キース「我々人類は、巨人どもに蹂躙されつづけてきた」
エレン「……」
キース「どれほど立体機動が上手くとも、馬術が上手くとも、数の暴力に負け続けてきた」
アルミン「……」
キース「かつて調査兵団長だった私は、己の無力を嘆くと同時に神に祈った。祈り続けた。奴らに対抗する力をくれと」
ミカサ「……」
キース「すると一週間前――」バサッ
金ガチャ龍「さげてね!」
訓練兵一同「「!!??」」
キース「なんだか知らぬが、すごいものを召喚してしまったのだ」
アルミン「きょ、教官! このよくわからない、巨大な物体はなんでしょうか!?」
キース「だから知らぬと言っている」
金龍「さげてね!」
キース「ただ、お告げはあった。神のお告げだ」
ジャン(教官、とうとう頭の外だけじゃなくて中も残念なことになったのか?)
キース「――神々の力を欲するならば、己の運で掴み取ってみせよ――とな」
コニー「結局どういう意味だよ!?」
金龍「さげてね!」
キース「慌てるなスプリンガー。この物体は、異界『パズドラ』の神々を呼び出せる……かもしれない装置とのことだ」
コニー「すげえ!?」
ジャン「のか……? とてもそんな代物には見えないがな」
キース「既に調査兵団の団長や一部の分隊長はこの物体より、神を呼び出すことに成功している」
エレン「!!」
キース「何を呼び出すかわからないが、この物体『ガチャ龍』の腕を――」
金龍「さげてね!」
キース「うむ。とにかく、だ。まずはお前達に実演してみようと思う。私も初めての経験故に、緊張するが……」
訓練兵一同「「……」」ドキドキ
キース「っ! こいっ! 何かの神! でぇぇぇぇぇぇあああぁぁぁぁっ!」
ガショコン!
アルミン「あっ!? どこからともなく巨人の生首が5個飛んできて……ガチャ龍に喰われた!?」
キース「まだこいつには不明な点が多々あるが、討伐数5で一回腕をさげられる仕組みらしい。そして……!」
アルミン「お腹が開いて……金色の卵が出てきた!?」
パカッ!
ハク「……あなたがマスター? 私は霊護の白虎・ハク。よろしく……」
キース「」
訓練兵一同「」
ライナー「結婚しよ!?」
◆
ハク「……理解した。マスターの命令なら、巨人討伐を手伝う」
キース「おお、ありがたい! それにしてもかわいいなぁお前は!」ナデナデ
ハク「……マスター、あつい」
ライナー「」
コニー「飛びかかったライナーが、一瞬で叩きのめされたぞ……」
ジャン「あのなりで四神の一柱らしいが、まさか本当に神を呼び出すなんて……」
マルコ「見た目じゃわからないもんだな。ああして見ると、おじいちゃんと戯れる孫娘って感じだよ……」
サシャ「……あの教官が満面の笑みで、ちょっと気持ち悪いです」
エレン「いやそんなことより、神様が本当に力を貸してくれるってんなら、人類にとって新しい希望じゃないか!」
キース「その通りだ。お前達訓練兵に集まってもらったのも、全員でガチャを行ってもらうためだ」ナデナデ
ハク「……初回は特別。みんな討伐数0でもできるから、頑張って」
キース「ではそこの列から早速ガチャを行え! アルレルト訓練兵、貴様からだ!」ナデナデ
アルミン「は、はっ!」ガショコン!パカッ
アスタロト「私を呼んだのはあなたかしら? 私は魔神アスタロト。召喚者のあなたに、悪魔の知恵を授けましょう」
アルミン「(悪魔!?)よ、よろしくお願いします!」
キース「よくやったぞ! 次、スプリンガー訓練兵!」ナデナデ
コニー「よし、いっけぇ!」ガショコン!パカッ
フレイヤ「あれ、呼び出し? あたしは大地の女神フレイヤだよ。よろしくね~」
コニー「おっぱいでけえ!?」
キース「よし、次――こら貴様ら、順番を守らんかっ!」ナデナデ
トーマス「神様ってのは、こんなにも美少女揃いなのかっ!」ガショコン!
フランツ「許してくれハンナ! ガチャらずにはいられないんだ!」ガショコン!
ミリウス「教官やアルミン達に続くんだ!」ガショコン!
訓練兵共「「うおおおおおぉぉぉぉぉぉ!」」ガショコン!ガショコン!ガショコン!
――――
―――
――
―
アースゴーレム「むーん」
フレイムゴーレム「むーん」
アイスゴーレム「むーん」
ダークゴーレム「ういーん」
マシンゴーレム「ういーん」
一同「」シシルイルイ
アルミン「oh……」
ハク「そ運ゴにも程がある……」
アルミン「そ運ゴ?」
アスタロト「それは運命的なゴーレム達との出会い、ですわ……」
キース「ま、まあ神ではないが、なかなかの巨体だ。巨人との戦いでもきっと役に立つだろう」
エレン「見ていてわかったが、基本的に金色の卵以外は神じゃないみたいだな……」
ミカサ「さすがに神様。そう簡単には力を貸してくれないということ……」
ライナー「……次は、俺がいく」
ベルトルト「ライナー!? 正気か!?」
ライナー「これだけ星印の卵が続いたんだ、次は金がくる。やるぞ! 今、ここで!」
ベルトルト(そうじゃなくて、神々が増えるとこっちにとって都合が悪すぎるんだよ!)
アニ(……駄目だね。完全に女神欲にとりつかれてる)
ライナー「ふんぬっ!!!」ガショコン!
アニ「あっ……金の卵!?」
ライナー「きたぞきたぞ! さあ、結婚しよっ!?」
パカッ
アレス「戦軍神・アレス……推参」ムッキムキ
ライナー「うほっ」
アニ「!?」
ベルトルト「!?」
ミカサ「……また流れが変わった。今度は私がやろう。そいやっさ!」
ガゴォン!
エレン「おい、今なんかすごい音がしたぞ!?」
アルミン「そして凄い勢いで金の卵が射出された!」
パカッ
ヘラ「いたた……誰じゃ、この妾をこんな乱暴に呼び出しおって……」
ミカサ「おお、なにかすごそうな神が」
コニー「おっぱいやべえ!?」
ハク「……! 暗黒の女神・ヘラ!? 彼女はガチャには納まりきらない神だというのに、どうして?」
ミカサ「私は自分の身体を完全に支配し、コントロールできる。……ので、ガチャも支配できた。多分」
ジャン「さすが俺のミカサだぜ! よし、ミカサに続けぇ!」
マルコ(ジャン……)
アルミン(何故だろう、ミカサとあの女神……なんだか同じ匂いがするような……)
ミカサ(暗黒の女神、ヘラ……)
ヘラ(よくわからぬが、この娘とは仲良くなれそうな気がするの……)
◆
ガショコン! パカッ
ペルセポネ「冥府神・ペルセポネよ。よろしくお願いするわ」
ジャン「お、おうっ!?(こいつも……綺麗な黒髪だな……)」
ガショコン! パカッ
バステト「呼ばれて飛び出てにゃんにゃんにゃーん! バステトちゃんのお出ましにゃ!」
マルコ「か、かわいい……!?」
ガショコン! パカッ
佐助「拙者、猿飛佐助という大忍者でござる! 共に悪を成敗するでござるよ!」
ベルトルト(神じゃなくてよかった反面……なんだろう、この敗北感は?)
ガショコン! パカッ
アルテミス「私は狩猟神・アルテミス。こう見えて――」
サシャ「うちもしかして凄い神様ひいたん!?」
コニー「ああ、顔でけえ!?」
アルテミス「……ぐすん」
ガショコン! パカッ
ルシファー「我は大天使ルシファー……汝の敵を退ける刃とならん」
クリスタ「て、天使様!? って神様もいるんだから天使様もいるんだよね……」
ガショコン! パカッ
ケリ姫「あらー? 何か出る場所間違えたかしら?」
アニ(神ではなさそうだけど……なんて鍛え上げられた脚なの!?)
ガショコン! パカッ
ベリアル「お、お嬢さんが呼んでくれたのかい? 俺は邪炎の魔神将・ベリアル。どうだい、このイカすマイカーで一緒にドライブ――」
ユミル「くたばれこのチャラ男!」
エレン「……残るは俺一人か」
ミカサ「お母さんは言っていた。残り物には福があると。これは東洋の伝統らしい。ので、エレンはきっといいものが出る」
アルミン「ミカサが引いてから、本当に金の卵の出現率が異常に上がっている。これならエレンもきっと……!」
エレン「行くぞ……っ!」
ガショコン! パカッ!
サクヤ「極光の麒麟・サクヤ、ここに。以後よろしくお願いしますね、マスター」
エレン「お、おお! よろしくな!」
アルミン「すごい力を感じる……彼女は?」
ハク「……私たち四神を束ねる黄龍・ファガン様と同等か、それ以上の力を持つ存在」
ハク「……現在確認出来ている神々の中でも、特に殲滅力に優れている。ただ扱うのが……」
アルミン「やったじゃないかエレン! 大当たりだよ!」
エレン「ああ、来てくれてありがとうな、サクヤ!」
サクヤ「いえ、こちらこそ。ご期待に応えられるよう、頑張ります!」
キース(これで全員か。……やはり私のハクが一番かわいいな)ナデナデ
ミカサ「エレンに……いきなりあんなべたべたと……あの女狐ぇぇぇ……!」ギリギリギリ
ヘラ(おぉう……妾もびっくりの暗黒瘴気が……)
ヘラ(ミカサ・アッカーマンか……うむ、気に入ったぞ!)
ヘラ「ミカサ、ミカサ」
ミカサ「……何?」
ヘラ「あの男……エレンとやらを好いておるのか?」
ミカサ「エレンと私は……そう、家族。とても大切な」
ヘラ「ほうほう、ならば結婚せねばじゃな。妾も実は家族と、弟のゼウスと結婚したんじゃが……」
ミカサ「なんと」
ヘラ「ゼウスの周りには、常に沢山の女がおってのぅ……」
ミカサ「それは駄目。そいつらは全員、家族を壊そうとする女狐、泥棒猫。それらはすぐに削ぐべき」
ヘラ「削ぐって……うむ、さすが妾が認めた女といったところじゃな!」
ミカサ「?」
サクヤ「!?」ゾクッ
エレン「どうした?」
サクヤ「い、いえ……なんだか突然寒気が……」
アルミン「ミカサ……」
アスタロト「あなた、恐ろしい友人をお持ちですのね……」
アルミン「あはは……」
キース「それでは明日より、神々の力を解放するための、『コンボ』及び『スキル』の訓練を始める!」
訓練兵一同「「はっ!」」
アルミン(人類が突如手に入れた、巨人への対抗手段、異界の神々――)
アルミン(それだけでなく、大量の石像や悪魔までもが、目の前に確かに存在している)
アルミン(全く未知の存在、だけどこうして一緒にいるだけで、凄まじい力を持っているのがわかる)
アルミン(これで、巨人は人類の敵ではなくなった。僕には――そう思えた)
今日はここまで
いまさらですが、キャラ崩壊及び一部設定の変更注意です
読んでくださった方どうもありがとう
基本的にゆったり進行ですが、再開します
……その日の夜、アルミン達の部屋
アルミン「それで、どうしてこんな状況になっているんだい?」
アスタロト「何がですの?」
アルミン「君が僕の布団の中にいることだよ! ここ、男子寮だよ!?」
アスタロト「あなた方の上官直々の命令ですもの。『各自契約した者と共に時を過ごせ、夜も含めて、片時も離れずに』と」
アルミン(教官……絶対自分があの白虎の子と寝たいだけだろ……!)
アスタロト「確かにベッドが狭くなってしまうけど、条件はみんな同じですわ」
アルミン「いやそうじゃなくて、女の子とこんな時間に一緒に眠るってのは……」
アスタロト「あらあら、真面目ですのね。でもご心配なく、私もいざとなれば樹の呪いを使わせて頂くので」
アルミン「樹の呪い?」
アスタロト「私が得意とする術ですの。あぁ、折角ですし、眠るまであなたに簡単な神々や悪魔のお話しをしましょう」
アスタロト「明日以降の訓練でも、無駄になるものではない、有意義な時間でなくて?」
アルミン「うーん……確かに興味はあるし、そっちに集中すれば大丈夫かな……?」モゾモゾ
アスタロト「では決まりですわね。丁度お友達と、彼らの召喚した神々も帰ってきたみたいですし」
◆
ジャン「その……あんた、綺麗な、黒髪だな……(いい匂いがして眠れねぇ……)」
ペルセポネ「あら、どうもありがとう。これでも夫のために、手入れを欠かしたことはないの」
ジャン「」
アルミン(ジャン……)
アスタロト(彼女はペルセポネ。得意とする術は闇の力を増幅させ、一気に攻勢に転じれるものですわ)
アスタロト(全知全能の神とされるゼウスと、その姉である豊穣神セレスの間に生まれた娘とされており……)
アルミン(え?)
アスタロト(ある日、ゼウスの兄でありセレスの弟である冥府神ハーデスに拉致・冥界に監禁された後に結ばれ……)
アルミン(色々とまずい言葉が聞こえたんだけど……)
アスタロト(この世界でしたら、即座に憲兵に突き出されますわね。でも神々なんて、そんなものですわよ?)
アルミン(いきなり知りたくも無い、神々の乱れた実態を知ってしまった……)
アスタロト(それでもまだ私の話を聞こうとする、その貪欲な探求心……嫌いじゃありませんわ)
バステト「うにゃー……ご主人様の腕の中、あったかいにゃー……」ゴロゴロ
マルコ「そ、それはよかったよ……(無心に、無心になるんだマルコ……!)」
アスタロト(彼女はバステト。あざとい。以上ですわ)
アルミン(説明がさっきと比べて明らかに雑だよ!?)
アスタロト(だって本当のことなんですもの……! 彼女は諸説ありますが、音楽や踊りを愛する猫の神)
アルミン(そういえば、楽器を持っていたね)
アスタロト(元より人間やその家庭を守護する女神ですし、それは構わないのですが……あのあざとい外見と服装!)
アルミン(引っ張るね……)
アスタロト(目の前で友人が悶えている姿を見て、なんとも思いませんの?)
アルミン(マルコなら大丈夫さ。きっと……)
バステト「ん、私からも抱きついた方が、もっとあったかいにゃ……」ガシッ
マルコ「……」プルプル
アルミン(頑張れマルコ……!)
サクヤ「申し訳ありません、無駄に長い尻尾で……!」ムギュッ
エレン「いや、ぎりぎりなんとか入れそうだ……っんむっ!?」ムギュッ
サクヤ「申し訳ありません、無駄に大きい胸で……!」ムギュッ
アルミン(こんな光景をミカサに見せた日には、血の雨が降るな……)
アスタロト(彼女は先程も説明がありましたけど、聖獣の麒麟。圧倒的な攻撃能力を有していますわ)
アルミン(教官の白虎を従える黄龍と同等とか言っていたね)
アスタロト(ええ。彼女も諸説ありますが、神と人間の戦争があった際、人間側についたために追放され、黄龍にその地位を奪われたとか)
アルミン(神と……人間の戦争……!?)
アスタロト(……だから、神々なんてそんなものですの。全ての神がいつも人間の味方というわけではない、時に人間を騙して利用することもある)
アルミン(……)
アスタロト(信じていたものに裏切られ、見捨てられ、絶望し……そして人間は私たち悪魔に縋る。神に仕える天使が堕天することもありますわ)
アルミン(…………)
アスタロト(ああ、心配はいりませんわよ? 少なくとも私は、それにこの部屋にいる三神も。巨人討伐には尽力しますので)
アルミン(う、うん……ありがとう……)
アスタロト(あら、少し元気を無くしてしまいましたの? それでは、少し食いつきそうな神々のお話を)
アルミン(え、なになに?)
アスタロト(お隣の部屋、ライナーが呼び出した戦軍神・アレスはとにかく凶暴で、壁破壊の神ともされ……)
アルミン(壊さないでね!? 巨人が入ってくるからね!?)
アスタロト(ついでに、ゼウスの息子ですの。母親はあのヘラですわ。さらに言うと、ヘラはゼウスの姉にあたり……)
アルミン(あれ、さっきセレスとかいう神と結婚して、そこのペルセポネが……あれ?)
アスタロト(サシャが呼び出したアルテミスも、ゼウスの娘ですわ。他にもアポロンやヘルメスといった面々も……)
アルミン(……神々に良識ってものはないのかい?)
アスタロト(勿論、正妻のヘラも黙ってるわけがありませんわ。怒った彼女のとる行動は、悪魔よりも悪魔じみていて……)
アルミン(まさか……)
アスタロト(ゼウスの愛人やその子供達に、あの手この手の恐ろしい、残忍極まりない制裁を与えたのですわ)
アルミン(……ミカサは、そんな危ない神を引き当ててしまったのか)
アスタロト(戦力としては、間違いなく一級なのですが……ふわぁ、今日はここまでにしておきましょうか……)
アルミン(そうだね……いつの間にか僕も眠く……お休みなさい……)
……同刻・ライナー達の部屋
ライナー「……」ハァハァ
アレス「……!」ゾクゾク
ベルトルト(……)
トーマス「……よくみたら、ゴーレムのこれはおっぱいなんじゃないか?」ブツブツ
アースゴーレム「グゴー……」
トーマス「……ゴーレムにも、穴はあるかもしれないよな……」ブツブツ
ベルトルト(……)
佐助「むにゃむにゃ……でござる」
ベルトルト(僕が……僕が何をしたって言うんだ……いや、壁を破壊したりはしたけど……)
ベルトルト(その報いが、この混沌とした部屋で毎晩過ごすこととは……)
ベルトルト(ライナーは鼻息が部屋全体に響くほどうるさいし……)
ベルトルト(トーマスは寝てるのか起きてるのか、虚ろな瞳でぶつぶつ何か言ってるし……)
ベルトルト(僕は何故か、この佐助という男の抱き枕代わりにされる始末。そしてなにより……)
フレイヤ「やだ……コニー君小さいのに、ここはこんなに……」ドキドキ
コニー「お、おい何すんだよフレイヤ……!?」
フレイヤ「お兄様のよりも凄い……」ドキドキ
コニー「ん? お前兄貴がいるのか……ってうぉ!?」
フレイヤ「ねえ、このスキルマグングニール、食べちゃってもいいよね? いいよね!?」ハァハァ
コニー「おい、何言ってるのかわかんね――」
ズブゥ
ベルトルト(コニー……なんでこんな光景を僕に見せるんだい……?)
ウォォォォ!? イイヨォ!
ベルトルト(駄目だ、耳を塞いでも聞こえてくる……)
ベルトルト(訓練兵として過ごす3年の間は、基本寮生活。訓練兵が巨人を討伐するようなことはない)
ベルトルト(それはつまり、あのガチャとかいう奴から新たな神が出てこないということだけど……)
ベルトルト(逆に言えば、僕らが最初に呼び出した存在と、3年間ずっと一緒に過ごさざるをえない……)
ベルトルト(3年間も……こんな生活を……!? そ、それでも僕は、戦士なんだ! 耐えてみせる……!)
翌日・訓練広場
アルミン「ふぁ……おはよう、エレン」
エレン「おう、おはようアルミン!」
アルミン「エ、エレンなんだかいつもにも増して元気だね?」
エレン「ああ、なんだか昨夜はいつも固い枕がすっごく柔らかかったからかな、よく眠れたんだよ」
サクヤ「あ、ありがとうございます……」
アルミン「…………ミカサにはその話、絶対にしないようにね?」
エレン「? わかったよ。お、マルコにジャン……ってどうしたんだよその顔!?」
マルコ「エレン……僕は、やり遂げたよ……!」ゲッソリ
ジャン「死に急ぎ野郎め……今回ばかりは、お前の駆逐脳が羨ましいぜ……」ヤツレ
ライナー「はっはっはっ! お前達も夜中に興奮して眠れなかったのか?」ツヤツヤ
一同(なんかライナーがいつも以上につやつやしてないか……?)
ベルトルト「色々な意味で、眠れなかった人の方が多いに決まってるじゃないかライナー……」
アルミン「ベルトルトもかなり疲れた顔だね……」
コニー「……」
マルコ「あれ、いつも元気なコニーまで眠れなかったのかな?」
コニー「母ちゃん……俺、大人になっちまったよ……」ボソリ
訓練兵一同「「!!?」」
アスタロト「ああ、昨夜言いそびれましたけど、彼のフレイヤは一言で言い表すと『歩く性欲』ですわ」
アルミン「ぶふぅ!?」
フランツ「なんてことだ……それよりもアルミン、君もあまり疲れた表情をしていないけど、まさか……」
アスタロト「ええ、私と主は……昨夜は有意義な時間を過ごしましたのよ? 主たっての願いでしたので」
アルミン「ちょっ!?」
訓練兵一同「「なんて羨ましい!」」
トーマス「落ち着くんだみんな! よく見ろ、俺たちのゴーレムにも穴はあるじゃないか!」
ミリウス「お前が落ち着けトーマス! 俺達だって、まだチャンスはあるんだぞ!」
トーマス「え?」
ミリウス「考えてみろ、巨人を5体倒せば、もう一回ガチャができるんだぞ!? 俺達も、女神に会えるかもしれないんだ!」
トーマス「た、確かに!」
ミリウス「3年の辛抱だ! 今はとにかく前を見て訓練に打ち込むんだ!」
トーマス「そうだよな、5体どころか50体倒せば10回ガチャ、もしかしたら美少女神10人に囲まれてハーレムも……!」
訓練兵一同「「俺、絶対に調査兵団に入るよ!」」
エレン「おお、みんなすごいやる気だな! 一緒に巨人を一匹残らず駆逐してやろうぜ!」
訓練兵一同「「うるせえ! お前も駆逐されちまえ恵まれ野郎!」」
エレン「な、なんでだよ!?」ガーン
女訓練兵A「男子が異様に盛り上がってるわね……」
女訓練兵B「やーねー……」
ミーナ「あ、みんなおはよー。ねえねえ聞いて、私の引いたヴァンパイアロード、すっごく紳士なの!」
ロード「ふっ、女性を丁重に扱うのは、闇の君主として当然のことだよ……」イケメンオーラ
女訓練兵一同「「調査兵団入ろう」」
◆
キース「全員集まったようだな。……なにやらいつも以上に気迫を感じるが、よいことだ」
キース「それではこれより、異界の者の力を引き出すためのコンボとスキルの説明をおこなう!」
ハク「……私たちを呼び出し、契約した人をここではマスターと呼ばせてもらうわ」
バステト「ご主人様のほうがいいんじゃにゃい?」
マルコ「こ、こら……」
ハク「……とにかく、契約をかわした以上、マスターがいないと私たちは本来の力を十分に発揮することはできないの」
ハク「こちらの世界に呼び出された瞬間に、だいぶ力を消耗しちゃってるから。それを補うためにも、コンボは必須なの」
キース「まずお前達にやってもらうのは、宙に浮かぶ『ドロップ』と呼ばれるものの操作だ」
キース「今まで我々の眼には見えなかったが、どうやら異界の者と契約した者は、それが視認できるようになるらしい」
キース「総員、契約者は側にいるな? その状態で、このように片手を宙にかざしてみよ」ブゥン
訓練兵一同「「な、何かでた!?」」
ハク「……これが、ドロップよ。大気中にほぼ無限に散らばっているけど、人間が一度にまともに操るには30個が限度かしら」
キース「丸いドロップの色は5色。それにありがたいことに、治癒の効果を持つ四角いドロップもある。これを含めて全6種となる」
ハク「ドロップを3個以上繋げたら、私たちがそれを攻撃の力に変換できる。こうすると、ドロップは消えて、空いた穴を埋めようと次のものが降ってくる」
ハク「連続で複数のドロップを消したり、降り注ぐ新たなドロップも瞬間的に消せれば、その分私たちの攻撃の威力もあがるわ」
キース「これが、コンボだ。我々が一つのドロップに触れていられる時間はおよそ4秒であり、その点も注意するように!」
ザワザワ…
オイ、ワカッタカ? ナントナク ヤベエワカンネエ
ヨウスルニ、ヒタスラオナジイロヲツナゲレバ イヤソレヨリフッテクルホウヲ…
ハク「次にスキルなんだけど……これは自分と契約した人に聞いた方が早いわね。みんな個性があるから……」
ハク「……ちなみに私は、ドロップを私好みの3色に強制変換できる。これで、まだコンボが苦手なマスターでも大丈夫……」
キース「こ、こら! ゴホン……とにかくまずは、このドロップ操作に慣れ、コンボができるようにならなければならない」
キース「訓練は実戦形式で行う! この強化型巨人パネルを対象に、各自コンボ攻撃を打ち込むのだ。それでは、始め!」
訓練兵一同「「はっ!」」
――――
―――
――
―
ミカサ「……よし、ドロップの完全支配にも成功した」ドヤッ
ヘラ「ミカサー、言ってなかったが、妾が側にいるからドロップ操作時間が延長され……聞いてるー?」
教官「ミカサ・アッカーマン、平均7コンボ! パネル粉砕!」
マルコ「なるほど、慣れてくると楽しいかもしれないね」
バステト「パズルが得意なご主人様で助かったのにゃ」
教官「マルコ・ボット、平均6コンボ! パネル粉砕!」
アルミン「ここで続けて斜めに抜けて…………よしっ! 間に合った!」カラカラカラカラカラカラカラ……!
アスタロト「……熱心なところ申し訳ないのだけど、私の能力ではコンボはあまり重要じゃ……聞いてらっしゃる?」
教官「ア、アルミン・アルレルト、平均8コンボ、最大15コンボ! パネル粉砕!」
ジャン「くっそ、紫色のドロップが、全然降ってこねえぞ……!?」
ペルセポネ「運が悪いと、そういう時もあるわ。そんな時は、私のスキルを頼って頂戴? それっ」
ジャン「おお、黄色とピンクが一瞬で紫に……ってまとめて消しちまったらコンボになんねーじゃねーか!?」
ペルセポネ「あ」
教官「ジャン・キルシュタイン、平均5コンボ! しかしパネル粉砕!」
若教官「……驚いたな、こうも早く異界の力を使いこなすとは……」
眼鏡教官「立体機動もそうだが、やはり今年の新人は優秀な者が多いな」
若教官「ですね。しかし機材の修理費がかさみそうで……」
眼鏡教官「必要経費として考えるか、次から森の木々に犠牲になってもらうしかないな……おや?」
エレン「くそっ……!? どうして、どうしてなんだよ……こんな!?」
サクヤ「マスター、落ち着いてください! 今の位置で止めれば、降ってきたドロップが勝手に……あぁ……」
教官「エレン・イェーガー、平均3コンボ! パネル健在!」
キース「たるんどるぞ! イェーガー! 私でも4コンボは組める!」
ハク「……マスター、自慢になってないよ?」
若教官「……彼は、また苦労しているみたいですね」
眼鏡教官「仕方ないさ。それに、彼の操る麒麟は強力な反面、扱いが難しい」
眼鏡教官「紫……闇のドロップ以外の4色を全て同時に消さないと、麒麟はその力を解放できないぐらい制約がかけられているそうだ」
眼鏡教官「運が悪ければいつまでも色が足りず、短い時間で4色を同時に消す道筋を考えるのも、いきなりは無理な話というものだよ……」
エレン(俺は……何をしているんだ……?)
アルミン「エレン!? 大丈夫!?」
エレン(あれがこう動いたら、これが下に勝手に移動して、いつのまにか離れて……)
エレン(赤、青、緑、黄、紫、ピンク……俺はどれを消すつもりだった?)
エレン(そもそも、今俺が触れているドロップは何色だった……!?)
エレン(わからねえ……わからねえ……)
エレン(このままじゃ……また開拓地送りにされちまうのか……?)
ドサッ……
アルミン「エレン!?」
サクヤ「マスター!?」
エレン(どうなってんだよ……こんなはずじゃあ……)ガクッ
今日はここまで
――その夜、男子寮
エレン「頼む! 俺にコンボのコツを教えてくれ!」ドゲザ
ジャン「うっせえ! 俺もこれはあんまり得意じゃねえんだよっ! 話しかけるな!」カラカラカラ…
ライナー「さすがに、4コンボくらいは組めるんじゃないのか?」
ベルトルト「まさか考えすぎて発熱して倒れるとまでは思わなかったよ……」
コニー「正直、俺も頭がどうにかなりそうだったぜ!」
アルミン「ジャンやライナーの神様は、ドロップの色を弄れるからコンボがしやすいよね」
ジャン「どういう意味だ? 特定の色が増えた分、コンボはしにくいと思うんだが……」
アルミン「いや、色が統一された状態なら、これを掴んで、こうしてこうして、ここで斜めに移動して……」
10Combo!
ジャン「なん……だと……!?」
マルコ「指捌きがすごすぎて、あまり参考にならないね……」
コニー「今のが試験本番なら、パネル複数ぶち抜いて一発合格だろうな……」
エレン(やっぱり、自分で努力するしかないな……)
……就寝時間
エレン「……」カラカラカラ…
サクヤ「マスター、そろそろお休みになられた方が……」
エレン「悪い、もう少し……」カラカラカラ…
サクヤ「……マスターのせいではありません。私が、特定色を消さないと力を発揮できないせいで……」
エレン「アルミンのアスタロトだって、攻撃は苦手と言っておきながらパネル壊してたろ? 俺が悪い」
サクヤ「その、もし今マスターが指定の四色をいつでも自在に消せても……私一人では、意味がないんです……」
エレン「調査兵団に入ったら、仲間と一緒に戦うことになる。だからこそ、今のうちから頑張らなきゃ意味が無い……!」カラカラカラ…
サクヤ「……」
アルミン(エレン……)
◆
キース「それでは、対人格闘訓練を始めるぞ! 今日以後、人型の神々にも訓練を手伝って貰う!」
エレン「朝から対人格闘だったの忘れてた……」
アルミン「見事に寝不足みたいだね……」
アニ「……ふらついているけど、今日はどうする?」
エレン「いや、大丈夫だ。今日も――」
サクヤ「マスター、休んでください。この人の相手は私が務めます」
エレン「お、おい!?」
アニ「へえ、神様がお相手とはね……(この構えは……手強そうだ)」
ライナー「まあ待てアニ。いくら神様とはいえ、いきなりお前みたいなのを相手にしたら、サクヤが怪我をしちまうだろ?」
サクヤ「一応、素手での戦いも心得ているつもりですが……」
ライナー「よし、それならまずは俺が相手になろう!」
アニ「ライナー……(下心が見えているよ)」
サクヤ「ではライナーさん、失礼して……四源の舞(物理)!」ドゴドゴドゴドゴッ!
ライナー「ぐふぅ!?」
アニ「フック、アッパーからの二連蹴りに繋げるとはね……」
サクヤ「あ、ナイフはちゃんと尻尾で掴んでいますから、問題ないですよね?」
エレン「お、おう……」
ケリ姫「あれ? どうしたのアニ? 人間を蹴り飛ばしてるの?」
アニ「ああケリ姫、そうじゃなくてこれは、ライナーが馬鹿やって……」
ケリ姫「やっぱり人間を蹴り飛ばすのは快感よね! アニもなんだか乗馬中の人間を思いっきりシュートしそうな顔してるし!」
アニ「どういう顔さ……」
ケリ姫「ねえねえライナー、次は私が蹴っていい?」
ライナー「(顔はサクヤの方が好みだが、こっちの姫はスカート、しかも蹴り上げるとなると……!)いいだろう。男にも意地があるからな」
エレン「おいお前ら、これ対人格闘……」
ケリ姫「スイィィィィィィ…………ツゥゥゥゥゥゥゥゥ………シュゥゥゥゥゥゥトッ!」シュバッ!
ライナー「見え――」
ゴガァッ!!
アニ「!?」
サクヤ「!?」
エレン「ラ、ライナァァァァァァァァ!?」
ケリ姫「あちゃ、ちょっと助走足りなかったみたいね」
サクヤ(なんて脚力……! 駄目、これじゃあ……)
アニ(……大丈夫、まだ、技術力なら私のほうが上のはず……)
グチャ ライナー!?
ミカサ「……素晴らしい蹴りだった。そっちの雌麒麟も、少しはエレンを守る力があると思ってあげてもいい」
ミカサ「だが、私は対人格闘でも一番。そしてエレンを守る。その証拠を、今見せる」スッ
ライナー「え――」
ドゴォッ!
ケリ姫「むむ、あの子もかなりやるわね。アニ、私たちも負けてられないわよ!」
アニ「仕方ないね……」
サクヤ(やはり、ちゃんとした四源の舞じゃないとマスターのお役には……)
――立体機動訓練
佐助「見るでござるよベルトルト殿! 我らシノビは、立体機動無しでもこうやって空を飛べるでござる!」ヒューン
ベルトルト「えぇー……」
ルシファー「ふん、我が翼の飛行速度には追いつけまい」バサァ
クリスタ「ル、ルシファーさん! 降ろしてー! 自分で立体機動するから!」
ルシファー「却下。このような危険な訓練、させるわけにはいかない」
ユミル「てめ、こらぁ! クリスタから離れろってんだこのペ天使め!」
アルテミス「よっと……」ドスドスドス!
アルテミス「うむ、しっかりうなじ部分を射抜けたな。森など、我ら狩人にとって最高の戦場」
サシャ「ほほー、さすがは狩猟神……! アルテミス、この訓練の成績一位でしたら、その時の褒美の夕食を少しわけて……」
アルテミス「やれやれ、仕方の無い主だ――」
教官「不正行為発見! これは二人ともご飯抜きに走りこみの刑になりそうだな」
二人「」
――座学
眼鏡教官「~~である。そして巨人の唯一の弱点はうなじであるが……」
ライナー「俺は、奴らのケツに武器をぶち込んでやっても効くと思うんだが、どう思う?」
アレス「!?」ビクゥ
アスタロト「ふむ……世の中まだ知らないことばかりですのね」
アルミン「巨人は、まだほとんど謎に包まれているからね」
アスタロト「あ、今の教官の発言、次の試験にでますわ」
アルミン「確かに、重要そうなことだったけど……どうして?」
アスタロト「衰えたとはいえこのアスタロト、未来の予見などもできましてよ?」
コニー(メモとっとかねえと……)
眼鏡教官「このため、固定砲台も立派な武器であり……」
ジャン(内地にいけば、快適な暮らしが待っている。だが……)
――休暇日
アルミン「久々の休暇だね」
ミカサ「でも、肝心のエレンが見当たらない」キョロキョロ
ヘラ「任せるがいい。妾のどんな浮気も見逃さぬ観察眼にかかれば……あ奴は麒麟の娘と買い物中じゃな」
ミカサ「……」イラッ
ヘラ「案ずるな、本当にただの買い物のようじゃぞ? あの娘もただの荷物持ちじゃな」
ミカサ「それならいい。けど、荷物持ちぐらい私がやってあげたのに……」
ユミル「おー、お前らも買いだしか?」
アルミン「あ、ユミル。ユミルは買い物帰り?」
ユミル「ああ。いやー、こいつが初めて役にたった気がする」
ベリアル「お、俺の車は、荷物を詰め込むためのものではないのだがね……」ズルズル…
ユミル「何か言ったか?」
ベリアル「イエ、オレハユミルサマノチュウジツナシモベデス」
一同(調教されてる……!?)
……
エレン「よし、これだけ買えば大丈夫だろ」
サクヤ「マスター、これだけ大量の眠気覚まし、まさかとは思いますが……」
エレン「内緒で徹夜でコンボ練習するに決まってるだろ?」
サクヤ「ありがたい反面、お身体が心配ですよ……」
エレン「あともう少し、もう少しでコツが掴めそうなんだよ……ってあれは!?」
オルオ「くそ、早く次の壁外調査やらねえかな……今度はさらに討伐数を稼いで……」ブツブツ
アルラウネ「オルオさん、泣いてるの? ブランコ貸してあげようか?」
ヴリトラ「クァハハ、よほどワレを呼び出せたことが嬉しいらしいナ」
アヌビス「わんわん、わん!」
オルオ「ほんと……なにこれ……」ブツブツ
エレン「調査兵団の人だ。すごい、強そうな神を3人も従えてるなんて……!」
サクヤ「なるほど、私の姿に町の人が驚かなかったのは、あの人達のおかげでしたか……」
……
フレイヤ「訓練が終わった後はやっぱり、猫ちゃんと戯れるのが一番だよねー」プニプニ
猫「「うにゃーん」」ゴロゴロ
コニー「こんなに沢山の猫、どうしたんだよ?」
フレイヤ「あたしが歩いてたら、勝手について来ちゃったんだ」
バステト「うんうん、やっぱり猫はかわいいにゃ」
マルコ「そうだね。見ていて癒されるよ」
猫「「にゃー」」
フレイヤ「……こうしてると、世界は平和だって思っちゃうよね。壁の外は、巨人だらけなのに」
コニー「……俺、実は憲兵団じゃなくて、調査兵団を希望しようかどうか悩んでんだ」
マルコ「僕も最近悩んでるよ。王にこの身を捧げたいけど、折角バステトや色々な神様が力を貸してくれるなら……ってね」
フレイヤ「あたしの力を行使すれば、バステトちゃんたちをかなりの時間強くできるから、期待してねー」
バステト「そして私のスプレッドキャッツで、視界に入る巨人を一網打尽にできるにゃ!」
コニー「おう、いざってときはよろしく頼むぜ!」
フレイヤ「でも今は、もう少し猫ちゃんと戯れよー?」プニプニ
……
エレン「よし、4色消しての6コンボだ!」
ジャン「エレンてめぇ……いつの間にそんな上達しやがった!?」
エレン「お前がちんたらやっている間に、俺は――」
ジャン「いやお前……どう見ても連日徹夜したろ? さすがの俺でも心配になるツラだぞ」
エレン「……そんなにか」
ジャン「せいぜい試験本番でぶっ倒れないよう、注意すんだな」
エレン「言われなくても。お前こそ、試験で失敗して憲兵団に行けなくならないようにな」
ジャン「へっ、一緒にするんじゃねえよ(憲兵団、か……)」
エレン「総合成績は俺の方が上だと思うぞ? 特に対人格闘の成績とか――」
ジャン「……お前、この前アニのスイーツシュート喰らってぶっ飛んでなかったか?」
エレン「……一応受身はとれたんだからいいだろ! 俺が弱いんじゃなくて、アニやミカサが変なんだよ!」
ジャン「いまさらだが、あれってただ相手を蹴り飛ばしてるから、厳密には対人格闘訓練じゃねえよな……」
――やがて、月日が流れて
エレン「いよいよ明日、所属兵科が決まるのか……」
アルミン「凄いじゃないかエレン、総合5位だなんて」
エレン「アルミンも、パズルと座学の成績はぶっちぎりで1位だったのになぁ……」
アルミン「他が悲惨だったからね……でも、元々調査兵団志望だし、無事に解散式を迎えられただけで十分だよ」
トーマス「ははは、確かに。今期はガチャのおかげで、ほとんどの訓練兵が調査兵団志望だしな」
エレン「お前なぁ……志望動機が不純すぎねえか? いや、これからもお前たちと一緒に戦えるのは嬉しいけどさ」
トーマス「ずっとサクヤちゃんと一緒に生活できたエレンにはわかんないだろうな……ゴーレム組の俺たちの気持ちなんて……」
アースガーディアン「むむーん」
エレン「……そういう割にはトーマス、お前のゴーレム大きくなってないか?」
トーマス「そりゃあまあ、3年も一緒にいたら愛着沸くさ。でもやっぱり女神様ともお知り合いになりたいなと思うわけだ」
アルミン「大変だと思うよ? 討伐5でガチャ一回、あの日の卵の出かたから判断すると、都合よく女神が現れる可能性は……」
トーマス「なーに、50でも100でも討伐してみせるさ」
エレン「そこは一匹残らず駆逐してやるって言ってほしいところだな」
アルミン「流石にそんな無茶を言えるのはエレンだけだと思うなぁ……」
トーマス「でも、あの最終試験の時のエレンを見たら、本当に巨人を駆逐できそうな気がしたよ」
エレン「まああれをやったのは俺じゃなくて、サクヤだけどな」
アルミン「四源の舞……ものすごい破壊力だったよね」
ミカサ「侮っていた。私もすぐに、エレンを守れるようにあの力を身につけてみせる」
エレン「うおっミカサ!?」
アルミン「ミカサ、あれを真似するのはミカサでも無理だって」
ミカサ「むむ……でも、肉を削ぐのは私の方が上手」
トーマス「ミカサの腕前なら、調査兵団でもすぐに昇進するんだろうなぁ……」
エレン「総合成績1位が躊躇い無く調査兵団行くって、もったいなくないか?」
ミカサ「問題ない」
アルミン「そういえば、調査兵団の人もガチャをやってるわけだけど、どんな神様を連れてるんだろう?」
エレン「ああ、俺が前に見た人は黒くて強そうなのを連れていたな」
ヘラ「ほう、闇の者か。しかし闇の者で妾に敵うものなど殆んどおらぬぞ?」
ミカサ「確かに、あなたは強い。でも、この前あの麒麟に負けていなかった?」
ヘラ「うぐぅ、そこはあれじゃ、麒麟ではなくエレンの腕前がよかったというわけじゃ」
ミカサ「なるほど、さすがエレン頑張り屋さん」ナデナデ
エレン「撫でるなよ!? でもサクヤの話だと、サクヤ以上に火力が高い神様もいるらしいぜ?」
トーマス「あれより強いとか、それじゃ俺のアースガーディアンはどうなるんだって話だな……」
エレン「やっぱりそういう神様は、人類最強のリヴァイ兵士長が使ってんのかな?」
アルミン「人類最強が連れる、最強の神か……調査兵団に入ったら、見せてもらいたいね」
ヘラ「まあ誰が最強の神かと言われても、一概には決められぬがな。それをサポートする仲間の能力やバランスも大切じゃ」
エレン「とりあえず調査兵団に入ったら、巨人をぶっ殺しまくって……」
トーマス「ガチャを回しまくって、目指せハーレム!」
ミカサ「エレンはそんなことしない」
アルミン「でも、ガチャをしたいって気持ちはわかるよ。ドキドキ感あるもんね」
エレン「ああ、金色の卵が出たあの瞬間は、嬉しかったよな」
トーマス「そういやあの時は、金色の卵を引き当てたナックも大喜びしてたよな……」
アルミン「うっ……」
ミカサ「……あの光景はまさに、この世界は残酷だとしか思えなかった」
エレン「中から出てきたのが……」
トーマス「……ビーストライダー」
ミカサ「……今は忘れよう。折角の晩餐中。ナックも調査兵団に入れば、きっとまともな卵が手に入る」
トーマス「だ、だよな! よし、ちょっとナック達も呼んでくるよ!」
サクヤ「マスター、追加のお料理をお持ちしました」
エレン「おお、ありがとなサクヤ」
ミカサ「……ならば私は、エレンのために追加の飲み物をもってくる」
エレン「お前は何と戦っているんだよ……」
アルミン「ははは、賑やかだなぁ……ん、どうしたのアスタロト?」
アスタロト「い、いえ、なんでもありませんの。ミカサの言う通り、晩餐を楽しみましょう?」
アスタロト「……」
アルミン「?」
アスタロト(衰えているとはいえ、私は予見の魔神……)
アスタロト(何故こんな日に、何故今になって、こんな未来が見えてしまうの……?)
ミーナ「あ、エレン。席一緒になっていいかな?」
エレン「おう、いいぜ」
アスタロト(今はこんなにも和気藹々とした空気だというのに……)
トーマス「ナック連れてきたぞー!」
ナック「俺は調査兵団に入るからな、絶対に!」ヒック
エレン「ナック、酔ってるのか!?」
アスタロト(……仮にこの未来を伝えたとして、悪魔である私の言葉を正規の兵団が聞き入れるとは思えない)
アスタロト(ましてや……)
アスタロト(明日、何者かの手によって門が破られ、多数の死者がでる……そんな不吉な予見なんて……)
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