唯「あずにゃんが横浜のドラフト1位!?」(925)

唯「やったねあずにゃん!ドラフト一位だよ!契約金一億だよ!」

梓「うれしくねーです!」

唯「えっ?」

梓「横浜なんて球界のお荷物じゃないですか!
  日シリはおろかプレーオフだって夢のまた夢です!」

唯「ど、どうしちゃったのあずにゃん…」

梓「マシンガンですか?私もマシンガン継投の餌食ですか!?江尻牛田中野のオンパレードですか?!」

唯「や、野球のことは全然分からないけど…指名してくれたチームを悪く言っちゃダメだよ…」

梓「えーえーえーそうですね!練習嫌いな唯先輩には借金二ケタがデフォの糞チームがお似合いです!」

唯「あ、あずにゃん…」

律「バカ言うなよ梓!横浜だって凄いぞ!村田にハーパーにスレッジに吉村だぞ!」

梓「はいはい。長打力がチームの勝利に導かないという好例をありがとうございます」

律「ぐっ…」

梓「しかも一人はもはや長距離打者かどうかも怪しいじゃないですか」

律「ぐぐっ…」

梓「和製大砲wwww未完の大器wwwwwヘwwラwクwwレwスwwwwww」

 ~平沢家~

唯「――っていうことがあったんだー」

憂「へー、せっかく梓ちゃん指名されたのにね」

唯「ねー憂。憂は『横浜ベースターズ』って知ってる?」

憂「ごめんお姉ちゃん。私も波留とか鈴木とか五十嵐しか知らないや…」

唯「そうなんだー。物知りの憂でも知らないんだからほんとに弱いチームなのかもねー」

憂「それよりお姉ちゃん、早く寝ないと!」

唯「ふぇ?」

憂「お姉ちゃん、明日は巨人の入団会見でしょ?」

純ちゃんはどう考えてもダルビッシュが好き

唯「ねー憂。きょじんって強いの?」

憂「お姉ちゃん巨人も知らないの?」

唯「しらなーい」

憂「…ラミレスって知ってる?マニーじゃないよ。アレックスの方」

唯「なにそれー二種類いるの?どっちもしらなーい」

憂「内海…東野…小笠原…坂本…」

唯「その人野球する人なの?」

憂「当たり前でしょ!」

唯「も寝よ。ふあーねむねむ。あ、このボールを背中にゴロゴロするとツボ押されてきもちいー」

憂「あっそれ!原監督のサインボールだよ!粗末にしないの!」

唯「だれー?あの暑苦しい感じの人ー?」ゴロゴロ

憂「もう…」

澪「これは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だ…」

律「はいはい。いつまで現実逃避してるんだよー」

澪「だ、だって!」

律「うん?」

澪「わ、私がプロ野球選手なんて…!!」

律「私もだぞ、私も」

澪「り、りり律ぅ!ついてきてよぉ!」

律「ムチャ言うなよぉ!ドラフトでシメーされたチームにしか行けないの!私と澪は別!」

澪「り、律と同じチームじゃなきゃいかないもん!」

律「やれやれ…」

澪「だ、大体プロ野球なんて選手もほとんど知らないのになんで…」

律「誰なら知ってるんだ?」

澪「イ、イチロー」

律「そりゃメジャーだ。プロ野球では?」

澪「ダ、ダルビッシュ」

律「他には?」

澪「中島、ムネリン、鳥谷、ハンカチ王子とか…」

律「澪けっこうミーハーだな」

律「あはっ、でもよかったじゃん。今言った人のいるチームに指名されて」

澪「そ、そうなのか?」

 ~翌日~

マスコミ陣「「「「ワーワーパシャパシャギャーギャー」」」」

和「おさないでくださーい!会場はこっちでーす!」

唯「うわ、凄い人だねぇ和ちゃん!」

和「ええ、あまりにもサプライズ指名で昨日のドラフト当日はほとんど記者は来なかったんだけど…」

和「一夜明けて一気に、ね。」

和「――っていうか、唯、あんた張本人でしょ?早く行きなさいよ」

唯「えへへ迷っちゃって。憂に目印の旗を教えてもらったんだけど」

唯「あの白と黒の旗が「きょじん」かな?」

和「あれは澪が入るチームよ」

唯「じゃああの黄色と黒のチーム?」

和「あれは律。来なさい。案内してあげるわ」

澪「見えない聞こえない見えない聞こえない見えない聞こえない見えない…」

 パシャパシャパシャ

マスコミ「秋山選手、将来の目標は?」

澪「最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ……こんなに人が来るなんて…」

 パシャパシャパシャ

マスコミ「新人王は目指されますか?」

澪「これは夢これは夢現実じゃない現実じゃない…」

 パシャパシャパシャ

マスコミ「梨田監督は先発として期待しているそうですが?」

澪「……ひぃぃ…誰だよぉ……」

>マスコミ「梨田監督は先発として期待しているそうですが?」
>澪「……ひぃぃ…誰だよぉ……」

シュール過ぎるw

 ワーワー

律(あらら…あっちも大変なことになってるぞ…ありゃ澪ヤバいだろうな)

マスコミ「…ですか?」

律「えっ?」

マスコミ「やはり甲子園の大観衆は楽しみですか?」

律「いやーバンドで武道館って夢は叶わなかったんで、スティックをバットに持ちかえて、
  甲子園の五万の観衆を湧かせてやろかなー、なんちって」

マスコミ「城島や藤井など、定位置を争うライバルは多いですが?」

律「ま、私の猛打でレギュラー奪ってやりますよ!」

マスコミ「「「おおーー」」」

律(ハハ…ちょっとビッグマウスが過ぎたかな?)

律(でもま、こんくらい目立たないとプロじゃやってけないよね)

梓「はあ…やっと会見終わった…まさかドラフト翌日に監督自ら来るだなんて…」

梓「『いっしょに頑張ろう!』なんて言ってたけど、『加賀を妙な使い方しやがって…!』って思ったら
  殺意が沸いて握手どころじゃなかったよ」

梓「リリーバーにとって肩肘は宝だってのに…ああいう行き当たりばったりな使い方は困るんだよね…」

??「おーーっす『横浜の選手さん』!」

梓「……あんたは」

純「いやー中野選手入団おめでとう!がんばってね!よ・こ・は・ま・で!!」

梓「…なにしに来たのよ」

純「いやー私も会見だよん!指名されたもんでね!」

純「知りたい?どこに指名されたか知りたい?」

梓「…興味ないよ」

純「パンパカパーン!なんと!福山ソフトなんとかポークスだよん!」

梓「色々まちがってるよ」

純「へっへー梓、昨日ウィキペディアで調べてみたらあんたのチーム超弱いんでしょ?」

純「それに比べて!私のチーム超強いみたいな感じだったもんね!」

梓「…毎年プレーオフで散るくせに」ボソッ

純「なんか言った?」

梓「別に。それよりあんた偉そうだけど、私は一位指名だけど、純は育成でしょ?」

純「なにそれ!私も一位だよ!育成ドラフト一位、って言われたもん!」

梓「…はぁ…」

マスコミ「それにしてもビックリしたな…一気に何人も女の子が指名されるんだもんな…」

マスコミ「ええ…しかも同じ学校ですもんね」

マスコミ「ん?今、だれかいなかったか?」

マスコミ「?誰です?」

マスコミ「確か聞いたことがある…この学校には精密機械の如しコントロールを持った鉄腕セットアッパーがいると…!」

マスコミ「まさか!西武が指名したという…?」

マスコミ「ああ…名前を公表せず、『メガネ』とだけ指名した…あの投手かもしれない…!」


和「はあ。こんなに人がくると疲れるわ」

 ~翌日~

律「さて、今日のスポーツ新聞はどうなってるかなー?」

律「ま、阪神だし、デイリーの一面は間違いないよなー」

 バサッ

律「!!?」

律「デイリーの一面が…日ハムに指名された澪!?」

律「ど、どういうことだよ…」

律「ふむふむ…」

 日ハム一位指名 秋山澪 超問題児!?
   
      超ド級ビッグマウス発言連発!!

記者:将来の目標は?

秋山:サイヤングだ!

記者:新人王は目指されますか?

秋山:新人王は夢ではない。現実さ。

記者:梨田監督は先発として期待しているそうですが?

秋山:誰だよ!!俺が知ってる監督はジラルディーだけだね。

秋山:俺の祖先は貴族なんだ。正確には伯爵だ。

秋山:うちのドラムは頭がおかしかった。カチューシャを手に入れた途端、自分が世界一のスターだと勘違いし始めたんだ。
    ただのドラムがだぜ!?お前はただビートを刻んでりゃいいんだ!!


律「ただのドラム……だとぉう!?」

律「許せん!澪!お前は本当はそういう奴だったのかぁ!!」

律「うおおおおお!燃えてきたぁぁぁぁぁ!!!」


 ~秋山家~

澪ママ「澪…この記事ホントなの?」

澪「ちがっ違うよぉ!私そんな、そんなこと…」

澪ママ「澪…目、真っ赤じゃない。眠れなかったの?」

澪「…」こくっ

澪ママ「もう記者には帰ってもらったわよ。ゆっくり寝なさい」

澪「……ママと一緒に寝る…」

澪ママ「…もう。仕方ないわね。ほら、きなさい?可哀そうに。よしよし」

澪「ママ…ママァ…怖いよぉ…」グスッ 
 
 (パシャッ)


 

 後日、『噂の問題児 日ハムルーキー秋山 実の母を襲う!?』という見出しがサンスポ一面に踊った。

何なんだよこれw 支援

憂「そんなこんなでキャンプの季節になりました」

憂「早速お姉ちゃんを応援しに宮崎にレッツゴー!」

 ~宮崎・サンマリンスタジアム~

憂「わあ…宮崎とはいえまだまだこの季節は肌寒いですね」

唯「あ!憂!うーいー!」

金田正一「……」スタスタ

憂「ああっ!お姉ちゃんの背後に国鉄スワローズや巨人で通算400勝!4490奪三振をあげたカネヤンこと金田正一さんが!」

原「平沢、この人知ってるか?」

唯「もーぅ監督ー!唯でいいよぉ!平沢さん、なんて学校みたいで堅苦しいよー」

金田「コホン」

原「あ、え、唯!この人、誰か知ってるか?」

唯「えーしらなーい」

金田「コホン!」

原「ゆゆゆ唯!何勝したかは知ってるか?」

唯「二勝くらい?」

原「ゆゆゆ唯!」


憂「(ハラハラ)」

 ~打撃練習!~

唯「むぅ~」ぽてっ がきっ ぺちっ スカッ

江藤「違う平沢、腰にタメをつくるんだ!タメた力をうまく体重移動して…」

唯「うーん、江藤コーチの言ってること全然分かんないよ」


憂「今お姉ちゃんは、かつて前田選手や金本選手とカープの強力打線を築いた江藤コーチに指導を受けています」

憂「でもお姉ちゃんには難しすぎるみたい」


??「おい、平本」

唯「ふぇ?」

憂「あ、あの人は…!?」


唯「セコムの人だ!」

長嶋「平本、そう、じゃない」

唯「平本じゃないよー、私、平沢唯だよ?」

長嶋「そうか、佐々木」

唯「全然違うよおじいちゃん!」ぺしっ


憂「わああああーーーミスターベースボールをどついちゃった!」

長嶋「佐々木、そうじゃ、ない」

唯「ほぇ?おじいちゃん分かるの?」

 憂「そりゃ分かるよお姉ちゃん!」

唯「あ、おじいちゃんバッ太使ってみる?」

長嶋「バッタ?」

唯「バットのことだよー。それでそれで?」

長嶋「こう…ピュッとしてバーン」

唯「ピュッとしてバーン…」


 その日――球場外で取材を受けていた金田正一の脳天に突き刺さる場外ビッグアーチがかかったという――

憂「続いて他の人のキャンプものぞいてみたいと思います!」

 ~宜野座~

律「とぉうりゃああーーー!」カキーン!

 憂「お姉ちゃんと違って、ちゃんと練習してるみたい」

 憂「――と思ったら、ああっ!」

律「ヘヘヘ」コショコショ

新井「あれ?俺のスパイクがない!」

 憂「大先輩にイタズラしてる!」

律「いやー暑いっすねー」

城島「お、そうだ田井中、今度釣りにいかんか。沖縄の海は大物がかかるぞ」

律「お!いいっすね!」

 憂「でもなんだかんだでうまくやってるみたい」

憂「続いては…」

 ~奄美~

梓「あ、憂。見に来てくれたの?」

憂「うん。どう?キャンプは」

梓「結構大変だよ。思ったよりちゃんと練習してる」

憂「へえ、よかったね!」

梓「まぁ村田さんが全力疾走をするのはいいけど結構な確率で肉離れするのが困りものかな」

憂「アハハ」

梓「あとは…」

憂「ん?」

森本稀哲「お!あーずにゃーん!あずにゃんじゃないの!」

梓「この人かな…」

森本「あずにゃーん!あずにゃんはかわいいなぁ」

梓「にゃっ!?やめて下さい!」

森本「あずにゃんそれよりネコミミつけて投げてみない?」

梓「つけません!」

森本「開幕は猫女と子泣きジジイでいけばドカンとウケるよ~」

梓「要りません!」

憂「良く分からないけど、楽しくやってるみたい」

憂「それではお次は…」

 ~名護~

キャーキャーキャーワーワーギャーヤームキャーキーキーキャー

憂「わっ今までにない黄色い声援」

女性ファン「キャー」ピロリロリーン ピロリロリーン♪

ダルビッシュ「…」ビシュッ

おばちゃんファン「やーん」カシャカシャ

斎藤「…」ピュッ

ヤンキーファン「ワーワー」

中田「…」グワラゴワガキーン

雄ファン「ヲー!ヲー!」

TDN[…」ヒュッ

ファンクラブ会員「キャーキャー!!ミオサーン!!」

澪「見えない聞こえない…」ぶるぶる

憂「澪さん…」

澪「う、ういちゃんか?」

憂「駄目じゃないですかブルペンの片隅で震えてちゃ」

澪「だ、だって…」

ダルビッシュ「おい秋山、何やってんねん練習サボんなや」

澪「ヒッ!ダルさん!」

ダルビッシュ「ちゃんと走り込まな夏場バテるで」

中田「そうッスよ、ビッグマウスは結果出さなカッコ悪いッスもんね」

澪「ちがっ、あの記事は全部誤解で…」

ダルビッシュ「ほら行くで。投手の基本は走り込みだ」

澪「い、いやだぁ!これ以上脚が太くなるのはイヤぁ!ママ!ママー!」ズルズル…

憂「行っちゃった…」

憂「さて純ちゃんのソフトバンクだけど…」

憂「育成選手の純ちゃんが一軍キャンプにいるはずないよね?」

憂「一応キャンプ情報を確認…」

憂「…うーん、多村選手が段差につまずいて全治一週間、くらいしかめぼしい情報は無いなぁ」

憂「とりあえず沖縄市で観光して帰ろうかな」

 ~沖縄市~

憂「あれ?」

紬「憂ちゃん?」

憂「どうしたんですか、こんな所で、それもその格好…」

紬「私、プロ野球選手になるのが夢だったの~♪」

憂「でもドラフトにかかってませんでしたよね?」

紬「ええ。でもお給料はいらないっていったら入れてくれたの~♪」

憂(資金持ちこみ入団…。F1ドライバーじゃないんだから…。
  でもこの球団なら……ありえる…!)

前田健太「あ、琴吹、ここにおったんか。野村監督探してはったで」

紬「あら本当ですか?ごめんなさい、今すぐ行きますね。あ、憂ちゃん、それじゃあ…」

前田健太「琴吹、荷物持ったろか?あ、それと今度食事…」

紬「荷物は大丈夫ですよー♪しゃらんらしゃらんら~♪」

スライ
        リー

憂「さて、キャンプも終了。みなさんに関するスポーツ紙の記事をドドンとまとめておきますね!」

○唯
「原監督うなった!『平沢、ラミ越える』」
「ナベツネ激怒!!ルーキー平沢に『誰?』」
「平沢、バットが折れるごとに新しい名前をつけ続け、ネタ切れ。『バットの名前募集中です!』」

○律
「田井中ドヤッ!開幕一軍近づける150メートル弾」
「和田C田井中に苦言。『右打ちの意識足りない』」
「最高や田井中!ついにきたで掛布の再来」

○澪
「また秋山爆弾発言!『他のルーキーは気になるか』の質問に『見えない聞こえない』」
「またまた秋山!『監督の指示』は『見てない聞いてない』」
「日本ハム、秋山の脚にちなんだ新たなハム発売か」

○梓
「尾花監督絶賛『今季の形見えた』」
「ひちょり仰天発言『今季の目標は中野さんに心を開いてもらうこと』」

○紬
「広島リンスカムを調査 突如の資金増に潜む謎の美少女」
「マエケン フラれていた」

○純
「育成一位ルーキー鈴木、カブレラの腕にぶら下がって遊ぶ」


憂「みなさん充実のキャンプを過ごしたようですね!」

憂「それではそろそろ開幕!お姉ちゃんの応援に行って来たいと思います!」

 ~東京ドーム~

実況「さて開幕オーダー発表されましたが、なんといっても注目はこの人でしょう」

1 SS 坂本
2 2B 藤村
3 1B 小笠原
4 LF ラミレス
5 C  阿部
6 CF 長野
7 3B 平沢
8 RF 亀井
9 P  内海

実況「七番サードに高卒ルーキーの平沢が入っています。清原さん、ご自分のルーキーのころを思い出すんじゃないですか?」

清原「ええ。まぁ新人なんで失うものはなにもないと思うんでね、思いっきりスイングしてほしいです」

実況「清原さんのおっしゃる通り、オープン戦では思い切りスイングし、打率は二割もホームランは七本放ちました」

実況「対するベイスターズですが、開幕投手は山本。オーダーも昨年からの大きな変化はありません」

実況「しかし、ブルペンにはこの選手がいます。中野梓。この人も高卒ルーキー」

実況「しかも平沢選手と同じ高校というんですから、私の年代からすればかのKKコンビを思い出さずにはいられないという」

清原「いえいえガハハ」

実況「それでは開幕戦、巨人対横浜、まもなくプレイボールです」

二回裏 ツーアウト 二塁  YG 0-0 YB

 実況「さて注目の平沢、先制のチャンスで登場です」

唯(チョーノさんが作ってくれたチャンス…絶対打ってみせるよ!)ふんす!

唯(私にはあのセコムおじさんの教えてくれた秘訣があるから大丈夫!)

 実況「平沢自信満々、赤茶色のバット『バットバツ丸』をかかえて右打席に入ります」

唯「えーとセコムおじさんなんていってたっけ?」

唯「ヒッと言ってフーだっけ?」

唯「ヒッヒッフー、ヒッヒッフー」

細山田(なんだこいつ)

唯「ヒッヒッ…あれなんか違う」
 
 スパーン!

 実況「平沢三球見逃し、一度もバットを振らずに見逃し三振!」

唯「あれー?」

唯(あれーなんかおかしいな…)

唯(ぽっとなってどーん? なんか違うよね)

唯(あうう…全然思いだせない)

坂本「平沢!」

唯「へっ!?」

 ポコーン!

実況「おっと平沢!なんと平凡なサードゴロを頭に当ててしまいました!
    おれは巨人痛恨のタイムリーエラー!」

唯「あうぅ…」

 ~横浜ブルペン~

牛田「あははなんだありゃ」

篠原「なんかボヤボヤ考えてたんじゃないのか?」

江尻「さっきの打席でもボヤッとしてたし、ああいう風に考え過ぎてると楽だね」

梓(……)

藤江「まぁオープン戦では打ったみたいっすけど、まぁオープン戦はオープン戦ですよね」

梓「…油断してたらダメですよ」

江尻「ハハッ、中野にとっては先輩だし、気持ちは分かるけどな」

篠原「まぁあそこまで打席でぼんやりしてると、やりやすいのは間違いないさ」

コーチ「江尻、山本が二者連続フォアでピンチだ。行ってくれ。まぁバッターはここまで2三振の平沢だが一応な」

江尻「はい」

梓(……)

梓(ああいう時こそ唯先輩は怖い)

梓(ぼんやりしてるようでやる時は急にパワーを出してくる)


唯「うーん、なんだったかなー」

江尻(まだ考えてるみたいだな。ストライク先行で攻めて問題ないだろ)

唯「なんだか考え過ぎてお腹減っちゃった。ご飯食べたいよぉ」ぐう~っ

唯「……ハッ!ご、ご飯はおかず……!?」

唯「そうだ!それでやってみよう!」

 ピュッ

唯「ご飯は……おかずっ!」

 カン ガン

江尻「……?」

森本「へ…?」

唯「ほえ?」

 実況「え…と、これは…?」

 清原「ホームランですね。バックスクリーン直撃の弾丸ライナーです」

 実況「ホ、ホームラン!ホームランです!エラーを帳消しにする平沢の弾丸スリーラン!!」

唯「えへへ~バツ丸~お前のおかげだよ~むちゅちゅ~」

 実況「平沢バットにキスをしながら悠々ダイヤモンドを一周し…ホームイン!3-1!巨人逆転!」

江尻「なんちゅう打球だ…」


梓「……唯先輩…」

憂「キャーーー!!!おねえちゃ――ーん!!!カッコいいよぉーーーーー!!!」

憂「…と、お姉ちゃんのあまりのカッコよさに夢中になってるうちにいつの間にか試合も終盤です!」

憂「結局スコアは3-1!お姉ちゃんのホームランが効いてます!お姉ちゃん偉い!」

憂「さて今から8回裏!お姉ちゃんの第四打席です!」

憂「連続ホームランを是非狙って…ってあれ?横浜のピッチャーが変わるみたいですね」

 『ピッチャー 真田に代わりまして…ピッチャー中野』

憂「あ、梓ちゃん!?」

梓「ふぅ…」

梓(ここがプロのマウンド…)

梓(文化祭とは比べ物にならない。何万人もの人の目が私を取り囲んでる)

梓「……!」ぶるっ

梓「や、やるです!やってやるです!」

唯「むひひ…あ~ずにゃ~ん」

梓「唯先輩…!」

唯「あずにゃ~ん、またホームランうたせてもらうよ~」

梓「う、打たせません!絶対に打たれません!」

梓(そう…!)

梓(私の高速シンカーは!)

 実況「中野、独特な、コンパクトなサイド気味のフォームから第一球…」

 実況「投げた!」

唯(……!!? た、球が消えたよ!?)

 ブン!! スカッ

 審判「ストライーーク、ワン!」

中野(もう一球はいける…)

 ブンッ スカッ

 審判「ストライクツー!」

唯「……うぅぅ…」

 実況「シンカーですか?」

 清原「そうですね。ストライクゾーンから鋭く右バッターのヒザもとに落ちていってますね」

 実況「おや平沢、少しホームベースから距離をとったでしょうか?」

 清原「スタンスも若干開き気味になってますね。」

 実況「なるほど!中野のシンカーに早くも対応してきたわけですね!」

唯(あんな球、こうでもしないと打てないよ…。キュッと曲がってくるからそこをガツーーンだ!!)

梓(そう来るならこちらの打つ手も決まってます)

 実況「中野追い込んで第三球……投げた!」

唯(悪いけど打たせてもらうよ…あずにゃん!――って…アレ…?)

唯(なんか遠っ……手が出な……)

 パシィーーン!

 審判「ストライッ バッターアウッ!」

 実況「外角にズバッと決まりましたキレのあるストレート!」

 清原「いやカット気味ですね。外角いっぱいに逃げていってます」

唯「あ、あずにゃん……!!」

梓「これが駆け引きってやつですよ、唯先輩」

 

 実況「中野、後続もゴロに打ち取り見事三者凡退に抑えました!」

梓「ふぅ…」

森本「よくやったぞあずにゃん」

梓「そっその呼び方は…」

森本「後は俺達がなんとかする。お前はゆっくり肩を休めとけ」

梓「…森本さん…」


 実況「さんしーーーん!久保、無事に横浜の攻撃を三人で退け、巨人幸先よく白星スタートです!」

  ワァァァァァァァァーーー!!
 
 「えー放送席ー放送席ー、見事逆転スリーランを放った平沢選手に…」

 「みなさーーん!こんにち…じゃなかったこんばんわぁーーーー!!」

  ワァァァァァァァオネイチャーンァァァァァッァァァッァァ


梓「………やっぱり、負けるんじゃないですか」

 その頃甲子園では

 カキィーーン!!

 実況「打ったーーーー!代打田井中見事二点タイムリーツーベース!阪神、9-2と差を広げます!」

 福本「まぁもう八回やし打っても打たんでも変わらんけどね」

川端「あっ」ポロリ

律「しめた!」

 ダダダダダダ

 実況「なんと中継の川端のミスをみて田井中一気に三塁へ……」

 審判「セーーフ!!」

 実況「田井中好判断!いい走塁でしたね!」

 福本「ええことやけど、まぁもう二塁でも三塁でも変わらんけどね」

その頃神宮では

 カキィーーン!!

 実況「打ったーーーー!代打田井中見事二点タイムリーツーベース!阪神、9-2と差を広げます!」

 福本「まぁもう八回やし打っても打たんでも変わらんけどね」

川端「あっ」ポロリ

律「しめた!」

 ダダダダダダ

 実況「なんと中継の川端のミスをみて田井中一気に三塁へ……」

 審判「セーーフ!!」

 実況「田井中好判断!いい走塁でしたね!」

 福本「ええことやけど、まぁもう二塁でも三塁でも変わらんけどね」

そのころナゴヤドームでは

 実況「……この状況をなんと言いましょうか…」

 実況「まさか、というのは失礼、あまりに失礼であることは十分存じ上げております」

 実況「しかしこの状況、わたくし、一人の野球ファンとして驚きを隠せません」

 実況「中日ドラゴンズ。智将落合率いる強豪…そして今年も優勝候補と目されてきました」

 実況「対する広島カープ。Bクラスが続き、近年では横浜と並び二弱と言われることもありました」

 実況「この両者のぶつかり合い。疲れも遠慮もないはずの開幕戦で……」

山内「はぁはぁ…」

井端「はぁ、はぁ…」

平田「……くっ…」

 実況「こうも圧倒的な実力差が生まれるものでしょうか?!」

       
    D 0-29 C




さすがカープ!開幕当初だけは強い!

 実況「さてこの最終回も、七回から引き続き、彼女がマウンドに上がります」

紬「それじゃ、投げまーす♪」

紬「えいっ」

 バシイーーン!

 実況「三振!」

紬「それっ」
 
 ふわっ

 実況「また三振!」

 実況「この琴吹、変幻自在といいますか…。ここまで四安打打たれていますが、どれもシングル。点をとられていません」

 実況「しかもこの琴吹、七回にロイ・ハラデーからマウンドを譲られるまで、福留、ホセ・バティスタと共に外野、レフトを守っていました」

 実況「バットでも、スイッチヒッターとして四打数二安打二打点。結果を残しています」

紬「えいっ」

 スルリ

 実況「さんしーーーん!最後は変化球でかわし三者連続三振!!広島圧倒的な強さで中日をねじふせました!!」

 「さて今日のヒーローインタビューは投打のヒーロー!琴吹紬選手です!」
 
  ワアァァァァァァァッァァァァァアァl

 「今日は五回の代打から途中出場したわけですが、そういうお気持ちで臨まれたんですか?」

紬「とにかく精一杯やろうと心にきめて頑張りました!」


梓「……ムギ先輩…」

梓「広島まで強くなって…大丈夫なのかな、うち…」

梓「……」

 キィー… バタン…

 ~一週間後~

澪「……」ブルブルブル

ダルビッシュ「わっ、なんやこれプレゼント?全部秋山あてやん」

糸井「うわっ秋山モテんなー!」

中田「あ、これ食べてええんかな」

稲葉「こらこら、初先発でナーバスになってるんだからちょっかい出すな」

中田「ちょっwwちょっかいやありませんよwww」

澪「……私、BBになりたい…」

ダルビッシュ「あーあ、こりゃ完全に現実逃避や」

稲葉「なぁ秋山、そんな深刻になるなって。うちはダル、武田勝、ウルフ、ケッペル、斎藤と勝ってるんだから」

澪「…もし私で連勝を止めたらと思うと………フフフフフフフフフ…」

ダル「はぁ…まぁテレビでもみようや」

中田「野球?どこやこれ」

ダル「こら」

中田「あ、はい。どこのチームっすか」

斎藤「阪神と中日じゃありませんでした?」

澪「…律…!?」ピク

 『カキーーン!』

 『実況「打ったー今日初スタメンの田井中!猛打賞の大暴れ!!』

澪「律……!!」ガタッ

小谷野「お?」

中田「なんやなんや」

 『「えー今日のヒーローはもちろんこの人!田井中律選手でーす!!」』

澪「律!律!」

 『「今日、同級生の秋山投手が先発予定ですが、田井中さん、何か一言エールを!」』

澪「えっ…?」

 『律「コホン えー…」』

 『律「おいこら澪!!てめぇ人のことただのドラムだのなんだの言いやがって!」』

澪「へ……?」

 『律「お前だって人のこと言えたタマか!この縞パン女!」』

中田「縞…」

糸井「パン…」

斎藤「いいっすね」

ダル「縞パン…」

澪「り……つ………!!」ガクガク

稲葉「お、おい秋山…!!」

澪「許せん!!!」 ゴォォォォォ

糸井「燃えた!」

小谷野「秋山が燃えた!」

 実況「さて注目の秋山澪先発の日ハム対ロッテのこの試合。すでに札幌ドームは満員です」

  ワァァァァァミオセンパーイワァァァァッァァァァカワイイーワァァァ

  ヴゥゥゥゥゥミオクタバレーゥゥゥゥゥゥミノホドヲシレー…

 実況「それにしてもまだ投げてもいないのにここまでのファンとアンチがいる選手も珍しいですね」

 実況「さてロッテのトップバッター岡田、打席に入ります」

澪(初めて対戦する投手の初球。まず相手は見てくるはず)

澪(勇気を出して…それっ)

 パシーン

岡田「……」

 実況「秋山、まずは外角高めのストライクゾーンにストレートを入れてきました」

澪(私の球速は速くない。コースが予想どおりじゃなくてもストレートなら打てると思ってるだろう)

 ピシュッ

岡田(内角のストレート。打てる!)
 
 クンッ

岡田(チッ!ツーシーム!)

 ガギッ

 線審「ファール!」

実況「左バッターの胸元に食い込んでくるシュートでファールをうたせてツーストライク」

澪(予定通り…)

澪(私だって伊達にベースやってたわけじゃない)

澪(指の柔軟性や握力には自信あるんだ)

澪(大丈夫大丈夫大丈夫)

澪「ふうーっ」

澪「……やっ!」

 ピシュッ

岡田(今度は外角低めか)

岡田(ストライクかくさい所…)

岡田(とりあえず当てなきゃな)

 ストーーン

岡田(しまっ……!)

 実況「さんしーーーん!!秋山幸先よく先頭打者をフォークで空振り三振!」

澪「よしっ」

伊志嶺(さっきの投球見てる限りストレートに狙いを絞った方がよさそうだな)

澪(私のキメ球はフォークだけじゃない)

澪(こういうことだってできるんだ!)

 シュゥッ

伊志嶺(おっ?)

 スパン

 審判「ストライッ」

伊志嶺(カーブか?)

 実況「俗に言うドロップというやつでしょうか。ホームベース手前で高めから落ちましたが低めに入りました」

澪(今の見逃し方を見てると…ちょっとつんのめったよな。速い球狙いか?)

澪(もう一回様子を見るか)

 シュゥッ ブンッ

 審判「ストライク、ツー!」


伊志嶺(ちょっとつんのめって振っちゃったな。今のは見逃せばボールだ)

伊志嶺(それにしても緩い球二つか。ストレートはあんま投げないのかな?)

伊志嶺(どちらにせよ両方に対応できるように狙いを変えた方がよさそうだな)

澪「…」

 ピシュッ

伊志嶺(ストレート!)

 ゴキッ

伊志嶺(芯を外された!ツーシームかよ!)

 実況「ボテボテのセカンドゴロでツーアウト!」

大松(ストライクをぽんぽん放ってくるタイプか)

大松(それなら初球から狙っていくか)

ガキッ ゴギン!

 実況「大松二球続けてファールで、ツーストライク」

大松(初球はカット気味で詰まらされたと思ったら二球目はチェンジアップっぽい球でタイミングを外された)

大松(器用なピッチャーだな。一つ一つ見たら、レベルの高い球はフォークだけだった気もするんだが)

 スポン パシュッ

大松(二球変化球でボールか。チェンジアップと縦のカーブ)

大松(ここでバシッとストレートが来るか?)

大松(いやそれでも小さな変化をつけてくるから引きつけて打たないといかん)

大松(それにカーブを続けてくる可能性も…)

 ピシュッ

大松(ここでフォーシームかよ!)

 コキン!

 実況「ちょっと振り遅れ気味でしょうか、高めの釣り玉引っかかってサードフライ!三者凡退です!」

岡田「どうでした?」

大松「分からん。打てない感じじゃないんだが」

伊志嶺「何に気をつけるべきっすかね?ボクはカーブだと思いますけど」

岡田「いやフォークだろ。フォークさえ気をつければ後は何とか対処できる」

大松「その二つより細かい変化球だな。大きな変化にとらわれてると芯を外される」

井口(…。この試合、泥沼にはまるかもな…)

 その予感は的中した。

 ~九回表~

 実況「さあもう試合も大詰め九回ツーアウト!」

 実況「秋山ここまで被安打2、与四死球1と快投を見せております!」

 実況「初登板初完封の快挙なるか!」

小谷野「秋山焦るなよ!」

陽「落ち着いていこう!」

金子「一球一球大切に!」

澪(ああ…なんかいい感じだ。この感じ…HTTと同じ…『一体感』…!!)

澪(野球って……楽しい!)

 コキン!

 実況「ああーっと打ち上げた!ピッチャーフライ!」

 パシッ  ワアアアアアアアアアアア

陽「秋山!」

金子「ナイスピッチ!」

秋山「わっ!急にそんなしがみつかれたら……キャッ!」

 ズルルルルッ

澪「あいたたたた…」

澪「きゅ、急に押すから…」

澪「――って、ん?なんでこんな静か――」

澪「!!!」

澪「こ、この下半身のスースー感…」

澪「まさか…」

 イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァ………

翌日、『秋山、パンツを見せてロッテを挑発』という見出しが日本各地を踊った。

ちょっと休みます。思いつきで書き始めたんで書きためは無いんです。

どのくらいに再開する?

>>179
昼よりは前に…

憂「さて開幕から数週間。そろそろ交流戦という時期になってきました」

憂「同一リーグの試合ももうそろそろ一区切り。その中で面白そうなカードを観に行きたいと思います!」

憂「まず今日は…この試合だよね!」

 ~甲子園球場~

阪神vs横浜

 憂「阪神は序盤負けがこんでたけど、ここのところは連勝で借金は完済!」

 憂「今日勝てば貯金生活プラスAクラス浮上。今日は落とせない試合です」

 憂「そして横浜は……うん」

 憂「いつも通りだね…悪い意味で」

 憂「勝っても負けてもどこか長いトンネルの中にいるみたい」

 憂「なんとかきっかけをつかんでもらいたいけど…。」

 ~試合前!~

梓「律先輩、お久しぶりです」

律「お!なーかのー!部長のもとに挨拶に来るとは殊勝な心がけじゃ!」

梓「もう部長とかは関係ないですよ!お互いプロなんですから!」

律「わあってるって。それよりも梓。調子悪いな?」

梓「へ?やだなぁ何言ってるんですか。いまんとこ無失点ですよ」

律「バカ。お前個人のことじゃないって。チーム全体としてだよ」

梓「あ…」

律「やっぱチームが勝たなきゃ意味ないっしょ?ま、今日はウチが勝つけどな!」

梓「あ、あはは…」

梓「……」

梓(さっき、なんで『いえウチが勝ちます!』って言えなかったんだろ…?)

梓(自分さえよければいいと思ってるのかな…)

梓(……もしかして…チームメイトのみんなも…だからチーム成績が…)

梓「……!!」ブンブン!

森本「ヘイヘーイ!どうしたお嬢ちゃん!」

梓「な…なんでもないです!」タタッ

梓(私ったら……ヤなコ)

 憂「さあ試合が始まりました!」

 憂「律先輩は三番キャッチャーだね」

 憂「ちょっと前までは5番だったんだけど」

 憂「マートン選手・平野選手がヒット、鳥谷選手が出塁とランナーを溜めて」

 憂「四番新井選手が貫録のゲッツーである意味塁上をクリンナップする展開が続いていました」

 憂「それが律さんが三番に入って一気に得点効率がアップしました!」

 カキーン ワーワー 

 憂「早速マートン選手がヒット!そして…」

鳥谷「……」ボスッ

 憂「二番に入った鳥谷選手が謎のゴッバパワーでフォアボールゲット!」

 憂「一二塁で律先輩!阪神にとっては理想的な形です!」

 憂「さあ…律先輩どうでしょうか?」

律(さーて今日の先発は真下さんか)

律(和田コーチが色々教えてくれたけど正直わかんねーよ)

律(ワンツースリーフォーワンツー…♪)

 ピシュッ スパーン!

律(なるほど…リズム的には『ぴゅあぴゅあ』だな)

律(とーんでいーっちゃえー キミのもとへわたーしのー♪)

律「大…飛球!」

 カキィーン

 憂「左中間破った!鳥谷選手も今…ホームイン!律先輩二点タイムリーツーベースです!」

 憂「これで打点ランキングも8位に浮上!すごい律先輩!」

律「ヘヘ…一番欲しかった先取点が初回に獲れるってのは気持ちいいねぇー!」

梓「……」ちぅー…

梓(今の…一点で抑えられたんじゃないのかな…)

梓(レフトのスレッジさんの打球の追い方が緩慢に見えた…)

梓(石川さんの中継もちょっとモタついたよね)

梓(そもそも律先輩は引っ張り専門なんだから、センターのひちょりさんももっとレフト寄りに…)

梓「はっ」

梓(いけない…なんだか最近グチっぽくなってる)

梓(万事が万事そんなにうまくいくはずないよね…)

梓(なんか最近チームメイトのアラを探すことが多くなったよ…)

梓「試合は中盤…。律先輩のタイムリーとブラゼルさんのホームランで阪神が三点」

梓「ウチは村田さんのソロで一点か…」

真下「はぁはぁ…」

梓(真下さんもタマが高めに浮いてきた。そろそろ替え時ではあるよね)

梓(ここ二試合はホールドのつく場面での登板だったけど…)

木塚「おい中野、作っておけ」

梓「……」

木塚「どうした?早く行け」

梓「……はい」

 ドワァァァァァァアァァァァ!

梓「!!?」

梓「どうしたんだろ?」

 実況「中村紀広の打球グーーーンと伸びてー!」

 実況「ポールを巻いたか?巻いたか?」

 実況「あっと審判は腕をまわしています!ホームラン!中村の逆転スリーラン!!」

律「……ッ!」

 実況「おっとキャッチャー田井中マスクをとって審判にかけよります!」

律「今の入ったか?入ったか?」

審判「入った。この目で見た。ホームランだ」

律「……!!入ってねぇんだよこの野郎!!」

 実況「おっと田井中これはいけません!審判に強く食い下がっています!」

梓「……!」たっ

 実況「おや、誰でしょうか?横浜のベンチから誰かが…あっ中野!リリーバーの中野です!」

梓「やめて下さい!律先輩!」

律「なんだよ!私はこの目で見たんだ!ポールの外を通っていったぞ!」

梓「そんなのどっちだっていいじゃないですか」

律「!?」

梓「どうせ審判さんの判定は覆りません。それなのに食い下がって心象は悪くなるし罰食らうかもしれないし…」

律「バカ!逆転ホームランだぞ!」

梓「一試合くらい落したっていいじゃないですか。長いペナントなんだし…」

律「!! おい梓、それ本気で言ってんのか」

梓「? はい」

律「てめぇ…今日絶対投げろよ!部長の特別指導でお前の曲がった根性叩き直してやる!」

梓「……好きにしてください」

 どよどよ…

 憂「さっきのひと騒動で…まだ客席はどよめいています」

 憂「律さんと梓ちゃん…一体何を話してたんだろ…?」

 
 憂「…と、あの混乱は冷めぬまま、試合は後半七回裏、阪神の攻撃です」

 憂「ツーアウトからマートン選手鳥谷選手に連続ヒット!ツーアウト二三塁の大チャンスです!」

 憂「ここで打席には…今日タイムリーの律さん!」

『ピッチャー牛田に代わりまして…」

 憂「あ…」

『ピッチャー、中野』

 憂「梓ちゃん…!」

律「……」

梓(…。律先輩すごいこっち見てる…)

梓(まぁいいけどね。私は私のピッチングするだけだし)

律「……」チクタクチクタク

梓(律先輩は凄くリズムを大切にしてるよね。左脚の動きを見たらすぐ分かるよ)

梓(ならそのリズムを崩すまで…ですっ!)
 
 ピシュッ

律「!?」 バッ

 実況「おっとこれは危ない!田井中のヒザもとスレスレにストレート!」

 福本「右のサイドからやからね。バッターからしたらそら怖いよ」

梓「もいっちょ」
 
 ビシュッ

律「…ッ!」バッ

 実況「先ほどと同じような所!ツーボールノーストライク」

律(梓…タイミングを崩すつもりだな…そうはいくか!)

梓(どんなに虚勢を張っても…恐怖心は必ず芽をだしてるはず)

 シュピッ

律「うっ!?」

 ブン!

 実況「チェンジアップにタイミング外され空振り。真ん中に見えましたが?」

 福本「シンカーあることわかってるからね。なかなか踏み込めへんよ」

梓「にゃっ!」

律「ッ!」

 バシィ!

 実況「今度は再び内角!高速シンカーに空振り!」

律(最後はまた外角だな…内角を攻めて最後に外角…単純なヤローだ)

律「来い!梓ァ!」

梓「……」

 シュピッ

律(ビビらずに思いっきり踏み込んで…!!)

律(ウッ!?)

 ブンッ パシィン!

 実況「最後は再び内角のシンカー!田井中全くチグハグな打撃に終始しました」

律「……!!」

梓「ふふん、です」

にゃっ!で可愛いと思ったが
やっぱり中野だった

梓「はぁ…」

村田「よくやったぞ中野」

梓「あ…にくばな、いえ村田さん」

森本「あとちょっとだ」

梓「ひちょりさん…」

梓(そうだ…勝てるんだ…!今まで勝ち試合はバカ試合が多かったけど…)

梓(久々の接戦で…それも逆転勝ちで!!)

梓(応援しよう!ベンチから!精一杯!)

梓「がんば――」

 カキィィィィィィン!

梓「れ……?」

 実況「いったーーーーーーーー!!」

 実況「グレイグ・ブラゼール!今日二本目のホームランは!」

 実況「ライトスタンドに突き刺さる逆転サヨナラアーチ!」

 実況「いやーこうなるとさっきの村田のエラーが大きかったですね」

 福本「せやね。完全に打ち取ったあたりやったからね」

 実況「エラーで出塁の新井!そして殊勲打ブラゼル!二人続いてホームイン!」

 実況「阪神逆転サヨナラ勝利!!」

 実況「がっくりうなだれる山口!」


梓「はは…」

梓「何期待してんの?バカじゃん!私!」

梓「横浜なんて弱くて人気なくて勝つ気もなくて…」

梓「球界のお荷物だって最初っから分かってたじゃん!」

梓「悔しくなんて…ないんだから」

梓「勝ちなんて期待…してなかったんだからぁ…」

本拠地、横浜スタジアムで迎えた中日戦
先発三浦が大量失点、打線も勢いを見せず惨敗だった
スタジアムに響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年は100敗だな」の声
無言で帰り始める選手達の中、中野は独りベンチで泣いていた
桜高軽音部で手にした経験、喜び、感動、そして何より信頼できる仲間・・・
それを今の横浜で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」中野は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、中野ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」中野は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、中野はふと気付いた

「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
ベンチから飛び出した中野が目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにベイスターズの応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする中野の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「アズサ、守備練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返った中野は目を疑った
「す・・・鈴木さん?」  「なんだゴキ、居眠りでもしてたのか?」
「こ・・・駒田コーチ?」  「なんだ中野、かってに駒田さんを引退させやがって」
「石井さん・・・」  中野は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1番:石井琢 2番:波留 3番:鈴木尚 4番:ローズ 5番:駒田 6番:佐伯 7番:進藤 8番:谷繁 9番:中野
暫時、唖然としていた中野だったが、全てを理解した時、もはや彼女の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
中根からグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走する中野、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっている中野が発見され、稀哲と村田は病院内で静かに息を引き取った

憂「さてついに交流戦がはじまります!」

憂「ここで一応、順位と、みなさんの成績を整理しておきましょう!」

憂「まずはセリーグから!」

 1 広島
 2 巨人
 3 阪神
 4 中日
 5ヤクルト
 6 横浜

憂「一位は超・大補強をした広島!」

憂「二位は巨人だよ!お姉ちゃん凄い!お姉ちゃん偉い!」

憂「三位は、律先輩の活躍で阪神が浮上!でも四位の中日とは僅差だよ!」

憂「五位のヤクルトも上とは僅差!まだまだAクラスも狙えるよ!土橋さんのサインお姉ちゃん経由でもらっちゃった!」

憂「六位の横浜は……うん!生きてる限りいいことあるよ!頑張って!」

憂「次はパリーグだよ!」

 1 日ハム
 2ソフトバンク
 3 ロッテ
 4 オリックス
 5 西武
 6 楽天

憂「一位は強力投手陣の日ハム!澪さんももちろんその一角だよ!」

憂「二位には打線、投手陣、どれも一級品のソフトバンク!」

憂「上位二つとは少し差が開いてロッテ、オリックス!交流戦で巻き返したいですね!」

憂「西武は…シーズン当初は優勝候補だったんですがこの位置。大丈夫でしょうか?」

憂「楽天は補強が色々裏目に出てしまいました。それでもまだAクラスは射程圏内!」
 

憂「それではルーキーの成績とピックアップニュースだよ!」

○平沢唯
.255 7本 20点 3盗塁 5失策
 ・ベンチでむしゃむしゃお菓子をほおばっているため、なんJに「菓子食い過ぎのアホでもできるやきうwww」というスレが立った

憂「最近は六番サードが多いよ!チャンスに強くて頼りになるけど守備がちょっと心配…」

○田井中律
.302 2本 24点 6盗塁 得点圏打率.425
 ・プロ野球板で『デコニキ最高や!!!!1!!』スレが立った。今では7まで伸びた。

憂「チャンスでの勝負強さは随一!捕手としては脚もあって魅力的!弱肩は俊敏な送球でカバー!」

○琴吹紬
.278 6本 17点 0盗塁 防御率1.77 1勝0敗7S
 ・こいせんでは、琴吹が登場すると「むぎゅううううううう」と叫ぶ輩が散見されるが大半からは冷たい目で見られている。

憂「バッティングもピッチングもこなす器用さがありますね。
  でも唐突に打ったり打たれたり、マイペースで劇場型な選手かもしれません」

○中野梓
防御率0.00 1勝 0敗 1S 3H
 ・はませんでは登板過多が心配されている。
  ホールドのつかない場面で登板させると「尾花クソがあああああああああ」というレスの嵐

憂「まだ自責点ゼロ!凄い!でも登板条件が不透明で、勝ってても負けてても投げてたり…」

○秋山澪
防御率2.30 4勝0敗 1完封 2完投
 ・プロ野球板で『秋山って何様なの???死ぬの????』というアンチスレを、
  とうとう『秋山澪ちゃんは生意気露出狂かわいい!』というファンスレが上回った。

憂「武田勝さん、ダルビッシュさんに次ぐ三番手投手の地位を確立!まだ負けもついてないよ!」

○鈴木純
.025 2本 8点 0盗塁 4盗塁死 6失策 (二軍成績

○中野梓
防御率0.00 1勝 0敗 1S 3H
 ・はませんでは登板過多が心配されている。
  ホールドのつかない場面で登板させると「尾花クソがあああああああああ」というレスの嵐

憂「まだ自責点ゼロ!凄い!でも登板条件が不透明で、勝ってても負けてても投げてたり…」

○秋山澪
防御率2.30 4勝0敗 1完封 2完投
 ・プロ野球板で『秋山って何様なの???死ぬの????』というアンチスレを、
  とうとう『秋山澪ちゃんは生意気露出狂かわいい!』というファンスレが上回った。

憂「武田勝さん、ダルビッシュさんに次ぐ三番手投手の地位を確立!まだ負けもついてないよ!」

○鈴木純
.025 2本 8点 0盗塁 4盗塁死 6失策 (二軍成績)
 ・『雁の巣にケセランパサランがいたんだけど…』なるスレが立つも4しかレスつかず。

憂「なんでとったの?という成績…。でも純ちゃんは未完の大器!頑張って!」

 ~交流戦開幕~

場所は札幌。

カードは日ハムvs横浜

澪「ああ……憂鬱だ……」

梓「澪センパイ」

澪「交流戦だなんて…パでもいっぱいいっぱいなのに…」

梓「澪センパイ!!」

澪「うひゃぁっ!!」

梓「なにドンヨリしてるんですか。うわ、これ澪センパイへのプレゼントですか?凄い量ですね!」

澪「お、多いんだ特に最近…。で、でも梓だって結構くるだろ?」

梓「でも私は女性からは少ないですし。最近は『H・コバヤシ』って人から
  『あずにゃんかわいいね、とってもかわいいよ頬ずりしたい』みたいな手紙が頻繁にきますけど」

澪「うわっなにそれ怖いなぁ…」ブルブル

梓(澪センパイは変わらないなぁ)

梓「あ、それで澪センパ――」

中田「おーすハゲ山ー」

澪「あっ翔さん…、ハ、ハゲてないですよ!」

糸井「んー?でもなんか薄くなったような…」

澪「なってないやい!」

中田「もー冗談やんか、そんなムキならんでもええが」

澪「ムキになんて…!」

稲葉「こらー!秋山いじめんなよー」

中田「うはwwwすんませんっすwwwww」


梓「……あ…」

梓(なんかああいうの…いいなぁ…)

森本「おっすあずにゃーん!」

梓(ひちょりさんならああいう「おふざけ」も結構…)

森本「探してたんだよねーコレコレ!ゴールデンネコミミ!つけてみてよ!」

梓「……」

森本「?」

梓「ハ、ハゲ本ひちょり!!」

森本「   」

梓「……!!」(やっぱなんか気恥かしい!)ダダッ

森本「嫌われた……」

 そのころマツダスタジアムでは

 実況「なんとなんと大変なことが起こりました!」

グワラモジャガキィィーーーーーーーーン!!!

 実況「またいったぁぁぁぁーーーーーーーーーーーー!!!」

黒田「なっ……!」

 実況「ここまで無敗!防御率二点台前半をキープしていたメジャー帰りの黒田に!」

 実況「一匹の猛禽が襲いかかりました!」

 実況「なんとここまで3ホームラン!」

 実況「その勇士の名は!!」

純「うしっ」

 実況「鈴木純んんんんんんーーーーッッ!!」

 実況「それにしても二軍で打率五分にも満たない鈴木と契約をするというだけで驚きましたが」

 実況「さらにその鈴木を一軍登録し五番スタメンに据えるという、言葉は悪いですが暴挙!」

 実況「それがまさに最高の形で結実しています!」

 達川「とはいえ打線全体なら広島の方がはるかに強いですからねー、心配する必要は無いと思うんですねー」

 実況「確かにそのとお…おおっ!」

松井秀喜「……」カキィーン!

 実況「松井タイムリー!広瀬とレイエス帰って二点タイムリー!再びカープ逆転!」

 実況「さあカープ、一点差で九回となったらこの人しかいません!」

「「「「「むぎゅぅうううううううううううううう」」」」」

紬「しゃらんらしゃらんら~♪」

 実況「いやー琴吹選手かわいいですね!」

 実況「こんなにかわいいのですから、ファンの間での『むぎゅコール』が広まったのも納得ですね」

 達川「まぁ気持ち悪いですけどね」

 実況「……」

倉(一人出せば鈴木にまわる…絶対に三人で締めるぞ琴吹)

紬(分かってまーす)

 ビシュッ バシィ!!

紬「やった♪」

倉「ツーアウトォーーー!」

紬「とぉー♪」

 実況「いやーかわいい。かわいいしか言葉が出ませんね達川さん!」

 達川「それよりピッチングについて話しましょう」

 実況「……。えー伝家の宝刀バルカンチェンジとストレートで二者連続三振を奪いましたかわいい琴吹投手」

 バシッ

審判「ボールフォア!」

倉「バッ…」

紬「あら~」

 実況「おっと琴吹四番松中にフォアボール。かわいい琴吹を観れる時間が長くなりました。ファンは、ありがとう松中!という感じでしょうか」
 
 達川「いやそんなことより鈴木にまわったことが大問題でしょう」

達っちゃんだけじゃなくカープOBほぼ全員渋い顔してるだろw

>>325
カープは生え抜き至上主義チームだからな

鈴木「ふぅーーーー」

 実況「鈴木、右打席に入り、目を閉じて精神を集中させます」

倉(いや違う…)

 実況「琴吹、鈴木に対して第一球…」

倉(これは精神統一のためなんかじゃない…)

 実況「投げた!」

倉(こいつは目を閉じたまま打ってやがるんだ!!)

 鈴木「……」スゥ…



    グワラモジャガキィィィーーーーーン――――

~札幌ドーム~

梓「はぁ…ダルさんに完封負けかぁ…」

梓「ん…試合結果…?」

~千葉マリン~

律「ふぅー今日も暑かったー!このキャッチャーマスクって暑いんだよなぁー!」

律「お?他球場の結果か」

~東京ドーム~

「さて、今日のヒーローはタイムリーエラーで二度の逆転を許し、そしてバットで三度の逆転をもたらした平沢選手です!」

 キャアアアアアアオネイチャァーンアアアアアアアア

唯「えへへ~面目ない」

「それにしても平沢選手、今日は他球場で大変なライバルが現われましたね!」

唯「ほえ?」

梓「純、4ホームランって……いやそれより」

律「もちろん日本記録だし凄いんだけど…」

唯「西武の『メガネ』投手が12連続奪三振の日本記録?」

すみません、昼飯作ってました。これから食べるので少し待って下さい

唯「メガネって誰だろうねープフフ変な名前ー」

憂「もうお姉ちゃんたら、そんな余裕ないでしょ?お姉ちゃんのライバルだよ?」

唯「えぇー大丈夫だよー、なんか「メガネ」って間抜けっぽいしー」

憂「間抜けって…。謎のピッチャーなんだよ?メガネで顔が分からないだって」

唯「あははは!ますますヘンだよー!」

 ピンポーン

憂「あれ?だれだろうこんな夜遅くに」

憂「はーい」

和「こんばんわ、ちょっといいかしら?」

唯「あれー?和ちゃーん!どうしたのーこんな時間にー」

和「こんな時間でなきゃ唯家にいないでしょ?久しぶりに色々話したいなと思って」

唯「えへへ~いいよ~色々話したいことあるんだー」

憂「もうお姉ちゃんたらー、明日にむけてちゃんと寝ないといけないのにー」

唯「でねー東野さんったらこうでねーそれで内海さんが…」

和「へえ。そうなんだ」

唯「あ!和ちゃんはせーぶのメガネって知ってる?」

和「ああ、今日投げたっていう?」

唯「そうなんだよー、なんか凄いんだってねー、どうしたらいいんだろー?」

和「でもまぁ、そんなに焦ることじゃないんじゃない?」

唯「ほえ?なんで?」

和「だって西武と巨人があたるのはまだまだ先でしょ。西武は次は阪神、その後広島よ」

唯「あぁーそうだっけー」

憂「和ちゃんくわしんだねー…ってあれ?帰るの?」

和「ええ。私も明日は予定あるし。それじゃ唯、頑張ってね」

唯「頑張るよー!ホームラン王とるんだもん!」ふんす!

憂「……」

 ~数日後~

カキィーン!

 実況「入ったー!ホームラン!交流戦に入って平沢絶好調!」

唯「イエーイ!ブイブイ!」

 実況「がっくりとうなだれる美馬!」

星野「あほんだらがぁーーッ!!」バキィ!

唯「そういえばりっちゃんは西武とかぁ。どうなったかな?」

カッキィーーン!!

律「あちゃ!やられた!」

 実況「おかわり中村驚異のビッグアーチ!これで西武、一点先制!!」

律「あいたたたー…今日の帆足さんはなかなか打てそうにないしなー」

律「でもまぁ!西武は中継ぎが弱いし、帆足さんの玉数も多い!」

律「焦らず攻めてきゃいけっかな!」

上本「何言ってんだ田井中」

律「お。おちび先輩」

上本「お前に言われたくないよ。それよりさっきの話だけど」

上本「このまえの忘れたのか?ホラ、中継ぎで出てきて4イニングを全部三振で押さえたって言うメガネ」

律「ああー!そっかぁ!ヤベェ!!」

律「それにしてもまぁ…」

 実況「阪神打線、ついに帆足をつかまえたか!?ツーアウトながら満塁!」

律「あたしっていう人間はどうーしてもこういう場面がまわってくるんだなぁ」

 実況「帆足ここが限界か!おっと渡辺監督が出てきます!」

律「こいメガネ!正義のりっちゃんが打ち砕いてやらぁ!!」

 『ピッチャー帆足に替わりまして……メガネ』

 ズズゥーーーーーン……

律(……?)

メガネ「……」ザッザッザッザッザッザ…

律「な…」

メガネ「……」

律「まさか……」

 ピピピピピ…

 ピピピピ…

 ピピピ…

 ピッ

紬「はい!広島東洋カープの琴吹紬です!」

律「ムギ……か…!?」

紬「その声は…りっちゃん?りっちゃんなのね!?どうしたの!?」

律「今度…カープは西武とだよな…」

紬「そうだけど…それが何か!?」

律「……気をつけろ…メガネは…メガネは恐ろしい投手だぞ…!!」プツッ

紬「りっちゃん!?りっちゃーん!!」

前田智徳「どうした?琴吹」

紬「あ、あの携帯でお話してたんです」

前田智徳「言われんでもわかっとる!!」

~また数日後~

増井「うげえぇっ」

 カッキィーーーン!

 実況「飛んだァーーーー!!平沢驚異的ペースで本塁打を重ねていきます!!」

唯「いえーい!いえーい!ちゅっちゅっんちゅーっ」

 実況「平沢、投げキッスをとばしながらベースをまわります」

 実況「それにしても土壇場8回での逆転弾!七回1失点の秋山の好投がフイになってしまいました!」

澪「うぅ~~唯めぇー…」メソメソ

唯「あ!今日はムギちゃんが西武とかぁ。がんばってるかな?」

丸「あっ」ポロリ

 実況「あーーっと丸!まさかの落球!」

 達川「やっぱり普段から若手を出してないからこういうことになるんですよ!」

 達川「勝ってるからって、ついでに若手を出してるようじゃ成長できませんよ!」

 実況「ええ、ええ、そうですねぇ」

 実況「しかし丸。これは痛いエラーになってしまいました。西武に勝ち越しの一点が入ってしまいます」

 達川「そうなると出てきますねぇ」

『ピッチャー涌井に代わりまして……メガネ』

 実況「そして対するはレフトで先発出場の琴吹!今日はかわいいテキサスヒットを放っております」

紬「大丈夫…絶対に負けない!」

紬「メガネさんが…どんな投手であろうと!」

 ズウウウウーーーーーン…

紬「!!」

紬「これは…!?」

メガネ「……」

唯「ふわぁ…ねむ…」

憂「おねえちゃーん!早くお風呂入りなよー」

唯「うーい」

唯「ん?」

唯「あ、プロ野球ニュースだー」

『広島カープの琴吹選手が一か月の修行の旅に出ることを発表しました』

唯「へ?」

『「自分の力の無さを感じた。もう一度鍛え直したい」と語ったそうです』

唯「え、ええええ~~どういうこと!?」

唯(メガネだ…そういえばこの前メガネと対戦したりっちゃんもおかしな電話をしていてたし…)

唯(メガネ…許せないよ!)

唯「りっちゃんとムギちゃんの敵!私がとってみせるよ!」ふんす!

憂「お姉ちゃーんお風呂ー…」

 ~東京ドーム

~東京ドーム~

中島「よっと」 中村「ふぅふぅ」 平尾「ヒェーイ」

唯「じーーーーーーー…」

片岡「ふぅ」 浅村「よいしょっと」 栗山「ほっ」

唯「じいいーーーーーーーー……」

唯「駄目だ。どれがメガネか分かんないよ」

唯「でも…必ずヤツは来るんだよ!!」


 憂「がんばってお姉ちゃん!」

 憂「メガネを…メガネを打ってね!」

 憂(でも…私は確認しなきゃいけないことが…)

 ピッピッピッピッピッ… プルルルルルルルル…

 ~8回~

唯「あっ」

 実況「またやったーーー!!平沢タイムリエラー!!西武勝ち越し!!」

坂本「平沢…お前なぁ…」

唯「え、えへへー面目ないです……」

唯(も、もちろんわざとやったわけじゃないけど…でもこれでメガネが出てくるはず!」

 憂「……」
 
 プルルルル…

 和「はい…」

 憂「和ちゃん…やっと出てくれたね」

 和「あなたが考えていることは大体分かるわ
   でも残念。私は『メガネ』じゃないわよ。もう憂ちゃんだって本当は分かってるんでしょ?」

 憂「…。もちろん分かってます。メガネの正体は…」

 和「あら。じゃあいいじゃないの」

 憂「でも…でも、あなたはなんなんですか!?」
   
 憂「なんだか騒がしいですよ。今どこにいるですか?球場にいるんじゃないですか?」

 和「……プツッ」

坂本、お前も大概じゃないか

 『ピッチャー、西口に替わりまして…ピッチャー、メガネ』

 ズゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーン…

唯(うわっ何この低音)

『お゛お゛ま゛え゛ら゛がくる゛の゛を゛待ってい゛たぁ゛ーーーーー!!!』

 キュイーーーーン ギュルギュルギュルギュル ギュウィィーン

メガネ「……」バッ!

メガネ「そう…ある時は高校教師…そしてある時は最高のセットアッパー!!」

 「そう!!その名は!!山中さわ子!!」

唯「やっぱりさわちゃんだったんだね…」

さわ子「えーっ!やっぱりって何!?もっと驚いてよぉ!!!」

唯「えぇー…だってこの前ニュースであのメタルなマスクしてるの見ちゃったし…」

さわ子「そんなぁ…完璧な変装のつもりだったのにぃ!!」

さわ子「じゃあいいわね唯ちゃん…。ムギちゃんやりっちゃんの敵、とれるもんならとってみなさい」

唯「ゴクリ…」

銀仁朗「さわさん!ズバッといきましょうズバッと!!」

さわ子「あたぼう……よっ!!!」

 バシュゥゥゥゥ

唯「はやっ!?」

 バシイィィィィン!!

審判「ストライクワン!」

さわ子「もいっちょぉぉぉぉ!!!!」

 ビシィィィィ!!

審判「ストライッツー!!」

唯「さ、さわちゃーん、ちょっと手加減してよぉ…」

さわ子「あら情けないわね。仕方がない。次はスピードを落としてあげましょう」

唯「ほ、ホント?」

さわ子「ほんとよ?私が嘘ついたことある?」

唯「ん、んん~?どうだろ…」

さわ子「ないわよ!さ、行くわよ!」

 ビシュッッ!!

唯(速い……!!で、でも確かにこれなら…!!)

唯(ごはんは……おか…ず…!??)

 ストォーーーン!!

唯「フォフォフォ、フォーク!?」

審判「ストライッバッターアウッ」

唯「さ、さわちゃーん…」

さわ子「あら?ウソはついてないわよ?」

 ~その夜~

「アハハハハハハ!」

さわ子「さ、飲みなさい食べなさい!ここは私のオゴリよ!!」

律「わーお、さわちゃんふとっぱらぁー!」

唯「それにしてもさわちゃん、野球やってたんだねー」

さわ子「ええ。中学時代好きだった人が『野球がうまい女の子が好き』……ってね」

澪「それで剛速球とあんなSFF投げられるもんですか…?」

さわ子「ま!才能ね才能!」

律「うわっうっとうしぃー」

さわ子「うるさいわねぇ!で・も!いい勉強になったんじゃなぁい?」

律「勉強っていうか歯が立たなくて落ち込んだよ私は」

紬「そうだよねぇ。全然打てなかったもんね」

さわ子「それでいいのよ!あんまりはじめからうまく行き過ぎてたら、壁に当たった時怖いわ」

梓「それで唯先輩たちを…?」

さわ子「その通りよ!ま、いきなりプロで活躍出来て良い気になってるから
     ブッ飛ばしてやろうって気持ちもあったけどねー」

律「絶対後半がホンネだ…」

紬「それで先生、これからもずっとプロで?」

さわ子「いいえ。私の投げ方じゃシーズン通して投げられないわ。ヒジにすごく負担がかかるの。」

純「よかったぁー。あんな速くてコントロールいいんじゃ、交流戦終わったら、絶対歯が立たないもん」

さわ子「あら?別に休みを定期的にとるってだけで、交流戦で引退とは言ってないわよ?」

純「ええっそんな!ずるいです!ずるいですー!」

 「アハハハハハハハ…」

さわ子「……で?何、話って」

梓「えっ、せ、先生が残れって言ったんじゃないですか」

さわ子「何か話したいことがあるんでしょ?」

梓「あっ……」

さわ子「……チームのことね」

梓「……交流戦も…最下位になってしまいました…」

梓「もう…どうしたらいいのか…」

さわ子「どうもしなくていいんじゃない?」

梓「えっ?」

さわ子「ムギちゃん、明日から一か月アメリカに修行に行くそうよ」

梓「ええ、知ってます」

さわ子「ムギちゃんは自分で必要だと思って行動を起こした…」

さわ子「でもね、なにも無理して行動する必要は無いと思うの」

さわ子「私は、梓ちゃんのことを、必要なことは自分で考えられる子だと思ってるわ」

さわ子「その梓ちゃんが『やるべきことが分からない』っていうなら、それはきっと本当にそうなのよ」

梓「……」

さわ子「それより梓ちゃに必要なのは、気づくことじゃないかしら?」

梓「気づく…こと…?」

さわ子「さて、遅くなっちゃったわね。んーヒジが思い」

梓「先生……」

さわ子「梓ちゃん。あなたがやってきたことと、これからすることを信じなさい。私が言えるのはそれだけよ」

梓「……」

>>458
まだ高校しか書いてない
どれも甲子園でたら良いとこいくよ

>>460
つまりベイが甲子園に出たら…いや、出れるのか?うん出れんな。すまん変なこと言って。

梓「気づくこと…かぁ…」

梓「…うちも…澪センパイの…ファイターズみたいに強いチームになれる力があるのかなぁ…」

森本「あ、おい!中野!」

梓「へっ?」

森本「この前は…すまんかったな」

梓「この前…?」

森本「俺結構調子乗るとこあるし…なんか中野の気持ち考えずに調子乗ったこと言って…悪かったな、と」

梓「へ…?」

森本「ただ、やっぱ中野がぶすっとしてるとく良くないな、と思って…」

森本「実力的にも華的にもウチの顔になれる選手だと思うし…」

森本「少しずつでもいいからノってきてくれたらいいな…と思ってたんだよ」

梓「……ぷっ」

森本「?」

梓「何言ってるんですか?私、怒ったりしてないですよ?」

梓「私は…冗談を言ったつもりだったんです」

森本「冗談…?」

梓「はい。…ハゲ本ひちょりさん」

森本「……」

森本「こーいつぅー!!」

梓「あはは痛っ痛いですよぉ」

森本「なーんだこのネコ娘ー!!」

梓「キャー助けてー!子泣きジジイに襲われるー!」

「「アハハハハハハ…」」
 
 村田「ふぅ…うまくやったみたいやな」

 吉村「キャプテンてこういう仕事もするもんなんすか?」

 村田「まぁチームを勝ちに導くんが仕事やろ。どんなことでもな」

 吉村「あ、じゃあ仲良くなるためにパワプロしましょうか。俺ソフトバンクで村田さんウチで」

 村田「ふざけんなよ!」

小林宏「あずにゃん、ペロペロしたい」

藤井「りっちゃんのデコ、テカテカやな」

憂「さて、交流戦も終わり、シーズンの日程も進んできました!」

憂「あっ!」

憂「っと言う間にもうシーズンも終盤です!」

憂「果たして上位三枠に入れるのか?緊張の連続ですね!」

悪いけど、ちょっと消えます。
座ってるだけなのに、結構疲れるもんですね。

横浜のルーキー、大原慎は潰れそうな気がする。

律「おらおら梓、息してねーぞ」

梓「おお、もう……」

 憂「今日は澪さんの応援に来ました!」

 憂「澪さんはここまで勝利数はパの四位も、大崩れしないから敗戦数の少なさはかなりのものです。」

 憂「今日は対オリックス!」
 
 憂「下位に沈むオリックスですから澪さん、今日も勝ってくれるでしょう!」

小谷野「おーし秋山!今日も勝つぞ!」

澪「え、えええ、ええ!だ、だだだだ段々慣れてききききましたたたた」ブルブル

糸井「なんぼほど慣れへんねん」

澪「ままままままともにしゃべらららられるだけマママママシになったんですよよよよ」

中田「まともやあれへんけどな」


岡田監督「グフフ…」

 実況「さぁ始まりますオリックス対日本ハム!」

 実況「ソフトバンクと熾烈な一位争いをしている日ハムですから、ここは落したくないでしょう」

 実況「打線も好調ですし、秋山がいつものピッチングをすれば大丈夫でしょう」

澪「大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫……」ブツブツ

 実況「秋山、おなじみのボールにつぶやきかけるおまじないです」

 実況「一説では『俺は世界の支配者俺は世界の支配者…』と自己暗示しているんだとか」

 実況「さぁ秋山第一球…投げた!」

澪「うっ!」

 ヘロッ カキーン!

 フニャッ カキーン!

 実況「坂口、田口連続ヒット!初回から秋山を攻めます!」

大野「??…どうした秋山…いつも通りでいいんだぞ」

澪「う、うう…」

 ぽにゃっ パキーン!

 実況「打ったぁーー!後藤、先制のタイムリーツーベース!」

澪「あうう…」

T-岡田「……」

T-岡田(秋山の調子がおかしい…。確かに監督の言っていた通りだ)

~試合前~

岡田監督「今日(の秋山)は(球が)こおへんはずや。(だから狙い球を)絞るよりも
       (ストライクゾーンに)入っていたのをアレ(打つ)せなあかんやろ」

~~~~~

T-岡田「何があったかは知らへんけど…まぁ遠慮する必要もあらへん」

どん語を理解出来るのは、デイリーちゃんくらい

澪「ううぅぅ…」

大野「どうした秋山。どこか調子が悪いのか?何かおかしいことがあるのか?」

澪「いえ!何もありません!ほんとに何も無いんです!」

大野「…??」

澪「うぅぅ…えいっ」

 ちゅぴっ

T-岡田(これも全然キレがあらへん)

 カァァァーーーーーン!

 実況「ガツーーーーーーーーーン!!T-岡田ぁぁぁぁ!!!!」

澪「あっ……」

 実況「ライトスタンド上段に持っていったぁぁぁぁ!!4-0!!」

澪「う、うぅ…」


岡田監督「(秋山には)悪いけどアレの世界(勝負の世界)やからな。そんなもん(遠慮)(無い)よ」

岡田監督(あれもこれもあのコのおかげよ)

岡田監督(秋山澪…世間ではビッグマウス扱いされとるけど俺の目はごまかせられへん)

岡田監督(あれは一皮むける前のあれ(能見)と同じ目しとるよ)

岡田監督(つまりかなりのアレ(ビビリ)よ)

岡田監督(それを有効に突くのに…あのコの情報は役に立ったで)

 曽我部先輩「大丈夫かしら…秋山さん…」

澪(うぅ…バックネット裏にファンクラブ会員が…)

会員A「……」キラキラキラ

会員B「……」キラキラキラ

澪「無言なのが余計に怖い…」

澪(しかも…あの服…私が文化祭で着たメイド服…)

澪「その上……」

 実況「さあ畳みかけたいオリックス、五番ヘスマンです」

澪「あのリストバンド…」

 実況「今日はオリックスの各打者が同じリストバンドをしていますね」

 実況「青と白の縞模様。あれはなんなんでしょう?」

澪(あうううううう……!!)

 ~横浜スタジアム~

梓「あ、途中経過…」

梓「え!?澪センパイ…初回四失点!?」

梓「そんなことも…あるんだ」

木塚「おい、なに見てるんだ。準備しとけよ」

梓「はっ、はい!」

木塚「今日は一点差だ。気合入れて守ってもらうぞ!!」

梓「……!はいっ!」

紬「そろそろ梓ちゃんの出番かしら?」

 『ピッチャー、中野』

梓「ムギ先輩…勝たせてもらいますよ」

紬「悪いけど私たちも負けられないのよ、梓ちゃん」

 実況「夏場怪我人が相次いだ広島、今日負けると巨人に首位を明け渡してしまいます!」

紬「確かにスター選手は離脱した…けど!」

梵「ここまでギリギリ首位を守っていたのは生えぬきの雑草が頑張ってきたからだ!」

岩本「その通りッス!」

松山「カープ魂見せてやるぜ!」

紬「そう…これからが私たちの力の見せ時なのよ!」

紬「さあみなさん!気合を入れるためにもみじまんじゅうをいただきましょう!」

「「「おおーっ!!」」」

 カンッ

梓「ッ!」

 キンッ

梓「うっ!」

 実況「赤松、広瀬連続安打!ここまで20イニング連続無失点の中野を攻めます!」

梓(ここから松山さん、岩本さん、ムギ先輩か… ちょっとキツいかな)

梓「疲れがたまってる…とは言いたくない…」

梓「ここを投げるのが私の仕事だもん」

細山田(キチンと投げれば打ち取れる三人だ。慎重に行けばいい)

梓(はい。そうですね)

梓「……ッ!」

 ピシュッ!

梓(ヤバ…!)

松山「うおおっ!」

 カキン!

赤松は生え抜きじゃないけどな

 実況「伸びる!グーンと伸びる!」

 実況「左中間を割るか!?割るか!?」

森本「無理か……!?」

 実況「吉村ーーー!!」

森本「えっ!?」

吉村「うおおおおおお!!」

 パシッ

審判「アウト!」

梓「吉村さん…ありがとうございます!次の岩本さんは必ず!」

 カキィン!

梓「しまっ……!」

 実況「三遊間抜け…」

石川「とりゃああああ!!」

 バシッ

村田「取った!」

ハーパー「イシカワがトッタ!」

 実況「石川が取ったあああああ!ツーアウト!」

梓「石川さんが取ったァァァァァ!」

>>573
辛いさんの時だっけ。
いい野手をプロテクトせず取られるという虎の伝統

紬「なんだかんだで一二塁から動かずか…」

紬「梓ちゃん、遠慮はしないわよ」

梓「分かってます…よっ!」

 ピュッ ガキッ

 シュッ カキッ
 
 ピッ  ガギッ

 実況「追い込まれてから三球続けてファールで粘ります。打席の琴吹!」

細山田(段々甘く入ってきてる…。いいかげんキメないとまずいぞ中野!)

梓(分かってるです!)

梓「ん…にゃっ!!」

 ピシュッ

 ガキィン!

 実況「これもスタンドに…いや、ファールゾーンに落ちるか!?」

 ドスドスドスドス…

村田「ぬぅ……」

 実況「村田が追う!村田が追う!」

 ドスドスドスドス…

村田「ちっ…無理か…!?」

 ドスドスドスドス…

吉村「動け!デブ!!」

村田「うおおおおおおおおおお!!」



 審判「アウッ!」

梓「はあ…なんとか乗り切った…」

梓「今日は全部野手のみなさんのおかげだね…」

梓「あ、途中経過?」

梓「澪先輩は…」

 『F12-6Bs』

梓「わ。勝ってる!」

梓「……投手陣が崩れてもそれ以上点を取る…それが強いチームってことなのかな…」

梓「……ウチだって!!」

梓「…ってアレ?渡辺さん?どこへ?」

渡辺「おう。シュウがまた肉離れた。医務室に運ぶんだ」

梓「ええっ!?またですかぁ!?」

【速報】横浜、敗戦

記者:好投手秋山を捉えたが

岡田:まぁどんな(好投手でも)そういう(打たれる)のはあるわな。
    スキを見せたときにああいう風に(逃さず捉えなければ)いかな(アカン)。

記者:中田に2本の本塁打を浴びて逆転を許したが

岡田:同じ(失敗を繰り返している)やんか。何度もやで。(攻め方を)変えなあかんわ。
    (打たれた)平野がなぁ…。(それまでは)アレ(良かった)やったけどな。

記者:秋山が5失点以上は初。カモにしていきたいか

岡田:そんなもんお前…(当たり前ではないか)。

~ナゴヤドーム~

律「てやあああ!」

 スカッ

 実況「田井中さんしーん!ゲームセット!岩瀬がピシャリ三人で九回を締めました!」

 実況「これで中日は阪神をスイープ!」

 実況「中日は三位に浮上!阪神はヤクルトと同率の四位に落ちてしまいました!」

 実況「いやーここのところ中日の勢いがとまりませんね!」

 高木「相手の主要打者を抑え、エースから小刻みに点を着実に取れています」

律「くっそーなんでだ…!?なんで全然打てねえんだ…!?」

 実況「特に田井中はこのカード、一本のヒットも打てませんでした」

律「くそぉ…」

山口「どっせええええええい!!」

 バシーーン!

 実況「山口九回を三者三振!横浜五連勝!ついに五位まで0.5ゲーム差まで縮まりました!」

梓「……」

藤田「あっずにゃーん!もっと喜んだらどう?」

梓「よっよろこぶにはまだ早いです!まだ最下位なんですから!」

稲田「口元ニヤけてるよ」

梓「にゃっ!?」バッ

早川「いいじゃんいいじゃん勝ったんだから!勝ったら素直に喜べよ!」ポイポーイ

梓「やああ!早川さんバットを投げるのはやめて下さい!」

早川みないなぁ

とらせん住民が大好きな、サンテレビのカッコイイED。

一昨日の倉敷の試合

http://www.youtube.com/watch?v=8O1a9oelT84

~数日後~

唯「うにゃーーう~~~い~~~~アイスー…」

憂「負けちゃったね…」

唯「うーん、それに全然打てなかった…」

憂「広島も負けたから首位はまだ巨人だけど…どんどんBクラスと差が詰まってきてるね」

唯「だって強いんだもーん、中日!打てないとこばっか投げられるし」

憂「え…?」

唯「やっぱ色々研究されてるのかなー、弱点バレてるみたい」

憂「…そう…」

~名古屋・某ホテルの一室~

善村「なるほど…」

和「これが今度の対戦相手、ヤクルトのデータです」

善村「ふむ…、いつも通り一人の打者に対して攻略法を何通りも…」

善村「さらに投手の配球もここまで予想するとは…」

和「ご満足いただけました?」

善村「ああ。助かっているよ。特に巨人、阪神のデータは特に充実していて助かったよ」

善村「なによりゴールデンルーキー、平沢、田井中、中野のデータには目を見張る」

善村「交流戦中に秋山に初黒星をつけられたのも、君のデータがあったからだ」

和「それでは…私はこれで」

善村「ああ。気をつけて帰ってくれ」

善村(真鍋和…恐ろしい女だ…!)
 と善村スコアラーは警戒を強めたという……


 ろっこーおろーしにぃーさーああーそおーとぉー♪

 ピッ

律「ふあい…田井中ですけど」

和「あら?どうしたの律。元気ないわね。もしかして今日打てなかったの?」

律「ううう…うーるせー!今日はたまたまなの!」

和「もう…荒れてるわね。そうだ。律、話聞いてあげましょうか?」

律「ふえ?」

和「西宮でしょ?私もたまたま仕事が関西であるのよ。会えない?」

律「まどかー!お前ってやつはー!」

 ろっこーおろーしにぃーさーああーそおーとぉー♪

 ピッ

律「ふあい…田井中ですけど」

和「あら?どうしたの律。元気ないわね。もしかして今日打てなかったの?」

律「ううう…うーるせー!今日はたまたまなの!」

和「もう…荒れてるわね。そうだ。律、話聞いてあげましょうか?」

律「ふえ?」

和「西宮でしょ?私もたまたま仕事が関西であるのよ。会えない?」

律「のどかー!お前ってやつはー!」

               .....::::::::::──:::::..........
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         | ::::::::::: |:::::::::::::::| :{_ヒri}゙     /行ミt/| :::|     < マドカァー! >
         | ::::::::;?Y:::::::::::::::!  ̄´       ヒrリ.》 j:::::|     /        \
         l :::::八-|:::::::::::::::|         '  ,,,,,, ,::::::|      ̄|/\/\/ ̄
         |::::::::::::`|:::::::::::::::|    {ニニニィ   ,::::::::|
         | ::::::::::: |:::::::::::::::|    ∨    }   ノ ::::::|
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/::::::::::::::::::}    | 丿           | i|  | i|   i }

>>629
ずっと『わ』で打ってたから、平仮名にした時、思いっきり間違えてしまったわ…

憂「さて、いよいよシーズンもクライマックス!」

憂「ここで現状を整理です!」

1 巨人
2 広島
3 中日
4ヤクルト
4 阪神
6 横浜

憂「三位から六位までが二ゲーム差の中にひしめく大接戦!」

憂「さらにいえば巨人、広島も落ちてきてるのでますます混戦模様です」

憂「上り調子なのは横浜、中日。どこまで上位に食い込めるんでしょうか?」

ちなみに。パリーグの様子。

○ソフトバンク
秋山監督「鈴木…長打力は認めるがもうちょっと率を…」

純「あ!カブレラだ!カブレラがいますよ監督!」

秋山監督「……」

○日ハム
澪「…北海道はカニうまいなぁ」

陽「ホタテもうまい」

鵜久森「カレーもいける」

澪「…ハッ、イカン!ウエストがァ!」

○楽天
星野「おい!次はスタメンで出え!いつまで代打で遊んどるつもりや!」

いちご「え、ヤダ」

○ロッテ
西村監督「うちも女の子取るべきかなぁ。今江、どう思う」

今江「もう唐川を女装させたらよくないすか」

憂「さぁ、中日がだんだんと広島との差をつめてきました」

憂「ここまでこのカード、すでに中日が二勝」

憂「勝てばスイープ。中日が二位浮上です」

 憂「――と言っても…」

紬「キャッ」

 パシイーン!

 実況「琴吹かわいく三振!広島ここまでチェンに手が出ません」

紬「ぁぅぅ…」

 実況「ここまで3-0。中日がうまく点をとってきました」

 憂「かなり厳しそうです…」

 憂(このまま浅尾さん、岩瀬さんにつながれたら、今の広島の打線じゃ勝ちめない)

 憂(ムギさんには悪いけど、ちょっと帰らせてもらおう9

 憂(それより私がすべきことは…)

~平沢家~

 唯「あ!うーいー!お帰りー!」

 憂「あれ?誰か来てるの?」

 唯「うふふー。和ちゃんが来てくれてるんだよー」

 憂「え…」

和「あら。憂ちゃんお帰り。お邪魔してるわよ」

憂「…いらっしゃい、和ちゃん」

唯「あ!プロ野球ニュースだよー」

 『ヤクルト・巨人戦は雨天中止。中日は広島を下し二位浮上です』

和「……」ニッ

憂「……」

~台所~

憂(…和ちゃん…)

憂(考え過ぎ…なのかな…)

憂「お待ちどうさまーお茶入っ…」

唯「でねーヨシノブさんがねー」

和「へえ。その話もっと聞きたいわ」

唯「おお!?和ちゃんが私の話に興味を持ってくれるとわ!!」

憂「!?」

唯「それでね…」

憂「お、お姉ちゃんダメェ!」

唯「ふぇ?なんで?」

憂「ほ、ほら…。あんまり人の話を広めちゃ駄目だよ…」

和「……」

和「ごめん唯。それじゃ私帰るね」

和「それと憂ちゃん。ちょっと来てくれるかしら?」

憂「は、はいっ…」

唯「ええーなにそれ怪しいー!」

 ~外~

和「気づいたみたいね?私の仕事」

憂「……はい」

和「言っとくけど、私は引け目は感じていないわよ?」

憂「え…」

和「私は単にデータを集める仕事をして、単にお友達として唯達とおしゃべりしてるだけ。この二つは関係ないわ」

憂「そんな…」

和「何か間違ってる?悔しかったら実力で見返せばいいのよ。そうじゃない?」

憂「……」

さすが中日

~東京ドーム~

憂「ついに来てしまいました、巨人・中日戦」

憂「両チームの差はわずか1」

憂「二つ落とせば並ばれ、スイープされたら首位を明け渡すことになります」

憂「……絶対に負けないで!お姉ちゃん!!」

~試合序盤~

唯「うう~~~~」

唯「ごはんはぁ……おかずっ!」ブン!

審判「ストライクアウト!」

 実況「平沢、吉見のストレートに三振!ここのところ平沢は中日戦でまったく打てていません」

 桑田「というより巨人の中心バッターはことごとく抑えおまれてますよ」

唯「あうー…?なんでぇー?」

~試合中盤~

井端「…」カキン

平沢「ひゃう!」バシッ
 
 実況「弾いてしまいました平沢!これでワンナウト一塁三塁!」

 桑田「右バッターは積極的にサードを狙ってますね」

 憂「お、お姉ちゃん…」

井端「…!」ダッ

 実況「おっと一塁井端盗塁!」

阿部「くそっ」

 桑田「あ、安易に送球しない方がいいですよ」

荒木「今だ!」ダダダッ
 
 実況「なんと!三塁荒木ホームに突入!」

審判「セーーーフ!」

 実況「これは痛い!ディレイドスチールで中日先制!」

 桑田「うーん簡単に引っかかってしまいましたね」

唯「わ、私のせいだ…私がきちんと捕れなかったから…」

 憂「じ、自分を責めないで!お姉ちゃん!」

 「もう決まりね。中日の勝ちだわ」

 憂「!?」

 和「隣、いいかしら?」

 憂「…和ちゃん…今の本気で言ったの…!?」

 和「じゃあここから巨人が盛り返す?ふふっ、それこそ冗談にもならないわね」

 憂「…できます!お姉ちゃんならできます!!」

 和「そう。それは結構なことね」

 ~九回裏~

長野「…!」キイン!

 実況「長野!うまくとらえてレフト前!巨人なんとかツーアウトからランナーを出しました!」

 桑田「でも次は3三振の平沢ですよ。原監督はどうしますかね」

唯「……!!私が打つ!!」

 実況「平沢がそのまま打席に向かいます!」

唯「私のミスは…私が返す!」

 実況「しかし平沢はここまで岩瀬には三打数3三振です」

 ビシッ バシッ

 実況「アッ!」

 桑田「という間にツーストライクですね」

唯(…なんで打てないんだろ…?)

唯(そうだ苦手な所ばっかり投げられるから…)

唯(……)

唯(なんで私、あそこが苦手なんだろ?)

唯(あ、そっか!)

唯(この打ち方のままだからだ!)

 ドヨッ…

 実況「なんと平沢、大きく左脚をあげて…これは一本足打法!?」

 実況「もちろん今まで平沢がこんな打ち方をしたという記録はありません!」

岩瀬はワンポイントやろ

>>686
そういうことか
しかしシーズン終盤に来て打席3つって少なく感じたがそんなもんか?

 憂「おねえちゃん凄い!自分で考えたんだ!」

 和「…こんなの馬鹿げてるわ。急造のフォームで打てるわけない」

 和(でも…)

 桑田「何かを起こしてくれる気配がありますよ」

岩瀬(相手がどうだとかは関係ない)

岩瀬(自分の投球をするだけだ)

 ビシュッ

 実況「岩瀬最後の一球!!」

>>689
そんな(中日対巨人すら数十試合なのに、その中で岩瀬が出るような試合展開になるのは数試合だろ。さらにその中で岩瀬と唯が対戦するのも限られてくる)もんやろ

~横浜スタジアム~

実況「打ったー!横浜、伏兵下園のサヨナラタイムリーー!!」

梓「やったあー!!」

律「……はぁ」

梓「あ、律先輩…」

律「悔しいよな、やっぱり」

梓「へ、へへ…どうもすみません、幸せで」

律「なんだよー!ムカつく!今日は私がお前からスリーベース打ったの忘れんなよな!」

梓「いいですよ…別に。チームが勝ったんですから」

律「……」

梓「な、なんですかぁ」

律「良かったな、梓」

梓「よ、よかっ…?!」

森本「ヘイヘーイ!あずにゃーーん!!」

村田「よっ、今日の勝ち投手!」

藤田「ネコミミつけて!ほらネコミミつけてヒロイン受けて!」

梓「にゃっ、にゃあああああ!?」

律「……」

律「良かったな、梓」

 げしっ

律「いたっ」

藤川「泣くな田井中。また明日からやり直しや」

律「べっ別に泣いてなんかねー!」

藤川「今年は死ぬ気でAクラス入って…来年は文句なしで優勝や」

律「……あたりめーだい!!」

ブサニキ、デコニキ最高や!

ジョニキ?あんなゴリラ知らん

ルーキーなのにタメ口でも何か許せちゃうな律

澪とバッテリー組んだら澪が覚醒しそうだな

 ~帰宅途中!~

憂「お姉ちゃんすごいよ!お姉ちゃん天才!」

唯「えへへーそんな恥ずかしいよーもっと言ってー」

憂「お姉ちゃん凄い!サヨナラ逆転ホームランなんて滅多に打てるもんじゃないよ!」

憂(そういえば球場でもみくちゃになってるうちにいなくなっちゃってたけど…和ちゃんはどこへいったんだろ?)

唯「あ!うーいー!ポストに何か入ってるよー!」

憂「あれ?ほんとだ」

憂「…。『平沢唯様へ』…和ちゃんから…!?」

甲子園から帰宅
まだスレあってよかったよ

憂「手紙と…書類が入ってる…?」

『平沢唯 憂 姉妹へ
 
 あなたたちには負けたわ。

 唯、あなたには高校時代から驚かされてばかり。
 
 憂ちゃんには、感心させられてばかり。

 私が調べてきたデータを、サヨナラのお祝いに送るわ。

 おめでとう、唯。 ありがとう、憂ちゃん。』

>>709
俺も昨日、甲子園行ったよ

今日のサンスポに俺が写ってた

>>711特定した

唯「うーいー?なにそれー?」

憂「あっ…和ちゃんが贈ってくれた…データだって。」

唯「むうーーー…」

唯「わかんない!」

憂「ガクッ」

唯「これは憂が持ってなよ。私はそんなこと考えてたら余計打てなくなっちゃうよー」

憂「あはは。そうかもね」

和は憂を呼び捨て
憂はムギを紬さんと呼ぶ

>>712
あんだけの観客で特定されるワケないで

>>718
お前以外は全員エキストラさんだから

>>716
んな細かいこと気にしてたらこの先SSなんて読めないで

 ~数日後・マツダスタジアム~

紬「あ、梓ちゃん…」

梓「今日の試合、勝った方が三位。負けたら四位ですね」

紬「そ、そうね」

梓「…負けませんから」

紬「…うちだって」

>>720
おいおい、俺を除く46830人の観客がエキストラやて

ベイスAクラス入りクル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!?

~試合中盤~

高崎「うっ!」

カキン!カキン! カキン!

 実況「高崎!突如乱れました!この回一挙四点!!」

梓「…監督」

尾花「なんだ?中野」

梓「投げます!投げさせてください!」

尾花「いいのか?負けてる場面だが…」

梓「これ以上点は与えられません!」

梓「私なら…私なら止められます!」

木塚「バカ言うな」

梓「!」

木塚「お前は俺が信じられないのか?」

梓「え…」

木塚「お前以外にもウチにはいいリリーバーがたくさんいる。」

木塚「そいつらと…そしてそれを育ててきた俺を」

梓「……」

木塚「中野、お前にはお前の投げる場所がある。今は他の投手を信じろ」

梓「……はい!!」

尾花(俺の影がうすい…)

江尻「でやぁ!」

牛田「うしっ!」

篠原「でぇい!」

梓「にゃああ!!」

 実況「横浜リリーフ陣!気合のピッチング!!火のつきかけた広島打線を8回まで0に封じこめました!!」

 実況「そして…出てくるのは当然この守護神!」

『ピッチャー、琴吹』

「「「「むぎゅうううううううううううううううう」」」」

梓「四点差…まだわからない…まだ分からない!」

 カキッ
 
 実況「石川セカンドフライ!」

 コキッ

 実況「稲田ショートゴロ!」

梓「まだ…」

スレッジ「すぅーはぁー」

スレッジ「ヨシッ」

スレッジ「タダ無心デ…来るタマを打つ」

 ビシュッ

 カキイーーーーーン!!

 実況「スレッジ!反撃の狼煙となるかー!ホーームラン!!三点差!」

村田「俺だってなぁ…プロとして…」

村田「クライマックスに出たくねえわけねえだろ!!」

 カァァーーン!!

中村「ここで打ったら年俸ぎょうさんアップやな!ゲヘヘヘヘヘ!!!」

中村(拾ってくれた恩…バットで返す!)

 カッキィィィーーーン 

 実況「さ、三者連続ホーーーームラーーーン!!!一点差ぁぁ!」

紬「……はぁ、はぁ…」

倉「琴吹…」

紬「倉さん…私…どうしたら…」

倉「琴吹」

倉「お前はいい球を投げてる。俺が保証する」

倉「お前が打たれたら、それは俺が悪い」

倉「俺を信じてくれるなら、俺のミットめがけて投げてくれ」

紬「倉さん…」

紬(このグラブ…永川さんから頂いたグラブ…)

紬(そう!ここに立ちたくても立てない選手はいっぱいいるんだわ!)

紬(胸を張って投げよう!)

ハーパー「……」ブンッ ブンッ

ハーパー(相手に気持ちが乗ってきている)

ハーパー(そういう時に気持ちが負けてはいけない)

ハーパー(父はワールドシリーズを制覇した…)

ハーパー(息子である俺はそれ以上のスピリッツを持っているはずだ!!)

紬よ広島ファンからの願いだ


今すぐそのグラブ捨てるんだ!間に合わなくなるぞ!

ハーパー「うおおッ!!」

 ブーーーン!!

「「「「ストライク、ワン!!」」」」」

紬「やああッ!」

 ズバーーーン!!

「「「「ストライク、ツー」」」」

梓「大丈夫大丈夫大丈夫…」

梓「勝てます…!いや、勝つんです!!」

梓「横浜ベイスターズは、ここから勝てるチームなんです!!!」


  

  
      カッ

ふわふわと、身体が宙に浮いているような感じでした。

目の前の光景も、私を取り囲む喧騒も、どこか遠い所の出来事のように感じられて…。

網膜に焼きついた五つの白い放物線だけが、目を閉じても浮かび上がってきます。

 五つ?

梓「あれ…?」

 31番が片手を突きあげて、ゆっくりとダイヤモンドをまわっています。

 そして私の前に立っているのは、42番の大男。さっきまで打席に立っていた人。

 電光掲示板には、誇らしげに『5』が光っています。


梓「逆転したんだ…」

広島\(^o^)/

 実況「ぎゃくてーーーーーーーーーーーん!!!」

 実況「スレッジ!村田!中村!ハーパー!そして吉村!」

 実況「横浜ベイスターズの誇る長距離砲が最高の場面でそろい踏み!」

 実況「そして!最後のこの場面で出てくるのは、この男しかいません!!」

 実況「横浜悲願のクライマックスシリーズ出場は、この男の双肩にかかっています!」

 実況「背番号11!山口俊!!」


山口「……」ドキドキドキドキドキ…

山口「……」ドキドキドキドキドキ

細山田「~~~~~」

山口「……」ドキドキドキドキドキ

渡辺「~~~~~、~~!」

山口「……」ドキドキドキドキドキ

渡辺「…ぃ!おい!おい山口!」

山口「は、ははははははい!」

渡辺「お前頭に何つけてんだ?」

山口「え……?」

 
梓「あ、あれは私の…」


山口「…ネコミミ?」


森本「さっきひそかにつけておいたのだ」

松本「ひちょりさん何やってるんすか」

山口「はあぁーーーもうー!」

山口「なんなんすかもう!なんなんすか!」

細山田「はっは…でもこれでリラックスできたんじゃないか?」

山口「い、いや~」

細山田「とにかくいつも通りやろう。それしかねーだろ」

山口「…ウスッ」

 バシィィィ!

審判「ワンナウト!」

 ドシィィィ!

審判「ツーアウッ!!」

山口「ふぅーーーっ」

 バシィィ!

審判「ストライク・ワン!」

 江尻・牛田・真田「「「ワン!!!」」」

 ピシィィィ!

審判「ストライク・ツー!!」

 梓・村田・吉村「「「ツー!!!」」」

  バシィィィン!!

審判「ストラックアウト!ゲームセット!!」


 「「「「「わあああああああああああああ」」」」」」

山口「よかった…よかった…」ボロボロ

梓「ちょっ、山口さん!なに泣いてるんですか!」

山口「なんだよ…中野…お前だって…」

梓「わ、私は泣きません!」

梓「涙は…日本一まで取っておきます!」

森本「お!いうねえ!」

村田「いやーそれはなかなか難…」

梓「難しくありません!出来ます!絶対出来ます!!」

梓(あれ…?)

梓「クスッ」

梓「私ったら…一年前と全然別のこと考えてる」

(律「良かったな、梓」)

梓(良かったよ。律先輩)

終わりです。時間的にも体力的にも、この先を書くのは難しいです。

ほんとは梓を中心にセパのCS,日シリも書こうかと思っていたのですが、

前も言った通り、書きため無しで思いつきで書いているので、思いのほか時間がかかってしまいました。

今までもいくつかSSを書いてきましたが、投下数が200近いのは最多かなーと思います。


ちなみに個人的には律・純スキーの阪神ファンです。

セパのCSと日本シリーズを書かなきゃ完結じゃねえだろ!!!!という声が多ければ、
また少し時間を置いて書こうかと思います。

「そらそうよ(琴吹を代えるべき)、あの場面(4者連続ホームラン打たれたとこ)は。これ逃したらまた(Bクラス)やろ。
見て(琴吹が疲れてるのは)わかるやん。そら(代えのピッチャーがいない事)分かるけどな。でも(変えないと)アカンと思うで。

そら(CS・日シリも書かないと完結じゃない)そうよ。
まあムリは(VIPにこだわらずSS速報で書くのもアリ)せんでな。

早川さん今なにしてはるん

>>889
今日もどこかでバット投げてる

橋本将は・・・?

>>891
星になった

セパに分かれてるからオールスターでも律澪バッテリーは無理か

>>898
つ WBC

アレ(続編はSS速報など別の場所で書いた方がいい)なんか?

こういうん(けいおん系)はアレ(今まで長く書いたことなくて短いの中心)やったから(変な感じだ)なぁ

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