禁書「おなかへったんd「やかましいうっとおしいぞこのガキッ!」(1000)

地方都市のS市杜王町に潜伏していた殺人鬼との決着から数日。
杜王グランドホテル、324号室の住人が目を覚ますとベランダに少女が干されていた。

「おなかへった」

「…」

「おなかへった」

「…」

「おなかへった」

「…」

「おなかへったって言ってるんだよ?」

「やかましいッ! うっとおしいぞこのガキッ!」

「ひぃっ!…うぅ、でもおなかへって死にそうなんだよ?」

グキュルルルー

「だから…おなかいっぱいご飯を食べさせてくれると…嬉しい…な?」

「…やれやれだ。 飯くらいくれてやる。そのかわりここに入った方法と理由、目的が交換条件だ」

「ありがとう! でも…食べれそうなものなんにもないんだよ?」

「デリバリーでなんでも好きなものを頼めばいい」

「ほ、ほんとうにっ!? なんでも頼んでいいの?」

「…好きにしやがれ」

「ありがとうなんだよ!おじさんとってもいい人なんだよ!」

「おじさん…だと…?」

「じゃあさっそく頼んでくるんだよ!」

―15分後―

「おまたせしましたァー! デリバリーピザですーっ!」
「ちわーっ!鮨幸ですぅー!」
「中華の王王軒あるねーっ」
「杜王蕎麦でーっす!」
「119番通報ありましたけど火事ですかーっ?」

「なん…だと…」

(このガキッ…なんてことしやがる…! こいつ…新手のスタンド使いか!?)

「…そこに置いていけ。 代金はカードで払う」

「火事はどこです火事は?」
「知らねーな。造船所にでも行け」
「それは舵だと思うんだよ?」

「てめぇ…」

「さぁ朝ごはんなんだよ!おじさんも一緒に食べようなんだよ!」
「…もう二度とテメーにデリバリーは頼ませねぇ。 そしてもう一つ。 俺のことを二度とおじさんと呼ぶんじゃねえ」
「あ、そっか。まずは自己紹介をしなくちゃだったね。」
「私の名前はね。 インデックスって言うんだよ?」
「……空条承太郎だ」

「つまり…おまえは昨夜何者かに襲われ、逃げている途中に背中を撃たれてあそこに引っ掛かったと」

「ふぐふぐ!」

「そしておまえは10万幾つの魔術書とやらを記憶していて、追手の目的はおまえの頭の中にある魔術書ということだな」

「ほーほー! ほーゆーころらんらよ?」

「…飲み込んでから喋れ」

「……ングッ! そうそう!そうゆうことなんだよ?」

「…」

「な、なんなのその目は!…ハッ! もしかして信用してないんだね?」

「あぁ。 そのとおりだ。」

「むきー! 魔術はあるもん! あるもん! なんなら包丁かなんk」

「だが」

「?」

「頭ごなしに全部を否定するつもりもない」

「…ありがとう」

「…」

「それじゃあ私いくね」

「…おい。どこに行くつもりだ?」

「出てく。 ここにいるといつ敵が来るか判らないし」

「ご飯、ありがとうね」
        ・・・・・・・・
「待ちな。 俺はどこに行くんだ?って聞いているんだぜ?」

「…」

「…3日後、テキサス州ダラズにある医療機関SPW財団行きの船が出る。 俺もそれに乗る手筈になっている」

「…それって?」

「ここまで説明してわからねーとは。やれやれだ」

「むー!いきなりそんなこと言われても何が何だか判らないんだよ?」

「つまりだ。おまえにその気があるならSPW財団に保護してもらうといったことも出来るということだ」

「それは…とてもありがたいんだけど…やっぱりじょーたろーを危険に晒すわけにはいかないんだよ…」

「…」

「だいじょーぶ! じょーたろー! ご飯ありがとうなんだよ!」


「…行ったか。 だが…どうにも悪い予感がするな…」

―翌日昼過ぎ・杜王町通学路―

「よ~う仗助」

「おう億泰じゃねーか」

「…おめぇ~承太郎さんからの連絡聞いたか?」

「あぁ。なんでも修道服来た子供を追って銃撃するような奴が杜王町にいるかもしれないってやつだろぉー?」

「修道服来た子供ってのもわかんねぇけどよぉー子供を銃撃するなんてメチャ許せんよなぁ~」

「まったくよォ酷ぇ話だよなぁ~~」

「ほんとだぜ。 ったく、いったいどこのどいつがそんなことやりやがるんだろうなぁ~」




「うん?僕達『魔術師』だけど?」

「…なんだてめぇ~?やんのかコラァ!」

「お、おい待てって億泰!」


「…あ~悪いんだけどよぉーオタク、誰かと勘違いしてねぇか?」

「いやいや勘違いなんてしてないさ。 僕は余計なことに首を突っ込むなって警告しにきたんだ」

「…警告?」
                                     ・ ・
「そうさ。 君達なんかに意味は判らないだろうけどね。 その子供の頭の中には少々厄介な代物が眠っているんだ」

「だから、僕達がこうして保護してやりに来た と」

「ほご?」
       ・・
「そうさ。 保護だよ」

「どこの誰だか知らねーけどよ… そのスカしたツラが気に食わねぇぜてめぇ~」

「億泰っ!」

「…んだよ仗助。 止めんじゃね~よ」

「俺の聞き間違いじゃなきゃあよぉ~…今あのヤローは『僕達』って言いやがったぜ…」

「…てめぇまさか!」

「おっとっと。 口が滑ったな。 お察しのとおりだよ。 僕の他にもう一人、警告をしている人物がいる」

「まぁ彼女のことだ。 手加減はしているだろうけどね。 なにせ相手は老人、万一のこともありうるかもしれないね」

「てめぇ…」

「……仗助。 ここは俺に任せな」

「けどよぉ…」
                ・・・・・・・・・
「いいからてめーは一刻もジョースターさんのとこに向かいやがれっ!!」

「すまねぇ! 簡単にやられんじゃねーぞっ!」

「はははっ。 わざわざ逃がすと思うのかい?」

     ガオン!

「!? なんだ? 瞬間移動?」

「余所見してんじゃねーぜてめぇ…この俺が相手だッ!」

―杜王町内―

「うーむ。 困ったのォ…靴が側溝にひっかかっちまって…引っ張ってもとれんわい」

「こんな時に限って周りには誰もおらんし…まったく困ったわい」

「…ご老人。 よろしければ手をお貸ししますが?」

「そいつはありがたいのォ。 おかげさまで取れましたわい。 と、お嬢さんえらいべっぴんさんじゃの」

「いえ、そんな」

「いやぁーやっぱり若いってのはエエのぉ。 なんちゅーかウエスタンルックのサムライガールって感じでお嬢さんにピッタリじゃよ」

「お褒めにあずかり恐縮です」

「あ、そうそう。 お嬢さん一つ聞きたいんじゃがええかのぉ?」

「? ええ。 私が答えられることならば」
     ・・・・
「なんで真剣なんぞを腰にぶらさげてるんじゃ?」

「・・・どうしてこれが真剣だと?」

「なに、鎌かけじゃよ。さっき引っ張ってもらった時、お嬢さんの重心の捉え方が少々堂に入りすぎてたもんじゃからなァ」

「・・・・・・御見それしました。 ですが判っているなら話は早い」

「ほっ! どうせ昨晩承太郎がわしにかけてきた電話に関わってるんじゃろ」

「そのとおりです。 彼女に関わらないほうがいい」

「ほぉ…」

「ジョゼフ・ジョースターさんとお見受けします」

「うむ。 そのとおりじゃ」

「申し遅れました。 神裂火織と申します」

「できればもうひとつの魔法名を名乗る前に彼女を保護したいのですが…」

「保護すべき相手の背中を撃つような輩に子供を預けろ…とのォ」

「…」

「まぁそういうことじゃ。 顔を洗って出直してこい」

「…そういう訳にもいかないのです」

「…素直に引き下がってはくれんかの?」

「…」

「まったく…困ったもんじゃのォ…」

ちょっと用事()ができた

一時間くらい離れるけどどうせ過疎ってるだろうし保守とかもいらないす

―杜王町通学路にて―


ステイル「…君。 さっきのはなんだい?」

億泰「テメェーに答える義理は無ぇぜボケッ!」

ステイル「…まったく。 育ちが悪いな」

億泰「うるせーんだよォ~ テメェを仕留めるのがこの虹村億泰ってことだけ覚えていやがれ!」

ステイル「フフッ。まぁそうだね、一応僕も名乗っておこうか」

ステイル「僕は…ステイル=マグヌスと名乗りたいところだけど…ここはFortis931と名乗っておこう」

億泰「てめー頭脳がマヌケかっ? 自分で名乗ってるじゃねーかっ!」

ステイル「…」

ステイル「…僕達魔術師は魔術を使うときに真名を名乗ってはいけないという因習があってね」

億泰「あぁ? 魔術師だぁ~?」

ステイル「魔法名を名乗るっていうことは…まぁ簡単に言えば」
     ・・・・・・・・・・・・・
ステイル「君を殺す者の名 ってことかな?」


 purisaz naupiz gebo
―巨人に苦痛の贈り物を―

億泰「何ィッ!! 何も無いところから火だとっ!? う、ウオオオオォォォォォ!!!」


ステイル「ご苦労様。 残念だったね。 真正面から向かってきた蛮勇だけは認めてあげるよ」

ステイル「とはいえ…ちょっとやりすぎたか? まぁいいか。 さっさともう一人を追うとしよ…」

  ガオン!

ステイル「何っ!?」

億泰「くぅぅ~。 ったくよぉ~2万円もしたズボンが焦げちまったよぉ~」

(な、何が起こった? 確かに炎剣が直撃したはず!?)

億泰「ツイてねぇぜまったくよぉ~~」

(まさかこいつも魔術を? まさか! こんな極東の未開発地域に僕達を超える魔術師がいる訳n…)


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

              ・・
ステイル「…待て。 君の背後に見えるソレはなんだ?」

億泰「俺のスタンドが見えるってことは…やっぱりてめぇもスタンド使いか」

ステイル「『スタンド』…聞きなれない魔術だね。 どうやらまぐれでイノケンティウスの炎剣から逃れたようだけれど…」
         イノケンティウス
ステイル「顕現せよっ!魔女狩りの王!」
        ・・・
ステイル「もうまぐれはないっ!」

億泰「うおおっ! あぶねぇ! 眉毛焦げたっ!」

ステイル「ふん。ルーンを破壊しない限り自動再生する炎の巨人だ。 うかつに攻撃をすれば瞬時に燃え尽きるぞ!」

億泰「……面白え…なら試してやんよぉ~!!!」

  ガオン!

ステイル「…な!馬鹿な! 『竜王の殺息』にすら耐えれるイノケンティウスの身体を切り裂くだと??」

億泰「オレ、頭悪いからよぉ~深く考えるのは苦手なんだけどよぉ~」
                                     ・・・・
ステイル「くっ! 何故だ! イノケンティウスの再生スピードが遅すぎる!」

億泰「おまえスタンド使いじゃねーんじゃねーかって思うんだよなぁ~」

ステイル「ただ炎を散らされたわけじゃない…単にそれだけならば超速で再生するはず」

                 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ステイル「まさかっ!…ただ炎を散らされたんじゃなくてイノケンティウスの身体を削られたって事なのか?」

億泰「そのとおりだ 俺のザ・ハンドの右手が掴んだものはなんだろうと削りとっちまう」

ステイル(くっ…ルーンを破棄して再度イノケンティウスを顕現するか!? どっちにしろ屋外で闘うには相性が悪すぎるっ!なんとかしてここを離脱して閉所に誘導すればっ!)

億泰「…逃げる奴にゃあこういう使い方も出来るんだぜぇ~!」

 ガオン!

ステイル「!? なんだどこを狙って攻撃を?」

億泰「空間を削りとる! ……するとぉー!」
                                              ・・・・・・・・・・・・・・・
ステイル「な、なんだ!? 一瞬で詰め寄ってきた!? …いや、違う。 奴は一歩たりとも動いていない!」
                  ・・・・・・・・
ステイル「僕と奴の間の空間が削り取られたのか!」

ガシッ!

億泰「とらえたぜぇダボがぁ~~~!!」

ステイル「…チィッ」

 purisaz naup
―巨人に苦痛n

ガシィッ

億泰「とと! やらせねーぜぇ~」

億泰「この距離ならよぉ~テメェが何をしようが俺のパンチのほうが先に届くしよぉ~?」

ステイル(クソッ! ……すまないインデックス。 僕は結局君を救うことが出来なかった…)

億泰「…」

ドギャッ!

億泰「…ふぅ…喧嘩ふっかけられたから買っちまったけどよぉ~…よく考えたら殺す必要もねぇしなぁ~」

ステイル「…」

億泰「とりあえず気絶させたのはいいけどよぉ~ ここ一体爆撃を受けたみたいにメチャクチャになっちまったしよぉ~…」

億泰「こりゃさっさとこいつ連れてトンズラかまさないとマジィよなぁ~」

億泰「と、その前に…気がついて反撃されると厄介だし敗北感植えつけるためにも一発きつーく首しめとくか」


○億泰VS●ステイル=マグヌス(マウントからのギロチンチョーク)

―杜王町内―

キンッ!

ジョセフ「OH MY GOD! わしの杖がフォークより短くなりおった!」

神裂「…もう一度忠告します。 ジョセフ・ジョースターさん」

神裂「彼女には関わらないのが身のためです」

ジョセフ「…答えは『NO』じゃよ。 …お嬢さん」

神裂「…次は当てますよ?」

ジョセフ「やれるもんならやってみるがいい」

神裂「…杖を持たねば歩くこともできぬというのに…その気概は尊敬に値します」

ジョセフ「ハンデじゃハンデ。 そんなことも判らんとはお嬢さんモウロクしとると違う?」

神裂「…安心してください。 痛みを感じる間もなく意識だけを奪わさせてもらいます」

ジョセフ「ふん! 闘いにおいて、お嬢さんとは年季が違うということを思い知らせてやるわ!」

鋼糸による攻撃『七閃』を目眩ましとして使い、老人の行動を抑制。

背後に移動し首筋に手刀への一撃で意識を奪う。

老体であるジョセフ・ジョースターを最も傷つけないであろう攻撃手段を選択したはずの神裂火織の身体を襲ったのは電撃のようなショックだった。

思わず虚空に吹き飛び、身構える。

神裂「くっ…今のはショックはいったい?」

ジョセフ「ほっほ! まんまとかかりおったのぉ!」

神裂「…まさか服の下に武器を隠し持っているとは…意外でした」

ジョセフ「ふん。 武器を隠し持っているのはお互い様じゃろ?」

神裂「…そこまで見抜かれていたのですか」

ジョセフ「いったじゃろ? お嬢さんとは年季が違うとな」

神裂「…ですが、未だに私と貴方の間には如何ともしがたい差があります」

ジョセフ「ふっ 次にお嬢さんは『杖をもって歩かねばならない貴方に私の攻撃がかわせるとは思えません』という」

神裂「杖をもって歩かねばならない貴方に私の攻撃がかわせるとは思えませ…ハッ!!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ジョセフ「ほれ かわせるかどうかやってみればいいじゃろ?」

神裂「…わかりました。 多少の怪我は覚悟してください。」

 愛刀「七天七刀」を揺らすような動作をフェイントとにした鋼糸「七閃」。

動けぬはずのジョセフ・ジョースターには回避絶対不可の攻撃だった。

が、しかし!

ジョセフ「コオオオオオオオオ!!!」

神裂「な!?」

神裂火織は見た。

痩せ細った枯れ木のような老人の腕が!胸が!

荒れ果てた大地に水をやったかのように瑞々しくなっていくのを!

神裂「しゃがんだまま宙を!?」
               ・・・・
ジョセフ・ジョースターが翔んだのだ!

数瞬前までジョセフがいた筈の場所を刻んでいく「七閃」。

神裂「…いったいなにを! まさか…歩けぬふりをしていたとでもいうのですか?」

ジョセフ「チッチッチッ。 違うんじゃなぁ~」

投げかけられた問に後ろを向いたまま否定するジョセフ

ジョセフ「これはの。 …波紋じゃ」

神裂「…波紋!?」

ジョセフ「そうじゃ。 波紋とは特殊な呼吸法…呼吸は酸素…酸素は血液…血液は酸素に関わっておる…」

ジョセフ「つまり! 水に波紋を起こすように呼吸法によって肉体に波紋を起こしっ! エネルギーを創りだすッ!」

ジョセフ「波紋を極めれば…こんなことも可能じゃっ!」

神裂「な!? まさか!」

振り向いたジョセフ・ジョースターの顔は80間近の老人のものではなかった!

ジョセフ「ま、精精10年ぽっちが限度じゃし時間制限付きだがのぉ~」

10年前っ!

それは悪の化身を倒すべく仲間達と共にエジプトをしていた時期と合致するっ!

壮年のジョセフ・ジョースターがそこに立っていたっ!

神裂「…魔力はまったく感じませんでしたが…その呼吸法は魔術に準ずる神秘があると判断しました」

ジョセフ「うーむ…ちっーとばかし驚きが少ないんじゃないかのぉ?」

神裂「いえ、驚きました。 …ですが、それでも私の優位は変わりません。 どうか私に魔法名を名乗らせないでください」

ジョセフ「まったく…頑固なお嬢さんじゃの…」

神裂「忠告しておきます。 私の七天七刀は飾りではありませんよ? 七閃をくぐり抜けた先には真説の「唯閃」が待っています」

ジョセフ「ふん。 ベラベラと自分の能力を話す暇があるならさっさとかかってこんかい」

神裂「…そうですね。 ………七閃っ!」

キンッ

ジョセフ「ッ!?」

神裂(独自の肉体活性の魔術には驚きましたが…それだけです)

ジョセフ「うおおっ!?」

神裂(あの年齢でこうまで動けることは感服しますが、もう逃げまわるだけで精一杯のようですね)

ジョセフ「OH! 今のは危なかったわい」

神裂(私の鋼糸「七閃」ならば、点ではなく面で攻撃すること可能。 ならば)

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ジョセフ「逃げ道をわざと造り誘導してから一撃で戦闘不能に…ってとこかの?」


神裂「なっ!?」


               ハーミットパープル             オーバードライブッ
ジョセフ「見え見えじゃわい!隠者の紫!そしてっ!間髪いれず波紋疾走ッ!!」


ドギャ―z_ン!!!

神裂「…ぐうっ!?」

ジョセフ「どうじゃ? 自分が考えていたことをそのままやられる気分は?」

神裂「な、いったい何が?」 

ジョセフ「ふんっ! 糸の結界をわしにかけようなんざ100年早いわい」

神裂「くっ…こ、これは茨の鞭…!? いったい貴方は!?」

ジョセフ「ふむ…隠者の紫が見えとるようじゃの」

神裂「…認識を改めました。 ジョセフ・ジョースターさん。 貴方を老人と侮っていたことを謝罪します」

ジョセフ「ついでに僅かな間とはいえ波紋を喰らってた筈じゃが問題もないようじゃし…やっぱりお嬢さん只者じゃあないようじゃのぉ~」
                                プリエステス
神裂「私の魔法名はSalvare000 天草式十字凄教の女教皇として御相手させていただきます」

ジョセフ「ふんっ! 女教皇なぞとうの昔に再起不能にしておるわい!」

神裂「…往きます」

ジョセフ「ッ!?」

ジョセフ(むっ! 強がってっ! みせたのはいいがっ !チットばかしマズイんじゃないかのぉっ!)

ジョセフ「お嬢ちゃんっ! コンクリートをえぐるワイヤーだなんてっ! 随分とえげつない攻撃をっ! するのぉっ!」

神裂「…」

ジョセフ(さっき攻撃のっ!何倍速いんじゃっ! くぅっ! もう避けるのがっ! 精一杯じゃわいっ!)

神裂「…」

ジョセフ(もう波紋の呼吸も限界じゃっ! こうなったらっ!)

ジョセフ「…お嬢さんっ! 老人の最後の頼みじゃ。 話を聞いてもらえんかのぉ?」

神裂「…」

ジョセフ(おっ!ワイヤーの攻撃がやんだか…どうやら話を聞いてくれるだけの余裕はあるようじゃのぉ…)

神裂「…どうぞ…ただし、時間稼ぎが目的ならば攻撃を再開しますので悪しからず」

ジョセフ「う、うむ…」

ジョセフ「…なぁお嬢さん…もうわしに体力が殆ど無いっていったら信じるかのぉ?」

神裂「…」

ジョセフ「本当じゃぞ? もうお嬢さんに『一撃』いれる力が一回あるかないかなんじゃ…」

神裂「…」

ジョセフ「もし今からする攻撃が失敗すればわしはもう波紋の呼吸をする体力もなくなるんじゃ」

ジョセフ「こんなことを言わなくてもどうせバレるだろうしのぉ…次の一撃をしくじれば『この老いぼれはもう自分でコーラの栓を抜くこともできなくなるな』ってバレちまうだろうしのぉ」

神裂「…老いぼれなど…そのような事は思っていません」

ジョセフ「まぁとはいえ…この醜く老いさらばえた老人の一撃なんぞ喰らってもお嬢さんには何の効果もないじゃろうしのう…」

神裂「…そのように挑発しても無駄です」

ジョセフ「そうじゃろうなぁ…まぁええわい。 次がわしの最後の攻撃じゃ…受けてくれるかの?」

神裂「どうぞ…御随意に」

ジョセフ「では…いかせてもらうとするかの…」

波紋を足に集中したジョセフが走りだす!

それは波紋の弾く力を極限まで利用したその走法は神裂の目が一瞬見開くほど速い!

しかし!

神裂「…無駄です」

面の斬撃として構成された七閃がジョセフを襲う!
              ハーミットパープル
ジョセフ「オオオォォッ!!隠者の紫!」

会話の間に準備を整えていた隠者の紫が襲い来る七閃に次々と向かっていく!

七閃に斬られながらも絡みつく隠者の紫が数瞬の間を稼ぎ、その僅かな時間で神裂火織の懐に潜り込むことに成功する!
             オーバードライブ
ジョセフ「ここじゃっ! 波紋疾走!」

ジョセフの左ストレートが神裂火織の顎に向かい一直線に吸い込まれていく!

肉体年齢70とはいえ、鍛え抜かれた身体を持つジョセフが放つ波紋疾走つきの拳が顎に当たれば神裂火織とはいえただでは済まないっ!

だがっ!

神裂「…無駄といったはずです」

僅かに顎を動かしただけで神裂はジョセフのパンチを避けきるっ!

ジョセフ「な、なんじゃとぉっ!?」

全身の力を込めていたパンチが空振り、慌てた声をあげるジョセフ!

不幸にも空振りしたパンチに釣られ、ジョセフの身体が泳ぐ!

神裂火織の眼前に無防備なジョセフの背面が晒された!

神裂「…これで…終わりです」

手刀を当てた際に生じた電撃のようなショックを警戒した神裂火織は七天七刀の鞘による背面頸部への打撃を決行っ!

しかしっ!

神裂火織が感じたのは人間の身体を叩くのとは、まるで違う手応えだったっ!

人体の首があるはずの場所から鳴るはバギャバギャという異質な破壊音!

神裂「!?」

神裂火織は目を疑う!

七天七刀の鞘が砕いていたのはジョセフ・ジョースターの左手っ!

全身の力を込めたパンチの反動をその場で回転!勢いを殺さずことにより自らの背面頸部まで誘導していたのだっ!

鞘で砕いたはずのジョセフの左手のあちこちから金属の輝きが見えるっ!

神裂「義手!? ですがっ!」
                                                                ・・
再度打撃による決着を狙い、慌てて七天七刀を引き戻そうとする神裂だが、使い慣れているはずの愛刀が重い!

神裂「なっ!?」

目を見開く神裂!
                                           ・・
義手は完膚なきまでに砕いている。 どこも掴まれていないはずなのに重いのだっ!!

             メタルシルバーオーバードライブ
ジョセフ「かかったのぉ!銀色の波紋疾走ッ!!」

ジョセフの掛け声と共に後ろ手に回されたジョセフの左腕が360度回転し本来の場所に戻っていく!

想像もつかない事態に混乱した神裂は内より外に引っ張られる回転の流れに耐えきることはできなかった!

気がつけば手の内より七天七刀は巻き取られるように神裂の手を離れ、正面に立つはジョセフ・ジョースター!

ジョセフ「勝ったと思ったときに人は敗北するんじゃよお嬢さん・・・…これでチェックメイトじゃ」

呆然とした神裂の額に添えられたのはジョセフ・ジョースターの右手だった!!

神裂「・・・…お見事です」

神裂「…ですが…最後の一撃というのは嘘だったのではないですか?」

ジョセフ「あ~…そりゃ違うのぉ。 こうなるまで全部ひっくるめての一撃じゃ」

神裂「…貴方が後ろを向いたとき私が背面から斬りつけていたのかもしれませんよ?」

ジョセフ「お嬢さんはそんなことせんじゃろ」

神裂「…そう思えた理由は?」

ジョセフ「闘いの誇りじゃよ」

神裂「…誇り?」

ジョセフ「うむ。 お嬢さんは終始一貫して極力わしに怪我を負わせないようにしてたじゃろ?」

神裂「…それだけで私に無防備な背面を晒したと? 斬られるかもしれないというリスクを承知の上で?」

ジョセフ「わしは博打が好きでのぉ」

神裂「……こんなに老獪な方は初めてです」

ジョセフ「ところでの…実はもうわし、波紋の呼吸なんぞ疲れて出来やせんのじゃ…話し合いでなんとかならんかの?」

神裂「…そうですね。 どうやら誤解もあるようですし…話し合いで解決できるのならばそちらの方が望ましいです」


△ジョセフVS△神裂火織 (両者合意の上でドロー)

ジョセフ「ふむ…そのインデックスという名の少女は一年周期で記憶を消さんと命に関わる…」

ジョセフ「そしてお嬢さん達がその少女の記憶を消しに来た」

ジョセフ「しかしインデックスという娘からみればお嬢さんたちは頭の中のなんちゃらを狙いに来た敵にみえる と…」

神裂「はい…ですから…わたしたちはいっそ憎まれたほうが…」

ジョセフ「…気に食わんのぉ」

神裂「なっ!? あなたに何が!」

ジョセフ「わしゃあそういった事には詳しくないが…もうちょっと別の方法があったんじゃないかのぉ…」

神裂「っ…」

ジョセフ「まぁええわい。 とりあえず承太郎達と連絡をとるとするかの」

神裂「そんなことで何とかなるような問題では!」

ジョセフ「…何とかなる問題かもしれんぞ」

神裂「なにを…」

「おい! じじいっ! 無事かっ!」


ジョセフ「おーっ! 仗助くんっ! こっちじゃこっちィ~」

仗助「話は後だっ! 変な奴らがって…もしかして…この女じゃねぇーだろうなぁ~?」

ジョセフ「あ~…そこのお嬢さんは敵じゃないぞい。 細かい話はあとじゃ。 それよりのぉ、義手と杖を治してくれんかのぉ~」

仗助「…おいおいおいおい義手がグッチャグチャじゃねえ~スか!? ったく…すぐ直すんで動かないで下さいっすよ?」

神裂「…治す?」

仗助「クレイジー・ダイヤモンド!」

ズギュン!

仗助「おし、これで問題なしっすよねェ~」

ジョセフ「うむ、ばっちりじゃわい…ありがとのぉ」

神裂「……今、なにが…」

ジョセフ「ほらの? なんとかなるかもしれんじゃろ?」

仗助「それよりよぉ~~何がなんだか分かんねーからきちっと説明頼ンますよぉ~~~」

ジョセフ「うむ。 と、あっちに見えるのは億泰君じゃないか?」

仗助「…あぁ~ほんとっスね~。 長髪ロンゲ背負ってこっちに走ってきてるっすよぉ~」

神裂「……ステイル!?」

――杜王グランドホテル・324号室――

禁書「おなかへった」

承「…」

禁書「ねーじょーたろーおなかへったんだよ?」

承「…」

禁書「じょーたろー! 私はおなかがへったって言ってるんだよ?」

承「…おい」

禁書「なに?じょーたろー?」

承「…おまえはなんで半日も立たずに戻ってきてるんだ?」

禁書「私にはおまえじゃなくてインデックスって名前があるんだよ?」

承「…」

禁書「こ、怖いから、無言で立って近づかないで欲しいんだよ?」

承「…」

禁書「……ミツカラナカッタンダヨ」

承「…なんだと?」

禁書「……きょ、教会が見つからなかったって言ってるんだよ?」

承「…教会ならこのホテルを出て右に行けばあったはずだぜ」

禁書「私が保護してもらえるのはイギリス清教で…この町にある教会は全部ローマ正教なんだよ」

承「…それで?」

禁書「だからやっぱりSPW財団に保護してもらうって手段に賭けたんだよ!」

承「…俺が危険に晒されるからといって出ていかなかったか?」

禁書「それなら無問題なんだよ! もしもじょーたろーに危険が迫ったら私が守ってあげるから大丈夫なんだよ!」

承「…」

禁書「なんせこの修道服はトリノの聖骸布を完璧にコピーした歩く教会うんぬんかんぬん…ってなんで人の話を聞こうともしないでそっぽ向くの?」

承「付き合ってらんねーぜ」

禁書「うぅ…」

承「…」

禁書「…ごめんね。 やっぱりじょーたろーは迷惑だったよね?」

承「…待ちな」

禁書「……え?」

承「そんなナリして外を出歩かれるのも面倒だ」

禁書「…そ、それって?」

承「まずデリバリーは俺が頼む。 もう一つ。 ここは俺の部屋だ。 静かにしていろ。 それが出来るならあとは好きにすればいい」

禁書「…じょーたろー?」

承「…なんだ?」

禁書「ありがとー! やっぱりじょーたろーは優しいおじ…おにいさんなんだよ!」

承「……」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

禁書「い、いいい今のはちょっと口が滑っちゃっただけなんだよ? わ、わたしは全然そんなこと思ってないんだよ?」

承「……」

禁書「ま、待つんだよ! 迷える子羊に差し伸べるのは救いの手のはずなんだよ! つまりなにが言いたいかというと暴力反対なんだよ!」

承「…ったく。 厄介なことになっちまったぜ」

禁書「…じょーたろーって優しいけど冷たいんだね」

承(やれやれだ…初めて出会ったぜ……ここまで日本語が意味不明な奴は…まともに話そうとしてる俺の『常識』ってやつがブッ壊れそうだぜ)

ごめん 眠い 一旦落ちる

禁書「うー…退屈なんだよ」

禁書「じょーたろーはさっきからずっと調べ物?みたいなことをしているし…私は一人でコロコロしてることしか出来ないんだよ」

コロコロゴロゴロ

禁書「…!? 大変だよじょーたろー! わたしは今とっても大変なことに気づいてしまったんだよ!」

承「そうか…そいつぁよかったな」

禁書「じょーたろーは部屋の中でもその長いコートと帽子を脱がないよね? ズバリ…気に入っているんだよね?」

承「あぁ…まぁそういうことになるだろうな」

禁書「ふふーんやっぱりね! じょーたろーと私の共通点を見つけたんだよ!」

承「…そうか」

禁書「ちょ、ちょっと! こっちをちらりとも見ないで声だけで返事をするだなんてひどいんだよ!」

承「…」

禁書「ううう! 完全無視だよ! ちょっとはこっちを見てほしいんだよ!」

承「…」

禁書「むぅぅ! こっちを見てよぉー」

承「…」

禁書「…コッチヲ見テッテイッテルンダヨォ?」

承「!?」

禁書「あっ!やっと私に目線を移してくれたんだよ!」

承(…つい最近どこかで聞いたようなフレーズだった気がするぜ)

承「…で、いったい何の話だったんだ?」

禁書「ひ、酷いんだよじょーたろー! 私が一生懸命話していたっていうのに! じょーたろーと私の服装に共通点があるって発見だよ!」

承「…さぁな。さっぱり思いつかないぜ」

禁書「フフフ…しょうがないから教えてあげるんだよ! じょーたろーは長いコートと帽子をかぶってるでしょ?」

承「…そうだな」

禁書「わたしの修道服も長いコートだし帽子だってかぶってるんだよ!」
                 ・・・・・・・・・
承「…まさかとは思うが……それだけか?」

禁書「凄い偶然だね! ね!」

承「……付き合ってられねえ」

禁書「あっ! 待ってじょーたろー! …実は…もっと大切な…おはなしがあるの」

承「…なんだ」

禁書「あの…その…これを言うのはちょっと心苦しいんだけど…」

承「…さっさと答えな」

禁書「…ごはんは?」

承「…てめーは」

禁書「わたし? わたしはお腹が減ってきたんだよ?」

承「…俺を怒らせたいのか?」

禁書「!? ち、違うんだよ! もう昼過ぎだし! 育ち盛りの私ならお腹が減ってもおかしくない頃合いなんだよ?」

禁書「そ、それにほら! じょーたろーだってお腹が減ってちゃ元気が出ないと思うんだよ!」

禁書「だからこれはじょーたろーの事を思ってと捉えて欲しいんだよ!」

承「…俺が後10年若けりゃてめぇの鼻っ柱にキツイのを一発お見舞いしてるところだ」

禁書「うぅ…でもでもこればっかりは隠しててもすぐにバレそうだし、しょうがないんだよ?」

グキュルルルー

承「…やれやれだ。 いいか。 俺が今から買ってくる。てめーは。 一歩も。 この部屋から出るな」

禁書「わかったんだよ! でももうお腹と背中がくっつきそうなことだけはわかって欲しいんだよ!」

禁書「あっ忘れてた!」

承「?」

禁書「いってらっしゃいなんだよ!」

承「…あぁ」


承(…こいつぁマジにヘビーな状況だ…悪気がないから余計手に負えねえ…いっそのことジジイにでも押し付けちまいたくなるぜ…)

―15分後―

承「…てめーの胃袋はどうなってやがる? まさかとは思うがハンサム顔なスタンドでも入ってるんじゃあねーだろうな?」

禁書「ほへ? らにをりってるかわかららいけろわらひははんはむやらくてくーとなかおをしれるって」

承「…飲み込んでから喋れ」

禁書「……ングッ! 何を言ってるか分からないけど私はハンサムじゃなくてキュートな顔をしてるって自負してるんだよ?」

承「…サンドイッチ3切れを口に詰め込んだリスみてーなツラで何を言いやがる」

禁書「な! 年頃の少女に向かってそんなことを言うだなんて酷いんだよ! これは単なる成長期なんだよ!」

承「…おいそんなに両手振り回して叫んでると…」

ドグシャァー

禁書「あああ! コーラがダイレクトに私の服に!」

承「…いわんこっちゃねえ」

禁書「あわわわ! 私の純白の修道服が瞬く間に美味しそうなコーラ色に染まっていくんだよ!」

承「フン。 ご愁傷さまだぜ。 牛乳だったらよかったのにな」

禁書「ひ、酷いんだよじょーたろー!」

禁書「あぁぁ…大事な私の『歩く教会』がコーラ色になっちゃった…これじゃあ『歩く教会』じゃなくて『歩く炭酸』だよ…」

禁書「うぅぅ…いっそのことイカスミとかならブラックインデックスみたいなキャラで押し通せたかもしれないのに…」

禁書「あぁぁでもでも何だかイカスミっていうのはマズイ気がするんだよ! とっても!」

承「…てめーが何を言ってるのかわからねーが…シャワールームならこの部屋を出て突き当たりを右だ。 洗濯機もシャワールームの中にある」

禁書「せ、せんたくき?」

承「…おい。 何をしてる? さっさと行って来やがれ」

禁書「せんたくきはボタンが一杯あるから苦手なんだよ」

禁書「じょーたろー」

承「…なんだ?」

禁書「お願いだから私にせんたくきの攻略法を教えて欲しいんだよ!」

承「まったく…花京院が言ってた悪夢のスタンド使いの攻撃って言われても納得できちまうぜ…」

―シャワールーム―


承「服を脱いだらこの洗濯機の中に放り込んで、このボタンを押してスイッチをいれるだけだ。 判ったな?」

禁書「う、うん! 多分何とかなると思うだよ!」

承(…汗だくになって緊張するようなモンでもねーだろう)

承「あとはテメーでやりやがれ」

禁書「う、うん! ありがとうなんだよ!」

承「それじゃあ俺は出るからな…まったく…やれやれだぜ」

ポツーン

禁書「さっきじょーたろーが説明してくれたんだし…せんたくきくらい私一人にだって簡単なんだよ!」

禁書(えっと…服を脱いで…よいしょ…この中にいれて…このボタンを押してスイッチを入れる…)

禁書(だ、大丈夫だよね? 教わったとおりにやったんだしなにも間違ってないはずなんだよ!)

禁書(落ち着いて…植物のような平穏な心で…このボタンを…ボタンを…)

禁書「押すぞぉ! 押してやる…押してやるっ! 今っ! 『スイッチを』いれてやるっ…んだよ!」

BOMB!


禁書「ヒャアアアアア!!!」


承「…ひとりで何叫んでやがるんだあいつは…」

禁書「たったすけて! じょーたろー!!」

承「っ!?」

禁書「大変なんだよ!大変なんだよ!」

承「おい…なに考えてやがる?」

禁書「機械の反乱なんだよ! 文明がついに私たちに牙を向いたんだよ!」

承「てめー…服はどうした?」

禁書「それなんだよじょーたろーっ!せんたくきが私の服に噛み付いているんだよ!」

                         ・・・・・・・
承「やかましいっ! 俺はなんでてめーが素っ裸なのかって聞いてるんだ!」


禁書「…え?」


禁書「キャアアアァァ!!見ないでじょーたろー!馬鹿ぁ!えっちぃ!」

ガッシィィィ!

承「くっ! だったらなんでテメーおれの脚にしがみつきやがる!」

禁書「そ、そんなの決まってるんだよ! 離れたら見えちゃうからだよ!」

承「…うっとおしい! 離れやがれテメーッ!」

禁書「嫌なんだよ! 離れたら見えちゃうんだよ! じょーたろーがせんたくきを手懐けてくれるまで私はここから動かないんだよっ!」

承(くっ…しのごの言ってる場合じゃねえ! とりあえずこいつをスタープラチナでこいつを気絶させる)

ピンポーン!

承(こんなときに来客か。 だが鍵はかかってるっ! 問題ない!)

  ハーミットパープル
?「隠者の紫!」

ガチャリ

承(まさかっ…!? この感覚は!?)

ジョセフ「いると思ったんじゃがのぉ…承太郎おらんのかー? ちと緊急の件でな。 あがらさせてもらうからのぉ~」

承「なん…だと…!?」

承「冗談じゃねぇーぜ! こんな役どころが俺に回ってくるだなんて! こういうのはポルナレフかジジイの役目だろうがっ!」

禁書「ううう…もういったい何がどうなってるのか判らないんだよ!」

承「…珍しく意見があうな。 俺もだ」

承(後数秒でジジイがこの部屋にやってくる…)

承(脚にしがみついてるコイツを気絶させたところで状況は変わらねえ)

承(ホテルの一室で気絶してる素っ裸のガキと一緒のところをジジイに見られるだなんて冗談じゃねーぜっ!)

承(だがシャワールームに行って服を回収する時間は無いっ! 残る手段は一つ!)

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

承「スタープラチナ・ザ・ワールドッ!」

バァ―z_ンッ!

承「……こんなくだらないことで時を止めることになるとはな…」

承「まずはコイツをひっぺがしてと……ホントーにやれやれだぜ…」

ゴソゴソ

承「…これでなんとかなったぜ…二秒止められたのが不幸中の幸いってやつだな」

承「そして…時は動き出す」

ドォ―z_ンッ!

ガチャリ

ジョセフ「おっ? 何じゃ承太郎、おったのなら返事をせんか」

承太郎「…」

禁書「!? あれ? じょーたろーの脚がまるで椅子みたいに固くなっちゃった…って本当に椅子なんだよ?」

ジョセフ「…そのお嬢ちゃんが追われていた娘さんか?」

承太郎「…そうだ」

ジョセフ「…なんでおまえのコートを着ておるんじゃ?」

承太郎「…やむなくだ。 それ以上詮索すんじゃねえジジイ」

禁書「あれ? ほんとだ? なんで私じょーたろーのコート着てるの?」

承太郎「…いいからテメーは黙ってやがれ」

ジョセフ「…ふむ。 何やら…一悶着あったようじゃが触れないようがええようじゃのぉ~」

承太郎「…そのとおりだ。 それで…緊急の件とやらはいったい何の話だ?」

ジョセフ「うむ。 今からおいおい話すわい。 実はそこのお嬢さんの追手やらにとばったり出逢ってな…」


禁書「え? ええ? えええ? もうなにがなんだかさっぱり訳がわからないんだよ?」

うん
書き溜めに発言者名いれたり修正いれたりしてたけどもう切れますた。
一時間くらい書き溜めますんでちょい放置
保守いらんす
落ちたら落ちたで。

ジョセフ「と、まぁ相手の言い分はおおよそこんなもんかの…」

ジョセフ(あのお嬢さんたちが実はこの娘さんと知り合いだっったとゆうことは伏せとるがのぉ…)

禁書「おじーさんやじょーたろーには悪いけど…信じられないんだよ…」

承「…」

禁書「私の持っている10万3000冊の魔道書は…世界を手に入れるのと同価値と言ってもいいほど危ないものなんだよ…」

ジョセフ「…」

禁書「襲ってきた相手の言い分を信じるだなんて…私には無理なんだよ…」

ジョセフ(まぁ…そうじゃろうなぁ~)

ジョセフ「そういえば言い忘れておった…彼等が再び来るのは三日後の午前零時じゃ。 その時までは休戦をしてくれると言ってくれたわい」

承「休戦?」

ジョセフ「うむ。 それまでに娘さんがどうするか、わしらがどうするかを決めなきゃならんってことじゃのぉ~」

承「つまり…泣いても笑っても三日後には全てが決まるってことだな。」

禁書「あと…たった三日…」

承「…そういえば、その追手とやらはどこにいるんだ?」

ジョセフ「今頃は…仗助くんや億泰くんと一緒に杜王町を見学してるんじゃないかのぉ~」

―杜王町―



神裂「気分が悪そうですが…大丈夫ですかステイル?」

ステイル「それは僕のセリフだ。 あんな老人にこちらの事情を打ち明けて…ましてや!」

ステイル「…なんで僕達が彼等と一緒に行動してるんだ?」


仗助(おい億泰よぉ~ なぁ~んかあの長髪クン、おめぇのことを親の敵のような目で睨んでるぜぇ~)ヒソヒソ

億泰(おいおいマジかよぉ~ちっと首を強く締めすぎたんかなぁ~)ヒソヒソ


ステイル「君達! 何か言いたいことがあるなら言ってみたらどうだいっ!」


仗助(どぉーすんだよ億泰ゥ~ あれは相当トサカに来てんぜぇ~)ヒソヒソ

億泰(どぉーしよーもねーだろぉ~…ったく、長髪さえいなきゃぁあのマブイねーちゃんと仲良くお散歩できたってのによぉ~)ヒソヒソ


ステイル「…」イラッ

神裂「…ステイル。 あなたも判っているはずです。 彼等の魔術が私たちとは全くもって異質なものであることを」

ステイル「あ、あぁ。 それは判っているさ…けどどうにも僕は彼等の態度が気に食わないんだよ」

神裂「…ジョセフ・ジョースターは立派な戦士でした。 あの方ならもしかしたら彼女を救うなんらかの手立てを見つけてくれるかもしれません…」

ステイル「…無駄さ。 結局三日後…僕達はあの娘の記憶を殺し尽くしているんだ…」

神裂「…」



仗助「あのォ~ お話中のところ悪いんスけどぉ~ちっといいッスかぁ~?」

神裂「はい、なんでしょう?」

仗助「いや、そっちのステイスさん? でしたっけ?」

ステイル「ステイル! 僕の名前はステイル=マグヌスだ!」

仗助「あ~そうそうステイルさん。 悪いんすけどぉ…煙草やめてもらえないっすかぁ~?」

ステイル「…なんでそんなことを君に指図されなきゃならないんだ?」

億泰「悪ぃんだけどよぉ~俺たち学生でよぉ~杜王町は俺達の地元なんだよなぁ~」

仗助「そうなんスよね~俺達と一緒にいるアンタが煙草吸ってるのを教師かなんかに見られるとちと面倒クサイんすよぉ~」

ステイル「ふん。ニコチンとタールがない世界は地獄だ。 悪いけどそれは無理な相談だね」

億泰「…てめぇよぉ~ こっちが下手に出りゃあいい気になりやがってよぉ~…もっぺん首締められたいのかコラァ?」

ステイル「ふん…だったらどうすると? まさかこんな街中で始める気なのかい?」

神裂「ステイル。 私も彼等の言葉に賛成です。 警察組織と揉めたりするのも厄介ですし、なにより私たちは未成年なのですよ?」

仗助「へぇ~…アンタ未成年なんスね~ 俺ぁてっきり二十歳はラクショーで超えてるのかと思ってましたよぉ~」

億泰「…確かに雰囲気ありすぎだよなぁ~ 未成年には見えねえなぁ~」

神裂「…」

仗助(おい億泰っ! なんだかやけに落ち込んじまったぞっ!)ヒソヒソ

億泰(お、おう! なんだかわかんねぇーがこの重たい空気をどうにかするっきゃねぇーだろ!)

仗助「あ、あーあれだぜ?背も高いしよぉ~スタイルだってグンバツって意味…だよな? 億泰?」

億泰「そ、そうそう! な、なんつーか服装も…プレイボーイのグラビアみたいに大人びてるって意味だぜぇ?」


神裂「…」


ステイル「ククッ…」

神裂「!?…ステイル…あなた…」

ステイル「…いや失礼。 名にし負う聖人がそんな苦虫を噛み潰す表情をするとは思わなくてね…」

神裂「…」


神裂「…ステイル=マグヌス14歳」ボソッ


仗助「……え?」

億泰「……何っ?」

ステイル「なっ!?」
            ・・・・・・・・
仗助「…今よぉ~ブッたまげることを聞いたような気がするんだけどよぉ~」

億泰「あぁ仗助。 俺も確かに聞いたぜ…」
                         ・・・・
仗助「よぉステイルさんよぉ~…オメー歳いくつだ?」

神裂「…彼の名はステイル=マグヌス。14歳です」

ステイル「何をっ!」

仗助「…おい聞いたか億泰」

億泰「…あぁ…スタンドも月までぶっ飛ぶとはまさにこのことだぜ…」

仗助・億泰  「「じゅうよんさいー!?」」

ステイル「くっ…」

仗助「ウプッウププッ…まぁまぁそんなしょげたツラしちゃダメっすよぉ~ステイルくぅ~ん?」ニヤニヤ

億泰「そうだぜぇ~まだまだ若いんだからよぉ~…ププッ」ニヤニヤ

仗助「億泰…何だか俺ァステイルくんと仲良くなれそうな気がしてきたぜぇ~ッ!」ガシィィィ

億泰「あぁ…まったくだな… なぁス・テ・イ・ルくぅ~ん」ガシィィィ

ステイル「や、やめろ! 無理矢理肩を組むんじゃないっ! もたれ掛かるのもだっ! くっ…なんていう屈辱…」

神裂「…ステイル…これは当然の報いです」

仗助「おーっし! 俄然やる気わいてきたぜぇ~! 杜王町名所案内してやっかぁ~! まずはアンジェロ岩からだぜぇ~!」ズルズル

億泰「おい仗助っ!俺はカフェ・ドゥ・マゴで一杯ダベってくほうが先だと思うんだけどなぁ~?」ズルズル

ステイル「やめろっ! 二人してコートを引っ張るな! 別々の方向に行くんじゃないっ!」
               ・・・・・・・
神裂「…よかったですねステイル?」

ステイル「くっ…まさか気にしていただなんて…」

神裂「気にしてなど…いませんよ?」ニコリ


○仗助・億泰・神裂VS●ステイル=マグヌス(スリープラトンによる強制杜王町観光ツアー)

―杜王グランドホテル・昼過ぎ―

禁書「…必要悪の教会の魔術師と一緒に市内を見学?」

承「やれやれ…仗助は何考えてやがるんだか…」

ジョセフ「ほっ、命を賭けて花京院やポルナレフから肉の芽抜いたおまえが言えた義理じゃあるまい…」

承「ふん…冗談じゃねーぜ」

ジョセフ「…さて、静もそろそろ昼寝から目が覚める頃じゃろうしわしは帰るとするかのォ~」

禁書「あの、おじいちゃん…わざわざありがとうなんだよ!」

ジョセフ「気にするこたぁないわい。 それじゃあのぉ~」

禁書「えと…じょーたろー?」

承「なんだ…?」

禁書「あのね、なんだかウヤムヤになってたんだけど…わたしの服、せんたくきに巻き込まれたまんまなんだよ?」

承「…そうだったな。 やれやれだ」

―深夜・屋外―

神裂「今日は散々な目にあいましたね」

ステイル「…半分くらいは君のせいなんだけどね」

神裂「あれは…あなたが笑ったのが悪いのです」

ステイル「まったく…おかしなやつらだよ…」

神裂「…えぇ。 まったくです」
              ・・
ステイル「いや…そういう意味じゃない」

神裂「…彼等が用いた魔術は十字教各宗派、魔術結社、その他あらゆる魔術と比較しても関連性が見当たりません」
                 イノケンティウス
ステイル「そうだろうね…僕の魔女狩りの王を切り裂く魔術なんて聞いたことがない」

神裂「ある意味ではパラケルススの末裔、『元』ローマ正教に所属していた件の錬金術師に近いものは見受けられますが…」

ステイル「それこそ冗談だ。 魔術による要塞どころかルーンの一つも持たぬ彼等がそうだと?」

神裂「…ありえませんね」

ステイル「同感だ。 情報封鎖だとしてもおかしすぎる」

神裂「それは考えても意味が無いことです…そういえばステイル、先の戦闘で不覚をとったそうですが?」

ステイル「彼等を一般人だと侮ったのが敗因だった。 もう間違いは起きないさ。 君のほうこそ…」

神裂「…五体満足での決着に拘るのを止めようと思っています」

ステイル「…そうか」

神裂「…」

ステイル「彼女も楽しそうだ。 見るかい?」

神裂「…遠慮します」

ステイル「彼女はいつだって楽しそうに生きている」

神裂「…複雑な気持ちですか? 彼女の笑顔が向かう先が私達ではないことが」

ステイル「さて…どうなんだろうね」

神裂「陽が昇ってきました…」

ステイル「あと二日か…」

神裂「そう…ですね」

―杜王グランドホテル―

―――ここは…ドコ?
     ネクロノミコン
―――『死霊述書』を禁書目録の完全記憶に投射…完了

―――あなたは…ダレ?
         レメゲトン
―――『ソロモンの小さな鍵』を禁書目録の完全記憶に投射…完了

―――わたしは……


承「おきろっ!」

禁書「ヒャアッ! って……ここは?」

承「昼まで寝てるつもりか? 起きろ」

禁書「……じょーたろー?」

承「…寝ぼけてるなら顔を洗ってこい」

禁書「…」

承「聞いているのか?」

禁書「う、うんっ!」

承(こいつがどう決断するかは知らねーが…それにしても情報が少なすぎるな…)

承(記憶…つまり大脳生理学か? …まったく。 畑違いにも程があるぜ)


禁書「じょーたろー! 顔洗ってきたんだよー?」

承「朝飯なら向こうのテーブルの上だ」

禁書「…じょーたろーは?」

承「俺はまだいい」

禁書「ぶー…じゃあ私も我慢する!」

承「…何故だ?」

禁書「一人より二人でご飯食べたほうが美味しいし、私はここでじょーたろーが調べ物終わるの待ってるんだよ!」

承「…気が変わった。 先に食事をとるか」

禁書「どしたのじょーたろー? 私のことなら気にしなくてもいいんだよ?」

承「…てめーはともかく俺はすぐ横で見られていると気が散るんでな」

禁書「…やったよ! 実はもうおなかペコペコだったんだよ!」

承りさんの専門はヒトデ()だもんなぁ・・・

承(やれやれだぜ…さて…[感覚情報と作業記憶の関連]違うな… [海馬とニューロンの相互連絡の関係性]これも違う…)


禁書「あっ! だめだよじょーたろー! 食事しながら雑誌を見るのはマナー違反なんだよ!」

承「…てめーにマナーを語られるとは思いもしなかったぜ」


禁書「ふぅ…お腹いっぱいごちそうさまなんだよ!」

承「…あぁ」ペラリ

禁書「じょーたろーはまだ調べ物終わらないの?」

承「…あぁ」ペラリ

禁書「ふーん。 じゃあ私がお皿洗ってあげるんだよ!」

承「…あぁ」ペラリ



承「ふぅ…ざっと目を通してみたが…どうやらこいつが一番有力なようだな」

[音楽を使用した脳への影響][大脳開発による人体への影響][人体より微弱に放射される拡散力場による大脳への影響]

承「瑞穂機構病院・大脳生理学研究チームの主任か…」

>>237
ちょっと待ってほしい
彼女がイカ娘だとすれば、海洋生物学でぴったりではないだろうかw

             ___,,,,,..... -一ァ
         / ̄;;;´;;、;;;ヾ;;;, -──--、,!
.        /'´|;;;;,、;;;;;;;;;;/      ,!

.         /:.:.:.レ´:.ヾ;;;;;;i   保  だ ,!
       /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ;i  守  が ,!
.      /:.;.イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..ヽ       ,!
.       /レ' ;|:.:.:.:.:.:.:,:ィ:.:.:.:〉 __,.,!
     /-、ヽ,:|:.:.:,/ /:.:.://.:,:ィ:.:.:.,!

      /'ヽ、ヾi ゙´.:   /__;:;:-'"´ ,;|:.:.:.,!
.    /ゝ-`';:/ .:〈ニ=-=ニ二 ̄ヽレ',!
   /::::;;;;;/  ' ,, ニ`ー-,、__\〉ィ,!

.   /;:::::/ ::.    ::.,,\_ゞ;'> 〈;,!
  /i!:::::iヾ-'、::..       '';~ ,;:'/,!
. /;;;i!fi´l_、,.`        .: ,;:'  ,!
/;;;;;i' ('ー、ヽ      ..: ,;:''   ,!

ヽ、jゝ、`ヾ:、゙、   ,..:'.:'"    .: ,!
   ``ヽ.、_ ¨`  ,:'      (_r:,!
       ``ヽ.、..    ノr;ソ~,!
             ``ヾ、 / 7,!
                 ``ヽ,!

保守

          \ノ⌒ ミ'/____,._,. -‐'/-、

           /_/  .)ニ二二ニニ‐--,.-、- 、,_
 ̄ ̄ ̄\    / /ヽ// ̄~フ;;フ三ミ/,、/ ̄ ̄ ̄
      |   .ヽヽヽ `´  .ノ//三/ //
 保    L._   ) ノ_,.,,,;'/,./ \=!//  で 続
 守   ┌´  /<(;;;i''_,ィ''/    |/   は き
     /    `ヽ/ ._!''´  ノ r'´|   な が
__/      ./  .|:::::.   .(´〉|    い 楽
         ∠,,,,,,,_ ノ     ヽ,ノ|    か し
         .`''‐、ノ       ./  |    : み
          r´‐-、     ./ <_

          l´`~'''`  _,.,  /    //\___
          .フ"''''  /  `ヽ、  // /〉ノ / 川
         ./   /    _`'''''''┴-- 、,ノ_,.-

         し‐''フ´  _,.-‐'´_二--二ニ'/
          `フ _,. =ニ‐''´ ̄      /

―瑞穂機構病院・研究室―

助手「主任ー? 木山主任ー?」

木山「あぁ。 私ならここだ。 精査のデータならそこに置いといてくれないか」

助手「いえ、そうではなくて…木山主任宛に外線からお電話が入っています」

木山「私宛に? 外線から電話? 珍しいな。」

助手「空条様と仰ってましたが… お断りしますか?」

木山「空…条? 最近どこかで見たような… あぁ断らなくてもいい、出よう」



木山『お待たせした。 私が木山だ』

承『空条承太郎という。 突然の電話ですまないが、幾つか聞きたいことがあって電話をさせてもらった』

木山『それはまぁ別に構わないが…その前に聞いてもいいか?』

承『なんだ?』

木山『空条承太郎…人違いだったらすまない。 つい先日、論文で博士号を取得した空条承太郎か?』

承『…そのとおりだが、何故それを知っている? 俺とあんたの研究分野は随分と違っているはずだが?』

木山『なに、趣味のようなものでね。 生物・医療関係の論文にはひととおり目を通すようにしているんだ』 

木山『海洋生物の中でも極めて高い再生能力をもつヒトデ。 それを医療に活用できる可能性を提示した君の論文はとても興味深かった』

木山『特に低用量性のショックを和らげる物質をヒトデから精製するといったくだりは特に…』

承『話の途中で悪いが先にこちらの話をすませたいのだが』

木山『アレ? …あーすまない。 脱線してしまったな…いったい私にどんな用で連絡を?』

承『幼少期から継続的に大脳皮質に蓄積された記憶に関することだ…』

承『…と、まぁこういうわけだ。 ふざけているように聞こえるかもしれないが、専門家の意見を聞きたくてな』

木山『ふむ、だいたいの事情は理解した。 個人的な意見を言わせてもらう』

承『頼む』

木山『まず…脳が忘却という機構を失う、つまり完全記憶という状況になったとして』

木山『人間の脳の容量はそれら全てを簡単に収めることができるほど巨大だ』

木山『大脳辺縁系や脳幹にまで記憶を埋めこむようなことも不可能だ。 よって記憶を削るといった処置は通常考えられない』
         ・・
承『…待て、通常だと?』
            ・・
木山『ああ、これは常人に限っての話だ』

承『どういうことだ?』

木山『君の話に出てきた子供は悪意に満ちた記憶を多数保持した完全記憶能力者だったな』

承『あぁ』

木山『その場合に限って言えばだが…記憶、特にエピソード記憶を意図的に削るといった処置は乱暴だが人道的であるともいえる』

承『…詳しく頼む』

木山『あー…これはあくまでも私の推測の域を出ないのだが』

承『構わない』


木山『まず…完全記憶能力とは逆に言えば忘却をすることができないということでもある』

承『確かにそうだろうな』

木山『それはある意味で致命的な欠陥とも言えるのだ』

承『どういうことだ?』

木山『人間の精神は脆いからだ。 幼いうちから悪意に満ちた記憶を大量に刷り込まれているのならば程度の差はあれど人格が崩壊していてもおかしくない』

承『…そこまで酷い状況には見えないぜ』

木山『その子供が今そういった状況にあるのも記憶を意図的に削ったからなのではないか私は推測する』

承『…』

木山『元来、記憶というものは感覚記憶から短期記憶、短期記憶から長期記憶へと順に転送され格納されていく』

木山『この三つの記憶モデルの中でも脳波に大きく影響を与えるのは感覚記憶と短期記憶の二つだ』

承『…感情や五感、感情といったメンタルな部分か?』

木山『そのとおりだ。 刺激が高い情報を強制的に記憶に刷り込んでいけば精神は摩耗していく。 それを放置していれば思考能力の閉鎖や自我の崩壊につながっていただろう』

承『大量に流入してきた情報による精神の摩耗を防ぐために定期的に記憶を消去していたと?』

木山『そうだ。 記憶を消すことによって精神の安定を保っていたという可能性もあるということだ』

承『…なるほどな』

木山『以上、ここまでが私の推測だ。 あくまでも仮定の話だということを忘れないでくれ』

承『いや、充分だ。 おかげでどうすればいいのかの目星がついた』

承『長々とすまなかったな。 あんたに意見を聞いたのは正解だったようだ』

木山『礼はいらない。 私もここまで他人と長話をしたのも久しぶりだ。 いいリハビリになった。 あ、そういえば』

承『なんだ?』

木山『ひとつ聞き忘れたことがあった…子供は好きか?』

承『……嫌いだな。 騒がしいしうっとおしい。 まったくいい迷惑だ』

木山『根拠もなく人を信用するところも…か?』

承『……あぁ…そうだな』

木山『フフ…同感だ』

承『…この件が片付き次第また連絡をさせてもらう』

木山『あぁ。 楽しみにしているよ』

                _......  -----  ......._
               /                ヽ
                  |`ー- ........____......... -‐'"{
                 |             l     |
                |              {.    |
                |            ::|   |
               | |           ::::l    .::|
              | |            |/ ::::|》
               /| |           _,!... -‐''" !     / ̄ ̄ヽ
              ゞ'" ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\)    ,,;;|   ( さっ! |
              |           ┌┼〒7=  |     ヽ  __ノ
                 |          :::ヽ 7_「/ _,.ィ彡,    `y′
               |        :::::::::>=''" 彡彡   ノ
              |\__......--―''"     ! 彡ミ
             r‐|ミリ(ニ::‐--‐ヽ 〃---‐::ニ) ミ='、       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `ヽ
              |,ヘ|′ <'kツ'>"  "<''kツ> `!;イ.|         | 保守を       |
             |((:::::::.    " ..:::.. `     .::::::))|      ノ 続けましょうか |
             ヽ、,!:::      ,!  ::     :::!,ン   -=ニ、  ………    ノ
               _,|、       \/     ::/、       `ー―――――''"
              _,.〈〈| \.  `ー---―'`  / |>ト、_
         _...-///|:: \ \  `'''''''''" / / :|、ヽ `‐-、__
     _...-''" _..-''"/ /| |::   \ \______/ / :::::|. ヽヽ‐-、__ `‐-、__
 ̄フ'''" _...-''"   / / | |:    `-.、  ,...-''"  :::::::|. ト、`、  `‐-、__ `ー=ニ ̄ ̄ヽ
/-‐'"      / / /! |、.       l !     :::::::/l l...ヘ V      `‐-、_ヽ.   `、
     /     / / (,. | l ヽ、     V       // ./  ヘ `、\           |.    |
     !   / /     V'\ `‐、__   __,,,..-''" /i/   ヽヽ__,        |.    |
ヽ    ヽ. 〈7 /~ ̄ ̄ ̄\ \ _二ニニニ"/ / ̄ ̄ ̄~~ヽヽ  |       |     |
 `ー:-┐  / /lニ'''ニl     \厂______\/        ヽヾコ.|.        |    |
   _/  ./.∧ Ll       ヽ/_  \___ >‐'''"      ヽヽ. | ___      /     .|
  /    / / ハ          ,X__ .ニ二イ          .ヽヽ|   )   /    .|

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/

| 保守していて     /
| 夜 目を醒ますと  /           ___
| 続きがスレにない /     . 一´ ̄     ̄`・ 、
|_________/    .・´            ヽ
                (                  )
                ヽ.___ノノノイ人___ノ

               // 彡  一    ー  ミ
              (  ( (6  <○)   (○> 9)
              ノ ヽ \ |    。⌒。   |          //
             イ 人 \ \   ┌-┐  ノ      //
           / λ   ヽ   ` 、/)_ ̄__ノ ̄`,    //
          ζ (     ヾ  \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Uι)//
                             ̄- //
                             //

         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
        / 1~2歳の子供にとってそれはどんな恐怖と絶望 |
        /  なのだろう … … ジョルノは暗闇の中で泣いても |
       /  無駄なのでただひたすら保守していただけだった |
      /_______________________|

―カフェ・ドゥ・マゴ―


億泰「そういや仗助よォ…おめぇのクレイジーダイヤモンドってよォ~…何でも治せるんだったよなァ~?」

仗助「何だよいきなりよぉ~」

億泰「いいから答えてくれよぉ~ けっこう重要なんだぜこいつはよぉ~」

仗助「何でも…じゃねえな。死んでるもんや病気は治せねぇ。 あとテメーのザ・ハンドに削られたもんも無理だなぁ…」

仗助「っていうかよぉ~…いったい何の話してぇーんだよ?」

億泰「昨日よぉ、俺、ステイルくんとやりあったろ?」

仗助「…あれなら昨日オレが治してやったじゃねーか」

億泰「それがよぉ…なぁ~んか俺の眉毛がチョッピリ薄くなった気がしてたまんねェんだよなぁ~」

仗助「…どこだよ?」

億泰「ほれココだよココ! 右の眉毛の端っこが昨日と比べて1ミリくらい短くなってんだろぉ~?」

仗助「……あー悪ぃんだけどよぉ~億泰。 オレにゃあ何処どう変わったのか全っ然わかんねぇぜ?」

億泰「あれぇ? 短くなってねぇ? てっきり焦げちまったせいで短くなったと思ったんだけどよぉ~」イジイジ

仗助「…気のせいじゃねぇーか?」

仗助「!」

?「ここ…空いていますか?」

仗助「……あぁ」

億泰「まぁ~そうなんだけどよぉ…やーっぱ1ミリくらい短くなってるような気がするんだよなぁ~」イジイジ

ステイル「ふん…もともと針金みたいな細い眉毛じゃないか」

億泰「おいおい、これでもよぉ~毎日しっかり手入れしてんだぜぇ~?」イジイジ

神裂「自分の顔に責任を持つというその心がけ、立派です」

億泰「やっぱビシッときめときかねーといつどこで惚れられるかわかんねぇーしなぁ~」イジイジ

億泰「ま、さすがに康一の女みてぇーなブッ飛んだ系はごめんだけどよぉ~」イジイジ

億泰「…」イジイジ

ステイル「…」

神裂「…」

仗助「…」

億泰「……!?」

億泰「アッ! てめーらは! っていうか何勝手に座ってやがんだオイ!」

ステイル「や。 昨日は世話になったね」

神裂「一日ぶりですね。 東方仗助、虹村億泰」

億泰「まさかこの俺が気づきもしねえとは思いもしなかったぜ! いったい何しやがった!」

仗助「…オメーが眉いじくりながら1ミリがどうこうってあたりで普通に座ってたけどな」

億泰「……マジ?」

仗助「マジもマジ、大マジだぜ億泰」

仗助「ところでよぉ…何のようだおめ~ら? まさか…まーた喧嘩売りにきたって訳じゃねーよなぁ?」

仗助「もし今ここで騒ぎを起こすつもりだったりしたら…さすがの仗助さんも許さねえぜぇ~?」

神裂「…当たらずとも遠からずといったところです」

仗助「…どういうことだ?」

億泰「あぁ? やるのかやんねーのかどっちだコラァ!」

ステイル「まだ話は終わっていないんだ。 最後まで聞きなよ」

仗助「落ち着けよ億泰。 話くらい聞いてやろーじゃねぇか」

億泰「…ちっ」

神裂「ジョセフ・ジョースターから聞いているかもしれませんが…空条承太郎が匿っている少女はこのままだと明日…死亡します」

仗助「…」

億泰「…」

神裂「私たちには彼女を救う手段があります」 
                                      ・ ・ ・ ・ ・
神裂「…そして私たちはどのような障害があったとしても彼女を保護し救うつもりです」

仗助「なぁ…もしもよぉ…もしもの話だけどよぉ…そいつがおめーらの助けを嫌がったとしたらよぉ…どうするつもりなんだ?」

ステイル「どんな道筋を辿ろうが…結末は変わらないさ」

神裂「私たちが彼女を救うこと、それに彼女の意思は関係ありません。」

億泰「…」

神裂「もう…彼女の憎しみがこもった視線にも慣れています」

神裂「今までもずっとそうやって彼女の記憶を殺してきたのですから…」

仗助・億泰「…」

ステイル「もしその時、君達が僕らの前に立ち塞がるなら容赦はしない」

ステイル「…この街を焼き尽くしてでも彼女を救うつもりだ」

神裂「…私達の話は以上です。 …それでは」

仗助・億泰「…」

億泰「なぁ仗助…」

仗助「…なんだ?」

億泰「ヤツラの目ぇ見たかよ…」
                 ・ ・ ・ ・ ・ ・
仗助「…あぁ。なんつーか…決意と覚悟を背負ってやがった… ありゃ杜王町を焼き尽くすってのも嘘じゃねえぜ…」

億泰「けど…けどよぉ…おかしくねぇか?」

仗助「…」
        ・ ・ ・ ・
億泰「なんでワザワザそんなことを言いにきやがったんだ?」

億泰「俺にはよぉ…まるで何とかしてくれって言いに来たようにしか見えねえぜ…」

仗助「とりあえずは承太郎さんのとこに行くっきゃねぇー…」

億泰「で、でもよぉ…その後はよぉ…どぉーすんだよ仗助~?」


仗助「さぁな……けど、こいつは思ってた以上にヘビーでグレートな事態になりそうだぜ」

―杜王グランドホテル―


―――いやだよ…

―――忘れたくないよ…

―――わたし忘れないよ…

―――「   」も「    」もぜったい…

―――ぜったい忘れないから!



承「…」

禁書「………じょーたろー?」

承「目が覚めたか」

禁書「…あ、あれ? …そうだ、私お皿を洗って…」

承「俺が様子を見に行ったときはもうブッ倒れてたぜ」

禁書「なんでかな? …でも大丈夫だよ? …ちょっと目眩がしただけだし…」

禁書「…きっとあれだよ? ジビョウノシャックリ?ってやつ?」

承「持病の癪はしゃっくりじゃない。 胃痙攣だ」

禁書「…あれ? …そうなの?」

承「ああ」

禁書「…じょーたろーって物知りなんだね」

承「…」

禁書「あ、そうだ…お皿洗いの続き…」

承「またブッ倒れられたりしたら迷惑だ。 黙って寝てな」

禁書「…うん」

禁書「ね…じょーたろー?」

承「なんだ?」

禁書「もしかして…心配してくれてたりする?」

承「……どうだかな」

禁書「…」

禁書「……」

承「…何をじっと見ていやがる」

禁書「えへへ…看病されるのって…なんだか恥ずかしいね…」

承「そうか」

禁書「…うん …ね、じょーたろー?

承「なんだ」

禁書「……じょーたろーは…やっぱり…」



承「……意識を失ったか」


承(体温は正常だが呼吸が異常に荒い。 そして顔面にヒビのような模様が浮き出てきている)

承(残り時間はもう僅かということか)

―杜王グランドホテル―


仗助「承太郎さんっ! 大変ッスよ!」

承「仗助か…どうやらそっちにも何かあったようだな」

億泰「つーことは…」

承「こっちは昏睡状態といったところだな。 容態が急速に悪化してきている」

仗助「ど、ど、どーすんっスか!?」

承「期限は明日の零時だったな…」

仗助「何落ち付いてんスかっ! やつら杜王町を焼き尽くしてでも連れて行くって言ってたんスよぉ~!」

承「アタフタ慌ててるんじゃねーぜ仗助」

仗助「こ、この状況で慌てるなって言われてもよぉ~…」

億泰「…あ~承太郎さん、ちっといいすッか?」

承「なんだ億泰?」

億泰「素朴な疑問ってヤツなんすけど…なんで仗助のクレイジーダイヤモンドを試さないのかオレにゃあ判んないっすよぉ…」

承「危険性が高い。 もし成功したらどうなるか想像がつかないからだ」
                       ・ ・
億泰「へっ? 失敗するかもじゃなくて成功したら危険?」

承「そうだ。 失った記憶をクレイジーダイヤモンドが治せるとは考えにくい」
      ・ ・ ・
承「だが…もしも治ったならば…治った瞬間に廃人になる可能性がある」

仗助「そ、それじゃあやっぱり素直に引き渡したほうが…」

承「確かに引き渡せば今は生き延びることが出来るだろう」

承「だがこれからもこいつは一年間という周期で記憶を消され続けていく一生を送ることになる」

仗助「ヘビーな話だぜ…」

億泰「…こいつぁ無理っすよ承太郎さん…いったいオレらに何が出来るっつーんすか…」

―同日 杜王町・ベビーショップFAMILY CLUB前―


静「アブアブキャッキャッ」

ジョセフ「ふむ、粉ミルクはこんくらいあれば足りるかのぉ。…おや? あそこにおるのは…」

神裂「あ…」

ジョセフ「こりゃまた偶然じゃのぉ~」

神裂「ジョセフ老…お買い物ですか?」

ジョセフ「うむ。 静の粉ミルクや紙オムツを買い足しに来たんじゃよ」

神裂「静さん…こちらのお子さんのお名前ですか?」

ジョセフ「そうじゃよ。 カワイイじゃろ~? きっと将来は美人さんになるとわしは思っとるんじゃがのぉ~」

神裂「…サ、サングラスがよく似合っていますね」

ジョセフ「そうじゃろそうじゃろ?」 

ジョセフ「……話は変わるが…仗助たちから聞いたぞい」

神裂「…そうですか」

神裂「ならば私から言うことはもう何もありません」

ジョセフ「…」

ジョセフ「これ、ちょいと余計なことかもしれんがのォ~」

神裂「…なんでしょう?」

ジョセフ「人から好かれるとか嫌われるっていうのは…ほんの微妙な気の持ち方からじゃと思うんじゃ」

神裂「…」

ジョセフ「おまえさんたちはあの娘さんが嫌いなわけじゃあないんじゃよなぁ~?」

神裂「そんなことっ!」

ジョセフ「じゃったら…あの娘さんに何遍忘れられて、何遍嫌われても…」

神裂「…」

ジョセフ「そのたびに仲良くするってことは無理なんかのォ~?」

神裂「そ、それは…」

ジョセフ「余計なことだったかの~? なんかのアドバイスになればと思ったんじゃがのぉ…」

神裂「…」

静「アギャアギャ!」

ジョセフ「とと、お昼のミルクがまだじゃったわい。 わしはそろそろ行くがお嬢さんはどうするんじゃ?」

神裂「私はまだ…もう少しここにいます」

ジョセフ「そっか…それじゃあここでお別れじゃの」

ジョセフ「………そうそう言い忘れとったわい」

神裂「…なんでしょうか?」

ジョセフ「お嬢さんは何のためにあの力を手にしたんじゃ?」

神裂「…………」

―杜王グランドホテル―

承「――そうか――俺たちはホテルにいる――仗助と億泰も一緒だ」

承「――あぁ。 そうだ――SPW財団を通して買い取って欲しいものがある」

承「頼むぜ――それが終わり次第こっちに合流を頼む」

承「――――そうだジジイにも頼みたいことがある――あぁ――それじゃあな」

仗助「承太郎さん…今の電話の相手って…」

承「ジジイだ」

億泰「い、いったい何がどうなってるんすかぁ!?」

承「それはこれから説明する。 だがそれより先に場所を移動する」

仗助「場所?」

億泰「移動?」

承「あぁ。 万一のことも考えておかなきゃな」

―同日深夜 杜王町内―


ステイル「どうしたんだい? 随分と落ち込んでいるようだけど」

神裂「…そんなことはありません」

ステイル「そうかな? 世界で20人しかいない聖人とは思えない顔をしているけど」

神裂「私のことは構わないでください。 それより動きに変化はありましたか?」

ステイル「それも変わりはない。 今も杜王ホテル内にいるよ」

ステイル「…だいぶ症状が進行しているようだ。 何なら今から行くかい?」

神裂「…明日が最後です。 …別れの時間は必要でしょう」

ステイル「…」

神裂「それよりステイル。 あなたの準備は終わっているのですか?」

ステイル「もちろんだ。 既に杜王町の半分に結界を刻んだ」

ステイル「明日の午前中には杜王町全域にルーンを刻めるさ。 もう不覚はとらない」

神裂「…そうですか」

ステイル「さて…僕達三人が帰投するための連絡をしておくよ」

神裂「お願いします」

ステイル「…君もそろそろ電子機器の扱い方を学んでおくべきだと思うんだけどね

神裂「どうにも機械は苦手で…」

ステイル「君も変わらないね… ん? なんだ?」

神裂「どうしたのですか?」

ステイル「…おかしい。 雑音だらけで通じない」

神裂「よく判りませんが…電波とかそういった類のトラブルではないのですか?」
                 ネセサリウス           ・ ・ ・ ・
ステイル「有り得ない… これは必要悪の教会が作成した専用端末なんだぞっ!」

神裂「これは…声?」
               ・ ・
ステイル「あぁ…ノイズが…言葉になっている?」

ガ…ガガガッ

――「彼女」  「ヲ」  「救える」    「手段」  「GA」 「アル」――

――「明日」 「杜王岬」 「ノ」   「別荘」 「にて」  「待つ」――

ガッ・・・


ステイル「…切れた」

神裂「彼女を救える手段がある。 明日杜王岬の別荘にて待つ と、聞こえましたが…」

ステイル「いったいどうやってこの回線に割り込んだのかは知らないけど…間違いなく彼等だろうね」

ステイル「まったく…驚くのにも疲れたよ」

神裂「…どうするつもりですか?」

ステイル「とりあえずは…行くしかないだろう」

神裂「…彼等を信じるのですか?」

ステイル「別に信じるわけじゃないさ…術式を組み上げるのはどこでだって可能だ」

ステイル「それより君…自分で気付いているのかい?」

神裂「なんですか?」

ステイル「さっきと比べて…随分と顔色がよくなっているよ?」

―最終日 杜王岬沿い・別荘、玄関前―


億泰「なぁ…仗助ェ~ 承太郎さんを信用してないわけじゃあねえけどよぉ~ これでうまくいくのかなァ~~~?」

仗助「オレは科学とかさっぱりだかんなァ~」

億泰「おっ。 アレ…そうじゃねえか?」

仗助「だな…承太郎さーんっ! 来たッスよぉ~」



―最終日 杜王岬沿い・別荘内―


承「空条承太郎だ」

神裂「私は神裂火織と申します…彼はステイル=マグヌス」

ステイル「彼女は…インデックスはこの奥にいるのか?

承「あぁ」

承「それよりもだ。 確認したいことがある」 

承「こちらの呼出に応じたということは妨害をするつもりはないと受け止めるが構わないな?」

神裂「…ええ」

ステイル「神裂!?」

神裂「ステイルも気付いているのでしょう?…彼がインデックスの害になることはしないということを」

ステイル「くっ……」

ステイル「だけど…君達の「救える手段」とやらが失敗に終わり次第、僕達は彼女の記憶を消去する」

ステイル「その時は術式を組み上げるために隣の部屋を借りさせてもらうよ」

ステイル「もし…その時君達が僕らの邪魔をするようなら…その時は…」

承「好きにしな」


神裂「ステイルが30のルーンを用いても手の施しようがなかった彼女に何をするのか…」

神裂「どうか素敵な悪足掻きを私達に見せてください」



露伴「ふーん。 これが10万3000冊の魔道書を記憶したとかいう子供か…」


承「あぁ。 アンタならこのガキの頭の中を書き換えられると思ってな」

露伴「いいとも。 正直なところ魔道書なんていうのはマユツバものだけど、おもしろそうな資料が見れるということに代わりはないんだしね」

神裂「…いったいなにをするつもりなのですか?」

露伴「フン…僕のスタンドは対象者を本にすることができる」

神裂「…本?」

露伴「そして本になった相手を思うとおりに制御することが可能なのさ」
                   ・ ・
ステイル「馬鹿なっ! そんなことあの『聖母の慈悲』ですら不可能だっ!」
            ・ ・ ・
露伴「うるさいなぁ…黙ってろよ」

ステイル「なっ!?」


露伴「さてと…始めるとしようか」


   ヘブンズ・ドアーッ!
露伴「天国への扉!」


ドギャーンッ!


露伴「なになに…名前はインデックス。 身長148センチ、年齢は…白紙か」

ペラリ

露伴「不自然な白紙のページが多い… どうやら記憶の消去っていうのは本当のようだね」

ペラリ

露伴「えーと…好物はプリン。 犬か猫かでいえばどちらかというと猫派… 気になる男性は…」

ペラリ

承「待ちなっ! そんなところは関係無いはずだぜ」

露伴「わかったわかった そう怒るなよなぁ~」



露伴「…これか」

ペラリ

露伴「ふん…随分と大袈裟だな」


┏━━━━━━━警告━━━━━━━┓
┃ これより先の閲覧と改変を禁ずる  ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━┛


露伴「閲覧と改変を禁ずる…か。 本人の意思を無視したこの言葉…気に食わないね 」


神裂「まさかっ…成功したのですか?」

ステイル「ありえないっ…結界どころか魔術すら使わずに禁書目録の書庫にアクセスだとっ!?」

承「で、どうなんだ?」

露伴「えーと」

ペラリ

露伴「…あったあった。 これだね」


━典礼暦一巡毎に結界を更新 尚違反した場合、生命活動は停止━


露伴「典礼暦…教会の人間が使う一年間の単位か」

承「そうか…ひとつ聞きたいんだが」

露伴「何だい?

承「こいつの記憶に関する記述はあるか?」

露伴「見当たらないね」

承「やはりな」

ステイル「何だって!? どういうことだ」

神裂「インデックスは後数時間で記憶を消さなければ死に至ると…」

ステイル「記憶を殺さなければ彼女が死んでしまう…だからっ! だから僕達は今までずっと彼女をっ!」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
神裂「彼女は記憶を殺さなくても生きていける…!?」

ステイル「そんな…だったら僕達は何をしてきたっていうんだっ!」

神裂「彼女の苦痛を取り除くためだと…そう思っていたのに…」


承「…俺は魔術だなんだってことは判らないが…」

承「少なくともテメーらがやってきたことは無駄足ではない」

ステイル「気休めは…やめてくれ…」

承「ガキの時分にうけた大きなショックを放っておけば…後の人格に多大な影響を与える」

承「記憶を消したからコイツは今まで狂わずにすんだ」

神裂「どういうことですか…?」

承「簡単に言えばだ。 今までは記憶を消さなければ生きていけなかった。 必要悪の処置ってやつだな」

承「だが今は違う。 わざわざコイツの記憶を消す必要がないということだ」

神裂・ステイル「……」


承「…さてと、どうするんだ?」

ステイル「…頼む」

ステイル「彼女を…その制約から解き放ってくれ」

神裂「ステイル…」

ステイル「別に…彼の口車に乗せられたわけじゃない」

ステイル「けれど…それで彼女がこれからも笑ってくれるならば…僕はっ!」

神裂「…そう…ですね」

神裂「私からもお願いします。 彼女をインデックスを…繰り返す一年間という日々から救ってください」

露伴「…」

神裂「…あの?」

露伴「…あぁすまない。 苦渋を乗り越えて決断した表情が素晴らしくてね」

ステイル「……」

露伴「後で君達にも色々と話を聞かせてもらうことにするかな」



承「……やれやれだぜ」

ステイル「だが…記憶を閲覧するだけならともかく…」

神裂「本当にそんなことが出来るのですか?」

露伴「フンッ…誰にモノを言ってるんだい?」


露伴「こうやって!」

ズバァッ

露伴「否定の言葉を書き換えればいいだけなんだからな」

ビシュゥッ!


━典礼暦一巡毎に結界を更新 『する必要はなし』 尚違反した場合 『でも』、生命活動は停止 『しない』━


露伴「これで終わりさ!」

ペラリ

露伴「……ん?これは?」

露伴「ふーん。これが魔道書ね…えーとこれは…ルルイエ異本原典か」

ペラリ

神裂「まさか!? 魔道書に目を通しているのですかっ!?」

ステイル「無茶なっ! 常人ならばたった1冊の魔道書を目にしただけで発狂するんだぞっ!」

露伴「ポナペ経典原典…」

ペラリ

露伴「こっちは…ヴォイニッチ写本原典」

ペラリ


露伴「…これはっ! 面白いっ! 面白いぞぉ!!!」


承「!? おい露伴っ! すぐに読むのを止めろっ!」

仗助「な、何だァ~!? 露伴の全身から血が吹き出してきやがった!」
                       ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
億泰「おい仗助! これってよぉ~!もしかしなくてもマズイ事態ってヤツなんじゃねーかぁ~!?」

ペラリ…ペラリ…ペ゚ラリペラリ…

露伴「実にいいっ! 気に入ったぞ! もっと…もっとだっ!!!」

ドクン

露伴「!?」

露伴「ぐ…ガハァッ…」

ビチャビチャビチャアッ

ステイル「まずいっ! どす黒い血…既に内蔵まで蝕まれてるっ! やめろっ! 死ぬぞっ!」

露伴「クク…ククク…こんな書物があるだなんてね…なるほど…これが魔道書の毒か……」

神裂「今ならまだ間に合うっ! すぐにやめなさいっ! もう限界ですっ!」


露伴「…だが断るっ!!」

神裂・ステイル「!?」


露伴「面白いマンガを描くためならばっ! 僕は死すら厭わないっ!」


露伴「なにより…っ! この岸辺露伴の限界を勝手に推し量ろうとするなぁっ!!」

【警告】 【警告】 【警告】 【警告】 【警告】 【警告】
 【警告】 【警告】 【警告】 【警告】 【警告】 【警告】
【警告】 【警告】 【警告】 【警告】 【警告】 【警告】


禁書 「《Index-Librorum-Prohibitorum-『禁書目録』ノ首輪ニ異常ヲ確認》」

禁書 「《第一級異常事態ト判断 自動書記『ヨハネのペン』ニヨリ覚醒メマス》」



露伴「なっ…なにぃっ…!? 」

承「おいっ! なにが起きた?」

露伴「ヘブンズ・ドアーが…強制的に…終了…させられた…」

承「露伴っ! くっ、気を失ったか…」


神裂「自動書記…『ヨハネのペン』…」

ステイル「まさか…彼女に魔術が使えるはずはない」

承「仗助っ! 億泰っ! 露伴が気を失った! 巻き込まれないよう避難させてやってくれ!」

仗助「え? あ、はいッス! 行くぜ億泰っ!」

億泰「お、おうっ!」

禁書「《第一層カラ第三層マデノ全結界ノ改竄ヲ確認》」

禁書「《対象魔術ノ術式ヲ逆算開始…逆算失敗 再度逆算開始…失敗》」

禁書「《結界修復魔術『大天使の羽根』ヲ開始シマス》」

禁書「《結界ノ修復…不可 不可 不可 不可》」


承「こいつ…どうなってやがる…」

神裂「危険です! 下がってください! これは…彼女に埋め込まれていた防衛機能だと思われます」

承「防衛機能?」

ステイル「そうだ。 僕達は今まで彼女に魔力はないと思っていた。 だから彼女は魔術が使えないんだと」

ステイル「だけどもし…防衛機能というたったひとつの魔術に全容量の魔力を注ぎ込んでいたってことか」

神裂「今、目の前で魔力を用い魔術を行使している彼女がいるのです。 おそらくその推測で正解でしょう」

仗助「承太郎さんッ! 露伴のヤローは安全な場所に置いてきたッスよ!!」

億泰「つーかこれ一体どうなってんスかぁ~?」

承「さてな…俺にも判らん」


禁書「《警告シマス》」

禁書「《ワタシハ英国清教内第零聖堂区「必要悪ノ教会」所属ノ魔道図書館》」

禁書「《Dedicatus545 正式名称Index-Librorum-Prohibitorumデス》」

禁書「《当該結界ノ改竄ハ第三章第三節ニ抵触シタ事態ト判断》

禁書「《コレヨリ10万3000冊ノ『書庫』保護ノ為》」

禁書「《迎撃戦闘ヲ開始シマス》」



承「……やれやれだ」


ゆらりと。 幽鬼のように立ちあがった少女。

その瞳には何も映らず。 ただただ虚無が広がっていた。


禁書「 《防衛魔術『聖ジョージの聖域』ヲ発動シマス》 」


小さく紡がれた言葉と同時に。空間が。 裂けた。

それは彼岸と此岸の境目。 幽界の領域。

漏れ出てくる瘴気がじわりと空間を侵蝕していく。

                           ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
仗助「スタンド攻撃かっ…!? 違ぇ…こんなおぞましいモンがスタンドなわきゃあねぇっ!」
                        ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
億泰「お、おい! やべーぜ仗助ッ! 何だかわかんねーがとにかくヤベエッ!!」


空間の亀裂の裡にあるものを直視してしまった仗助と億泰。

承「ッ!! 仗助ッ! 億泰ッ!」

自動防衛機構として稼働している少女に、棒立ちの人間を撃ちぬくことに対しての躊躇いなどある筈もなく。

立ち尽くしてしまった仗助と億泰の2人に無数の光弾が襲いかかっていく。


億泰「な、なんだぁっ~~!?」

承「スタンドだ! スタンドを出して身を守れっ!」
         ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
仗助「ダメだっ!! スタンドがっ!! 間に合わねえっ!!!」


驚愕。 恐怖。 寒気。

それは僅かな…ほんの僅かな逡巡だった。

しかしそれは致命的なタイミング。

守ることも避けることも間に合わなかった仗助と億泰が閃光に包まれる。


承「な、なんだとっ!? 仗助ッ! 億泰ッ!」


声を荒げる承太郎。 だが巻き起こった白煙により彼等の姿を確認することができない。

そして…ゆっくりと白煙がひいていく。

そこには…真紅に燃え盛った炎を見に纏う巨人が立っていた。


ステイル「フン。 何をぼんやりしているんだい?」

仗助「な、何が起こりやがった?」

億泰「こ、こいつはっっ!!」


自分たちを守るように両手を広げ、その身に無数の光弾を受け止めた巨人。

その身体からはブスブスとした黒煙がたちのぼり、身体の至る所が欠けていた。


ステイル「…さすがは聖ジョージの聖域だね。 瞬間的な火力では太刀打ちできそうにないよ」

その言葉と共に、崩れていく炎の巨人。


億泰「テメーまさかッ!! 俺達を庇って!?」


ステイル「…勘違いしないでくれ。 別に君達を守ろうとしたわけじゃないさ」

ステイル「ただ…インデックスを救うためには頭数が必要だと思ってね」


億泰「けどよぉ…こんなになっちまったら…」

そう呟いた億泰の先にあるのは重油のような黒くドロドロした巨人の名残。

もはや戦闘など続けられそうにない。

だが、そんな億泰の不安そうな問に返ってきたのはからかいの調子が混じった声だった。

ステイル「確かに…あれじゃもう動くことも出来そうにないね」

億泰「…すまねえ」

ステイル「おや? まさかこの僕を心配してくれているのかい?」

億泰「テメー! 人が優しく言ってやりゃあ調子に乗りやがってっ!!!」

そう言って詰め寄ろうとする億泰。

だがその動きを止めたのはステイルの決意がこもった眼光だった。

ステイル「大丈夫さ」

ステイル「なにしろ僕は…彼女を守るためだけにルーンを刻み続けていたんだ」

目前に立つは彼が守ると誓った少女。

ステイル「ずっと待っていたんだ」

守るため。 そのために自らの手で記憶を殺し続けてきた。 憎まれてきた。 

ステイル「諦められるわけないじゃないか」

だが、いま目の前に見えるのは違った結末の可能性。

ステイル「今…手を伸ばせば届くのかもしれないんだからね」


―それは魔術師と魔女の存在を激しく糾弾した偉人の名

        IINF     IIMS
ステイル「その名は炎、その役は剣」

―異教徒を糾弾し殲滅し駆逐しつくしてきた恐るべき聖人の名

   ICR MMB GP
「我が身を喰らいて力と為せ」

―炎髪の少年がその崇高な存在の名を叫ぶ

              イノケンティウス!
ステイル「顕現せよ! 魔女狩りの王!」


爆炎と共に再び立ち上がる炎の巨人が魔道図書館の昏い瞳に映る。


禁書「 《新タナ敵兵ヲ確認 攻撃目標ヲ切リ替エマス》 」


その言葉と共に放たれた光弾が今度は炎の巨人に吸い込まれ、破裂していく。

ステイル「まだだっ! 僕のイノケンティウスはまだ耐えられるっ!!」

超速再生により欠けていく手足を瞬時に回復させながらステイルが吠える。

その場から動こうとせず、ただただ攻撃を受け止めるだけの若き魔術師。

彼の狙いをいち早く見抜いたのは当然ながらもう一人の魔術師だった。

神裂「ステイル…まさか貴方っ!」

ステイル「そうだっ! 彼女の全魔力を注ぎ込んだこの魔術! これさえ壊すことが出来ればっ!」

神裂「…わかりました。 今加勢します!」

そう言って腰を沈めた神裂に承太郎の静止の声がとんだ。

承「待ちな。 そっちだけで話を進められちゃあ困る。 俺たちにもきっちり説明をしてくれ」

神裂「…わかりました。 一刻を争うので大まかに話します」

神裂「彼女は今、全魔力を持って防衛魔術を行使しています」

神裂「彼女の魔術を破壊、もしくは魔力を枯渇させることができれば自動書記も沈黙せざるを得ません」

神裂「ステイルは放出されている魔力の光弾を受け止めることにより彼女の魔力を削っているのです」

神裂「彼女の前に魔法陣が見えるはずです。 私も今からあの聖域へ向けて攻撃を加えるつもりです」

承「…アイツのガソリン切れを待つ…もしくは目の前に浮かんでる壁のような物体を壊すことが出来れば何とかなるということだな?」

神裂「そうですが…壊すのはおそらく無理でしょう。 魔力を消費させて消滅を待つしか手はないと思います」

神裂「……ですがこれより先はあまりにも危険です。 どうか一刻も速くここから避難することをお勧めします」

神裂「以上です。 では」

そう言って愛刀・七天七刀を携えた神裂が飛び出していく。

疾風のような速度で駆け、ステイルに迫らんとする魔術の弾丸を打ち落とす。

そんな神裂に注がれる感情のない意識。

壊れた人形のように首だけを傾け魔道図書館が宣言する。


禁書「 《新タナ敵兵ヲ確認》 」

展開された魔法陣から無数に吐き出されてくる光を尽く撃ち落としていく。

聖人。 それは神の力という強大すぎる能力をその身に宿した人の子のことである。 

彼女にとって何の意思も感じない無機質な攻撃を捌くのはそう難しいことではない。

だが。 神裂火織の胸の内はひどく揺れていた。

……目を閉じなくても鮮明に思い出すことができる。


――かおりーっ!

トテトテと石畳の上を走る小さな足音を。

――どうしたのですか?

こちらが問いかければ一生懸命答えようとするその姿を。

――んとねー…おなかへったんだよ

顔いっぱいに嬉しさをはりつけたその笑顔を。

――ではステイルも呼んで三人でおやつにしましょうか

家族のように暮らせたあの時間を。

――ほんとにっ? えへへー やったー!

確かな絆で結ばれていたあの日々を。

いつからだろうか?

彼女の目に映る憎悪の光に耐え切れなくなったのは。

いつからだろうか?

ならばいっそのこと、憎まれるようにと振る舞いだしたのは。


『人から好かれるとか嫌われるっていうのは…ほんの微妙な気の持ち方からじゃと思うんじゃ』

『あの娘さんに何遍忘れられて、何遍嫌われても…』

『そのたびに仲良くするってことは無理なんかのォ~?』


…無理ではなかったはずだ。

神裂「…皮肉ですね」

体捌きが段々と鈍くなり、ついにはその場に縫いつけられたかのように立ち止まってしまう。

神裂「救われぬ者に救いの手を…ですか」

そう呟いて、顔を伏せる。

それはまるで虚ろなまま光弾を吐き続けている少女に詫びているようにも見えた。

そして…その時を待っていたかのように数を増した光弾が一斉に彼女を殺し尽くさんと飛来していた。

神裂「…それでも私はこう名乗るのです」


ゆっくりと顔をあげた神裂火織の顔に僅かな微笑。

迫り来る光の弾幕の向こうにいる少女に向けて笑っていた。

慈愛に満ちたその笑顔は、少女と共に過ごしていたときに溢れていたそれと同じもの。


神裂「Salvare000――と」


静かな、それでいて美しい音が響き渡る。

澄んだ音と共に斬り裂かれ弾け飛ぶは無数の光弾。

それは鍔鳴りの音。

2メートル超える異様な大太刀、七天七刀が発した音色だった。

魔力も込めないたった一回の抜刀術。

しかし次々と消滅していく光弾の数が抜く手も見せない超高速の抜き打ちの威力を物語っていた。

鞘に刀を収め、残心を保ったまま。 こう告げた。


「インデックス…私は貴方とまた親友になりたいと…そう思っています」

練るます
台本形式で書き溜めてたけどつまんなかったんで急遽、台本形式からSyouSetu形式にしたんだが多分こっちのほうがいいよね?ね?

あと別に保守はいらんのですぜ?
スレ落ちてやがるwwwざまあwwwwって笑ってくれるくらいで丁度いいんだ

保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 40分以内
02:00-04:00 90分以内
04:00-09:00 180分以内
09:00-16:00 80分以内
16:00-19:00 60分以内
19:00-00:00 30分以内

保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 60分以内
02:00-04:00 120分以内
04:00-09:00 210分以内
09:00-16:00 120分以内
16:00-19:00 60分以内
19:00-00:00 30分以内

保守

                            スレを保守する前に言っておくッ! 
                    おれは今やつのスタンドをほんのちょっぴりだが体験した
                  い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……

         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれはPCの前で保守しようと
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        思ったらいつのまにか保守していた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされたのかわからなかった
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    超スピードだとか催眠術だとか

   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

人形のように感情を排除したまま光弾を放つ魔道図書館。

しかし唸りをあげる光弾はすべてステイル=マグヌスと神裂火織という二人の魔術師に防がれていた。

超速再生を利用したイノケンティウスによる炎の壁と鋼をも切り裂く七閃の壁。

だが魔道図書館の無尽蔵ともいえる魔力から放たれる光弾はますます数と速度を増していく。

神裂「さすがは禁書目録です… 人の身でありながら魔神の力をここまで行使するとは」

ステイル「まったく…まるで怪物を相手に戦争をしているような気分だよ」

鍔鳴りの音を響かせながら呟いた神裂の言葉を聞き、額ににじむ汗を拭いながら軽口を返すステイル。

しかし、それも束の間。 がくんと炎の巨人イノケンティウスの動きが遅くなっていく。

ステイル「な、なんだ!?」

その声に答えるかのように返ってきたのは魔道図書館の機械的な言葉。


         スペルインターセプト
禁書「 《阻害魔術『強制詠唱』ヲ発動シマシタ》 」

阻害魔術『強制詠唱』
                                ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
それは術式に割り込みを掛け、誤作動を起こさせる魔力を必要としない魔術である。


禁書「 《続イテ対象魔術ノ術式ノ逆算ヲ開始シマス》 」


動きが鈍くなった炎の巨人を幾つもの光弾がすり抜けていく。


神裂「ステイル! 危ないっ!」


魔女狩りの王を操るために魔力を精製し、集中していたステイルにとってそれは避けようがない。

ステイルを守るために駈け出そうとするも飛来する光弾を無視することが出来ず動くことができない神裂。


ステイル「くっ…ダメか」


回避が不可能であることを一瞬のうちに判断し、諦観の呟きをもらすステイル。

彼の目の前に黒い影が立ち、叫んだ。

               ・ ・ ・ ・ ・
「ボケてんじゃあねーぜステイルッ!!!」

ガオン!!!

空気が引き裂かれたような形容のしがたい音。


億泰「さんざんカッコつけといてよぉ~油断してんじゃねェぜテメェ~~」


そう言ってステイルの隣に立つは虹村億泰。

狙いを定めたかのように打ち出された魔術の光弾をギロリと眺める。


億泰「俺は頭ワリーから何が何だかまだよく判ってねぇーけどよぉ~」
                               
背中から浮き上がるようにして現れたものは人の形をしていた。

億泰「触らずに攻撃してーんならよぉ~」
            ヴィジョン
それはパワーをもった像。

億泰「オレの『ザ・ハンド』に任せなっ!」

ありとあらゆる物を空間ごと削り取ることができる右手が光弾を叩く。

ガオン!!!

空気が引き裂かれるような音と共に消滅する魔術の光弾。
 

それは使い手の「傍に立つ」。 故にこう呼ばれていた。
スタンド
幽波紋と。


陽炎のように揺らめくスタンドを背後に億泰がステイルに右手を伸ばす。

億泰「それとよぉ…」
                               ・ ・ ・ ・
億泰「さっきのテメーの啖呵は気に入ったぜぇ~ステイル?」

差し出された手をぼんやりと眺め、ようやく自らが尻餅を付いていたことに気付くステイル。

ステイル「フン。 別に君に気に入られるために言ったわけじゃないさ」

憎まれ口を叩くステイル。 だがその手はしっかりと億泰の手を握っていた。

ステイル「それと…さっき僕は君を助けてやったんだからこれでチャラだろ? 礼は言わないよ」

立ち上がりながらも強がるステイルをニヤニヤ眺める億泰。

億泰「おーおー! 相っ変わらず生意気だよなぁ~ ステイルくんはよぉ~?」

ステイル「…君付けで呼ぶのはやめてほしいんだけどね」

億泰「さぁーってなぁ~ どーすっかな~~」

ステイル「フン…君と話していると無性に煙草が欲しくなるね」

億泰「けど、おまえよぉ~ 調子悪いんじゃねぇのかぁ?」

スタンド、ザ・ハンドで光弾を迎撃しながら、ちらりとイノケンティウスに目をやる億泰。

しかし棒立ちになったまま光弾を受け続けている自らの魔術を目の端に捉えたステイルの目には光が戻っていた。


ステイル「あぁ…強制詠唱ね。 確かにあれは厄介だ」

ステイル「だけど万能じゃあない。 簡単に言えばあれは素数を数えている人のそばで出鱈目な数を言って混乱させるような魔術さ」

ステイル「術式を混乱させられているなら更に強固に術式を組み直すだけだ」

ステイル「事前にこの街の全域にルーンによる結界を刻んでおいた甲斐があったよ」


その言葉と同時に再び白熱の輝きを取り戻す魔女狩りの王。


億泰「ほぉ~… 便利なもんだなぁ~魔術ってやつはよぉ~」

ステイル「…僕のイノケンティウスをこともなげに削りとった君に言われると皮肉に聞こえるよ」
                            ・ ・ ・ ・
億泰「さてと…もう足引っ張んじゃあねーぜ? ステイルよぉ~?」
                      ・ ・
ステイル「…それはこっちのセリフだよ億泰」

何もかもを燃やし尽くす魔術師の少年と何もかもを削りとるスタンド使いの少年が並ぶ。

瀑布のような暴力を前に一歩も引かないその姿はまさに気高い戦士のようだった。

>>763
おまえ、えらそうなこと言ってないで、空気読めよ

保守間隔開けろって言ってんだろ張り倒すぞ

>>765
スレを埋める糞つまらん文字遊びに空気も糞もねえだろクソムシ

くだらねーことでスレ消費すんじゃねぇよォ
保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 40分以内
02:00-04:00 90分以内
04:00-09:00 180分以内
09:00-16:00 80分以内
16:00-19:00 60分以内
19:00-00:00 30分以内

保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 60分以内
02:00-04:00 120分以内
04:00-09:00 210分以内
09:00-16:00 120分以内
16:00-19:00 60分以内
19:00-00:00 30分以内

この保守間隔からしてジョジョ厨と禁書厨は頭おかしいってのがよく分かるな

気が狂っとる

( ^ω^)!?

面白いオナニーをもっと見せろって事だよ

わかりました!

うるせぇぞカス

>>830-831
ぶち殺すぞ

感じますね!

>>835
通報した

このスレ狂ってますわ

ネタをネタと見抜けないとvipを使うのは難しいですよ!

>>844
なんでおれまでくぁwせdrftgyふじこlp

>>850
もしかして釣りでもネタでもなく
マジにレスをしていたのか?

なんだろうなんか、バンド自体は好きだけど信者がキモイ。みたいな感じがする

>>855
ニコニコ動画で「うp主神wwwwwwwwwww」って言ってるのが一番近い
ジャニーズの糞豚共はスルーできるがニコ厨は目の敵にするだろ
そういうことだ

>>857
なるほどわからん

>>861
山吹色の波紋疾走すんぞ?あ?

製作でやれって話

(;^ω^)はい

http://hissi.org/read.php/news4vip/20100909/RzBKMm0vemRQ.html 

真性だからかまうな

( ^ω^)保守と見せかけて埋めたいんだお

>>876
勝ち誇った顔で必死チェッカー
厨房くせぇな

餓鬼が多くなったもんだなvipも

>>897
体は大人頭脳は子供何は赤ちゃんなやつらばかりだからな

>>895お前が書き込まなくても、このスレは多分落ちないから書き込まなくていいと思います^^

>>898
すみません後半の意味が分かりません

>>900
香ばしいな

空間を削る億泰のスタンドを虚ろな瞳に写した魔道図書館が口を開く。


禁書「 《《新タナ敵兵ノ用イル対象魔術ノ術式ノ逆算…失敗》

禁書「 《戦闘思考ヲ変更》 」
      ドラゴン・ブレス
禁書「 《『竜王の殺息』ヲ収束 発動》 」


発生した空間の亀裂から放たれたのは収束した極大光の柱。
             ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・                 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
億泰「まずいぜっ! 線の攻撃じゃあっ! いくらザ・ハンドでも削りきれねぇっ!」

ステイル「さがるんだ億泰っ! イノケンティウスッ!!」

億泰の眼前に立ちその身を呈してかばったのはステイルが操る炎の巨人。

神裂「気をつけてください! これは竜王の殺息です!」

神裂「伝説にある聖ジョージのドラゴンの一撃と同意なはずです!」

ステイル「大丈夫だっ! 僕のイノケンティウスの超速再生ならっ! 竜王の殺息にだって耐えられるっ!」

今頃来たんですか

両の手を開きその身に降り注ぐ光の線を受け続ける炎の巨人。

だが、それをあざ笑うかのように魔道図書館が言葉を続ける。


禁書「 《第二二章 第一節 炎ノ魔術ノ術式ヲ逆算ニ成功》 」

禁書「 《曲解シタ十字教ノ教義ヲルーンニヨリ記述シタモノト判明》 」

禁書「 《対十字教用ノ術式ヲ組ミ込ミ開始 第一式、第二式、第三式組ミ込ミ完了》 」
             エリ・エリ・レマ・サバクタニ
禁書「 《命名、『神ヨ、何故私ヲ見捨テタノデスカ』発動」》 」


じわりと光の柱が純白から血の様な真紅に変色。

ステイル「なんだ!? 再生速度が遅い…? いや無くなってきている?」

バリバリと音を立てながら砕ける魔女狩りの王。
                      ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ステイル「まさかっ! …この短時間で竜王の殺息の効果を変質させたのかっ!?」

億泰「おいっ! ボーっとしてんじゃあねえぜこのスッタコ! 再生とやらをさっさとしやがれっ!!」
            ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ステイル「無理だっ! ルーンを完全に解析されたんならっ! 止める手段がないっ!」

霧散していく炎の巨人をかいくぐるように神裂が駆け込む。

神裂「七閃ッ!」

鍔鳴りの音と共に魔道図書館の足元が破壊され、ぐらりとバランスを崩す。

魔女狩りの王を貫き、その後ろにいるステイルと億泰を狙っていたであろう光の柱が天井を楽々と貫通していく。

ぽっかりと開いた天井からふわふわと舞い落ちる無数の光。

仗助「…な、なんだぁこいつはよぉ~? 羽毛布団でも一緒に吹き飛んだのかぁ!?」

光の羽をつまもうとした仗助に神裂の鋭い制止の声が飛ぶ。

神裂「触らないでください! それは余波の『光の羽根』です!」

神裂「『竜王の殺息』で破壊された物質ですが、それに触れてしまえば人の体など容易く破壊されます!」

仗助「うおっ! マジかよぉっ! 危ねぇ~!!」

慌てふためく仗助。 そして承太郎が神裂に問いかける。

承「何度もすまねーが もう一度だけ確認しておく」

マルフォイ

書き溜めすらしていないとは

 
糸に操られた人形のように立ち上がろうとしている魔道図書館を横目で見据えつつ口を開く承太郎。

承「アイツの目の前にある光の障壁。 …あれさえぶち壊せばいい筈だったな?」

神裂「ですから危険すぎると何度もっ! だいたいそれを知って何になると言うのですか!?」

承太郎の問に噛み付くようにして答える神裂だが仗助は彼の言わんとすることを理解していた。
                                 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
仗助「ちょ…ちょっと待ってくださいよ承太郎さんっ! あんたまさかっ!?」

承「あぁ…おまえが考えているとおりだ仗助」

仗助「そ、それなら俺も一緒に!」

承「駄目だ。 おまえのクレイジー・Dは自分自身の怪我を治せない」
  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
承「おまえが再起不能になるくらいの怪我を追われるのは困る」

仗助「じょ、承太郎さんっ! あんた…何を考えてっ!?」

承「…かっタルイことは嫌いなタチでな」


そういって歩みを進める承太郎が自動書記ヨハネのペンとして稼働している禁書目録の前に立った。

                              ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
承「確か…おまえの頭の中にある魔道書を使えば『世界』の常識を変えることができると…そう言っていたな」


禁書「 《戦場ヲ検索 現状ノ敵勢力ヲ再確認》 」

       ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
承「だが…『世界』の常識を変えることができるのは…テメーひとりじゃあねえ」


禁書「 《『空条承太郎』ノ破壊ヲ最優先シマス》 」


               ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
承「…それより先にだ… 俺がテメーを縛り付けている常識を破壊する」

                                            ・ ・ ・ ・ ・ ・
展開された魔法陣に光が収束する。 しかしその光は放たれる寸前に止まっていた。

『それ』は光を越え、時を越えた承太郎だけの世界。

動きを止め、時間が止まった静寂の世界。

モノクロの世界で承太郎がインデックスに語りかける。


承「俺が3秒間、時を止めた。これから全てを叩き込み…ブチ壊させてもらう」

はい

しかし台詞の上の「・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・」が多いこと多いこと

ダッシュすら使ってないし糞やな

早くしろよドチンポ野郎

ぺったんぺったん

スタープラチナ・ザ・ワールド

タロットカードの大アルカナ17番目のカード「THE STAR」を象徴したそれは完成された史上最高、最強のスタンド。


【残り2,59秒】

「オラァッ!」

スタープラチナの渾身の一撃が聖ジョージの障壁を叩く。

しかし。 聖ジョージの聖域はびくともせず。

逆に承太郎は右拳に鈍痛を感じていた。

【残り2,52秒】

承「ン…想像はしていたが…やはり随分と固いな」

承「だがそんなことは大した問題じゃあ…ないっっ!!!」

【残り2,47秒】

「オオオオォォォォォォッ!! オラオラオラァァ!」
                               ラッシュ
雄叫びのような気合と共に放たれたのは両拳による連打。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom