矢二郎「そうなのかい?井戸の中にこもってるとはいえ、良くない噂を耳にするよ」
海星「そ、そりゃ矢三郎が週に何回、何時頃に何を使って自慰行為にふけっているのかは把握しているけど、それだってあいつのためなんだ」
矢二郎「おやおや、そんなことは聞いてはおらんのだが」
海星「う、うるさいっ///」
矢三郎「聞いておくれよ兄さん」
矢二郎「矢三郎かよ。どうかしたのかい?」
矢三郎「また海星の奴が俺を覗きにきたみたいなんだ。まったく、何が楽しくて俺を監視みたいな真似するんだか」
矢二郎「夷川の叔父上に言われてやっているのかもしれないぜ」
矢三郎「仮にそうだとしても気に食わんものは気に食わんのだ」
矢二郎「そうだろうなあ」
矢三郎「嫌がらせに海星の覗かれてるなどとは露ほども見せずにオナニーをしてやった。ざまあ見ろだ」
矢二郎「年頃の娘に酷いモノを見せるものだ」
矢三郎「おかげで最近は姿もあまり見なくなったよ。やれやれ、ようやく安心して暮らせる」
矢四郎「矢二郎兄ちゃん、聞いておくれよ」
矢二郎「珍しいな。どうしたんだい?」
矢四郎「海星お姉ちゃんが僕に、矢三郎お兄ちゃんの部屋に盗聴器と監視カメラを誰からもわからないように設置しろって」
矢二郎「なんと。これはまた・・・。それでどうしたんだい?」
矢四郎「仕方ないから設置して、海星お姉ちゃんが矢三郎お兄ちゃんの部屋の様子を見れるようにしてあげたよ」
矢二郎「ところで、首から提げている携帯電話が新しくなっているようだが?」
矢四郎「うん。監視カメラとかのお礼に海星お姉ちゃんにドコモで出たアイフォンを買ってもらったんだよ」
矢二郎「そうかい。まあ、大切にするんだよ」
矢四郎「わかった」
薬師坊「そういえば矢二郎、この間海星が来て掃除をしていったのだがな…」
矢二郎「何かあったのですか先生?」
薬師坊「うむ。矢三郎の私物を汚いから捨てるとみんな持っていってしまったのだ」
矢二郎「へえ」
薬師坊「へえ、ではないわ!まあ、部屋が綺麗になったからよいか。使い古しとはいえ、矢三郎の箸やらがなくなったところで問題はないしのう」
矢二郎「確かに」
矢一郎「はぁ…」
矢二郎「ため息なんかしてどうかしたのかよ、兄貴」
矢一郎「いや、私は矢三郎の為とはいえ、過ちを犯してしまったのかもしれん」
矢二郎「兄貴、何をしたっていうんだよ?」
矢一郎「海星が矢三郎が
早雲に狙われているから、矢三郎の行動スケジュールを教えてくれと言ってきたのだ」
矢二郎「教えたのかよ?」
矢一郎「ああ…。もし海星が早雲に聞き出してくるよう言い付けられていたのだとしたら…」
矢二郎「兄貴はいちいち大げさなんだよ。海星はそういう奴じゃないさ。兄貴も知っているだろう?」
矢一郎「そう…だな…。気が楽になった。たまには母上に姿を見せに来い」
矢二郎「わかったよ兄貴」
金閣「やい、矢二郎はいるか」
銀閣寺「いるか」
矢二郎「いないよ」
金閣「おいおい、バレバレの居留守を使うなよ」
銀閣「誰もいないならおしっこを井戸にしちゃうよ」
矢二郎「それは困る。して、何の用なんだい金閣に銀閣」
金閣「実はね、最近うちの妹が矢三郎に付きまとわれてるらしいんだよ」
銀閣「困るんだよ、まだ海星は嫁入り前なんだし」
金閣「だから矢二郎から矢三郎に何とか言ってやっておくれ」
銀閣「ここに偽電気ブランをケースで置いておくから。頼んだよ」
矢二郎「井戸の底のカエルが、井戸の上の酒瓶を取ってこれるものかよ…」
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