アニ「私だっておしゃれしたい」(99)
キャラ崩壊
10巻のネタバレ有り
ミーナ「そろそろ新しい服が欲しいな~」ペラッペラッ
アニ「服なんか買っても訓練ばっかりで着るときないでしょ」
ミーナ「だからこそ休みの日に普段できないおしゃれしたいんだよ~」ペラッペラッ
アニ「ふーん…」
ミーナ「訓練だと男女の区別ないでしょ?たまには可愛い服着て女の子!って気分になりたいじゃない」ペラッペラッ
アニ「…それはそうとさっきから何をみてるの?」
ミーナ「クリスタからかりたファッション誌だよ。アニも見る?」バサッ
アニ「…特に興味ないからいいよ」
ミーナ「もう。アニも少しはおしゃれに興味持てばいいのに。いつも同じようなパーカーとズボンじゃない」
アニ「私の勝手でしょ」
ミーナ「アニは元がいいんだから少し気を使うだけですごく変わると思うよー。ほら、これとかどう?」
アニ「…動き辛そう」
ミーナ「えぇーじゃあこういうのは?」
アニ「…特には」
ミーナ「勿体ないよーアニがおしゃれしたら絶対可愛いのに」
アニ「悪いけど、そういうのには全く興味ない」
ミーナ「そんなこと言わずにさー
…あ!今度の休みに女子の皆で買い物行くんだけどアニもどうかな!?」
アニ「いい。久し振りの休みだからゆっくり休みたい」
ミーナ「ちぇー」
アニ(……)
休日
ミーナ「一人で留守番任せちゃってごめんね」フワフワ
アニ「静かに休めるからいいよ」
ミーナ「そう?じゃあそろそろ時間だから…」フワフワ
アニ「うん」
ミーナ「おみやげ買ってくるからね!いってきまーす!」フワフワ
アニ「いってらっしゃい」
オマタセー!ア、クリスタノワンピカワイイー!
アリガトー
ミーナノスカートモカワイイデスネ
ミカサッテイガイトオンナッポイフクキルヨナ
エレンニカワイイッテオモワレタイカラ…
キャッキャッ
ウフフ
アニ「……」
女子寮
バタン
アニ「……」ゴロン
アニ(ミーナの服、可愛かったな…ちょっとだけ化粧もしてた…)
アニ(ミカサとサシャも服装とか気にするんだ…興味ないかと思ってた…)
アニ(クリスタとユミルもおしゃれな格好してたな…)
アニ(……)スゥッ
アニ「わぁぁぁ!私だっておしゃれしたい!」ジタバタ
アニ「でも何着ればいいか分かんない!服買いに行く服がない!」ジタバタ
アニ「そもそも故郷にいたときはお父さんにベッタリだったし!」ジタバタ
アニ「ライナーとベルトルトしか友達いなかったから女の子の可愛い服装とか分からない!」ゴロゴロ
アニ「かと言って今更ミーナとかに相談するのは恥ずかしすぎる!」ゴロゴロ
アニ「本当は買い物行きたかったぁぁ!っていうか誘われたなら興味ないフリしつつ着いてけばよかった!」ゴロゴロ
アニ「雑誌で見た服可愛かったなぁぁ!」ゴロゴロゴロゴロ ドサッ
アニ「……」
アニ「…座学の課題でもやろ…」
夕方
ミーナ「たっだいまー!楽しかったー!」
アニ「おかえり…」
ミーナ「留守番ありがとう!これ、おみやげのケーキ!」
アニ「ありがと・・・」
ミーナ「あれ・・・アニ、なんか元気ない・・・?」
アニ「・・・昼寝しすぎて眠いだけ」
ミーナ「あ、そうなんだ。よかった~。そうそう!新しいワンピース買っちゃた!どうかな?」ヒラッ
アニ「・・・!・・・・・・ま、まあいいんじゃないの・・・」
ミーナ「アニったらまたそんな適当な感想言ってー・・・」
アニ「・・・ねぇ、あの・・・ミーナ・・・服ってさ・・・」
ミーナ「あ!メイク落とさなきゃ!普段してないから忘れてた!あれ?アニ、今なんか言った?」
アニ「・・・なんでもない・・・・・・」
次の日・食堂
アニ(今日もいつものパーカーとズボン・・・)チラッ
ミカサ「エレン、早くしないと席が埋まってしまう」
サシャ「コニー!パン!ください!!」
クリスタ「サシャ、私の半分あげるよ」
アニ(普段着だけどちゃんと女らしくスカート履いてる・・・)
アニ(最後にスカート履いたのいつだろ・・・)トオイメ
アニ(5歳のころには既にズボンで野山をかけずりまわってた気がする・・・)
アニ(ユミルだけズボンだけど昨日の服装はク、クール系?・・・でかっこよかったなぁ・・・)
アニ「」ハァー
ミーナ「アニ~!サシャにパン持ってかれてるよ!!」
ベルトルト「・・・ねぇライナー、アニの様子、おかしくない・・・?」チラッ
ライナー「ん?・・・確かになんかぼんやりしてるな・・・」
ベルトルト「なんか悩みでもあるのかな・・・?」
ライナー「サシャにパンを取られるとかいままで見たことがない・・・相当だな・・・」
ベルトルト「もしかしたらかなり大きな問題を抱えているのかもしれない・・・」
ライナー「あぁ・・・アニがあんな風になるのはよっぽどだ。後で話を聞いてみよう・・・」
アニ(可愛くなりたいなぁー・・・)ボー
ミーナ「アニー!!スープも!!サシャやめてー!!」
兵舎裏
アニ「どうしたんだい?こんなところに呼び出して」
ライナー「いや、さっきの食事のとき何か悩んでいる様子だったからな・・・心配で・・・」
アニ「あぁ・・・別に・・・(言えるわけないでしょ・・・)」
ベルトルト「僕たちでよければ相談に乗るよ?」
ライナー「そうだ。なんでも言ってみろ。力になるぞ」
アニ「・・・あのさ」
ライナー「おう!」
ベルトルト「なに?」
アニ「あんた達って私の兄貴みたいだよね」
ライナー「!お、おう!」
ベルトルト「そ、そうかな!?」
アニ「・・・なんでちょっと喜んでるんだい・・・」
ライナー「い、いや、な?それで?」
ベルトルト「う、うん!悩みは何かな?」
アニ「・・・なんであんた達は女じゃないの・・・?」
ライナー「は?」
ベルトルト「え?」
アニ「私はお姉ちゃんが欲しかった・・・」
ライナー「」
ベルトルト「」
カーンカーン
アニ「あ、そろそろ消灯時間だから先戻るよ。おやすみ」タッタッタ
ライナー「」
ベルトルト「」
アニ(そう。もし女の子の相談相手がいたらこんなに悩まなくていいのに・・・)
アニ(訓練兵とは距離取らなきゃだし・・・なによりいままで築き上げてきたキャラ的にかなり恥ずかしいことに・・・)
フワンフワンフワン
ミカサ「え?おしゃれについて教えて欲しいの…?意外・・・」
ミーナ「えー!?アニ、服に興味ないっていってたじゃん!?」
ユミル「おいおい!氷の女王もついに色めき始めたか!」ゲラゲラ
クリスタ「ユミルやめてあげて!・・・確かにびっくりしたけど・・・」
サシャ「んー?でもアニが可愛いお洋服着てるのは想像できませんねー」
ユミル「確かに!似合わねー!」ヒーッヒーッ
ミーナ「ちょっと・・・ひどいって・・・ね、ねぇ、今度私と一緒に買い物行こう・・・?」
ホワーン
アニ(か、考えただけで恐ろしい・・・!)ガタガタ
アニ(でも・・・このままじゃ私は・・)
アニ(どうしよう・・・)
また次の休み
アニ(一人で街まで出てきてしまった・・・)コソッ
アニ(よく知ってる女子勢はこないだの休みに買い物したばっかりだから今日は会わないはず・・・)
アニ(一応服屋の前まで来てみたけど・・・)チラッ
イラッシャイマセー
イマコチラノロングスカートガニンキナンデスヨー
ネェネェコレカワイクナイ?
アーアンタニニアイソウ
アニ(可愛い服があんなにたくさん・・・!)
アニ(でも店員さんもお客さんも皆おしゃれで入りにくい・・・!)ウロウロ
アニ(あぁーあそこにディスプレイされてる洋服超カワイイー!)ウロウロ
アニ(奥の方・・・もうちょっと見たい・・・)ノビー
アニ(で、でも入るのには勇気が・・・!)ウロウロ
アニ(うぅ・・・こんなお店、山奥の故郷にはなかったから緊張するよ・・・)ウロウロ
アニ(ていうか今の私の服装で入ったら絶対浮いちゃう・・・)ショボン
アニ(・・・・・・)
アニ「本屋寄って帰ろっかな・・・」
本屋
アニ(そうだ!ファッション誌!)
アニ(いきなり可愛い服買うよりはハードルが低い!)
アニ(今日はラフな格好してるけど普段はおしゃれしてますよ~って顔で買えば・・・!)
アニ(よし!えーとどこかな・・・あ、あの辺り?)スタスタ
今シーズンはふわモテコーデ☆
アクセ使いで周りの子と差をつけちゃおう!
絶対必要なガーリーワンピ
読者モデルの一週間着まわし術♪
プチプラ!おしゃれに見える着こなしとは!?
アニ(なるほど・・・表紙だけでも参考になりそうな記事が分かるんだ・・・)
アニ(それじゃ早くレジに・・・)ソー・・・
エレン「お?アニか?」
アルミン「偶然だねー」
アニ「!?」バッ
アニ「あ、あぁ、偶然だね(危なかったぁぁぁぁ!)」ドッキドッキ
アルミン「アニもなんか買いに来たの?」
アニ「い、いや、ちょっと立ち寄っただけさ」
アルミン「あ、そうなんだーてっきりそこのファッション誌でも読んでるのかと思った」アハハ
アニ「!?わ、私がこんな趣味持ってると思ったのかい?」
アルミン「いや~アニも女の子だしね?やっぱりそういうのに興味あるのかと思って」
エレン「何言ってんだアルミン。こいつはそんなキャラじゃないだろ」
アニ「」グサ
アルミン「アハハ、そうだね。アニはおしゃれとかくだらないと思ってそう」
アニ「」グサグサ
エレン「な?実際そうだろ?アニ?」
アニ「ウン、ソウダネー服トカコレッポッチモ興味ナイヨー」
アニ「ア、私用事モ済ンダシ帰ルネー」スタスタスタ
エレン「おう、また訓練でな」
アルミン「ばいばい~」
トボトボ
アニ(こんなはずでは・・・思わぬ伏兵だった・・・)
アニ(ていうかまた服に興味ないって言っちゃった・・・)
アニ「はぁー・・・うん?」
カランカラン
アリガトウゴザイマシター
ミテミテーシンサクノリップカッチャッター
イイナー
アニ(あ、こんなところにコスメのお店あったんだ・・・)
アニ(そういえば化粧品も全く持ってないな・・・)
アニ(・・・・・・)キョロキョロ
アニ「ハ、ハンドクリーム買うついでに入るだけだから・・・!」
カランカラン
イラッシャイマセー
アニ(け、化粧品ってこんなに種類あるの!?)
アニ(マスカラ・・・ロングタイプとボリュームタイプ・・・?どっちがいいんだろ・・・)
アニ(アイライナー・・・リキッドとペンシルってどう違うの・・・?)
アニ(ファンデーション・・・全部肌色なのにこんなに種類あるの・・・?)
アニ(アイシャドー・・・カラフルで見てて楽しいけどどれを選べばいいの・・・?)
アニ(アイブロウ?コンシーラー?チーク?下地?ハイライト?なにそれ・・・)
アニ(アイメイクするならビューラー?もやっぱりいるよね・・・?これも種類がいっぱい・・・)
アニ(一体どうすれば・・・)
ハンナ「あれー?もしかしてアニ?」
アニ「」
アニ(ハンナァァァ!そういえばこの間の買い物メンバーにいなかった!)
アニ(ていうかガッツリ見られた!いや、まだいける!)
アニ「あぁ、ハンナ偶然だね」
ハンナ「ねー!こんなところで会うなんて珍しいね」
アニ「ちょっとハンドクリーム買いに寄っただけだよ」
ハンナ「あ、そうなんだ~(ハンドクリーム?)」
アニ「そう(よし!ごまかせる!)」
ハンナ(売り場全く逆だし、気づいて声かけるまで結構時間あったけどずっとここにいたよね・・・?)
ハンナ(ううーん?・・・あ!)ピーン
アニ「それじゃ私はこれで・・・」ソソクサ
ハンナ「アニ!ちょっと待って!」ガシッ
アニ「え?」
ハンナ「実は新しいファンデーション買いに来たんだけど悩んじゃって・・・一緒に見てくれない?」
アニ「え、え、いや、私は・・・」
ハンナ「こっちかこっちで迷ってるんだー。最近日焼けしちゃったから濃い色のがいいかな?」
アニ「さ、さぁ・・・」
ハンナ「でもアニはいいなぁ~色白だからこういうのとか似合いそう・・・」
アニ「・・・!そ、そうかい?」
ハンナ「あ、でも肌綺麗だから無理に塗らなくてもいいかもね!それよりチークとかシャドーのが映えていいかも!」
アニ「う、うん?」
ハンナ「ついでにいろいろ見ようと思ってたんだよねー。アニ、ちょっと付き合って!」
アニ「ま、まぁそんなに言うならいいけど・・・」ソワソワ
ハンナ「やった!ありがとう!いつもはフランツと買い物くるんだけどたまには女の子の意見も聞きたいしね!」
アニ「そう・・・」ワクワク
カランカラン
アリガトウゴザイマシター
ハンナ「なんか付き合わせちゃってごめんねーおかげで助かったよー」
アニ「別にいいよ・・・」ホクホク
ハンナ「ていうかアニたくさん買ったね~勝手に私がいろいろ勧めちゃったけど大丈夫?」
アニ「いや・・・参考になったよ」ホクホク
ハンナ「よかった~アニはもとが美人だから選びがいがあってつい楽しくなっちゃった」エヘヘ
アニ「・・・そんなことない」テレテレ
ハンナ(きゃわわ)
アニ(あ、ここ・・・さっきの服屋・・・)チラッ
ハンナ「それでねーフランツがー」
アニ(やっぱり入りたい!でも・・・)チラッチラッ
ハンナ「でもやっぱりそういうところが格好良い・・・あ」
アニ「な、なに?」
ハンナ「アニ~!ごめん!もうちょっとだけ付き合ってもらっていい?新しい服欲しいんだ~」
アニ「!う、うん!」
ハンナ(すごいチラチラ見てた・・・この子可愛いすぎる・・・)
アニ(付き添いで入るから!付き添いで入るから多少浮いてても大丈夫なはず!)キラキラ
ハンナ(周りにはしゃぎオーラが滲み出てる)
数日後
アニ「今日、部屋の皆は補習、水汲み当番、掃除当番なんかでちょうどいない!」
アニ「メイクの練習にはうってつけだね!」
アニ「この間買ったメイク道具で早速・・・」
数分後
アニ「あ、あれ?なんか違う・・・?」グチャー
アニ「おかしい・・・使い方はあってるよね・・・?多分・・・」ゴシゴシ
アニ「・・・よし!もう一回!練習あるのみ!」
イタタ・・・ビューラーガ・・・マツゲヌケタ・・・
アレ・・・ナンカケバイ・・・
ア!マスカラガマブタニベッタリ・・・
ワァ!!ラインガユガンジャッタ!
・・・・・・
ミーナ「あ~疲れたぁ~やっと休めるよー」
アニ「・・・・・・」フトンクルマリ
ミーナ「・・・アニ?具合悪いの・・・?イモムシみたいになってるけど・・・」
アニ「・・・・・・別に」
ミーナ「う、うん・・・?」
次の日
アニ(やっぱり私におしゃれはまだ早かったのかな・・・)ションボリ
アニ(メイクは全然できないし・・・買った服はまだ一回も着てないや・・・)
ハンナ(あ!アニーだ。なんか元気ないけど・・・なんとなく検討はつくな・・・)
ハンナ「アニ!今、手空いてるかな!?」
アニ「うん?あぁ大丈夫だよ(ハンナ・・・折角手伝ってもらったのにな)」
ハンナ「よかった~ちょっと部屋の掃除手伝ってもらいたくて!大丈夫?」
アニ「いいよ」
ハンナ「ありがとうー!じゃあ来てもらっていい?」
ハンナの部屋
ドサドサ
ハンナ「ちょっと物を整理したくて・・・」
アニ「えらい溜め込んだもんだね・・・」
ハンナ「えへへ・・・私はこの辺りを片付けたいからこの本の束をゴミ捨て場に持ってって貰っていいかな?」
アニ「分かった。あとやることは?」
ハンナ「う~ん後は私でできるかな?もし欲しい本があったら持ってっていいよ」
アニ「そう。ありがとう。じゃ、また手伝えることがあったら言ってね」
ハンナ「うん!そのときはまた声かけるね~」
アニ「ふぅ・・・この辺りでいいか・・・」ドサッ
アニ「本・・・なんかいいのあるかな・・・」ゴソゴソ
アニ「恋愛小説に料理本・・・女の子だね・・・」ゴソゴソ
アニ「・・・ん?」
いまさら人に聞けない!初めてのメイク入門☆
ノンノン~ふんわり甘コーデ特集!!~
アニ「・・・・・・」キョロキョロ
アニ「」ササッ
アニ「」ダッ
アニ「なるほど・・・こうすればよかったんだ・・・」キラキラ
アニ「意外とわ、悪くないかも・・・」キラキラ
アニ「・・・!そうだ!ついでにこの間のワンピースも着てみよう!」バッ
アニ「よいしょ・・・あ、なんかスースーする・・・スカートなんて本当に久しぶり・・・」
アニ「・・・・・・」ヒラヒラフワフワ
アニ「・・・・・・」クルッ フワッ
アニ「・・・・・・♪」
クルクル・・・・・・
ミーナ「また補習かぁ~」
サシャ「ミーナも最近常連になりつつありますね!」
ミーナ「う・・・まだそっち側には行きたくない・・・」
サシャ「えぇ~!どういうことですかぁ~!」
ミーナ「アハハ・・・ん?あ、あれ・・・?」
サシャ「どうしました?」
ミーナ「筆記用具忘れちゃったみたい。ちょっと取ってくるね」
サシャ「は~い。いってらっしゃ~い」
ミーナ(最近アニ、調子悪そうだよね・・・具合悪くて寝てるかも・・・)ソー
ミーナ(音をたてないようにして・・・)ガチャ スー
アニ「~♪」クルクル
ミーナ「」
バタン
ミーナ「ん?んん?見間違いかな?」
ガチャ スー
アニ「~♪」フワンフワン
バタン
ミーナ「・・・」
サシャ「あ、ミーナ、おかえりなさ~い」
ミーナ「・・・うん」
サシャ「あれ?筆記用具はどうしたんですか?」
ミーナ「・・・うん」
サシャ「あぁ、見つからなかったんですね。私多めに持ってるんで貸しますよ」カチャカチャ
ミーナ「・・・うん」
サシャ「・・・ミーナなんかおかしいですよ?なんか拾い食いでもしました?」
ミーナ「・・・・・・天使がいた・・・」ホワーン
サシャ「??」
アニ「ハッ!もうこんな時間?そろそろ着替えなきゃ・・・」
アニ「化粧も落として・・・」ピタッ
アニ「・・・ちょっとハンナに感想聞いてみようかな・・・」
アニ「誰もいないよね・・・」ソー
アニ「・・・よし・・・」
タタッ
トントン
ハンナ「はーい!誰~?」ガチャ
アニ「・・・あ、ハンナ・・・その・・・」モジモジ
ハンナ「わぁ!アニその格好・・・!」
アニ「へ、変じゃないかい?ハンナの言ってたことと本を参考にしてみたんだけど・・・」モジモジ
ハンナ(まじかわ)キューン
ハンナ「すっごくいい!私が思ってた以上!可愛い!」
アニ「あ、ありがと・・・」カァァ
ハンナ(あ、なんだろうこの気持ち、母性本能?なんというか・・・)
ハンナ「そうだ!折角だから皆にも見せにいこうよ!」
アニ「!?」
アニ「そ、それだけは勘弁して・・・」
ハンナ「えぇー!私だけが堪能するなんてもったいないよ!今はちょうど夕食の時間だしさ!」
アニ「無理だって!ユミルあたりに爆笑される図しか浮かばない!」
ハンナ「えぇー・・・しょうがないなぁー・・・じゃあ私のお願い聞いてくれたらやめてあげる!」
アニ「う、うん!なんだい!?」ヨカッタ!
ハンナ「これから私が誘ったときは一緒に買い物に行くこと!たまには私も誘うこと!」
アニ「・・・!それぐらいなら・・・」
ハンナ「その二!」
アニ「!?」
アニ「え・・・?一つじゃないの・・・?」
ハンナ「そんなこと一言も言ってないよ!もう一つは一番好きな人にその格好で会いに行くこと!」
アニ「」
ハンナ「さぁ~どうするの~アニ~」ニコニコ
アニ「ドッチカイッコジャダメ・・・?」
ハンナ「二つでワンセットだよ!」
アニ「・・・・・・」
アニ(買い物はいい・・・むしろこっちがお願いしたいし・・・)
アニ(問題はもう一個の方・・・!)
アニ(公開処刑か・・・ピンポイントで笑われるか・・・)
アニ(・・・・・・)
アニ「・・・分かったよ・・・」
アニ「はぁー・・・なんでこんなことに・・・」
ハンナ「アニが自分でおしゃれできるようになった記念だよ」
アニ「・・・・・・」
アニ(ハンナは最初からお見通しだったんだ・・・)
アニ(私が意地を張らないようにさりげなく助けてくれて・・・)
アニ(メイクも服も、本をくれたのだって私が恥ずかしくないように・・・)
ハンナ「ほら!早くしないと時間がなくなっちゃうよ!」キラキラ
アニ(!?月明かりが・・・)
アニ(・・・神様?いや、女神・・・?違う・・・)
ハンナ「・・・?」キラキラ
アニ「・・・お」
ハンナ「お?」
アニ「・・・お姉ちゃん」
ハンナ「」バキューン
深夜
アニ(もう来てるかな)コソコソ
アニ(うぅーやっぱり恥ずかしい・・・変じゃないかな・・・)
アニ(笑われたらどうしよう・・・やっぱり帰ろうかな・・・)
アニ(最後の仕上げに髪もいじってくれたけど・・・大丈夫かな・・・)
アニ(ていうか私が可愛い格好してること自体が面白すぎるでしょ・・・)
アニ(そこの角を曲がったらいるはずだけど・・・)
アニ(よし!もしまだ来てなかったら来るのが遅かったから帰ったて言えばいい!)
アニ(いたら・・・腹を括ろう)
アニ(フゥーフゥー・・・よし!)バッ
シーン・・・
アニ「いない!OK!いいね!帰ろう!」クルッ
ドンッ
ライナー「おお!?」
ベルトルト「うわ!?」
アニ「」
ベルトルト「・・・アニ・・・なんでそんな暗がりに・・・」
アニ「・・・それ以上近づいたらただじゃおかないから」
ライナー「おいおい・・・お前が呼んだんだろう・・・」
アニ「・・・私だって呼びたくて呼んだんじゃないもん・・・」
ライナー「はぁ・・・?」
アニ「オネエチャントノヤクソクダカラシカタナク・・・」ボソボソ
ベルトルト「ん?ん?なんて言った?」
アニ「なんでもない・・・」
ライナー「ていうかここからだと本当になんとなくシルエットが見えるだけなんだが・・・」
ベルトルト「うん。黒い団子に話しかけてる気分・・・」
アニ「・・・さっき私の姿見えた・・・?」
ライナー「いや、なんかぶつかったと思った瞬間に体が反転してた」
ベルトルト「同じく・・・起き上がったら君はそんな状態だし・・・」
アニ「・・・・・・」
アニ「二人は・・・私がどんな風になってもこれからもずっと同じように接してくれる・・・?」
ライナー「当たり前だろ?俺たちはずっと一緒だ」
ベルトルト「そうだよ。僕たちは何があってもアニの味方だよ」
アニ「じゃあ・・・これから私がそっちに行っても笑ったり馬鹿にしたりしない?引かない?」
ライナー「なにがあったか知らないがアニがそういうなら絶対に約束は守ろう」
ベルトルト「大丈夫。安心して」
アニ「・・・じゃあ今から行く・・・」ゴソゴソ
ライナー(・・・)ドキドキ
ベルトルト(・・・)ドキドキ
ライナー(もしかして体に何か重大な変化が・・・?聞いたことないが巨人化が変な不具合を起こしたとか・・・?)ドキドキ
ベルトルト(アニがあんなに思いつめるなんて・・・もしかしていじめとかにあってるのか・・・?)ドキドキ
アニ「・・・はい・・・出てきたよ・・・」キラキラ
ライナー「」
ベルトルト「」
アニ「・・・・・・・」カァァ
ベルトルト(え、え、なにこれ、天使?女神?え、アニ?アニって天使?)ザッ ズザザ
ライナー(これは・・・確かに驚きだな・・・可愛い)ジーッ
アニ「・・・・・・・なんか言いなさいよ・・・(やっぱり引かれてる・・・)」
ベルトルト「え、あ、あ、その・・・(結婚したい)」
ライナー「すごく似合ってる。可愛いぞ」
ベルトルト「!!うん!すっごく可愛い!」
アニ「変じゃない・・・?」
ベルトルト「まさか!」
ライナー「あぁ、お前もおしゃれに興味出る年頃になったか・・・」シミジミ
アニ「・・・ウン」
ライナー「それにしてもなんでわざわざ呼び出してまで・・・?」
ベルトルト「なんかさっき約束がどうとか言ってなかった?」
アニ「お姉ちゃんに・・・」
ベルトルト「ちょっと待って」
ライナー「え?お姉ちゃん?ってなんだ?誰?」
アニ「・・・ハンナに一番好きな人にこの格好で会いに行けって言われて・・・」
ライナー「んん!?」
ベルトルト(え?え?好きな人?え?)
アニ「・・・好きな人って言われて真っ先に二人が浮かんだ・・・一番って言われたけどどっちが一番なんて選べない・・・」
ライナー(あ、絶対これ微妙に『好き』を勘違いしてるパターンだ)チラッ
ベルトルト(あ、うん、まぁこの場に二人いるもんね。そんなことだと予想してたよ・・・)フクザツー
ライナー(・・・・・・)ドンマイ
アニ「それだけ。もういいよ。さっさと帰って寝よう」サササッ
ライナー(おっと、ベルトルトに気を取られて重要なことを・・・!)
ライナー「まぁ待て。アニ」ガシッ
アニ「・・・わざわざ呼び出して悪かったって・・・行こう」
ライナー「なぁ、アニ、お前は俺たちが一番・・・なんだって?」ニヤニヤ
アニ「・・・さっき言ったでしょ」
ライナー「もう一回聞きたいな~」ニヤニヤ
ベルトルト「!!!僕も、もう一回!」
アニ「あんたら・・・」
ライナー「っていうかさっきから何顔隠して・・・」グイッ
アニ「ばっ!やめろ!」
マッカッカー
ライナー「」
ベルトルト(結婚しよ)
アニ「」サッ
バキッ ドカッ ドシン
バーカバーカ!ゴリラ!デクノボウ!バーカ!
ダダダッ
ライナー「・・・ってぇ・・・」
ベルトルト「っつぅー・・・」
ライナー「・・・」
ベルトルト「・・・」
ライナー「・・・・・・可愛かったな」
ベルトルト「・・・・・・・うん」
ライナー「あいつ、スカート履いてること忘れていつもの感覚で蹴るからさ・・・」
ベルトルト「・・・・・・うん」
ライナー「・・・・・・・見えたよな・・・」
ベルトルト「・・・・・・・・うん」
ライナー「・・・・・・短パン履いてたな・・・」
ベルトルト「・・・・・・アニらしいよ・・・」
ライナー「まぁ、そうだな・・・そっちのほうが安心だからな・・・俺たちとしては・・・」
ベルトルト「・・・・・・・そうだね」
休日
アニ(今日はお姉ちゃんと買い物!)ワクワク
アニ(もう来てるかな・・・)タタッ
ハンナ「おーい!アニ!こっちだよー!」
アニ「おまたせ。早く行こう!」
ハンナ「う~ん。その前に・・・」
アニ「?」
クリスタ「ハンナ!アニ!おはよう!」
ミーナ「アニ!さっきぶり!」
ミカサ「こんな大人数で買い物行くなんて初めて・・・」
サシャ「わぁ~二人共可愛い服ですね~」
ユミル「ふーん。意外と似合ってんじゃん」
アニ「・・・え」
アニ「き、聞いてない・・・!」
ハンナ「大丈夫。誰もアニのことバカにしないでしょ?」
アニ「あ・・・」
ハンナ「皆でいろいろ見たほうが勉強にもなるし楽しいよ!」
アニ「・・・うん」
ミーナ「ほらー!早く行こう!」
サシャ「私はこないだ買いすぎたんで今日はウィンドウショッピングですかね~・・・」
ユミル「ま、しばらくは持つからいいんじゃないか?」
ワイワイキャッキャ
アニ(・・・私が気にしてただけだったのか)
食堂
フランツ「」グデー
ライナー「うわ、フランツどうしたんだ?」
フランツ「・・・最近ハンナが構ってくれない・・・」
ライナー「・・・」
フランツ「なんか妹ができたとか言ってて・・・」
ライナー「・・・おう」
フランツ「もう何が何だか分からない・・・」シクシク
ライナー「う、う~ん・・・」
ライナー(確かにあの二人の関係性が未だに分からん・・・)
ハンナ「そういえばアニ~?」コソコソ
アニ「何?」
ハンナ「この間はどうなった?」
アニ「?・・・あ、一番好きな人がどうとかってやつ?」
ハンナ「そうそう!なんか進展はあった?」
アニ「(進展・・・?)・・・普通に恥ずかしかった」
ハンナ「相手の反応は?」
アニ「・・・可愛いって言ってくれた」モジ・・・
ハンナ「キャー!やったじゃない!」
アニ「うん(引かれなくてよかった)」
ピュー!!
クリスタ「きゃ!突風!」
ミカサ「クリスタ、見えてしまう」バッ
アニ「・・・」ピラッ
ハンナ「!?」
ハンナ「アニ・・・スカートの下に短パン履いてる・・・?」
アニ「?うん。スカートのときは必ず履けって言われたから(もともと履いてたけど)」
ハンナ「!誰に!?好きな人に!?」
アニ「・・・そうだけど」
ハンナ「キャー!キャー!それ絶対脈アリだよー!」
アニ「う、うん?(生きてるなら脈あるのは当たり前じゃないか)」
ハンナ「え?ていうかもしかしてもう付き合ってる!?」
アニ「??」
ハンナ「ちょっと詳しくお姉ちゃんに話しなさい!!!」
アニ「お姉ちゃん声大きい・・・うるさい・・・」キーン
ハンナ「アニにもついに彼氏かー」キャッキャ
アニ「彼氏・・・?」
アニ(どうしよう・・・お姉ちゃんの言ってることが理解できない・・・)
アニ「お姉ちゃん、私の好きな人は彼氏じゃなくて」
アニ「お兄ちゃんだよ」
おわり
ここまでありがとうございました
巨人3人組は可愛い
このSSまとめへのコメント
ハンナがいい子すぎて兄が可愛すぎて…!!
↑アニでした(´・ω・`)