもの」

朝比奈「ねぇ!さくらちゃんは?」

霧切「大神さんなら鮫島君の付き添いよ」

江ノ島「鮫島は?」

苗木「とりあえず目は覚めたみたい。今は大事をとって休んでるよ」

腐川「いいわね……心配してもらえて……」

腐川「私なんか気がついたら体育館で放置よ……」

石丸「よしっ!それでは今より私立希望ヶ峰学園定例報告会の開催を宣言する!」

石丸「お互い調査結果を発表しあい情報を共有しようではないか!」

腐川(え、無視!?)

大和田「俺はなんとか扉をぶっ壊せないか試してみたんだが」

大和田「ありゃダメだ…鉄みたいな固さだ」

セレス「そうでしょうね、だって鉄ですもの」

朝比奈「廊下には2階に昇る階段があったけど」

朝比奈「シャッターで閉じられてたよ」

不二咲「キッチンには食料が沢山あったよ」

山田「とはいえ16人の人間がいますからいつまでもつやら…」

不二咲「その心配はないみたい」

不二咲「食料は自動で追加されるってモノクマが言ってたよ」

桑田「えっ!?」

江ノ島「会ったの!?」

不二咲「うん。すぐにいなくなったけど…」

桑田・江ノ島「「ハァ……」」

ー保健室ー

舞園「……といった感じで……」

舞園「その後もいくらか話し合ったのですが」

舞園「大した進展はありませんでした…」

大神「そうか……」

大神「扉とシャッターは後で我も試してみよう……」

苗木「うん、お願いするよ…」

舞園「とりあえず今後も探索を続けて行くということで解散になってしまいました…」

鮫島「そう暗い顔をすんなよ」

鮫島「明日になればわかることがあるかもしれないだろ?」

ーフツカメー

ー食堂ー

舞園「はい苗木君。紅茶です」コトッ…

苗木「ありがとう。舞園さん」

苗木・舞園「「ふぅ…」」

舞園「何も見つかりませんね……」

苗木「2階にも昇れればいいんだけど」

苗木「大神さんでもシャッター壊せなかったみたいだし……」

舞園「大神さんなら壊せそうな気がしたんですけど……」

ガチャッ…

鮫島「よぉ、お2人さん」

舞園「鮫島さん!」

苗木「もう動けるの?」

鮫島「あぁ、もうほとんど大丈夫だ」

鮫島「それに寝転がってるだけじゃつまらないしな」

舞園「あ!私、鮫島さんの紅茶も入れて来ますね!」ガタッ

鮫島「お?すまんな」

舞園「いえっ!」

鮫島「それじゃあちょいと失礼するぜ」ガタッ

苗木「ねぇ、鮫島クン」

鮫島「ん?」

苗木「鮫島クンは起こると思う?」

鮫島「コロシアイ…か?」

苗木「うん。今起こらないとしてもこのままここに閉じ込められ続けるとしたら」

苗木「不安に耐えきれなくて誰かが行動を起こすかもしれない」

苗木「そう思うとなんだかね……」

鮫島「……」

舞園「鮫島さーん、紅茶持ってきましたよー」

舞園「あれ?お2人ともどうかしたんですか?」

苗木「……いや、何でもないよ」

舞園「?」

舞園「はい、鮫島さん」コトッ

鮫島「ありがとう」

苗木「……」

鮫島「……」

舞園(なんか空気重いなぁ……)

苗木「そうだ!」

舞園「わっ」

鮫島「お?」

苗木「鮫島クン!ボクはまだキミのコトをよく知らない!」

苗木「相手のコトを知らないから不安になる」

苗木「だから鮫島クン、ボクと……」

苗木「ボクと友達になろう!」

若干の沈黙がその場に流れた

苗木「え……えぇと……つまりね……」

舞園「ふふっ」

苗木「え…と…」

舞園「いいですね、友達!」

舞園「鮫島さん、私ともなりましょ!友達」

鮫島「フッ……そんなモンで不安が無くなるってならいくらでもなるよ」

鮫島がそう言って右手を差し出す

苗木「ハハ、あ…ありがと」

苗木が右手を掴むと舞園が両手でそれを包みこむ
苗木はそれだけで自分の中の不安が薄れた気がした…

そっと3人の手が離れる

舞園「ふふ…」

苗木「アハハ…」

苗木(なんだか照れくさいな…)

舞園「あの苗木君、鮫島さん……」

鮫島「?」

舞園「ちょっとお2人にお願いがあるんですけど…」

苗木「お願い?」

舞園「はい。いいですか?」

苗木「もちろんだよ、どうしたの?」

舞園「あのですね……」

舞園「何か身を守る物が欲しいんですよ」

苗木「身を守る?」

舞園「はい。苗木君や鮫島さんは大丈夫でしょうけど」

舞園「もしお2人以外の誰かに襲われたりしたら……」

鮫島「そんな時の為にとっさに身を守れるモンが欲しい…と」

舞園「よければ一緒に探しませんか?」

苗木「そっか、確かにこんな状況だし不安にもなるよね」

苗木「ボクはいいよ」

鮫島「俺もこの後、学園内を見て回るつもりだったからな」

鮫島「問題ないぜ」

舞園「ありがとうございますっ」ニコ

苗木(そういえば体育館のショーウィンドウに武器になりそうな物があったな)

舞園「体育館ですか?」

苗木「え?声に出てた?」

舞園「エスパーなんです」

苗木「へ?エスパー?」

舞園「冗談ですよ。ただの勘です」ニコッ

舞園「さぁ、行きましょっ!苗木君、鮫島さん」

苗木「う、うん…」

鮫島「………」

ー体育館ー

苗木「ほらっ!この弓とかどう?」

舞園「えっと…苗木君はそれ使えるんですか?」

鮫島「それにショーウィンドウの中に入ってて取れないだろ」

苗木「この兜とかいいんじゃないっ!」

舞園「頭守るにはいいかもしれませんけど」

鮫島「それずっと着けとくのか?」

苗木「じゃあこっちの刀は!」

鮫島「模造品だな」

舞園「インテリアにはちょうどいいかも…」

苗木「………」

苗木「いいよ……ボクの部屋に飾っとくよ……」

舞園「あぁっ!ごめんなさいっ、拗ねないで!」

鮫島「ん」

鮫島「苗木。自分の手見てみろ」

苗木「へ?」

苗木「うわっ金色!?」

舞園「刀の金箔が付いちゃったんですね……」

苗木「ますます使えないじゃないか…コレ」

舞園「とりあえず念のために持ってきてた新聞でくるんじゃいましょうか」

苗木「え、ホントに持って帰るの?コレ」

舞園「はい苗木君!」

苗木「あ、ありがとう…」

舞園「いえっ!」

舞園「さて、次はどこに向かいますか?」

苗木「舞園さん、一旦食堂に戻らない?」

苗木「少しお腹空いちゃって…」

鮫島「確かにもういい時間だな」

舞園「そうですか?だったら私が作りますよ」

舞園「こう見えて得意なんです!」

鮫島「へぇ…そりゃ期待だな」

苗木「ちなみに何が得意なの?」

舞園「ラー油です」

苗木「調味料!?」

鮫島「食べ物ですらねぇよ!?」

舞園「冗談ですよ」ニコッ

苗木「は…ハハ、冗談か…舞園さんったら…」

鮫島「…それで…本当は?」

舞園「」ニコッ

舞園「さ、行きましょ!」

苗木(え…今の間は…?)

ー食堂ー

舞園「はいっ!できましたよっ」

苗木「す…凄い!」

鮫島「イタリア料理か……」

舞園「以前テレビの企画で作ったんですよ」

苗木「さすが舞園さん!」

苗木「『超高校級のアイドル』の名は伊達じゃないね!」

舞園「いえいえ」テレッ

舞園「あ、あとこれですねっ」ゴトッ

苗木「……」
鮫島「……」

苗木「……ぎょ…餃子?」

鮫島(意地でもラー油食わせたいのか…)

[禁則事項です]ってこんなキャラだっけ?
長々と喋ることがないからしょうがないかもしれないが…

>>73
さめじまの兄貴は杉田なのにセリフ短めで
ヤヌア以外とのまともな会話がほとんど無いので
頭ん中でちょっと真面目な時の銀さんをイメージして書いてます。

苗木「いただきます…」

鮫島「いただきます」

舞園「いただきまーす」

セレス「いただきますわ」

苗木「うん…おいs…」ムグムグ

苗木「へ!?」

苗木「セレスさん!?」

セレス「あら苗木君。ごきげんよう」

セレス「舞園さん、お箸もいいですけどフォークを頂けますか?」

舞園「あ、はーい」

舞園「はい、どうぞ」スッ

セレス「ありがとう」

苗木「えぇと…どうしてここにセレスさんが?」

セレス「美味しそうなぎょうz……イタリアンの匂いがしましたので…」

セレス「つい引かれてやって来てしまいました」

苗木「そ…そうなんだ」

苗木(今餃子って……)

舞園「食材が無くなる心配はないそうなのでいっぱい作りましたから」

舞園「どうぞ好きなだけ食べてください」ニコッ

苗木「ごちそうさまでした」

鮫島「ごちそうさま」

セレス「ごちそうさま。美味しかったですわ」

舞園「お粗末さまでした」ニコッ

セレス「そういえば、お3方は本日はどちらへ?」

苗木「体育館とかの方を調べたりかなぁ」

舞園「2日間かけて色々と調査して回りましたけど…」

舞園「結局何もわかりませんでしたね」

セレス「あら、調査したおかげで判明したじゃありませんか」

セレス「逃げ場の無い密室に閉じ込められたという」

セレス「紛れもない事実が…」

苗木「確かにそうだけど……」

舞園「」カタン

急に舞園が自身を抱きかかえるように腕を交差させ
背中を丸める

苗木「ま…舞園さん…?」

その呼び掛けに舞園が苗木の方を向く
その瞳は何かに怯えるかの様に見開かれ
額からは汗が出ていた

セレス「それではわたくしはそろそろお暇させていただきますわ」カタッ

セレス「舞園さん、美味しい料理をどうもありがとう」

セレス「ではごきげんよう」クスッ

パタンッ……

苗木「舞園さん?」

鮫島「大丈夫か」

舞園「苗木君、鮫島さん……」

舞園「はい…大丈夫です…」

苗木「ならいいけど……」

舞園「あの…お2人共この後お暇ですか?」

舞園「お暇でしたら少し私の部屋でお喋りしませんか?」

苗木「え…」

舞園「ダメ…ですか?」

苗木「いや、大丈夫…だよ…」

鮫島「あぁ…」

苗木(そんな顔されて断れないよ……)

ーさやかちゃんのお部屋ー

舞園「……」

舞園は顔を下に向けてベッドに座っている
よってその表情を読み取ることは苗木にはできなかった

苗木「え…と…」

舞園「苗木君」

苗木「…何?舞園さん」

舞園「苗木君には夢ってありますか?」

苗木「夢?」

舞園「はい。夢です。将来の」

>>81
ミス
×さやかちゃんのお部屋
○舞園の部屋
ふざけて書いたのを直すの忘れてた

苗木「舞園さんにはあるの?夢が」

舞園「ウチってね、父子家庭だったんです」

舞園「だからお父さんが帰って来るのが遅くて」

舞園「まだ子供でちょっと寂しかった……」

舞園「そんな時、いつも私を元気付けてくれたのがテレビの中のアイドルだったんです」

舞園「お姫様みたいに可愛くて」

舞園「歌って踊って」

舞園「ずっと笑顔で……」

舞園「それを見ていたら寂しさなんか吹き飛んで」

舞園「そんな彼女達に憧れて」

舞園「私もあんな風に誰かを勇気付けられる人に成りたいなって」

舞園「そう思って……」

舞園「それが私の夢になって」

舞園「夢を叶える為に嫌なことでも何でもしてきたんですよ…」

苗木「……舞園さん」

舞園「夢は追い続ければいつかきっと叶う」

舞園「でもその為にはずっと夢を見続けなくちゃいけない」

舞園「それが悪夢であろうと…起きていようと、寝ていようと…」

舞園「夢を叶える為には夢を見続けてなくちゃいけないんです…」

舞園「あの世界ではずっと前に進まなきゃいけない」

舞園「そうじゃないとすぐに置いていかれる…」

[禁則事項です]「それじゃあお前のその世界ってのは楽しくないのか?」

舞園「楽しいです…怖くなるほど……」

舞園「同じグループのみんなも素敵な仲間で、友達でライバルで…」

舞園「昔から一緒にやってきた大切な仲間達なんです」

>>85

×禁則事項
○鮫島

忘れろビーム

舞園「みんながいなかったら…私はとっくに夢を諦めてたかもしれません……」

舞園「みんなと一緒に夢を叶えて一緒に仕事ができて今はすっごく幸せなんです」

舞園がふっと顔を上げる
その顔には弱々しくも笑顔があった

苗木「舞園さん……」

舞園「でも…だから…怖いんです」

舞園の顔から笑顔が消える

舞園「世間に飽きられて忘れられてみんなバラバラになるのが…」

舞園「怖いんです……」

苗木(舞園さん…震えてる…)

苗木(夢を…努力を…幸せを…)

苗木(こんな所に閉じ込められて失ってしまうのを)

苗木(恐れてるんだ)

舞園「きっと仲間も待ってる…」

舞園「なのにこんな場所に閉じ込められて…」

舞園「今もこうしてる間に忘れられていく……私達が消えていく……」

舞園「私にはこんなことしてる余裕はないのに!!!」

苗木「!!」

舞園「あ……ごめんなさい……」

舞園「勝手に1人で騒いじゃって……」

舞園「お2人に言ってもどうしようもないのに……」

苗木「いや…」

舞園「ごめんなさい……」

苗木(今、ボクはなんと言えばいいのだろうか……)

苗木(今、舞園さんの心を救う言葉はないのだろうか……)

苗木(ボクは……)

鮫島「舞園」

苗木「!」

舞園「………?」




鮫島「それは違うぜ」


鮫島「……」

舞園(……鮫島さん?)

舞園(ハッ…!)

舞園(エスパーだから分かります。鮫島さんは背中で語っている!!)

舞園(お前は1人じゃない)

舞園(もっと俺たちを頼っていいんだぜ。って)

舞園(私を励ましてくれている……背中で!!)

舞園「……ありがとうございます…鮫島さんっ!」ニコッ

苗木(よくわからないけど舞園さんが笑った!)

苗木(あんなに落ち込んでいた舞園さんを笑顔にするなんて)

苗木(さすが『超高校級の漢』!!)

苗木(ボクも舞園さんやみんなの為に頑張らないとな……)キリッ

苗木「あれ?舞園さん、これは…?」

苗木が机の上に置かれた物を指差す

舞園「えぇと…裁縫道具ですけど…?」

舞園「ちょっと服にほつれがあったので直しちゃおって思って」

苗木「え、舞園さんの私物?」

舞園「いいえ、そこの引き出しに入ってましたよ?」

苗木「へー、ボクの引き出しには工具セットが入ってたけどなぁ」

舞園「そういえば山田君が男の子は工具セットで女の子は裁縫道具だって言ってました」

苗木「そうだったんだ…」

苗木「あ、工具セットで思いだした」

苗木「鮫島クン」

鮫島「ん?」

苗木「ドアの修理とかってできる?」

鮫島「そんなピンポイントなモンやったことねぇな……」

苗木「そっか……」

舞園「どうかしたんですか?」

苗木「いや、シャワールームのドアが壊れててさ」

舞園「え、じゃあもしかして……昨日シャワー浴びてないんですか……?」

苗木「それは違うよ!」

苗木「昨日モノクマが突然現れて」

苗木「上に持ち上げながら回せば開くって教えてくれたんだ」

苗木「ただ、ちょっと面倒くさいから直せるなら直しちゃいたいと思ってたんだよ」

舞園「あー、確かにいちいち1手間かかるのは面倒くさいですねー」

苗木「でしょ?」

キーンコーン…カーンコーン

苗木「!」

モノクマ「えぇー校内放送でーす。午後10時になりました」

モノクマ「ただいまより夜時間となります」

モノクマ「ではでは、いい夢を……おやすみなさ~い」

舞園「あ、もうそんな時間でしたか」

苗木「それじゃあボクらはそろそろ……」

鮫島「あぁ」

舞園「お2人とも私なんかの愚痴に付き合ってもらっちゃってごめんなさい…」

苗木「いや…全然大丈夫だよ。ね?鮫島クン」

鮫島「あぁ。もちろんだ」

舞園「ありがとうございます」ニコッ

苗木「それじゃ…おやすみ」

鮫島「じゃあな」

舞園「はいっ!おやすみなさい」

ーミッカメー

ー朝ー

ピンポーン

苗木「……」スヤスヤ

ピンポーン、ピンポーン

苗木「…」スヤァ

ピピピピピピピピピピピピピピピンポーン

苗木「なにっ!?」ガバッ

ドアモニターを見ると石丸がインターホンを連打していた

ガチャッ…

苗木「なにしてるの……石丸クン」

石丸「おはよう!苗木君!!」

苗木(朝から元気だなー)

石丸「ダメじゃないか、ちゃんと放送があったのだから起きなければ!」

苗木「うん…」ネムイ

石丸「さぁ、着替えて行こう!君で最後なのだから!」

苗木「へ?行くってどこに?」

石丸「朝食会だ!」ニコォッ

ー食堂ー

ガチャッ…

苗木「おはよう…」

江ノ島「おはよー」

十神「遅い。この俺を待たせるとはこれだから…」

苗木「ご…ごめん」

石丸「よしっ!全員集まったな!」

石丸「では朝食会を始めよう!」

石丸「さぁ、みんなで今後の方針を考えてゆこう!」

桑田「ってもよーどんだけ同じ場所探っても手掛かりなんか無ぇよー」

葉隠「だべー」

不二咲「本当にもう帰れないのかな……」

不二咲「助けも来ないのかな……」グスッ

朝比奈「大丈夫だよー不二咲さん」

朝比奈「だってさもうすぐ助けは来るんだしー」

腐川「え?」

江ノ島「マジで!?」

朝比奈「え?私達がここに閉じ込められてからもう3日も経つんだよ?」

朝比奈「警察だって動いてるに決まってるよー」

モノクマ「あっはっはっはっは」

「「「「「!!!」」」」」

モノクマ「警察だって?警察なんてアテにしてるの?」

モノクマ「てゆうかさ、そんなに出たいならコロシちゃえばいいじゃん」

モノクマ「はぁ~。オマエラってゆとり世代の割にはガッツがあるねぇ」

モノクマ「でも、ボク的にはちょっと退屈です」

苗木「何を言われたって、ボクらは人を殺したりしない!」

モノクマ「わかった!こんな好条件の中でどうして殺人が起きないのかと思ったら、そっかぁ…」

モノクマ「足りないモノが1つあったねぇ」

桑田「足りないモノってなんだよ!?」

モノクマ「ズバリ、動機だよぉ」

モノクマ「という訳で視聴覚室にある物を用意させて頂きましたぁ」ウププ

苗木「視聴覚室……?」

ー視聴覚室ー

視聴覚室にはそれぞれに1枚のDVDが用意されていた
各自がそれを持ってコンソールで再生する

苗木のそれに映し出されたのは家族の応援メッセージ
だがその後、いきなり砂嵐が起き、映し出されたのは破壊された無人のリビングだった
「苗木誠くんのご家族に何が起こったのでしょうか?正解は卒業の後で!!」

苗木「出なきゃ……今すぐここから出なきゃ!!」

苗木の中にも怒りと焦りが生まれる

だが……

舞園「あ…あ……いやあああああああああ」

舞園の叫びで我に帰る

舞園「ウソ…出ないと……早くここから出ないと……」

苗木「舞園さん!」

舞園「どうして……?こんな事になっちゃったの?」

舞園「いや……いやぁ……」

その時、突然正面のモニターが点きモノクマが映し出される

モノクマ「うぷぷぷぷぷ~ぷ」

霧切「あなたは何者なの?」

霧切「どうしてこんなことするの?」

霧切「あなたは私達に何をさせたいの?」

霧切が冷静に尋ねる

モノクマ「オマエラにさせたいコト?あぁ~それはね~」

モノクマ「絶望。それだけだよぉ」

舞園「いやあああああああああ」

舞園が視聴覚室から走り去る

苗木「舞園さん!!」

苗木もその後を追いかけようとするがその足が止まる

苗木(今、舞園さんを追いかけたとしてボクに何ができる…?)

苗木(どんな言葉をかけたらいい…?)

苗木(ボクはまた……鮫島「苗木」

苗木「!」

鮫島「行け」

まるで心を読んだかの様な発言
その言葉に推され苗木は教室を飛び出した

十神「ふん…無駄なコトを……」

腐川「なによ…ラブコメなんて気色悪い…あ……あたしは知らないよ…!」

江ノ島「ハァ!?アンタら何言ってんのさ!」

石丸「こ……こんな時こそ変な考えを起こさずに団結するべきだ!!」

桑田「そんな事言っておいてオレを襲ったりするんじゃないよな!?」

石丸「な…!そんな事する訳ないだろう!」

朝比奈「舞園ちゃん大丈夫かな…」

それぞれが口々に言葉を発する中
鮫島はただ黙って苗木の出ていった扉の方を見ていた

舞園はふらふらと廊下を歩いていた

苗木「舞園さん!!」

後ろから追い付いた苗木がその腕を引っ張り、立ち止まらせる

苗木「!!」

振り向いた舞園の顔を見て苗木は言葉を失った
表情が無かった
ただ涙だけがその頬を濡らしていた

舞園「苗木……君?」

苗木「舞園さん、大丈夫?」

舞園「はい……大丈夫……」

舞園「…な訳……ないじゃないですか!!」

舞園「私が何をしたっていうんですか!?」

舞園「早くここから出なきゃ!!」

舞園が苗木の腕を振りほどこうとする

苗木「落ち着いて、舞園さん!!」

苗木「みんなで協力すればきっとここから出られる!」

舞園「ウソだッ!!」

苗木「もしかしたらその前に助けが来るかもしれない!」

舞園「助けなんて来ないじゃない!!」

苗木「だったら!!」

苗木「ボクが君をここから出してみせる!!」

苗木「どんな事をしてでも」

苗木「絶対に……」

苗木「絶対にだ!!」

舞園「あ……」

舞園「信じて……いいんですか……?」

苗木はまっすぐに舞園の目を見つめる
その目からは大粒の涙が流れていた

苗木が力強く頷く

舞園「あ……あ…」

舞園「ぅあああああああああ」

舞園が苗木の胸にすがって大声で泣き叫ぶ
苗木はそっとその肩に手を置き、口を結び、ただ前を見ていた

舞園「苗木君……」

舞園「ごめんなさい……もう大丈夫…です」

苗木「舞園さん……」

舞園が顔を上げて苗木の顔を見つめた

舞園「苗木君……」

舞園「苗木君だけはずっと私の見方でいて……」

苗木(舞園さん……)

苗木「も、もちろんだよ!」

苗木「だって舞園さんはボクの……」

苗木「助手なんだし…」

舞園「……ありがとう、苗木君……」

苗木(なんだ……)

舞園「そう言ってくれると頑張れそうな気がします……」

苗木(何かが足りない気がする……)

舞園「苗木君と一緒なら頑張れそうな気がします」

苗木(もう1言……あと1言足りない……そんな気がする)

舞園「だって私は苗木君の助手だもんね」

苗木(そうだ……分かった……!)

苗木「それに…!」

舞園「え?」

苗木「舞園さんはボクの大切な大切な友達だから!」

舞園「友達……!」

苗木「友達のコトを見放したりなんか……絶対しないよ……」ニコ

舞園「……」

舞園「はいっ!」ニコッ

苗木「舞園さん…まだ顔色悪いよ?」

苗木「少し休んだ方がいいよ」

舞園「……はい、そうします」

苗木「じゃあ戻ろっか」

舞園「あの……」

苗木「ん?」

舞園「えと……その……」

舞園「手……繋ぎませんか?」

苗木「へっ?」

舞園「え…ええとですね……不安っていうか……ええと……そうじゃなくて……」

苗木「……」

舞園「あの……つまりね……その……」

ギュッ

舞園「わ…!」

苗木「さ、行こっか」

舞園「………はいっ!」

ー廊下ー

桑田「」

モノクマ「桑田クン、凄い絶望的な顔してるよ……うぷぷ」

苗木「それじゃあまたね」

舞園「はい」

舞園「ありがとうございました」ニコッ

そう言って舞園は部屋に戻る

苗木「さて……ボクはどうしようかな……」

舞園(………)

1人になった瞬間に大きな恐怖と焦りが浮かんで来る

その場にあった備え付けの椅子に座り、膝の上で手を合わせる

舞園(ここから出なきゃ……)

舞園(出てみんなに会わないと……)

舞園(今すぐ……!)

舞園がぎゅっと手を握る、その手はまだほのかに暖かい

舞園(苗木君……)

舞園(私は……私は……!)

ー食堂ー

ガチャッ…

朝比奈「あれー、舞園ちゃん!どうしたのー?」

大神「舞園よ…大丈夫か……?」

舞園「はい、もう大丈夫です。心配かけちゃってごめんなさい」ニコッ

舞園「少し喉が渇いたので飲み物を……」

そう言って厨房の中へと入って行った

朝比奈「舞園ちゃん……ホントに大丈夫かな?」

大神「少し無理をしている様にも見えるな……」

ー厨房ー

並ぶ包丁の中から手頃なのを掴み数枚のタオルでくるむ
特に先端部を入念に
料理をしているから包丁は引かなければ切れない事は知っている
気をつけて運べばタオル程度でも危険性はグッと少なくなる

舞園(………)

表情も無く感情も無い
ただ淡々と用意をする……


殺人の

ー廊下ー

鮫島「よぉ」

舞園「!」

とっさに制服に隠した包丁がバレないよう気をつける

鮫島「元気か?」

舞園「はい、もう大丈夫です。心配かけちゃってごめんなさい」ニコッ

鮫島「そうか」

互いに横を擦れ違う

舞園(………)

ーnight-timeー

―苗木の部屋ー

ピンポーン

苗木(?こんな時間に誰だろう)

舞園「あの……舞園です……」

苗木(舞園さん?)

ガチャッ…

ドアを開けた先には不安そうに肩を抱く舞園が立っていた

舞園「苗木君……」

苗木は舞園を部屋へと招き入れ、とりあえずベッドに座らせる

苗木「えっと…こんな時間にどうしたの?」

舞園「ちょっと変なコトがあって……」

苗木「え?」

舞園「さっき急に部屋のドアがガタガタ揺れ出して」

舞園「誰かが私の部屋に無理矢理入ろうとしてるみたいでした……」

苗木「も…モノクマじゃないかな…?」

舞園「ドアを開けて確認してみたんですけど…誰もいませんでした……」

苗木「モノクマじゃないとしたら…誰だろう……」

舞園「誰かを疑うって訳じゃないんですけど……ちょっと怖くて…」

苗木「じゃあさ…今夜はボクの部屋に泊まれば?」

苗木「そうすれば、怖くないでしょ?」

舞園「え?」

苗木「校則では就寝は個室でとしか書かれてなかったよね…」

苗木「誰がどこの部屋で寝ろとまでは言われてなかったし」

舞園「で…でも…1つの部屋に2人っきりていうのはちょっと……」

苗木「ぅえ!?ごごごごめん、気づかなかった!!」

苗木「ホントだよ、やましい気持ちとかそういうのは…」///

舞園「いえっ、私も嫌とかそういうのじゃないんですけど……」///

舞園「あの…もしよかったら1晩だけ部屋を交換してくれませんか?」

苗木「部屋の交換?」

苗木「それで舞園さんが安心するなら…」

苗木「ボクはそれで構わないけど……」

苗木「で…でも、色々と…問題があるんじゃない…かな?」

舞園「ふふっ」

舞園「大丈夫ですよ、苗木君のコト信頼していますから」ニコッ

苗木「あ…あはは」

舞園「それじゃ苗木君。私、部屋の鍵を取って来ますね」

苗木「あ、うん」

ー舞園の部屋ー

舞園(………)

部屋の鍵を掴み
包丁を制服に隠し
ただ無感情に
しかし明確な殺意を持って

舞園は自室を後にした

ー苗木の部屋ー

舞園「はい苗木君。コレ私の部屋の鍵です」

苗木「うん。ありがと」

苗木「そうそう、舞園さん」

苗木「シャワールームなんだけどさ」

舞園「確か開けるのにコツがいるんでしたよね」

苗木「あ、覚えてた?」

舞園「はいっ」ニコッ

キーンコーン…カーンコーン

モノクマ「えぇー、校内放送でーす。午後10時になりました」

モノクマ「ただいまより夜時間となりま……

苗木「それじゃあ舞園さん」

苗木「気をつけて」

舞園「はい」

廊下に出た苗木の後ろ
ドアが閉まる時一瞬見えた舞園の顔に
先程までの笑顔は無かった

サラサラ……

舞園が苗木の部屋のメモ用紙に書き付ける

「今夜私の部屋に来てください。部屋を間違えないように、プレートをよく見てくださいね」
「舞園さやか」

舞園(………)

メモ用紙を束からちぎり取り
舞園は部屋からそっと抜け出した

ー苗木の部屋ー

ガチャッ…

桑田「やっほー、舞園ちゃん」

舞園「待ってましたよ。桑田君」ニコッ

舞園「さ、中に入って…」

桑田「ほいほーい」

舞園「あ、他の人に入って来られたら困るので、鍵、閉めてもらっていいですか?」

桑田「おっけー」

ガチャン

桑田「それで舞園ちゃん、どんなご用事ですかな?」ニヤニヤ

鍵を閉め、振り返った桑田の目には

全裸の山田が



無表情で包丁を大きく振り上げた舞園の姿が映った

>>135

こらww

桑田「うおぉぉぉ!?」

すんでの所で転がって避けた
が、舞園はそのまま体勢を立て直してない桑田を引きずり倒し馬乗りになる

桑田「いっつ…!」

舞園がもう1度包丁を振り上げる

桑田「ヒィッ!?」

舞園(………)

振り上げた手がなかなか落ちない

桑田(………?)

桑田「うぉらぁぁ!!」

動きの止まった舞園を力任せでどかす

舞園「きゃっ!?」

桑田「く…クソッ……!!」

立ち上がった桑田が目についた模造刀を掴み
やたらに振り回しながら舞園に向かう

桑田「おぉぉぉぉっ!!」

舞園「……っ!!」

ベキッ

舞園の細い腕に模造刀の1振りが当たり
何かが折れる音がした

カランッ…

舞園の手から包丁が滑り落ちる

舞園「……あ」

桑田がとっさにその包丁を拾おうとした
その隙を見て舞園はシャワールームに逃げ込む

桑田が包丁を持って後を追い、入ろうとするが開かない
女子の部屋には鍵が付いているのを思いだし、

桑田「……チッ!」

走って自室の工具セットを取りに向かう

ーシャワールームー

舞園(私は……)

舞園(私は今、桑田君に何をしようとした……?)

舞園(あの時……何故か頭の中に……)

舞園(苗木君が……)

舞園(もしあの時、振り下ろしていたら……)

舞園(今頃私は桑田君を……!)

ガキンッ

外で扉に何かする音が聞こえた

ー苗木の部屋ー

桑田は部屋から取ってきた工具セットを持って
苗木の部屋に入った

ガチャン

ドアの鍵を閉める

桑田「………」

ガシャガシャと工具セットを引っかき回し
いくつかの工具を持ってドアを壊そうとする

ガキンッ

舞園(私は……)

ガキンッ

舞園(何の疑いも持たずに付いてきてくれた桑田君も)

ガキンッ

舞園(私を気遣ってくれた鮫島さんも)

ガキャッ

舞園(ずっと優しくしてくれた苗木君も)

キィ……

舞園(みんなを騙して……)

扉の外には桑田が包丁を握りしめて立っていた

舞園(苗木君……みんな……)


舞園「ごめんね……」


舞園の腹部に包丁が深々と突き立てられた

「ぅるアアアアアアアアアッッッッッ!!!」

桑田「あぽ?」

メゴォッッ…

目の前で突如、桑田がぶん殴られる


赤い髪
短い学ラン
学校指定の白ソックス


舞園の前に現れたのは1人の男……いや、

漢だった

舞園「さ……鮫島さん?」

鮫島は何も言わずに舞園の方を向き
おもむろに舞園の腹に刺さっている包丁を抜く

舞園「え…?あれ…?」

確かに制服には穴が開いている
しかし、その下は傷1つ無い白い素肌が見えている

舞園「どういうこ……

ドシャァッ

言い終わる前に鮫島がうつ伏せに倒れた

舞園「鮫島さん!!」

舞園は葉隠の言葉を思い出した


【鮫島っちは他人のダメージを自分に移す術を使ったんだべ!】


舞園「まさか……まさか鮫島さん……!」

舞園「私のせいで鮫島さんが……」

舞園「早くなんとかしないと!」

ー舞園の部屋ー

苗木「……」マイゾノサンノフトンダー♪

苗木「……」マイゾノサンノニオイガスルー♪

苗木「……」スヤスヤ

ピピピピピピピピピピピピピピピピンポーン

苗木「またっ!?」ガバッ

ガチャッ

苗木「え、舞z…舞園「苗木君!!」

舞園「鮫島さんが!!鮫島さんが!!」

苗木「え?」

ー苗木の部屋ー

苗木「鮫島クン!!」

鮫島「」

舞園「苗木君……私が…私がバカなコト考えなければ……」

苗木「事情は後で聞く!」

苗木「とりあえず舞園さんは大神さんを呼んで来て!」

苗木「大神さんは怪我に詳しいはずだから!!」

舞園「は…はいっ」

大神「鮫島……!」

苗木「大神さん!」

大神「とりあえずプロテインだ。飲め」

大神が鮫島を抱きかかえ、口にプロテインを流し込む

鮫島「」

舞園「鮫島さん……」

大神「問題無い……先日の大和田の時より怪我の症状は軽い……」

霧切(目が覚めちゃったから、何の気なしに廊下に出てみたら…)

霧切(スゴい勢いで大神さんが走って来て)

霧切(覗いてみたらなんか起きてる……)

霧切(交ざったらツッコミに回されそうだわ…退散、退散)

苗木「あ、霧切さん。そんな所でなにしてるの?」

霧切(げ)

鮫島「う……」

大神「む…鮫島、気がついたか……まずはプロテインだ……」

苗木「鮫島クン!」

舞園「鮫島さん。ごめんなさい……」グスッ

桑田「すまなかった……鮫島……お前がいなかったらオレは今頃……」

鮫島「言うな桑田。野暮になる…」

桑田「さ…鮫島ぁぁぁ」グスッ

霧切(イイハナシダワー)

苗木「それで…どこまで聞いたっけ?」

霧切「桑田君が舞園さんの腕を折った辺りね」

苗木「舞園さん、腕は大丈夫?」

舞園「はい。こんなモノ鮫島さんに比べたら全然です」

桑田「その後、舞園ちゃんがシャワールームに入ったからオレは工具箱を取りに自分の部屋へ……」

桑田「あの時思い直す時間はたっぷりあったのにオレは……」

舞園「そんな…最初に襲いかかったのは私ですし……」

桑田「工具セットを取ってきた後は、部屋の鍵を閉めてシャワールームの取っ手を壊したんだ」

苗木「それで舞園さんを刺したと……」

舞園「そしたら鮫島さんが現れて身代わりに……」

霧切「身代わりがどうとかは百歩譲っていいとして…」

霧切「どうやって鮫島君は鍵のかかった部屋に入ったの?」

鮫島「ん?そんなモン決まってんだろ?」



鮫島「ダチがピンチだから駆けつけたんだよ……」

鮫島「ダッシュで!」

霧切「……えぇ。それで、どうやって入ったの?」

苗木「いや……だからダッシュで……」

霧切「ダッシュで部屋まで来た。はい。でその後は?」

舞園「えぇと……時空を割ってシャワールームに……」

霧切「そんな魔法みたいなコトできる訳ないでしょ」

舞園「……」

鮫島「ゴハァッ」ブシュッー

桑田「鮫島ァァァ!」

苗木「霧切さんが余計なコト言うから鮫島クンの傷が!」

霧切(帰りたい……)

大神「それでは鮫島は我が責任を持って部屋へと送り届けよう」

鮫島「スマンな…」

桑田「じゃなー」ノシ

舞園「皆さん迷惑かけて本当にごめんなさい…」

苗木「こんな状況だもの…仕方がないよ…」

霧切「むしろ誰も命を落とさなかったコトを喜ぶべきね」

霧切「それじゃ、おやすみ」

舞園「みんな優しいですね…」

苗木「ねぇ舞園さん」

舞園「はい?」

苗木「今からどこで寝るの?」

舞園「え?普通にここで……あ」

桑田が模造刀を振り回したせいで部屋中がボロボロになっていた

舞園「えぇと……ほらっ!床も意外に…苗木「舞園さん」

苗木「今夜はボクの部屋に泊まりなよ」

舞園「ふふ…またですか?」

舞園「今度は桑田君じゃなくて苗木君を…」

舞園「殺しちゃうかもしれませんよ?」

苗木「舞園さん」

舞園「はい」

苗木「それは違うよ」

舞園「……?」

苗木「舞園さんは後ろから桑田クンを襲ったんだよね?」

苗木「桑田君がどんなに運動神経が良くても後ろから襲われて反応できるかな?」

舞園「……」

苗木「桑田クンを引き倒した時にも殺せた筈だよね?」

苗木「どうして殺さなかったの?」

舞園「それは…」

苗木「どんなに追い詰められても…」

苗木「どんなコトをしても…」

苗木「結局、心の底では舞園さんは舞園さんなんだよ」

苗木「お姫様みたいにかわいくって」

苗木「いつも笑顔で」

苗木「みんなを勇気付けられる」

苗木「舞園さんなんだよ」

舞園「……」

舞園は俯いている

苗木「さ、舞園さん。行こ?」

苗木「ここじゃ寝るのも難しいでしょ?」

舞園「はい……」

苗木が怪我をしていない方のグッと腕を引っ張った

ー舞園の部屋ー

苗木「えぇと……ボクが敷き布団で床に寝るから舞園さんは…」

舞園「苗木君っ!」

苗木「ん?どうし…舞園「えいっ!」

苗木「わ!?」

ボスッ…

舞園がベッドに向けて苗木を突き飛ばす

苗木「ま…舞園さん!?」

舞園「一緒でいいです!」

苗木「いや…えっ?…さすがにそれは……」

舞園「いいんですっ」

舞園がベッドに体を横たえ、苗木の腕を掴む

苗木「舞園さん!…や…やっぱりボク…舞園「苗木君っ」

舞園「ありがと」ニコッ

苗木「!」

苗木「はは…どういたしまして」

ーmorningー

ー廊下ー

石丸「まったく……朝は朝食会を開くと言ったのに…」

石丸「まったく…実にまったくだ……」

石丸(ん?苗木君の部屋の位置はこちらだったかな?)

石丸(気のせいか)

ピンポーン

ガチャッ…

石丸「やぁ、苗木君!!今日m……

舞園「ふぁ…あ、石丸君。おはようございまふ……」ネムイ…

石丸「」

石丸「し…失礼。舞園君」

石丸「どうやら部屋を間違えt…

苗木「んー…あ、石丸クン?おはよう」ネムイ…

石丸「」

舞園「あ、苗木君!おはようございますっ」

苗木「うん、おはよう。舞園さん」

石丸「」

ー食堂ー

苗木「おはようー」

舞園「おはようございます」

江ノ島「おはー」

朝比奈「おー!お2人さん朝から一緒とは…」ニシシ

十神「おい舞園」

舞園「はい?」

十神「右手に何があった」

舞園「あーこれですか…これは……えっと……」

大神「舞園よ…無理をして言う事ではないぞ……」

桑田「そ…そうだぜ!なぁ鮫島?」

鮫島「あぁ…」

十神「……鮫島も腹に包帯が巻かれている」

十神「何かあったのは明白だ…俺はそれが何かと聞いているんだ」

十神「答えろ」

舞園「えぇと…あの…」

モノクマ「うぷぷ~」

モノクマ「それは昨夜、舞園さんが桑田クンを殺そうとしてできた傷なんだよ」

「「「「「!!!」」」」」

苗木「モノクマッ!!」

モノクマ「しかも、桑田クンも舞園さんを殺そうとしちゃうし~」

モノクマ「昨夜は面白かったなぁ~あっはっはっはっは」

十神「舞園、事実か?」

舞園「……はい、ごめんなさい……」

モノクマ「惜しかったな~次はちゃんと殺されてくれるかな~」

モノクマ「次は誰が殺す番で誰が殺される番になるかなー」

江ノ島「ふざけんな!」

江ノ島「こっちは殺すだの殺されるだの知った事じゃないんだよ」

江ノ島「早くこっから出せ!」

モノクマ「なにぃ~江ノ島さん怖いの~?」

モノクマ「誰かに殺されるのが怖いの~?」

江ノ島「このッ!」

苗木「江ノ島さん!!」

苗木の制止も聞かずに江ノ島がモノクマをおもいきり蹴りあげる
モノクマはサッカーボールの如く転がって行き、仰向けになって静止した

モノクマ「いたた…」

モノクマ「モノクマへの攻撃は校則違反だよ!!」

モノクマ「助けて~グングニルの槍!」

ヒュッ…

江ノ島の胸元に何かがコツンと当たった

江ノ島「?」

ガァッン……

モノクマ「え?」

江ノ島の周りを数本の槍が囲んでいた
しかし、それら全てが江ノ島に到達する前に静止している

セレス「防御壁!?」

セレス「ば…バカな…あれほどの防御壁を術式無しで発生させるとは……!」

霧切(なんか語り出した!?)

セレス「どういうコトか理解できませんわ!!」

霧切(私も同じ気持ちだわ)

江ノ島「え?これどうゆうこと?」

江ノ島「ねぇ盾k…モノクマ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

江ノ島「!?」

モノクマ「急にお腹がー」

モノクマ「あぁーお腹が痛いー」

モノクマ「とゆうわけでサイナラッ!!」

大和田「な…なんだってんだよ……」

鮫島が席を立ち、江ノ島に投げた物を拾う
それは綺麗な装飾のついた懐中時計だった

江ノ島「さ…鮫島くん?」

鮫島「ん?」

江ノ島「ハッ!!」

江ノ島「さ…鮫島!」

江ノ島「わt…あたしのコトよくわかんないけど助けてくれて…」

江ノ島「さ…さんきゅーな」

鮫島「おう、気にすんな」

ー江ノ島の部屋ー

江ノ島(戦刃)「……」ムスー

モノクマ(怒ってらぁ~)

江ノ島(戦刃)「正座」

モノクマ「あ、はい」

江ノ島(戦刃)「盾子ちゃんの言う通りにしたら殺されかけました」

江ノ島(戦刃)「どういうことですか」

モノクマ「いや、残姉ちゃんだし…」

ゲシッ…

モノクマ「蹴ったな!?」

モノクマ「学園長への攻撃は校則違反です!」

モノクマ「くらえっグングニルの槍!」

江ノ島(戦刃)「………」サッ…

モノクマ「まさか避けるとは…」

江ノ島(戦刃)「盾子ちゃん。お姉ちゃん起こってるんだよ?」

モノクマ(残姉ちゃんに怒られるとかマジ絶望的……)

モノクマ「だって、コロシアイが起きないし~…、そろそろ1人くらい~…」

ゲシッ…ガスッ…ボスッ…

モノクマ「ちょ…痛い!…綿がでる綿が!!」

江ノ島(戦刃)「………」ムスー

モノクマ「いや…ボクも本当はこんなコトしたくないんだよ?」ボロボロ…

モノクマ「ただ、色々計画に差し障りがあったからね…」

モノクマ「鮫島クンさえいなかったなら全部うまく行ってたハズなんだよ!」

モノクマ「むしろ鮫島クンがいるから姉妹の関係が冷えきっているのです!!」ロンパァッ

江ノ島(戦刃)「な…なるほど!」

モノクマ「さぁ、お姉ちゃん!殺ってくるのです!」

モノクマ「私様の為に!!」

江ノ島(戦刃)「盾子ちゃん!お姉ちゃん行ってくるよ!」

モノクマ(我が姉ながら実に残念だなぁ……)

ー食堂ー

ガチャッ…

葉隠「お?江ノ島っち。どうしたんだべ?」

鮫島「よっ」

江ノ島「やほー、ちょっとね」

江ノ島(2人か…よしっ)

江ノ島「あ、鮫島!襟にゴミが付いてるよ!」

江ノ島「取ってあげる…」

鮫島「お?すまんな」

江ノ島(今だッ!!)

江ノ島(戦刃)が仕込みナイフで鮫島の首筋を狙って……
おもいきりスカッた

戦刃「ぇ…!?」

戦刃「こ…この距離で外した!?」

葉隠「なにも驚くコトはないべ……」

戦刃「!?」

葉隠「その男は鮫島だべ」

葉隠「真の男は一回り大きく見えるものだべ!!」

戦刃「ほ…本当だっ!」

戦刃「実物ちっちゃい!」

鮫島「」

戦刃「あ…ち…違うよ、鮫島くん!!」

戦刃「苗木くんとかみたいに身長が低いって言いたいわけじゃなくてね…あの…えと」

葉隠(苗木っちが関係ない所でバカにされてるべ)

モノクマ「あーもう!なにやってるのさ!」

戦刃「あ、盾子ちゃん!ど…どうしよう!」

葉隠「盾子ちゃん?」

戦刃「あ」

モノクマ「なに言ってんだ、このバカッ!」

戦刃「お…お姉ちゃんに向かってバカって言うなぁー…」

モノクマ「絶望的に残念だなー、ホントに!」

モノクマ「ほらほらっ!さっさと2人を殺っちゃって!」

戦刃「う…うんっ!」

戦刃が鮫島にダッシュで近寄って…

ガンッ…

椅子につまずいた

ゴロゴロ…

転がった

戦刃「」シーン

動かなくなった

モノクマ「………」

モノクマ「残念すぎて言葉もでません」

そのままモノクマは戦刃を引きずってドアから出ていった

ー食堂ー

葉隠「……と、いうコトがあったんだべ」

舞園「つまりその盾子ちゃんって人がモノクマの正体?」

苗木「盾子って江ノ島さんだけだよね」

十神「お姉ちゃんに向かってなどと言っているのだから姉妹なのだろう」

腐川「白夜様、もう一回お姉ちゃんって言って貰えますか?」ハァハァ

十神「死ね」

ー情報処理室ー

江ノ島「………」

江ノ島「正座」

戦刃「はい…」シュン…

江ノ島「何してるのさ!?」

江ノ島「バレちゃってんじゃん!!」

戦刃「あうぅ」

戦刃「ご…ゴメンね盾子ちゃん……」

江ノ島「あーもう!」

江ノ島「もういい!私様が直々に行ってくる!」

戦刃「……盾子ちゃん……なにやってるの?」

江ノ島「え?バレないように変装」

戦刃(八頭身のモノクマ……)

江ノ島「よしっ…できた」

江ノ島「さぁ残姉ちゃん。付いて来ーい!」トコトコ

戦刃(八頭身のモノクマが歩いてる……)

ー食堂ー

セレス「問題は江ノ島盾子がどうしてこのようなコトを起こしたかですわ」

不二咲「実際に危ない状況にまでなってたもんね…」

「そんなモン決まってんでしょ!!」

「絶望、そんだけだ!!」

バァン…

扉を開けて入って来たのはカツラを取った戦刃むくろと…
八頭身のモノクマだった

霧切(うわぁ……)

苗木「モノクマッ!?」

セレス「あくまでモノクマで出てくるわけですか」

大和田「自分はカメラの奥から高みの見物ですってコトか!」

山田「卑怯ですぞ!」

戦刃(みんなには見破れない盾子ちゃんの完璧な変装、私はすぐに見破ったもんね)

戦刃(これこそ姉妹愛ってヤツだね)フンスッ

霧切「…江ノ島盾子」

江ノ島「うぷぷ~なにかなァ?」

霧切「正直に言って……怖いわよ?それ」

江ノ島「」

戦刃「ひ…ひどいっ、盾子ちゃんが夜なべして作ったのに!」

江ノ島「うん…なんとなく知ってた……」

江ノ島「いや…別に?ちょっとした余興だから?」

江ノ島「全然問題ないし?」

江ノ島「私、ギャルだし?」

江ノ島「うぷぷ…バレてしまっては仕方がない…」

スポッ…

江ノ島「実は私様でしたぁー」

苗木「な、なにぃぃぃ!?」

桑田「今までのモノクマは変装だったのか!?」

十神「お…俺は最初から気づいていたぞ!!」

霧切(アホばっか……)

江ノ島「さらにさらに~…」

江ノ島が右手を上げた

多数の武装したモノクマが全員を取り囲む

桑田「な…なんだこりゃ!?」

江ノ島「なにかって?」

江ノ島「うぷぷ~」

江ノ島「絶望」ニヤッ

大和田「おいおいおいマジでヤバいんじゃないか!?コレ」

桑田「アホアホアホ!」

朝比奈「こ…これじゃみんな…」

大神「ぬぅおおおおおおおおお」

大神が絶望した様に膝をつき地面を叩く
衝撃が地面を伝った

江ノ島「うぷぷぷぷ」

江ノ島「やっほーみんなー絶望してるー?」

江ノ島「うぷぷ~」



鮫島「してねぇよ」

江ノ島「はぁ?」

苗木「!!」

苗木「そうだ…ボクらはまだ希望を持っている…」

苗木「希望を持っている限り、ボクらは前を向く……」

苗木「どんなことがあっても」

苗木「諦めない!」

石丸「よく言った」

苗木「石丸クン……!」

石丸「希望……いい言葉じゃないか」

石丸「なぁ、江ノ島君?」

江ノ島「寒気がするね」ベー

石丸「そうか…残念だ」

石丸「この力は使いたくなかったんだがな…」

葉隠「!?」

葉隠「石丸っちの魔力が上がっていく!?」

霧切(早く終わんないかな……この茶番)

江ノ島「何をする気か知んないけどぉ」

江ノ島「みんな死んじゃえ!行けモノクマ!」

シーン…

江ノ島「あ、あれ?」

大神「先程の一撃で全てのモノクマをショートさせた……」

江ノ島「!?」

石丸「行くぞ、鮫島君…用意はいいか?」

鮫島「あぁ、覚悟しろ。江ノ島…」

江ノ島「ちょっ!?マジ!?」

江ノ島「あぁ!!モノクマが邪魔で逃げ場がない!?」

戦刃「盾子ちゃん!」

ガンッ

江ノ島「バカーッ!!このタイミングでこけんなぁー!!」

石丸「忘れろ……」

鮫島「男気……」

江ノ島「コ…コレはマジで……ぜ……」

石丸・鮫島「「ビィィィィィィィィィィィィィィィム!!!」」

江ノ島「絶望的ィィィィィィ!!!」


戦刃「盾子ちゃん!!」

江ノ島「はい。なんでしょうか」

戦刃「!?」

戦刃「盾子ちゃんが今まで見たことないぐらい男らしい顔してるっ!」

葉隠「忘れろビームで負の感情を消し去り」

葉隠「男気ビームで正の感情を植え付けた」

葉隠れ「見事だべ」

セレス「お2方ともさすがですわ」

霧切(あ…終わったっぽい)

ーちょっとしてからー

ー外ー

苗木「まさか世界がこんなコトになってるとはね……」

鮫島「あぁ…」

苗木「でも希望は前に進んでるよ」

苗木「ボクも頑張らなきゃね」

鮫島「頑張れよ。苗木」

苗木「ハハ…。鮫島クンキミも…」

………

苗木「あれ?鮫島クン?」

苗木「あぁ…そっか……そういうことか」

舞園「おーい、苗木くーん」

苗木「舞園さん!おかえり」

舞園「はいっ!どうでした?」ニコッ

苗木「やっぱり舞園さんはステージの上が1番だね」

舞園「えへへ」

舞園「あれ?鮫島さんは?」

苗木「あぁ…鮫島クンなら……」



苗木「ダチがピンチだから駆けつけに行ったよ……」

苗木「ダッシュで!」

くぅ疲

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