絹旗「超不幸です……」(344)

少しばかり書いていこうかなと思います。
一応全巻目は通してありますが、能力や設定等は少し都合のいいように変換しています。
また、かませ役ですがオリキャラも出ているのでご容赦のほどを。

絹旗「はっ、はっ、はっ、はっ……」

 絹旗最愛は、学園都市の暗部組織、『アイテム』の一員である。
 その彼女は今、路地裏を駆けていた。
 さながら、狩られる獲物のように。

絹旗「っ、まだ超追ってきてるんですかっ!?」

 絹旗は後ろを振り返り、それを確認する。
 と、その瞬間に、パシュン、と発砲音が聞こえ、絹旗のすぐ横を銃弾が掠める。

絹旗「――――っ!」

 再び、加速。

??「はっ、『アイテム』の大能力者って言っても、やっぱりこの程度なんだなっ!」

 絹旗は答えない。
 その代わりと言わんばかりに、路地裏に転がっているゴミ箱を投げつけた。
 それは簡単に小物透人に弾き飛ばされ、幾度となく繰り返された鬼ごっこが再開される。

 絹旗最愛は、いつもはこんなに一方的にやられる人物ではない。
 彼女の能力は『窒素装甲』。
 空気のおよそ七十%を占める窒素を身体の周りに張り巡らせ、強力なシールドを展開する能力。
 暗闇の五月計画によって学園都市第一位、一方通行の『自分だけの現実』を植え付けられた彼女の能力だ。
 近戦では、ほぼ無敵の能力。
 そんな絹旗が、強大な能力をもってしても逃亡しているには一つの理由がある。
 勿論のこと、それは小物の能力。

絹旗(『物質変換』――相性の超悪い能力ですねっ!)

 『物質変換』。レベルは彼女と同じ大能力。
 その能力は、自分の最大半径一キロにある物質を、他のもの、或いは他の性質に変えてしまう能力。
 身体能力の向上などは見込めないが、対能力者戦において、それは莫大な威力を発揮する。
 『超電磁砲』を例にしてみよう。
 『物質変換』により、電気の性質である磁力や痺れさせるという性質を変えてしまえば、彼女の電撃はほぼ無力と化す。
 この場合、『電気』ではなく、『窒素』が変わっている。
 曰く、『窒素によく似た性質の何か』へと。

小物「どうしたぁっ、とっとと俺を殺してみろよぉっ!」

 小物が背後で喚く。
 しかし、絹旗にはそれに対応する暇が無い。逃げるだけで精一杯だ。
 その歯がゆさに、思わず唇を噛む。

絹旗(麦野とかいれば、超あっという間なんですけど……)

 生憎にも、同じ『アイテム』のメンバーは、他の仕事に駆り出されている。
 結果、手の空いていた絹旗にこの仕事が回ってきたというわけだ。
 ――暗部組織、『チーム』のメンバーが暴走し、自分以外を殺害したから、その彼の殺害を命じる、と。

絹旗(ったくもう、こんなことは、他の組織に超やらせとけばよかったんですよ!)

 しかしながら、回ってきたものは仕方がない。
 『アイテム』の一人、フレンダの口癖を借りるのなら――『結局、絹旗は運がなかったってわけよ』、ということになる。
 つまるところ、絹旗最愛は。

絹旗「ああもう……超不幸です……!」

 ――不幸、なのであった。

小物「ひゃっはーっ、とっとと終わらせてやるよっ!!」

 その声に振り向いてみれば、今度こそその銃口は絹旗を捉えていた。
 絹旗の額に、冷や汗が垂れる。
 思考がおかしな方向へと飛び、回避行動すら起こせない。

絹旗(――え、私、こんなところで……超死ぬんですか?)

 どうしてだろう。
 私は、学園都市に希望を持っていたはずなのに。
 『置き去り』にされ、実験のモルモットにされて。
 それに運良く生き残っていても、学園都市の裏、暗部に落とされて、人を殺して。
 振り返り、絹旗は思う。

絹旗(……私は、超おかしな道を進んでいたみたいですね)

 言うならば、こうだろう。
 不幸、と。
 神様の加護から漏れた、不運だ、と。

絹旗(――神様、もしいるなら、一つだけ超お願いします)

 一つだけ、願う。

絹旗(超、くそ食らえ)

 正しく、その通りに。
 神様は、その『奇跡』を狂わされたのだろう。
 ―― 一つの、右手によって。

 バキンッ!と。
 何かが破壊されたような音が路地裏に響いた。

 銃が弾ける。
 その銃弾は――窒素の壁によって、阻まれた

絹旗「――っ!」

絹旗(な、超どうして!?)

 絹旗にとっては幸運以外の何者でも無いというのに、突如の出来事によって反撃に移れないでいた。
 小物にとっても同様。
 自分の能力が、自分が解くという意志がなかったのに、解除されたのだから。
 それは、あまりにも不自然な出来事。
 例えるなら、固体が気体に昇華するのを、無理矢理固体に戻されたかのような。

??「……なにしてんだよ、てめぇ」

 声がした。
 それは、絹旗の、小物の更に後ろから。

地の文有るっていいよな

>>7
ですねぇ、けどやっぱり、時間が数倍にもなってしまうのが難点……


小物「っ、なっ、なんだてめぇっ!」

 小物は素早く振り返り、その影に向かって銃口を向けた。
 その影は、それに臆しない。

??「俺か?俺が誰かなんて、そんなのどうでもいいだろうが!」

??「問題は、俺が誰かなんてことじゃねぇ!てめぇがその女の子に何をしようとしてたかってことだ!」

 ツンツンヘアーで、一見なんの特徴のないように見える高校生。
 彼の名前は――上条当麻。またの名を、『幻想殺し』。
 あらゆる異能、神様の奇跡ですら軽々と打ち破る能力を所持する少年。
 そんなことを知る由もない二人は、彼が何らかの能力を使って相手の能力を解除したものだと思う。
 レベル4を超える能力といえば――真っ先に思い浮かぶのはレベル5で。
 学園都市230万人の内、七人しかいない化け物で。
 実際には、世界に一人しか存在しないはずの、『天災』なわけだが。

小物「っ……て、てめぇ……っ」

上条「答えろよ、三下」

 上条当麻は、問う。
 その響きに、確たるものを持ちながら。

上条「てめぇはそれで、何をしようとしてたんだ!」

相手の能力、空気を全て有害に変換すればかなりのチート能力じゃない

 普通、道行く一般人には見知らぬ女の子を助ける義理はない。
 むしろ、見ても見ぬ振りをするのが普通だろう。
 しかし、上条はそれをしない。
 その根底にあるのは、自分が不幸の辛さを知っているからだろうか。
 そして――
 その何をしたか分からない、危機を救ってくれた上条を見て。
 絹旗は――ヒーローだと思った。
 今までずっと、学園都市で不幸をかぶり続けていた自分をすくってくれる、見てくれる。
 本当に、闇を照らす、光のような救世主だ、と。

上条「……いいぜ、答えないなら、それでもいい」

 上条は一歩、小物へと踏み出す。
 人の不幸を、その右手で削り取っていくように。

上条「何をしていようが、その女の子に何をしようとしていようが……そんなものはもうどうでもいい」

 上条は、ただ拳を握り締める。

上条「ただ……」

 小物は、ただそれだけで恐怖する。

上条「てめぇが、その女の子に対して、自分の思うままに行くと思ってんなら……!」

 絹旗は、ただそれに見惚れる。

上条「まずは、その幻想をぶち殺す!!」

>>9
あー……それなら、普通レベル5で……
色々条件があるのですが、書くのを忘れていました……orz


小物「ひっ――――」

 小物はその武器を捨てる。
 レベル5に、基本銃は通用しない。
 一番下の第七位でさえ真正面からくらっても生きているほどだ。
 ならば、信じられるのはその自分の能力のみ。
 油断しているのか、相手は能力ではなく肉弾戦で挑んでくるようだ。

小物(相手の肉体を――発泡スチロールのような脆さに、変換する!)

 上条は腕を振りかぶる。
 眼前に、その拳が迫る。
 小物は、激しい感情の中、勝った、と刹那、思う。

 しかし、やはり。

 その『希望』は、彼の宣言した通りに、殺される。

小物「――――――――」

上条「うぉおおおおおおおおおおおおおっっ!!」

 上条は全力で腕を振り抜き。
 小物は数メートル向こうにいる絹旗までも超えて。
 地面に、落ちた。

 絹旗は、能力が使えるようになったことも忘れて、一部始終を見入っていた。
 助けに現れた救世主。
 こんなものがいるんだ、と絹旗は無意識以下で思う。

上条「ふぅ……銃持ってるって思ったときはどうなるかと思ったけど……案外なんとかなるもんだな」

 絹旗はその言葉がおかしくて、つい笑ってしまう。
 怖いのなら、どうして挑むのか。
 上条はそう問われたら、そういう性質だから、と答えるしか無いのだろう。

上条「って……どうしてお嬢さんは笑ってるのでせう?」

絹旗「くくっ……だって、超……おかしいんですもん……」

 たすけてくれて失礼だと思いつつも、笑う。
 上条はそれを見て、安心だと判断したのか……手元を見る。
 そして、絶叫。

上条「あぁ――――っ!!買い物袋、表においてきちまった――――っ!!」

上条「やばいっ!今日飯作れなかったら俺がインデックスの飯になっちまうっ!!」

絹旗「え、あの……」

 絹旗は上条に声をかけようとするが、慌てる上条にその声は届いていない。

       

上条「ああもう――っ!不幸だぁあああああああああっ!!」

絹旗「ちょっ……超待ってくださ……っ!!」

 結局、上条は絹旗の様子に気づかずに、きた道を駆け戻っていく。
 そこに残されたのは、絹旗と気絶している小物のみ。

絹旗「……あ、そうだ。超電話」

 絹旗は『アイテム』の下部組織に連絡し、小物の身柄を確保して、回収することを告げる。
 電話を切り、名乗らなかった少年に対して、思いを馳せる。

絹旗「全く……超あの高校生は、なんだったんでしょうか……」

 つい、と地面を辿ると、そこには一つの物が落ちていた。
 それは、生徒手帳。
 先程の少年が落としていったのであろう、絹旗はそれを拾い、中身を確認する。

絹旗「……上条、当麻…………」

 それを声に出しただけで、胸が熱くなった……気がした。
 これはこれからくる下部組織に預け、他の経由で返してもいいが……
 絹旗は、それをポケットに仕舞う。

絹旗「……今度、お礼と一緒に、超返しに行きましょう」

 淡い、僅かな気持ちの変化と共に、つぶやくのだった。

とりあえず、書き溜めは超終了なわけなんですが。
需要、あります?

このテンポ…書き溜め…!

ありまくりなので早く書いてください

では、超もう一つだけ質問で。

1、地の文あり(超テンポ遅くなる)

2、地の文なし(よくあるSS)

どっちがいいです?

貴方の超したい方でいいです贅沢は言いません

必ず完結させるというのなら気の済むように書いてほしいが

 上条当麻は、不幸である。
 ベランダから落ちてきたシスターに居候されるし、記憶喪失してすぐに錬金術師と戦わされたりもする。
 よく合うお嬢様校である常盤台中学のレベル5にもよくからまれる。
 これを不幸といわずして、なんというのか。

 ……もう一度いうが、上条当麻は不幸である。

クジの人「当たりーっ、三等賞ーっ!!」

 カランカランとけたたましいほどにベルが鳴り響き、上条はそれを眺めつつ、呆然としながらつぶやく。

上条「……へ?」

 ……再三いうが、上条当麻は不幸である。

>>24
私は書く物は超完結させるつもりで書いてます。
何日かかるかは別として。最大で一週間以内には超終わらせます。


 上条当麻は思わず身構えてしまう。
 以前にもこんなことがあったような、なかったような、気がする。
 これはパラレルワールドなので言ってしまうが、以前イタリアに行った時もこんなのだった。

上条(うわーっ!絶対不幸がくるーっ!!)

上条(……しかし!上条さんはいろんな不幸をかぶってきたんだ、今更どんな不幸がきてもへこたれませんっ!!)

 ……などと、さとってしまうほどに不幸まみれの上条だった。

クジの人「はい、三等賞は映画のチケットねー」

上条「あ、はい、ども……」

 ……映画?
 上条はなんとなくレベルの低い幸運に対して首を傾げる。
 これから不幸に繋がる理由が、全く理解できないからだ。

上条「って、うわ、これ今日までじゃんっ!」

 受け取ったものの期限をみて、上条は愕然とする。
 本日の、0時まで。しかし、0時までなら何度でも使用可能。

上条「急すぎるっての!ああでも、せっかくもらったもんだ、使わなきゃ損だし……」

上条「……仕方がない、インデックスは子萌先生に預かってもらうことにしよう」

 上条にとって、映画のほうが優先だと判断したらしい。
 よーし、今日は夜まで見通すぞー、と張り切りながら、映画館のある方向へと消えていく。

 その映画館前では、絹旗最愛が宣伝のポスターを見ながら何をみようか迷っているところだった。

絹旗「んー……これといって、超パッ、とするものはないですねー」

 腰に手を当てて、前かがみにポスターを隅々まで凝視する。
 傍から見ていると、彼女の下着が見えてしまいそうで仕方がないのだが、絹旗は全くそれを気にしない。
 それは彼女が、パンツが見えそうでギリギリ見えない角度を熟知しているためだ。

絹旗「……はぁ。超仕方がないですね、今日は帰りましょうかね……」

 と、姿勢をただし、踵を返したところで。
 後ろにたって、まずはじめにどれを見ようか悩んでいた上条に正面衝突しそうになった。

絹旗「うわっ、とっと……」

上条「おっと、だいじょう――」

 絹旗は下がって、体制を立て直そうとして。
 上条はつかんで、倒れないように引き寄せようとして。
 むに、と。
 上条の手が何かを掴んだ。
 それは、柔らかく、ほんのり暖かく……

上条「………………」

絹旗「………………」

 絹旗最愛の、胸だった。

上条「すいませんでした―――――――――――っ!!!!?」

 素早く離れて、土下座への移行は素早い。
 その道を極めた、と言ってもいいだろう。
 とうの絹旗は、まだ呆然としたまま現実には戻ってこられずに、目を見開いている。

絹旗「……なっ、なっ、なっ…………」

 上条は内心やっちまった――!と思いつつも制裁がこないことを不思議に思い、顔をあげる。
 そこには、白色の天国があった。
 
 絹旗はようやく、そこで我に返り、上条が自分のそれを見ていることに気づき――

絹旗「お前コロス超コロス!!」

上条「やややや、やっぱり……不幸だぁ――――――――っ!!」

 上条当麻は、やっぱり不幸だった。

 ……暫くして。
 絹旗は、上条がいつの日の路地裏で自分をたすけてくれた人だと気づいた。
 しかしながらそれでも、胸を揉まれたことと下着を見られた事は別だ。
 上条を目の前に土下座させ、足蹴にしている。
 上条にとって幸運なのは、周りに絹旗と映画館の人以外、見ている人がいないことだろうか。

絹旗(超、変態ですね、上条当麻……!)

 お礼をいおうとしていた私が超馬鹿みたいです、と心底憤慨する。
 そして怒っている素振りをみせていても何もしない絹旗に対して上条は、交渉の余地ありと思ったのか顔を上げようとして、

絹旗「超見るなっ!!」

上条「そげぶっ!」

 再び地面に顔面をぶつける。
 数秒おき、上条はこのままの態勢でネゴシエートすることにする。

上条「ひ、姫……」

絹旗「……超なんですか」

上条「こ、これを…………」

結局…私の出番はない訳よ……

 上条がとりだすのは、先程当てた映画の無料チケット。
 映画館にいるということは、即ち映画を見に来たと言うことであって、これを上げれば喜ぶと思ったからだ。
 思った通り、絹旗はそれを見て、一瞬目を光らせる。

絹旗「そ、それはっ……!」

上条「きょ、今日のところは……これで、矛を収めてくれませんか……?」

 年下に許しを求めるのは男としてどうかと思うが、インデックスや美琴に何度もしている今、そんなことはいってられない。
 反応はよく、絹旗はそれを受け取って、上条の頭から足を放して数歩下がる。

絹旗「……ふっ、ふん、今日はこれで超勘弁してあげますよっ!」

上条「ははーっ、ありがたき幸せーっ……!」

 正直、これだけで済んで上条は本当に幸せだったと思う。
 いつもならマッハ三のレールガンを撃たれたり、頭をかまれたりしているわけだから。
 だから、これぐらいならまだまだ幸運――

絹旗「けどっ!もう一つだけ、超条件がありますっ!!」

 ビシッ、と絹旗は上条を指差し、告げる。

絹旗「貴方も一緒に、超映画見てもらいますよっ!」

 映画を観る→無料券はあげた→つまり自服→お金がなくなる→食べ物が買えなくなる→インデックスに噛まれる。
 一瞬で一連の流れを想像し、先程幸せを垣間見ただけ、上条は深く絶望して。
 そして、やはり、呟く。

上条「不幸だ……」

>>35-36
『アイテム』は超私の善意で一応出してあげるつもりではいます。


……というか、なんで超こんな時間に立てたんでしょう……
超眠いです……

なにぃ?
聞こえんなあ

貴方達、超鬼ですっ!
……仕方ありませんねっ、二時までなら書いてあげますよっ!


上条「うっわー、ひろー……って俺たち以外誰もいねぇ!」

 上条の言うとおり、上映会場には彼らを除く誰一人として存在しなかった。

絹旗「超当たり前ですよ。どれだけC級の映画だと超思ってるんですか」

絹旗「わたしだって、この券がなければ帰っていた所ですよ」

 ひらひらと、上条から譲り受けた券を見せつけるように降る。
 それを見て上条は気を見てわかるぐらいに落ち込ませた。

上条「千五百円……卵……貴重なタンパク源…………」

絹旗「ああもう、超うるさいですねっ!わかりました、少しぐらいならお金超払ってあげますからっ!」

上条「うそっ、いいのか!?」

 絹旗の言葉に、まるで生き返ったかのように目を煌めかせる上条。
 それに多少引きつつも、答える。

絹旗「……ええ、私だってひとりで見るのが超寂しかっただけですから、そのぐらいは払ってあげますよ」

上条「おぉーっ……!」

 上条は感動に打ち震え、絹旗は呆れたように彼を見る。

 そして、絹旗は視線を会場へと移して――
 突如、くねくねしだした。
 上条は何が起こったんだ!?と驚愕の視線で見ているが、やはり絹旗は気にすることが無い。

絹旗「ああん☆」

絹旗「ここだけの単独上映で、客は私だけ。つまり、この作品の素晴らしさを超理解できるのは私だけ!」

絹旗「まぁ確かに超見逃そうともしていましたけど、この無料券はきっと私だけに楽しんでくれという神のお導き!!」

絹旗「そしてっ、今だけはこの映画の監督サマの伝えたいこと超独り占めぇえええええええええええっ!!!」

 そうして暫く光悦の表情でくねくねした後、先程の状態に戻り、会場の席へと足を踏み出す。
 上条はそれに戸惑いつつも絹旗のあとを追って、隣に座った。

絹旗「~♪」

 パタパタと楽しそうに足をパタつかせる絹旗は、暗部組織の人間とは思えないほど年相当に見える。
 先程とはまるでうって変わった様子にやはり戸惑いつつも、

上条(ま、楽しそうならいいか)

 と、上条は持ち前のスルー力で映画が始まるまでぼーっとすることにする。

 映画上映。開始三分。
 ぼーっと眺めている上条でもわかる。
 これは、駄作だ。
 映画に素人の上条でも理解できるほどの出来の悪さで、こんなので本当によかったのか、という気分に駆られる。
 ふと横の絹旗を見ると、

絹旗「………………」

 真剣な表情で映画を見遣っていた。
 それに驚き、上条はその理由を考える。

上条(……そういえば、さっき監督のいいたいことを独り占め、とかいってたな……)

上条(つまり……あれか?素人の俺には、この映画の良さはわからないってか!?)

上条(くそう……燃えてきたぞこのやろう、上条当麻をなめるんじゃねぇ、全部まるっと、いいところを見ぬいてやるっ!!)

 そうして見てみると、上条には全てが輝いて見えた。
 ぐだぐだそうに見えて、必死にカメラを回し、必死に演技している人たち。
 それは、まるで文化祭のもののよう。
 だけれど、それはやはりプロの意地で、最後まで必死に通そうとしている。

上条(……すげぇ)

 上条は見入る。
 そして、思う。
 隣の奴の見ている世界は、これなんだ、と。
 とても素晴らしい世界だ、と。

 映画のマナー違反だと思いつつも、それに気づかせてくれたことに対してお礼をいおうと、再び横を向く。
 すると、さっきとは違い、ぐだー、とシートに身体を預けている絹旗がそこにいた。

絹旗「だぁー。超つまんねー」

 がくん、と上条は何も無いところでずっこけそうになる。
 そして叫ぶ。

上条「なっ、なんだよそれっ!!俺がさっき感じた、この映画の素晴らしさはなんだったんですかっ!?」

絹旗「はぁ?超なんですか、それ。私ですら分からないこの映画のよさが、貴方に超わかるわけないじゃないですか」

絹旗「それに、ほら。もうオチが見え見えですよ。ひとりずつ消えるように死んでいって、最後は制覇されエンド。次は唯一いる女性ですね。殺したいオーラがびんびんです」

上条「なっ!?し、しなないねっ!唯一いる女性は、主人公っぽい男性と一緒に生き残るに決まってるねっ!!」

絹旗「じゃあ賭けましょう。私は死ぬにポップコーンLサイズ」

上条「上等だっ!上条さんの鑑定眼、見せてやるっ!!」

 売り言葉に買い言葉、絹旗の賭けに上条はまんまとのり、
 その十分も立たないうちに、唯一の女性は退場。

絹旗「超ぽっぷこーんげっとー」

上条「くそう……くそう……っ!」

 結局、ぐだぐだなまま映画鑑賞は終了した。

 絹旗最愛は、結果的にいえば、楽しかった。
 麦野沈利、フレンダ、滝壺理后とは趣味が合わず、今までこういったB級C級の映画は一人で見ていたから。
 だから、楽しかった。
 映画の内容はともかくとして、二人で先の展開を言い争い、賭けをして、一喜一憂するのが。
 結果は、勿論絹旗の圧勝だったわけだが。
 ……そして、零時を越して、映画鑑賞会が終了したのと同時に彼女が感じたのは……虚しさ、だった。
 そのため、だろう。
 映画館を出て、すぐのところで、こういってしまったのは。

絹旗「……超ありがとうございました。楽しかったです」

 正直に言えば、名残惜しく。
 しかし、それほど親しい仲でもないため、そんなことも言えない。
 絹旗は、そんなもどかしさを感じて止まなかった。
 しかし。
 上条は、それを知ってか知らずか、簡単にそんな垣根を乗り越える。

上条「ああ、俺も楽しかった。だから、また今度一緒にみような」

 それは、絹旗が楽しく感じて、寂しく感じて、そして至った一番言いたかった言葉。
 それを聞いて、絹旗はやはり、と思う。
 この高校生、上条当麻は――私にできないいことを、簡単に成し遂げてしまう、と。

上条「じゃあな」

 上条は去る。
 立ち止まっている絹旗を置いて。
 交わることのなかった平行線が、再び元に戻っていく。
 それを見かねて、絹旗は、去りゆく上条の背中に向かって、叫びを放った。

絹旗「超さようならっ!上条当麻っ!!」

絹旗「また、会いましょうっ!!」

 上条は少しだけ絹旗の方を仰ぎ。
 そして、小さく、笑った気がした。

 上条が見えなくなってからも、絹旗は上条が去っていた方向をじっと、見つめていた。
 彼が笑った顔が、脳裏に焼き付いて離れない。
 思い出す度に、胸がどきどきして、どうしようもなくなる。

絹旗「これは……超なんでしょうか?」

 絹旗は、その気持ちに対する明確な答えを知らない。
 しかしながら、ある人が聞けば、一発で正解へとたどり着くだろう。
 即ち――恋、と。

絹旗「……あ、手帳返すの超忘れてました」

 それの存在を思い出し、ポケットから取り出す。
 開いて、証明写真を見る。
 そこには、覇気のない無表情の上条の写真が貼ってあった。
 そして、絹旗は刹那、思う。

絹旗「……ああ、超、不幸です」

 目を閉じて、脳裏に焼き付いている上条当麻を思い浮かべながら。
 なんてことないように、嘯く。

絹旗「だって今更、あの人のせいで表の世界に超戻りたくなっちゃいましたから」

 空を見上げると、星空が輝いていた。

と、とりあえず……今日の夜中のところは超このへんで……
今日も超学校で……きっと午後五時半ぐらいに再開できたら超嬉しかったり……

あ、仮に落ちたとしても、時間がある時にいつか超立てなおしますから、多分。
では、超おやすみなさいです。

上条「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム!」

 

これは突っ込みまちなのか?

>>829
セリフ付きエロって言ってんだろぶっ飛ばすぞ

小物透人(『物質変換』《マテリアルキラー》)についての報告書。

元よりの潜在能力が高く、開発をしてすぐに能力が顕現。その時点ではレベル3だった。
○月×日、夜中に出歩いていると木原数多不在の『追跡部隊』に遭遇。レベル4になっていた能力を駆使し、撃退。
その後、その損害を補うため、『メンバー』に依頼し捕捉。暗部組織、『チーム』のリーダーとなる。
『物質変換』による学園都市に対する反逆が始まるまで、『グループ』『スクール』『アイテム』『メンバー』『ブロック』に並ぶ組織として活動していた。
騒動の原因は、『チーム』のメンバー同士での諍いらしい。
『物質変換』は組織のメンバーである遠野瞳(『応接能力』《サイコメトラー》)、桐生理樹(『自然災害』《カタストロフ》)、黒石詩軟(『判別能力』《AIMジャッジ》)、以下下部組織の数名を殺害し、逃亡。
『アイテム』のメンバー、絹旗最愛(『窒素装甲』《オフェンスアーマー》)との戦闘により戦闘不能となり、確保。

『物質変換』について。
半径一キロに存在するあらゆる物質を変換、あるいはその特性を変更することができる。
しかし、遠くになればなるほど、そうすることのできる期間は短くなる。
また、同時に一つの物質しか変換、変更することができない。例外として、生物を指定した場合はその対象のみに効果が及び、他に対しては無効となる。
更に、融通が効かない。例えば『酸素』を変換した場合は、自分の近くにある『酸素』までも変換してしまうため、自分にも被害が及ぶ恐れがある。
それを克服してしまえばレベル5の認定を受けていた、レベル5に最も近い能力者の一人と言えた。

追記。
『物質変換』によって生み出された物質には既存の物も存在するが、現存しない物も存在し、第二位『未元物質』《ダークマター》に通じるものがあった。
これを使えば、『神様の奇跡』に辿りつける可能性も否定できないため、『物質変換』は捕獲後、厳重な監視のもと実験を繰り返すことにする。

うるさい黙れ

えっ……超怒られました……
時間に余裕があったから、少し話題になってたチート能力の設定を超公開しただけなのに……

もう少ししたら、超書き始めます。

あっごめん
黙らないで

          ____
        /_ノ  ヽ、_\
 ミ ミ ミ  o゚((●)) ((●))゚o      ミ ミ ミ   <だっておwww

/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒(__人__)⌒:::\   /⌒)⌒)⌒)   
| / / /     |r┬-|    | (⌒)/ / / //       
| :::::::::::(⌒)    |  |  |   /  ゝ  :::::::::::/      
|     ノ     | |  |   \  /  )  /
ヽ    /     `ー’´      ヽ /    /
 |    |   l||l 从人 l||l      l||l 从人 l||l  バンバン
 ヽ    -一””””~~``’ー?、   -一”””’ー-、
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))


俺の事だったのか…

 やりたい放題。
 それがこの状況に対する最もいい回答だろう。
 麦野沈利はコンビニで買ってきたシャケ弁当を堂々と食べている。
 フレンダはサバカレーの缶詰を爆発物を使って開けて、食している。
 滝壺理后はぐでーとテーブルに頭を押し付けて窓を眺め、偶然こちらを見た一般人を驚かせている。
 絹旗最愛は椅子に足をつけて映画のパンフレットなどをみて――いなかった。

絹旗「……はぁ……」

 はたから見ればパンフレットをみて、思いを馳せているようにも見える。
 しかし、絹旗が見ているのはそのパンフレットと自分の間に挟んだ生徒手帳。

絹旗(……超どうやって返しましょう……)

 昨日の楽しかった映画鑑賞会のことを思い出す。
 だが、上条は自分のことを知らず、知っているのは一方的にこちらのみ。
 二人を繋ぐ絆は、僅かにこの生徒手帳しかない。

絹旗(どうやって……超次につなげましょう)

 生徒手帳を返して映画にさそう――駄目だ、その日だけで終わってしまう。
 ならば、お茶をしないかと申し出る――駄目だ、これもきっとその日だけで終わってしまう。

絹旗「……はぁ……」

 恋する乙女は大変らしい。
 彼女の場合、自分が自覚していないからなおさら。

麦野「……絹旗、さっきから何ため息ついてるの?いい映画でもあった?」

 麦野はいつの間にやらシャケ弁当を食べ終えて、身を乗り出して絹旗の手元を覗く。
 絹旗は全くそれに気付かずに考えに没頭し……見られた。

麦野「なにこれ、生徒手帳?」

 麦野は首をかしげ、ひょい、とその手元から生徒手帳を奪う。
 そこでようやく絹旗も気づき、その取り上げられたものに手を伸ばす。

絹旗「あっ、ちょっ!麦野超返してください!」

麦野「いーじゃない、別に。減るものでも無いし」

 自分にとっては何かが減るのだ、とは言えない。
 麦野はその手帳の一ページ目を捲り、上条当麻の名前と顔写真を見て、目を丸くして言う。

麦野「あら、幻想殺しじゃない」

絹旗「……え?麦野、超上条当麻をしってるんですか?」

 麦野に見られてからかわれるだけだと思っていた絹旗に対して、その反応は意外なものだった。
 つい身を乗り出して、麦野に顔を近づける。

絹旗「何か、超知ってるんですか?」

麦野「知ってるも何も。彼、第一位を倒してレベル6シフトの実験を止めた人でしょう?」

 え、と絹旗の思考が停止する。
 学園都市第一位――それを倒した。麦野は確かにそういった。
 一方通行。絹旗の『自分だけの現実』に、彼のそれを植え付けられたのは覚えている。
 自動防御、反射。
 ベクトル変換。
 何人たりとも及ばない、学園都市で最強の超能力者。
 そんな人を、あの上条当麻が倒した――?
 二人の話を聞いていたのか、フレンダと滝壷も顔を上げて二人を見る。

フレンダ「結局さ、なに?絹旗が持ってた生徒手帳の人がよっぽど有名だったってわけ?」

麦野「まぁそれなりにはね。第一位が倒されたっていうのは昔噂で流れた。その噂を確かめると、真実だったってことよ」

滝壷「……じゃあどうして、きぬはたはそのかみじょうの生徒手帳をもってたの?」

 ばっ、と三人の目が絹旗に集中する。
 不意の視線に絹旗は思わず下がり、椅子に深く腰を落とした。
 それが間違いだった。
 三人はそんな絹旗の様子をみて、確信したように頷く。

フレンダ「……結局さ、絹旗はその彼がきになってたってわけね」

麦野「そういうことみたいね」

絹旗「ち、ちちちちちち超違います!だだだだ、誰が超上条当麻のことなんかっ!!」

 その動揺が既に恋愛では無いにしても何かしらの思いをいだいていると答えている。
 麦野とフレンダは顔を見合わせて軽く笑い、絹旗は助けを求めて滝壷を見やる。
 滝壷は絹旗の視線を受けて、一度縦に頷いた。

滝壷「大丈夫だよ、きぬはた」

絹旗「滝壷さん……」

 やっぱり、『アイテム』で味方なのは彼女だけだ。
 その幻想は、軽々しく打ち破られる。

滝壷「大丈夫、私はかみじょうが好きなきぬはたを応援してる」

絹旗(超大丈夫じゃないですよ、滝壷さんっ!!)

 絹旗は心の中で滝壷に全力で突っ込み、テーブルに伏した。

土御門「カミやーん、とっとと帰ろうにゃー」

 上条は学校を終えて帰る支度をしていたところを土御門に話しかけられた。
 上条は返事二つで返そうとしたが、あることを思い出しいいとどまる。

上条「すまん、子萌先生のところにインデックスを預けてあるから、迎にいくんだ」

土御門「残念だにゃー、久々にお馬鹿デルタフォースで馬鹿話ができると思ってたのに」

青髪「っていうか、子萌せんせーのとこいくん?いいなぁ、カミやん。ボクなんか一度も行ったことあらへんで」

 普通先生の家にいく生徒はいないだろ、と突っ込む。
 そこでようやく準備が完了し、席を立つ。

上条「おし、じゃあ玄関まで行こうぜ」

土御門「そうだにゃー」

姫神「あ。上条くん。待っ……」

 姫神が上条を呼び止めようと声を上げたが、上条は気付かずそのまま土御門、青髪ピアスと共に教室を出て行った。
 まだクラス内に残る喧騒をBGMに、姫神は一人ごちる。

姫神「……どうせ私は。影の薄い脇役。ふふふふふふ……」

 玄関を出て、校門まで見送ろうと足を向けた上条達はそこになにやら人が集まっているのに気づく。

青髪「なんやろ、あれ。有名人でもいるんかいな」

土御門「どうせ俺らにはかんけーないことだにゃー、とっとと帰ろうぜい」

 そういい、彼らは隣を過ぎ、上条も一応ついていこうとして、
 そちらの人がいる方向から声が上がった。

 「あっ!超上条当麻っ!」

 その声を聞いて、青髪からはまたカミやんか、と声が漏れる。
 上条には聞き覚えのある声。土御門には資料上知っている相手。
 その姿が、人の波を割って現れる。
 『アイテム』の絹旗最愛。
 上条は昨日行われた映画鑑賞会のことを瞬時に思い出し、なにかあったかな、と思考を巡らせる。
 そうこうしているうちに、絹旗は上条の前までたどり着き、腰に手をあてて仁王立ちする。

ぴろろろーん

青髪「うっは、ちっさ!小学生?」

土御門「カミやんの守備範囲も広くなったぜい……小学生の次は幼女かにゃー子萌せんせーじゃなくて」

 などと言う野次馬は放っておき、上条は恐る恐る絹旗に話しかける。

上条「あ、あのー……姫、今日は一体何を……?」

 昨日、上条は絹旗の胸をもみ、果てに下着も見た。
 そして許しを請い願った結果、『今日は許してあげなくもない』という返事が来たのだ。
 もし、その言葉通りに受け取るなら……今日も、また何かをしなければならない、ということになる。
 不幸だ……と内心がっかりしつつも、差し出された一つのものに思わず身を引く。

上条「うぉ!?……って、生徒手帳……?」

 パンパン、と制服のポケットの位置を叩いてみるが感触がない。どこを探しても見つからない。
 それを受け取り中身を見て、上条は絹旗の顔を見た。

上条「あ……もしかして、昨日落としたのか?それなら、届けてくれてさんきゅ……」

絹旗「超違います。拾ったのは、昨日じゃありません」

 絹旗はやっぱり、とでもいいたげに少しだけ唇を尖らせた。
 その子供じみた行動に、思わず上条はドキッ、としてしまう。

上条「じゃあ、どこでだ?」

 いろんなところを歩いているから、どこに落ちていてもおかしくはないが……一応気にはなる。

絹旗「超路地裏です」

上条「……はい?」

 路地裏?
 確かに路地裏には入ったが……と、その時のことを振り返りつつ、

絹旗「超上条が超熱い言葉を(小物に)ぶつけて、その超すごいもの(幻想殺し)を奮って(小物の)悲鳴を上げさせた、あの路地裏で――」

上条「うぉおおおおおおっ!?ま、まてっ!!その言葉はすごく誤解を招くぞっ!!」

 絹旗がえ?と首を小さくかしげ、上条は土御門や青髪ピアス、そして絹旗に絡んでいた野次馬を見る。
 すると、あたりからヒソヒソと、『えっ、上条くんあんな小さい子を路地裏に連れ込んで……』だとか、『しかも熱い言葉をぶつけたって……言葉責めかよ……』だとか、『くそう、どうしてカミやんばっかりーっ!こうなったら闇討ちして……』などという物騒な声も聞こえた。
 上条の身体の穴という穴から、変な汗が吹き溢れる。
 様子がおかしい上条を絹旗は怪訝な目で見ながら呼ぶ。

絹旗「……超上条当麻?」

上条「ふ……」

絹旗「ふ?」

 次の瞬間、上条は絹旗の腕をガシッ、と掴み、走り出していた。

上条「不幸だぁあああああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!」

超ご飯です。
続きの構想を超練りながら食べることにします。

キングクリムゾン
食事タイムは終了だ

超おまたせしました。
お風呂入るまで超書きます。

上条「不幸だ……不幸だ……不幸だぁ…………」

 上条は街のビルの壁に頭を押し付けて、不幸不幸と呟く。
 絹旗は自分がその不幸の自覚があるのか、少し気まずそうな顔をする。
 かと思うと、何か閃いたのかパッ、と顔が明るくなった。

絹旗「超上条当麻!こ、こんな美少女と一緒にいるんですから、不幸なんていうのは超場違いですよ!」

 自分で自分のことを美少女というのはどうかと思うが。
 しかし、絹旗は少なくとも美少女とは言えるレベルではあるだろう。だからこそあそこまで人が集まっていたのだし。
 上条は頭を壁につけたまま角度をずらし、絹旗を見る。

上条「……で、姫。暇はこの上条めにどんな御用なのでせうか……」

絹旗「超聞いてませんね……まぁ、いいです……っていうより、超上条当麻。いつまで私を姫とか超呼ぶつもりですか?」

上条「あー……すまん、えっと……えっと…………」

 そこで同時に気づく。
 絹旗が知っていたから気がつかなかったが、彼らは二人とも自己紹介等していない。
 今更なことに少しばかり恥ずかしくなったのか、絹旗は顔を赤くした。

絹旗「ちっ……超上条当麻っ!」

上条「はっ、はい!なんでしょうか!」

絹旗「わっ、私は絹旗最愛です!最も愛するで、最愛!」

上条「お、おう!じゃあ、俺も改めて……上条当麻だ。当たるに植物の麻で、当麻。……それと、俺の方もフルネームで呼ばないでもらえると、嬉しい」

絹旗「じゃ、じゃあ…………」

 絹旗は一瞬考えて、決める。
 というより、再び決心する。
 今日ろくに後先が決まっていないのに生徒手帳を届けに来たのは、そういう提案があったからだ。
 ……面白がって色々言ってきた、『アイテム』のリーダー以下二名が。

絹旗「超、当麻で……当麻、と呼ばせて頂きます」

 だから――とづつける前に。
 上条は頭を書きつつ、呼ぶ。

上条「ああよろしく、絹旗」

絹旗「っ――――」

 くらっ、ときた。
 なぜこちらが名前で呼ぶと言っているのに、苗字の方なのか。
 呆れを越して、フツフツと怒りが沸き起こってくる。

絹旗「当麻……超、当麻ぁあああああああああああああああっ!!」

上条「なっ、なんで怒って――ってうぉおおおおっ!?」

 上条が宙に浮く。
 絹旗最愛の能力、『窒素装甲』。
 盾として機能するのが一般だが、その窒素の力を使って車ぐらいなら軽々と持ち上げることができる。
 しかし、窒素の膜は薄いため、彼女自身が持ち上げているようにも見えるが。

上条「ちょっ、ごめ、すいませんでしたぁあああああああっ!!」

絹旗「当麻超殺す!」

上条「ちょっと待ってくれ、よくよく考えてみると、俺は別に何もしてなくて、絹旗に怒られるいわれもなくて、軽いお茶ぐらいならおごるからそれで今日のところも矛をおさめてくれってそんなことできませんよねごめんなさいっ!!」

 自己完結し、上条は。
 絹旗の力で地面に超激突した。

フレンダ「……結局、絹旗って結構馬鹿なわけね」

麦野「それでも、口実ができたじゃない。『怪我させたから』って」

絹旗「そ、そうですよね!超口実ですよね!」

麦野「調子乗らない」

 絹旗は上条に対して謝り倒した後、メールアドレスと電話番号を交換して、再びファミレスに戻ってきていた。
 それよりも、この四人……開店時からずっと店の一角を支配している。
 それでも誰も文句をいわないのは、彼女らが『邪魔をしたら殺す』というオーラを全身から放っているからだという。
 そんな殺気を放つ少女の一人、滝壺理后は絹旗を眠そうな眼で見つつ、言う。

滝壷「それにしても、かみじょうって人……AIM拡散力場が見当たらないの」

絹旗「え?ってことは、場所が超わからないんですか?」

 絹旗の問いに滝壷は頷く。

滝壺は俺の嫁

>>139
は?

 続いて絹旗は麦野に視線を向けて、

絹旗「麦野は、何か超当麻の能力についてしらないんですか?」

麦野「……『幻想殺し』って呼ばれていることぐらいしか知らないわ。ただの無能力者に第一位が倒せるわけないし……何かしら能力があるのは確かでしょ?」

滝壷「でも、拡散力場がない……つまり、能力はない」

 ふむ?と三人は顔を見合わせる。
 はぁ、とフレンダがサバ缶(朝開けていたものを含め、すでに五つ目)を食べながら流れを変える。

フレンダ「はむっ……結局、上条当麻の能力は分からないってことでいいじゃん。それよりさ、絹旗が上条にどうアプローチするかって事の方が重要なわけよ」

絹旗「そ……そうですよね」

 こほん、と一つ咳払い。

絹旗「……最近の高校生が超いきたいところって、どこなんでしょうか?」

麦野・滝壷・フレンダ「知らない」

絹旗「……ですよね」

 絹旗は予想通りの反応に、つい目頭を抑える。

あれ?1時期100人以上スキルアウトを束ねたイケメンは?

誰の事か解りませんなぁ?

>>142
……まぁ、そんな世界があっても超いいじゃないですか。


麦野「っていうか……こればかりは絹旗が一人で決めるべきじゃない?」

 と、麦野はいう。
 曰く、そういうのは一人で考えてこそ初々しさがでるものだと。
 曰く、一人で頑張った結果うまくいったら、とても嬉しいと。

フレンダ「……結局、麦野も付き合ったことないたたたたたっ!?」

麦野「私は、付き合った事ないんじゃなくて、付きあわないの」

フレンダ「麦野、わかった、わかったからっ!」

 絹旗はそんな向かいの席の二人を眺め、そして滝壷へと視線を移す。
 視線がぶつかり、二人とも以心伝心する……わけではなく、単純に見つめ合っただけだった。

絹旗「……はぁ、超わかりました。これは私一人で考えることにします」

 そしてため息をつきながら立ち上がり、自分の荷物を持つ。
 お金だけを置いて立ち去ろうとすると不意に背後から声がかかった。
 麦野沈利――今までのお茶らけた声とは違い、『アイテム』のリーダーとしての、声で。

麦野「あまり、火遊びはしすぎないようにね」

絹旗「……超、わかってます」

 絹旗はそれに振り向かずに答え、ファミレスを出た。

なんか超眠いんですけど……
もしかして、超浜面を出さなかった滝壷さんの呪いですか……!?


 ――火遊びをしすぎるな。
 麦野の言いたいことはわかる。
 表の世界のことばかりを気にかけて裏のことを疎かにするな、ということだ。

絹旗「……私は、元々超そちら側の人間ですからね」

 上条当麻。
 絹旗にとっては、光の届かない路地裏に、ランプを持ってきたヒーロー。
 立派な、表の世界の住人。

絹旗「……それを、こちらの世界に引きずり込むわけには……超いきません」

 引き際が肝心。
 それは理解している。
 だが、けど、しかし、けれど、いや、なれど、それでも、されど、でも、だけど――
 求めずにはいられない。
 白い堕天使が、闇の中にうずくまりながらも光を求めたように。

 絹旗最愛も、それを求めずには、いられない――

 ピリリリリリ――
 メールを受信しました。

上条「ん?メール……あ、絹旗からか」

絹旗『今日は超ごめんなさい。お詫びといってはなんですけど、時間が合えばでいいですから、今度また超遊びませんか』

 上条は絹旗がいじらしい表情でこれを送ったのを想像し、小さく笑う。
 そして手元のフライパンを振りつつ、片手でメールを打ち始めた。
 数十秒で出来た本文はわれながら簡潔だと思うが、これできっと十二分だろう。
 送信ボタンを押すと同時に、今の方から声が聞こえた。

禁書「とうまとうまとうまーっ!ご飯まだなのーっ!?」

上条「まてってインデックス!もう少しで出来上がるから――ってヨダレをたらしながらこっちに走ってくるなっ!おいっ、その箸で何をする――って、くうな!それは俺の夕飯もはいってるんだ!だから、食うな―――――っ!!!」

 今日も上条家に絶叫が木霊する。



上条『勿論。絹旗とならどこでもいいぞ』

くぅ……超全然進みませんね……
このあとのプロットは完成していて、あとは超形にするだけなんですが……

とりあえず、超お風呂入って目を覚ましてきます。

>>155
せーそく?

>>159
うーん……製作速報に超いくまで量はないと思うんですよ、私は。


 翌日、上条はいつもどおりに学校に通い、そして担任の先生に話しかけていた。

上条「すいません、小萌先生。お願いします」

小萌「もー、上条ちゃんは世話が焼けますねぇ……わかりました!今日もシスターちゃんは家で預かりますよ」

 恩に着ます!と上条は土下座をする勢いで頭を下げる。
 子萌としては生徒にそこまでさせるわけにはいかないので、慌てて止めるが。
 しかし、でも――と小萌は紡ぐ。

小萌「上条ちゃん、どうしたんです?何か事件に巻き込まれたのなら、先生に……」

上条「いやいや、別にそんなことはありませんから!」

 上条はとりあえず愛想笑いを浮かべつつ。
 きっぱりと、その質問に答える。

上条「遊びにいくんです。新しい友達と」

 午後三時半。待ち合わせ時間、丁度その時。

 上条当麻は、フラッカーである。
 クラッカーやハッカーに響きが似ているが別にそんなことはなく、フラグを立てる人で、フラッカー。
 その体質は親である上条刀夜から受け継がれているものだ。

 だが、そんなことを知る由もない彼女は、上条当麻が知らない女とイチャイチャしている(ように見える)のをみて、腹が立たないわけがない。
 待ち合わせ場所についたら、常盤台のお嬢様となにやら話していることにムカつかない道理など何一つないのだ。

絹旗「超、しねえぇええええええええっ!」

 近くにあった車(全く知らない人のモノ)を全力で投げつける。

上条「うおぉおおおおお!?車が飛んできやがった!?」

美琴「あんたは下がってなさいっ!!」

 バチンッ!!と美琴は前髪から迸る電撃で絹旗が放った車を弾く。
 それは大きく弧を描き、絹旗の背後数メートル後ろに墜落した。
 怪我人が誰一人いなかったのは幸運だが。そもそも本当に運がいい人はこんな場所でこんなことに巻き込まれるはずが無い。

絹旗「っ……!超なかなかやるみたいですね……!」

 常盤台の入学資格に、レベル3以上というものがある。
 それを知っているため、そこそこやるだろうとは思っていたが、まさか完全に回避されるなどとは思っていなかった。
 対する美琴は相手がなぜ、どうして、そして何をしたのかよくわからず、困惑する。
 しかし、敵意を持っているのならばそれだけで十分とばかりに火花を散らせた。
 まさしく、一触即発。

美琴「あんたがどこの誰かは知らないけど……この私に喧嘩売るなんて、いい度胸してるじゃないの」

絹旗「表の世界しか知らない世間知らずの超お嬢様に、世界の広さって奴を教えてあげましょうか?」

 バチバチバチバチ!と威嚇のように美琴は四方八方へと電気をばら撒く。
 それでも、絹旗は臆しない。
 自分の守りに絶対の自信を持っている。第二位の攻撃を耐えることができるのだ、それ以下の攻撃を受けられない方がおかしい。

 そして、両者が動く――――

上条「絹旗っ!」

絹旗「!?」

 その前に、上条が何時の間にやら移動し、絹旗を掴んでいた。

美琴とかぶっちゃけDQNだし
姫神は女神

>>176
背景同化の能力の人がなんだって?

>>178-179
姫神の良さが分からないとか終わってんな…

>>181
じゃあ納得いくように説明しろ

>>183
すいませんでした

絹旗「と、ととと、当麻っ!?何腕つかんでるんですかっ!?」

 今は窒素を盾にしているから触れられないハズ――なんてことすらも忘れ、上条に触れられているだけで動揺する絹旗。
 そして、今の発言で美琴もまた動揺する。

美琴「と、当麻!?あ、ああ、あんた何あいつのこと名前で呼んでるのよっ!!」

絹旗「ふ、ふんっ!貴女なんかに教える義理は、超、ありませんから!」

 くぅううううっ!と美琴は地団駄を踏む。
 どういうわけか先程まで能力で戦う寸前だったというのに、何時の間にやら低レベルな口喧嘩に成り代わっている。

絹旗「い、行きましょう、超当麻!今日は、私と超遊んでくれる約束でしたもんね!!」

上条「あ、ああ、そうだけど……」

絹旗「なら超行きましょうすぐ行きましょう!こんなヒステリー女なんか放っておいて!」

上条「え、ちょっ、ひっぱんなって絹旗!?」

 絹旗は掴まれていた腕を逆手に掴み、そのまま手を握る。
 美琴はガンッと鈍器で一撃入れられたかのように立ち尽くし、二人を身を来ることしか出来なかった。

上条「……で、ビリビリは一応第三位だからさ……喧嘩売らない方がいいぞ?」

 絹旗が先程の女についての問いに、上条は軽く答える。
 レベル5第三位であること。
 常盤台エースのお姉さまであること。
 流石にクローンのことは隠し、双子がいる、という程度にとどめてはおいたが。
 絹旗も、その気になれば暗部の情報網で楽に調べられるのだから問題はない。

絹旗「……超当麻は、第三位とどうして知りあったんですか?どう見ても、接点があるようには超見えないんですけど」

上条「……どうしてだったかな」

 上条は曖昧に返事をし、視線を少しそらす。
 上条当麻には記憶がない。禁書目録による『竜王の殺息』によって、記憶がまるごと壊されたのだ。
 だから、この上条はどうやって美琴と出会ったのか知らない。適当に答えるしか無いのだ。

上条「って、そんなこといったら絹旗だってそうじゃねぇか」

絹旗「私が、ですか?」

上条「だってそうだろ?お前小六ぐらい――」

絹旗「私は超中学生ですっ!」

 あれ、そうなの?と上条は首を傾げる。
 確かに絹旗はそれほど背が高くはないが、そこまで酷くはない……と思いたかった。
 思わず、ため息が出る。

絹旗「超不幸です……」

上条「………………」

 上条はその言葉を聞いて、小さく唇を噛む。
 単純に口から出た言葉だとしても、自分以外の人間からそれを聞くのは嫌だ。
 それはエゴだ。上条自身の。
 けれど。不幸を生まれた時からその身に背負っている上条だからこそ。他の人の不幸を聞きたくはないのだ。

上条「……よし、絹旗。今日はどこに遊びにいくんだ?」

絹旗「……へ?」

上条「ほら、早くしないと完全下校時刻になるぜ?まぁ映画見てた日は夜中も夜中だったけどな」

( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!

絹旗「……じゃあ、今日は超ゲーセンに行きたいです」

上条「ゲーセンか……格ゲーとか出来るのか?」

絹旗「少しだけなら超できますよ」

 ふふん、と絹旗は胸を張る。
 すごくできるのか少しだけなのかどっちなんだよ、と思うが上条は突っ込まない。
 このいい雰囲気を、そんな野暮な突っ込みで壊したくないから。
 絹旗も上条が自重してくれていることに気づいているのか、しかし変に勘ぐれないため、つかんでいる上条の手を握り締める。

上条「それじゃ……姫、参りましょうか」

絹旗「……はいっ」

sssp://img.2ch.net/ico/anime_kukkuru01.gif
新人造人間
フレ ンダ
ビッチ
滝壷ちゃん


滝壷ちゃんの可愛いさが目立つ構成だな

>>199
お前ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムするよ?

 ピコピコピコピコ
 ガチャガチャ

絹旗「上左B下A上上A右下BBA左右A」

 ガチャガチャガチャ
 K,O!

絹旗「超勝利ー」

上条「少し、ってレベルじゃなかったぞ、絹旗……」

 上条の声が向こう側に聞こえる。
 対面機の格闘ゲームをして、上条は絹旗に簡単に敗北していた。
 絹旗はどうやらコマンドを入力するときにぼそぼそと呟く癖があるようだが、わかっていても対応できないものはある。
 例えば、空中コンボ。
 地上から打ち上げるだけで綺麗に三分の一のHPが削られる。

絹旗「ふふん、超当麻はこれから私のことを超最愛と呼ぶがいいです」

上条「超、なんでだよ」

 上条は絹旗の口調を真似して、数秒置いて二人で笑う。

絹旗「ちょっ、超当麻っ!ま、真似しないでくださいよ、しかも超似てませんからっ!」

上条「別にいいじゃねぇかよっ!ヘルもんじゃあるまいしっ!」

 本日のゲームセンターは、賑やかだった。

sssp://img.2ch.net/ico/anime_kukkuru01.gif
>>200理解するまで時間かかったじゃねーか

>>203
終わりがないのが終わり…それがゴールド・エクスペリエンス・レクイエム…

お断りします

超どうしよう一瞬絹旗の文字がゲシュタルト崩壊しました……


絹旗「……ってなわけで、それなりに良好な関係は超築けています」

滝壷「頑張れ、きぬはた。私はそんなきぬはたを応援してる」

フレンダ「……っていうか、結局さ。上条当麻の能力ってなんだったわけ?」

麦野「こっちで調べても、特に出てこないわ」

 某ファミレス。
 そこに『アイテム』の四人は集まり、まただべっていた。
 主に、絹旗最愛の近状、上条当麻との関係について。
 しかしながら、それだけで終わるはずがない。
 ぴりりり、と麦野を除く三人の携帯電話が同時に鳴り響く。

麦野「――仕事よ」

 三人に送ったのは、今回の仕事の概要。
 暗部組織としての、活動。

フレンダ「……盗人、ね」

 資料に一通り目を通してフレンダは嘆息する。
 今回の相手は、能力者でもない普通の研究者。
 いや、普通のではない。学園都市の技術や情報を外にリークするためにきた、企業スパイだ。
 それでも、日本内なら問題はなかっただろう。

絹旗「……ロシア、ですか」

 相手はロシアの技術者。
 学園都市のそれを持ち帰り、自分のところの技術に取り込むらしい。

麦野「ま、相手にそれを再現できる装置も技力もないんだけどね」

 『万が一』があれば困るからこそ。
 学園都市最暗部は存在する。

滝壷「…………南南西から、信号が来てる」

 直感、だろうか。
 能力者以外の居場所がわからない滝壷がそう呟く。
 しかし、それを合図にしたかのように、『アイテム』が動き出す。

あ、ちなみにロシアの人の名前は超適当ですから。
どこの国の人か、なんて名前じゃわかりませんよ……


 ザンギエフは学園都市第三学区を歩いていた。
 仕事を無事に終え、余裕綽々に。
 ロシア政府からの仕事内容は、学園都市に侵入し、その技術を持ち帰ること。
 学園都市自体の技術品もとても魅力的であり、返事二つで引き受けた。
 そして、本日その仕事を終えて学園都市をでようとしている。
 もしも、があった時のために侵入した全員が同じデータをもっているが、それはあくまで保険だ。
 バレていないのだから、保険を使う心配など無い。

 ――そういう満身があったから。

 ザンギエフは、胸を貫かれて死んだ。
 貫かれた、には語弊があるかもしれない。
 ザンギエフの心臓の部分が、削り取られた。
 それでもまだ間違いはあるかもしれないが。

慢心

 ズバァ!とその音が聞こえたときには、既に彼は死んでいた。
 何を思う暇もなく。
 
 一瞬だった。
 それは、まるで雷撃のような。
 電子線。
 それがそれの正体。

 『原子崩し』――正式な攻撃の分類は、粒機波形高速砲。

 学園都市第四位の『化け物』は、正しく秒殺でネズミを始末した。
 麦野沈利は冷たい視線をそのものいわぬしたいに投げかけて、他へと電話する。
 コール、一、二、三……

麦野「はぁい、フレンダ。そっちはもう終わってるわよね?」

>>219
超サンクスです……

って、なんで皆ザンギエフに超反応を示すんですか。
小物透人の名前とかほとんど反応なかったのに……


 麦野から電話を受け取る数秒前に、フレンダの方も殺害は完了していた。
 簡潔に言えば、爆弾で。
 設置した最小限の威力の爆発を、遠隔より相手がその区域に入った瞬間にとばす。
 電話に対してなしげもなく告げる。

フレンダ「勿論。結局さ、この程度じゃ私たちな必要もないわけよね」

 彼女も死体を見下ろし、足蹴にする。
 おそらく、爆発の時にデータも壊れただろう。
 相手は、銀色の髪をした美しい女性だった。

フレンダ「……ま、結局、私は任せられた仕事をやるだけなわけよ」

 ――彼女もまた、不幸な人物であるかもしれない。

もう浜面は滝壺しか目に入ってないから絹旗は俺に任せてもらっていいよね

あの服はギリギリ見えないのに意味がある

>>241
だよな~

ちなみに私はレールガンは単行本派なので、フレンダの実際の戦い方は超知りません。


 絹旗最愛は。
 既に一人を始末して、近くにいるであろうもう一人を探していた。
 滝壺理后は能力者以外に対しては全くの非戦闘要員のため、戦闘要員である彼女や麦野がその分動かなければならない。
 だがしかし、彼女の足はいつもに比べて重い。

絹旗(……超、いやだ)

 何をいまさら、と自分でも思う。
 けれど。
 あの時、自分を救ってくれた少年はこんなことをさせるために私を助けたのではないのではないか。
 あの少年はきっと、誰かを殺すことを是としない。
 たとえそれがどんな理由を孕んでいようとも。

絹旗「……超みっけ」

 仲間に連絡がとれないことに焦ったのか、角を走って、現れた。
 日本語ではない言語、恐らくロシア語を口走り、相当混乱している様子だった。

スカートたくし上げイベントが実際に起こったら生きていく希望がわくのに

>>245
だが現実ってやつはその幻想を殺すだけでは飽き足らず、俺を死滅まで追い込んでくる

絹旗(超見つけてしまった以上……)

 ぐっ、と足に力を込めて駆ける。
 足音に気づいたのか、彼はこちらを見るがもう遅い。

絹旗(超始末、しなければいけませんよね!)

 絹旗はその拳を振るう。
 瞬間、少年の姿が脳裏をよぎる。

 ――果たして、同じ拳を、このように使っていいのだろうか――

 迷う暇もなく、絹旗の拳は相手の顔に叩きつけられた。
 めき、と嫌な音をたてる。
 車をも持ち上げることのできる能力だ、直接相手にぶつけたらどうなるか――考える必要もない。

絹旗「……ふぅ」

 麦野に報告して今日の仕事は終わりを告げる。
 死体の後始末は下部組織のメンバーが勝手にやってくれる。
 それよりもなによりも、絹旗は今はこの場にいたくなかった。
 どこへ行く当てもなく、歩き出す。

 適当にさまよい、適当にただよい。
 絹旗は単純に街中を歩きながら眺めていた。
 コンビニの前にたむろするスキルアウト。
 そういう人たちを注意する警備員。
 平和だ、と絹旗は思った。
 普通の人からしてみれば平和でも何でもない。不良がいる時点で危険だと判断するだろう。

 けれど、絹旗にとっては。
 表の世界は裏の世界とは違い、輝いて見えるのだ。
 そして――そう感じる度に、自分が穢れていることを、実感する。

絹旗「…………っ」

 この場にも、いたくなかった。

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浜面は何してんだよ
頑張れよ雑用
そして出てこいよ滝壷ちゃん

絹旗「……私、超どうしちゃったんでしょうね」

 今まで、散々殺してきたはずなのに。
 両手両足の指を使ってもまだまだ足りない。
 それだけの人数を殺してきたはずなのに。

 ――どうして今更、こんなナーバスになる必要があるのだろうか。
 ――どうして今更、表の世界を恋しい愛しいと感じるのだろうか。

 決まっている。
 少年が見せてくれたから。
 楽しさを。
 輝きを。
 私に。

絹旗「――上条、当麻」

 いま、会いたい。
 そう願う時点で、もう致命的だ。
 これ以上は、いけない。
 もう、戻れなくなる。

>>253
>>232

        ____
        /     \    
     /   ⌒  ⌒ \   何言ってんだこいつ 滝壷は浜面の嫁だろjk
   /    (●)  (●) \     
    |   、" ゙)(__人__)"  )    ___________
   \      。` ⌒゚:j´ ,/ j゙~~| | |             |
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 ̄ \__、("二) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l二二l二二  _|_|__|_

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>>255だから浜面と滝壷のペアを見たいんだってばよ

>>258
だが、見てたら俺は(ry

>>257 何を言っているのかな?禁書のヒロインと言ったらタイトルにも入っているインデックスのワントップなんだよ!

>>261
レッサーだろ

やべっ 愛すべき変態淑女を忘れていた

絹旗「……次で、超最後にします」

 それで、別れる、と。
 絹旗最愛はそう決めた。
 元々、普通なら交わることのなかった線。
 それがなんの偶然か交わり。
 そして、繋がった。
 楽しかった。 嬉しかった。
 それも、もう終わる。
 終わらせる。

絹旗「……あれ?」

 ぽとん、と一つ。
 地面に雫が垂れた。
 雨なんか降っていない。湿り気なんて何一つ無い。
 ならば、この雫はなんだろう。

絹旗「―――――」

 彼女は空を見上げる。
 あの映画鑑賞会の日と同じように、星は満天に輝いていた。

>>266
絹旗あああああああああ

レッサーと絹旗ってなんかキャラかぶってね?
レッサーがちょっとエロい感じはあるが二人とも基本敬語っぽい喋り方だし
都市も同じくらいだしなんかに輝樹がする

 思い出すのは、少年の笑っている顔。
 また会いましょう、と絹旗言った時に答えた、肯定の表情。

 どれだけ諦めようとしても。
 どれだけ闇に戻ろうとしても。

 やはり、彼の事を思い出す。

絹旗「ああ――」

 会わなければ良かった。
 あそこで死んでいればよかった。
 それなら――こんな苦しみを感じる必要などなかっただろうから。
 結局のところ、絹旗最愛は。

絹旗「超、不幸です」

 不幸、なのだった。

>>271
あのエロさがあればそんなこたあ関係ない

……あれ、いつからこのスレは自分の超好きな禁書キャラを言うスレに……?

あ、はい……とりあえず昨日と同じ時刻になるまでは超書き続けます。


 携帯電話が鳴った。名前を見る。
 『絹旗最愛』――上条当麻は自分が直前まで寝ていたことを忘れ、電話に出る。

上条「どうした、絹旗?こんな朝っぱらから……」

絹旗『……超当麻』

 上条はその声の響きに、どこかもの悲しさを感じた。

絹旗『今日も――超会えますかね』

 最近、ずっと会っている。映画だったり、ゲーセンだったり。
 描写はしていないが、カラオケに行ったりした日もあった。
 それ以外にも、たくさん、沢山。
 だから、上条にとってそんなのは今更だった。

上条「ああ、大丈夫だ。同居人はいつもの通り、他に預けてあるからな」

絹旗『そう、ですか』

 ――よかった、と。
 小さい声だったが、確かにそう聞こえた。

絹旗『それじゃあ、追って超連絡します』

 絹旗はそう言って、返事を待たずに切る。
 上条は、電話が切れた後も携帯をじっと見つめていた。

そんなことよりはいむらーのpixivで絹旗浜面コンビが拝める可能性が高くなってきたな

このままじゃ絹旗消されんな、最悪アイテムに

>>284
滝壷「・・・」

>>285
その時は俺が助けにいってくるさ

土御門「にゃー、カミやん、ゲーセンいこうぜい」

上条「すまん、今日も用事があるんだ」

 またかいなー、と青髪ピアス。

青髪「また絹旗ちゃん?すきやねぇカミやん。ボクはロリ属性にも目覚めてくれてうれしいわ」

上条「そんなんじゃねぇって」

 おそらく、と文末に小さく呟く。
 土御門は何か考え事をしているのかいつもの表情のまま固定されている。
 そして動いたかと思うと、上条の肩をたたき、青髪には聞こえない音量で言う。

土御門「カミやん……あまり、あいつには深入りしないほうがいい」

 その言葉に何か真剣味を感じた上条は、横に首を振った。
 そして、土御門のサングラスの下にあるであろう目を真っ直ぐに見つめる。

上条「生半可な覚悟で、誰かと関わるつもりなんてねぇよ」

土御門「……そうか」

 次の瞬間には既にいつもの土御門に戻り、『それじゃー俺たちは男ふたりで寂しくゲーセンにいこうぜい』と青髪ピアスと肩を組んで出て行く。
 きっと、彼なりに気を使った結果なのだろう。

上条「……よし」

 上条は土御門に言われたことで決意を新たにし、待ち合わせ場所へと行く。

 待ち合わせ場所では、絹旗が立っていた。
 いつものニットのワンピースは、今日も限界値を保っていた。
 上条はそれにゆっくりと近づき、軽く片手を上げる。

上条「よぉ絹旗」

絹旗「……こんにちは、超当麻」

 なんとなく、はがゆい感じがした。
 いつもは絹旗から寄ってきて、今日は〇〇へ超行きます、と行った具合だったから。
 挨拶から始まるのは、逆に新鮮だった。

上条「……で、今日はどこにいくんだ?」

絹旗「……どこにも」

 上条が聞くと、首を振りながらという予想外の答えが帰ってきた。
 とりあえず娯楽施設は一周したから、今度はまた映画かなーと思っていただけに。

絹旗「超、ここでいいです。一先ずはのんびりしていきましょう」

 ……と、絹旗が指を指すのは、学園都市内外に存在する全国チェーンのファミレスだった。

絹旗「私は超チョコレートパフェ。当麻は?」

上条「俺はアイスコーヒーで」

 かしこまりました、とウェイトレスが注文を受け取り去っていく。
 上条と絹旗は向かい合い、共に沈黙する。
 今までこんなことはなかったかのように思う。
 いつもはもっと笑って、気軽に触れ合って……笑顔があった。
 だから、上条はこんな空気に耐えきれずに。

上条「……ご、ご趣味は?」

 などと、ギャグに走ってしまうのだった。
 その発言に絹旗は少しばかり目を見開いた後、視線をそらして答える。

絹旗「超C級映画の……鑑賞です」

絹旗「それじゃあ……貴方の……好きなものは?」

 ゆっくりと問いかけられた問いに関して、これまたゆっくりとした様子で答える。

上条「えっと……食べ物で嫌いなものはほとんどなくて……」

絹旗「それじゃあ……超好きなタイプは……?」

上条「好きな……タイプは…………」

 上条当麻の好みは、年上のお姉さんだ。
 けれど、本当にそうだろうかと上条は自問する。
 それは、今まで見たことの無い人種にあこがれを持っているだけなのではないか。

上条(俺が――俺が好きなのは――――)

 上条当麻が好きなのは。

上条「……多分、年下の……可愛いこ、かな」

 その回答に、一瞬間をおいた後、
 絹旗は恥ずかしそうにその顔をそらした。
 直後、丁度タイミングよくパフェとアイスコーヒーが運ばれてきて、まったりと一問一答をしながら過ごすことになる。

超眠いです……
中途半端で超すいませんが、今のところはこれで……
とりあえず、予定では今日の夜~夜中には終わらせるつもりです。

また、昨日も言った通り、仮に落ちた場合はいつか超立てなおしますので、多分。
では、超おやすみなさい。

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