男「彼の運命理論」 (1)
男「はぁ……今日はもう、家に帰ってテレビでも見ていようかな」タッタッタッ
ドンッ
男「ととと……すいません。少し考えごとをしていたもので」
赤髪の青年「いやいやいやいや、悪いのは明らかにコッチの方だよ」
「キミにも不満だってあるだろう。それなのに先に謝っておこうだなんて、なるほど大した心掛けだ。さてはキミ、いい奴だね?」
男「ははは……そうですかね」タッ
(最近、変な人が多いなぁ)
赤髪「ちょいちょい、ちょいと待ちなよ。ここであったのも何かの縁、運命。ちょっとだけ俺ちゃんと立ち話でもしてみないかい?」
「キミ、これからもう家に帰るだけって顔してるしさ」
男「…………」
(なんだこの人?)
赤髪「キミさ、優しくしてたらいい人になれるって思ってる人だろ?」
「それって、どうなんだろうな。変に下手に出られるせいで、言いようのない気持ち悪さや、喩えようのない不快感に見舞われる奴だっているんだぜ」
赤髪「でも、免罪符を持ってるのは敷かれてる方だ。上から文句を言ったら、そいつがきっと悪なんだろうね?」
「そう思わない?」
赤髪「と、まあ戯れ言たわ言はこのていどにして、もうちょっと真剣にお話してみないかい?」
男「……いいですよ。あなたの言う通り、これも何かの縁でしょう」
「立ち話もなんですし、そこの喫茶店でもどうですか」
赤髪「そうこなくっちゃあなぁ」
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