朝倉「ポニーテール萌?」(138)

朝倉「それ、どういう意味?」

谷口「キョンには気をつけろ、って事だ」

キョン「おい、谷口!」

朝倉「へえ、それじゃあ気をつけるようにしようかな」

キョン「……やれやれ、勘弁してくれ」

朝倉「あのさ、聞きたいんだけど」

キョン「何だ」

朝倉「萌って何?」

キョン「知らないのなら、そのままのお前でいてくれ」

谷口「好きで好きでたまらない、って意味だな!」

キョン「谷口!」

朝倉「……ふーん」

朝倉「キョンくんって、私の事が好きなんだ?」

キョン「……そろそろ勘弁してくれないか?」

朝倉「どうなの? ちょっと気になるかも」

キョン「まあ……少なくとも嫌いでは無いぞ」

朝倉「あら、私は結構気になってるんだけどな」

谷口「キョン、死ね」

キョン「……」


ハルヒ「……」

キョン「まあ、あまりそういう事を言うな」

朝倉「? どうして?」

キョン「お前のような奴がそう言って、勘違いされると困るだろう」

朝倉「私のようって、どんな?」

キョン「そりゃあ……可愛い委員長様だな」

朝倉「キョンくんだったら、勘違いされても困らないけどね」

キョン「なんですと?」


ハルヒ「……」

キョン「そりゃまた、一体どういう意味だ」

朝倉「ふふっ、秘密♪」

谷口「キョン、死ねって」

キョン「谷口、真顔で言うな」

朝倉「あっ、そろそろ授業が始まっちゃう」

朝倉「じゃあね」

キョン「……やれやれ、困ったもんだ」


ハルヒ「……」

その夜

朝倉「――という訳なんだけどさ」

長門「……」

朝倉「どうしたら良いと思う?」

長門「私には判断しかねる」

朝倉「好きで好きでたまらないなんて……」

朝倉「――どうしたら良いの……?」

一方

ハルヒ「……何よ、デレデレしちゃって」

ハルヒ「あー、もう! イライラする!」

ハルヒ「……」

ハルヒ「髪……切るんじゃなかったわ」

ハルヒ「……キョンのアホ」

また一方

谷口「あー、クソ」

谷口「笑い話にしようとしたら、どうしてああなったんだ」

谷口「チクショー、なんだか面白くねぇ!」

谷口「……」

谷口「まあ良いか、キョンと朝倉ならなんとなくしっくりくるしな」

またまた一方

古泉「お、おおおおおっ!」

古泉「ぐうっ……なんて強さなんだ……!?」

古泉「この神人……今までのものとは次元が違う……!」

古泉「……ふふっ、これはさすがにまずいかもしれませんね」

古泉「……ですが――!」

翌日

キョン「……どうしたんだ、その髪型」

ハルヒ「別に。気分よ」

キョン「そうかい」

ハルヒ「……」

キョン「っと、忘れない内に言っておくか」

キョン「似合ってるぞ、そのポニーテール」

ハルヒ「……ふん」

朝倉「――おはよう、キョンくん」

キョン「おう……って、お前もか」

朝倉「好きなんでしょ?」

キョン「ああ、まあな」

朝倉「ふふっ、ありがと♪」

朝倉「涼宮さんも、おはよう」

ハルヒ「……」

谷口「うぃ~っす……って」

キョン「よう、谷口」

朝倉「おはよう」

谷口「おいおい、今日はポニーテール祭なのか?」

キョン「さあね、偶然だろ」

ハルヒ「……」

谷口「ちなみにだ、俺はツインテールが好きだぞ」

朝倉「へぇ、そうなんだ」

ハルヒ「……」

キョン「そうかい」

谷口「……なあ、キョンはいつ死ぬんだ?」

キョン「お前はどれだけ俺に死んで欲しいんだ」

国木田「あれ、谷口がこんなに早いなんて珍しいね」

谷口「馬鹿野郎、俺だってやれば出来るんだよ」

国木田「はいはい」

キョン「よう、国木田」

国木田「おはよう、キョン。それに、朝倉さんに涼宮さんも」

朝倉「おはよう」

ハルヒ「……」

国木田「ところで、どうして二人はポニーテールなの?」

ハルヒ「……」

キョン「なんとなくだそうだ」

朝倉「あら、私はなんとなくじゃないんだけどな」

国木田「二人とも似合うよね。キョンはどっちが好み?」

キョン「そうだな――」

キョン「……やっぱり、朝倉の方が髪が長いから似合ってるよな」

その夜

朝倉「~♪」

長門「……」

朝倉「? どうしたの、長門さん」

長門「貴方が歌を歌っていた」

朝倉「歌って無いわよ?」

長門「歌っていた」

朝倉「ふふっ、変な長門さん」

長門「……」

一方

ハルヒ「……」

ハルヒ「何よ、デレデレしちゃって」

ハルヒ「……」

ハルヒ「馬鹿みたい」

ハルヒ「……」

また一方

国木田『キョンと朝倉さん、良い感じだよね』

谷口「見てて死んで欲しくなるけどな」

国木田『キョンは、てっきり涼宮さん狙いかと思ったけど』

谷口「俺の忠告を聞き入れたんだろ」

国木田『そうかな? キョンは変な女が好きなんだけど……』

谷口「その話、詳しく」

またまた一方

古泉『貴方は、思いやりに欠けている節があるようですね』

キョン「なんなんだ、いきなり」

古泉『兎に角、涼宮さんの前で他の異性と親しくするのは遠慮してください』

キョン「そりゃまた急に……」

古泉『お願いします。一生のお願いです』

キョン「……やれやれ、わかったよ」

翌日

谷口「――キョンお前、佐々木って女子とはどこまでいってたんだ?」

キョン「おい、それを誰から聞いた」

国木田「僕だけど」

キョン「……だろうな」

谷口「白状しろって、この薄情者!」

キョン「どうして俺が怒られなきゃならんのだ」

谷口「チクショー! どうしてキョンばっかり!」

キョン「佐々木とはそういうんじゃないぞ」

国木田「そうなの?」

キョン「ああ、そうだ」

国木田「でも皆、二人が付き合ってるって思ってたんだけどなあ」

キョン「あのなあ……」

朝倉「何の話?」

谷口「キョンの彼女の話だ! いや、元カノか!? もしくは今もか!?」

キョン「ええい、落ち着け!」

朝倉「……」

キョン「……朝倉、無表情が怖いんだが」

朝倉「気のせいじゃない?」

谷口「ははは、年貢の納め時だな!」

キョン「お前は黙っててくれ!」

キョン「いや、本当にそんなんじゃ……」

ハルヒ「……」

キョン「……って……」

朝倉「……」

キョン「朝倉、ちょっとこっちに来てくれ」

谷口「!? 二人っきりで何をする気だ!?」

キョン「お前はこれ以上話をややこしくするな!」

キョン「……――このあたりで良いか」

朝倉「それで、どうして二人っきりに?」

キョン「気にしないでくれ」

朝倉「気にするな、っていう方が無理だと思うわ」

キョン「それは、さっきの谷口の話に関してもか?」

朝倉「貴方はどう思う?」

キョン「……ちゃんと説明するから、聞いてくれよ」

キョン「……――という訳だ」

朝倉「それじゃあ、今は?」

キョン「親友みたいなもんだが、連絡はとってないな」

朝倉「ふーん」

キョン「おいおい、今の説明じゃ不満なのか」

朝倉「……不安、なのかも? ちょっとわからないかな」

キョン「意味がわからんぞ」

朝倉「ねえ、キョンくんは私が好きで好きでたまらないのよね?」

キョン「……やれやれ、またその話か」

朝倉「そうよ。ねえ、私が今何をして欲しいかわかる?」

キョン「……まさか、この場所でこのタイミングでか?」

朝倉「うん」

キョン「……全く、お前という奴は――」

その夜

朝倉「……」

長門「……」

朝倉「……」ニヘラ

長門「朝倉涼子」

朝倉「あっ、えっ、な……何?」

長門「……何でもない」

一方

ハルヒ「……」

ハルヒ「なんだか、面白く無いわ」

ハルヒ「……」

ハルヒ「面白くない……面白くない……!」

ハルヒ「……」

また一方

谷口『なあ、キョンは死ぬべきだよな?』

国木田「それは谷口じゃないかな」

谷口『はーあ、一体二人で何をしてたんだか』

国木田「でもさ、二人が戻ってきた時、気付いた?」

谷口『当たり前だろ』

国木田「小指を絡めて戻ってくるとは思わなかったなぁ」

またまた一方

キョン「なあ、どうして最近部活に来ないんだ?」

古泉『……』

キョン「おい、古泉――」

古泉『よくも騙したあああああああああ!!』

キョン「!?」

古泉『騙してくれたなああああああああ!!』

キョン「……切れやがった」

ゴハン

翌日

キョン「おす」

谷口「よう」

国木田「おはよう、キョン」

キョン「ん? 朝倉とハルヒはどうした?」

谷口「なんだか休みみたいだぜ、残念だったな」

キョン「片方に関しては全くだ」

国木田「あはは、キョンも言うね」

放課後

ガチャッ

みくる「あっ、こんにちは」

キョン「もう放課後ですよ、朝比奈さん」

みくる「そうですね、それじゃあ……何て言えば良いんですかね?」

キョン「こんにちは、で良いと思いますよ」

みくる「もー、キョンくんったら!」

キョン「はは、すみませんでした」

みくる「素直に謝ったから許してあげます」

キョン「ありがとうございます」

みくる「……」

キョン「そういえば、今日は朝比奈さんだけなんですね」

みくる「……そのことでちょっと良い?」

キョン「何ですか?」

みくる「キョンくん……最近、朝倉さんと仲が良いそうですね」

キョン「……どこでそれを?」

みくる「良いから答えてください」

キョン「……まあ、悪くはないですね」

みくる「……そうですか」

みくる「――やっぱり、それが原因なのね」

キョン「はい?」

みくる「キョンくん、貴方に聞いて欲しい事があるの」

キョン「朝比奈さんの言葉だったら何でも聞きますよ」

みくる「――私は、未来から来たんです」

キョン「……なんですと?」

みくる「信じてくださいと言うしかありませんけど……」

キョン「……」

みくる「そして、長門さんは宇宙人、古泉くんは超能力者なんです」

キョン「……」

みくる「……朝倉さんも、長門さんと同じ宇宙人……」

キョン「……はぁ、そうなんですかぁ」

みくる「信じて……くれませんよね……」

キョン「……すみません、にわかには信じられません」

キョン「その……タイムマシンとかがあったりするんですか?」

みくる「……禁則事項です」

キョン「それじゃあ……朝比奈さんはいつの時代から?」

みくる「……禁則事項です」

キョン「とある魔術の?」

みくる「……禁書目録です」

みくる「ごめんなさい……私は下っ端だから話せる事に制限が多いの」

キョン「……」

みくる「……けれど、一つだけ」

キョン「何ですか?」

みくる「長門さんの属する所が、今回は失敗だと判断したんです」

キョン「?……どういう意味ですか?」

みくる「……禁則事項です」

キョン「……正直、意味がわかりません」

みくる「ごめんなさい、でも、これしか言えないの」

キョン「それで……長門の属する所が失敗と判断したとして……」

キョン「どうして朝倉と仲良くしたら失敗なんですか?」

みくる「それは……涼宮さんが関係してるんです」

キョン「それがどうしてかっていうのは――」

みくる「禁則事項です」

キョン「よくわからないんですが、俺と朝倉が仲良くしちゃまずいんですね?」

みくる「……はい、ごめんなさい」

キョン「それも、ハルヒが原因で」

みくる「……はい、その通りです」

キョン「……」

キョン「……ふざけるなよ」

あれ復帰しとる
再開

みくる「きょ、キョンくん……!?」

キョン「ああ、すみません。今のは朝比奈さんに言ったんじゃないんです」

みくる「そ、そうですか……」

キョン「ただ、無性に腹が立つんですよ」

キョン「まるで神様気取りか、ってね」

みくる「……」

年齢

キョン「朝比奈さん、聞いてもいいですか?」

みくる「……私に答えられることだったら」

キョン「文句は、どこで、誰に言えばいいんですかね」

みくる「……ごめんなさい、私にはわかりません」

キョン「そうですか」

みくる「……ごめんなさい……ごめんね、キョンくん……」ポロポロ…

キョン「……いいえ、朝比奈さんのせいじゃありませんよ」

その夜

キョン「……さて、どうしたもんかな」

キョン(朝倉の家どころか、長門の家も知らん)

キョン(俺が今出来ることは――)

キョン「……――駄目か、古泉に電話も通じない」

キョン「……」

キョン「どうすれば良いんだ……!?」

翌日

キョン「……」

キョン(今日も朝倉とハルヒは休みか)

キョン(この分だと、長門と古泉も居ないんだろう)

キョン「……やれやれ」

谷口「よう、キョン! 朝っぱらからシケたツラしてんなよな」

キョン「……なんだ、谷口か」

谷口「なんだとはなんだ、キョン」

キョン「朝っぱらから元気な奴だ」

谷口「そういうお前がシケてるのは、やっぱり“アレ”か?」

キョン「……朝倉の席を指差すな」

谷口「なんだ、違うのかよ。それとも“あっち”か?」

キョン「……まあ、両方だな」

谷口「へーへー、羨ましい悩みをごちそうさん」

キョン「……」

谷口「――なあ、何かあったのか?」

キョン「何だ、いきなり」

谷口「男の勘、ってやつだな」

キョン「……はは、何だそりゃ」

谷口「ま、三角関係のもつれってんならアドバイスは出来かねるがな!」

キョン「おいおい、俺がそんな器用そうに見えるか?」

谷口「いんや、全く」

キョン「だな」

国木田「おはよう、二人とも」

キョン「よう」

谷口「おっす」

国木田「あれ? 二人は今日も居ないんだ」

谷口「ああ、そうみたいだな」

国木田「何かあったのかな」

キョン「……まあ、あったと言えばあったな」

谷口「やっぱり三角関係か!?」

キョン「だから違うっつーの!」

キョン「まあ、何だ……色々と複雑なんだよ」

国木田「女心、っていうやつかい?」

キョン「……それもあるな」

谷口「だったら俺に任せておけって!」

キョン「お前には任せられんだろう」

国木田「――それじゃあさ、佐々木さんに相談するっていうのは?」

キョン「佐々木に、か?」

谷口「おいおい、昔の女に相談かぁ?」

国木田「谷口、ちょっと黙ってて」

谷口「へーへー、悪ぅございましたね」

国木田「佐々木さんなら、キョンの悩みを解決するヒントをくれるんじゃないかな」

キョン「……成る程、確かにそうかもしれん」

夕方

キョン「――よう、久しぶりだな」

佐々木『やあ、久しぶりだね』

キョン「早速だが、相談したいことがある」

佐々木『おやおや、いきなり本題かい?』

キョン「好きな奴が居るんだ」

佐々木『……その……急に言われても困るな』

キョン「すまん。だが、聞きたいんだ」

佐々木『……良いだろう。答えようじゃないか』

キョン「好きな奴が居が居る。だが、事情があって会えない」

佐々木『事情、とは?』

キョン「親に反対されている、みたいなもんだな」

佐々木『ふむ……成る程』

キョン「だが――会いたいんだ」

佐々木『だったら、会えば良いじゃないか』

キョン「だが……相手がどこに居るかがわからない」

佐々木『だから会えない、という訳だね』

キョン「まあ、そうなるな」

佐々木『キョン、一つ聞くよ』

キョン「ん?」

佐々木『相手は、君の事をどう思っているのかな』

キョン「それは……自惚れかもしれんが、好いてくれているとは思う」

佐々木『だったら答えは簡単だ』

キョン「……何?」

佐々木『君が会いたいと言えば、会いに来るよ』

キョン「そういうものか?」

佐々木『そういうものさ』

キョン「……そうだな、悩んでてもはじまらないな」

佐々木『そうさ』

キョン「ありがとうな、佐々木」

佐々木『? どうしてお礼を言うんだい、キョン』

キョン「また今度、ゆっくり話そう」

佐々木『待ちたまえ、キョン。また今度って……?』

キョン「それじゃあな」

佐々木『いつのこt――』

キョン「……会いたいって言う、か」

駅前

キョン「どこだ……どこに居るんだ……」

キョン「! 朝倉!?」

女「えっ?」

キョン「す、すみません……間違えました」

キョン(くそっ、このあたりには居ないのか……!)

学校前

キョン「ここには……居るはずがないか」

キョン(だが……俺は学校での朝倉しか知らんしな)

キョン「――ハハッ、本当に俺は何も知らないんだな」

キョン「……」

キョン「他を探すか」

5スレ同時進行で脳が死んだ
すまんが寝るます

キョン「なんだ佐々木か……」

佐々木「なんだとは酷いじゃないか」クックッ


キョン「あぁ すまん」


佐々木「それにしても今朝は随分と寒いね」


キョン「そうだな…ってお前はその服で寒くないのか?」


佐々木「僕なら大丈夫さ、それにこの服結構高かったんだ
キョンの着ているコートもまた………くっくっ…」


キョン「へいへい どうせ俺の安月給じゃこれが限界ですよ」

    

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