小鷹「え?結婚しよう、だって?」 (111)
小鷹「ちょ、ちょっと待て、>>3。どうして突然そんなことを」
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天馬
安価は絶対……
ということで誰得?天馬編投下します
小鷹「ああ、幻聴か。理科あたりの妄言が耳に残っていたんだな」
天馬「幻聴ではないよ、小鷹君。」
小鷹「おっさん、目を覚ませ!あんた自分が何言ってんのか分かってんのか!」
天馬「案ずるな。しかと起きておる。この目を見たまえ」
小鷹「なんでそんなにキラキラした目してんだよ。どす黒く濁っていた方がまだマシだぜ……」
天馬「何を言っているのかも分かっているとも。この柏崎、こんな冗談は口にはせん!」
小鷹「頼むから冗談だと言ってくれ……まず、言いたいことはなあ、あんたは男で俺も男なの!分かりますか!?」
天馬「真の愛とは性別さえも超越するのだよ、小鷹君」
小鷹「真の愛の重要性については賛同しなくもないが、俺はノーマルなんだよ!」
天馬「なんと!私は君と一緒のベッドで寝た時から、もしかしたらそっちの気があるのかと思っていたが……」
小鷹「違えよ!紛らわしい言い方すんな。大体あれは俺にあてがわれたベッドに酔いつぶれたあんたが寝て、仕方なくだなあ」
天馬「まあ、あの頃の私はまだ君に確固とした恋愛感情は抱いていなかったのだが」
小鷹「どうしてこうなった……」
天馬「ふむ、では最初から話していくとしよう」
小鷹「話さなくていい!ノーマルがホモに変わる過程なんか聞きたくねえよ」
天馬「いや、カミングアウトするならば隼人のことも好きだった。つまり最初から両刀だったというわけだ」
小鷹「うおい!やめろ、やめてくれ!自分の親がそんな風に見られてたなんてどうリアクションすりゃいいんだよ」
小鷹「二つ目だ。大体あんた妻子持ちじゃねーか!」
天馬「むう、やはりそこが問題か。君が言うなら今すぐにでもこの離婚届けを出してこよう」
小鷹「そりゃ、奥さんも判子捺すぜ」
天馬「それとこれが婚姻届けだ。あとは君のサインが必要だ」
小鷹「なんで、用意してんだよ……それ以前に日本じゃ同姓結婚認められてないでしょうが」
天馬「甘いな、小鷹君。これはオランダのものだ。それ以外にも同姓結婚が認められている全ての国の婚姻届けがある。好きな国を選んでくれ」
小鷹「無駄に行動力あるな」
小鷹「それにここ、ミッションスクールだろ?理事長が自分の学園の教義否定してどうすんだよ」
天馬「その点については考えがある。もちろん、この愛の前には宗教など霞と消える」
天馬「だが君がどうしても結婚が嫌だと言うならパートナーシップ法に則った形でもいい」
小鷹「ほとんど変わんねえよ」
小鷹「ああ、頭ん中ぐちゃぐちゃだ。落ち着け、素数を数えるんだ。2、3、5、7、11、13 ……」
天馬「君が転校してきて、私はどんな人物なのだろうかととても興味がわいた」
小鷹「…71、73、79、83、89…」
天馬「いつか学園内で会うだろうと思い、楽しみにしていたのだが、ある日突然、星奈の口から君の名前が出てきて驚いた」
小鷹「…251、257、263、269、271…」
天馬「楽しそうに君のことを語る星奈を見ていて更に興味がわいたよ。それで君をうちに招待したんだ」
小鷹「 …587、593、599、601、607…」
天馬「初めて会った君は、期待を裏切らなかったよ。礼儀正しく、家族を大切にする、素晴らしい青年だった」
小鷹「… 881、883、887、907、911…」
天馬「それからというもの、いつの間にか私の目は君を追いかけていた。君のことを思うと胸がとても切ない気持ちになってね、ようやくそれが恋だと分かった」
小鷹「…1123、1129、1151、1153…」
天馬「そして、気づいたら君と星奈の婚約の誓約書を破り捨てていたよ」
小鷹「…1213、1217…ってちょっと待てぇ!婚約ってなんだ」
天馬「何って小鷹君と星奈の婚約の誓約書だよ。君たちは幼なじみで許嫁同士だったんだ。君たちが幼い頃に私と隼人で交わしたものだ」
小鷹「親父、なんでそんなことを」
天馬「卑怯だと罵ってくれても構わない。私は、父親失格だ。娘より自分の幸せを優先するなんて」
小鷹「とりあえず、許嫁の件は置いておきます。最後に一つ確認しておきたい。あなたは本気で俺のことを、その、好きで結婚したいと思っているんですね」
天馬「あぁ、私は君を愛している」
小鷹「分かりました。その本気さに敬意を払って、こちらも真剣に考えさせて頂きます」
天馬「よろしく頼む。時間はどれだけかけても構わない」
ー羽瀬川宅
小鷹「驚いたなんてもんじゃねえよ…聞こえなかったふりして逃げようと思ったけど、がっちり肩捕まれて2度も言われたら逃げられねえよ」
小鷹「最後はああ言って抜け出せたけど、返事をしなけりゃならなくなった」
小鷹「俺のいいところ色々挙げてくれて悪い気はしなかったけどなあ、なんで理事長なんだ」
小鷹「星奈はこのこと知ってるんだろうか。このことが隣人部に知れれば気まずいどころじゃない。」
小鷹「こんな奇抜な状況、ラノベや漫画でもねえよ。『私の幼なじみ兼許嫁がパパと結婚する。』……ねえよ、絶対売れない」
小鷹「まじめに断れば、理事長も分かってくれるはずだ。よし、明日断ろう。寝るか」
──────
────
──
天馬「小鷹君…」
小鷹「理事長…」
天馬「理事長なんてやめてくれ。君ならぺがさすと呼んでくれても構わない」
小鷹「それを言うならぺがさすだって君付けはやめてほしいな」
天馬「万事了解した。いくよ、こだか…」
小鷹「あぁ、来てくれ、ぺがさす」
天馬「こだかぁ…」
小鷹「ぺがさすぅ…」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
小鷹「うわああああああああー、はぁ、はぁ、夢か…」
小鷹「それにしても…なんなんだこの胸の高鳴りは!」
小鷹「そうか、俺こそ卑怯だったんだ。自分の心に嘘をついていた。もうやらなきゃいけないことは分かっている。今行くぜ、ぺがさす!」
ー柏崎邸
小鷹「どこにいる、ぺがさす!」
天馬「どうしたんだ、小鷹君。こんな朝早くに」
小鷹「昨日の返事をしに来た。」
天馬「そうか、YESでもNOでも甘んじて受け入れよう」
小鷹「何言ってんだ。俺の答えは最初から決まっていた。もちろん、YESだ。ぺがさす、結婚しよう」
天馬「ほ、本当かね。小鷹君。」
小鷹「あぁ、本当だ。あと、君付けはやめてくれ」
天馬「こんなにうれしいことは生まれて初めてだよ」
小鷹「俺もだ。この先、障害はたくさんあるだろうが、一緒に乗り越えていこう」
天馬「あぁ、君となら頑張れるよ」
……1年後
ー学園のチャペル
夜空「……」
星奈「……」
理科「……」
幸村「……」
小鳩「……」
マリア「……」
ケイト「……」
天馬「みんな、祝福してくれてありがとう」
小鷹「隣人部のみんな、俺は一足先にリア充になったぜ」
天馬「こだか、もうすぐ飛行機が出てしまうぞ」
小鷹「そうだな、行こうか。俺たちの新天地へ」
ー異国の地
天馬「とうとう初夜を迎えたな」
小鷹「やっとだよ。1年も待たせやがって」
天馬「私の童貞はあげられない代わりに処女はちゃんとした場で捧げたくてな、怒ってるか」
小鷹「怒ってないよ。それじゃいくぞ、ぺがさす」
天馬「あぁ、来てくれ。こだか」
小鷹「ぺがさすぅ…」
天馬「こだかぁ…」
アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
END
〜理科編〜
理科「あらあら、もう聞こえないふりはしないんですね」
小鷹「それやったらお前怒るだろ。約束したじゃねえか。友達を裏切ることはしねえよ」
理科「おぅふ、小鷹先輩って時々カッコいい台詞をさらっと言いますよね。理科、胸がキュンキュンしちゃいました」
小鷹「あぁ、そうかい。それじゃまた明日な」
理科「はい、さよなら。お気を付けて……って待てぇーい!」
小鷹「何だよ。もう下校時刻だぞ」
理科「ふふふ……小鷹先輩は、難聴スキルは捨ててもスルースキルは健在の様ですね」
小鷹「はいはい、それで何の話だったか?」
理科「新たに健忘スキルですか、まあそれは置いておきましょう。今、理科が、人生初のプロポーズをしたんですよ。何か思うところはないんですか?」
小鷹「プロポーズって……この前、星奈の件が片付いたばっかりだってのに」
理科「いやー、まさか、断るとは思いませんでしたよ。星奈先輩、大泣きだったですもんね。」
小鷹「やめてくれ。終わったこととはいえ、俺だってキツかったんだぞ、あれ」
理科「詳しく聞いてなかったんですけど、どうして断ったんですか?あんな優良物件、この先の人生で2度とないと思いますよ?」
小鷹「どうしても言わないとダメか?それ」
理科「理科には聞く権利あるんじゃないですか?」
小鷹「うっ…まあな。そんじゃ、まとめるとだな、確かに星奈は、性格の残念なところに目をつぶればあとは完璧すぎるほど完璧だ」
小鷹「俺はあいつとは釣り合わないと思ったのも事実だが、自分を卑下して断った訳じゃない。そんなの、あいつを侮辱することになるからな」
小鷹「あいつはまだ世界を知らなすぎるんだよ。あいつの一番身近にいた男が俺だっただけで、あいつの立場なら、これから先俺よりずっと立派な奴に会うだろう」
小鷹「その時、少しでも俺を選んだことを後悔して欲しくなかったんだ。だから、まあ、だいたい今言ったようなことを伝えた」
理科「え?なんかカッコいいこと言ってるように聞こえますけど、それってつまり、将来色んな人と出会ってそれでもまだ俺のことが好きだったらまた告白しに来いってことですよね」
小鷹「そうは言ってねえだろ!」
理科「理科には、そう聞こえましたよ。小鷹先輩はそう思ってなくても、星奈星奈はどうでしょうね。まさかあの涙もただの悲し涙じゃなかったんじゃ……」
小鷹「おいおい、マジかよ……」
理科「いくら星奈先輩の立ち直りが早いといっても、本気のプロポーズですからね。そう考えたら、次の日にけろっとしてたのも説明がつきます。諦めてない可能性が高いですね」
小鷹「後腐れないように、柔らかく断ったかと思っていたら、問題を先伸ばしにしていただけとは……」
理科「近い将来またプロポーズされるかも知れませんね。じゃあ、尚更、理科も今攻めないといけません。小鷹先輩、結婚しましょう!」
小鷹「何でそうなる。大体、この前友達宣言したばっかりじゃねえか!星奈もお前も段階すっ飛ばし過ぎなんだよ」
理科「そうですね。理科もセフレの段階を抜かしていました」
小鷹「健全な交友関係にセフレはねえよ。同性同士の場合、洒落になんねえ」
理科「え?そうなんですか?この本にはタケルとトモヤがただの顔見知りだった頃からセフレになりセフレから真の恋人に至るストーリーが、それはもう涙なしには見られないほどで……」
小鷹「その話はストップだ、とにかくそれは間違っている。やおい穴の件といいBL本の常識を現実の常識に重ねるのはやめろ」
理科「善処しますよ。でもBL本は理科の人生ですからそう簡単にはいかないんです」
小鷹「というわけで、お前の結婚ももっとしっかり考えてからにしろ」
理科「でもでも小鷹先輩の話じゃ、ちゃんと段階を踏めば、結婚してくれるってことですよね?」
小鷹「ん?ああ、まあ、そういうことにはなるが」
理科「それなら、いいじゃないですか。まずは恋人ですね。」
小鷹「はあ、ただでさえ今の隣人部は星奈の件で、少し雰囲気が停滞してんだ。友達じゃダメなのか?」
理科「小鷹先輩は、理科とキスとかセックスとかしたくないんですか?」
小鷹「お前の容姿に対してそう言う奴がいたら、そいつはホモだぜ、きっと」
理科「…………」
小鷹「……おい、何で本気で照れてんだ。お前も女なんだからそういうきわどい言葉をほいほい言うのはやめとけ」
理科「つまり、先輩は理科と熱い夜を過ごしてもいいと」
小鷹「…………」
理科「きゃー、照れちゃうー。墓穴を掘っちゃいましたね。先輩♪」
小鷹「公言してないからノーカンだ」
理科「私と小鷹先輩だけ分かってりゃいいんですよ。よし、今日はこれで満足しました。それじゃまた明日会いましょう。せ・ん・ぱ・い♪」
ー学園校門前
小鷹「くそ、勝ち逃げされた気分だぜ。あーあ、口に出す言葉にはもっと注意しないとな」
理科「そうですね。さっきは理科の装着した人の気持ちを読み取って音声にする『脳内トーカー』の活躍のチャンスだったのですが」
小鷹「なんだ、その恐ろしい発明品は…って何でここにいるんだよ!」
理科「いやいや、ちょっとそこのコンビニにお弁当を買いに行こうと思いまして」
小鷹「そういや、お前学校に寝泊まりしてるんだったな。自分で作ったりはしないのか?」
理科「合宿の時に知ってるでしょう?料理は苦手なんですよ。食べるものは大体コンビニ弁当です。まあ、お金はあるんで食費は気にしませんが。あとちゃんと、栄養にも気をつけてますよ?」
小鷹「それでも、コンビニ弁当は添加物とかヤバイんだよ。あー、なんだか見逃せねえな。理科、今日どうしてもやらなきゃいけない仕事とかあるのか?」
理科「んーと、ありませんよ。どうしたんですか?理科をディナーに招待してくれたりしちゃうんですか?」
小鷹「あぁ、うちに来い。ディナーって言うほどのもんじゃねえが本物の家庭料理食わせてやる」
理科「本当ですか!?気になるあの娘の手料理イベント。ギャルゲーだったら、中盤に差し掛かってますね」
小鷹「それなら、男女逆じゃねえか?」
理科「小鷹先輩の手料理、楽しみだなあ」
小鷹「そうと決まれば着いてこい。食材買って帰るぞ」
理科「了解しました!」
投下します
ー食料品店
理科「へえー、一杯ありますね。実りの秋というものですね」
小鷹「そうだな、それじゃお前が普段弁当じゃ食べられないようなものにするか。好き嫌いあるか?」
理科「ありませんよ。ただこの前の闇鍋みたいなゲテモのはやめてください」
小鷹「あんなの料理ですらねえよ……ん、この秋刀魚なんかどうだ」
理科「いいですね。秋って感じがします」
小鷹「それじゃ、あとは付け合わせにこれとこれと……」
理科「小鷹先輩、これ食べたいです」
小鷹「ん、きのこか。いいな、今じゃ一年通して食べられるがやっぱり秋が旬だよな」
理科「ちっ、ノーリアクションですか。主夫モードだと反応悪いですね」
小鷹「お前なあ、俺が学校で言ったこと覚えてるか?恥じらいをちょっとは持てよ」
理科「先輩、マムシドリンクとコンドームのストックはまだ家にありましたっけ?」
小鷹「元からねえよ!誤解されるようなこと言ってんじゃねえ!」
クスクス クスクス
小鷹「くっそ、めっちゃ見られてんじゃねえか。恥ずかしいな」
理科「大声出したのは小鷹先輩じゃないですかー」
小鷹「ああもう、さっさと会計済ませて帰るぞ」
理科「はいはーい」
ー帰り道
理科「小鷹先輩、何か今の理科たちって新婚さんっぽく見えませんか?」
小鷹「見えないな」
理科「くっ、即答ですか。さっきのスーパーの主婦の方たちにはそう見えたかも知れませんよ?どうしてですか?こんなにかわいいJKと一緒に買い物帰りなんですよ?」
小鷹「JKだからだ。しかも白衣つき」
理科「小鷹先輩が連れ出したんじゃないですか。だけど、どうしてもって言うなら脱ぎますよ。1枚と言わず2枚3枚」
小鷹「どうしても」
理科「へ?せ、先輩がそんな性癖を持っていたとは……どうしましょう。理科、初めてが外でだなんて」
小鷹「冗談だよ。どうして妄想がそう1歩先を行くんだ」
理科「本気でもいいんですよ?既成事実作って他のみんなよりリードしちゃいましょう」
小鷹「ん?結構、時間くっちゃったな、小鳩が怒ってるかもしれない」
理科「おっとー、今のスルーは効きましたよ。でも、小鳩ちゃんが待ってるのは確かですね」
小鷹「そういや、お前がうちに来るのって初めてだっけか?」
理科「そうですよ。いやー胸が高鳴りますねー♪家に染み付いた小鷹先輩の匂いをクンカクンカスーハーしたいです」
小鷹「そんなこと言ってっと入れてやんねーぞ」
理科「わかりました。これから理科は、先輩の従順な牝狗になります」
小鷹「ならんでよろしい」
ー羽瀬川宅
小鷹「ただいまー」
理科「お邪魔しまーす」
小鳩「あんちゃん遅いわー!どこ行っとったんじゃー!」
小鷹「悪いな、ちょっとスーパー寄ってきたんだ」
理科「小鳩ちゃん、こんばんは」
小鳩「ふぇ?なんで理科がおるん?はっ、……ククク……我が本拠地に参上するとは何事だ?我が眷属よ」
理科「今日は小鷹先輩に晩御飯をご馳走になりに来ましたー♪」
小鳩「あんちゃん!?」
小鷹「まあ、たまにはいいだろ?こいつの食生活が不摂生すぎて見てられなかったんだよ」
小鳩「むむむ……仕方がない。この高貴なる夜の帝王がそなたを今宵の晩餐に招待するとしよう」
小鷹「お前が作る訳でもないのに…」
理科「ありがとうございます。小鳩ちゃん」
小鷹「そんじゃ、上がってくれ」
理科「はーい」
小鷹「それでは、作るとしますか」
理科「理科も手伝います」
小鷹「何言ってんだ。お前は客だろ?」
理科「理科も、女子力上げていかないと小鷹先輩の好感度上げられませんからね。」
小鷹「はいはい、何にせよ女子力上げるのはいいことだ。手洗い、うがいはきちんと済ませたか?」
理科「バッチリです。ってか今の台詞だけでも先輩の主夫レベルの高さが窺えますね」
小鷹「そりゃ、母親いなくて妹と二人暮らしだったら嫌でも家事は上達するさ」
小鷹「理科、このキャベツ千切りにしてくれ」
理科「了解です」タンタンタンタン
小鷹「おっ、なかなかセンスはいいじゃねえか。だけどな、これはもっと細かくこうするんだ」ダダダダダ
理科「おおっ、見事な包丁捌きですね」
小鷹「速さは続けているうちに身につくさ。はい、交代だ。手、切らないようにな」
理科「はい、痛っ」タンタンタンタンガッ
小鷹「言ってるそばからかよ。大丈夫か?見せてみろ」
理科「はい、どーぞ。ペロペロしちゃっても構いませんよ?」
小鷹「誰がするか」
理科「昔からラブコメ漫画じゃよくあることじゃないですか」
小鷹「それも男女逆じゃねえか?」
理科「細かいことはいいんですよ。埒が明かないですね。えいっ」
小鷹「ふがっ、ふぉ、ふぉまへ、ゆひふっほんへんひゃへえ」
理科「あ、んん、あんっ。理科のお味はどうですか?」
小鷹「変な声出すな。血の味しかしねえよ」
理科「ちなみに、傷口をなめるってのは結構非衛生的なことなので、ホントはすぐに消毒した方がいいです」
小鷹「だったら、させんじゃねえ!」
理科「救急箱ありませんか?」
小鷹「持ってくる。待ってろ」
小鷹「これでよし、と」
理科「ありがとうございました」
小鷹「あとは大丈夫だからリビングで小鳩とゲームでもしててくれ」
理科「クロネクですか?分かりました。一緒に遊んできます」
小鷹「おーい、出来たぞー」
理科「はーい」
小鳩「…ククク……待ちくたびれたぞ。我が眷属よ」
小鷹「栗五目おこわと秋刀魚の塩焼き、きのこのトウチ炒めとあとはサラダだ。秋の食材で統一して料理は定番なものにしてみた」
理科「すごくおいしそうですね」
小鷹「そいじゃ、座ってくれ」
小鳩 小鷹 理科「いただきまーす」
理科「今日は、ごちそうさまでした。とてもおいしかったです」
小鷹「それは良かった。また今度食べに来いよ」
理科「はい、ぜひ。それじゃ、理科はもう帰りますね」
小鷹「ん、そうか。皿洗い手伝ってくれてありがとな」
理科「それぐらい当然ですよ。それでは、おやすみなさい、先輩」ペコッ
小鷹「ああ、また明日な」
理科「…………」テクテク
小鷹「…………なあ、理科!お前もしかして、今から学校に帰るのか」
理科「そうですけど、何か?」
小鷹「理科室か?どうしてだ?」
理科「今日は元々家に帰る気はありませんでしたし、理科室に泊まり込みなんてしょっちゅうですよ」
小鷹「いや、その、寂しかったりしないのかな、なんて」
理科「もう、慣れちゃいましたよ」
小鷹「でも……うーん、よし。理科、今日はもう暗いしうちに泊まっていったらどうだ?」
理科「キターーー!!!。お泊まりイベントktkr。え?ホントにいいんですか?理科本気にしちゃいますよ?」
小鷹「はあ、お前の残念な発言で俺の気が変わらない内に承諾しとけ」
理科「YES!YES!泊まる泊まりたい泊まりますです!」
小鷹「テンション上がりすぎだろ……」
理科「そりゃ、テンション上がりますよ。友達の家にお泊まりですもんね」
小鷹「そうだな、俺も友達を泊めるのは初めてだな」
理科「ふっふーん♪先輩の初めて一個もらっちゃいましたね」
小鷹「だから、誤解をまねく言い方は……まあいい、ほら、早く家ん中入れ。風邪ひくぞ」
理科「おっとまーり、おっとまーりー♪」
投下します
小鷹「そうだ。風呂入れよ」
理科「お風呂とか久しく浸かっていませんね。ずっと学校のシャワーでした」
小鷹「それは女の子にしちゃ辛そうだな」
理科「もしかして、今まで理科汗臭かったですか?もしそうだったらどうしよう……」
小鷹「安心しろ。そんなことはない。むしろ、いい匂いが…ゲフンゲフン、いや、何でもない」
理科「あれあれー?聞こえなかったんで、もう一回言ってもらえますか?」
小鷹「うるさい、何も言ってない。それはそうと、着替えはどうする?」
理科「そりゃ、ありませんよ。元々コンビニ行くつもりだったんですよ?普段から下着持ち歩いてたら変態じゃないですか」
小鷹「その発言はお前が変態じゃないって言ってるように聞こえるんだが」
理科「大丈夫ですよ。今理科のポケットに小鷹先輩のパンツ入ってますから」
小鷹「うおい!いつ盗った!?」
理科「理科を家に上げるなら、隙見せちゃいけませんよ」
小鷹「まったく……で?着替えどうする?さすがに小鳩のは入らんだろ」
理科「それじゃ、コンビニに買いに行きますかね。下着ぐらい売ってるでしょう」
小鷹「それしかないか」
理科「小鷹先輩、今夜の下着可愛くなくてごめんなさい」
小鷹「何でそんなこと謝ってんだよ。俺が見ることは一生ねえよ」
理科「何言ってるんですか。結婚したら毎晩見せてあげますよ」
小鷹「そんじゃ、行くか」
理科「ナイススルーですね。一緒に来てくれるんですか?」
小鷹「もう、外は真っ暗だ。お前一人じゃ危ないだろ?」
理科「いやんもー、男らしいですね。だけど、理科この辺で先輩より顔が恐い人見たことありませんよ」
小鷹「置いてくぞこら」
ーコンビニ
小鷹「コンビニは高いからあんまり買い物したくないんだけどな」
理科「理科、お金はあるんでそんなの気にしたことなかったんですけどね」
小鷹「羨ましいぜ、ホント。小鳩にデザートでも買ってってやるか」
理科「下着はありましたね」
小鷹「他になんか必要なものあるか?」
理科「先輩、マムシドリンクとコンドームのストックはまだ家にありましたっけ?」
小鷹「元からねえよ!つーか、このやりとり二度目だろ!」
小鷹「ん、理科、俺たちもアイスでも買っていくか?」
理科「いいですね。どれにしましょう」
小鷹「俺はガリガリレオ君でいいや」
理科「私は……このホームランバーにするか、バナナバーにするか……ううむ、迷いどころですね」
小鷹「やめろ、お前の分はなしだ。行くぞ」
理科「そんなー、ひどいですよ」
アリガトウゴザイマシター
理科「しくしく、理科のアイスが……」
小鷹「…はぁ、ほらよ」
理科「え?これ、パピ子ですか?」
小鷹「半分だけどな」
理科「ふふっ、ありがとうございます♪」
小鷹(くそっ、かわいいな)
理科「なんかいいですね。こういうの」
小鷹「……ああ、そうだな」
ー羽瀬川宅
小鷹「小鳩はもう風呂入ってたな。次、理科入っていいぞ」
理科「小鷹先輩が先でいいですよ」
小鷹「遠慮すんな。お前が先でいいよ」
理科「いやいや、先輩が先でいいですよ」
小鷹「……お前、なんか焦ってないか?」
理科「ギクッ、な、何でもないですよ。先輩がお風呂入ってるところに侵入しようとしてる訳ないじゃないですか」
小鷹「……お前が先に入れ」
理科「くっ、ぬかったか。先輩、覗いてもいいですよ?」
小鷹「普通、覗くな、だろうが」
理科「せんぱーい、上がりましたよ。久しぶりにゆっくり浸かってすっきりしました」
小鷹「それはよかった」
理科「覗きませんでしたね」
小鷹「ケイトの時の二の舞にはなんねえように気をつけてたさ」
理科「ケイトってマリア先生のお姉さんですか?いつ、そんなことがあったんですか?っていうか、そんなラッキースケベやっちゃったんですか!?」
小鷹「落ち着け、一瞬だった。ホントに」
理科「ケイト先生の裸、どうでしたか?」
小鷹「すげーきれいで、ナイスバディだった」
理科「むかー、ばっちり覚えてるんじゃないですか!」
小鷹「はっ、しまった。つい、本音が」
理科「けっ、どうせ理科の身体は貧相ですよーだ」
小鷹「心配すんな。お前は日本人平均だ」
理科「そうですよ。だいたい周りにチート級が多すぎるんですよ」
小鷹「それじゃ、俺は風呂入ってくるから、テレビでも見ててくれ」
理科「わかりました、ごゆっくり」
理科「……………」
てすと
ブラウザが上手く動かないんだ連投してたらごめん
ー風呂
小鷹「ふぅー、今日も疲れた。理科と話してるとツッコミが多すぎてのどが痛い」
小鷹「……まぁ、退屈はしないんだけどな」
ガチャガチャ
小鷹「ん?誰だ?」
ガチャガチャ
小鷹「理科か?ふっ、残念だったな。さっきのお前の発言で警戒を怠る俺じゃないぜ。しっかりと鍵はかけさせてもらってる」
ガチャ
理科「鍵って何ですか?こんな10秒もかからない家庭内用のものなんて理科には鍵って呼べませんよ」
小鷹「うわああああー!!何で入ってきてんだ!」
理科「そりゃもう、小鷹先輩と一緒に入ろうと思って」
小鷹「さっき上がったばっかりだろ!」
理科「いいじゃないですか。ほら、タオルも巻いてますし。あ、巻いてない方がよかったですか?」
小鷹「そういう問題じゃねえよ!」
理科「背中流しましょうか?一宿一飯の恩がありますし」
小鷹「もういい!俺は上がる」ザバッ
ガチャガチャ
小鷹「あれ?」
ガチャガチャ
理科「ああ、一定時間の間、外から鍵を固定するように細工しました。キッチンタイマーとか使って」
小鷹「うおいぃぃぃ!!何てことしてくれてんだ」
理科「まあまあ、ゆっくりお風呂入りましょうよ」
小鷹「おいおい、やめてくれよ。マジで……」
小鷹「どうしてこうなった……」
理科「小鷹先輩、かゆいところとかありませんか?」ワシャワシャ
小鷹「ねーよ、ありがとさん」
理科「それにしても、先輩、鋼の理性ですね。襲われるのも想定してたんですけど」ワシャワシャ
小鷹「シャレになんねえよ」
理科「まあ、あれだけ美人揃いの隣人部にいて、誰にも手を出さないってだけで証明されてますからね」
小鷹「…………」
理科「まさか先輩、ホモじゃありませんよね」
小鷹「そっちの気は断じてない」
理科「それとも機能不全とか」
小鷹「やめてくれ、背筋が寒くなるだろ」
理科「先輩の背中ってやっぱり男って感じがしますよね、ヘタレのくせに」
小鷹「ヘタレで悪かったな」
理科「…………」
小鷹「……ん?どうした?」
理科「ちゅ〜〜〜」
小鷹「うわああああー!!何しやがる!?」
理科「えへへ、ちょっとマーキングさせていただきました」
小鷹「マーキングってキスマークだろ、どうすんだよ、痕残ってるぞ」
理科「大丈夫ですよ。制服の襟で隠れるところですから」
小鷹「そういう問題じゃなくてだな……ってお前、顔真っ赤じゃねえか」
理科「ふぇ!?なんでわかるんですか?前向いてるのに」
小鷹「鏡」
理科「はうっ、気づかなかった……」
小鷹「ったく、恥ずかしがるなら何でやるんだ」
理科「り、理科、先に上がってますね。せ、先輩はごゆっくり」ガチャ
小鷹「おい、鍵開くのかよ」
小鷹「……はぁ、危なかった……」
今日はここまでです
おかしいな筆が進まない
あれだ、敏感主人公と敏感ヒロインは書きにくい
投下します
ー居間
小鷹「おーい、あがったぞ…って……」
理科「スー…スー…」
小鷹「寝てるし。何でこんなところで」
理科(説明しよう!こうして寝たふりをして無防備な姿をさらすことで、先輩の獣な面を引き出そうという作戦である!)
小鷹「ん、そういえば寝る部屋とか指示してなかったな。ひとつ空いた部屋があるから、そこで寝てもらうか」
理科(ちょっと!?そこは俺の部屋にお持ち帰りだぜキリッコースでしょ!?)
小鷹「おい、理科、起きろ。こんなところで寝たら風邪引くぞ」
理科「スー…スー…」
小鷹「起きろ、こら」
理科(ばれてないよね……?)
小鷹「……熟睡してんな、こりゃ」
理科(よっしゃー!ちょろいぜ!)
小鷹「……仕方ないな、よっこらせっと」
理科(ふぇ!?え?何?身体浮いてる!?もしかしてもしかして、これはリア充カップルが奥義、お姫さまだっこというやつですか!?)
小鷹「ん、やっぱり小鳩よか重いな」
理科(むかーっ!女の子に重いとかゆーな!っていうか、手慣れてると思ったら小鳩ちゃんですか。あー初めてもらい損ねた)
理科(だけど、小鳩ちゃんならノーカンだよね)
小鷹「よっこらせ」
理科(ルパンダイブ来いっ)
小鷹「毛布を被せてと、これでいいか」
理科(ですよね〜)
小鷹「…………」
理科(…………?)
小鷹「……髪綺麗だな、こいつ」ファサ
理科(ヤバイヤバイにやけてしまいそう。髪撫でられてる)
小鷹「それじゃ、おやすみ」バタン
理科「……意気地無し…」
ガチャ キー パタン
理科「ふっふっふ、先輩、甘いんですよ」コゴエ
理科「女の子を家にほいほい上げといて、襲われないとでも思ってたんですか?」ヌキアシ
理科「先輩がしないなら理科がルパンダイブしちゃいます」ソロソロ
小鷹「スー…スー…」
理科「……いや、待つんだ。理科、考えろ」
理科「仮に襲ったとして、先輩のヘタレ具合と鋼の理性を考慮すれば、そのまま行為に突入する確率は高く見積もっても五割以下」
理科「もしも失敗したら、この家に出禁食らうどころか、学校でもまともに話せなくなる」
理科「やっぱりそれはなあ……」
小鷹「スー…スー…」
理科「……はあ、理科もヘタレってことですかね」
理科「でも、これくらいならいいですよね」ゴソゴソ
理科「わあ、あったかーい」モゾモゾ
小鷹「スー…スー…」
理科「……どうしてこんな、そんなにかっこよくもない、コミュ障ヘタレなんか好きになっちゃったんだろ」
理科「理科のこと助けたり、いつも自分よりみんなのこと考えてたり、優しすぎんだよ、惚れちゃうだろバーカ」ギュー
理科「おやすみなさい、小鷹先輩」
チュンチュン チュンチュン
小鷹「ふぁ〜、朝か。朝食作らないとな」
小鷹「ん?布団がなんか盛り上がってるし、下半身に違和感が……」ガバッ
理科「スー…スー…」
小鷹「をい」
理科「スー…スー…」
小鷹「しかも、こいつの格好……」
理科「スー…スー…」
小鷹「俺のYシャツ着てんじゃねえか!」
理科「むにゃ、おはようございまひゅ、小鷹先輩」
小鷹「ああ、おはよう…ってそういうことじゃなくてだなあ!なんで俺のワイシャツ着てんだ?」
理科「そりゃ女の子が男の子の家に泊まるっていったら裸ワイシャツでしょ?」
小鷹「さも常識であるように言うな」
理科「でも、流石に晩秋に裸はきつかったので、ワイシャツの下にも着てますが」
小鷹「そりゃ良かった。だけど良くねえ。それ、しわくちゃじゃねえか」
理科「アイロンくらい理科がかけておきますよ。こうやって少しずつ理科の良妻ぶりをアピールです。ふふん♪」
小鷹「うっ……くそっ、ホントに理科か?こいつ(かわいすぎんだろっ)」
理科「ひどぉい、なんて言いぐさですか」
小鷹「ほら、朝ごはんだ。お前いつも食べてなかったんだよな」
理科「はい、理科、遅刻の心配はする必要がないんでいつも遅く起きて昼食と一緒にしてました。ブランチってやつですよ」
小鷹「そういう食事の仕方はいつかガタが来るぞ」
理科「小鷹先輩がいつも朝ごはんつくってくれたらいいのになー」
小鷹「……それは、難しいな」
理科「……やだなあ、あはは、冗談ですよ、冗談」
小鷹(…………)
ー登校中
小鷹(やべえ、制服からめちゃくちゃ理科の匂いがする)
小鷹(女の子ってこんないい匂いすんのか、これは意識したらマジでやばい。一日中この状態が続くのか?)
理科「どうですか?小鷹先輩」
小鷹「ぅひぇ!?ど、どうって何がだ?」
理科「なに奇声あげてるんですか?女の子と一緒に登校してるじゃないですか。これは本来、幼馴染みポジの固有スキルなんですけどね」
小鷹「ん、あ、ああ、そういうことか。いいのか?俺といるとまた変な噂がたつぞ」
理科「今さらですよ。そんなやつらには言わせておけばいいんです」
小鷹「友達できなくなるぞ?」
理科「中身も知らないで小鷹先輩の悪口言うような人とは友達になんてなりたくありませんよ」
小鷹「そっか、ありがとな、理科」ナデナデ
理科「ひゃっ、小鷹先輩、急に頭撫でるのは卑怯ですっ」
小鷹「ん、悪かった」
理科「───っ、ちょっと、まだやめないでくださいよ」アセアセ
小鷹「はいはい」ナデナデ
理科「うへへ、小鳩ちゃんとマリア先生はいつもこれをしてもらってるんですか。確かにこれはやばいですね。うへへ」
小鷹「気持ち悪い笑い方すんなよ……」ナデナデ
理科「小鷹先輩の主人公スキルのひとつですね。なるほどこれには確かにある種の魔力が感じられます。うへへ」デレデレ
今日はここまでです。短くてすみません
お泊まり編終了です。
修羅場は……いらないよねっ
次はデートかな…?
やりたくないんだったら鬼畜エロホモ安価無効って言えばいい
>>93
人物安価なだけで行動安価じゃないですし
>>94
一番最初の人物指定でいきなりホモルートだった件
修羅場期待する人も多いんですね正直意外でした
私は別段理科にこだわりはないので出来るだけ皆さんの要望に応えようと思っているのですが
修羅場をぶちこむと下手したら理科SSでなくなってしまう恐れが…(単に私の力量不足なんですが)
まあ、(匂いとかいう)予防線も張っておいたので拙いながらも(←これも予防線)修羅場を少しだけ書かせていただきます
>>95
お、終わったことですし(ゲッソリ)
ー2年5組
小鷹「はあ、やっと昼休みか。今日は理科の分も弁当作ってきたし、届けに行くかな」
夜空「おい、小鷹」
小鷹「なんだ?夜空」
夜空「お前、今日は香水でもつけてるのか?」
小鷹「は?つけてないけど」
夜空「いや、なんかいつもの小鷹らしからぬ甘い匂いがしてな」
小鷹(やっべ、理科の匂いがすんの忘れてた)タラタラ
小鷹「へ、へー。洗剤変えたからかなー。って、俺のいつもの匂いってどんなだよっ」
夜空「そ、それはなんというか別に汗臭いとかそういうことを言ってるんじゃなくて、別にいつも匂いを嗅いでいるとかそんなことはなくて……」アセアセ
小鷹「つまりどういうことだよ……」
幸村「あにき、本日のひるげでございます」
小鷹「ん、幸村か。いつもありがとうな」
幸村「いえ、これがしゃていのつとめゆえ。それはさておき、あにき、きょうはなにやらいつもとちがう香をたいているようですが」
小鷹(こいつも気づきやがった。女って匂いに敏感過ぎんだろ)ダラダラ
小鷹「香は焚いてねえよ。気のせいじゃないか?」
夜空「幸村もそう思うか。ふむ、この匂いはどこかで嗅いだことがあるように思えるのだが」
幸村「わたしもどういけんです、夜空のあねご。わりとみぢかにあったような……」
小鷹(ヤバイヤバイ。このままじゃばれて面倒なことになる)
小鷹「お、俺今日は部室で飯食べるな、それじゃ」ガタッ
夜空「おい、待て小鷹」
幸村「またほうかごお会いしましょう、あにき」
小鷹「ふぅー、危なかった。まずは理科室に届けに行くか」
ー理科室
小鷹「おーい、理科いるかー?」コンコン
理科「いますよ、どうしたんですか?小鷹先輩」
小鷹「ほい、弁当だ。どうせなかっただろ?」
理科「わぁ、ありがとうございます」
小鷹「一応、今回はこれまでな」
理科「充分ですよ。朝昼晩、先輩のフルコースいただいちゃいましたから」
小鷹「お前がそういう言い方するとちょっと違和感がするのは、俺がおかしくなってるのか?まあいい、それじゃな」
理科「ちょっと待ってください、小鷹先輩。どこ行くんですか?」
小鷹「部室で飯食うんだ。マリアの分もあるし、いろいろあって教室には居づらくてな」
理科「それじゃ、理科も行っていいですか?一緒にお昼ごはん食べましょ」
小鷹(夜空と幸村に会うことはないだろうし、まあいいか)
小鷹「おう、いいぜ」
理科「やった、じゃあ行きましょう」
小鷹「それと理科、お前が昨日うちに泊まったことだけど……」
理科「内緒にしておけばいいんですよね?もしバレたらみんな先輩の家に押しかけちゃいますし、理科もいろいろと追及されますからね」
小鷹「悪いな」
理科「いいんですよ、だけど、また泊めてくれますか?」
小鷹「うっ、お前なんつー取引しやがる」
理科「社会人の処世術ですよ。それで、いいんですか?」
小鷹「はぁ、わかったよ。今度は手加減してくれよ?」
理科「善処しますよ、ふふん♪」
ー部室
小鷹「マリアいるかー?」ガチャ
マリア「あ!お兄ちゃんだ!お兄ちゃんが来たぞーあははーーー!」
小鷹「よぉ、マリア、今日の弁当だ」
マリア「やたーっ、今日のおかずはなんだろなー」
星奈「あら、小鷹じゃない」
小鷹「お、星奈もいたのか。珍しいな、昼休みに部室にいるなんて」
星奈「昨日中に終わらせられなかったルートがあってね。どうしても続きが気になったから、昼休み使ってやってたわけ」
小鷹「またゲームかよ……」
星奈「いいじゃない。小鷹はどうしたの?お弁当?」
小鷹「今日はここで食べようと思ってたんだけど、星奈はもう食べたのか?」
星奈「まだよ、氷川さんがつくってくれたサンドイッチがあったんだけど…どうせなら一緒に食べましょうか」
小鷹「そうだな、みんなで食べた方がおいしいし、何より昼飯食ってる隣でエロゲーのボイスなんか聞きたくねえ」
星奈「あら?マリアと理科のお弁当、おかず一緒じゃない?」
理科「だって、小鷹先輩がつくってくれたんですもん」
星奈「どういうこと?小鷹」ジト
小鷹「こ、これはこいつがいつも添加物まみれのコンビニ弁当食ってるって言うから…マリアの弁当だって元々そういうのが理由でつくり始めたんだし」アセアセ
マリア「お兄ちゃんのお弁当はおいしいからなー」
星奈「じゃ、じゃあ、私にも……」
理科「星奈先輩のお弁当は、お金持ちだけあって健康に良い上質な食材使ってそうですねー」ニッコリ
星奈「むー」
パクパク モグモグ
マリア「お兄ちゃん、今日はなんだかいい匂いするなー」
小鷹(マリアも気づきやがった!?)
小鷹「ふ、ふーん。そうか?」ダラダラ
星奈「確かにいつもとちょっと違う匂いね。これ女ものの香水?」
小鷹(だからなんでわかるんだよ!そりゃ、近くに寄られた時、お前らの匂いがすることはあったけど覚えてないぞ)
小鷹「香水なんてつけてねーよ。洗剤とかじゃねえのか?」ダラダラ
ガチャ
夜空「こ、小鷹、私も一緒にお昼ごはんを…って、なんでこんなに揃っている!?」
小鷹「あー……これはマリア以外は偶然だ」
星奈「夜空も一緒にご飯食べようとしてたの?」
夜空「くっ、肉までいるのか……」
幸村「あにき、わたくしも昼食のおともをさせていただいてよろしいでしょうか」
小鷹「幸村も来たのか、いいぞ。これで中等部の小鳩以外は全員いるな」
マリア「にぎやかでいいのだ、ババアたちと食べるときは話してるとすぐ怒られるぞー」
理科「いい匂いなんてしますかね。理科、いつも先輩の匂いクンカクンカしてますけど、いい匂いというわけではないですけど」クンクン
小鷹(こいつ自分で掘り起こしやがった!そうか、自分の匂いだから自分じゃわからないのか)
小鷹「やめろ、変態。離れてろ」
夜空「そうか?確かにいつもと違う匂いだが」クンクン
理科「本当ですか?それならサンプルをとらないと」クンクン
小鷹(だから、お前と夜空が近づくとばれるんだって)
小鷹「そ、そうか、違和感あるなら洗剤前のに戻すから、早く離れろ」グイグイ
夜空「むぅ、仕方ない。ん?なんでマリアと理科の弁当のおかずが一緒なんだ?」
理科「そりゃ、小鷹先輩がつくってくれたからですよ」ニッコリ
夜空「どういうことだ?小鷹」ジト
小鷹「またかよ……いろいろあってつくってあげたんだよ」
夜空「い、いろいろって何だ!?小鷹!」
理科「いろいろはいろいろですよねー小鷹先輩♪」
夜空「ぐぬぬ……」
小鷹「たいしたことじゃねえから、気にすんな」
幸村「あにき、このにおいは理科どのと同じにおいではないですか?」
小鷹理科「ぶっ!」
夜空星奈「!」
マリア「お!そうだそうだ、理科と一緒だなー」
今日はここまでです。
一週間サボっててさっき一時間で仕上げたから、いろいろと穴があるかも
匂いって字がゲシュタルト崩壊してきた
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