男「ちゃんとストレッチしてっと」

女「・・・」

男「・・・？ストレッチしないと怪我するぞ？」

女「う、うん・・・だよね」

男「そういえば女って全体練習のストレッチの時いないよな？どして？」

女「そ、それは・・・その・・・えと・・・」

男「ほら、２人でやるストレッチやろうぜ？」

女（あ、手・・・///）

男「よいしょっと・・・」ｷﾞｭｯ

女（ち、近い・・・密着・・・してる///）

男「よし、こんなもんでいいだろ」

女「う、そうだね・・・」

男「ふー、汗かいた・・・」

女「うん、暑いもんね」

男「早く部室行って着替えようぜ！」

女「え、あ、それは・・・」

男「・・・？あ、そういえば女って着替えの時もいないよな？」

女「！」ﾄﾞｷｯ

男「恥ずかしいのか？男同士なんだから気にしなくていいだろ？」

女「そ、それは・・・」

男「・・・ま、まさか・・・お前・・・」

女「・・・！！」

女（も、もうダメだ・・・気付かれた・・・）

男「・・・こっちなのか！？」ｸｲｯ

女「え、そっち！？」

男「ほ、他になにがあるんだよ・・・ま、冗談だけどな」ﾊﾊｯ

女「あ、あはは・・・」

男「でも、女って女の子みたいな顔してるよなー・・・名前も女の子っぽいし」

女「よ、よく言われるー・・・」

男「あ、部室誰もいないぜ！快適快適！！」ﾇｷﾞﾇｷﾞ

女「え、あ、ちょ・・・///」

男「ん？女も着替えろよ、暑いだろ」ﾇｷﾞﾇｷﾞ

女「う、うん・・・そうなんだけど・・・」

男「涼しー！」

女「は、早く服着てよ！もう・・・///」

男「な、なんで顔隠して・・・女子みたいだな」

女「・・・ぼっ、僕はトイレで着替えてくるね！じゃ！！」ﾀｯﾀｯﾀ

男「・・・なんでだ？」

男「あ、俺もトイレ行きたい・・・よし、脅かしてやるか」

男子トイレ

男「あ、あれ？誰も個室に入ってない・・・」

男「もう着替え終わったのか・・・はえーな」

・・・

男「ふぅ」

男「さて、帰るか・・・」ｽﾀｽﾀ

女「・・・」ｽﾀｽﾀ

男「お、女！？」

女「あ！こ、こ、これは・・・・・・」

男「な、なんで女子トイレから！？」

女「え、ち、違うの！僕は！！」

男「ま、まさか女子トイレですけべなことをするヤツだとは思わなかったぜ・・・」

女「う、うぅ・・・」

男「ま、冗談だけどな！女がそんなことするわけねーし」

女「で、でも・・・」

男「何か理由があったんだろ？」

女「・・・うん」

男「ほら、帰ろうぜ」

女「・・・じ、実は」

男「ん？」

女「実は・・・ぼ、僕は・・・」

男「・・・」

女「ぼ、ぼ、僕はぁ・・・うぅ」

男「お、俺はやく帰ってバレンティンの打席見ねーと！じゃ、じゃあな！！」ﾀｯﾀｯﾀ

女「え・・・う、あ・・・」

女「行っちゃった・・・また、言えなかったよ・・・」

女「僕が女の子だって」

女の家

女「ただいまー・・・」

女母「おかえりー・・・どう？野球部は慣れた？」

女「うん、いい感じだよ」

女母「まだお父さんにはバレてないから、安心して」

女「う、うん・・・」

女母「あの人ったら女がショートカットにしただけで怒るんだから・・・怖いわよねぇ」

女「・・・」

女母「女は女らしく――とか言っちゃって、好きなことやらせてあげるのが・・・」

女「・・・」ｽﾀｽﾀ

女母「・・・」

女の部屋

女「あ、男からメール・・・」

『バレンティン56号打ったぜ！すげーよな！俺は今からランニング行って――』

女「・・・はぁ」

女「・・・ミットの手入れしよう」ﾌｷﾌｷ

女「・・・」

翌日

男「あれ・・・女が朝練こないってめずらしいな」

友「女といえば、可愛いよな・・・あいつ」

男「え！？」

友「ご、誤解すんなよ！？こっちじゃなーかんな！！」

男「あ、あぁ・・・それは、うん」

友「た、ただ・・・可愛いなって思っただけでだな」

男「わ、分かったって・・・」

先輩「朝練ここまでー！上がりーー！！」

男「うーっす」


女「・・・」

男「あ・・・女！寝坊でもしたのか？」

女「え、あ、うん・・・そうなの」

男「しっかりしろよ？」

女「ご、ごめんね・・・」

男「・・・あ、友！」

友「あ？」

男「今日、お前がキャッチャーやってくれないか？」

友「へ？な、なんで！？」

男「いいから、頼む」

友「お、おう！」


女「・・・」

女「ど、どうして・・・」

放課後　グラウンド

男「うおりゃ！」ｼｭｯ

ｽﾞﾄﾞｰﾝ!!

友「いってぇ・・・はえーな！」

女「・・・」

男「じゃあ次フォークな！」ｼｭｯ

ｸｸｸｯ・・・!!

友「うおっ、すげー落ちた！」

男「へへっ、やっとマスターしたぜ」

女「・・・」

先輩「練習終了ー！上がりーー！！」

一同「うーっす」

友「いやー、手痛てぇ・・・」

男「・・・」

女「男、ちょっと」

男「・・・おう」

女「・・・今日、僕がキャッチャーのときより球が速かった」

男「そ、そうか？」

女「それにフォーク練習してたなんて聞いてない」

男「あー、秘密兵器だからな、うん」

女「私が・・・女の子だから？」

男「・・・」

女「・・・いつから、気付いてたの？」

男「ま、前から怪しいなとは思ってた・・・けど」

女「僕にも・・・本気で投げてよ」

男「そ、それは・・・」

女「女の子だから手加減するの？」