戦刃「どうしよう……苗木君がおかしくなっちゃった……」 (19)

苗木「いてっ!」 戦刃「痛っ!」

戦刃「い……いたたた……な、苗木君…大丈夫??」

苗木「戦刃さんの…こそ…大丈……」

戦刃「……苗木君?」

苗木「…………ああ、僕の方は大丈夫だよ……戦刃さん」

戦刃(……あ、あれ?苗木君……なんか雰囲気が変わってるような……?)

苗木「……ん?僕の顔がどうかした?」

苗木「柴犬100頭分とも称される、この愛くるしい顔が……どうかしたのかな?」

戦刃「……」

戦刃「……え?」

苗木「シィィィィット!!冗談に決まってんだろ軍人女ぁ!!」

戦刃(…………どうしよう……苗木君がおかしくなっちゃった……)

戦刃「と、とりあえず私の部屋に来て!!」

苗木「えー?でもぉー、ぼく知らない人に付いて行っちゃダメってママにぃー」

戦刃「いいから早く!」

苗木「わかったわかった……わかったよ、戦刃さんの部屋に行けばいいんでしょ?」

戦刃(これはまずいよ……どうしよう、みんなに怒られちゃう)

―――――
―――


苗木「そ、それにしても……本当に女っ気が無い部屋だね……」

戦刃「少し黙ってて?」

苗木「は、はい……喋ってごめんなさい……うぅ……」

戦刃(とりあえず、みんなには話したほうがいいよね……)

苗木「――――しかし驚きましたね……まさか戦刃さんがこんな大胆だなんて」

戦刃「え?」

苗木「男女が密室で2人きり…そして戦刃さんに抵抗出来ず犯される僕……」

苗木「ああ……なんて絶望的なんだ……!」

戦刃「そ、そんなことしない!!」

戦刃(……絶望的?)

苗木「さあ、早く僕を殴って蹴ってボロボロにしていいよ?」

戦刃「……私一人じゃダメだ…皆を食堂に呼ぼう」

戦刃(そうだ……みんなが力を合わせればこれくらい、なんとかなる)

戦刃(あれ……私、こんな考え方出来たっけ……?)

 ― 食堂 ―

苗木「跪け!図が高いぞ愚民ども!!」

江ノ島「うぷぷ、苗木どうしちゃったの?」

十神「この俺を愚民扱いだと……随分と大きく出たな、苗木!!」

戦刃「お、落ち着いて……!苗木君、頭を打ってからなんだかおかしくて……」

葉隠「いや、おかしいのはわかるけどよ……」

桑田「おい、あれ本当に苗木か?」

苗木「なにを言ってるのさ、桑田くん……親友である僕の顔を忘れるなんて…ああ、それもまた絶望的だ」

苗木「うう……きっと僕は忘れられたんだね……」

霧切「……」

朝日奈「確かにいつもの苗木ではないよね……」

大神「うむ……言動が明らかにおかしいのは我でもわかるな」

苗木「シット!!ボインてめー僕の顔も忘れたのか!?」

朝日奈「だ、誰がボインよ!?下ネタは辞めてよ!!」

苗木「いいんです……どうせ僕の顔を誰も覚えていないんだから……」

大和田「……ったく、面倒なことを起こしやがって…頭を一発叩けば治るんじゃねえか?」

苗木「大和田君のとんがりヘッドと一緒にしないでください……不快です」

大和田「んだとコラぁ!!」

不二崎「お、落ち着こうよ大和田君……暴力はダメだよぉ……」

江ノ島「あのさぁー、今日はとりあえずみんな帰ったら?苗木のことなら私とお姉ちゃんに任せてよ」

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