まどか「ずっと私のためにがんばってきてくれたんだよね・・・?」
ほむら「まどか・・・」
まどか「全部わかったの、今までほむらちゃんが見てきた世界が」
ほむら「・・・・・・」
ほむら(全部・・・だと・・・?)
まどか「・・・・・・」
ほむら(・・・こ、このまどかの表情!明らかに知っている!軽蔑が顔に出ている!)
ほむら(がんばってきてくれたのはありがたいけど、それとこれとは話は別よ・・・って表情!)
まどか「ねえ、ほむらちゃん」
ほむら「な、ななな何かしら・・・」
まどか「ほむらちゃん?」
ほむら「だ、だから何・・・」
まどか「・・・・・・」
ほむら(な・・・なぜ何も言わないの?)
ほむら(私に何かを言わせようとしているの!?)
まどか「・・・・・・」
ほむら「あの・・・その・・・」
まどか「なあに?ほむらちゃん」
ほむら「いえ・・・えーっと・・・」
まどか「・・・・・・」
ほむら「ご、ごめんなさい」
まどか「ん、何が?なにか謝られるようなことされたのかな、私?」
ほむら「な・・・」
ほむら(・・・・・・)
ほむら(まずい、まどかは・・・いやまどかさんは、私の想像以上にお怒りだわ・・・)
ほむら(とにかく謝り倒すしかない・・・!)
ほむら「ほ・・・本当にすみませんでしたッ!」ゲザァァ
まどか「・・・だからぁ・・・」
まどか「ほむらちゃんが何を謝っているのか?それを教えてもらいたいなぁ、ほむらちゃんの口から・・・」
ほむら(な、全部わかっているんじゃなかったの?・・・いや、全部わかっている上で、私に言わせようとしているに違いない・・・!)
ほむら「そ、それは・・・」
まどか「ん?」
ほむら「えっと、時間停止を悪用してスト―キングしたりとか、盗撮したりとか・・・」
まどか「へーえ、そんなことしてたんだぁ」ニヤニヤ
ほむら「・・・勢い余って監禁しちゃったりとか・・・」
まどか「うわあ、そんなこともされたんだー」ニヤニヤ
ほむら「ハナからワルプルギスの夜を諦めて、ひと月だけまどかと普通の学校生活を送ってみたりとか・・・」
まどか「うーん、それは仕方ないかなぁー」
ほむら「・・・・・・」
まどか「・・・・・・」
まどか「それだけじゃあ、ないでしょ・・・?」
ほむら「・・・・・・!」
ほむら(し、知っている・・・本当に全部知っている!)
ほむら(『まどかのされたこと』ではなく、『私のやったこと』まで逐一、全部!や・・・ヤバイッ)
ほむら(下手な事言うと、消されるような気までする・・・『だったらもう、殺しちゃうしかないよねえ』とか平気で言われる気がする!)
ほむら(今のまどかなら、それくらいは指で羽虫をすり潰すようにあっさりやってのける!救済の神にあるまじき目をしている・・・)
まどか「ね、ほむらちゃん?怒らないから、全部話してよ・・・最初から最後まで、全部」
ほむら「ぜ、ぜんぶ?」
まどか「そ、ほむらちゃんの『罪』をぜんぶ。そうしたら許してあげるから、ね?」
ほむら「わ・・・わかったわ・・・」
ほむら(殺られる!言わなきゃ殺られる・・・いや、死ぬ以上に酷いことをされるでしょう、まどかにはその力がある・・・逆らえない!)
ほむら(しかし・・・いや、どうせ全部わかっているのだからあまり関係ないだろうけど・・・『言っても殺される』、そんな気がする!)
ほむら(どうすれば・・・)
まどか「どうしたの、黙っちゃって?」
ほむら「いえ!言うわ、全部・・・包み隠さず・・・」
まどか「・・・・・・」
ほむら「ええと、最初は・・・好奇心だったわ、同じ世代の女子ならだれでも持つだろう好奇心・・・」
ほむら「『どんな生活をすれば、あれほど胸が育つのか?』」
まどか「ほむらちゃんちっちゃいもんねぇ、私よりも」
ほむら「ぐっ・・・」
ほむら「・・・それで、気になって・・・ついでにそれを聞くためにも、巴マミと協力を結んだわ・・・」
まどか「うんうん、仲良くするのはいいことだよ」
まどか「それで?その後は?」
ほむら「なんやかんやあって、巴マミとお付き合いしました・・・」
まどか「・・・なんやかんや、って」
ほむら「だ、だって!その前のループで、まどかにこっ酷く振られて傷心だったのよ!」
まどか「いつもいつも怪しい人につけ回されてたら、誰でも怖がると思うけどなあ」
ほむら「ぐうっ・・・!」
ほむら「で、でも反省はしているわ・・・まどかにはもちろん、巴マミにも・・・申し訳ないことをした、って」
まどか「ふうん」
ほむら「こういうのはこれっきりにしよう、私はまどか一筋だ・・・と、決意を固めたわ」
まどか「・・・それで?」
ほむら「猛アタックの末まどかに拒絶されました」
まどか「懲りないねえ、ほむらちゃん。・・・で?」
ほむら「で・・・次の周でなんとか協力関係を結べた佐倉杏子に、うっかり弱音を漏らしてしまって」
ほむら「なんやかんやで付きあうことになりました・・・」
まどか「またなんやかんや?」
ほむら「だ・・・だって!相変わらず心がボロボロの時にあんなこと言われたら・・・誰だって落ちる!私だって心が揺らいだ!」
ほむら「『佐倉杏子・・・女神か・・・?』と!」
まどか「でも、どうしたらそこから付き合えるようになるんだろうねえ」
ほむら「ほら、根っこは優しいから、弱みを見せた人を放っておけなかったのよ・・・多分」
まどか「ふうん」
ほむら「でも、その後やっぱり反省したわ・・・私がこんなことではいつまでもまどかは救えない、と・・・」
ほむら「二度と杏子の優しさには甘えない、そう心に誓ったわ」
まどか「しょっちゅう曲がる決意だね」
ほむら「くうっ・・・!」
ほむら「と、とにかくその後・・・本気でまどかを助けようとして・・・考えた!どうすれば上手くいくのか・・・」
ほむら「大抵、美樹さやかが原因になる・・・心が折れると、巴マミや佐倉杏子、果てはまどかまでも巻き込んで落ちていく」
まどか「思い込みの激しい子だから・・・」
ほむら「そこで思いついたのよ。『あ、じゃあ私が美樹さやかを口説き落とせば解決じゃね?』・・・と」
まどか「わけがわからないよ」
ほむら「しかし思った以上に難航したわ・・・どうやら、私と美樹さやかは決定的にウマが合わないらしい・・・」
ほむら「私に惚れさせるのは無理だ・・・そう判断した」
まどか「うんうん」
ほむら「そこで・・・既成事実を作ってしまうことにしたわ、無理矢理」
まどか「・・・・・・」
ほむら「日に日に快楽におぼれ、しかし誰にも助けを求めることはできない・・・美樹さやかは落としたも同然」
ほむら「今度こそ上手くいく・・・そう思ったけど、やはり駄目だったわ」
ほむら「美樹さやかの様子がおかしいこと、まどかはしっかり気づいていたの」
ほむら「全部バレた時の罵倒は心に刺さったわね・・・表向きはまどかとも仲よく出来ていたから」
まどか「それはそうなるよ」
ほむら「このやり方ではいけない、ではどうするか?考えて・・・別の道に気づいた」
ほむら「美樹さやかの心が折れる原因は、上条恭介・・・その陰には志筑仁美の姿がある」
ほむら「そこで思ったわ・・・『あ、じゃあ私が志筑仁美を落とせば解決じゃね?』・・・と」
まどか「ほんとにわけがわからないよ」
ほむら「実に苦労したわ・・・ほとんど話したこともない、ただのクラスメイトだったから」
ほむら「何が好きか?何が趣味か?綿密に調べ、理解し、努力を重ね・・・ついに!ゴールイン!」
まどか「・・・・・・」
ほむら「時間をかけすぎて・・・ワルプルギスの夜が来ちゃったわ」
まどか「うわあ・・・」
仁美 『この町はどうなってしまうのでしょうか?』
ほむら『それは・・・わからないわ。でも、あなたがいれば・・・』
仁美 『そうですわね。あなたが隣にいてくれれば、何も怖くなんてありませんわ』
ほむら『ええ・・・ワルプルギスの夜なんか・・・ん?』
仁美 『ほむらさん?』
ほむら『(あ・・・やべっ・・・)』
ほむら「初対面からでは志筑仁美を落とすのに、一月近くかかる・・・これではとてもワルプルギスの夜と戦う準備はできない・・・」
まどか「・・・・・・」
ほむら「計画は頓挫した。美樹さやかを救う手立ては無く、自動的に他の仲間も巻き込まれてしまう・・・」
まどか「なんというか・・・サイテーだね、ほむらちゃん」
ほむら「ううっ・・・」
ほむら「で、でも、全てはあなたを救うためだった・・・これだけは信じてほしいの!」
まどか「・・・うん、それだけは信じるよ、ほむらちゃん」
ほむら「まどか・・・!」
まどか「で?その後は?」
ほむら「え?えっと・・・その後は・・・」
ほむら「どうにかしてなんとかできないのか、方法は無いのか・・・考えた、何にもかも上手くいく、そんな方法を・・・」
ほむら「そして思いついたわ。『あ、じゃあもう私が全員口説き落とせばハッピーエンドじゃね?』・・・と」
まどか「・・・・・・」
さやか『恭介なんかいらない!私はほむらについていくわ!』
マミ 『ほむらさんがいれば、もう何も怖くない!』
杏子 『一人ぼっちじゃないみたいだけど、一緒に居させてくれよ・・・ほむら』
まどか『大好きなほむらちゃんのためだから、私絶対契約しないよ!』
ほむら『みんな・・・ありがとう!さあ、力を合わせてワルプルギスの夜を倒しましょう!』
おーっ!!
ほむら「――ということになるのを想定していたんだけど、現実は・・・」
マミ 『・・・・・・・』
さやか『・・・・・・』
杏子 『・・・・・・』
まどか『・・・・・・』
マミ 『・・・何か・・・言うことは・・・?』
ほむら『・・・・・・』
ほむら『ほんとうに・・・すみませんでした・・・』
さやか『・・・四股って・・・しかも顔見知りばかりなんて、信じらんない』
ほむら『・・・・・・』
マミ 『私に言った言葉は嘘だったの?暁美さん』
ほむら『・・・・・・』
杏子 『なんとか言えよほむら、マジに殺すぞ』
ほむら『・・・・・・』
まどか『・・・ほ、む、ら。ちゃん?』
ほむら『・・・・・・』
ほむら「あの時はさすがに駄目かと思ったわ、本気で死を覚悟した・・・あの時ほどワルプルギスさんに感謝したことは無かった」
まどか「・・・自業自得だよ」
ほむら「いやでも、皆揃いも揃って愛が重くて・・・私が言えた事じゃないけど」
まどか「ほんとにね」
ほむら「この方向では駄目だ、と・・・このあたりでようやく気づいたわ」
まどか「遅すぎるくらいだと思うけどな」
せつな「ひゃっっはーーーー!!」
こくう「おっぱい、おっぱい!」
ほむら「くっ・・・」
ほむら(目の前にいるまどかが、何を考えているのか・・・さっぱりわからない)
ほむら(ここまで聞き終えて・・・怒っているようにも、呆れているようにも、悲しんでいるようにも、まったく興味を失ってしまったようにも思える・・・)
ほむら(ゆ、許してもらえた・・・の、かしら?)
ほむら「あの、まどか・・・」
まどか「で?ほむらちゃん」
ほむら「・・・えっ?」
まどか「まだあるよね・・・言ってないこと・・・全部だよ、ほむらちゃん・・・」
ほむら「・・・!!」
ほむら「う・・・」
ほむら(ほ、本当に全部知っている・・・隠しようがない、本当に全部知っている!?)
ほむら「うう・・・」
ほむら「え、えっと・・・そこからは、真面目に頑張ることにしたわ・・・武器を集めたり、有効な攻撃位置を考えたり」
ほむら「必要以上に、魔法少女に関係のある子達とは関わらないようにした・・・」
ほむら「でも・・・その、なんというか・・・?」
まどか「・・・・・・」
ほむら「当然の結果・・・というか・・・ループの弊害・・・というか・・・なんでもいいけど・・・・・・」
ほむら「学校で・・・体育の授業前、着替えるわよね・・・当然、クラスメイトといっしょに・・・更衣室で」
ほむら「その時、隣で制服を脱いだクラスメイト・・・名前も名字しか覚えてないような子の下着姿・・・中学生女子の発育途中の身体に・・・」
ほむら「なんていうか・・・・・・その・・・・・・欲情・・・・・・しちゃいましてね・・・・・・」
まどか「・・・・・・」
ほむら「手遅れ・・・っていうのか・・・なんにせよ・・・・・・『あ、これは私一人にはどうしようもないぞ』と・・・理解してしまったのよね・・・」
まどか「・・・・・・」
ほむら「ええ、ええ、言いたいことはわかる・・・痛いほどわかる・・・真っ当な女の子の思考じゃない、でも・・・私はとっくに真っ当なんかじゃなかったわけで・・・」
ほむら「すでにその時私は、女の子のぬくもり無しでは・・・生きられない身体に・・・・・・」
まどか「・・・・・・」
ほむら「でも・・・まどか達に手を出さないと心に決めたし、一度破るとまた同じ過ちを繰り返すだろうから・・・我慢していたわ・・・」
ほむら「しかし、しかしよ・・・魔法少女なんかとは一生円の無いただのクラスメイトだったら?どんな行動を起こそうとなんの影響もない人物だったら・・・?」
ほむら「『どうせ、またやり直しになるんだろうし・・・』と、軽い気持ちで・・・手を出してしまいました」
まどか「・・・・・・」
ほむら「はい・・・一度じゃないです、両手じゃ数えられないくらいには・・・」
ほむら「言い方は悪いけど・・・ループごとにとっかえひっかえ、っていうのか・・・なんかもう、病みつきになっちゃって・・・・・・」
まどか「・・・・・・」
ほむら「表向きは・・・大事な友達を救うために時間を越えて頑張る魔法少女・・・って具合なのに・・・裏では女の子とこっそりいちゃいちゃ」
ほむら「その背徳感が、また・・・たまらない、っていうか・・・・・・」
まどか「・・・・・・」
ほむら「ええ、言いたいことはわかるし、返す言葉もないし・・・ええ、はは・・・・・・」
まどか「・・・・・・」
ほむら「・・・・・・」
ほむら「・・・・・・」
ほむら「・・・ほんっとうに、申し訳ありませんでしたァッ!!!」ゲザァァ
ほむら「・・・・・・」
ほむら「・・・・・・」
「・・・・・・」
地と天の区別もつかないような空間で、渾身を込めて土下座をかまし・・・・・・
目を固く閉じながら、暁美ほむらは、考えていた・・・・・・
これは罪である、大事な友達を救う為に手に入れた力を自分のいいように悪用し・・・・・・
その大事な人の心までももてあそんだ・・・・・その罪を清算し、罰を受ける時が来たのだ・・・・・・
しかし暁美ほむらの心は・・・・・・穏やかだった
罪を受け入れ・・・・・・どんな罰にも甘んじる、覚悟は既に終わっていた・・・・・・
ならば、なぜ自分は今謝罪しているのか?許されたいからではないのか?この期に及んで、まだなんとかなるさと思っているのではないか・・・・・・?
これは・・・・・・謝罪ではなかった、罪を許されようとは思っていなかった・・・・・・
鹿目まどかの慈悲に期待するでもなく、ただ・・・・・・(申し訳ない)この意識があればこそ、暁美ほむらは謝罪しなければならなかった・・・・・それだけだ・・・・・・
しかし、ちょっと頭を動かして考えればわかることだが・・・・・・鹿目まどかの手にかかって死ぬこと、それは救いそのものではないのか・・・・・・?
いまの暁美ほむらにとってみれば、贅沢この上なく、身に余るほどの救い、奇跡そのものだった・・・・・・
暁美ほむらの最初の罪は、鹿目まどかの盗撮写真を懐に越に浸っていたことでもなく、無理矢理純潔を奪ったことでもなく、浮気の限りを尽くしたことでもなく・・・・・・
鹿目まどかのソウルジェムを・・・命を、魂そのものを・・・殺したこと、それが最初であると彼女は思っていた・・・・・・
自責の念に囚われる暇などなかったが・・・・・・しかしいつだって望んでいたのかもしれない、今度は立場を変えて・・・彼女に裁いてもらうことを・・・・・・
それから重ねた罪など、取るに足りないものだ、彼女にしてみれば・・・・・・
暁美ほむらは待った、彼女の手で引き鉄を引いてもらうその時を・・・・・・・許されない罪に終わらない罰を下してもらう時を・・・・・・
暁美ほむらの心は・・・・・・穏やかだった、そこに思わず浮かぶ表情は笑みだった・・・・・・
まどか「いいよ、ほむらちゃん」
まどか「裁いてなんかあげない・・・罪を抱えて生きていって」
ほむら「・・・・・・」
ほむら「・・・・・・」
まどか「もういいんだよ、ほむらちゃん」
ほむら「・・・え?」
まどか「もう、全部終わったことなんだから・・・気にしなくてもいいんだよ」
ほむら「で、でも、私は・・・」
まどか「・・・・・・」
まどか「ねえ、ほむらちゃん。私の事、好きかな?」
ほむら「も、もちろん・・・私は、まどかが世界で一番好き・・・それは、ずっと変わらなかった・・・」
まどか「じゃ、許してあげる。ね?」
ほむら「・・・・・・」
まどか「あ、でもどうしようかな・・・やっぱりやめ、許さない」
ほむら「ま、まどか?」
まどか「絶対私が一番だって、そう信じられるまでは許さないから」
ほむら「・・・・・・」
まどか「簡単だよ?ほむらちゃんが私のことを一番好きでいてくれればいいの。約束してくれる?」
ほむら「・・・で、でも・・・」
ほむら「私はまどかのこと・・・忘れてしまう・・・」
ほむら「それに、二度と会えないのに・・・」
まどか「だから、罰。でもね?忘れてしまうって決まったわけじゃないし、二度と会えないなんてことも決まってない」
ほむら「・・・・・・」
まどか「大丈夫!信じていれば、また会えるよ・・・最後に、本当の奇蹟が起こるかもしれないでしょ?」
ほむら「・・・まどか!」
まどか「・・・ん?」
ほむら「約束するわ!絶対、もう一度あなたと会うって!」
まどか「・・・ありがとう、ほむらちゃん」
まどか「そうだ、これ」
ほむら「・・・リボン?」
まどか「あげる。私はずっとそばにいて、全部見てるから。それを忘れないように」
ほむら「・・・うん!」
ほむら「・・・・・・」
ほむら「・・・・・・」
ほむら(そのうち、なにもかもが消えた・・・)
――――
杏子 「さやか・・・」
マミ 「行ってしまったわ・・・円環の理に導かれて」
杏子 「せっかく友達になれたのに・・・」
ほむら「・・・・・・」
ほむら「・・・・・・」
ほむら「まどか・・・」
マミ 「?」
杏子 「?」
マミ 「元気出して、佐倉さん。美樹さんは救われたのよ」
杏子 「・・・そうだといいな・・・」
マミ 「ええ、円環の理に間違いは無いわ」
杏子 「さっきからエンカンエンカンうるさいな・・・」
ほむら「・・・杏子」
杏子 「・・・?」
ほむら「いつか、美樹さやかにも必ず会える。私が保証するわ」
杏子 「・・・へ、そうかい」
ほむら「・・・・・・」
ほむら「・・・・・・」
ほむら(本当に・・・まどかは見ているのかしら・・・?)
ほむら(まどかの事を覚えているのは、奇跡・・・としか言いようがないけど・・・)
ほむら(今、まどかは何をしているのかしら・・・?)
ほむら(・・・・・・)
ほむら(・・・私の鍛えられた女の子センサーが告げている・・・今、佐倉杏子を落とすのは容易だ・・・と!)
おいこらw
ほむら(ここで行かねば・・・ここで行かねば・・・暁美ほむらではない!)
ほむら(おっと!勘違いしないでほしいのは、これはあくまでまどかの存在を確かめるためだ、ということ)
ほむら(佐倉杏子攻略を続けるうち、ひょっとしたら何か反応があるかもしれない)
ほむら(ええ!ええ!それだけよ・・・それだけ)
ほむら(ふふふ!ふふふ!まどかにはいつか会えると決まっているし、魔法少女は絶望を知ることは無い)
ほむら(すばらしきこのせかい!)
ほむら「杏子」
ポン
杏子 「・・・ん、なに?」
ほむら「ええと・・・」
ほむら(・・・?な、なに・・・)
ほむら(身体が・・・い・・・痛い・・・?)
ほむら(・・・?・・・いた!いたたた!こ・・・この激痛!腹の中を直接刃物でかき回されたような痛み!)
ほむら(あまりに理不尽・・・馬鹿な、ちょっと肩に手を置いただけでアウト!?・・・き・・・厳しすぎるっ・・・!!)
ほむら(いたたたたたたたたたた死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ、これはまずい、これはまずい!)
ほむら「か、堪忍やー!仕方がなかったんやー!」
ほむら「ま、まどか!手は離したわ、ちょっと落ちついて!痛っ、いたたたた!」
ほむら「き・・・聞いてるんでしょう!?まどか・・・まどかぁー!」
ほむら「ご、ごめんなさい!でもほら、ホントにちゃんと傍にいてくれてるのか心配で・・・」
ほむら「待って待って待って待って死ぬ、これは死ぬ、ほんとごめんなさい、さっきの今で!」
ほむら「げほっげほっ、あ・・・?さては私を殺せば、早く会えるとか思っているのでは・・・?」
ほむら「いたたたたた待って!許して!まだ未練が!この世界を守ると言う崇高な使命が!いたたたたた!」
ほむら「も・・・もうしないわ!誰にも手は出さないから!金輪際!本当に!いたただだだだ!」
杏子 「なんだ・・・あいつ、おかしくなったのか・・・?」
マミ 「きっと美樹さんがいなくなってショックなのよ、そっとしておきましょう・・・」
杏子 「ふうん・・・(ああはなるまい・・・)」
ほむら「ぜはーっ・・・ぜはーっ・・・」
ほむら(ほ・・・本当にまどかが傍にいて、ここまで私に干渉してくるとは・・・)
ほむら(いや・・・でも・・・)
ほむら(うん・・・喜ぶべきことだわ・・・まどか!)
マミ 「だ、大丈夫?」
ほむら「ええ・・・」
マミ 「ほら、手につかまって・・・」
ギュ
ほむら(・・・・・・)
ほむら(・・・・・・?)
ほむら(・・・!?・・・!?)
ほむら(いたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた嘘!?待って!これくらいは許容してくれても!これくらいは許容してくれても!)
ほむら「・・・・・・!?・・・・・・!!!」
マミ 「ちょ、ちょっと暁美さん!暁美さん!?しっかりして!」
ほむら「て、手を・・・げふぅ!手を放して・・・っ!」
ほむら「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」
杏子 「ほんとにどうしちゃったんだよ・・・さっきから変だぞ、お前・・・」
ほむら「はあ・・・・・・はあ・・・・・・」
マミ 「調子が悪いなら、早く休んだ方がいいわ・・・動けないなら、手を貸すけど・・・」
ほむら「はあ・・・はあ・・・!!」
ほむら(わ、私は、何回こんな目に会うの!?)
ほむら(次はど・・・・・・どこから・・・・・・誰が『触れて』くるのッ!?)
ほむら(私は!私はッ!)
ほむら「私のそばに近寄るなああーーーーーーーーーーッ」
暁美ほむらは・・・二度と女の子とスキンシップが取れなかった・・・
故意でも偶然でも誰かに触れるとまどか神の怒りに触れるので、永遠に一人上手のままなのだ。
そして死にたいと思うとしつこいほどまどかが頭に囁きかけてくるので
――そのうちほむらは考えるのをやめた。
通勤ラッシュとかイベントとか行ったら死ぬなこれ
――――
ほむら「・・・・・・」
ほむら「・・・・・・」
ほむら(八つ当たりのように魔獣を倒し続けてウン百年・・・)
ほむら(どこからともなく現れて、魔獣を倒し去ってゆく・・・)
ほむら(そんな私は、いつのまにやら『奇跡の魔法少女』と呼ばれ、多くの魔法少女のあこがれの存在となっていた・・・)
ほむら(しかし・・・しかしっ!)
ほむら(私を慕う女の子が数多くいながら、誰にも、指一本触れることすら許されない・・・)
ほむら(このジレンマ!・・・耐えられない・・・!)
ほむら(し・・・死にたい。・・・疲れた・・・終わりにしたい・・・)
ほむら(巴マミも佐倉杏子も、今は美樹さやかと一緒にどっかでよろしくやっているらしい・・・まどかが教えてくれた)
ほむら(私は・・・私は・・・)
ほむら「・・・まどか・・・まどか!」
まどか『なあに?ほむらちゃん』
ほむら「わ、私は・・・いつになったらまどかに会えるの?いつになったらあなたに触れるようになるの・・・」
まどか『さあ・・・いつになるかな・・・』
ほむら「そんな!もう十分でしょう・・・」
まどか『それを決めるのは私だよ・・・忘れたの?約束』
ほむら「や、約束・・・?もちろん忘れていないし、きちんと守っているわ・・・私が一番好きなのは、まどかだけよ・・・」
まどか『うーん、そういうことじゃないんだけどなー』
ほむら「え・・・?」
まどか『一番とか、二番とか・・・そういうのじゃなくて、私はほむらちゃんの1になりたいの。1か、0かの1・・・わかる?』
ほむら「わかりにくいわ・・・」
まどか『つまりね・・・ほむらちゃんの全てになりたいんだ・・・私からほむらちゃんを取ったら何にも残らない、ほむらちゃんから私を取ったら何も残らない・・・そんな関係に』
ほむら「そんなことなら・・・最初っからそうよ、あなたは、わたしのすべて・・・」
まどか『ほんとうに?』
ほむら「本当よ!」
まどか『うーん、嘘は言ってないみたいだね』
ほむら「じゃ、じゃあ・・・」
まどか『でも駄目ー』
ほむら「・・・えっ?」
まどか『ほんとはね、なんて言えばいいのかな・・・うーん・・・これは、私も最近気づいたことなんだけどね・・・』
まどか『ほむらちゃんをいじめるのって、なんだかとっても楽しいな・・・って』
ほむら「・・・・・・」
ほむら「・・・えっ・・・・・・」
まどか『これが今のところ、一番の楽しみなんだ。だからね、もうちょっとだけ頑張って!』
ほむら「・・・・・・」
ほむら(・・・・・・ひ・・・ひどい・・・!)
ほむら(・・・このままでは・・・駄目になる!いつまでたっても会えないまま・・・戦い続ける羽目になる!)
ほむら(なんとか・・・なんとかしなければ・・・)
QBを攻略するしか救いの道はないね!
ほむら(そうだ・・・だったら・・・あっちが迎えをよこすつもりがないのなら・・・)
ほむら(こっちから会いに行ってやろうじゃない・・・・・・)
ほむら(まどかが今どういう存在なのか?神のようなものか、それともまた別のものか・・・)
ほむら(細かいことは・・・・・・気にしない!)
ほむら(人は・・・魔法少女は、神にだってなれる!前例がある・・・・・・!)
ほむら(や、やってやるわ・・・敗北を待つ受け身の戦いは、もう終わりよ・・・)
ほむら(神になって、そして・・・まどかとどっかで、きゃっきゃうふふいちゃいちゃちゅっちゅ!)
ほむら(エントロピー云々を超越し、私はまどかに会いに行く・・・この作戦・・・いける!)
ほむら「まどか・・・」
まどか『うん?』
ほむら「もう少しだけ待っていなさい、ちょいとそっちに行って・・・」
ほむら「問答無用で押し倒す!四半世紀は寝かさないわ!」
まどか『・・・ふふ、楽しみにしてるね』
ほむら「ええ・・・・・・!」
魔法少女まどか☆マギカ――これは二人の少女の壮大な愛を描いた物語である・・・・・・
腹が減ったので終わり
>>199
ほむら「QBにも穴はあるのよね・・・ゴクリ」
まどか『・・・・・・』
ほむら「あばばばばばギブ!ギブよ!」
スレタイ回収忘れた
.,-'''''~~~ ̄ ̄~~''' - 、
\ ,へ.人ゝ __,,.--──--.、_/ _,,..-一" ̄
\ £. CO/ ̄ \ _,,..-" ̄ __,,,...--
∫ / ,、.,、 |,,-¬ ̄ _...-¬ ̄
乙 イ / / ._//ノ \丿 ..|__,,..-¬ ̄ __,.-一
.人 | / ../-" ̄ || | 丿 / ). _,,..-─" ̄ ._,,,
マ .ゝ∨ / || " 丿/ノ--冖 ̄ __,,,,....-─¬ ̄
( \∨| " t-¬,,...-一" ̄ __--¬ ̄
ミ ⊂-)\_)` -一二 ̄,,..=¬厂~~ (_,,/")
.⊂--一'''''""|=|( 干. |=| |_ (/
/ ( / ∪.冫 干∪ 人 ` 、 `
/ ) ノ '`--一`ヽ 冫
く.. /
. ト─-----イ |
∪ ∪
スレタイ回収編
気分転換に地の文多め
ほむら(・・・・・・)
ほむら(・・・・・・)
ほむら(・・・・・・)
ほむら(ハッピーエンドのために・・・・・・皆が笑って終われる結末を迎えるために・・・・・・)
ほむら(全員口説き落とそう)
魔法少女まどか☆マギカ――これはとある少女達の壮大な愛を描いた物語である・・・・・・
ほむら(個別に落とすのは駄目、意味がなかった・・・ただぬるま湯に浸かって時間を過ごして終わり・・・)
ほむら(同時なら・・・?私一人が全員の心のより所になり、結束させれば、ワルプルギスの夜を倒せるのでは・・・?)
ほむら(試す価値はある・・・十二分にあるっ・・・何事も、やってみなければ・・・・・・)
ほむら(そう、これまで一人一人については問題なく、それなりの関係にまで上ってこれたのだから・・・・)
ほむら(四つを、一つにまとめるだけでいい・・・これまでの手順を思い返し、それを一つの内にこなすだけで・・・)
ほむら(あ・・・行ける気がするわ・・・私は、もしかしたら天才なのかもしれない・・・ついに答えに辿り着いたのかもしれない・・・)
ほむら(たった一つの出口・・・これだ・・・っ!これに違いない・・・!)
ほむら(待っていて、まどか・・・今度こそ・・・必ず、あなたを救ってみせる!)
暁美ほむらは意気揚々と病院を後にした、しかし・・・その脳みそは、今すぐ検査が必要なほどに腐っている・・・誰の目で見ても明らかだった・・・
当然、自分ではその欠陥に気づけない、盲目の道・・・地雷原をそうと知らずに突っ走り始めた・・・誰か止めてくれ!
~ほむほむがみんなを口説き落とす展開を、ダイジェストでご覧下さい~
ほむら「仲間が欲しいです」
マミ 「よろこんで!」
ほむら「一時共闘」
杏子 「把握」
ほむら「契約するなよ!?絶対だぞ!?」
まどか「はーい」
ほむら(あ・・・契約させない方がよかったんじゃ・・・)
さやか「え、何?」
ほむら(あとは成り行きに任せれば、意外となんとかなるものよ・・・)
ほむら(ちょろい・・・笑いが止まらないわ・・・)
ほむら(手ごたえを感じるわ、ハッピーエンドに真っ直ぐ向かっているだろうという手ごたえを・・・)
ほむら(後はじっくり関係を煮詰め・・・落とす!)
ほむら(時間操作万々歳ね!ははは!)
その後
マミ 「・・・・・・・」
さやか「・・・・・・」
杏子 「・・・・・・
まどか「・・・・・・
マミ 「・・・何か・・・言うことは・・・?」
ほむら「・・・・・・」
ほむら「ほんとうに・・・すみませんでした・・・」
ほむら(・・・・・・)
ほむら(・・・・・・どうして・・・・・・?)
ほむら(どうしてこうなった・・・・・・)
ほむらは、椅子に後ろ手に縛られ、ソウルジェムを没収された状態で、四人に見下ろされている
彼女を貫く視線は鋭い・・・ここでもし、謝罪以外の言葉を口にしていれば、当然のように殺されていた・・・そんな雰囲気だ・・・
軽い気持ちで乗っ取ってすいませんでした
ほ
まどか「他の女の匂いがするよ…」
ほむら「え…?」
まどか「誰の匂い?」
ほむら「これは・・・ちが」
まどか「いけない子だなぁほむらちゃんは、私の匂いで染めてあげるね?ほ・む・ら・ちゃん」チュッ
ほむら「まd・・んむっ!・・・ひゃっ!そこは・・・らめぇ・・・」
このSSまとめへのコメント
なつかしい