苗木「ボクの恋人を紹介するよ」 (205)

 朝――希望ヶ峰学園>南地区
  >ショッピングセンター


霧切(日用品の買い出しはコレでオシマイ――それにしても)

霧切(ホームパーティーを開くのかと疑われてしまう程の量を
   一度に購入するのは無理があったかしら 両肩が重いわ……)

霧切(もし、今ここに苗木くんが通りがかったら……きっと)

苗木「霧切さーん!」

霧切「え――」

霧切「な、苗木くん……」

苗木「え? ――どうかした?」

霧切「い、いえ……なんでもないわ」

霧切(私の想いが届いたのかしら)

苗木「わぁ、こんなにたくさん買い物したんだね」

霧切「えぇ、ところで苗木くん 女性の買い物袋の中身を
   ジロジロと見るのは感心しないと思うわよ」

苗木「た、他人行儀だなぁ ボクと霧切さんの仲じゃないか」

霧切「え……?」

苗木「一つ屋根の下で日用品を共有する同棲カップルでしょ? ボクたち」

霧切「」

霧切「え゛っ!?」

苗木「ほら、その袋 一つ貸してよ――ボクがもつから」

霧切(ひ、一つ屋根の下? 寄宿舎で生活してるだけよね……
   しかも別々の部屋のハズじゃない! こんなの絶対おかしいわ!)

霧切(そうよ 私は探偵一族《霧切家》の末裔――霧切響子
   嘘を暴き……真実を曲解せずに守る使命がある!)

霧切(だから私は今すぐ苗木くんの発言をロンパすら義務が――)

 >ギュッ

霧切「……ふぇ?」

苗木「せっかくだし手を繋いで行こうよ」

苗木「ボクと霧切さんの手がちょうど一つずつ余ったことだし」

霧切「……」

霧切「……」

霧切「……」

霧切(もう探偵とかどうでもいいや……)


――
―――


霧切「えへ、えへへへ……苗木くんってば生意気なんだから」

不二咲「ねぇねぇ大和田くん……霧切さん
    なんで棒立ちしながら独り言つぶやいてるんだろ……」

大和田「しっ、見ちゃいけねえ」

霧切「あっ……苗木君、ダメよ……玄関でなんて――んっ」

霧切「……」

霧切「死にたい……orz」←我にかえった

霧切「……まぁ過ぎたことは前向きに捉えましょう――それに」

霧切(私の脳内設定の苗木くんによれば、彼の好物は
   チーズをふんだんに使用したハンバーグで間違えないわけだし)

霧切(いつさっきの妄想が現実になるか分からない今
   私は早急にハンバーグの材料を揃えなければならない)

霧切(そうよ! わたしは苗木きゅん一族《苗木家》のお嫁さん――苗木響子
   苗木君の肢体を暴き 苗木君にペロペロされる使命があるのだから!)

霧切「……」

霧切「さっきのお店に戻るのは恥ずかしいから
   少し遠くなるけどコンビニで揃えましょう……」

 十分後――朝 希望ヶ峰学園>南地区
 >コンビニ前


霧切(無事に材料も買えたし帰宅しましょう――あ)

苗木「~♪」

霧切(ほ、ほんとに会えるなんて絶好の好機!
   私と苗木きゅんが歩むヴァージンロードの序章が……今ついに開かれるのね!!)

霧切「苗木く――」

苗木「あ、セレスさんから電話だ」

霧切「!?」

苗木「もしもし、セレスさん――」

霧切(つ、つい反射的に隠れてしまったわ……)

霧切(陰でコソコソ聞き耳をたてだかる
   探偵の職業病はこれだから……)

霧切(はやく探偵やめてお嫁さんになりたい……)

霧切(それにしてもセレスさんが私の苗木君と電話を……
   うぅ……私でさえ番号を知らないのにっ)

苗木「うん、いまコンビニの前にいるんだ」

霧切(ま、まぁ番号なんて目に見えた繋がりに頼らなくても
   私と苗木くんは運命の赤い糸で亀甲縛りされてるんだから)

苗木「あはは、モチロン忘れてないよ
   明日だよね――うん、楽しみにしてる」

霧切(何も心配することなんてないの そうよ
   苗木くんは私を好きで逆もまた然りであることは
   この世が始まった時から決まっていた真実なんだから)

苗木「――えっ! それって今ココで言わなくちゃダメ?
   わ、分かったよセレスさん……」

苗木「あ、愛してるよ セレスさんのこと」

霧切「…………」

霧切「……」

霧切「」

 ――同刻 希望ヶ峰学園>南地区
 >ショッピングセンター


セレス(――さて、私物や餃子のストックはあらかた補充できましたわね)

セレス(なにより、ふふっ――オーダーメイドで注文していた
    苗木君の執事服も引き取ることが出来ましたし)

セレス(あぁ……体育の時間をサボってコッソリ教室に赴き
    苗木君の制服を嗅いで頬ずりもしてサイズを覚えた甲斐がありましたわ)

セレス(採寸なしという不安要素はありましたけれど
    仕立ててくれた人は超高校級ですし きっと何とかしてくれたハズです――あぁ)

セレス「もしも苗木君が ここを通りかかった暁には――きっと」

苗木「セレスさーん!」

セレス「え……?」

苗木「おはようセレスさん 奇遇だね」

セレス「え、えぇ……そうですわね」

苗木「じゃあ行こうか」

セレス「え!? 行くって……一体どちらに?」

苗木「ボク達の居城だよ! やっと用意できたんだ」

セレス「あの、苗木君……? 話があまり掴めないのですが」

苗木「え? だってほら、約束したよね いつかボク達二人が
   末永く暮らすことのできるお城を建てようって」

苗木「苦労したけどやっと完成したんだ
   十神クンや葉隠クンにお金の集め方を習ってね」

セレス「……」

セレス「本当、ですの?」

苗木「うん!」

セレス「で……ですが、わたくしは何もしておりません
    苗木君一人に任せっきりで――」

苗木「それは違うよ セレスさん――右手に抱えてるソレ
   ボクの服なんだよね?」

セレス「え? は、はい……ですけど」

苗木「それで充分じゃないか
   セレスさんがボクのために用意したモノがあって
   ボクがセレスさんのために用意した場所がある」

苗木「ボク達二人が互いを想いあっているのは確かなんだから
   それ以外の事を考えるなんて、今は無粋なだけだよ――ね?」

セレス「……そう、ですわね」

セレス「ふふっ――苗木君に言い負かされてしまいましたわ
    これ以上ないくらい心地よい敗北感でしたけど」

セレス「では、エスコートしてくださりますか? わたくしのナイト様」

苗木「どうぞ――セレスさん」

セレス「うふ、うふふふ……苗木君の手の平は
    思った以上に男らしいのですね――」


――
―――


セレス「ふふ……馬車に乗るなんて久しぶりですわね」

西園寺「うっわ、小泉おねぇ小泉おねぇ 見てよあのエセツインテール
    公共の場で独り言なんてさっみしーい」

小泉「こらっ、そんなこと言っちゃ可哀想でしょ?」

セレス「苗木君のうなじ……とてもキレイですわ
    歯をたてて傷つけてやりたいくらい……ん、チュ――」

セレス「……」

セレス「絶えてしまいたいですわ……orz」←我にかえった

セレス(自らの想像にのぼせてしまうなんて情けない)

セレス(……今日はもう寄宿舎に戻って休みましょう)

セレス「ん――アレは霧切さん……ですわね
    コンビニの外壁に背を預けてなにを――」

セレス(……怪しい事この上ありませんわ
    あまり関わりたくはありませんが、気になりますし――)

 ――同刻 希望ヶ峰学園>南地区
  >コンビニ前


霧切「…………」

霧切「……」

霧切「」

セレス「……!?」

セレス「き、霧切さん……なぜ泣いておられますの?」

霧切「え……?」

 >うん、またね セレスさん

セレス「あら……! もしやこの先に苗木君がいらっしゃいますの?
    少しばかり挨拶を――」

霧切「待ちなさい」

セレス「むぐっ……」

霧切「端的に聞くわ アナタいま携帯電話を持ってる?」

セレス「ぷはぁ……! そ、そのような機器
    生まれてこの方、持ち歩いたこと等ありませんわ」

霧切「今、苗木君はそこで電話をしていた
   その相手の名を“セレス”と呼びかけながらね」

セレス「……」

セレス「はい?」

セレス「……一体全体どういった趣向ですの? コレは」

セレス「わたくしを謀るためのおふざけであるのなら
    それ相応の報いを霧切さんにお与えしたいのですが……」

霧切「それを為したいのであれば真実を突き止めるべきね
   少なくとも私はそうするわ」

セレス「ちなみに、先ほど泣いておられたのは何故でしょう」

霧切「あぁ、あれはね
   『霧切さんの事を愛してるから セレスさんとは二度と顔を合わせたくない』
   って苗木君がいうものだから、感涙していたの」

セレス(大人気美少女アイドル)

セレス「そうでしたか 嘘つきは泥棒のハジマリですわよ?」

霧切「泥棒に探偵――どちらでも構いやしないわ わたし、霧切響子のジョブは
   苗木君のお嫁さんという永久就職の内定によって確立されているの」

セレス「それは有り得ません 何故ならわたくしと苗木君は
    騎士と姫の契りを交わしたいわば国家公認の仲 アナタがのたまう
    安っぽい関係では到底及びはしない絆が、わたくしと苗木君にはあるのです」

霧切「あえて山田くん風に言うわ ウソ乙であると」

セレス「あえて山田君のように述べましょう ウソ乙ですわね」

霧切・セレス「ぐぬぬぬ」


 ※どっちもウソです

霧切「……はぁ」

セレス「……はぁ」

霧切「やめましょう、今は苗木君の尻尾を掴むのが先よ……」

セレス「ですわね……その苗木君はいま何を?」

霧切「電話を終えてコンビニに入っていったわ」

セレス「あっ――出てきましたわよ グッドタイミングですわね」

苗木「~♪」

霧切「――ここから見ても
   苗木君が何を買ったかまでは分からないわね」

セレス「でしたら店員さんに直接ききに行きましょうか
    最悪――脅しつけてでも吐かせてみせましょう」

霧切「賛成するわ」

霧切・セレス(この乱暴者め……つくづく苗木君に相応しくない人――)

枕園「最悪――>>1を脅しつけてでも私ルートにしてみせましょう」

>>67
枕園さんちーっす

>>67
???「わ、私の苗木くんが枕アイドルごときに惚れるはずがない…」

 十秒後――朝 希望ヶ峰学園>南地区
  >コンビニ店内


左右田(よう! オレの名前は左右田和一! 血液型はAの蟹座!
    歯医者も羨む良質な歯並び系男子だ!)

左右田(好きなモノはソニアさん! いまはそのソニアさんが
    よく訪れるコンビニでバイトをしてるんだ!)

霧切「ねぇ――」

左右田(超高校級の権限ってマジでスゲェな!
    頼みこんだらコンビニのシフトを、全部オレにしてもらえたしよ)

セレス「あの――」

左右田(客がいなけりゃ片手間で機械もいじれるって
    意外と天職かもなぁ オレの営業スマイルって
    生まれつきイケてるし)

セレス「無視してんじゃねえぞ三下がぁあああ!!!」

左右田「うわぁああああああああ!!?!??」

霧切「ちょっと聞きたいのだけど」

左右田「あ……ぐ、ヒュー……ヒュー」

霧切「あまり締め上げないで、彼 喋れなくなってるわよ」

セレス「あ、失礼いたしました」

霧切「で、さっきココにきた究極プリチーな男の子は
   何を購入していったの? はやく答えなさい
   苗木君が遠ざかってしまう前に さぁ」

左右田「えっ――そういうのは守秘義務で、その」

セレス「あ゛?」

左右田「近藤さんです!」

霧切「隠語は分かりにくいから世界観に即して
   全角カタカナで復唱 さんはい」

左右田「コンドーさんです!」

セレス「ご協力感謝しますわ それと――」

セレス「先程から手荷物がカサばってしょうがないんですの
    どうしましょうか?」

左右田「お預かりします!」

霧切「わたしのもお願い じゃあ行くわよ」

セレス「はい」

 >チリンチリーン

左右田「……」

左右田「たまにはソニアさん以外の人にクビ締められるのもイイなぁ……」

???「左右田くんは噛ませだから問題ない…と思うよ?」

 五分後――朝 希望ヶ峰学園>南地区
  >カラオケ店内


苗木「――」

セレス「店員さんとなにやらお話中のようですわね」

霧切「そしてそのまま廊下の奥へ、か
   苗木君が生徒手帳の提示もせずに入れた理由は――」

霧切「苗木君とカラオケの一室で待ち合わせていた第三者
   謎の人物“A”がいた」

霧切「ソイツがあらかじめ苗木くんより先にココにたどり着き 自分の生徒手帳を提示する」

霧切「そして追加人員の苗木君が後でくることを伝えれば
   苗木くんは生徒手帳をだす手間がはぶけるって寸法ね」

セレス「苗木君が向かった部屋は二人部屋ですものね
    その推理が妥当でしょう」

霧切「……詳しいわね」

セレス「……そちらこそ」

霧切・セレス(言えない、たまに一人カラオケしに来てるなんて言えない……)

霧切「さぁ、私たちも部屋に入るわよ」

セレス「えぇ」

澪田「おやおやー? 二名様で濡れ濡れの百合世界っスか?
   いやぁ今日は、そういった組合せが多い日っスねぇ」

霧切「冗談はやめてちょうだい……」

澪田「なるほどなるほど、ぼっちカラオケ愛好者の二人でこそ
   通じ合うモノがあったと」

霧切・セレス「ぼっちっていうな!!!」

今DAT落ちが早いからSSスレも完走せずによく落ちてるな

霧切「それにしてもアナタ達77期生の間では
   アルバイトが流行ってるの? さっきも見掛けたけれど」

澪田「知らねーっス♪」

セレス「随分と小気味のいい返事ですこと」

澪田「金はドブに全力投球できる程もってるし
   唯吹てきには単なる暇つぶしっスよ」

澪田「ラブバラードを熱唱するカップルの部屋に乗り込み
   持参したマイクに向かって『けしてぇえええええええ!!』
   と叫ぶだけの簡単なお仕事ですけどね☆」

セレス「これ以上ない外道ですがグッジョブですわ」

霧切「……」←一人で歌ってたら何故か乱入された人

唯吹もでちゃったっすか!これはキャラ食っちゃうほどの大活躍確定っすね!

澪田「それじゃあ二人部屋でいいっスか?
   アナタらのどっちか生徒手帳をプリーズ!」

セレス「どうぞ――毎度ながら面倒くさい行程ですわね」

澪田「唯吹もホントはしたくないんスけど
   これしないと部屋の開閉すらままならないっスからね」

澪田「その電子ロックの操作も
   店の外にいる学園の職員が管理してるみたいなんで」

霧切「ふうん……あ、場所は苗木君の隣部屋にしてちょうだいね」

澪田「ラジャー! 唯吹が行くまで持ちこたえてねっ」

霧切・セレス「絶対くるな」

澪田「(´・ω・`)」

 五分後――朝 希望ヶ峰学園>南地区
  >カラオケ店内>512号室


セレス「さて、どうしますの?」

霧切「この指向性マイクを部屋の機材につなげて
   隣部屋の音を拾いながらスピーカーに流しましょう」

霧切「カラオケ店の防音壁なんかやすやす突破するわよ
   私が扱う探偵の七つ道具は」

スピーカー『ブツンッ――』

セレス「なるほど、電話先の正体は掴めなくとも
    いま苗木君の隣にいる人物Aは掴めますわね」

霧切「そういう事 さぁ、Let's 盗聴よ」

セレス「……」←ちょっとワクワクしてる

スピーカー『どう? ――舞園さん 拡声器として使うべきマイクを
      ココにブチ込まれる気分は』

スピーカー『あっ、やめ――音、出て……恥ずかし、いっ――です!』

スピーカー『ヤダよ このマイク用にわざわざ
      コンビニで近藤さんを引き取ってきたんだから
      友好活用しないと、さっ――!』

スピーカー『んっ~~!』

スピーカー『スゴいね こんなに広がって
      舞園さんのココはもうマイク専用でいいんじゃないかな』

スピーカー『やだぁ……! 苗木君のがイイですぅう!!
      苗木君じゃなきゃ――やぁあ……!』

霧切「…………」

セレス「…………」

霧切「……」

セレス「……」

霧切「」

セレス「」

大勝利ですね!

 同刻――希望ヶ峰学園>南地区
  >カラオケ店内


舞園(あぁ、仮想客をひとり想定しながらする
   “ソロ”ライブって楽しいなぁ)

舞園(そのお客さんはもちろん苗木君で
   今はアナタだけのアイドルです☆ みたいな)

舞園(キャー! 考えただけでドキドキしてきます……)

舞園(でも、もし本当に
   私の隣に苗木君がいてくれたら――きっと)

苗木「舞園さん!」

舞園「え? 苗木、くん?」

精神病院に全員ぶちこもう(提案)

苗木「舞園さんも来てたんだ」

舞園「は、はい そうなんですよっ」

苗木「羨ましいなぁ」

舞園「え?」

苗木「だって舞園さんと一緒に来てる人達は
   舞園さんの歌をすぐ近くで聞けるんだよね」

苗木「それが羨ましくてさ だけど同時に、少し嫉妬もしてる」

舞園「嫉妬……ですか?」

苗木「いつか舞園さんの歌を独占したい……なんて
   ――叶わない夢をもってたからさ」

舞園「そんな、叶わない夢なんかじゃないですよ!」

舞園「私だってホントは……歌を一番に聴かせたい人は苗木くんで――」

舞園「今ここに来たのだって 苗木くんの事を想いながら
   歌いたいからこそなんですよ……?」

苗木「舞園さん……!」

 >チュッ

苗木「結婚しよう」

舞園「はい」


――
―――


舞園「――このウェディングドレスなんてどうでしょうか……?
   似合いますか? 苗木くん」

澪田「あのー、妄想にトリップしてる所アレなんスけどー
   ちょっと時間いっスかー?」

舞園「ハッ――」←我にかえった

澪田「512号室のセレスちゃんと響子ちゃんに
   お届けモノをお願いしたいんス 唯吹ってばいま手が離せなくて――」

舞園「あ、はい そういう事なら……」

舞園(あの2人もぼっちカラオケの常連らしいですし
   何か聞かれても気兼ねなく渡せそうですね)

舞園(このドリンクバーのグラス)

じゃあ、朝日奈と終里のおっぱいの絡みも期待していいです?

あとは朝比奈かさくらちゃんか残姉か葉隠か…

 十秒後――同刻 希望ヶ峰学園>南地区
  >カラオケ店内>512号室


舞園「失礼しまーす」

セレス「」

霧切「」

舞園「どうしたんですか2人とも そんなに固まっちゃ……って」

スピーカー『アンアンアン! アンアンアン! ナエギクンナエギクン! シュキシュキダイシュキアンアアン!』

舞園「」

舞園「な、なな何ですかコレ! どうして私の声が
   処女膜から声がでていないビッチ女特有の声となって
    鳴り響いてるんですか!?」

舞園「あ、ちなみに私は処女膜から声を出せます」

舞園「そんな事より何ですかこれマジでっ!」

舞園「おかしいですって! アイドルはイメージが大事なんですよ!?
   清純派アイドルで通ってる私が積み上げた清純ポイントが一瞬で無に帰すレベルですよコレ!
   あ、でも苗木くん専用のアイドルになれるならむしろソレでも――」

霧切「落ち着きなさい 探偵チョップ」

 >ズビシッ

舞園「はうあ……!」

霧切「コレはこの部屋と隣部屋だけで鳴っている音声よ
   別に全国生中継されているわけじゃない」

セレス「セクスィボイスに「生放送」なんてありませんわ
     コロシアイやミステリーじゃないんですから」

舞園「ならいいんです――なんて言うワケないでしょ!」

舞園「苗木くんが私以外の有象無象にたぶらかされてるんですよ!?
   こんなのってあんまりです! 絶対ゆるしませんし
   苗木くんを渡したりなんかしませんから!」

セレス「そんなの、ここにいる全員が同じ気持ちですわ」

霧切「……アナタが本物の舞園さやかであると仮定すると
   隣部屋の人物Aは一体ダレなのかしらね」

豚神か

舞園「すべて苗木くんの一人芝居だった なんてのはどうでしょうか?」

舞園「そうです 人物A=苗木くんなんですよ!
   私のことが好きで好きでたまらない苗木くんは
   いつしか私の声真似をマスターしてしまったのです!」

霧切「あまり自分の才能を卑下するもんじゃないわ」

霧切「あなたの美声は一朝一夕で獲得できるモノなの?
   超高校級のアイドルも安くなったものね」

セレス「それに苗木くんは生徒手帳を提示せずに
    二人部屋に通してもらった事実があります」

セレス「苗木くんの付き添いである人物Aは間違いなくいる
    その方が代わりに手帳を提示しなければ
    苗木くんは今ごろ隣部屋にはいないはずでしょう?」

舞園「だったら、誰だっていうんですか?
   苗木くんとそんなうらやまけしらん事をしてるのは!」

霧切「……メドはついてるわ あまり信じたくはないけれど」

セレス「……さすがは超高校級の探偵ですわね――行きましょうか」


 ――この事件の解決編へ

 五分後――朝 希望ヶ峰学園>南地区
  >カラオケ店内


 >ガチャ

苗木「……ふぅ 喉が乾いちゃったな」

霧切「そう 2人分のグラスをもってご苦労様――それはそうと
   アナタの相方もさぞ喉が乾いたのでしょうね」

苗木「き、霧切さん――何でここに」

霧切「随分とお楽しみだったみたいだから待ち伏せしてたの
   ねぇ当ててみせましょうか……? アナタの相方」

苗木「……」

霧切「カギとなった情報は2つ
   1つ目は舞園さんの反応よ」

舞園(わかってましたけど)

セレス(こうなると私たち空気ですわね)

さくらちゃんかな?

霧切「彼女はアナタの相方が発する舞園さんボイスを聞いて
    迷わず自分の声そのものだと答えたわ」

舞園「答えてません! 処女膜の差分があったと付け足して下さい!」

霧切「(無視) 先天的に得た超高校級のアイドルの声に
   匹敵する声を出せるのもまた、先天的な素質を持つ者のみである
   そう考えられるなら」

霧切「アナタの相方は 自らの声に改竄を施せる才能の持ち主
   であるとも考えられるハズよ」

苗木「……」

霧切「次に2つめ」

霧切「私達が聞いた澪田さんの言葉がヒントになったわ」

 >おやおやー? 二名様で濡れ濡れの百合世界っスか?
  いやぁ今日は、そういった組合せが多い日っスねぇ

霧切「そういった組み合わせとはつまり “同性同士”
   という解釈で合っているはず――ここまでは認める?」

苗木「み、認めるもなにもさ
   状況証拠だけじゃ、反応しずらいよ」

苗木「そうでなくたって
   舞園さんや澪田さんの証言が本当にあったかどうか
   ボクには知り得ない情報ばかりじゃないか」

苗木「そんな証拠はアンフェアだよ……!
   ねぇ、セレスさんもそう思うよね?」

セレス「そうですわね――ただし」

セレス「物的証拠があれば話は別でしょう?」

苗木「――!」

セレス「施設の使用に生徒手帳を使ったなら、記録が残るハズですもの」

セレス「これであれば決定的でしょう」

霧切「付け加えるなら苗木くんの携帯の着信履歴
   その最新の着信にも“彼の”名前が残ってるハズよ」

霧切「なぜなら、アナタは自分の“彼”と部屋でイチャラブしながら
   “彼”のことを何故か【舞園さん】と呼んでいた」

霧切「となれば、アナタが電話のなかでセレスと呼んでいた相手もまた
   男である可能性が出てくるのも自明の理ね」

霧切「さぁ、苗木くん ここまで言えば――分かるわね」

苗木「そうだね……ここまできたら
   当ててもらおうかな――霧切さんに」

霧切「相方……いいえ、苗木くんの恋人の名前は」


―コトダマを記憶中―
  《>>137


―コトダマ発射準備完了―
 カッ《 豚神 》


霧切「豚神白夜以外に、いない!」

苗木「……正解」

??「苗木くーん! どうしたんですかー
   遅いですよぉ(舞園ボイス)」

苗木「ちょうどいい機会だね――」

苗木「ボクの恋人を紹介するよ」

豚神「こんにちわぁ↑ 舞園さやか→でぇす↑」

舞園「オラァ!!!」

豚神「ひでぶっ!」

セレス「し、信じがたいですけれど――これが真実……?
    ウッ、ギョウザ吐き戻しそう……」

霧切「腹パンがクリーンヒットしてたけど――平気?」

豚神「だ、大丈夫です→ 蓄えた贅肉は時として↓
   金属↑よりも硬い時がありますから→」

舞園「私の声にそのやっすいキャラ付けするな!!!」

セレス「今のアナタもなかなか安上がりですわよ?
    まさかの罵声アイドルですし」

霧切「卓越した声帯模写ね さすがは超高校級の詐欺師」

舞園「ていうか服装まで私とソックリって……
   そのウエスト周りで……はぁ……」

苗木「特注品なんて慣れっこだよ ね? 舞園さん」

豚神「はい♪」

セレス「それにしても……霧切さんはやけに冷静ですわね
    わたくしでさえ先程から冷や汗が止まりませんのに」

霧切「当たり前じゃない何故か前が見えないけど当然じゃない私は探偵兼お嫁さんなんだから全然平気なのよ正妻のヨユーってやつねアハハハハ」

舞園(し、白目を剥いてる――! 慌ててたんだ!
   実はこの場の誰よりも慌ててた!)

セレス「それにしても何故ですの? わたくしや舞園さんならまだしも
    その豚にどのような魅力が?」

セレス「男色の気があったのなら諦めもつきますが
    彼に女性の真似事をさせてるのも苗木くんなのでしょう?」

苗木「うん、そうだよ」

舞園「な、なら今からでも遅くはありません!
   私だけの苗木くんになってください!」

苗木「うん、それ無理」

舞園「な、なんでですかっ!」

苗木「ボクはね舞園さん 君たちのその独占欲が大嫌いなんだ」

舞園「え……?」

>>190
残姉がレスしてんじゃねえよ

苗木「ハーレムを夢見るボクにとってはさ
   『誰か一人の特別になりたい』なんて君たちの理想は
   虫唾が走って仕方がないんだよ」

苗木「やれ結婚だのやれカップルだの ホントに勘弁してほしいよ……」

霧切「だから、そのハーレムを一人で構築できる彼に目をつけた」

苗木「そう! さすがは霧切さんだね」

苗木「今日は舞園さんで明日はセレスさんとイチャイチャできる 幸せだなぁ」

苗木「もしもこのローテーションを本物のセレスさんや舞園さんで試した日には
   修羅場はまのがれないだろうしね」

セレス「……否定はしませんわ」

苗木「いやぁ、声色どころか姿形まで思いのまま!
   ホントにスゴいよ、舞園さんは」

豚神「うふふ、ありがとうございます♪」

舞園「その豚神を舞園さんって呼ぶのやめてもらいますか?」

>>191
僕が大っ嫌いな君も黙ろうね

セレス「……少しお花を摘みに行って参りますわ」

苗木「じゃ、僕たちもジュースを汲みに行きたいし
   そろそろ行ってもいいかな?」

霧切「待ちなさい」

霧切「まだ話は終わってないわ」

苗木「はぁ……なに?」

澪田「うんうん、青春っスなぁ」

舞園「こんな青春イヤですよぉ……ていうか見てないで何とかしてください」

澪田「唯吹は白夜ちゃん肯定派なんでっ☆ お構いなくぅ」

 >あのビチグソ豚や(ガンッ)ろうぉがァアアアアァ(ガンッガンッ)アアアア!!!!(バキッ)!!!!

舞園「……トイレで暴れてる人は?」

澪田「唯吹は破壊活動愛好家なーんでっ☆」

舞園(今更だけどなんだこの店員)

霧切「アナタは“ドリンクバー”なんかで満足できる男なの?」

苗木「……どういう意味かな」

霧切(とっさにひらめいた逆転の一手)

霧切(偽のハーレムを打ち砕くには――真のハーレムしかない!)

霧切「……い――すぅ……はぁ」

霧切「今なら……」

霧切「今なら私達全員の体が飲み放題ということよ!」

苗木「えっ」

舞園「えっ」

戦刃「えっ」

豚神「えっ」

セレス「ただいま戻りました……ん?
    いま一瞬……誰か増えませんでした?」

澪田「気のせいっスよ」

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