ベルトルト「君には何も残らない」(125)
アルミン「ねえライナー…そう言えば、こんなことがあったね」
エレン『ふわぁ~あ…おーミカサ…おはよう…』
ミカサ『おはようエレン、アルミン』
アルミン『おはよう…なんか、食堂の前で皆集まってるんだけど…何かあったの?』
ミカサ『中で喧嘩が勃発して、皆入れない…』
エレン『喧嘩?』
ベルトルト『…ライナーの大馬鹿!!!』
ライナー『何だと!?今何つった!!』
ベルトルト『大馬鹿って言ったんだ!ホモ面ゴリラ!!!』
ライナー『てめっ…!人が気にしてる単語を二つも放り込んで来やがって…!』
ガッ
エレン『うわっ取っ組みあった!』
アルミン『あーあーあーあー…お互いの体ぶん回しあってるよ…鬼の様な顔で…』
コニー『185センチと192センチだもんなー…迫力あるわ…』
マルコ『ライナーが体格的に有利だけど、ベルトルトも大きいし何時も隅っこで大人しくしてるしで実力が未知数なんだよなあ…うわ!椅子が何個か吹っ飛んだ!』
ジャン『備品ぶっ壊してんじゃねえよ……営倉行き確実だなこりゃあ』
コニー『ところで何が原因であの二人は喧嘩なんてしてるんだ?』
ジャン『さぁー…?俺らが到着した頃にはもう中の空気は険悪だったぞ』
エレン『ふうん…?何時も割と仲良いと思ってたけどな』
ジャン『ライナーのゴリラっぷりに嫌気がさしたんじゃねえの…ふあぁ~あ』
ぐうぅぅ…
サシャ『あ~ん、私お腹が空いちゃいましたよ~!』
アニ『……教官呼んでこようか…』
ユミル『このままでも充分おもしれえけどな!おー!そこだベルトルさん!』
クリスタ『もうユミル!呑気にしてる場合じゃないでしょ!二人共怪我しちゃうよ!』
ミカサ『…このままではエレンや皆が朝食を取れない…これは由々しき事態…』
ジャン『ミカサが俺のことも心配して…!』
マルコ『…幸せで何よりだよジャン……』
ミカサ『……今から私が止めてくる……』
ガチャッ ツカツカツカ
アルミン『ああ待ってミカサ…!お手やわらかに…』
ガシッ…どたんっ!…どたんっ!!
アルミン『遅かった……』
コニー『すっげえな…巨漢二人を一片に担いでぶん投げたぞ…』
エレン『ま、なんにせよこれでやっと朝飯食えるな…』
アルミン『結果オーライすぎるよエレン…』
ーーーーー
ライナー「あはは、あったな懐かしい」
アニ「……」
アルミン「…結局あれって何が原因だったんだい?」
ライナー「…?さぁー?何年も前だったからな、覚えてねえや…悪い」
エレン「……そうか」
アルミン「…でも、アニは確か二人と同郷だったね。心当たりとか無いかな?」
アニ「……」
ライナー「何睨んでんだよ?」
エレン「……」
アルミン「…あ、そう言えば」
アルミン「こんなこともあったよね」
立体起動訓練中
…ザザザザッ!
マルコ『大変だ!ライナーの立体起動のワイヤーが枝に…!』
ベルトルト『………!!』
ヒュンッ!
ライナー(…まずい!落ちるっ!)
ベルトルト『ライナーーーーーーッ!!』
ライナー『ベルトルト!?』
ガッ…!ザンッ
エレン『おおおーい!!!大丈夫かライナーーーッ!』
アルミン『…ベルトルトが咄嗟に抱きかかえてくれたおかげで無事みたいだ!』
マルコ『…よくあの距離から来れたものだよ…っと、とにかく二人のところへ…』
ヒュンッ…スタッスタッスタッ
エレン『二人共ーー…』
ベルトルト『ライナー!!怪我は!?頭とか首とか…打っていないかい!?』
ライナー『お、おう…無事だ、何とかな』
ベルトルト『本当に!?嘘じゃないだろうね!?隠してないよね!?ぶつけた所見せて!!』
ライナー『な、何ともねえって。お前が俺を抱えて降りてくれたお陰だ…ありが…』
ベルトルト『お礼なんかいらないよ…』
ベルトルト『……うっ』
ライナー『……何もお前が泣かなくても…』
ベルトルト『君が…君が無事だったら…それで……』
ライナー『おいおい大袈裟な……』
ベルトルト『こんなところで死なないでくれ…帰るんだ…故郷に』
ライナー『故郷……?お、おう……』
ベルトルト『きっと帰るんだ…三人で…!そうだろう!?』
ライナー『あ、ああ』
ベルトルト『きっと帰ろう……』
ライナー『分かったから抱きつくなって!人集まってきてるぞ!』
エレン『…』
アルミン『…』
コニー『仲良いなー』
マルコ『…近付きにくいね…』
ジャン『おい…二人ってやっぱ出来てんのか?ホモホモしすぎるだろ…』
マルコ『…うーーん』
ジャン『?』
マルコ『確かにベルトルトの反応は若干大袈裟だけど、そういうのとはちょっと違う感じがするんだよなあ』
エレン『…じゃあ何だよ?』
アルミン『二人にしか分からない関係…かな?同期とか親友とかそういうのでは説明出来ない強い繋がりってやつ』
コニー『…マルコとアルミンの話がまるでさっぱりなのは俺が馬鹿だからじゃないよな?』
ジャン『おうお揃いだなコニー』
アルミン(…三人…ベルトルトは三人と言っていた?もう一人同郷の人がいるってことかな?誰だろうなぁ)
エレン『さて、と。そろそろ引き剥がしてやるか』
ーーーーー
アルミン「三人目って、アニのことだったんだね」
ライナー「おう、そうだな」
エレン「気付かなかったよ…」
アニ「……」
ライナー「…だから何睨んでんだよアニ。こえーって」
アニ「……」
エレン「…いい加減なにか喋れよお前」
アルミン「エレン、そんな鋭い言い方しちゃいけない」
ライナー「そうだぞエレン。こいつにも言われてただろ?乙女の何たるかって奴をよ、はは」
アニ「……」
エレン「……ちっ」
アルミン「じゃあ、これを覚えているかい?」
ジャン『おっしゃあああ訓練も修了した!あとは憲兵団に入って順風満帆な人生歩むだけだあああ!ヒック』
マルコ『ジャンもう酔ってるの!?』
コニー『こいつそんなに飲んでたっけ?それとも単に弱いのか?』
エレン『けっ…脳内が快適な奴は気楽で良いよな…ヒック』
ミカサ『エレンも顔が赤い…明らかに飲み過ぎ…まったくもう…』
アルミン『……』
マルコ『アルミン、どうしたんだい?』
アルミン『いや、あの席のライナーとベルトルトが…』
マルコ『……?』
ベルトルト『もう、いい加減にしてくれ…』
ライナー『………』
ベルトルト『君が優しくて兄貴分なのは分かる、でもついに明日だと言う時に…』
ライナー『ベルトルト…?泣いてるのか?』
ベルトルト『……』
ライナー『な、泣くなよ…何泣いてんだお前は…様子がおかしいぞ?』
ベルトルト『いっそ僕までおかしくなれたら、どれだけ良いか……』
ライナー『え?』
ベルトルト『何でもないよっ』
ライナー『お。おいおい…やけ酒か?落ち着けよ』
マルコ『…痴話喧嘩?なんて…』
アルミン『僕もちょっと思ったよ…』
マルコ『今までもあの二人、今回みたいに他人を寄せ付けない時がたまにあったよね』
アルミン『うん…完全に二人の世界だな…あんまり雰囲気良くないけど』
ジャン『っううぅーーいっお前ら飲んでっかぁ~?』
ライナー『おうジャン、すっかり出来上がってんな』
ベルトルト『……ジャン……』
ジャン『おいお~いそんなに睨むなって~の。誰もお前の旦那なんか盗ろうとしねーよ…ヒック』
ライナー『は!?旦那って何のことだよ!?』
ジャン『はぁぁい~?今更誤魔化すなってぇ~ヒック』
ライナー『いや、納得出来ん!きちんと説明しろジャン!!』
ベルトルト『………』
ジャン『お~おっかねぇ顔で~お怒りですよっと…ヒック』
ライナー『お・ま・え・なぁあ~~!』
ベルトルト『………』
ライナー『…?ベルトルト、今何か言ったか?さっきから声ちっせえぞ』
『楽しそうだね、ライナー』
アルミン『……って動きだね、あの口は』
マルコ『ごめんアルミン…僕あの馬鹿を止めてくるよ…絡み癖があるとは…』
アルミン『あ、うん……いってらっしゃい』
マルコ『ジャン~いい加減にしとけって…ほーら!』
ベルトルト『………』
アルミン(なんて眼で睨んでいるんだベルトルト…その眼は嫉妬というよりも憎しみその物だ…しかし何に対しての…?)
アルミン(僕達人類……なあんてね。ははは…僕も酔ってるのかな)
ミカサ『アルミン…私はエレンの酔いを冷ましに外へ行ってくる…アルミンは平気?』
アルミン『あ、うん。なんとかね…』
ーーーーー
ライナー「あーあん時はなー…なんでかベルトルトがやけ酒するわ睨んでくるわでなー」
アルミン「…その時の会話は覚えていないかい?」
ライナー「…酒の席だったし、周りもうるさかったしなあ…」
アニ「……」
ライナー「アニ、お前あん時ベルトルトの近くに座ってたよな?何か覚えてないか?」
アニ「…うるさいよ」
ライナー「おまっ…久々に口開いたと思ったらそれは無いだろ…まだ睨んでるし」
アニ「……」
エレン「……」
アルミン「そっか…なるほど」
ライナー「?なるほどって、何がなるほどなんだ?」
アルミン「…君はある事になると自ら記憶に蓋をしてしまう癖があるようだね」
ライナー「は?」
アルミン「肝心の中身は、幸せな記憶ばかりと」
アニ「……」
アルミン「蓋をしてしまうばかりか本来の自分を忘れ、ますます自分に都合の良い世界に居続ける、まるで外敵を拒むように」
アルミン「何度ベルトルトが蓋を開けても、すぐに元に戻る……過去、ベルトルトが時々酷くイラついた様子を見せていたのはそのためか…」
ライナー「え?え?何言ってんだ?」
アルミン「現実逃避とも言えるだろうね」
アニ「……」
エレン「……」
アルミン「その逃避した現実ってのは、恐らく君たちの故郷のことだ」
ライナー「故郷……?」
アニ「……」
エレン「……」
アルミン「と、言うよりも…故郷に関する事柄なのかな…例えば巨人化能力のこととか、壁を壊したこととか…」
ライナー「ちょ、ちょっと待ってくれアルミン…」
ライナー「さっきから何を言ってんだ?巨人とか壁を壊すとか…」
アニ「…あんたまだそんな事言ってるの?」
ライナー「な、何だよアニ。いきなり突っかかって…」
アニ「ということは、今どうして私達がこんな所に居るのかも…分かってない訳だ?」
エレン「おい喧嘩は止せよ。鬱陶しい…」
ライナー「何だエレンさっきから冷たいな…あ、そうだ」
ライナー「ベルトルトはどこだよ?さっきから話題に上がってるけどよ…姿が見えないぞ」
アニ「居る」
ライナー「は…?どこにだよ」
アニ「居るよ、さっきからずっと」
ライナー「居るって…どこに」
アニ「ぐるっと、ここの中を見渡してごらんよ」
ライナー「……」
アニ「右、左、上、下…見てごらんよ」
ライナー「…どこに」
アニ「まだ見ないふりしてるの?」
ライナー「は…?」
アニ「見ろよ」
ライナー「見ろって…だからどこに居るんだベルトルトは…」
アニ「見ろよ!!」
アニ「あんたが殺したんだろ!!私の目の前で!!!」
ライナー「殺し……え?」
アニ「だから見ろって……!」
ぐいっ
ベルトルト「……」
アニ「見えただろう!!?」
ライナー「……!!!」
エレン「……」
アルミン「……」
ライナー「ははは…何だよ…色白い奴だとは思ってたけど…今日はやけに生っ白いな…」
アニ「あんたが……!あんたがベルトルトの首を絞めて……!!」
ライナー「んだよ…だって、こいつが…死ぬわけ…俺が殺す訳が」
アニ「どんなに腕をもがれようが、足を吹き飛ばされようが、確かに再生するさ…」
アニ「でもうなじを削がれたり……頭に血液や酸素が回らないんじゃ、私らだってひとたまりもないんだよ…!そんな事も忘れちまったのかあんたは…」
ライナー「……!!!!!」
ーーーーー
エレン『お前らは朽ち果てるまで、ここで実験動物になってもらう。死なないだけありがたいと思うんだな』
アルミン『…行こうエレン。鍵は掛けた』
エレン『…三年間一緒に過ごした情けだ、同室にしておいてやるよ。せいぜい傷を舐め合うことだ』
ガシャン……
アニ『…結晶から抜き出されたと思ったら…参ったねこりゃ…』
ベルトルト『……アニ…』
アニ『でも、あんたたちと一緒だったら、なんだか耐えられる気がするよ』
ベルトルト『アニ……!ごめん、ごめんね…僕達は負けてしまった…』
アニ『相変わらず泣き虫だねあんたは…まあ、どんなに酷い事をされようが、これからは三人一緒なんだから…ね、ライナー』
ライナー『……』
アニ『…ライナー?』
ライナー『…?アニか…いつも皆とつるまないお前が、珍しいな』
アニ『はぁ?』
ベルトルト『…!!』
ライナー『お?しかもベルトルトと抱き合って…もしかして二人って…?』
アニ『何言ってんのライナー』
ライナー『どうやら俺はお邪魔だったか?はっは…分かった分かった出ていこう』
ベルトルト『どうして…また…』
アニ『…まだ消えてなかったってことか…』
ライナー『しっかし意外だったな…一見不釣り合いな感じだけど…』
アニ『ライ…』
ベルトルト『…アニ、君は手出ししない方が良い…』
アニ『…ベルトルト……』
ライナー『しかし、まるで牢屋みてえな部屋だなー、趣味悪いぜ。おいこれどうやって外に出るんだ?』
ベルトルト『ライナー』
ライナー『おう何だよ色男』
ベルトルト『…何時もの君に戻ってくれ。もう目を覚ましてくれよ』
ライナー『はあ?俺はバッチリ目覚めてるぜ?』
ベルトルト『…もう周囲を気にする必要も無いから言わせてもらおう』
ベルトルト『君は、戦士……巨人なんだ』
ライナー『は?……!』
ベルトルト『ライナーが鎧の巨人、アニが女型の巨人、そして僕が』
ベルトルト『超大型巨人だ』
ライナー『巨人……鎧の…巨人…』
ベルトルト『そう…そして僕等は計画に失敗し、間抜けなことに生き存えて人類に捕らえられてしまった。ここは牢屋だ』
ライナー『巨人…巨人…巨人……』
ベルトルト『…ライナー?』
ライナー『巨人……巨人は…』
ベルトルト『ライ……』
ぎゅううぅぅ…っ
ベルトルト『…あ……ぐっ!』
アニ『ベルトルト!!』
ライナー『人類の敵だ、倒さなくちゃな』
アニ『ライナー!あんた何を!!』
ライナー『黙ってろよ、女型が』
アニ『離しなよ!!…このっ』
ライナー『邪魔だ』
ブンッ!!!
アニ『キャッ!!!?』
ガンッ
アニ『あ…っ』
ベルトルト『アニ……!!』
ライナー『おら、よそ見してる程暇か?』
ぎゅうぅっ…
ベルトルト『…!かはっ……!』
アニ『ら、ライナー…あんた…何をしてるのか分かってるの…!』
アニ『手を離しなよ…!ベルトルトが…死んじゃう…!ベルトルト…』
ベルトルト『…殺せば良い……』
アニ『!?』
ライナー『化け物のクセに潔いんだな』
ベルトルト『正直…君が壊れてしまったのは僕の責任と言っても過言じゃない…』
ライナー『辞世の言葉か?聞いてやるが、言い切る前に死ななきゃ良いな』
ベルトルト『確かに…あそこは居心地が良かった…戦士であることを忘れてしまう程に…』
アニ『……』
ベルトルト『君が壊れているのをそばで見ていながら…君は本当はこうやって過ごしたかったんだろう…と』
ベルトルト『複雑な気持ちで見ていた…あ!ぐうっ…』
ベルトルト『でも日に日に悪化していく君を見ていられなくて、何度も戦士の君に呼びかけた…』
ベルトルト『話が通じない君と…食堂で喧嘩してしまったのは良い思い出だ…は、は…ぐうっ』
ベルトルト『それでも…時々…本当に時々戻ってくる戦士の君に安心して…また君にプレッシャーを掛けてしまうんだ…戻ってくる時の君の顔はいつも…苦しそうだったよ』
ベルトルト『今の君は…そんな不甲斐ない僕のせいで生まれたんだ…きっと…かはっ…』
ベルトルト『君に殺されても、文句は言えない……僕のせいなんだから…』
ライナー『…終わりか?』
アニ(ベルトルト!!くそっ…身体が痺れて立てない…早くしないと…ベルトルトが!!)
ベルトルト『殺す代わりに…覚悟しておくと良い』
ベルトルト『もう何も無いよ』
ベルトルト『僕を…巨人をここで殺しても、君には何も残らないんだよ』
ベルトルト『栄光も無い、賛辞も無い、仲間も待っていない…何故なら君も巨人…人類の…敵だから』
ライナー『……黙れ』
ベルトルト『僕を殺しても…意味なんて無い…孤独になるだけだよ』
ライナー『黙れっ!!!くそっ化け物!巨人が!俺は…俺は…!!』
ベルトルト『こんなもの…現実逃避に過ぎない…君が自滅するだけだ……ああ、ぐううっうっ……』
アニ『…ラ、イナァァァァァァァッ!!!』
ドガッ!
ライナー『ぐはっ…』
アニ『ベルトルト!!ベルトルト!!』
ベルトルト『……』
アニ『ベル……!いやぁぁぁぁぁぁ!いやああああ!』
ダダダダ…
エレン『おい…少し目を離したら…何だよこの惨状は…』
アルミン『超大型巨人…ベルトルトが…人型のまま…死んでいる…?』
アニ『ああ…!あああ…!うあああ…!』
エレン『チッ…泣いてちゃわかんねーよ…おいライナー…説明しろ』
ライナー『……』
アルミン『ライナー?』
ライナー『…おうエレンにアルミン、どうした二人とも呆けた顔して』
アニ『…!!』
エレン『あ?お前何言ってんだ?』
アルミン『……もしかして…ライナー…』
ライナー『しっかし薄暗い部屋だなここは…まるで牢屋みたいだ』
アルミン『…ねえライナー…そう言えば、こんなことがあったね』
ーーーーー
ライナー「嘘だ……」
アニ「…やっと思い出したんだ?」
ライナー「違う……」
アニ「違うって何?目の前であんなことしておいて、何が違うって?」
ライナー「俺は…そんな…ベルトルトを殺す筈が……だって…そんな訳が…ベルトルトを…」
エレン「……」
アルミン「……」
ライナー「そうだろう…俺があいつを殺せる筈が無いだろ…いつだって助け合って来た同郷…仲間じゃないか…」
ライナー「そんな筈が…そんな訳が…」
アニ「…あんたはそうやって、ベルトルトに甘えてきたんだね…ずっとあいつに寄りかかって、全てを押し付けてたんだね…」
アニ「でもね…今のあんたが…兵士でも戦士でも……もうどうにもならない…」
アニ「これが現実なんだよ…あんたが殺した…もうベルトルトは戻ってこない…本当何もかも…無くなってしまった…」
ライナー「ベルトルトは仲間で…同郷で……いつの日か故郷へ……」
エレン「……」
アルミン「……」
ガヤガヤ……
エルヴィン「またこれは…酷い状況だな……実験体を一匹殺してしまうとは…」
ハンジ「あ~あ~…しかも殺したのはド本命の方だよ!勿体無いことしてくれちゃってえ!」
リヴァイ「…仲間割れか?だから言っただろ…檻は別々にしとけってよ…」
ハンジ「う~ん分かった……じゃあ今から別々に移そっか……」
エレン「だとよ、おら、立て」
アニ「……」
ライナー「ア、アニ……」
アニ「触らないで」
ライナー「…!!」
エレン「……」
アルミン「……」
ハンジ「…手枷、足枷、猿轡はOKだな、よし連れてってー」
ゾロゾロ…
エルヴィン「超大型巨人の死骸は…」
ハンジ「あっ!一応私に預けてくれない?死体でも効き目があるか試したい実験があるんだよね…」
エルヴィン「そうか、しかし腐敗させる前に破棄するんだぞ」
ハンジ「はいよ~」
エルヴィン「よし、持ち出せ」
ゾロゾロ…
ライナー「……」
エレン「……アルミン、俺らも行くぞ」
アルミン「…うん」
…ガチャッ
ライナー「……」
ライナー「……どこだここは?」
ライナー「おい何の冗談だ?これは?」
ライナー「誰か居るんだろ?ははは…コニーか?ジャンか?大穴でマルコか?」
ライナー「どうして誰も居ないんだ?」
ベルトルト『もう何も無いよ』
ライナー「……」
ライナー「……どこだここは?」
ライナー「おい何の冗談だ?これは?」
ライナー「誰か居るんだろ?ははは…コニーか?ジャンか?大穴でマルコか?」
ライナー「どうして誰も居ないんだ?」
ベルトルト『君が自滅するだけだよ』
ライナー「……」
ライナー「……どこだここは?」
ライナー「おい何の冗談だ?これは?」
ライナー「誰か居るんだろ?ははは…コニーか?ジャンか?大穴でマルコか?」
ライナー「どうして誰も居ないんだ?」
ベルトルト『君は孤独になるだけだよ』
ライナー「……」
ライナー「……どこだここは?」
ライナー「おい何の冗談だ?これは………」
ライナー「どうして誰も……」
ライナー「なあ…」
ベルトルト『君には何も残らないんだよ』
ライナー「なあ……………」
おしまい
良い夢見ろよ
乙!!面白かった!
もしかしてライナーが超大型巨人倒した話書いた人?
つーかネタバレ有りって入れるのすっかり忘れてたごめん
>>99
すまぬ人違いだ…でもあれ面白かった
カーラースーとかエデンの人だな、あなたの書くものはいつもいつも……
良かった乙
>>106
こないだジャンがベルトルトのパンツずり下ろすssと
ミケさんが利き牛肉してるss書いたから相殺されたかなと思った
ハンジ「ハンジだゾエ~~~~~」
ライナー「結婚式」
ライナー「カーラース」ベルトルト「なぜ鳴くのー」
ライナー「ベルトルトの乳首からは牛乳が出る」
ベルトルト「ライナーをデートに誘ったらエレンも付いて来た」
ハンジ「一気に玩具が三つも!」ライベルアニ「…」
ベルトルト「バースデイ」
ベルトルト「悪の血」
ライナー「二人ぼっちのエデン」
アルミン「毎朝恒例ベルトル天気予報」
ベルトルト「見ている」
ベルトルト「君には何も残らない」
進撃以外
ゾーマ「さあ、我が腕の中で息絶えるがよい!」
ラプソーン「こいつを支配してやりたい」
多分これで全部
あ
ベルトルト「見ている」ベルトルト「君には何も残らない」の間に
ハンジ「エルヴィンのヅラヴィンをヴィンヴィンしてくる!」追加で
全体的に死亡率高いな…最悪だ…
蛇足
アルミン「……」
エレン「……」
アルミン「…ねえエレン」
エレン「…ん?」
アルミン「…わざとだろう」
エレン「何がだよ」
アルミン「ライナーがあの状態だと知った上で…あの三人を同室にと、団長に要求したんだろう?」
エレン「……」
アルミン「ライナー達に捕えられた君だけは知っていた筈だよ…彼の精神がまともでは無かったことに」
エレン「……じゃあ仮に…」
エレン「仮に…俺がライナーの事情を知り、それを考えた上で三人を一緒にさせたのだとして」
アルミン「……」
エレン「それを咎める奴がどこに居る。一体どこに」
アルミン「……」
エレン「……あいつらは何人もの命を理不尽に奪った殺人鬼だ。人類の敵だ。その三匹の内、一匹は仲間割れの後、殺害された」
エレン「それだけのことだ」
アルミン「……」
エレン「あー…でもハンジ分隊長に知られたら、しこたま怒られるだろうなあ、今の事は俺等の秘密だな、アルミン…まあでも」
アルミン「……」
エレン「これはあくまで仮の話だからな」
アルミン「そうだね……仮の話だ……」
エレン「おう」
おしまい
あーやっぱそうだったか…
乙
>>124
まあ仮の話だから
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