女「おや、良さげな仕事がありますねぇ」(1000)

“魔族侵攻阻止ツアー”
“難度AA”
“定員20人”
“報酬 たくさん”

女「・・・難度AA、こりゃ珍しい!」
女「難度がCってだけでも、ボロボロと死人が出るのに、AAとは・・・ふむふむ」

女「つまりこの仕事はあれっすな、たとえば100人がこの任務を請けたらば、その内90人くらいが死ぬっつー感じのものなんですかね」
女「なんてデンジャラス・・・泣きっ面を刺す夏場の蜂ですらも火中に逃げだす任務ですね」

女「・・・しかし」

女「今の私ゃ一銭も持ち合わせていない・・・あるのは旧式カメラと安物のナイフとサイフとワンダフルライフ・・・」
女「・・・大金を手に入れて後の二十日を過ごすにゃ・・・これしかない!」
「あの、すいません、掲示板見えないんでどいてくれますかね」
女「あ、さーせん」

もうこういう素人小説(笑)スレとかいいから

誰も読まねえよこんな糞つまんねえセリフだけの話とか
『支援(笑)』とか言ってるバカはVIPやる資格ねえよ

女「しっかしあれっすな、休日だってのに、ギルドはいつでも満員なんですね」
女「人が多いと狭くて暑くて・・・いやはや、汗の臭いがきついきつい・・・」

女「こうして受付に並んでいるだけでも体力を奪われてしまいそうですよ」
「あの、すいません、さっきから煩いんで心の中で喋ってもらえませんかね・・・」
女「あ・・・あーすいません」

女「(・・・受付、長いなー)」
「お次の方どうぞー」
女「(このまま仕事を貰わずに適当な家畜を拉致って腹を満・・・)」
「あのー、お次のお客様ー・・・」

女「あー、いやー、すいませんね、考え事に耽ると耳が遠くなってしまう人種でして」

受付「はぁ・・・で、今回はどのような仕事を?」

女「あっちに張ってあるAAの仕事を頂こうかなと」

受付「・・・すいません、番号で言ってもらえませんかね・・・」

女「・・・さーせん、覚えてないんで掲示板見てきて良いですか?」

受付「・・・はい、どうぞ・・・(また素人かよ・・・うぜぇ・・・)」

タタタタタッ・・・

女「すいませーん、AACC-XXXです」
受付「・・・はい、AACC・・・ああ、進攻討伐のツアーですね・・・」

女「いやーお金に困ってましてねぇ、良い仕事が見つかってよかったですよ」
受付「あーそうですか、はいそれではこちらの注意書きの方を・・・」
女「あ、そういう手続き全部パスで」

受付「・・・あのですね、こちらの手続きは欠かせない契約なので」
女「マジ・・・本当ですか、わかりました」
受付「お願いしますねー(マジうぜぇわこういう客・・・)」
女「住所・・・なし、っと」
受付「あの、真面目にお願いします」
女「真面目も真面目、大マジっすよ」
受付「・・・」

受付「ではこちらの任務、受理ということで・・・」
女「あざ・・・ありがとうございます」
受付「それでは任務の詳しい説明は別室で行われますので、こちらの番号の部屋へどうぞ」
女「ふむふむ・・・はい、わかりましたー」
受付「では、頑張ってください」
女「あい、どもどもー」
受付「(やっと行ってくれたよ・・・)」


受付「(・・・あ)」
受付「(やっば、これAAじゃん・・・会員のランク確認すんの忘れちまった)」

受付「(・・・あの娘、下手したら死ぬんじゃないか・・・やばっ・・・)」
「おーい、後がつかえてるんだけど」
受付「あ、は、はい!いらっしゃいませー!」

受付「(どうしようバレたら上司に殺されちまうよー・・・)」

こんこん

女「すいませーん」

こんこん

女「あのー」
ガチャ

男「・・・説明の部屋にノックはいらないから・・・」
女「あ、そーなんですか?」
男「うん・・・あ、君はこの仕事を請け負う人?」
女「はい、一応」
男「一応?・・・まぁとにかく入ってよ、もう君で定員そろったから」
女「ういっす」
男「(変な女・・・きっと田舎者なんだろうな)」

「・・・」
「・・・」
「・・・」


女「(うわお、みんなコワモテ~・・・あの人なんか顔に傷入っちゃってる、こわー)」
男「好きな場所座っていいから」
女「あ、はーい」

キシッ
女「(・・・あれ、みんな銃や剣・・・まさかナイフは私だけなんすかね)」
「(なんだあいつ・・・今回の任務、ナイフで殺せる相手がいるとでも思ってんのか・・・?)」

男「あー・・・それじゃ、僕の方から任務の説明を始めさせてもらいますね」
女「はーい」
男「・・・・・それじゃ始めます、質問は最後に受け付けますので静聴お願いします」

男「えーっとですね、最近ですが、ここら一帯でですね、魔族の被害が大変な事になっているんです」

男「作物を荒らすだけの獣ならまだマシなんですが・・・今回は運が悪いとおいうか、タイミングが悪いというか」
男「かなり大型の、希少な種の魔族が同時にここらの区域に出現してまして」
女「ふむふむ」

男「・・・なので今回、急遽このようなチームが結成されました、と、そういうことです」
男「我々はこのたび、3、4種ほどの魔族を追い払うもしくは討伐します」
女「多いっすね」
男「そういう任務ですからね」
女「ほぇえー」
男「(・・・わかってて受注したんだよな?アンタ)」

男「まずは山岳地帯、次に海洋、そして最後が空です」
女「空?」
男「ええ、厄介なのが一匹いまして、そいつを追い払わないといけないのでね」
女「ふーん」

男「・・・ということです、出発の準備はこちらのギルドで済ませてありますから・・・」
女「準備良いですね」
男「・・・そのためのギルドですからね」
女「(食事も用意されてんのかなー)」

男「では、何か質問ある方」
女「はーい」
男「・・・はい、どうぞ」
女「任務中の食事は出ますかね?」
男「・・・」

男「まぁ・・・はい、出ますよ」
女「ほんとっすか?良かったぁー」
男「・・・えー・・・以上でよろしいでしょうか」

剣士「俺からも質問がある」
男「あ、はい、どうぞ」
剣士「今回の相手に、俺の剣は通じるか?」
男「・・・実力次第かと・・・海洋の相手以外にはまぁ、有効だと思いますね」
剣士「? 海洋の魔族は魚ではないのか」
男「ゼリー状のクラゲです」
剣士「・・・わかった」

魔術師「魔術が効かない相手とかはいますか?」
男「基本的にみんな効くと思います・・・当たればの話ですけど」
魔術師「ん、わかったー」
男「空の相手は竜ですからね、それ以外なら・・・まぁ、なんとか」

男「・・・それじゃ、さっそく馬車まで移動しますので・・・こちらへどうぞ」
ガチャ

剣士「剣が効かない相手か・・・」
魔術師「あなたは剣を使うの?」
剣士「え?あ、ああ、まぁな」
魔術師「ふーん、憧れちゃうなー」
剣士「・・・そ、そうか」
魔術師「私あんまし運動できないからさー、そういうの扱える人って本当にすごいと思うよ」
剣士「・・・そうでもない・・・(ボソボソ」

女「あ、やっば、レンズ磨き宿に忘れてきたかも・・・」
剣士「・・・」
魔術師「・・・」

この酉は医者のSS前に書いて書き終わったのに
みんなに見てほしいから自分で保守し続けたあのバカを思い出す

男「それじゃあみなさん準備はできましたねー」

「「「おおおおおう!」」」

男「では、ツアー馬車出発しまーす!」


ゴトン・・・ゴトトン・・・

剣士「(・・・この人と同じ班か・・・)」
魔術師「えへへ、よろしくお願いしますね」
剣士「お、おう」
女「よろしくお願いしまーっす」
剣士「(・・・こいつもか・・・)」
魔術師「・・・あはは、よろしく・・・」

魔術師「・・・ねえ、あなたは・・・それで?」
女「はい?」
魔術師「その・・・ホルダーについてるナイフ」
女「ああ、こいつっすか?ええもちろん、この愛刀で頑張りたいと思ってますよー」
剣士「・・・」
魔術師「あはは、面白い人」
女「いやー、そーっすか?ははは」

弓「(良い天気だなぁ)」

ゴトトン・・ゴトト・・・

魔術師「剣士さんはどうしてこの任務を選んだんですか?」
剣士「ん?」
魔術師「普通はこういう危険なのって、遠距離から攻撃できる人の方が受注割合多いですよね」
剣士「ああ・・・まぁ、俺は・・・自信があるからな」
魔術師「あら、なんだかかっこいい」
剣士「・・・自信だけじゃないし・・・経験もあるけど・・・(ボソボソ」

魔術師「剣って、切るたびに血を振らないといけないからなんだか面倒臭そうですよね」
剣士「いや、そうでもない・・・急所に当たれば一発で終わるから・・・」
魔術師「へぇぇー」
女「ほぇー、剣ってすごいんすねー」
剣士「・・・まぁ、それはナイフでも同じ事だが・・・」
女「あ、今のフォローっすか?へへ、ありがとうございます」
剣士「・・・」

女「いやー、それにしてもみなさんの格好、気合い入ってますよねー」
魔術師「え?」

女「特に剣士さんなんて格好良いですねぇ、その、鎧っていうんですか?」
剣士「・・・まぁ・・・死活問題だからな、今回は・・・」

女「魔術師さんも胸当て・・・肩当て・・・籠手・・・」
魔術師「ふふふ、皮製のものだけどね」
女「あ、これフリルついてる!オシャレー!」
魔術師「えへへ、高かったのー」
剣士「・・・」

弓「・・・」
女「・・・」

女「あ、この杖のデザインかっこいいっすね、この宝石とか」
魔術師「そうでしょ?ふふ、オーダーメイドなの」
弓「・・・」

剣士「・・・君は・・・」
女「ん?私っすか?」
剣士「・・・ああ、少し・・・軽装すぎやしないか」
女「・・・?そう・・・っすかね?」

魔術師「ん、んー・・・そうね、少し・・・防護というよりも・・・山を歩くくらい・・・かな、それだと」
女「動きやすいからいつも任務の時はこれなんすけどね・・・」
魔術師「あ、べ別に悪く言ってるわけじゃないの、良いと思うわよ?」

剣士「ただ少し、心もとない・・・・のではないか、それでは」
女「んー」
剣士「ナイフを使うのならば、俺以上の重装備でなければ危険というものだし・・・(ボソボソ」

女「まぁ大丈夫っすよ!なんとかなりますって!魔族くらい!」
剣士「・・・」
魔術師「あはは・・・そうね」

弓「(Aランクの相手に“魔族くらい”かよ・・・どんだけお気楽なんだこいつは・・・)」

ガタンッ

女「ふおっ」
剣士「ッ」
魔術師「わっ」

ゴトトン・・ゴトッ・・ゴトトッ・・・

剣士「・・・馬車が街道から逸れたな・・・山岳地帯に入ったか・・・」
魔術師「ゆ、揺れるー・・・」
女「大丈夫ですか?顔色悪いけど」
魔術師「だ、大丈夫・・・あはは・・・」

女「・・・それにしても、随分時間かけて走ってますね、この馬車」
剣士「・・・そうか?」
女「はい、もうちっと急いでくれないと日が暮れちまいますよ」
剣士「・・・仕方ない、馬鳥にも限界はあるだろう」
女「だるー馬車飽きたー」
剣士「・・・」

弓「あ、なんか遠くから演奏が聞こえる」

男「はい、では降りてくださーい、ここに野営地を設置しますのでー」


魔術師「・・・うう・・・」
女「大丈夫ー?無理しなくて良いのに・・・」
魔術師「あ、ありがとう・・・少し、馬車には弱くて・・・」

男「あ、5班さん、キャンプについてお話が・・・」
剣士「?何か・・・?」
男「・・・えーっと・・・こちらの不備で・・・他の班とは少し離れた所に設営、ということになってしまったんです」
剣士「・・・何故」

男「こちらの計画でですね、どうしても迎撃のために見張るそれぞれのポイントで・・・地形の都合上、他の班と少し間があいてしまうということなんです」
剣士「ああ、それなら別に・・・大丈夫だと・・・思うが・・・(ブツブツ」
男「すみませんね、まぁ、剣士さんはかなり色々な任務を経験してるでしょうから心配は・・・」

女「あ、これってドングリってやつですかね?」
魔術師「う・・・うーん・・・」

男「・・・心配は・・・」
弓「(心配だ)」

ザッザッザッザッ・・・

魔術師「す、すみません・・・重いでしょう、私・・・」
女「あはは、大丈夫ですって、軽い軽い」
魔術師「・・・すみません・・・」
剣士「・・・せっかくチームを組んだんだから・・・助けあわないとな・・・(ボソボソ」
弓「(そこもっと声大きくする所だろ)」

女「いやー、にしても」
魔術師「?」
女「迎撃ってのもなんていうか、消極的な話っすよねー」
剣士「・・・そうか?」
女「ええ、傭兵ともあろうものが相手が攻めてくるのをただ待つなんて」
剣士「・・・こちらから攻めるというのも、色々と問題があるんだ・・・乱獲をすれば種が減少するし・・・(ブツブツ」

魔術師「相手も生き物なんですし・・・本当は追い払うだけが良いんですけどね・・・」
女「えー、それじゃ肉を食・・・」
魔術師「肉?」
女「・・・いんやー、なんでもないっす」

ザッザッザッ・・・

女「ところでみなさん、質問があるんすけど」
剣士「?」
魔術師「なに?」

女「今日の晩御飯、何にするんですか?」
魔術師「え?」
剣士「・・・俺が背負ってるこの荷物の中の・・・携帯食料になるのではないのか?」
女「えー」
剣士「・・・えー・・・って何だ」

女「さっきチラリと見たんすけど・・・すっごい質素ですよ、そん中」
剣士「・・・仕方ないだろう、保存食なんだ」
魔術師「食べられるだけありがたいと思わないとね」
女「うーん・・・やっぱり現地調達してバリエーションを・・・」
魔術師「そうね、何か食べられる果物とかあればいいんだけど・・・」
弓「(おいおい、仕事以外の面倒な事はしたくないぞ俺は・・・)」

>>2
そう言いながらも>>2を取るほどに待っている>>2に萌え

ザッ

女「多分ここ・・・っすかね」
剣士「ポイントは・・・そうだな、目の前に川・・・拓けているし・・・あっちの方に崖もある」
魔術師「地図通り?」
剣士「・・・ああ、きっと合ってる・・・はずだ」

女「よーし、それじゃあここで敵を待つってことっすね!?」
弓「(テンション高けぇ・・・脚いてぇ・・・)」

剣士「ああ、そうだな・・・俺らはこの川沿いに走ってくる標的を討伐する事になる」
魔術師「・・・ちょっと緊張してきたかも・・・」
剣士「大丈夫・・・いつも通りやればいい・・・いつも通り・・・」
魔術師「(剣士さんも緊張してる・・)」

女「じゃあ私キャンプにで使う枝拾ってきますわ、百本あれば足りるかなー」
魔術師「・・・」
剣士「・・・多分な」
弓「(どっか座れる所ないかな・・・)」

>>43
うるさいぞ集中しろ

魔術師「・・・女さん・・・ですっけ、元気ですね」
剣士「・・・そうだな」

弓「・・・呑気なだけなんだろ」
剣士「!」
魔術師「!」

弓「あいつ・・・絶対任務舐めてるよ、何にもわかっちゃいない・・・そんな顔してる」
弓「今回は全部大型だろ?そのくせナイフだぜ?バカにしてるだろ絶対・・・」
魔術師「そ・・・そうかもね」
剣士「・・・」
弓「ったく・・・とんだ貧乏くじひいちまったよ・・・実質これだと3人班じゃねーか」

魔術師「(・・・この人は?)」
剣士「(・・・そういえば、馬車の後ろの方に誰かいた気もするが・・・)」

女「ういーっす!枝拾ってきました!」

弓「!」
魔術師「あ、おかえりなさい・・・わあ、こんなに沢山!」
剣士「・・・早いな」
女「いやー、立ち枯れてた木があったもんで、そいつからごっそりいただきましたよ」
魔術師「ラッキーでしたねぇ、ふふ、これで火には困らないかも・・・ありがとうね」
女「ややや、私ゃそれほど動いてないんで」

弓「・・・」
剣士「・・・さて・・・テントでも作るか・・・」
弓「・・・俺も手伝う」
剣士「ああ、一緒に組みたてようか・・・女二人だからな、大きいものを立てないと」
弓「・・・」

コンコン、コン

剣士「・・・そっち引っ張っていいぞ」
弓「ああ・・・っしょっと・・・」
剣士「・・・よし、あとは固定して・・・」
弓「・・・」


魔術師「そっれでは、いきます・・・」
女「・・・」
魔術師「・・・“アイス”!」
シュボッ

女「おおっ」

ゴォオオオ・・・

女「すごいっすね!そんじょそこらの魔道士には出せない火力っすよこれ」
魔術師「えへへ・・・そう?ふふ、でも下級だし、自慢できることでもないわ」

女「・・・ところでどうして詠唱がアイs」
魔術師「さあさあ、火が周りに移らないように整えないと!」
女「あ、うっす」ゴソゴソ

ゴォオ・・・

女「・・・あったかい・・・」
魔術師「そうねぇ・・・眠くなっちゃう・・・」

女「・・・あはは、いいんすかね?任務さぼって火にあたってて」
魔術師「ふふ・・・だめかも・・・でも迎撃だから、大丈夫なんじゃない?」
女「本当っすか?」
魔術師「・・・いや・・どうなんだろう・・・あはは」
女「あはは」

ぐぅぅぅ・・・

女「・・・」
魔術師「あ・・・お腹空きました?」
女「・・・やはは、お恥ずかしい・・・」
魔術師「もう夕方ですものね、そろそろ準備しましょっか?」
女「そうしてくれると嬉しいです・・・」
魔術師「ふふ、良いの、私もお腹すいちゃったし」

剣士「おーい・・・テント準備できた・・・」
魔術師「あ、はーい・・・それじゃあ夕食にしましょうか」
剣士「そうだな・・・そうしよう」
弓「・・・腹減った・・・」
女「腹減ったー」
弓「・・・ッ・・・」

ゴソゴソ・・・パラリ

女「・・・おじゃましまーっす・・・」
剣士「・・・ここは俺ら班のテントだから、挨拶はいらないだろう」
女「い、いやーなんとなくしなきゃいけないかなーっと」
弓「(バカらしい・・・)」

魔術師「おじゃましまーす」
剣士「・・・」
弓「・・・」
女「ほらほら、こんな感じになりますよね?」
魔術師「え?何?なんの話・・・?」

ザラザラザララ・・・

剣士「・・・これが、今夜の食事だ」
女「・・・」
魔術師「・・・質素ですね?」
剣士「ああ、想像以上に・・・だが、仕方ないだろう」

女「・・・肉が足りない・・・」
剣士「燻製干し肉なら少しあるが・・・」
女「・・・生を焼いた・・・ステーキが・・・」
剣士「・・・そんなものはさすがに・・・」

弓「・・・食いたきゃ自分で獲りにいけよ、バカらしい・・・」
女「!」
剣士「・・・」
魔術師「あ、あの・・・弓さん、少し言いすぎじゃ・・・」
弓「何しにこの任務に来たんだよ・・・ったく・・・説明会場でも変な質問するしよ・・・」
女「・・・」
弓「装備は軟弱だし・・・食い気だけは一人前かよ」
女「・・・」
魔術師「・・・弓さん・・・」

女「・・・わかりました・・・」スッ
剣士「・・・おい、どこに行く」
女「・・・ちょっと・・・外に」パラッ
魔術師「あ、あの・・・女さんっ・・・」

弓「・・・」

魔術師「・・・行っちゃった・・・」
剣士「・・・」
弓「ふん、勝手に拗ねてりゃいいだろ」
魔術師「・・・そんな言い方」
弓「お前だって心の中では思ってるんじゃないか?」
魔術師「・・・そんなこと」

弓「身振りや口ぶりでわかる・・・あれはド素人だ」
魔術師「・・・」
剣士「・・・確かにそうかもしれないな」
弓「だろ?あんたもそう思うだろう」
魔術師「・・・」
弓「あいつはこの任務を何か、それもまさしく“ツアー”かなんかと勘違いしてるんだろ」

弓「募集用紙もきっと、遊びのような気持ちで見ていたんだろ」
魔術師「・・・でも」

魔術師「・・・きっと・・・彼女も何か・・・すごい力を持っているはずですよ」
弓「すごい力?なんだそれ」
魔術師「・・・あんな、ひょうきんな喋り方はしてるけど・・・何か・・・」
弓「ナイフで?」
魔術師「・・・」
弓「・・・ふん・・・ま、この際足手まといにならなきゃいいけどな・・・」

ザッザッザッ・・・

女「・・・そうだ・・・そうだよ・・・その通りですよ・・・」

ザザザザッ・・ザザザ・・・

女「言われるまで気付かなかった・・・簡単な事だったのに・・・」

ザザザッザッザッザッ・・・

女「・・・やっぱり私ゃ、バカでしたね・・・」

ザッザッザッザッ・・・ザッ

女「・・・そう」
女「食料が無ければ・・・獲れば良い!」

女「街ではないから食料はないと思ってましたが・・・そうだ、ここは山!自然の宝庫!」

女「肉が無ければ・・・動物を狩りゃいい!」

ザッザッザザッ・・・


魔術師「(女さん・・・きっと悲しんでいるだろうな・・・)」
剣士「・・・」
弓「(ふん、静かで落ち着く・・・)」

剣士「・・・さて、テントの中で食事も良いが・・・」
弓「?」
剣士「そろそろ表に、見張りを置こうか」
魔術師「あ・・・そうですね、誰かいなければ迎撃もできませんし」

剣士「一人が表で川沿いを見張る・・・動物や魔獣が居れば追い払うか・・・討伐するかしてキャンプを守る」
魔術師「討伐対象に遭遇したらテントの中の人を呼ぶ、っていうことね」
剣士「・・・そうなるだろう」

剣士「・・・みんな慣れているだろうが作戦を練っておこう・・・討伐対象に遭遇した場合の動き」
弓「・・・俺は遠距離からの支援だ」
魔術師「私もそうなるかも・・・」
剣士「・・・俺に当てないでくれよ」
魔術師「あはは、そんな、大丈夫ですよ」
弓「俺はそんなヘマはしない」
剣士「・・・二人の腕を信じて良いか?」
魔術師「ええ、もちろん」
弓「あのナイフ娘とは違うからな」
剣士「・・・」
魔術師「・・・」

剣士「・・・といっても、俺も心配だ」
弓「・・・何が?」

剣士「自信があるとはいえ、流れ弾が一発でも俺に当たれば・・・」
弓「だから、そんなバカはしないっての」
剣士「いや、本当に申し訳ないが・・・二人の腕を疑わせてくれ」
魔術師「・・・そうね、剣士さんは対象に接近せざるを得ないですから・・・私たちとは違ってリスクも大きいです」
弓「・・・」

剣士「・・・今回の山岳地帯での対象は・・・通称“百角獣”」
魔術師「大型の鹿の魔獣ね」
弓「角が異常成長して・・・皮膚の外にまで角を突き出すほどの異常種、魔族だな」

剣士「全身が角の鎧につつまれているからな・・・その突進を食らえばテントも、木々ですら吹っ飛ばされるだろう・・・」
魔術師「・・・怖いわね」
弓「まずは角を破壊しないとな」
魔術師「うまく角の隙間から弓矢と魔術が届けばいいんだけどなぁ・・・」
剣士「そううまくもいかないだろう」

女「なんか固い鹿獲れたから食べよう!」

剣士「まずは二人で、現れた百角獣を怯ませてくれ」
魔術師「ええ、わかった」
弓「止めるだけで良いのかよ?」
剣士「・・・あまり刺激しすぎるとテントに突撃してくるかもしれないからな」

剣士「・・・止めたら、あとが俺が角を砕きに行く・・・突撃する」
魔術師「・・・大丈夫?」
剣士「・・・さあ・・・相手の大暴れをうまく翻弄できればいいんだけどな・・・」
弓「ならその間も俺らが標的の動きを・・・なんとか止めてやろう」
剣士「大丈夫か?信用していいか?」
弓「大丈夫だっての・・・おたく、心配性か?」
剣士「背中を任せて・・・俺は標的に集中して良いんだな?激しく避けもするだろうし、飛びもするだろう」
弓「ああ、慣れてる」
魔術師「・・・うん、きっと・・・大丈夫かな、うん」
剣士「・・・わかった」

剣士「そ、そいつは・・・・」
女「頭殴ったらいちころっすよ!早く食べるです!」
弓「・・・・・」

女「・・・」

兎「・・・キュゥゥウ・・・」

女「ていやっ」ババッ
兎「!」
ダダッ

女「逃がしませんよー!」がしっ
兎「キューキュー・・・!」ジタジタ
女「ふっふっふ、夕食ゲットです・・・」
兎「(´・ω・`)キュー・・・」


女「・・・さて、かなり探しましたが・・・やっと捕まえましたし、キャンプに戻りましょうかね・・・」
ザッザッザッ・・・

女「小ぶりな兎だけど・・・まぁなんとか3人分の量はあるでしょうね」
兎「・・・キュー・・・」
女「・・・あ、そういえば一人なんか居たけれど・・・あの人の分も足りるかな・・・?」
兎「・・・」
女「まあいいや、いきましょうや」
兎「キューキュー」じたじた
女「こら、暴れないでってば」

ズシン、ズシン・・・

女「お」
兎「!」
女「・・・足音・・・ですか・・・ねぇ?」
兎「・・・キュー!」バタバタ

女「(すっごい抵抗してる・・・ってことたぁつまり・・・怯えるほどの存在がいると・・・つまり)」


ドスン、ドスン・・・

バキキキッ・・・

百角獣「・・・・」

女「(・・・わーお・・・おっきな・・・獣?でしょうかね・・・派手な森林破壊をしているようですが)」

女「(・・・こっちの存在には気付いてないようですね・・・ふーむ、すごいですね、ちょいと、幅の広い獣道をわざわざ作ってくれてます)」
兎「(ガタガタガタ」
女「(・・・こりゃ、なかなか面白い生き物だ・・・追跡してみる価値、ありっすよ)」


ッ・・・シンッ・・・ズシンッ・・・


剣士「・・・!」
弓「おい、この音」
魔術師「大きな地鳴りですね・・・!足音のようですが・・・」
剣士「・・・標的かもしれないぞ、近づいてきてる」
弓「さっそく一日目からか・・・!」
魔術師「うう・・・心の準備もさせてほしいなぁ・・・」
剣士「そんなことも言ってられないだろう・・・さあ、準備だ・・・!」

ガサガサ・・・

剣士「・・・」
弓「・・・外の様子は・・・変わらないが・・・」

ズシン、ズシン、ズシン・・・

魔術師「・・・川の向こうから・・・来ますね、何かが・・・」
剣士「・・・二人とも、木陰に隠れて準備をしておいた方が・・・良いかも・・・(ボソボソ」
弓「わかった」
魔術師「ええ、わかった・・・」
剣士「俺はあっちに隠れる・・・合図があったら、攻撃を始めてくれ」
弓「了解」

ザッザッザッザッ・・・

ズシン、ズシン・・・

百角獣「・・・」

ジシンッ、ズシンッ・・・

女「(それにしても、穏やかな生き物ですね・・・まぁ歩きの二次災害は穏やかとは言い難いけど)」
女「(動きは鈍い・・・?かな?かなり角も重そうですし・・・)」
女「(でも、この角・・・周囲の木々をなぎ払える強度・・・生半可な外敵なら、首を振るだけで退治できそうですね)」
女「(・・・危ない魔獣だ・・・気付かれたら大変なことになるかも・・・)」

百角獣「・・・!グルルル・・・!」
女「(うわ、動きが止まった・・・気が付かれたか?)」

百角獣「ォオ・・・グォオオオオ!」

ズシンッ、ズシンッ、ドドドドド・・・!

女「(わ、走りだした!?)」

バキキキ・・・メキメキメキ・・・

女「・・・すごい、本気になれば森を壊滅させられそうだ」
女「・・・それにしても、どこへ向かって走って行ったのだか・・・」

女「あ」
女「(こっちの方角って確か・・・)」

ドドド・・・ズドドド・・・

剣士「(おい・・・なんだこの勢いは・・・地震か・・・地震であってくれ)」

魔術師「これって・・・この速さで足音が近づいてるっていうことは・・・」
弓「・・・あまり、良い事ではないだろうな」


バキッ・・バキバキバキバキバキッ・・・メキキキ・・・!


百角獣「ォオオオォオオッ!」

剣士「・・・!」ビリビリビリ

百角獣「・・・グルルル・・・!」
ズシン、ズシン・・・

剣士「なるほど・・・火を見つけて人間の気配を感じたか・・・消しとけばよかったな・・・」

百角獣「!」ギロリ

剣士「!」

弓「! 合図だ」
魔術師「え?本当?見えなかったけど」
弓「俺には見えた」

ヒュッ、ググググ・・・

弓「不意打ちで怯ませよう、剣士は見つかってる・・・すぐにでもあいつは襲いかかってくるかもしれない」
魔術師「た、大変・・・!」
弓「援護攻撃だ、早くしろ!」
ドヒュッ

ヒュゥゥゥ・・・

カコッ
百角獣「!?」

弓「チッ、角に刺さった・・・頭を狙ったんだが」
魔術師「(この距離なのにすごい精度・・・私もやらなきゃ)」
弓「そっちも頼む」
魔術師「ええ・・・任せて」

魔術師「・・・“キュート”!」

ドザザザ・・・

女「・・・わーお、なんだかすごい音が聞こえる」
女「・・・あ、もしかして戦闘中・・・?ありゃりゃ、いっけね・・・抜け出している間に・・・やってしまった」

女「私も早く追いつかないと・・・!」
兎「キュー!」ババッ
女「あ、」

兎「キュー」
ダダダダダダッ・・・

女「・・・やっちまった・・・逃げられた・・・」
女「・・・どうしよう・・・」

バシャッ、バシャッ・・・

百角獣「・・・グオォオオオ!」ブルルッ

剣士「(すごい・・・全身水浸しだ、かなりの水流だったな・・・)」
百角獣「・・・(ギロリ」
剣士「!・・・俺もうかうかしてられないな・・・」

タタタッ


弓「剣士が走ってる、援護を絶え間なく続けるぞ」
魔術師「ええ、わかっています・・・!“キュアー”!」

パキパキ・・・
百角獣「!」

弓「(!獣の足元から氷の柱が・・・)」
剣士「ありがとう、動きを止めといてくれ(ボソ」

飯だ飯

パソコンデスクの前で食卓は広げられんのですよ
今日はハンバーグ

暇な人はオロナミンC、ドデカミン、ライフガードの味の違いについて語っているといい
少しかかるから

良ーい湯ーだーな、あはん

リアルゴールドは蜂蜜っぽい甘さが美味いけどオロナミン系の味じゃない
レッドブルはなんか苦い甘さがタフマンと被るし同じ系列とは思えない

他は知らないけど美味いのか

あと十分で再開

剣士「はっ!」

トスン
ポロ

剣士「・・・よし、なんとか斬れるな・・・」
百角獣「!・・・グォオオオォオ!」
剣士「!やば・・・」

ヒュンヒュンヒュンッ

ドカカッ
百角獣「!グゥゥゥゥ・・・!」

剣士「(矢が・・・よし、こうやって注意をそらしつつ攻撃していけばなんとか・・・!)」
剣士「(とにかく角を破壊していかないと・・・矢も魔術もこいつの内部にまで届かない・・・!)」

弓「(俺らにできることは援護からの不意打ち・・・だがこれを絶え間なく行わなければ、敵正面にいる剣士が猛攻を受ける)」
魔術師「(それだけはなんとか阻止しなきゃいけない・・・!だから、こっちからの攻撃を緩めれば・・・)」
弓「(剣士は瞬殺され・・・)」
魔術師「(そうなれば、私たちの命も時間の問題・・・!)」

弓「剣士が引き止めていてくれる間が俺らの援護時間でもある、集中だ・・・!」
魔術師「はい・・・!“キュアー”!」

パキパキ

剣士「くそっ・・・いい加減顔を出せ・・・!」

スパッ、スパッ

百角獣「グォオオオオ!」ブンッ
剣士「! あぶなっ・・・!」

ヒュヒュヒュッ トトトッ
百角獣「グ・・・!ォオオオ・・・!」

剣士「(よし、一本だけ中に刺さった!)」

ドドド・・・パキパキ・・・ッ・・・

剣士「(足元からくる氷の魔術で奴の動きも緩くなっている・・・角を集中して破壊するなら今!)」
剣士「(角さえ消してしまえば、相手の突進の怖さも半減する・・・同時にこちらの攻撃を内部に当てる機会も増える)」
剣士「(討伐を成功させるためには・・・俺が不可欠だ!)」

ブンッ

ガツンッ!

剣士「!」
百角獣「グルルル・・・」
剣士「こいつ、頭の角だけやけに硬・・・」
百角獣「ォオオオォオオオオ!!」

ドスッ
剣士「ぐあ」

弓「! やべえ・・・!」
魔術師「や・・・!剣士さんが・・・!」
弓「くそ、あいつがやられたらこっちにまで押し掛けてくるぞ・・・!攻撃だ!」
魔術師「わかってます・・・!」


百角獣「ォオオオオオ・・・!」

剣士「(く・・・転ばされた・・・地面がぬかるんでる・・・立てない・・・!)」
剣士「(やばい・・・やばいぞこれは・・・相手は何トンもある巨体・・・踏まれたら即・・・)」

百角獣「・・・グルルルルゥ・・・!」

ヌウッ・・・

剣士「(前脚を持ちあげた・・・やばい・・・やばいやばいぞ・・・)」
剣士「(遠距離攻撃でなんとか・・・!なんとか奴の動きを・・・!)」

ヒュヒュヒュンッ ドカカカカッ

パキパキ・・・

剣士「(援護攻撃に怯んでいない・・・くそ・・・!)」

百角獣「・・・(ニヤリ」

ドスンッ

女「あい、どーも」
剣士「・・・!?お前・・・」

弓「・・・!」
魔術師「(女さん・・・!?)」


百角獣「ォオオオ・・・グオオオオオ・・・!?」
剣士「一体何が」
女「ややや、背中の骨が薄くなってたもんで、そこにナイフ投げて刺しといたんですよ」
剣士「・・・!ありがとう・・・!す、すまない・・・!」
女「そんなことより早く離れないと、踏まれますぜ」
剣士「・・・!」

ザザザッ

剣士「(なんとか・・・九死に一生だ、女に感謝しないと)」
百角獣「ォオオ・・・!ガァアア・・・!」

女「うわ、血が出てる・・・痛そう」
剣士「君がやったことだろう、いや、でかした・・・(ボソ」
女「ははは、どうも・・・不意打ちっすけどね」
剣士「それでも上出来さ」

女「・・・けどね、旦那」
剣士「何だ?相手が怯んでいる・・・今がチャンス・・・」
女「いや、ナイフもう相手に刺しちゃったんで」
剣士「・・・」

百角獣「グォオオオオオオ!」

剣士「大丈夫・・・あとは俺に任せろ!援護感謝する・・・!」

女「わお、かっこいい」
剣士「離れてくれ!」

ブンブンッ、トスッ、トスッ


弓「(なんであいつが・・・クソ・・・俺だって)」ドヒュンッ

魔術師「(やった・・・やっぱり女さんすごい人かも!)」
魔術師「・・・こっちも頑張らなきゃ・・・“アイス”!」ボボボッ


女「(すごい光景・・・本気の狩猟・・・!)」
女「(・・・記念に撮っておきましょ・・・一枚だけ)」

女「・・・はい、笑ってー・・・(ボソッ」

カシャ

弓「(!・・・あいつ・・・写真なんか撮ってやがる・・・!)」

百角獣「・・・」

女「・・・ナムナム」
剣士「はぁ、あぁ・・・なんとか・・・倒せたな」

魔術師「・・・わぁ・・・すごい血・・・嫌な臭いがする」
弓「結局、失血死させるまで暴れられたな・・・しぶとい魔獣だった」
剣士「・・・はっ・・はぁ・・・まあいいさ、みんな生きていたんだから・・・それならいいさ・・・(ボソ」
弓「(だからそういうセリフはもっと大きい声で言うもんだろ・・・)」

女「ナイフ、ナイフどこだろ・・・」ガチャガチャ
剣士「・・・えっと・・・」
女「ナイフ・・・確かここらへんに刺した気が・・・」
剣士「・・・ありがとう・・・(ブツブツ」
魔術師「あ、女さんのナイフこっちにありますよ」
女「マジっすか?どもどもー・・・これないと私、傍観するしかないもんで・・・ははは」
剣士「・・・なんでもない・・・(ボソボソ」

弓「・・・」

ガヤガヤ・・・

男「・・・5班さん・・・ですね・・・本当だ、すごい・・・」
剣士「角は戦闘でかなり破壊しましたが・・・まぎれもなく今回の討伐対象、百角獣です」
男「そうですね、こんな変な外観の生き物は他にいませんから・・・ええ、よくやってくれました」

魔術師「“キュート”!」
ザッパァァァン・・・
女「おお~、血が川に洗い流されてゆく・・・」
魔術師「えへへ、後始末はちゃんとしないとね」
女「すごい水の量ですなぁ・・・いやはや、私も魔術使えるようになればいいのですが・・・」
魔術師「結構難しいですよ?勉強も沢山しなければならないですからね」
女「あー・・・そいつぁ私にゃ向いてませんね」

男「(・・・ああ、そういえばこの女の人もこの班だったなぁ・・・)」
弓「確か報酬は一部歩合だったよな、これで少しは上乗せされるのか?」
男「ん・・・ええ、そうですね、死者も出さず被害も無く討伐・・・素晴らしい事です、かなりの追加報酬があるはずですよ」
弓「そうか、良かった・・・記帳漏れのないようにな」
男「ええ、ご安心ください」

弓「(だが・・・あのナイフ娘・・・お前の活躍はその追加報酬には見合わないぞ)」
弓「(俺は認めない)」

パチッ・・・パチパチ・・・

女「やー、温かい温かい・・・」
剣士「温まるな・・・」
女「旦那、体がずぶ濡れですぜ」
剣士「・・・ぬかるみで転んだからな」
女「あはは、そりゃ・・・お気の毒に」
剣士「・・・べ、別に滑って転んではない・・・相手に体当たりされて・・・だから・・・(ボソボソ」

魔術師「みんなお疲れ様~」
女「お、・・・!魔術師さん、なんすかその肉!」
魔術師「百角獣の肉ですよ・・・ふふ、ギルドの人に頼んでお尻の方だけ少しもらったの」
剣士「かなりの量だな」
女「あの巨体っすからね、やはは、美味そうです」
弓「・・・」
魔術師「あの鹿、数がとっても少ないらしいから・・・もうこの山での任務は今日でおしまいなんだって」
女「ほう」
魔術師「だから今日が最初で最後の山岳キャンプになるわ」
剣士「・・・任務が早く終わる、良い事だ」
弓「・・・」

ガツガツガツガツ・・・

魔術師「今回の功労者はなんといっても剣士さんですね、よく頑張ってくれました」
剣士「・・・大したことは・・・別に・・・(ブツブツ」
魔術師「いえいえ・・・剣士さんの存在が無ければ遠距離攻撃は成立しませんし・・・何より角を剣で破壊するのはとっても勇気がいると思います」
剣士「・・・や・・・俺は・・・(ブツブツ」

ガツガツガツガツ・・・

魔術師「弓さんの活躍も地味だけどすごかったですね」
弓「じ・・・」
魔術師「一気に四本も放つ所なんて感動しましたよ・・・それにあの精度、よほどの名手でなくてはできませんし」
弓「・・・いや、魔術師の魔術もなかなかのものだったよ・・・うん」
魔術師「えへへ、そうですかね・・・?」

ガツガツガツ・・・

弓「・・・おい」

ガツガツガツガツ・・・
女「・・・もぐもぐ・・・んはい?」
弓「・・・お前な・・・」
魔術師「ま、まぁまぁ・・・」

弓「いや・・・これだけは言わせてもらうぞ」
剣士「・・・あまりチームの輪を崩すことは・・・(ボソボソ」
弓「いいや、だからこそ言わせてもらうぜ」
女「?」

弓「お前・・・剣士が闘ってる時・・・写真を撮ってたろ」
剣士「え?」
女「あ、はい、撮ってましたよ」
剣士「な」
弓「・・・よく平然と答えられたな?何のつもりだお前」

剣士「ま、まて・・・それは本当なのか」
魔術師「・・・あの・・・はい、私からも・・・見えました、フラッシュも・・・」
剣士「・・・」
女「いや、あはは・・・写真、こりゃもうですね、生活の一部のようなものでして・・・」

弓「女だからって・・・いつまでも黙っていると思うな!」
グッ
女「おぅ」
魔術師「! 弓さん!」

グググ・・・

女「離してください」
弓「何様だ・・・任務をなんだと思ってるんだ・・・!」
魔術師「弓さん・・・!」
剣士「・・・」

弓「仲間が死ぬ気で戦っているってのによ・・・お前がやったことは何だ?ナイフ一本だけじゃないか」
女「・・・まぁ・・・そうっすね」
弓「そうっすね?・・・お前・・・」
剣士「おい・・・やめろ」
弓「やめるかよ、・・・最初から気に食わなかったんだ・・・こいつの態度も、姿勢も全てな・・・!」
女「まぁ人には好き嫌いありますからねぇ」
弓「黙れ!」

ぶんっ

女「あいてっ」ドサッ

魔術師「お、女さん・・・大丈夫ですか・・・!」
女「いたた・・・突き飛ばさなくても」
剣士「おい」
弓「・・・ふん」

剣士「・・・気持ちはわかる・・・けど・・・仲間割れは・・・(ボソボソ」
弓「剣士、あんたは甘い、班リーダーとしてそんな緩い気持ちじゃ駄目だ」
剣士「・・・」
弓「リーダーは全員を任務に向けて引き締めるのが仕事だろ?違うかよ」
剣士「・・・そうだが・・・」
弓「今回のこの、ナイフ女のやったことは拍手できることか?祝福できるのか、称賛できる事なのか?」
剣士「・・・それは」
弓「任務中に撮影だと?ふざけてるね、目の前で仲間が命かけて闘っているのに・・・」
剣士「・・・」
弓「なあ、あんたが一番わかっているはずだぜ、自分の後ろでのうのうとカメラを向けている奴がいたんだぜ、怒れよ」
剣士「・・・そりゃ・・・少しは・・・あるが・・・」

魔術師「・・・も、もうやめましょう!」
弓「・・・だが」
魔術師「これ以上話しても・・・ね?一日目から亀裂を作っちゃ・・・だめよ」
弓「・・・俺はただ、チームとして問題のある行為を・・・」
魔術師「・・・駄目です、確かに弓さんの言っている事は正しいです・・・」

魔術師「けど、これ以上はだめです・・・」
弓「・・・チッ」

弓「・・・こんな女と一緒のテントにはいられねー、外で見張りながら寝る」
魔術師「あ・・・弓さん」

パサッ

女「・・・」
剣士「・・・そっとしておけ・・・」
魔術師「・・・でも」
剣士「あいつの言い分は正しいよ・・・女は悪い」
魔術師「・・・」
女「・・・」

剣士「・・・俺が・・・俺から言えるのは・・・」
剣士「・・・次からは・・・気をつけろ、っていう・・・それだけだから(ボソ」
ごろん

剣士「・・・疲れた・・・寝る」
魔術師「・・・」
女「・・・」

剣士「・・・ああ・・・明日は海洋地帯に移動するから・・・ちゃんと寝とけよ・・・(ボソ」
魔術師「・・・はい、お疲れ様です・・・おやすみなさい」
剣士「・・・おう・・・」

女「・・・」

剣士「スー・・・スー・・・」

魔術師「・・・毛布、無いと寒いですよね・・・」
パサッ

女「・・・魔術師さんは、優しいっすね」
魔術師「・・・そう?」
女「ええ、とても良いお嫁さんになれますぜ」
魔術師「あ、あら・・そうかしら・・・ふふ」


スッ
魔術師「・・・女さん」
女「あい」
魔術師「・・・あなたに・・・弓さんと同じですが・・・言いたい事があります」
女「・・・はい、なんでしょう」

魔術師「・・・やっぱり、駄目です」
女「・・・」
魔術師「女さんが嫌いなわけじゃないです・・・けど、これは任務なんです」

魔術師「任務は任務、趣味は趣味で、しっかり分別を付けてください」
魔術師「弓さんが怒る気持ちも・・・気持ちは、私も同じです」
魔術師「みんな、あの時闘っていたんですよ・・・わかりますよね」
女「・・・」
魔術師「・・・言いたくはないんですけど・・・人の命がかかっているんです・・・ふざけないでください」

魔術師「・・・明日も任務があるでしょうから・・・その、お願いします」
女「・・・さあせん」
魔術師「・・・ん、良いの、わかれば」

魔術師「大丈夫・・・私たちは仲間だから・・・ちゃんと任務を遂行していれば、弓さんも認めてくれるわ」
女「・・・」
魔術師「・・・私も・・・そろそろ、お休みします」
女「ん・・・はい」
魔術師「・・・全部責めてる・・・わけじゃないからね?」

魔術師「あのナイフの一撃・・・それが剣士さんを助けた、それは・・・すごかったよ、ふふ・・・」
女「・・・」
魔術師「・・・おやすみなさい」

リーン、リーン・・・


弓「・・・(キュ、キュッ・・・」
弓「弦が・・・チッ・・・汚れが・・・」

ガササッ

弓「!」ババッ

女「ぉう、私っすよ、私!」
弓「・・・チッ」

スッ
弓「・・・テントに戻れよ、寝てろ」
女「・・・やはは、私ちょいと、不眠症でして・・・」
弓「・・・じゃあ戻れ、目障りだ」
女「たはは、厳しい」
弓「・・・ッ・・・・その口調が煩わしいんだよ、帰れ」

女「・・・」
スッ

弓「・・・何故隣に座るんだよ」
女「いやー、まぁ、旦那に色々と謝る事があるじゃないですか」
弓「・・・ふん」

キュッキュッ・・・
弓「・・・そのカメラは任務には不要だ」
女「んー・・・」キュッキュッ
弓「お前、謝りに来たんだろ」
女「ええ、まぁ」キュキュッ
弓「・・・舐めてんのか?」
女「いやー・・・あの、そういうわけじゃないんすけどね・・・」キュッ
カショカショカショ

女「・・・私ゃですね、実は、本職はこっちなんすよ」
弓「?」
女「まー、勝手な話でございますがよ、聞いてくださいな」
キュ・・・キチチチチ・・・パシャッ

女「とある新聞社でですね、写真を撮らせていただいてるんすね、私」
弓「・・・で?」
女「んー、そいでですね、まぁ、大きな新聞社とはいえ、ニュースが無けりゃ写真も撮れんのです」
パシャパシャ

女「撮れなきゃ、給料だってゼロにもなりゃします」
弓「・・・お前、兼業か」
女「ええ、そういうことです」
パシャ

弓「・・・兼業の写真家ごときが・・・この任務を受けられると思ってんのか?」
女「んー・・・どうなんすかね」
パシャ

弓「・・・それを今日の言い訳にするつもりか?」
女「んー・・・そうではないんすけどね」

女「好きなんですよ、写真」パシャ
弓「うおっ・・・」
女「こうやって、撮るのが」
ジィィィ・・・ カショッ

女「ほらっ、弓さんの顔写真・・・あはは、目ぇ瞑ってますね」
弓「・・・よこせっ、こんなもの・・・」
女「あ、取らないでくださいよ」

ビリビリ
女「あーあ、もったいない・・・」
弓「ふんっ・・・」
女「良い表情だったのに」
弓「・・・」
女「・・・まぁ、その」
弓「・・・」
女「救いようのないバカすよ、私」
弓「見ればわかる」
女「たはは、お厳しい・・・まぁ、そうなんですね、バカなもんで」
スッ・・・
弓「・・・なんだこれは」
女「今日の写真ですよ、とっといてくださいな」

女「バカの一つ覚え・・・なりの、賜物、っすから」
弓「・・・」
女「じゃ、おやすみなさい」
弓「あ、おい」
タッタッタッタッ・・・

弓「・・・あ、俺の写真・・・」

弓「(・・・剣士が、角を斬ってる瞬間・・・)」
弓「(水流が、百角獣に降りかかる瞬間・・・)」

弓「(・・・おれの弓が、奴の体にあたってる・・・瞬間)」

弓「(・・・)」
弓「ふん、こんなもの・・・」
グッ

弓「・・・」グッ

弓「・・・ふん、記念だ」
ゴソゴソ

弓「・・・追加報酬の記帳漏れしていた時の・・・証拠写真だ」
弓「だから・・・とっておくだけだ」
弓「・・・それだけの価値しかないからな・・・こんなもの」


リーン・・・リーン・・・

DB読んでないからわからん

アミノバイサル

受付「はい、ではこちら受理ということで・・・はい、それでは任務の説明はこちらの部屋で」
受付「・・はい、それでは頑張ってください」

受付「・・・ふうー・・・深夜ともなれば・・・さすがに客も減るな・・・」
上司「おい」
受付「あ、はい」

上司「今日のこのAACC-XXX討伐任務、従事する一人のデータが抜けてるぞ」
受付「一人のデータ・・・?」

受付「(AACC-XXX・・・うわ、やべえ・・・ライセンス確認忘れた奴だ・・・)」
上司「この・・・女か?こいつのライセンスはちゃんと確認したのか?」
受付「あー」
上司「あーじゃない」

受付「(・・・やべえ・・・首が飛ぶ・・・首が・・・ああでももう時間の問題だ・・・どうせ飛ぶなら)」

受付「あーはい、ちゃんと確認しました、凄腕の傭兵ですよ、彼女」
上司「で、この記入漏れは?」
受付「すみません、こちらのミスでした・・・会員番号の方は彼女が帰還してからで」
上司「・・・」
受付「あ、あの・・・」
上司「・・・いいだろう・・・だが、女が帰還しなかった際の責任はかなり重いぞ」
受付「あ、は、はーい」

受付「(ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ)」

ピチチチ・・・ピチチ・・・

女「・・・」ヒョコッ

小鳥「チュンチュン・・・」
女「ほいさ」パシャッ

小鳥「?」
女「・・・あはは、すいませんね、許可取るの忘れてました」

小鳥「・・・」
パタタタタ・・・パタタ・・・

女「どーもー、ご協力感謝しまーす」

女「・・・さて、朝か・・・そろそろテントに戻りましょうかね・・・」
女「今日は海洋へ移動か・・・海にはどんな生き物がいるやら・・・はてさて」

パサッ

魔術師「あっ、おはようございます・・・どこに行ってたんですか?」
女「おはよーございまーす」
剣士「起きたら居なくて・・・心配したんだぞ」
弓「・・・」
女「いやーあはは、ちょいと野鳥観察をしてまして」

弓「・・・ふん、どうぜ写真だろ」
女「あ、よくわかりましたね、ほらこれ」
魔術師「あ、かわいー!すごい、よく撮れてますね!」
剣士「・・・本当だ・・・」
弓「・・・(チラ」

女「いやー、まぁ本職っすからね、あはは・・・アルバムも持って来たんですけど、まぁそれは後ほど」
魔術師「いいなぁ、ふふふ、後でそのアルバムっていうのも見せてくださいね」

剣士「・・・その前に、このテントを解体して・・・」
弓「・・・次のエリアに移動だ、早くするぞ」
女「ういっす」
魔術師「ええ、そうしましょう!」

男「えーっとみなさんおはようございます、良い朝ですね」

男「昨日はですね、5班のメンバーがなんともうすでに百角獣を討伐してくれまして」

ザワザワ・・・ザワザワ・・・

男「いや、運が良かったと言いますか、これでしばらくこの山及び周辺地域も荒らされることはないでしょう、良かったです」
男「・・・というわけで、今日はもうさっそくここから離れます」

女「・・・早いですよね」
魔術師「少ない種だから、討伐達成しちゃえばもうここは完了したも同然なのよ」
女「なるほど」

男「次はここからかなり離れた沿岸地域・・・そこで船を用意していますので、今度はそこです」
男「・・・今度の討伐対象は、今回の百角獣とは比べ物になりません、強いです」
男「苦戦も強いられるでしょうし死者もきっと出ます」

ガヤガヤ・・・

弓「(・・・なるほど・・・あいつか・・・)」

男「・・・まぁ、あれです、知らない人も多い・・というか見たことのある人自体少ないだろうと思うので、向こうで説明します」
男「馬車はもう準備済みです、ここから少し下山しますので、じゃ、特に何もなければ出発しましょう」

ザッザッザッザッ・・・

剣士「・・・ここまではとんとん拍子だが・・・」
魔術師「次の、その討伐対象ね、問題は」
女「あのー、興味あるんで撮影しても良いですかね?」
弓「お前・・・!」
剣士「・・・ちゃんと闘うなら良いが」
弓「あんたも」
魔術師「ま、まぁまぁ・・・弓さん・・・」
弓「・・・チッ」

ザッザッザッザッ・・・

女「(今日も良い写真が撮れるといいんすけどね・・・どうだろう・・・)」
女「(死んだら嫌だなぁ)」

男「馬車、出発しまーす」


ゴトン・・ゴトトン・・・

ゴトトンゴトトン・・ゴトン・・ゴトトン・・・・


女「やー、今日は本当に良い天気ですね」
魔術師「そうねぇ・・・温かくて・・・」
剣士「・・・海も荒れていなければ・・・全力も出せるな」

魔術師「ですけど、今回の相手に剣はあまり有効ではないと・・・説明で言われてましたね?」
剣士「・・・海洋の魔族だから・・・魚だと思ったんだが」
弓「(魚でも剣は難しいだろ)」

女「そういや、あのギルド員の人は“ゼリー状のクラゲ”とかいってましたよね?」
剣士「・・・ああ」
女「クラゲってことはやっぱり、大量発生しているとか・・・なんですかね?」
魔術師「うーん・・・」

弓「・・・一匹だよ」

女「ん?」
魔術師「一匹ってなんですか?」
弓「そのままだよ・・・一匹のクラゲ、って意味」
女「あはは、なんすかそれ」
弓「・・・笑ってるけどなお前、そいつの討伐難度はAだぞ」

剣士「・・・A」
魔術師「・・・昨日の百角獣が確か・・・」
弓「B」
女「わお」

弓「・・・以前な、俺もそいつを討伐する任務についたことがある」
剣士「・・・」
魔術師「・・・それで・・・」
弓「仲間が・・・相方が、殺されたよ」

女「・・・」
弓「・・・」

ゴトトン・・・ゴトトン・・・

剣士「・・・えっと・・・討伐対象手帳・・・あった・・・」
パラパラパラ・・・

剣士「・・・えっと、名前・・・」
弓「“ガモン”」
剣士「冠称は?」
弓「“喰海月”」

パラパラパラ・・・
剣士「・・・あった、“喰海月ガモン”」
魔術師「それでそれで?」

剣士「・・・討伐難度A・・・全長・・・1km・・・?」
女「(ゾクッ」
魔術師「い、いちきろ・・・」
剣士「巨大な隻眼と巨大な口・・・並んだ鋭利な牙を門のように開き、海中の魚群を捕食する・・・」

剣士「・・・近づいた漁船を“喰う”こともある・・・」
弓「・・・」

女「・・・」カタカタ
魔術師「・・・!(女さん・・・震えて・・・)」

女「(・・・撮りたい・・・!)」

弓「・・・間近で見たけど・・・剣はおろか・・・ナイフなんて持っての他だから」
剣士「・・・そこまで・・・」
弓「俺の矢だって無駄かもな・・・一応目を狙いはするけど」
女「目が弱点なんすか?」
弓「牙と眼が唯一半透明じゃないからな、そこを狙うしかない」

弓「・・・多分、今日一番活躍しなきゃならないのは・・・魔術師さん、あんただろう」
魔術師「えっ、私・・・?」
弓「ああ、あいつはバカでかいからな、攻撃は当てようと思えば簡単に当たる・・・とびっきり強力な魔術を打ち込むしかない」

剣士「・・・俺はどうすればいい?」
弓「・・・どうすればいいんだろうな・・・俺と一緒に弓でも打つか?銃も使えるが」
剣士「む・・・両方・・・使った事ない・・・(ボソボソ」

女「・・・」
弓「投げナイフじゃ無理だからな」
女「あ、私の考えている事わかりました?」
弓「・・・」

ゴトトン・・・ゴトトン・・・

女「クラゲかぁ・・・ふぅむ・・・美味しいんですよねぇ、酢漬け・・・」
魔術師「え?」
女「あ・・・やや、なんでもないっす」

女「ところで魔術師さん、なんつーか、主力っぽいんすけど・・・」
魔術師「う、うん・・・頑張る・・・」
剣士「・・・俺の出る幕はあまりなさそうだ・・・頼んだ」
魔術師「うう・・・緊張する・・・」
女「船酔いとか、ないっすよね?」
魔術師「!」
弓「・・・おいおい・・・」
剣士「・・・馬車酔い・・・するということは」

魔術師「・・・えっと・・・うーん」
魔術師「・・・大丈夫よ!あはは・・・!」
女「・・・」
魔術師「あはは・・・!」

男「はい、遠路お疲れさまでーす、無事全ての馬車が到着しましたー」

魔術師「・・・っ・・・」
女「よぉーしよしよし・・・」サスサス
剣士「・・・」
弓「(おいおい・・・死なないよな・・・俺ら死なないよな・・・)」

男「えーっと・・・まぁ、気分の悪いメンバーもいるようですが・・・これからあの海洋の・・・かなり遠くの方まで船を出していきますので」
魔術師「ゆ、ゆるしてください・・・」
男「あー、まぁ準備を整えたらで構いません、班ごとに船を出してください・・・用意はできていますので」

男「今回は剣や斧、槍・・・それらがあまり有効な相手ではありません」
男「標的は“喰海月ガモン”、体の組織がゼリー、ほぼ液体ですから・・・乗って斬りつけ、なんてアクロバティックな真似も無理でしょう」

男「しかし相手には無数の牙をもつ口があります・・・“喰われ”たら、毒性の強いゼリーの内臓の中で解かされます、ぶっちゃけ死にます」
魔術師「うう・・・」
男「近距離は有効でない上に危険です、なので、そのような武器を扱う方は今回、当ギルドで遠距離用武器を貸出ししてますから・・・それを使ってください」

女「やった、一度銃ってのを撃ってみたかったんですよねぇー」
弓「・・・」

ガラガラガラガラ・・・

紅衣「こんにちは、はるばるこの港町までご苦労様です、私はこの町のギルドの責任者です」
紅衣「こちらに様々な種類の遠距離用武器を用意しました・・・銃、弓、砲丸、ジャベリン・・・」
紅衣「どれも好きに扱って構いません、この町の優秀な職人が作った、自慢の逸品ばかりです」

女「随分と気前のいいプレゼントっすね」
男「いや、貸し出すだけですよ?」
女「あ、そうか・・・でも特製なんすね?」
男「ええ、まぁ・・・この港町の命もかかってますからね」
女「?」

男「ああ、言ってませんでしたね・・・今回討伐するクラゲ、どんどんこの港街に接近してるんですよ」
女「なんと」
魔術師「それは・・・大変ですね」
男「ええ、そりゃもう・・・毒素の強い体ですからね、漁獲にもかなり響きますから」

男「最悪の場合は港付近で集中迎撃もできるんですが・・・それはちょっと」
女「何か不都合な事でもあるんすか?」

男「ええまぁ・・・さっきも言いましたけどね、このガモンっていうクラゲ、全身が毒のゼリーのような感じでして」
男「こいつは死ぬとですね・・・溶けるんです、海に」
女「・・・ふむ」
魔術師「・・・ということは・・・その周辺は」

男「はい、全長が1kmもある巨大なクラゲ・・・体積もそりゃもう・・・ですから、それが海洋のど真ん中で溶けるならまだしも」
剣士「・・・港付近で溶ければ・・・」
男「ええ、そうなんです、港の近くで迎撃しても結局は港が“死ぬ”んです」

紅衣「・・・今回ガモンの討伐を失敗、となりますと・・・この港はしばらく、数か月・・・いえ、数年の間は禁航となります」
紅衣「そうなればこの町は主産業である投網漁も・・・」
剣士「・・・なんとしても・・・止めないといけないわけか」
紅衣「・・・はい、そういうことです」

紅衣「・・・どうか、お願いします・・・ガモンは強敵です、危険ですが・・・この町の命運がかかっているのです」
男「・・・そういうわけです、なのでまぁ、がんばってください」
弓「・・・」
魔術師「(・・・すごいプレッシャー・・・)」

女「・・・任せてくださいって」
紅衣「・・・」
女「私ゃ、私らは・・・傭兵っすよ?へへ」
紅衣「・・・はい!」

ガチャガチャ・・・

「おーい、ジャベリンの槍はもっとでっけーのあるか?」
紅衣「あ、はいこちらに最大サイズのものがございます」
「うおっ、ここまででかいのはちょっとなぁ」

女「・・・」ヒョコッ
紅衣「何かお探しですか?」
女「あ、はい・・・何かいかついの欲しいんすけどね、銃で」
紅衣「いかつい・・・威力が強いものですか?反動が強いですよ?」
女「大丈夫大丈夫、なんとかなりますぜ」
紅衣「・・・んー・・・そうですねぇ・・・ではこの、散弾銃なんかいかがでしょうか」

ゴソッ
女「・・・銃?ですか?これ」
紅衣「ええ、ちょっと筒のような銃身ですけどね、立派な銃です」
女「ほえー・・・」
紅衣「撃てば小型の大砲級の弾がいくつもの破片に砕かれて飛びます・・・精度は悪いし飛距離も最低級ですが、威力は最高級です」
女「どんくらいですか?」
紅衣「・・・んー・・・とりあえず下に向けて撃てば船はつぶれます」
女「気に入った、こいつ使いたい」
紅衣「良いのですか?反動で船から落ちますけど」
女「大丈夫大丈夫、まぁ隠し技ってことで、一応積ませてください」
紅衣「・・・ふふ、わかりました、では普通の銃も、こちらをどうぞ」
女「どもどもー・・・へへへ」

タッタッタッタッ・・・

女「ややや、みなさんどうも、すいませんねー」
剣士「遅いぞ、もう他の班は船に・・・って・・・なんだそれは・・・」
魔術師「・・・大砲・・・?」
弓「ああ・・・“突撃銃”だな」
剣士「?」
女「なんすかそれ」

弓「よく警察がこれと似たタイプのものを使ってるよ・・・盗賊の隠れ家の扉を吹っ飛ばす時に使うんだな」
剣士「・・・豪快だな」
弓「・・・飛距離は銃の中でも最悪だし・・・おい、それ船の上で撃つつもりか」
女「え?駄目なんすか?」
弓「・・・反動で船底を突き破るぞ」
女「なんと」
剣士「・・・それは困る話だな・・・封印しておけ」
女「ちぇっ、使ってみたかったんすけどね」ゴソゴソ
魔術師「一応船には積んでおくんですね」

女「一応ね、ほら、この銃も」チャキッ
弓「ナイフじゃなくて安心したよ」
剣士「・・・普通の銃か、心強い・・・(ボソ」
女「撃った事ないんすけどねー、ははは」
魔術師「いいなぁ、私も使ってみたい!」
女「魔術師さんはその杖の方が強いですよ!ははは」
魔術師「うーん・・・本番で集中できるかな・・・」
剣士「・・・魔術師にかかってる・・・俺の分まで・・・頑張ってくれ(ボソボソ」
弓「(だからそこはもっと声大きくていいだろうっつーの)」

女「・・・」

「おーい、船は大丈夫か?出れるか?」
「よし、出発だ!目指すはクソったれサニーサイドアップ野郎だ!」

女「・・・私らも」
剣士「・・・ああ、行こう」
魔術師「・・・(ゴクリ」

ドドドドド・・・・


女「うーん・・・風が気持いい・・・」
魔術師「ふふ・・・ですね、とっても・・・」
剣士「・・・ぬるい・・・(ボソボソ」
弓「・・・」

魔術師「・・・他の船は随分と先に行って・・・あ、私たち最後尾じゃないですか」
女「ああ、本当っすね、後ろに誰も・・・ってもうあんなに港が向こうに」
剣士「・・・溺れたら・・・終わりだな」
魔術師「こ、怖いこと言わないでください・・・」
剣士「・・・事実だし・・・(ボソボソ」

女「・・・あ、そうだ」ゴソ
魔術師「?」
女「じゃーん」

弓「・・・お前な・・だから」
魔術師「あ、記念撮影ですね?」
剣士「・・・良いな、撮るか・・・」
弓「(・・・お前らまで・・・)」

魔術師「・・でも、任務中に撮るのは無しですよ?」
女「へへ、善処しやすぜ・・・まま、もっとこっちよってくださいな、こっち」
弓「・・・」
女「弓の旦那も!」
弓「・・・ッ・・・」

女「あー、その」
弓「・・・どうした、撮るならさっさと撮れよ」
女「いや、まぁなんでしょ、なんですかね・・・」
魔術師「?」

女「興と戦意と志気を殺ぐようで申し訳ねーんすけど、これが遺影になっちまうことだってありえるんですわ」
弓「・・・」
剣士「・・・今それを言うのは・・・」
女「まぁまぁ」

女「・・・ですがよ、旦那、姉御も、負けりゃ遺影っすけど、勝ちゃあね、そりゃ誇れる記念写真すよ」
剣士「・・・」
魔術師「・・・」
女「どうですかね?記念に一枚、みなさんよ、官軍ついでに勲章も、ね?」

弓「・・・」
魔術師「ふふ・・・そうね、私たちはあの百角獣おを討伐した5班だもの」
剣士「・・・ああ・・・俺らは今回も・・・敵の首を持って・・・追加報酬もいただく」
女「ふふ、そのいきっす、その笑顔っす」

女「私らにできないことなんてありゃしませんよ、なんだってね」
弓「・・・ああ・・・そうだ」ニコッ
女「(今だ!)」

パシャッ

弓「な・・・」
魔術師「ちょ、ちょっと今のフラッシュ・・・」
剣士「・・・い、いきなりすぎやしないか・・・」
女「ふふふ、何を言ってるんすか、ベストショットです、とびっきりのね」

ジィイイ・・・カショッ

女「・・・ほら」ヒラリ
魔術師「・・・あ」
剣士「・・・そう・・・だな」
弓「(・・・くそ・・・こいつ・・・俺が笑った瞬間を・・・)」
女「へへへ、良い笑顔っすよ、みなさん」

女「・・・さささ、これはもうアルバムに仕舞いましてや、そろそろ準備っすよ」
剣士「・・・そうだな」
魔術師「・・・」
弓「・・・」

剣士「・・・気を引き締めろよ・・・相手はかなり、強大だ・・・(ボソボソ」
弓「(仇打ち・・・やってやるぜ・・・相棒)」


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

ドドドドドド・・・ザザザザァ・・・


隻眼「・・・・?」

ドドドド・・・

女「・・・!海水から何か・・・!」
剣士「まだまだ俺らからは距離が遠いが・・・なるほど・・・!サニーサイドアップ・・・!」
魔術師「黄色い眼・・・大きい・・・それに」


隻眼「・・・グ ァ ァアアアアアアアアァァアアァァァァ・・・!!」

ビリビリビリビリ・・・

女「ッ・・・~!」
弓「く、これだ・・・このバカでかいあくび声・・・!」
剣士「あ、あくびなのか・・・!」
魔術師「・・・んー、鼓膜が・・・!」

女「(・・・やっぱり圧巻だ、二、三枚撮っておこう・・・)」

魚「・・・」プカプカ

女「(・・・ここまで相手と離れていても、毒が海水に流れ出している・・・ってことっすかね)」
魔術師「ここから相手に届くかな・・・“キュート”!」
ドザッパァァァァン・・・・

バシャァァァ・・・

魔術師「うーん、全然届かない・・・もっと接近しないと・・・!」
弓「焦るな、相手はあれでもクラゲ、そこまで早く動けるわけじゃない」
魔術師「そうだけどね・・・むぅ、力不足だ・・・」


ヒュンヒュンヒュンッ

隻眼「・・・・?」ブニュニュニュニュ

女「・・・あれは・・・ジャベリンですかね」
弓「だろうな、だが眼に当たらなければ意味がない」
剣士「・・・まるで効いていないな」
弓「目玉以外は全てノーダメージと思った方が良い・・・だからこそ焦っちゃだめだ」
剣士「・・・なるほど・・・」

女「よし、じゃあ一発狙撃といきますかね!」チャキ
弓「おい、人の話聞いていたか」

ドンッ!

隻眼「・・・?」

女「・・・ねねね、今の当たりましたとよね?大命中っすよね?」
弓「知るか」
剣士「・・・当たっているか効いているかも判別するには・・・ある程度近づく必要があるな」
弓「ああ、だがあまり接近し過ぎると・・・・」
魔術師「うう、あの大きな口で・・・気持ち悪い・・・」
弓「・・・ああ、気持ち悪い野郎だ」


ザザザン・・・ダダダ、ダダ・・・ヒュンヒュン・・・

女「・・・前の方では、かなり飛び道具で頑張っているみたいですね」
魔術師「・・・そうですね、魔術も・・・金属魔術、雷・・・あ、氷もありますね」
弓「効いているか?」
魔術師「・・・うーん・・・それぞれの魔術はなかなか高度ですけど・・・それはよくわかんないです」
剣士「・・・とにかく俺らも、ある程度近づくしかないな」
弓「・・・ああ」

魔術師「・・・ちなみに弓さん」
弓「・・・ん」
魔術師「あの、ガモンですか?クラゲさんには何が有効なんですか?」
弓「魔術か・・・そうだな・・・あいつはかなり高等な魔族らしいから・・・属性の術よりも物理的なダメージを眼に与えるのがベストだろう」
魔術師「物理的な魔術・・・やはり金属ですね」
弓「それがいい・・・前にこいつと戦った時は雷や氷が効くと思ったが・・・全然だった」

隻眼「・・・・!」バチンッ!

女「あ、なんか目閉じましたよ!」
弓「誰かの攻撃が目玉に命中したんだろう・・・まぁ、一発程度たかが知れてるが」
魔術師「目に集中攻撃・・・痛そう・・・」
剣士「そこ以外にないから仕方ない・・・(ブツブツ」

隻眼「・・・」パチッ

女「あ、開いた・・・ちょっぴり機嫌悪そうな目つきっすねー、あはは」
弓「・・・やばい」
魔術師「え?」
弓「おい、剣士、頼む、引き返せ・・・やばいぞ」
剣士「?接近するんじゃ・・・」
弓「いいから早く・・・!」
剣士「?・・・わかった・・・」


隻眼「ガァァ・・・アアァァアアァアアアアアァ・・・!!」

魔術師「な、なんだかすごい怖い顔してる」
女「記念に一枚」パシャ
弓「バカ野郎そんな場合じゃないぞ・・・伏せろ・・・衝撃に備えろ!」
魔術師「え」

隻眼「ブォォォォォォオオオオオオオオオッッッ!!!」

女「わ」

ドザッパァァァァァァァン

剣士「ぐおっ・・・!」ザザザザザザ・・・

魔術師「きゃっ・・・な、な・・・・!」ドドドド・・・


隻眼「・・・・コォオオオオ・・・」

グラグラ・・・ギギギィ・・・

弓「はっ、はっ、はっ・・・忘れてた・・・あいつは飲みこんだ周囲の海水を吐き出してくる・・・」

剣士「・・・他に・・・・言い忘れていることは・・・」
弓「ない・・・多分・・・」
魔術師「あの、すいません・・・できれば思い出してください・・・」
弓「わ、わかってる・・・昔の事なんだ・・・思い出すから待ってくれ・・・」

剣士「・・・?おい・・・」
弓「・・・!」
魔術師「・・・あ!」

弓「・・・ナイフ女はどこに行った!?」
剣士「女・・・!」
魔術師「そんな・・・今の水流で・・・!」
女「い、いや、いますけど」

弓「・・・そんなところにしがみついて何しているんだ」
魔術師「あ、女さん・・・よかったぁ・・・・」
女「いやー、海に投げ出されたんすけどね・・・這いあがりましたよ、というわけです」
剣士「・・・よく生きていたな・・・」
女「ちぃと、びっくりしましたわ、ホントに」
弓「・・・」


隻眼「ォオオオオオ・・・」

女「・・・わーお、みんなの船がバラバラな場所に・・・」
弓「今の水流攻撃のせいだな、まとまっていた船団の陣形が崩された」
剣士「・・・あの魔族に知能はあるのか?」
弓「いや、そこまではない・・・単細胞生物のようなものだからな」
女「まさにサニーサイドアップっすね」

隻眼「ォオオオオ・・・」

魔術師「・・・目玉焼きの朝食には、されたくはないですね・・・」
女「私だって御免すよ」
剣士「・・・だが接近しなければ攻撃も当たらない、こう、後退ばかりしてもいられんだろう」
弓「ああ、攻めなければ終わらない」

女「あの巨大な口・・・うーん、ここらにいる船全てを呑みこむには十分な大きさだ」

女「つーかタオルあります?びしょぬれで気持ち悪いんですが」
剣士「・・・荷物の中にある」
弓「・・・もっと緊張感を持ってくれ」

ドドドド・・・・
弓「よし、そのまま接近だ・・・」
魔術師「・・・大分近づいてきましたね・・・」
弓「まだまだだ、ここからじゃ弓も当たりはしない」
女「銃も?」
弓「狙いが定まらないだろう」

剣士「・・・いや、しかしこれ以上は危険だ・・・余裕があれば遠距離からでもやってみる価値はある・・・(ボソ」
魔術師「・・・そう・・ですね、やってみます」
弓「魔力は?」
魔術師「ふふふ、下級の属性術なら一日中撃っても大丈夫です」
弓「そいつは・・・頼もしいぜ」

魔術師「そうだな・・・じゃあさっそく金属術・・・“ステイボー”!」
ブォン ・・・・ヒュッ!

女「おおっ、鉄の銛ですな」
剣士「連発できるか・・・?」
魔術師「このくらいでしたらなんとか・・・“ステイボー”!」
ヒュンッ

隻眼「・・・?」ブニョンブニョン

女「あ、今のおしかったっすね」
魔術師「もっとよく狙いを定めて・・・“ステイボー”!」
ヒュンッ
ブニョニョン

弓「・・・俺も・・・やってみるか・・・ほっ」ドヒュンッ

女「私も参戦しましょかね」バン、バンッ
弓「くそ・・・難しいな」ドヒュンッ、ドヒュンッ
魔術師「“ステイボー”!」ヒュッ

剣士「依然接近してるが・・・あとどのくらいがベストだ?」
弓「まだだな・・・まだ」ドヒュンッ
剣士「・・・おい、このままでは接近しすぎる・・・」
魔術師「もっと寄せてください・・・“ステイボー”!」ヒュンッ
女「飽きた」パシャパシャ

剣士「おいおい・・・怖いんだぞ、運転も・・・」
弓「頼む、もう少し・・・」
剣士「・・・・くそ・・・わかったよ・・・(ブツブツ」

ドドドドド・・・・

女「・・・はい、笑ってー」パシャッ
隻眼「!」バチンッ
女「あ、フラッシュ眩しいみたいっすね」

「おーい!大筒いくぞぉおおお!」
「「「おおおおおおお!!」」」

弓「・・・大筒・・・?」
女「ああ、私らの人種でいう所の“大砲”って意味っすね」
弓「おいおい、よくこの小型の船にそんなものを積めたな・・・」
剣士「・・・何にせよ、心強い・・・」
魔術師「それが眼にヒットすれば、かなり楽になりますかね・・・・“ステイボー”!」
弓「当たり所によっては勝利かもな・・・」ドヒュンッ
女「あっけないっすね、なんかそれ」バンバンッ
魔術師「そうだけど・・・まぁ、良い事だから喜びましょう」

「いくぞぉおおおお!野郎共、準備はいいかああああ!」
「ぅぉおおおおおお!」

女「・・・にしても、1班はうるさいですな」
剣士「・・・良い事だ(ボソボソ」

「火をぉおおおお着けろぉおおおおお!」
「「「ぅおおおおおおお!!」」」

女「全員で点火でもするんですかね」
魔術師「ま、まぁ突っ込むのはやめましょう・・・きっと点火は一人です・・・」
剣士「・・・さて・・・どうなるか・・・」
弓「・・・」

「さあ・・・よく狙いを定めて・・・」
「「「ぉおおおおおお!」」」
「まだまだ・・・まだまだ・・・定めろ、定めろー・・・・」


隻眼「・・・?」

「・・・勝てる・・・ッ!!!」ニヤリ


ド ゴォオオオオンッ!!

女「わお、すげー音」
魔術師「わー」

バキョォオオンッ!

隻眼「ォッ・・・ォおおおおお・・・・!!?」

剣士「!」
弓「これは・・・!」
魔術師「あ、見えた・・・命中したっ!」
女「あ、撮りのがした・・・ちっ」

「ふはははは!どうだクラゲ野郎!その弾は炸薬がつまっている!お前の目玉くらい、この一撃で・・・」

隻眼「・・・(ギロリ」
「一撃で・・・・・・」

剣士「おい、後退したい」
魔術師「誰も止めないわ・・・!」
弓「ヤバいぞ、目が据わってる・・・逃げろ、最悪死ぬ」
女「うわー1班めっちゃメンチ切られてる・・・こりゃもしかして・・・」


隻眼「・・・」
ズ、ザザザザザ・・・・ザァァァァ・・・

魔術師「・・・体が持ち上がっている・・・」
女「すごい、まるで海水が滝のように落ちていきますな」
剣士「・・・そんな、悠長な・・・」

隻眼「ァアァァァァァア・・・・ン」

ドザッ、パァァァァァァァン・・・

ザザザザ・・・

ギィィィ・・ギィィ・・・


剣士「・・・」
魔術師「・・・」
弓「くそ・・・・」

女「ありゃあ・・・なんですかね、喰われた、ってやつですか?」
弓「・・・そうだ、大人しいからって接近すると・・・ああなるんだ」
魔術師「・・・あの人たちは・・・・?」
弓「・・・死んだだろうよ」
魔術師「・・・!」

剣士「・・・なんてことだ・・・(ボソ」
魔術師「・・・」

魔術師「・・・剣士さん」
剣士「・・・なんだ」
魔術師「接近してください、さっきの人達くらい」
剣士「・・・死ねと・・・」
魔術師「討伐しにいくんです」
弓「・・・」
女「・・・」

魔術師「許せません・・・たとえ班が違くても・・・!」
女「ぉおう、目が燃えている」
剣士「・・・勝算は・・・」

弓「いや、さっきの攻撃でかなり眼へのダメージがあるはずだ・・・それまでにちまちまと蓄積した遠距離攻撃もある」
女「相手も疲弊してる、っつーことですね?」
剣士「・・・なるほど・・・しかし・・・」
弓「トドメを刺すには簡単な属性術では無理だ・・・到底あの眼を潰せやしないだろう」
魔術師「簡単な属性術・・・?何を言ってます」
弓「・・・」

魔術師「本気で撃ってやる・・・最大の術を・・・3発なら連続で撃てる・・・!」
剣士「(・・・なるほど・・・本気か・・・)」

女「・・・怒り顔っすねー・・・はい、笑ってー」パシャッ

隻眼「!」バチンッ
隻眼「・・・(ギロリ」

女「・・・はい、こっちに目玉を向けさせましたよ・・・相当おかんむりみたいっすねぇ」
弓「眼があいつの命だからな・・・怒りもする」
剣士「・・・で・・・作戦は?」

魔術師「接近して・・・それまでは弓さんと女さんで眼を攻撃して・・・眼をひきつけてください」
女「そうっすね、攻撃すれば相手もこちらを向いてきますからね・・・」
弓「・・・わかった、援護は任せろ」
剣士「術はいつ撃つ?」

魔術師「・・・かなり接近して・・・射程圏内に入ったと思ったら一気に三発、叩きこみます」
女「それで魔力は尽きちまいますな?」
魔術師「ええ・・・ですがこれで終わらせます、生半可な術は使いません」
弓「・・・確かに、ちくちくと刺すよりも効果はありそうだ」

剣士「・・・問題は・・・反撃だな」
女「・・・されりゃ、全滅しますねぇ」
魔術師「・・・その時は・・・すみません」

剣士「・・・船を最高速度で接近・・・(ボソ」
弓「奴の吐きだす“水流”や“噛みつき”にはタイムラグがある・・・それを無視できる速度で近づき・・・」
女「注意が他に逸れないよう、こちらから目玉をちょくちょく攻撃して・・・」

魔術師「・・・私が一気に“黄身”を“潰し”ます」
剣士「・・・成功すれば、奴は死んで・・・」
弓「ああ、液状化してすぐさま海へと流れ落ちる」
女「んで、私らがその上をそのまま猛スピードで通過、っつー算段ですな」

魔術師「・・・無茶・・・でしょうか」
剣士「・・・んー・・・」
女「ははは、何言ってますか」

女「すっごく、“粋”だと思いますよ、姉御」
魔術師「・・・えへへ、そうかな・・・」
弓「(・・・かなり無茶だけどな・・・まぁ、やるしかない)」

弓「(今度は・・・相棒を殺しさせはしない・・・)」

ドドドドドド・・・

隻眼「・・・・(ギロリ」

女「なんでえなんでえ!他の船共、ビビって当たりに散ってますよ!」
剣士「・・・まぁ・・・怖いだろうからな・・・」
弓「そんなものだ・・・任務のおこぼれにあずかろうとしている輩も多い・・・」
女「その点トッ・・・1班はすごいですな」

ドドドドド・・・

魔術師「・・・すーっ・・・」

ドドドドド・・・・

魔術師「・・・・はぁぁー・・・・」


女「・・・いきますぜ、弓の旦那」チャキッ
弓「今ならナイフに変えても良いんだぜ」グググッ・・・
女「そいつぁ、ふふ、またの機会に」

ドドドドド・・・・

剣士「・・・死ぬなよ」
弓「ああ」
女「いきますぜー、旦那」
弓「・・・今だ!」

ドヒュンッ、ドヒュンッ、ドヒュンッ!!

ドゥンッ、ドゥンッ!!

隻眼「・・・!(ギロ」ブツッ、ブツッ

女「はっはっはっ、効いてますね!やっぱり至近距離は最高級!」
弓「はは・・・接近戦の弩弓なんて初めて聞いたぞクソったれ・・・!」ドヒュンッ

女「矢の残量大丈夫っすか?この期に及んで弾切れは勘弁してくださいや」ドウンドウンッ
弓「そっちこそ銃、大丈夫かよ!」ドヒュンッ
女「やー、この銃どうも魔力式みたいでしてね、魔力がある限り撃てるんですわ」
弓「マジか・・・魔力式銃は最高級だぞ!俺も欲しいな・・・!」ドヒュンッ
女「ふふふ、終わったらあげますよこれ」ドウンッドウンッ
弓「バカ、そいつは借りもんだろ!」
女「あ、そーでしたね、あはは」

魔術師「・・・・」
剣士「・・・そろそろだ・・・!」

魔術師「・・・(キッ」
隻眼「・・・(ギロリ」

魔術師「・・・・“スティ・ディ”・・・・」

ドドドドドド・・・

魔術師「“レリネオ・レリリアン”・・・」

ドドドドド・・・

女「なんつってるんすか?」ドンッドンッ
弓「あー・・・“金属質の・岩盤を・掘削する”・・・」ドヒュンッ


魔術師「・・・“フォーク”!」

弓「“フォーク”」ドヒュンッ


ゴゴゴゴゴ・・・

女「お、なんか影が・・・」
剣士「・・・空に・・・巨大な柱が浮かんでるな・・・」

魔術師「くらえ目玉焼き・・・!三本分の鉄の槍だ・・・!」
弓「(なるほどな、3発連続っていうのはそういう意味か・・・三本まとめて・・・)」


隻眼「・・・!」

ゴゴゴゴゴゴ・・・

女「こいつぁ、決まりますな」
弓「ああ、これは・・・」
剣士「・・・勝てる・・・(ボソボソ」


魔術師「・・・発射っ・・・・!!」


ゴォッ、・・・ォオオオオオオオオ!!

グジョォオオオオオッ!!

弓「よし、命中だ・・・・!」
魔術師「はっ・・・」フラッ・・・
剣士「!」
弓「お、おい」トサッ

魔術師「ふ、ふぅ・・・全力・・・」
弓「・・・・あ、ああ・・・」
魔術師「どう、ですか・・・これ・・・あんまり使わないんですけど・・・」
弓「すごい・・・すごいよ・・・」

女「・・・あら」

隻眼「・・・」グググ・・・・


剣士「・・・おい、ちょっとまて・・・・」

ドドドドドド・・・・

ガガガッ・・・・!ガガガガガガガガ!

女「う、うわおっ・・・!」グラッ
剣士「く・・・!」
弓「な、なんだこの揺れは・・・!」

剣士「・・・まずっ・・・た・・・!」


隻眼「・・・ォオオオオ・・・(ギョロリ」

剣士「・・・・こっち・・・みんな・・・」
弓「・・・!しまった・・・ギリギリ当たってない・・・掠めただけか・・・!」
女「怒らせてちまいましたね・・・こりゃ」

剣士「・・・まずい、奴のゼリー状の体の上に“座礁”した・・・何も運転が効かない・・・!」グッ、グッ
弓「おいおい、それじゃあ・・・!」

魔術師「・・・ふっ・・ふぅっ・・・」
弓「・・・・!くそぉお・・・・!」

ドヒュンドヒュンッ!ドヒュンッ!

剣士「くそ・・・敵の真下・・・部が悪い・・・というか詰んでいる・・・!」
弓「ばかやろおおお!諦めるな!」
剣士「・・・!」

弓「こいつは・・・魔術師は全力でやったんだ・・・!俺らが全力で守らないと・・・!」ドヒュンドヒュンッ

隻眼「・・・ォオオ・・・!」サクッサクッ

弓「ぁああああああ!」ドヒュッ ドヒュッ
剣士「・・・!」ジャキン

剣士「下のゼリー状の組織に座礁してるなら・・・なんとかこれを切れば・・・!」ザシュッ、ザシュッ

弓「そうだ、諦めるな・・・!絶対に、絶対に・・・!」

隻眼「ァアアアァアア・・・ン・・・!」

弓「諦め・・・!」

ドウッ
剣士「・・・!?」グラッ
弓「な、今の揺れは・・・」

とんっ
隻眼「・・・!(ギョロッ」
女「おっす」

剣士「!・・・女・・・!?」
弓「何故・・・目玉の上に・・・!乗っているだと・・・!」

女「いやー、まぁ、なんといいますか、体はゼリー状なので乗れないっつーのは聞いたんですがよ」ジャキンッ

女「そいじゃ目玉の上ならどうかなって」
隻眼「・・・!・・・!」
女「おっと、まぶたは閉じられると足をすくわれそうなんで、閉じといてくださいや」ヒュッ

どすっ
隻眼「がっ・・・!」
弓「(あれは・・・ナイフか!ナイフで瞼を刺した・・・!)」

女「いやー積んどいて良かったです、“威力は最高級”、“船底を突き破る”・・・」

女「近くでみりゃわかりますがよ、お前、“白身”が半透明だから“生卵”ですね」

女「“生卵”の“黄身”くらい・・・フォークで無くとも突き破れますとも」
隻眼「・・・ォオオオ・・・!」

女「はい、最後に、笑ってー」
ド ウ ン ッ !!!!

隻眼「ァア・・・・」

バシャッ

剣士「これは・・・」
弓「・・・!」

バッシャァァァア・・・・・!!

剣士「うおっ・・・!」ドドドドド・・・

ザザザザザ・・・

弓「く、体液が一気に液状化している・・・!?」
剣士「・・・すごい・・・激流に流されているかのようだ・・・!」

女「もう一発」ド ウ ン ッ !!


ヒュッ

ドサッ
女「帰還っ!」
剣士「・・・女!」
弓「(なんて奴だ・・・銃の反動で戻ってくるだと・・・)」
女「いやー、作戦うまくいって良かったですね、あはは」
剣士「・・・ああ・・・ははは、すごい、本当に・・・!」
弓「(・・・めちゃくちゃだ)」

ドザザザザザ・・・・

ザザァ・・・ザザザ・・・

ドドドドド・・・

剣士「・・・大丈夫か、みんな」
弓「・・・ああ、なんとか」
女「いやー、船が止まった時はどうしようかと思いましたよ、あはは」
弓「(・・・あの跳躍・・・人間かよ、こいつ・・・)」

女「・・・あ」
剣士「?」
女「・・・しまった・・・ナイフ、海の底だ・・・」
剣士「・・・」
弓「・・・」

剣士「ふっ」
弓「・・・はは、なんだよ・・・そんなことか・・・ははっ」
女「・・・愛刀だったんすけどなぁ・・・あれ・・・」
弓「本当にとんでもない、ナイフ娘だな、お前」
女「・いやー、それほどでも、あはは」

魔術師「・・・」ムクッ
女「・・・お、目が覚めましたな?」
魔術師「・・・気持ち・・・悪い・・・」
女「・・・!」
剣士「・・・!」

ザザァン・・・ザザザァン・・・

剣士「5班、ランクA魔族“喰海月ガモン”討伐完了・・・」
男「・・・はい、見えました・・・港からですがね、しっかり見ていましたよ」
剣士「・・・1班は・・・」
男「・・・はい、それも・・・見ていました」

魔術師「うう・・・ごめんなさい・・・良いとこ無しな上に・・・こんな・・・うっ・・・」
女「よーしよしよし・・・大丈夫大丈夫・・・」サスサス
弓「・・・」

男「・・・見てました、みなさんの死闘を」
剣士「・・・報酬」
男「ええ、もちろん高配当の歩合を追加しますとも・・・素晴らしい戦いでした、不謹慎ではありますが・・・」
剣士「・・・どうも・・・(ボソッ」

剣士「・・・追加報酬、しっかりつけてくれるようだ・・・」
弓「・・・よっしゃ・・・!」
魔術師「うう・・・私ももらえますか・・・」
剣士「当然だ、よく・・・頑張った・・・(ボソボソ」
女「あ、夕日が綺麗」

男「えー、皆様お疲れ様です・・・特に5班さん、ありがとうございます・・・」
男「船で疲れたでしょうし塩も気になるでしょうから・・・この町の温泉を手配しました」
女「温泉!」
魔術師「や、やった・・・」

男「今日はゆっくりと、明日の朝まで休養してください・・・明日は“空”ですからね」
魔術師「・・・」
男「ああ、魔力回復の事でしたらご心配なく、向かうのは昼時ですから、かなり時間はあります」
魔術師「あ、なら良かったー」

男「・・・では、宿まで馬車で向かいましょう」


女「・・・うーん・・・いやはや、疲れましたね・・・」
弓「・・・くそ、指が擦り切れてる・・・」
剣士「(・・・特に怪我はしてないな・・・)」
魔術師「とっても疲れました・・・お風呂入って寝ちゃいたい・・・」
女「ふふ、では魔術師さんや、私と一緒に入りましょう」
魔術師「あ、良いですねぇ・・・入りましょうか・・・」

女「・・・あ、馬車に乗る前に・・・」
剣士「?」
パシャッ

弓「・・・またか」
女「へへ、記念ですよ、記念」

俺のまぶたがやや重い

http://imepita.jp/20090927/066850

PCは首を傾げて見るといい

眠そうな>>1
「カミン!」「イネムリ」「ネオチ」

さあ、俺の上級魔術3連発で目が冴えたはずだ。
続けて。

>>278 眼が覚めた

続き書くけどさすがに疲れもするんですわ、お茶飲む程度の休憩をさせてほしい

休憩に許可なんかいらんからwww
疲れたら休んでくれよ

>>285 だって今日なんかみんなすっごい殺伐としてんだもん…

90℃でも紅茶

ジャムか、好きだなー 紅茶には一度しか入れて無いけど

ジャムじゃない方のママレードはよー知らん

はぁあああぁ

和む

ちなみに三時くらいに寝たいのだけども
俺を寝かしつつ明日まで保守してくれるような暇な方は居られるか

居なけりゃいないで良いんだが

オーライ させるとも
書くべ書くべ

ゴトン・・・ゴトトン・・・

魔術師「・・・すぅ・・・すぅ・・・」
女「・・・」カチャッ

弓「おい」
女「んー、なんすか?・・・んー、この角度じゃないな・・・」
弓「寝顔を撮るな」
女「いや、こうじゃないな・・・もっと官能的な視点から・・・」
弓「・・・カメラ壊すぞ」
女「ありゃ、そりゃ困りますわ」スッ

剣士「・・・疲れないのか?」
女「あい?」
剣士「顔色が・・・変わらないが・・・」
女「んー・・・まぁ私ゃ銃しか使ってませんし」
剣士「・・・そうだが・・・(ブツブツ」
弓「・・・」

弓「・・・・りがとう・・・・(ボソッ」

女「ん?」
剣士「・・・?」

弓「・・・なんだよ」
女「今何か」
弓「・・・眠いんだよ・・・寝言だ、寝言・・・」
女「寝てないじゃないですか」
弓「うるせぇな・・・寝る」ゴロン

剣士「・・・」
女「ありゃりゃ、なんなんでしょうかねぇ」
剣士「・・・まぁ・・・よく、わかる・・・」
女「?」
剣士「・・・そういうものなんだよ・・・(ボソボソ」
女「聞こえないっす、旦那」

ゴトトン・・・ゴトトン・・・

キキィッ

男「はい、宿に到着でーす、みなさん降りてくださーい」

ゾロゾロ・・ガヤガヤ・・・


女「よいしょ、よいしょー」
魔術師「すぅ・・・すぅ・・・」
剣士「・・・重く・・・ないか?」
女「いえいえ、こんくらい余裕ですとも」
弓「・・・」

男「あ、5班さんですね、全員いますか?」
剣士「・・・ああ、いる(ボソ」
男「えーではこれ部屋のカギになります、男性女性の部屋別になってますので、2つ渡しておきますね」
女「んじゃもう一つは私が」
男「ああ、はい」

男「・・・集合はここ、明日の昼です」
剣士「それまでは・・・自由で良いんだな?」
男「はい、ただあまり離れ過ぎるのはよしてくださいね」
剣士「・・・ああ」

女「あ、部屋がすこし離れてますね、こりゃ」
剣士「・・・そうだな、部屋番号が・・・かなり」
女「ふぅむ、それではしばしの間、旦那達とはお別れと相成りますな」
剣士「そうだな・・・魔術師を頼んだぞ」
女「ええ、お任せください、寝かしつけときます」
弓「・・・寝顔は撮るなよ」
女「・・・もちろん撮りませんよ」
弓「・・・」

剣士「・・・じゃあ、また明日・・・(ボソ」
女「ういっす、まぁ廊下で会うかもわかりませんがね、あはは」
弓「・・・」
女「旦那も、また明日!」
弓「あ、ああ」

女「おやすみなさーい」
タタタタッ・・・

剣士「・・・」
弓「・・・」
剣士「風呂入りたい・・・(ボソッ」
弓「・・・ああ・・・そうだな」

「おい、お前あいつの目玉に何発当てた?」
「んー俺は15発くらいだな」
「すげぇな、本当かー?」
「本当だってぇの!俺だけはかなり歩合も増えるだろうな!」
「なんでぇ討伐してないくせによ」

女「えーっと、部屋は・・・あ、ここっすね」
魔術師「すぅ・・・すぅ・・・・」
女「ささ、着きましたぜ姉御」
ガチャ

女「・・・うーん、良い部屋だ、和風といいますかね、故郷を思い出しますわ」
魔術師「ん・・・んー・・・ここは・・・」
女「おう姉御、部屋につきましたぜ、風呂にします?直で寝ます?それとも」
魔術師「んー・・・お風呂・・・入ります・・・」フラフラ

女「・・・」
女「ふぁぁあ・・・ああ、そうだ・・・昨日寝てなかったなぁ・・・どおりで眠いわけだ」

剣士「・・・部屋は・・・ここだな」
弓「ああ」

ガチャ

剣士「・・・うん、広い・・・」
弓「二人にしては広すぎるな」
剣士「この町もそれほどの歓迎をしたいんだろう・・・よほど脅威な魔族だったんだろうな・・・(ボソ」
弓「俺らはある種、港の命を救った・・・ということか」
剣士「・・・ああ」

ギシッ

弓「・・・ふー、良い椅子だ」
剣士「俺は先に風呂に入ってくる」
弓「・・・ああ、そうか・・・俺は後で入るかな・・・」
剣士「背中を流してもいいが」
弓「気持ち悪い、遠慮する」
剣士「・・・善意・・・(ブツブツ」

剣士「・・・じゃあ、入ってくる」
弓「・・・剣を持ってか?」
剣士「洗う」
弓「・・・そうか・・・」

バタン

弓「・・・」

かぽーん

女「いやぁ、良い湯けむりですなぁ」
魔術師「・・・(モジモジ」
女「・・・姉御、何故に隠してるんですや」
魔術師「え・・・だって・・・」
女「そんなに意識されてしまうとですよ、こっちも気恥かしいってもんですよ」
魔術師「そ・・・そうかな・・・」
女「うん」
魔術師「・・・」

パサッ

女「(きた、シャッターチャンス・・・!)」
魔術師「!」ババッ
女「・・・ちっ・・・」
魔術師「・・・な、なんで風呂場にカメラを持ち出しているんですか・・・!」
女「いやー、まぁ記念すよ、記念」
魔術師「そ、それはおかしいんじゃないかなー」
女「・・・へいへい、置いてきますよ」
魔術師「・・・そうしてください」

かぽーん

女「ぁー、良いですねぇ、さすが鉄の国、良い武器と良い温泉・・・」
魔術師「・・・あったかいですねぇ・・・」
女「いやー、こういう風呂にはですよ、卵なんぞを持ち寄ってですね、温泉卵にするといいんですわ」
魔術師「・・・温泉卵・・・」
女「ええ、そりゃもう美味しいんですよ」
魔術師「・・・卵の話はちょっと・・・」
女「・・・ああ、あはは、そうでしたね、やめときますか」

魔術師「・・・女さんって」
女「ん?なんでしょ」
魔術師「何者なんですか?」
女「・・・んー、何者・・・ですか」
魔術師「ただもの、ではないですよね」
女「あはは、変な言い方」

母上にパソコン取られたでござる

俺がNHKを見ているとオーラの泉に変えられ、
パソコンで曲を流していればビートルズに強制変更され、
「今日はラーメンね」と期待させといても「やっぱカレー」と異議を許さない

そんな母上なのだ、すまない
勝てない

寝死にするまで…携帯から書くか…

女「・・・んー・・・」チャポチャポ
魔術師「・・・」
女「私ゃですね、姉御」
魔術師「うん」
女「まぁ、写真撮影・・・ですね、これが本職と言いましたが・・・ちぃと、違うんですわ」
魔術師「・・・?」

女「私、記者なんですよ」
魔術師「・・・記者、さん」
女「ええ、記者・・・日刊モアのね、記者なんですよ」
魔術師「日刊・・・モアって、あの?大きな?」
女「はい」

女「・・・いつも写真撮って・・・スクープを嗅ぎ付けて・・・謎を追いかけ回す・・・」
魔術師「・・・」
女「例えそれが戦場でも、氷の大地でも、高波押し寄せる海でも、・・・謎に満ちた陰謀渦巻く組織の隠れ家でもですよ」

女「人呼んで一面取り・・・モアの一面娘たぁ私の事」
魔術師「あ、あの」
女「?」
魔術師「・・・本当に・・・それだけ・・・?」
女「?・・・ええ、そうすけど」

質問なんだがガモンて全長1kmって話だがクラゲのかさの部分が直径1kmなん?
それとも海中に触手が1kmあってかさは直径数百m位とか?
ちょっと気になってな

魔術師「・・・本当に?」
女「・・・?な、なんなんですか・・・私ゃ何も隠してませんよ」

魔術師「・・・(ジィーッ」
女「・・・」

魔術師「・・・うーん・・・」チャポ
女「そんな姉御、あからさまに“腑に落ちない”って顔はしないでくださいよ」
魔術師「・・・絶対、それだけじゃないと思ったんだけどなぁ・・・」
女「・・・私に何を期待していたんですか・・・」


女「・・・まー、なんですかね」チャポチャポ
魔術師「?」
女「・・・良い湯加減・・・ですよ」
魔術師「・・・そうですねぇ・・・」チャポチャポ

>>338
ガモンは海の中に傘を“Ω”みたいにして折り畳んでいる
それをへたりと地面に置いて傘を広げると、なんと直径1km、という感じ
イラストのガモンは適当

「ファニークロウラー」でイメージ検索すればだいたいあんな威圧感

剣士「・・・」

剣士「・・・」チャポチャポ

剣士「・・・」

剣士「・・・・・(ブクブクブク」

剣士「・・・」

剣士「・・・」バシャバシャバシャバシャ…

剣士「・・・」スイーッ、スイーッ


ガララララ

弓「・・・何湯船で泳いでるんだよ・・・」
剣士「!!!」
弓「いや・・・別にいいけどさ・・・」
剣士「・・・うむ・・・」

弓「・・・ふぅ、熱そうだな・・・」ザパァァ
弓「ん~・・・そうでもな・・・いや熱・・・いや良い湯加減」
剣士「・・・(ブクブクブク」
弓「汗が塩っぽくて困るな、海の任務は」
剣士「・・・ああ・・・」

あぁあああぁあ

死ぬ!眠い!グッナイ!

おはよう 良い天気だ
保守ありがとう、これで続きが書ける


しかし

飯がなけりゃ書いてられんですわ

舞茸ご飯に、味噌汁……オムレツ

デリシャス

卵焼きならば醤油だよね

ババンババンバンバ~ン

朝シャン派なのでございますわ

・・・え?

おまち金田はスラッガー

女「いやぁ、良い湯かげんでしたね!」
魔術師「ね、とっても心が洗われた感じ」

ガチャ
女「・・・お?」
魔術師「あ、食事の準備ができてる・・・」
女「随分の気の回る宿ですね・・・他の宿ではこんなもてなしされたこたぁなかったっすよ」
魔術師「へぇー・・・すごい・・・」

女「いただきまーす!」
魔術師「いただきます・・・」

モグモグ

魔術師「・・・美味しい」
女「んー、肉が足りないかな・・・」
魔術師「・・・けほ、女さん、そればっかりですね」
女「ん?あ、あー・・・あははは、いやぁ、すいません」

魔術師「・・・女さんって記者さんなんですよね?」
女「んー?はい、ほうへふへほ」
魔術師「じゃあやっぱり、各地の名所とか回ったり・・・色々な宿にも泊まったり?」
女「んー・・・ほうっふへ」
魔術師「・・・あの、食べてからで大丈夫です」

追いついた…

女「・・・(モグモグ」

ゴクン

女「ええ、そうっすね・・・文字通り世界各国、いわくつきの国にまで足を伸ばしたり・・・」
魔術師「いわくつき・・・」
女「・・・おっと、こりゃ口外できないことでしたわ、すいません」

女「・・・まぁ、いろんな国を見てきましたねぇ、クレバス最下層にある影の国にも行きましたし」
魔術師「あ、あそこって怖いって噂なんですよね・・・?大丈夫でした?」
女「あー・・・まぁ、はい、囚人が沢山収容されてはいましたが、治安は良い方だと思いますよ」
魔術師「・・・へぇー・・・」

女「砂漠、山岳、島国・・・あ、魔術師さんは島国の学校出身ですかね?」
魔術師「はい、もう何年も前の事ですけど、ふふふ」
女「確かあそこの学校の近くにある5階建ての宿にも泊まりましたな、なかなか高級な所でしたわ」
魔術師「へぇー・・・私は泊まった事がないのでわからないです・・・どんな感じでした?」
女「いや、それがもうですね、びっくりするくらいですよ、なんたって内装が・・・」

男「えーでは、討伐成功と港町の平和を祝って・・・かんぱーい!」

「「「かんぱーい!」」」

ガヤガヤガヤガヤ・・・

紅衣「・・・いや、どうもわざわざ、ありがとうございました」
男「ん?ああ・・・町からの依頼ですからね、平和を守るのが我々の務めです」
紅衣「ふふ・・・どうも・・・お注ぎします」

コポポポ・・・
男「おっとっと・・・や、どうも」
紅衣「いえいえ、私ができることはこれくらいなので」
男「ははは、いえいえ、そんな・・・あなたのギルドでの業績はかなり・・・」

「・・・男さん、ギルドから手紙が」
男「ん、・・・はい、わかりました」
紅衣「おや、こんなタイミングでですか・・・珍しいですね」
男「そうですね、明日の空での討伐に関する変更でもあるんでしょうかね」

パラ
男「・・・ん?」
紅衣「?・・・なんでしょうね、この命令は」
男「・・・さあ・・・よくわかりませんが・・・」

男「(女さんのカードの再確認・・・か)」

男「・・・それでは、少し・・・席を外させていただきますね」スッ
紅衣「お仕事、大変そうですね」
男「都市のギルドですからね、まぁお給料は良いので」
紅衣「ふふ」

男「・・・あー・・・それでは、宴の席を外させていただきます」
「えー」
「おいおい、なんでだよ男」
「つれねぇ野郎だ、まだ一口くらいしか飲んでねーだろ」
男「ははは、すいません、戻ってきたら飲みますよ」

男「・・・では、明日の奏翼竜討伐、準備の方お願いしますね」
「「「おうよ」」」

男「・・・では、少しの間、失礼します」

ギィィ・・・バタン

タッタッタッ・・・

男「(女さん・・・か、説明会場ではかなり浮いてたあの人・・・)」
男「(・・・最初は、なんだこいつ・・・とか、ナイフって舐めてんの?とか思ったりしたけど・・・)」
男「(・・・5班・・・今回の任務では全て良いとこ取りだ、その中の一人・・・)」

男「(・・・そういや・・・ああそうだ、5班の・・・あの最後の一撃を決めたんだっけ)」

男「(・・・船から一気にガモンの目玉に飛び乗る、あの驚異的な跳躍力・・・)」
男「(あの脚力は並大抵の肉体強化で成せるもんじゃないな、達人級だ)」

男「(・・・あの腕ならランクカードを確認する必要もないだろうけど、ギルド側の不備をそのまま無視はできないしな・・・)」

男「(まぁ・・・ちゃっちゃと確認して、宴の席に戻りましょうかね)」

タッタッタッタッタッ・・・


女「へくちっ」
魔術師「?風邪ですか?」
女「うーん、海風に当たり過ぎたのかもわかりませんわ」

男「・・・ふぅ、ふぅ・・・さすがに町を縦断するのは疲れる・・・」
男「すっかり夜中になってしまった・・・馬車でも使えば良かったな」

男「・・・えっと・・・あ、確かこの部屋だったな、女さんは・・・」
男「・・・」

コンコン

男「(寝てると思うけど・・・まぁ寝てたら寝てたで良いか、翌日でも)」
男「・・・」

ガチャ

魔術師「・・・ん~・・・?」
男「あ、魔術師・・・さん、でしたっけ、すみません、夜分に」
魔術師「・・・何か・・・?ふぁああ・・・」
男「ええっとですね、女さんはいますかね、お話があるのですが」
魔術師「・・・女ちゃんん・・・はい・・・」

魔術師「女ちゃーん・・・お客さん・・・」フラフラ
男「(・・・大丈夫かなこの人)」

魔術師「・・・?」
男「・・・?」

魔術師「・・・んー・・・」
男「・・・あのー、女さんは・・・」
魔術師「いない」
男「いないって・・・」
魔術師「ふぁぁあ・・・眠い・・・」
男「トイレでしょうか・・・?出かけているなんてことは・・・」
魔術師「おやすみなさい・・・ふぁあ・・・あ、カギかけといて・・・」
男「あ、はい」
魔術師「うーん・・・」ゴロン

男「・・・いや、だから女さんは・・・」
魔術師「・・・すー・・・すー・・・」
男「・・・んー、まいったな・・・どこに行ってるんだあの人」

男「・・・はぁ、まぁいいか、おやすみなさい」

キィィ・・・

バタン

リーン・・・リーン・・・


女「・・・」

カショカショカショ
キュッ、キュッ・・・

女「・・・ん~・・・」

猫「・・・?」
女「・・・はい、笑ってー」

パシャッ

猫「!」ビクンッ
タッタッタッタッタッタッ・・・

女「・・・どもども、ご協力感謝しまーす・・・」ジィィィ・・・カショッ
女「・・・うん、良い出来だ、良い笑顔」

女「うーん、まだ何か・・・良いショットが撮れそうだな・・・」

女「今度はあっちの、源泉の方にでも行ってみましょうかね、ふふふ」

タッタッタッタッタッ・・・

リーン・・・リーン・・・

リーン・・・リーン・・・

弓「・・・ぐー・・・ぐー・・・」
剣士「・・・」

弓「んー・・・ぐぅう・・・ぐぅ・・・」
剣士「・・・」

弓「・・・んー・・・魔術・・・師・・・」ゴロン
剣士「!」

弓「・・・んー・・・」スゥスゥ・・・
剣士「・・・」

ゴロン
剣士「・・・やめてくれ・・・そういうの・・・(ボソボソ」

剣士「困るから・・・(ブツブツ」

リーン・・・リーン・・・

ざわ…ざわ…

ガチャ

女「どもども、おはようございまーす!」
魔術師「あ!女さん!」

女「どーも、どもども、昨日はよく眠れました?ふふ」
魔術師「眠れました・・・けど、朝起きたら女さんいなくて困ってたんですよ?」
女「あー・・・ちぃとですね、外をぶらっと一人旅してましてな」
魔術師「もう、宿の中全部探したんですよ?」
女「あはは、すいません・・・かわりにこれ、はいどうぞ」
魔術師「?」

スッ

魔術師「・・・わ、わぁ!猫さん!」
女「えへへ、可愛いでしょう?ベストショットです」
魔術師「・・・もらっていいかな?」
女「もちろんオーケーですとも!魔術師さんにプレゼントしますよ」
魔術師「わぁ、ありがとう!」
女「ははは、タダみたいなもんすからね」
魔術師「え、でもこの写真の用紙代とか・・・」
女「私のカメラは焼き付け式なんでしてよ、台紙はサイズが規格通りならなんでも大丈夫なんですわ、だから気にしなくてオーケーっす」
魔術師「・・・へぇ・・・すごい・・・」

ガチャ

剣士「・・・おはよう」
女「あ、剣士さんどーもーっす」
魔術師「おはようございます、どうでした?」
剣士「・・・やや寝不足・・・かもな・・・(ボソボソ」
女「ありゃりゃ、そりゃ大変ですね・・・」
魔術師「(・・・そういえば女さんちゃんと寝たのかなー・・・)」

弓「そろそろ昼だろう、集合は外だからそろそろ準備をしておけ」
女「あ、弓さんちょり・・・おはようございます、準備はできていますよ」
魔術師「魔力も・・・9割回復してるので、問題は無いです」
剣士「・・・なら・・・すぐにでも出発できるな」
魔術師「ええ、そうですね」

剣士「・・・昨日一昨日はすぐに終わったが・・・今日も一日で終わるとは限らないからな」
弓「そうだな、一日目の討伐は運が良かった・・・本当なら三日は待つ任務なんだが」
剣士「今回はかなりの・・・長期戦になることも・・・覚悟しておけ(ブツブツ」

女「(前々から思ってましたが、剣士さんにはもうちょっと力強い活をいれてほしいですな)」
魔術師「(まぁ・・・あはは、良いと思いますよ?)」

男「みなさんおはようございます、昨日はよく眠れていようが眠れてなかろうが今日も任務に従事していただきます」
男「運が良ければ今日が最終日、運が悪ければかなりの長丁場になるかもしれませんので、そこらへんの覚悟、お願いします」

女「(良い天気ですねぇ・・・)」
男「(・・・あ、女さんだ)」

男「・・・あー、まぁそうですね・・・とりあえずはこれからあっちの、鉱山の方まで馬車を走らせます・・・2時間ほどで到着しますので、それまでは心の準備等よろしく・・・」

剣士「質問・・・」
男「あ、はい、なんでしょうか」

剣士「・・・昨日の相手には俺の剣が通じなかったが・・・」
男「・・・ああ・・・今回は・・そうですね・・・」
剣士「チームに貢献できる場が欲しいが・・・(ブツブツ」

男「・・・やろうと思えばやれます、ただ・・・機会はそう多くはないですね」
剣士「・・・そうか」
弓「で、その相手ってのはどんな奴なんだ」
男「・・・ああ・・・はい、それを今から説明します」

男「九尾の狐です。」

男「ランクはB、一昨日の百角獣と同じランクですね」

剣士「・・・Bか・・・」
女「なんだ、楽勝ですね」
魔術師「いや・・・あはは、どうかなー・・・苦戦したけどなー・・・」

男「冠称は“奏翼竜”、名は“エルディオレ”」
女「ほう、竜ですか」
男「ええ、竜です・・・とはいえ、竜にも色々な種類がいますけどね、飛べばみんな竜ですよ」

男「・・・えっと・・・ディオレという楽器はご存じですかね」
魔術師「あ、私吹いた事あります」
「俺も、親父が吹いているのを聞いたことあるな」
男「ああ、知っているようで良かったです・・・彼の名前はそこからきています」

女「・・・どんな楽器なんですかそれ」
魔術師「んー・・・木管系の楽器なんだけど・・・とにかくすごい苦しくなる楽器かな」
女「ははは、なんですかそれ」
魔術師「本気でね、ふー、って、吹かないと音が出ないの」
女「へぇー」
魔術師「その割に出る音は・・・あはは、あまり綺麗じゃないんだけど」

男「特徴としては鳴き声がすごく苦しそうです。それ以外には特にありません」

男「・・・まぁ、冠称の通りなんですが、翼に管のようなものがついているんです」
男「エルディオレは空を飛ぶ際に、その管でディオレの音を出します」
男「いくつも・・・だいたい双翼で10本ほどの管がありますから、飛ぶときに出る音はそりゃすさまじいものなんですよ」

男「その音の役目は縄張り、求愛・・・まぁ生き物として全うな事なんですけど、騒音の被害が無視できないんですね」
男「近づけば攻撃もしてきますし、ちょっと迷惑な竜なんです」

剣士「・・・地上へは降りてくるのか?」
男「・・・難しい所です、近接武器で討伐したケースはあまり報告されていませんから・・・」

男「ですが、撃ち落とされて怯んだ時には攻撃のチャンスがあるかと」
剣士「・・・ふむ・・・」
男「まぁやってみてください、相手は竜なのでそんなたやすくはないでしょうが・・・」

男「・・・昨日討伐したガモンはAですが、これは強さというよりも害性の高さからつけられたランクですね」
男「下手すれば港町が一つ消えますから・・・それが危険視されてつけられた難度と言えるでしょう」
女「じゃあ今回のその、竜は」
男「ええ、害性はガモンほどではない・・・しかし、強いですよ」

男「同じBの百角獣よりも遥かに、苦戦を強いられるでしょう・・・なんせ空を飛ぶ巨竜ですからね」
魔術師「・・・」
男「魔術は有効ですが、当たるかどうかですね、これも」
魔術師「そう・・・ですか」

男「まぁ色々と言いましたが、これ全部カンペ見て言ってることなんで」
女「えー」
男「僕自身そんな見てないですからね、実際どう戦うかは個人で、現物を見て決めてください」

剣士「・・・かなり投げやりなギルド員だな・・・」
弓「・・・」
魔術師「・・・でも、直に見なければわからないことも多いでしょうし・・・」
弓「・・・そうだな、実戦の中でコツを掴んでいく方が良いだろう」

女「ブレなきゃいいんですけどね・・・」
弓「・・・おい」
剣士「・・・もういいだろう、女はそういう傭兵なんだ」
弓「・・・しかし」
剣士「個性・・・持ち味だ、それも・・・(ブツブツ」
魔術師「でも、ちゃんと参戦はしてくださいね?」
女「もちろんっすよ」

男「じゃあ馬車に乗ってください、あまり長話していては陽が暮れてしまいますからね」
男「・・・じゃ、最後の討伐です・・・気を引き締めて、いきましょう」

「「「おおおおおおおおっ!」」」

http://imepita.jp/20090927/446690
PCは首の体操

昼食だろjk・・・

茹で落花生ってなんだよ…

>>448なにそれおいしいの?

>>449 食欲が失せるレベル
今はまだ食わずに書く

ゾロゾロ・・・

魔術師「今回の討伐も私たちが達成したら、すごいですよね」
剣士「・・・そうだな・・・」
女「馬車最後尾の4人の戦士!3体の強大魔族を連続討伐!粋ですねぇ」
弓「・・・報酬も滝登りだろうな」
魔術師「ふふ、今回も頑張らなくてはなりませんね・・・今回は私も、良い所見せますよぉ」
弓「俺だって・・・」

男「あ、すいません」
剣士「・・・?」
男「女さんにだけお話があるので、ちょっといいでしょうか?」
女「んあ、私ですか?」
男「はい、ちょっと確認の方をですね・・・」

魔術師「・・・なんだろう」
剣士「・・・さあな」

男「あー、すいませんね、馬車を待たせてはいけないので手短に」
女「はい」

男「・・・カードの確認をさせていただきたいのですが」
女「・・・?」
男「当ギルドのランクカードです、わかりますよね?」
女「・・・あー、ありますね、そんなもの」

男「ご存じのとおり、C以上のランクを受けるにはレッドカード」
男「A以上のランクの任務を受注するにはクリムゾンカードが必要なんですね」
女「(あ、そうだったんだ、へー)」

男「・・・それでですね、申し訳ないのですが・・・こちらのギルドの受付で、手続きに不備がございまして」
女「不備」
男「はい、今回はAAの任務ということなので、クリムゾンカードの方の確認をするはずだったのですが・・・」
女「・・・その確認を、受付で行っていなかった、と」
男「・・・はい、情けない話ですが、そういうことなのです」

女「・・・」
男「なので今ここで、カードの確認の方、させていただこうかと」
女「ふむふむ・・・なるほど・・・」
男「任務従事中はカードの所持が義務ですから、ありますよね?」
女「・・・」
男「・・・女さん?」

弓「・・・やばいぞ」
魔術師「はい?」
剣士「・・・?」

弓「・・・あいつ、カードの確認を求められてる」
剣士「カードの確認・・・?・・・聞こえないが・・・」
弓「・・・俺には聞こえる・・・話の内容が」
魔術師「耳、良いんですね」
剣士「何故今さらカードを・・・?」

弓「受付に不備があって・・・ギルド員が確認を怠ったのだそうだ」
魔術師「それで今確認ってこと?失礼な話ですね」
剣士「・・・」
弓「・・・それで・・・」
魔術師「・・・もしかして・・・あはは、いやぁ、でも・・・」

剣士「・・・女は・・・カード、持っているんだよな・・・?」
弓「・・・いや・・・それがどうやら・・・」
魔術師「え・・・」

女「(・・・はてさて、どうしましょかね・・・)」
男「荷物の方にあるんでしょうか、でしたら取りにいってもらいたいんですけど」
女「(・・・!)」

女「・・・んー、いや、ちょっと待ってくださいや、ポケットに・・・」ゴソゴソ
男「ありますか?」
女「・・・いや、ないですね・・・鞄みたいですわ」
男「・・・そうですか、では鞄の中確認していただけますか?」
女「ういーっす、じゃ、しばらくお待ちください」

タッタッタッタッタッ・・・

剣士「・・・こっちに走ってくるぞ」
弓「焦った顔してるな」
魔術師「・・・もしかして・・・」

女「はっ、はっ・・・か、カードってレッドカードだけじゃ、AA請けられないんですか・・・!?」
弓「・・・そうだよバカ・・・」
剣士「・・・」

女「どうしよう・・・私・・・」
魔術師「・・・もしかして・・・女さん・・・」

女「レッドカードしか・・・持ってないですよ・・・」
剣士「・・・なんてことだ、ギルド規約違反だぞ・・・」
魔術師「な、本当にないんですか?」
女「鞄の中に入ってる風なことを流れで言ってしまいまして・・・うう、まいったなぁ」ガサガサ
弓「・・・さがしている振りも時間の問題だぞ・・・どうするんだ」

女「こんなんで任務から降ろされたら・・・私、報酬ゼロじゃないっすか・・・」
魔術師「・・・」
剣士「・・・」
女「飢え死にしちまいますよ・・・それじゃ・・・!」
弓「・・・おいおい・・・」

女「・・・あ、みなさんのカードはちゃんとクリムゾンなんですか?」
魔術師「ええ・・・ほら、これ」
剣士「・・・ああ」
弓「これだろう、当然だろ」
女「・・・わぁー・・・レッドより高級そうっすねぇ・・・」

女「・・・」ガサゴソ

剣士「・・・女・・・どうする」
魔術師「こ、このままだと・・・女さん抜きで・・・?」
弓「・・・」
女「ううう・・・無いかな、何かの手違いで鞄の中に・・・」ガサガサ

剣士「・・・仕方ない・・・もう・・・」
魔術師「・・・そんな」
弓「・・・」
女「・・・な、なんとか・・・なりませんかね・・・今までの苦労が、これだと・・・」

剣士「・・・」

タッタッタッタッタッ・・・

男「(お・・・戻ってきたな)」

女「はっ・・・はっ・・・いや、手間どっちまいまして、すみません・・・」
男「いえいえ、構いませんよ・・・・で、カードは・・・?」
女「・・・」
男「・・・もしかして・・・女さん」

スッ

男「!」
女「クリムゾンカード・・・こいつですっけ?あはは」
男「・・・!はい、そうですね・・・確かに」
女「あはは、いやぁカードが色々あって、探すの大変でしたわ」
男「・・・はい、ちゃんと顔写真もありますし・・・ええ、大丈夫ですね」
女「・・・」

男「ええ、確かに確認しました、ありがとうございます」
女「いえいえ、どうも」
男「あー、もう他の馬車は先に行ってしまいましたね・・・すみません、5班も早く出発しましょう」
女「はい、では、馬車に戻らせていただきます」

タッタッタッタッタッ・・・

男「(・・・名前は指で隠してたけど・・・あの三人の誰かなんだろうな)」
男「(・・・まぁ・・・見落としは受付の奴だから、俺のせいじゃない)」
男「(・・・がんばってくださいよ、ナイフさん)」

ゴトン・・・ゴトトン・・・

女「・・・ふぅー・・・」
剣士「・・・心臓が・・・まだ早い・・・」
魔術師「・・・ハラハラしてましたよ、私も・・・」
弓「・・・偽造とはな・・・よくやる・・・」

女「いやぁ・・・とっさの顔写真でしたから、若干笑顔がひきつっていますな・・・あはは」
剣士「・・・本当にこれでだませるとは思わなかったが・・・」
女「あ、剣士さんありがとうございます・・・この恩、一生忘れやしません」
剣士「・・・別に・・・いい・・・(ボソボソ」

弓「・・・ここではなんとか乗り切れたが・・・次から高ランク任務を請ける時はカードを取得してからにしろよ」
女「・・・さーせん」
魔術師「ま、まぁ女さんならきっとすぐにカードを取得できると思うわ」
剣士「・・・そうだな、すぐに取れるだろう」
女「そ、そうっすかね・・・あはは」

ゴトトン・・・ゴトン・・・

ゴトトン・・ゴトン・・・

弓「(・・・良い天気だ・・・)」

魔術師「・・・それでね?竜といっても地方によって性質も違うから、使う攻撃もかなり工夫しないといけないの」
女「ほうほう、ふむふむ」サラサラ
魔術師「相手が雪竜だったら火の術を使うし、斬竜ならそうね・・・金属術を放ったりもするわ」
女「ふむ、魔術も奥が深いですね」
剣士「・・・魔術は、応用の効く攻撃だからな・・・剣なんかよりよっぽど・・・(ブツブツ」
魔術師「そ、そんなことないって・・・剣を扱える人はすごいと思いますよ?あはは・・・」
剣士「・・・」
弓「・・・」

ボォォォォ・・・ン・・・・・

弓「(・・・あ)」

弓「(まただ・・・また何か、遠くから・・・演奏が聞こえる・・・)」

ボォォォン・・・・ボォォォ・・・

魔術師「私の事はもういいからさっ」
剣士「?」
女「?」

魔術師「私は、女さんの特技が知りたいなぁ・・・って」
剣士「・・・そういえば・・・具体的に何を使うのか・・・知らないな」
女「・・・あー、そういや・・・」
魔術師「まさか、本当にナイフ1本でいつも闘っているわけではないでしょ?」
女「・・・」

剣士「俺も剣を使っているが、これですら討伐の任務は苦しいからな・・・Cまでは順調に狩れるんだが、大型ともなれば話が違ってくる」
魔術師「女さんは魔力式の銃も使えるみたいですし・・・そのカメラも魔力ですよね?」
女「あー・・・まぁ、はい、そうっすね」
魔術師「何か魔力を使った、術が使えるんじゃないの?」
女「・・・あー・・・えっと」

剣士「・・・まさか」
魔術師「・・・あはは、いやいや、そんな・・・」
女「・・・本当に・・・ナイフ、だけ・・・なんすよ・・・」
剣士「・・・」
魔術師「・・・」

ボォォォン・・・・ボォォォォォン・・・・

魔術師「(・・・あの、剣士さん)」
剣士「(・・・ああ)」

魔術師「(ナイフだけでランクBまで・・・レッドカードを習得するなんてこと、可能なんですかね?)」
剣士「(・・・剣でBが難しいからな・・・援護があってもだ)」
魔術師「(そ、それって・・・ナイフってことは、ある意味すごいですね・・・)」
剣士「(そりゃ、短刀を双剣にして扱って闘う奴もいるし、槍使いも多いが・・・さすがにナイフ1本は聞いたことない・・・な)」
魔術師「(・・・)」

女「おっ、周りの岩が鉱物の色を帯びてきましたねぇ」パシャ、パシャッ
弓「・・・鉱山だからな、鉄の国だし・・・」
女「いやー無粋な色ですが、木々生い茂る山とは一味違った“風情”を感じますわ、これ」パシャッ、パシャッ

剣士「・・・」
魔術師「・・・」

「キェェエエエエェェェエエエエエッ!!」

女「!」
弓「!」
剣士「!」
魔術師「!」
ビリビリ・・・

女「・・・すっ・・さまじぃ、鳴き声、っすね」
剣士「・・・鳥・・・いや、竜の鳴き声だな」
弓「あれがエルディオレの声・・・かもしれん」
魔術師「・・・ちょっと、怖くなってきた・・・かもしれません」
剣士「・・・大丈夫だ、今回もなんとか・・・」

キィィィィィィィィン・・・

剣士「無事に・・・」

ボォォォォオオオオオオオオドドドドドドドドドドドドドド!!!
ドドドドドドドドドド!!

女「うわっ、鼓膜が」
弓「うるさッ・・・!」
魔術師「~!!」
剣士「・・・」
キイイイイイィィィィィィィィィ・・・ン・・・・

魔術師「・・・今のは・・・」
弓「・・・爆音を鳴らしながら・・・通り過ぎて行ったんだろうな」
剣士「・・・すごい音だな・・・(ボソ」

女「あー、耳いてー・・・こりゃ公害ですよ、公害・・・討伐されてしかるべきですわ」
魔術師「うう、まだ何か頭で響く・・・」
剣士「・・・なるほど、この音なら・・・飛ぶだけでも縄張りを作れそうだな」
弓「・・・」

女「・・・んー、姿はちょっと、見えませんでしたな」
魔術師「馬車の中だからね」
剣士「・・・降りて、なんとかおびき寄せれば・・・姿をはっきり確認できるだろう」
弓「・・・おびき寄せたくは無い、音だけどな」
剣士「・・・仕方ない」

ゴトン・・・ゴトトン・・・

女「・・・到着は大体3時くらいっすね・・・夕暮れまでになんとか討伐できればいいんすけど・・・」
魔術師「うまくいくかなぁ・・・」
剣士「・・・」
弓「・・・俺らの頑張り次第だな、魔術師」
魔術師「あ、・・・うーん、そうかも・・・うん、遠距離攻撃は私たちしかいないものね」
剣士「・・・俺が戦える機会が・・・あればいいが・・・」
女「(あ、そういやナイフ無いんだった・・・どうしよっかなぁ)」

ゴトン・・・ゴトトン・・・ゴトン・・・

キキッ

女「・・・?半端な所で停まりましたね」
弓「まだ道中じゃないか・・・」

男「あ、どうも5班さん、降りてください、こっからは徒歩なので・・・」
剣士「・・・徒歩だと・・・?」
男「はい」
魔術師「どういうことなんです?」
男「ええ、馬車ごとに説明しています・・・」

男「先程もこの、登山中の馬車道を通過しましたが・・」
女「すっげーうるさかったっすよあいつ、2度殴りたいですわ」
男「はは、殴るのは構いませんが・・・聞いての通り、爆音です」

男「馬鳥も生き物なのでね、あまり討伐の地点に近づいてしまうと・・・驚いて逃げ出してしまうこともあるんです」
剣士「・・・なるほど、だから討伐ポイントまでは・・・」
男「ええ、お手数ですが・・・歩いていただきます」

魔術師「・・・山道、辛そうですねぇ」
女「ややや、良い運動になりますよ」

ザッザッザッ・・・

女「はい、笑ってー・・・」パシャッ

魔術師「・・・ふう、歩きますねー」
剣士「・・・どこまで歩く・・・?」
男「あー・・・そうですね、山頂付近まで・・・まぁ小さな山なので苦労もないでしょう」
弓「・・・山頂か・・・空気が薄そうだな・・・」

ジィィィ・・・カショッ
女「・・・で、その、エルなんとかって竜は、どんくらいの速さで飛んでいるんですかね?」
男「?速さ、ですか・・・」
魔術師「あ、私も聞きたいな・・・あんまり早すぎると攻撃が当たらないかも・・・」
男「・・・うーん、そうですね・・・聞いたところによりますと・・・」パラパラ

男「・・・撃墜竜、わかります?」
弓「・・・ああ、スツカのことか」
男「はい、大型の竜や鳥、時には飛行船を追跡して・・・爆撃をしかけてくる、やっかいな小型竜です」

男「撃墜竜スツカは大型のべヒーモスにすら攻撃を仕掛ける好戦的な竜です・・・大物を狙い、それを捕食します」
女「あー、写真撮った事あるかも」

男「エルディオレの詳しい速さはわかりませんが・・・その撃墜竜の攻撃を許さないほどの速度で、空を飛ぶらしいですよ」
弓「・・・」
魔術師「・・・とんでもなく速い・・・ってこと?」
男「ええ、感じ方はそれぞれですが、竜の中ではかなりのスピードでしょうね」
女「(ブレるじゃん・・・嫌な竜だな・・・)」

剣士「・・・どうするか・・・まずは奴を墜落させることが肝要だが・・・」
魔術師「・・・どうかな・・・術が当たればいいんだけど・・・」
弓「矢が弾き返されなければ良いんだが・・・」

女「・・・飛び乗って、一気に攻撃・・・」
剣士「やれるものならやってほしいが・・・無理だな」
魔術師「あはは・・・ちょっと危険かもね、空だし・・・」
弓「一緒に落ちれば骨も折れるだろう」
女「いやー標高3000mくらいならなんとか・・・」
魔術師「え?」
女「あ、いやなんでもないっす」

女「・・・まぁ、私ゃ、体は丈夫なので・・・なんとかなるとは思うんですがね」
剣士「・・・無理はするな、堅実に・・・落として、そこから集中攻撃だ」
女「うーん・・・それが普通なんですかね」
剣士「・・・それが、安全だ」
女「むぅ」

ザッザッザッ・・・

男「・・・つきました、ここが5班のポイントです」

剣士「・・・拓けているな、頂上だから当然だが・・・(ボソボソ」
魔術師「わあ、良い風ー」
女「やっほーって叫びたいんすけど良いですかね」
弓「恥ずかしいからやめておけ」

男「・・・それでは、僕は下山させていただきます・・・ああ、食料やテントの用具はこの荷物にあるので、どうぞ」ドサッ
女「わお、力持ちっすね、大荷物なのに」
男「大きな剣を背負いながらも荷物を背負っている剣士さんにはかないませんよ、はは」
剣士「・・・別にそんな・・・(ボソボソ」

男「・・・食料は5日分あります・・・水も、今は少ないですが・・・夜辺りに補給任務の方々が届けにくると思います」
弓「ということは期限は5日・・・?」
男「んー、あくまで目安ですね、出現ポイントもまちまちですから・・・ただエルディオレが縄張りを破棄したと判断されれば、最速で5日で終了となります」

剣士「・・・その際の報酬はどうなる?」
男「多少の減額はありますが、大差はないです・・・撃退、といいますか・・・まぁ追い払うというニュアンスとは違いますが、撃退に成功しているので」
女「ふむ、なるほど・・・そのまま引っ越ししてくれりゃ、労せず儲けるということですね」
魔術師「できれば私は追加報酬が欲しいけどなぁー」

そろそろめしどきだろう、500だし・・・
休憩

ここまできたら書くだろ女子高生・・・

遅筆だけどまぁ、食事やおやつは最優先だから
許してほしいわ

昔ながらの中華そば

昔ながらの中華そばは個人的にインスタント麺で高ランクの味
麺が違う

スープが余ってもったいないからご飯を混ぜようとしたらお釜にご飯がなかったでござる

牛乳買ってくる

http://imepita.jp/20090927/529800

クリーミーでかつ塩気が押さえられ…牛乳臭い…

この理不尽さをどっかで経験したような

…書くか

パラパラ・・・

女「えーっと」
魔術師「・・・」

“A 暗殺者ジェミニ”
“B 巨翼竜べヒーモス”
“B 百角獣ドンガ”

女「あ、こいつが一昨日のやつですね?」
魔術師「そうね、手ごわかったわー」
パラパラ・・・

“B 鉱蟲デム・テイカー”
“B 奏翼竜エルディオレ”

女「おっ、こいつですね」
魔術師「ありましたね」

女「・・・ふむふむ・・・管状の翼が飛行時に音を発生させ、演奏する事もできる・・・」
剣士「・・・奏の字は、あながち間違いでもなかったな・・・(ボソボソ」
魔術師「飛行のメカニズムは他の種とは大きく違い、音を魔力に変換し、そのまま推進力を・・・かなり高度な魔族のようですね」
女「んー・・・飛び立つ際ははばたかず、体をらせん状に回転させてある程度の音を出し・・・ふむふむ、なるほど・・・」

女「しかし、奏の字よりも“騒”の字の方が正しいですね」
魔術師「“騒翼竜”ですか、あはは」

弓「・・・」

ボォォォン・・・・ボォォ・・・

弓「(かすかに・・・演奏が聞こえる・・・向こうの山だな・・・)」
弓「(ここらの山の頂上全てに班を割り振っている・・・ということは、向こうではもしかしたら、戦闘が始まっている・・・)」
女「ういっす、弓の旦那」
弓「・・・なんだ」
女「作戦会議してますぜ、混ざったらどうでしょ」
弓「・・・ああ」

剣士「弓、ある程度の攻略法は考えてみた・・・聞いてくれ(ボソ」
弓「・・・わかった」

魔術師「・・・えっと、このエルディオレっていうのは、翼の管が空を切る際の音がそのまま推進力になるようなんです」
剣士「飛び続ければどんどん加速するし、翼を少し傾けて風の通りの悪くすれば減速もできる」
弓「・・・難しい機構だ」

女「つまりはこの管をつまらせちまえばいい、ってことですよ」
弓「・・・なるほど」
剣士「魔術や弓で管を破壊するなり、つまらせれば・・・相手の動き、推進力、飛行能力を大きく奪う事ができるだろう」
魔術師「やっぱり前回同様、私と弓さんが遠距離から狙う、という形になりますね」
弓「・・・難度が高いな・・・」
剣士「仕方ない・・・他に何か、相手の動きを捕縛できる方法があればいいのだが・・・(ブツブツ」

タッタッタッタッタッ・・・

女「おーい、旦那達や、枝百本拾ってきましたよー」

魔術師「あ、御苦労さまー・・・そうね、ここは寒いし・・・たき火があると良いかも」
剣士「・・・登った煙につられて、やってくるかもしれないしな・・・」
弓「なんにせよ、助かる」

魔術師「・・・“アイス”!」シュボッ、ボボボッ
女「わお、あったかい・・・」ボボボボ・・・

剣士「・・・もう夕日に近づいてきたな・・・」
弓「ああ、そうやすやすと竜から近づいてくることはないだろう」
剣士「・・・俺らにできることは、山々の山頂で待ち伏せすることくらいか」
弓「・・・そういうことだな」

パチパチッ・・・パチ・・・

女「さーて、保存食をあけましょうかね」
魔術師「え、早速・・・?」
弓「あまり食うなよ、5日分とはいえ量は少ないんだ」
剣士「・・・寒い・・・」

パチパチッ・・・パチッ・・・

パチパチ・・・

女「んー・・・なかなか、やってきませんね」ゴロゴロ
剣士「・・・警戒心の強い種なのかもな・・・」
魔術師「ははは、でも連日来られても体が参っちゃいますからね・・・休暇ということで・・・」
弓「・・・早く終わらせたいがそうもいかないか」

女「・・・」パラパラ

魔術師「・・・ふふふ、その手帳、気に入りました?」
女「あ、ええ、すごいですねこれ、沢山魔獣や魔族が書いてある・・・」
魔術師「昔は私もよく読んでいたんですけどね・・・あはは、種類が多くて・・・」
女「確かに・・・分厚いですもんねぇ・・・」パラパラ

女「・・・ん?おお、これすごいですね」
魔術師「ん?」
女「“AA 双月ガルバ・ガモン”・・・昨日のガモンが二つくっついてる、双子ですよ、これ」
魔術師「うわぁ・・・」
剣士「・・・世界にはまだまだ、厄介な魔族が多いな・・・」
女「あはは、一度でいいからこういうとびっきりのも、撮ってみたいなぁ・・・」
弓「(死ぬっつーの)」

モンハン厨帰れよ

キュッキュッ・・・
女「・・・はーっ・・・」キュッキュッ・・・

パチパチッ・・パチッ・・・

剣士「・・・陽も大分落ちたな」
魔術師「・・・今日は来ないかもですねぇ・・・」
弓「・・・」

剣士「・・・どこかには・・・いるはずだが・・・」
弓「・・・最悪の場合、ここで5日のキャンプ生活ということだな」
魔術師「う・・・それは・・・楽だけど、退屈ですね・・・」
剣士「・・・腕が鈍る・・・御免願いたいな(ボソ」

パシャッ
女「・・・タイトルは“落陽”、ですかね」ジィィ・・・カショッ

弓「・・・飽きないな」
魔術師「・・・ふふ、よほど好きなんでしょうね」
剣士「・・・良い事だ、趣味があるというのは・・・(ボソ」

弓「(このまま数日の間何もないとなると・・・さすがに疲労もたまるな・・・)」
弓「(既に報酬は多いが・・・ここまでくればやはり、追加報酬はいただきたい・・・)」

ボォォォォォ・・・ボォォォォン・・・・

女「!」
魔術師「あ・・・今・・・」
弓「聞こえた、山鳴りしてるが・・・あっちの方だ」

剣士「・・・竜か・・・」

ボォォォォォン・・・ボォォォォォ・・・・

魔術師「・・・あの、遠くにある影が・・・そうでしょうか」
剣士「・・・ここからだと小鳥のようにしか見えないが」
弓「それほど巨大なんだ、近づけばかなりのサイズかもな・・・」

ボォォォン・・・ボォォォ・・・

女「・・・ふふふ、早く撮りたいなぁ・・・」
魔術師「・・・もう、女さん・・・」
剣士「・・・今日は、こっちに来る気配は無いな・・・明日に備えてテントで睡眠をとろう」
弓「あまり神経を尖らせるのもあれだからな」

女「私はしばらく見張りしてます」
魔術師「そう?・・・じゃあ私、中に入ってますね」
女「はい、ごゆっくり」

ボォォォ・・・ン・・・・ボォォォン・・・・

パチパチ・・・パチ・・・

ボォォォォン・・・ボォォォン・・・

女「(・・・討伐かぁ・・・傭兵さんも、なかなか大変なんですね・・・)」
女「(私は記者なので・・・あまり、こういうことは詳しくないですが・・・)」

ボォォォン・・・

女「・・・」
女「(どこか・・・心の奥底で、燃えるものが・・・ありますね)」

パチパチッ・・・パチッ・・・

女「(・・・不思議な感覚です・・・謎を追い求めているわけでも・・・疑惑を追い求めているわけでもないのに)」
女「(敵を撮るその一コマ・・・その瞬間にも襲いかかってくる、凶暴な魔族!)」

女「(命を賭けた仕事・・・攻防・・・)」
女「(・・・私ゃ、そこまでこんな、血ぬれた仕事は好きじゃないですが・・・どこか)」
女「(心躍るものが、あると言いますか・・・)」

女「(・・・ふふふ、やっぱり私は、育ちが悪いんだなぁ・・・)」


パチパチッ・・パチッ・・・

ボォォォォオオオン・・・・

剣士「すぅ・・・すぅ・・・」

弓「・・・」
魔術師「・・・座ったまま・・・寝ていますね」
弓「そう、だな・・・」
魔術師「ふふ、長髪が顔に垂れてる・・・」
スッ

剣士「・・・」
魔術師「・・・よし」
弓「・・・」

魔術師「・・・弓さんは」
弓「! な、んだ」
魔術師「どうして弓を?」
弓「・・・ああ・・・」
魔術師「銃や・・・魔術だって選択肢もあったのに」
弓「・・・確かに最近は弓を扱う傭兵はいないな・・・」
魔術師「ずっと気になってました」
弓「・・・」

弓「・・・子供のころから、ずっと使っていたからな・・・弓を・・・」
魔術師「・・・」
弓「・・・お前は、魔術師は・・・どうして魔術を?」
魔術師「私ですか?・・・うーん・・・」
弓「・・・」
魔術師「・・・」

魔術師「学校、あるじゃないですか」
弓「ああ、島国・・・」
魔術師「そこで長い事勉強していたんです・・・本当は前まで、教師としてやっていたんですよ」
弓「教師!」
魔術師「ええ、属性術の・・・」
弓「・・・すごいな」

魔術師「でも、二年前に・・・」
弓「・・・!・・・ああ・・・」
魔術師「・・・同期の魔道士も、同じ同僚も・・・私の生徒も」
弓「・・・」
魔術師「・・・あの事件は巷では解決したような雰囲気になってますけど・・・やっぱり私の中で刃、終わってないかなって」
弓「・・・」
魔術師「復讐というか、変な・・・陰湿な動機ですけど・・・だから」


ヒュゥゥゥゥ・・・・

女「お、風・・・」パラパラパラ・・・

“A 暗殺者ジェミニ”


魔術師「・・・こうして、傭兵をやっているんです」
弓「・・・なるほどな」

パラッ

女「やべえ姉御、大変ですよ」
魔術師「!・・・なに、どうしたの?」
女「たき火が木枯らしに持ってかれました」
魔術師「・・・ふふ、なんだびっくりした・・・じゃあまた枝集めないとね」
女「じゃあまた集めてきますわ」
魔術師「私も手伝うよ」

弓「・・・」
魔術師「それじゃあ、少し行ってきますので・・・」
弓「・・・ああ、うん」
女「留守番よろしくっす、じゃ」

パサッ

弓「・・・・」

ボォォォン・・・・

ボォオオオオオオオオオオォォォオォオォオオオォオオオオオオオオン・・・!!!
キィィィィィィィン・・・・

ババババババ・・・・

奏翼竜「・・・」キィィィィン・・・・

遥か上空、雲の上。翼に管を持った巨竜が、すさまじい速度で飛んでいた。

竜「ァァアーッ!」
竜「ァアー!」
奏翼竜「・・・」キィィィィン・・・

すぐ背後には、2頭の撃墜竜が併走していた。
体の大きさは熊と同じ程度の小さな竜ではあるが、腹の下に供えられた“卵”は巨竜であろうと耐え難い爆発力を秘めている。


奏翼竜「・・・」キィィィィン・・・
竜「ァアー!」
竜「・・・ァアァァア・・・!」

この二頭の撃墜竜は、その卵を奏翼竜にぶつけようとしているのだろう。
懸命に翼をはばたかせ、距離を縮めようとしている。

キィィィィン・・・・

だが距離は一向に縮まらない。いや、むしろ離されている。
翼を全くはばたかせていないにも関わらず、エルディオレはどんどん加速してゆくのだった。

そしてその行き先は・・・。

ボッ・・・・キィィィィィン・・・・

奏翼竜「・・・!」

雲を突き抜けると、エルディオレは自身の縄張りに不穏な気配を感じとった。
自分の山の頂上から、煙があがっている。

奏翼竜「・・・!」

何かが居る。あまり頭の良い竜ではないが、彼にもそれは察知できた。
自身の轟音により退化した耳、しかしそれを補助するために発達した良い視力が、たき火の周りでうろつく人間の姿を捉える。


キィィィィィィン・・・・ボォォォオオオオオオオン・・・・ボボボボボボボボ

ドドドドドドド・・・!!


近づくにつれて演奏は爆音に変わり、

「な・・・ぐァっ」ドチャッ
奏翼竜「キェエェェエエエエエェエエエエェエ!!」

その男は爆音が耳へ届く前に、屈強な爪によって引き裂かれた。

女「・・・?」
魔術師「?どうかしました?」

女「・・・」
魔術師「・・・?」

女「いやー、なんでもないです・・・ちょっと、気のせいでしたわ」
魔術師「・・?ふふ、おかしい」
女「ちょっと“予感”がしたんですけど、まぁ、宛てゃなりませんので」
魔術師「予感?」
女「ええ、予感」

女「・・・スクープのね?」
魔術師「・・・ふふふ、面白い」
女「む、姉御、私の事バカにしてませんか?」
魔術師「そ、そんなことないわよ、ふふっ・・・」
女「・・・むぅ」


ボォォォオオオオン・・・・

リーン、リーン・・・

パチパチ・・・パチ・・・

女「もぐもぐ・・・んー、美味しい・・・淡白だけど」
弓「それなりに開発されてる保存食だしな」
女「いやー、今まで保存食だとバカにしてましたわ、謝らなきゃなりませんねこれは・・・モグモグ」

魔術師「・・・あ、もう水無くなっちゃった」
弓「・・・補給部隊はまだか・・・」
女「んー・・・どうなんでしょうね・・・今夜中に来るとギルドの人は言ってましたが・・・」
魔術師「まぁ遅れることもよくあるし、いいんじゃない?」
弓「・・・死活問題は俺らだけどな」

リーンリーン・・・・

弓「・・・俺は、もう寝る」
女「え、もう?」
弓「明日の朝に備えるんだ・・・剣士も寝てるしな」
剣士「すぅ・・・すぅ・・・」
女「・・ふむ、そういうことなら、そうしましょうか」
魔術師「山登りで疲れたしね、あはは・・・」

女「・・・あ、じゃあ私外に出てます」
弓「・・・おい、寝なくていいのか」
女「ええ、まぁ・・・まだいいです」
パラッ

カショカショカショカショ・・・

カショッ、カショッ・・・

キュッキュッキュッ・・・

カチッ

女「・・・よっし、これでオッケー・・・」
女「(・・・やっぱり、任務中でも・・・カメラのメンテナンスは欠かせないですねぇ・・・)」

パシャッ、パシャッ

女「鉱山の頂上から眺める夜空・・・うん・・・・良い感じ」

パシャッ、パシャッ

女「お父さんが生きてたら、見せたかったんだけどなぁー」

パシャッ

タッタッタッタッタッタッ・・・

「男さん、緊急連絡です」

男「はい、なんでしょうか・・・騒々しいですね?」
「・・・4班のメンバーが・・・」
男「・・・なんだって」

男「詳しい状況を」
「はい、4班のメンバーのひとりがテント前でたき火を作っている途中に、エルディオレが上空からいっきに急降下・・・」
男「・・・そのまま、ですか」
「・・・はい」

男「・・・んー・・・それはもちろん、テントも・・・」
「はい、中で休養中だったメンバーも全て・・・ああ、一人は重体ですが一命は取り留めました」
男「・・・見張りがいてもこれか・・・」
「・・・」

男「・・・これで2班つぶれましたね・・・全部で5班・・・」
「・・・」
男「半数以上を失うと、任務続行困難とみなされますね・・・」
「・・・最悪のケースですが・・・」
男「もちろんそれは最悪の場合です、しかし・・・うーん、難しいです」

男「・・・今回も、5班さんが頑張ってくれるといいけどな・・・ああ、何を言ってるんだ僕は」
「・・・気持ちはわかりますがね・・・」

ガラガラガラガラ・・・

傭兵「はっ・・・は・・・・!」

タッタッタッタッ・・・
男「すぐに彼を緊急治療用テントへ・・・僕も付き添います」
「助かります、手伝ってほしい事がありますので・・・!」

傭兵「くっ、足が・・・!ぅあぁああ・・・!」
男「大丈夫ですか・・・う」

男「(足がめちゃくちゃだ・・・流血も多い、これは・・・)」
傭兵「はっ、はっ・・・助かりますか、俺は・・・」
男「・・・ええ、助かります、ゆっくり休んでください、すぐに復帰もできるでしょう」
傭兵「そ、そそ、そうかっ、よ・・・か・・・」

ガラガラガラガラ・・・

男「・・・!」
「くそ・・・医者は、最寄りの医者はまだ・・・!」

「近くに診療所はあることはあるのですが、向こうの山の中にありまして・・・」
「腕は良いのですが、不自由な方らしいですから、移動にも時間が・・・」

男「くそ・・・なんとか延命措置をとるんだ、ここで死者を出せば任務続行に響く」
男「救える命は救え!最後はこの討伐だけなんだ、とにかく任務は成功させるぞ!」
「「「はっ!!」」」

キィィィィン・・・

女「・・・(ピク」

女「予感だ」

ボォォォォオオオォォォン・・・ボボボボボ・・・

女「疼く、疼きますぜ・・・私の奥底に眠る魂が・・・」
カチャッ・・・カショッ、カショッ・・・

キィィィン・・・ボボボボボボドドドドドドドド・・・

女「・・・さあて、みんなはテントの中・・・まぁいいや、丁度いいです」
女「寝ているなら撮影許可はいらないということで・・・良いんですからね?」

キィィィイイィィイイイン・・・!!

女「ナイフなし、」
女「仲間なし、」
女「金なし、」
女「カードなし・・・」
カチャッ
女「・・・カメラと記者魂・・・有りッ!!」

やはりカメラに秘密が

ドンッ

一日と数時間ぶりの大跳躍、驚く者はいない。
空にかかる見事な満月以外は、誰も見ていないから。

奏翼竜「・・・!」キィィィィィィン・・・
女「よう」

いや、一人驚いた。
細い眼を大きく剝き、突然眼前に現れた小さな人間の3つの眼を前に、驚いた。

女「どうも、早速ですがインタビューの時間ですよ・・・!」
奏翼竜「・・・!キェェエエェェエ!」

テントに突撃しようと勢いを強めていたエルディオレだが、突然のパパラッチを前にわずかに軌道修正せざるを得なかった。
軌道は変わり、テントへの直撃は避けられた。

そして、

ガシッ

女「ほら、取材は受けてもらいますよー・・・!」

女の細く白い腕が、奏翼竜の長い体毛を掴む。
女は竜の勢いに乗り、轟音と共に夜空へ連れ去られた。

キィィィィイイィィィィィイイイイン・・・・!!

女「いやー、すいませんな、モアの記者はどうも、諦めが・・・ぬぬぬ・・・!悪いもので・・・!」
奏翼竜「・・・!」

ババババババ・・・バババ・・・
女「ふおおお、すごい風圧・・・!」

ドドドドドドドドド・・・ボボボボボボ・・・!!

女「・・・と、すごい音・・・!うるさい・・・!」
女「まるでハーモニカを、適当に・・・思いっきり吹いているような・・・そんな音ですねぇ!例えるなら・・・!」
奏翼竜「キェエエエエエェェェェ・・・!」
ぶんっ、ぶんっ

女「おっと・・・離しやしませんよぉ・・・!ぬぬぬ・・・!」
奏翼竜「・・・!」
女「まずは一枚・・・頼みますわ・・・!」
パシャッ、パシャッ

女「へへ・・・近撮りさせてもらいました・・・次は正面から撮らせてもらいますので・・・!」
奏翼竜「・・・!」
女「なんとかして・・・地面に伏っしてもらいましょうかね・・・!」
奏翼竜「・・・キェェエエエエエエ!」

ゴウッ・・・

女「(! 軌道が一気に下に・・・このままだと・・・おいおいやめてくださいや)」
奏翼竜「・・・!」
女「やめやめやめ・・・おいおい、森の中に突っ込む気ですかあんた・・・!!」
奏翼竜「キェェエエエエエエ・・・!」

バキバキバキバキ・・バキキ・・・ドコッ
女「う」

女「(え、枝が・・・っつーかむしろ幹が・・・!)」
バキバキバキバキ・・・!

奏翼竜「ギェエエェエエエエ・・・!」
女「く・・っそ野郎・・・!自ら森につっこむなんて・・・!どれだけ取材が嫌だってんだい旦那・・・!」
バキバキバキバキ・・・

女「は・・・離さな・・・!絶対に・・・!」
奏翼竜「キェエエ・・・キェエエエエエエ・・・!」

バキバキバキバキッ・・バキキキ・・・

女「(! やばい、この枝はちょっと太)」

ドバキッ

女「あ・・・・」

バキバキバキキキ・・・キキ・・・

奏翼竜「・・・キェェエエ・・・!」


竜は荷を森に降ろし、そのまま再び、空へと駆けていった。

女「うあ・・・」

ムクッ

魔術師「・・・ふぁあ・・・」

剣士「・・・すぅ・・・すぅ・・・」
弓「ぐぅう・・・ぐぅ・・・」

魔術師「んー・・・ふぁああぁ・・・あ?」

ピチチ・・・ピチチチ・・・

魔術師「・・・まただ」
魔術師「(また女ちゃんがいない・・・)」

魔術師「・・・外かな・・・」パサッ
魔術師「・・・いない・・・」

魔術師「(なんであの人は・・・朝起きると・・・絶対にいないんだろう)」
魔術師「(どうしてだろう・・・彼女が休んでいる姿も見たことがないわ)」

魔術師「・・・」
魔術師「・・・まぁ・・・大丈夫よね?」
魔術師「(だっていつも、元気に帰ってくるし・・・きっと、写真をもって・・・戻ってくるでしょう、ふふ)」


女「・・・」

ピチチチ・・・ピチチ・・・

落花生

普通落花生

あんなの食えないわ

想像に(゚ω゚)お任せします

けどまぁあえて言うなら
某天狗のように黒髪ではない

初代ポケモンのあれ、ガールスカウト

なぜゆでた

>>610 送られてきた

っつーか今日の食事偏り過ぎだろ・・・野菜食ってくる

>>609
某天狗ってMr.カラテか!?

国産ピーナッツ高い

>>613
お前は何を

パソコン占領されたら大変だな・・・

塩ゆでにする意味がわからない
煮豆じゃねーかアレ

http://imepita.jp/20090927/620440
ずっと同じ曲聞いてるから頭痛い

もうステータスは射命丸で、外見は初代ガールスカウトでいいや

ガチャ

医師「・・・どうも、ずっと待っていたんですか」
男「!あ、はは、はい、まぁ・・・はい・・・一応部下、といいますか・・・責任者なので」
医師「傭兵をまとめるのは大変でしょう、以前私も傭兵でしたから、上司の辛さはよくわかります」

男「・・・あの、それであの傭兵の方は・・・」
医師「・・・」
男「い、命は・・・彼の命は・・・!」

ガチャ
助手「あのー、傭兵さんの包帯新しいのに・・・」
男「・・・!新しいのに・・・っていうことは・・・」
医師「・・・ええ、まぁ、一命は取り留めましたよ」
男「・・・!」

医師「驚きましたよ、まさか夜中に運ばれてくるなんて・・・」
男「すみません・・・ありがとうございます・・・」
助手「ふふ、よほど心配だったんですね」
医師「心配はいりません、重症でしたが快方に向かっています・・・後遺症が心配されますが、それも治せば良いです」
男「ありがとうございます、ありがとうございます・・・!」

男「(よかった・・・後は他の被害を出さずに・・・どうやってエルディオレを追い払うか・・・だな)」
男「(くっそー・・・無茶な任務だ・・・)」

ゴトン・・ゴトトン・・・

キキッ

男「!」
紅衣「男さん、探しましたよ」
男「紅衣さん・・・駆けつけてくれたんですか」
紅衣「ええ、せめてものお礼ですからね・・・そちらのギルドにも力をお貸ししようかと」
男「・・・!ありがたい限りです・・・!」
紅衣「礼には及びません、私が返しているだけですから」

紅衣「・・・それより、竜の様子・・・遠くから観察させていましたが、どうも今朝にかけての動きが、おかしいようです」
男「・・・?竜の動きがおかしい?」
紅衣「はい、どうやら翼を少し痛めているようで・・・誰がダメージを与えたのかはわかりませんが、飛行に障害が表れています」
男「!!・・・つまりそれは・・・チャンス?ですか?」
紅衣「そうともとれますし、逆に低空飛行しかできなくなった・・・という点では」
男「・・・いえ、大丈夫・・・それはリスクではない・・・討伐の機会が増えたのならば良かった・・・良い事です」

男「(誰かは知らないが、エルディオレをある程度攻撃してくれたようだな・・・うーん・・・)」
男「(このまま流れで集中攻撃・・・も、いいかも・・・しれないが・・・さて・・・)」

剣士「おい、女はいたか・・・!」
魔術師「うーん・・・」
ザッザッザッザッ・・・

弓「・・・くそ、高台から見下ろしてみたが・・・辺りにはいる気配がないぞ」
魔術師「どこに行ったんですか・・・女さん・・・」
剣士「・・・逃げだした、ということはないだろうが・・・」
弓「・・・どうだろうな」
魔術師「ゆ、弓さん・・・!」

弓「・・・まぁいい、とにかく今は女よりも、やることがある・・・」


キィィイイ・・ィイイ・・ボボッ、ボボボッ・・・ィィ・・・

弓「・・・あの不安定に飛んでいる騒音発生機を、なんとかしたいところだからな」
剣士「うむ・・・あの不安定な動き・・・」
魔術師「た、確かにチャンスだとは思いますが」
弓「今しかないんだ・・・休まれたり、逃げられたりする前にな」
魔術師「・・・」

魔術師「(女さん・・・どこに・・・・)」

弓「あの竜の動きをよく観察すればわかるが、あいつは・・・」
剣士「・・・着陸、したがっているな」
弓「ああ、減速と軌道修正を繰り返している・・・翼が壊れているんだろう、左右の推進のバランスが取れずに苦戦している」
魔術師「・・・誰かが翼を壊した・・・・」
弓「かもしれないし、怪我をしたのかも」
剣士「・・・誰かが一撃を与えた、というのが有力だな・・・(ボソ」

魔術師「・・・んー・・・“アイス”!」シュボボッ・・・

ボボボッ・・・
魔術師「・・・“シュート”!」ボウッ!

ヒュゥゥゥゥゥ・・・・

魔術師「・・・んー・・・」
弓「・・・やはり遠いな、弓でもあそこまでは無理だ」
剣士「・・・接近するにも、動きが不規則すぎる・・・」
弓「ああ、待つしかないだろう」

魔術師「・・・あの竜がこちらに向かってきたら・・・」
剣士「・・・迎え・・・討つ(ボソ」

奏翼竜「キェェエエ・・・ェエエ・・・!」

ヒュンヒュンッ
ドカカッ

奏翼竜「!っ・・・ギェエエ・・・!?」
「よっしゃ、ジャベリン命中!大ダメージだぜ!」
「続け続け!どんどん狙い撃ちしていくぞー!」
「あいつは弱ってる!今がチャンスだ!手柄を取られる前に、やっちまうぞ!」


ォオオオオ・・・

剣士「・・・まずいな」
弓「まずくはない・・・が、確かにまずいな」
魔術師「・・・他の班の攻撃が・・・続けざまに行われていますね・・・」

剣士「このままでは討伐され・・・」
弓「・・・追加報酬・・・」
魔術師「・・・ううう・・・・欲しいなぁ、追加報酬・・・」

剣士「・・・あの竜がこちらに逃げ込んでくれば・・・なんとか勝機はあるんだが・・・」
魔術師「・・・え、本当?」
剣士「・・・ああ・・・(ボソ」

剣士「・・・これは・・・本当に、追加報酬を得る気があるなら・・だが」
弓「聞かせてくれ」
魔術師「どんな作戦?大丈夫、覚悟はあるから・・・!」

剣士「・・・まず、待つ・・・」
弓「・・・まぁ、だな」
剣士「こちらにきたら・・・その時、なんとか、確実に・・・翼を“破壊”する」
魔術師「・・・なるほど、翼さえ破壊できれば・・・」
弓「・・・竜は飛べず、そのままこちらが一方的に闘える権利を得る・・・なるほど」

剣士「・・・ただし、奴にも足はある・・・屈強な顎もあるだろう、体当たりされれば死ぬ」
剣士「奴をこの山に“墜とす”ということは・・・こちらの逃げ道も封じる、ということなんだ」
魔術師「・・・確かに・・・」
弓「・・・そうだな、理想の討伐は遠距離からの攻撃で・・・そのまま山間部に落とし、殺す・・・それが一番安全だ」
剣士「だからこれは追加報酬を得たい場合の討伐方法だから・・・危険だし、不確定要素が・・・(ブツブツ」
魔術師「やります」
弓「やる」

剣士「・・・厳禁だな・・・俺もだけど(ボソ」

ザッ・・・
魔術師「墜落させるには、やっぱり私ですね」
剣士「・・・そうなるな・・・できるだけ大きな術で、一気に相手の機動力を奪って欲しい」
弓「昨日見せたような最大の術を使えば一撃で決着がつくかもな」
魔術師「あはは・・・あれはちょっと、当たりにくいので・・・」
剣士「(外れれば攻撃が向こうの山にまで及びそうだからな・・・)」

魔術師「中~高等の術を2、3発放ちます・・・翼くらいなら多分破壊できますし、精度もまぁまぁです」
弓「魔力の残量は?」
魔術師「ご心配なく、これくらいなら12発は・・・多分」
弓「それを連発していればなんとかなりそうだな・・・」

剣士「一応弓も遠距離攻撃をしてほしいかな・・・」
弓「ああ、わかってる・・・速射を続けて翼をできる限りは潰してみよう」
魔術師「速射ってどのくらいですか?」
弓「・・・んー・・・精度を求めるなら毎秒1発・・・いや、0.8秒に1発のペースでいけるかな」
魔術師「は、早い・・・」
弓「伊達にこのランクまで弓オンリーで通って来てないからな」

ボォオオオオオン・・・ボォ・・ボ・・・・ボボボ・・・

魔術師「・・・本当は」
剣士「?」
弓「うん?」

魔術師「・・・女さんとも一緒に・・・やりたかったんですけどね・・・」
剣士「・・・」
弓「・・・あいつの事はもういい、どうせ逃げたんだ」
剣士「・・・」
魔術師「そ、そんなことっ・・・!」
弓「! 構えろ・・・来るぞ・・・!」
魔術師「・・・」

ボォオオオオオン・・・ボォオオ、ボォ・・・ボオオオオ・・・!

剣士「・・・墜落に成功したら、今回は俺の剣の見せ場だ・・・」
魔術師「・・・期待、しててもいいですか・・・?」
剣士「ああ・・・思う存分・・・力を見せてやる」
弓「頼もし限りだ・・・これで全員本気だな」

魔術師「(・・・全員・・・女さん、あなたはどこに・・・)」
剣士「(・・・報酬はどうなるんだろうな・・・)」

ボボボッ・・・ボボボ・・・ゴゴゴゴゴゴドドドドドドド!!

剣士「(く、近づくとさすがに・・・轟音だな・・・!)」
魔術師「きます・・・来ますよ・・・!」
弓「いや、もっと引き付けるぞ・・・下手に攻撃すれば相手は逃げるかもしれん」

奏翼竜「キェェェエエエ・・・ェエエエエエッ!!」
ドドドドドドドドォォォォ・・・!

剣士「・・・今・・・だ(ボソ」
弓「!いくぞ・・・!食らえ、一撃で野兎を貫通する矢の力・・・!」
ヒュヒュヒュヒュヒュッ、ヒュヒュヒュ!

ドドドドド・・・
奏翼竜「・・・!キェェエ・・・!?」

魔術師「“スティ・アスノット・ブリーオン”!」ブゥゥゥォン

弓「(“鋼鉄質の、地殻よりの、金剛大砲”)」
剣士「(文法良くわからない・・・けど、これは・・・)」

ドドドドド・・・

剣士「(・・・地面から・・・大砲が・・・)」
魔術師「これはまだ準備段階・・・攻撃の詠唱は簡単・・・狙いを定めて、“発射”!」

ドゥンッ!

剣士「(おー・・・魔法って・・・すごいな・・・・)」

魔術師「・・・そこ!“発射”!」
ドウンッ!

ドシャッ
奏翼竜「ギェエエ・・・ギィイイイイ・・・!」

剣士「よし、翼の一部を破壊した・・・!」
弓「魔術師は右翼を狙ってくれ、俺は左を集中的に攻める・・・!」ドシュッ、ドヒュッ

魔術師「あともう少し・・・根元を狙うと、勢いで山の向こうにふっ飛ばされるから・・・翼を狙って・・・」
魔術師「・・・はっ・・・ふぅっ・・・!“発射”ッ!」
ドウンッ

剣士「疲れているか?」
魔術師「だ、大丈夫・・・少し、自分の力を過大評価してたかも・・・はっ・・・」
弓「(こんなちまちました攻撃よりは遥かに上出来だろう)」ドヒュッ、ドヒュッ、ドドドドッ

奏翼竜「ぎ・・・ギィィィィィ・・・!」

剣士「(! 竜の体制が崩れていく・・・!)」

フッ・・・ヒュゥゥウウウウ・・・・ドォオオオオオン・・・・!


剣士「!やった・・・山の中腹当たりに・・・!」
弓「よっしゃぁ!」
魔術師「は、はっ・・・やった・・・なんとか墜落・・・させられた・・・!」

剣士「よし、俺が先頭を走って・・落下地点まで接近する・・・二人は後ろから、距離を置いてついてきてくれ・・・!」
弓「わかった、任せろ!」
魔術師「ま、まだ援護できるからね・・・私も!」
剣士「よし・・・急ぐぞ、他の連中も移動して、近づいてくるかもしれん・・・!」

タッタッタッタッタッ

弓「(なんとかここまでは順調だ・・・あとは・・・)」
魔術師「(反撃にさえ注意すれば・・・この討伐も完了・・・!)」

タッタッタッタッタッ・・・

ピチチ・・・ピチチチ・・・

女「・・・」

小鳥「・・・?」ツン、ツンツン

女「・・・」

小鳥「・・・?・・・!」

ドク・・・ドクドク・・・

女「っ・・・はっ・・・は・・・」
小鳥「・・・!」

パタタタタタタ・・・パタタ・・・

女「はっ・・・は・・・血が・・・」

女「くそ・・・野郎・・・」

ザッザッザッザッ・・・
ザッ

剣士「・・・(ジッ」

・・・

剣士「(確か、ここらへんに落下したはずだが・・・)」ザザザッ
剣士「・・・!」


奏翼竜「・・・ヒュー・・・ヒュー・・・」ズシン、ズシン・・・

剣士「(・・・いた・・・体を休めながら・・・山を降りようとしている)」
剣士「(疲れたか・・・そうか・・・だが)」
剣士「(悪いな、俺はお前を討伐することが仕事なんだ・・・最後の・・・!)」

バッ

奏翼竜「!」
剣士「魔力が十分に帯びた剣は、大体なんでも斬れる・・・(ボソ」

ザウッ
奏翼竜「・・・!キェェエ・・・!」
剣士「まずは木管を一つ・・・破壊・・・!」

弓「援護するぜ・・・!」ドヒュドヒュドヒュッ
魔術師「私も・・・!“キュート”!」

剣士「(よし、順調だ・・・これでなんとか・・・!)」

奏翼竜「・・・キェエエエッ!」
ブンッ

剣士「・・・!」ガキィッ
ザザザザ・・・

弓「!」
魔術師「剣士さん・・・!」

剣士「(危ない・・・まさか翼を振って武器にするとは・・・剣でガードしていても、ここまで押し出された・・・)」

奏翼竜「ヒュウ、ヒュー・・ヒュー・・・!」
剣士「(・・・く、近くで見るとすごい威圧感・・・俺に倒せるか、こいつを・・・)」
奏翼竜「ォ・・オオオ・・・キェエエエエエエェェェエィ!」

ビリビリ
剣士「~・・・!」
剣士「(やってやろうじゃないか・・・伊達で5年間も、鉄の騎士団に仕えていたわけではない・・・!)」

奏翼竜「ォオオオオオオオ!」
剣士「ぁああああぁあ!」

ドシュッ

奏翼竜「!」

ズッ・・・ボドンッ

奏翼竜「・・・!」
剣士「右翼、頂戴した・・!」ヒュッ

奏翼竜「・・・!・・・!」
剣士「次は・・・首を・・・!」

ブンッ

ド

剣士「っ・・・!ぐお・・・!」
弓「!(左翼で殴られた・・・!)」
魔術師「(攻撃が早い・・・!そうか、翼の音で加速して・・・!)」

剣士「・・・ぐ・・・あばら・・・少し、残念になったな・・・!」
奏翼竜「・・・ォオオオオオ・・・!」
剣士「・・・負けない・・・お互い死に損ない・・・!仲良くしようか・・・!」

バキッ、ドシュ、バキ、バキッ、ド、バキッ

ズッ・・・ズッ・・ズッ・・・

はぁっ・・・はぁ・・・はぁっ・・・

ズッ・・・ズズ・・・ズ・・・

臭う・・・臭う・・・“予感”がする・・・!


ズズズ・・・ズッ・・・ズッ・・・

・・・こっちだ、こっちからするぞ・・・!

臭いがする・・・!魂が呼んでいる・・・!


折れませんぜ・・・足とアバラと、若干心が折れていても・・・この魂はよ・・・!

ナイフがなくとも、するどく輝いてるそいつがね、あるんですよ・・・!

ズッ・・・ズズズ・・・ズ・・ズ・・・

記者の魂・・・それと、もひとつね・・・

こんな、自分勝手な田舎者の・・・育ちの悪い私にもできた・・・

出しゃばりな、不躾な私にもできた、私の・・・!


ズッ・・・ズ・・・ズッ・・・

ボォオオオオオオンッ!

ドグォッ

剣士「あがっ・・・・!」
弓「!おい・・・!」

ゴロゴロゴロゴロ・・・カランカラン・・・

奏翼竜「キェエエエエエェェェェ・・・!」
剣士「・・・!剣・・・が・・・!」ズズッ・・ズ・・・
魔術師「駄目!逃げて!避けて!」

剣士「・・・!」
ヒュッ

奏翼竜「ォオオ」ガッ
剣士「・・・!き、やすく・・・掴む・・・な・・・!」グググ・・・
奏翼竜「・・・キェエエエエエ!」

ブンッ

ドガッ
剣士「・・・っ・・・!」ガクン

魔術師「・・・!」
弓「・・・!」

奏翼竜「・・・(ジロリ」

魔術師「ひ・・・」
弓「!・・・畜生・・・諦めるなよ!」ドヒュッ、ドヒュッドドドド

ザクザクザクドドド・・・

奏翼竜「・・・キィイイイ・・・」
弓「く・・・(翼を盾にするだと・・・!)」

魔術師「わ、私も・・・負けない・・・!“スティ――」
ブンッ

バキッ
魔術師「ぐは・・・!」
奏翼竜「キェエエエエエエエエエェェエ!」
弓「魔術師・・・!(速い・・・!どんな脚力してやがる・・・!)」

奏翼竜「・・・」
弓「・・・!」

今日の晩ご飯は餃子です

埋まっちまうよ、さっさと食ったからさっさと書く

弓「・・・く・・・」ジリッ・・・

ズシン、ズシン・・・

奏翼竜「・・・キェエエェェエ・・・!」
ズシン、ズシン・・・

弓「(矢・・では、勝てないな・・・術は使えない・・・)」

ズシンズシン・・・
ジリジリ・・・ジリ・・・

カラン

弓「(・・・!剣・・・!)」
スチャッ

弓「・・・これで・・・!」チャキッ・・・
奏翼竜「・・・」
弓「これ・・・で・・・」

弓「(どうするんだ・・・こんな剣で・・・)」
弓「(ああ、剣士お前・・・こんな怖い状態で闘っていたのかよ・・・!)」

ズシン、ズシンッ

奏翼竜「キェェェェェエエェェエエエエ!」

弓「・・・~!」ビリビリビリ

“大丈夫、俺は魔法剣士だからな!”

“接近戦が怖い・・・?ははは、ばーか大丈夫だろ”

“お前弓で援護な、大丈夫、近くは任せろ・・・頼んだぜ?”

“クラス昇格だ!やったな!”

“今度一緒に討伐受けようぜ!ランクAのさ・・・”

“大丈夫大丈夫!俺が剣で、お前が弓だからな!いつも通り!”


弓「・・・く・・・そ・・・!」
奏翼竜「ォオオオオオ・・・!」ブンッ


“おいおい、あのクラゲ・・・まるで効いちゃいねぇ・・・”

“く・・っそ、弓・・・任せたぜ!俺が・・・剣で・・・魔術でなんとか・・・!”

“う、うわぁああぁぁあああ・・・!”


「旦那ぁああああああ!」

弓「!」


ットン・・・・


奏翼竜「・・・!」
女「はーっ・・・はーっ・・・!よう・・・また背中・・・!お邪魔しますぜ・・・!」

弓「・・・!お前・・・!」
女「旦那!そいつを!」

奏翼竜「ォ・・・ォオオオ!?」
ブンッ、ブンッ

女「ぐぁ・・・早く・・・!掴まってるだけで精いっぱいだ・・・!」
弓「は、早くっていったって・・・!」
女「剣は任せてください・・・!旦那は、弓で・・・!」
弓「・・・!」


“お前弓で援護な、大丈夫、近くは任せろ・・・頼んだぜ?”

弓「・・・!ぉおおお!」

チャキッ
ギギギッ・・・

女「(へ、へへ・・・旦那や・・・その剣の渡し方・・・すっごく危ないですが・・・)」
女「(“粋”、ですぜ・・・!)」

弓「受け取れぇえええええ!」

ドシュッ!

ヒュゥゥゥゥゥ・・・

女「・・・!危っ・・・!」パシッ
奏翼竜「・・・!ォオオオオ・・・!」
弓「邪魔はさせないぜ・・・!騒音野郎・・・!」ドシュドシュドシュッ

ドドドッ

奏翼竜「キィイイイ・・・!」

チャキ

女「へへへ・・・剣って今まで使っちゃいませんでしたがよ・・・」
奏翼竜「・・・!」

女「ナイフよりも・・・強いかも!知れませんねッ!」

ドスッ


奏翼竜「ギャァァアアアアアア・・・・!」

奏翼竜「ォオオォン・・・」

ズシン・・・

ドクドクドクドク・・・

弓「・・・は・・・はっ・・・」
女「・・・ああ・・・はぁ・・・は・・・」

ドクドク・・・ドクドク・・・

剣士「・・・」

魔術師「・・・」

弓「・・・はぁ・・・はぁ・・・」

女「へ・・・へへ・・・言ってみたかった・・・」

女「とうばつ・・・・かん・・・りょ・・・」

ドサッ

「おーい、こっちだ!ここだ!」

「・・・!これは・・・ああ、なんて森の荒れようだ・・・ひどいな・・・」

「どうでもいい、さっさとこっちに来てくれ!けが人が3人いるんだ!」

「・・・!討伐・・・成功したんですか・・・!」

「それより、それよりも早く、運び出してくれ・・・!」


「・・・!」

「死人を出す気かよ!ぼさっとしてないで助けてくれよっ!」

「わ・・・わかりました・・・!」

ガラガラガラガラ・・・

「運べ運べ、そっちの茶髪の女が重傷だ、骨折、大量失血・・・とにかく急げ!やばいぞ!」
「こっちも骨折・・・うっ、血の臭いがひどいな・・・」
「この町最速の馬車を出してやれ、山の診療所まで運ぶぞ・・・!」

ガラガラガラガラ・・・


紅衣「大丈夫ですか、あなたも怪我を・・・」
弓「・・・」プイッ
紅衣「・・・」

男「弓さん、お疲れ様です、追加報酬は・・・」
弓「・・・そんなことはどうでもいい」
男「・・・え」

弓「・・・あの三人を・・・無事に・・・それだけでいいから・・・頼むから・・・」
男「・・・はい、わかりました・・・ですがこちらも仕事です、追加報酬もきっちりつけときますよ」
弓「・・・」
男「・・・では」

タッタッタッタッタッ・・・

弓「・・・」
紅衣「・・・あなたも診療所で、一応見てもらってください」
弓「・・・怪我なんてねえよ・・・」
紅衣「・・・」
弓「・・・弓使いは・・・遠くから狙ってるだけなんだからよ・・・」

紅衣「・・・はい、診療所まで・・・はい、出してください」
弓「・・・」
紅衣「少し急ぐので揺れますよ・・・掴まっていてくださいね」
弓「・・・ああ」

ゴトン・・・ゴトン・・・ゴトトン・・・ゴトトン・・・


弓「・・・」
紅衣「・・・連日の戦い・・・ご苦労様です」
弓「・・・俺は・・・何もしてねぇよ」
紅衣「何を言いますか、あなたの班は・・・」
弓「あの班で、俺だけだ」
紅衣「・・・」
弓「・・・全然、良いとこなしのくせに・・・嫉妬ばかりだ」

紅衣「・・・」
弓「・・・弓、だからかな・・・」

ゴトトン・・ゴトトン・・・

バタン
助手「医師さぁあああん!」

医師「はい、患者さんですね」サラサラ
助手「は、はい・・・それに・・・!」
医師「多く来ていると、なるほど」サラサラ
助手「そ、そうで・・・はっ、はっ・・・!」
医師「・・・」サラサラ

コトッ
医師「・・・山の閑静な診療所のはずなんですがねぇ・・・どっこいしょ」ギシッ
女「ひ、一人は骨折と大量出血で重症で重体で・・・!」
医師「わかりましたから、君は裏庭でハーブを詰んでいてください」
女「はいっ・・・!は・・・はい?」
医師「さて、大仕事だ・・・」
ズッ・・ズッ・・・

バタン

弓「・・・」
紅衣「・・・手術中なので・・・しばらくここでお待ちください・・・あ、奥にベッドもあります、そこで休まれてはいかがでしょう」
弓「・・・ここでいい」
紅衣「・・・はい、では、私はこれで・・・」
タッタッタッ・・・

弓「・・・ナイフ・・・剣女・・・」
弓「・・・良いよな、お前・・・いつもさ・・・」
弓「良い所ばっかり・・・って・・・」
弓「・・・これだから俺・・・ギルドで友達が居ないのかな・・・」

弓「・・・はぁ・・・・ちくしょう・・・」


ブチッ、ブチッ
助手「とりあえずハーブ沢山摘んでおこっと」ブチブチ

ほんとだ、入れ替わってら

リーン・・・リーン・・・

弓「ぐぅ・・・ぐぉおお・・・・ぐぅ・・・」

キシ・・・キシ・・・

弓「・・・ぐぅ・・・ぐぅぅ・・・」

ギシッ・・・

剣士「・・・」
弓「・・・んー・・・ぐぉ・・・ん・・・」
剣士「・・・」
弓「・・・!」

弓「う、うわぁあああああぁぁあ!!」
剣士「・・・うるさいな・・・(ボソ」
弓「わぁあ・・・あ・・・?」
剣士「・・・俺だから・・・」
弓「い・・・生きてたのか・・・よ、よかった・・・!」
剣士「気を・・・失ってただけだし・・・(ボソボソ」

自分の妄想の中の女を描いてみたわけだが載せたら叩かれるかな

>>740
【大審議中】
     ∧,,∧  ∧,,∧         ∧,,∧  ∧,,∧
  ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧  ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
 ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
 | U (  ´・) (・`  ) と ノ | U (  ´・) (・`  ) と ノ

  u-u (l     ∧,,∧  ∧,,∧ u-u (l    ) (∧,,∧   /⌒ヽ
      `u-∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧`u-∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
       ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )

       | U (  ´・) (・`  ) と ノ| U (  ´・) (・`  )と ノ
    ∧,,∧u-∧,,∧   ) (   ノu ∧,,∧-u∧,,∧  ) (   ノu ∧,,∧  ∧,,∧
  ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧  ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧-u'∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
 ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` ) ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
 | U (  ´・) (・`  ) と ノ | U (  ´・) (・`  ) と ノ | U (  ´・) (・`  )と ノ

  u-u (l     ∧,,∧  ∧,,∧ u-u (l    ) (∩,,∩   /⌒ヽ -u (l    ) (   ノu-u
      `u-∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧`u-∧ (´・ x ・) (・ω・`) ∧∧`u-u' `u-u'
       ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )

       | U (  ´・) (・`  ) と ノ| U (  ´・) (・`  ) と ノ
    ∧,,∧u-∧,,∧   ) (   ノu ∧,,∧-u∧,,∧  ) (   ノu-u
  ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧  ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧-u'
 ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )

 | U (  ´・) (・`  ) と ノ | U (  ´・) (・`  ) と ノ 
  u-u (l    ) (   ノu-u  u-u (l    ) (   ノu-u 
      `u-u'. `u-u'         `u-u'. `u-u'

リーン・・・リーン・・・

弓「ああ、そうか・・・ちょっと眠って・・・って、もう夜か・・・」
剣士「俺と魔術師は治療を受けた・・・から、大丈夫」
弓「!魔術師も無事だったか・・・良かった・・・」
剣士「・・・ああ」

弓「・・・」
剣士「・・・」

弓「・・・まて・・・」
剣士「・・・」
弓「・・・女は・・・?」
剣士「・・・ああ・・・女は・・・」

リーン・・・リーン・・・

魔術師「・・・すー・・・すー・・・」
助手「・・・よし・・・替えの包帯はこれでオッケー・・・っと・・・」

魔術師「すー・・・すー・・・」
助手「あとは添え木を・・・位置をちゃんと直して・・・」
女「・・・」ソロリ、ソロリ

助手「えーっと、これをこうして・・・」

パシャッ

助手「・・・?」

・・・

助手「・・・今何か・・・光ったような・・・」
魔術師「すー・・・すー・・・女・・・さん・・・」

女「へっへっへ、撮っちゃ駄目だと言われても、撮りたくなるってのが人の笑顔なんですねぇ・・・」

ジィィ・・・カショッ

女「・・・うん、良い寝顔・・・美女の寝顔はなかなか、様になるもんで・・・」
弓「おい」
女「!!!」ビクッ

弓「・・・なんだこれ」ヒョイ
女「あ、弓の旦那、それは私の宝物・・・」

ビリビリ

女「あー!なんてことを!」
弓「・・・」
女「旦那何してくれるんすか!焼き付け式のカメラに焼き増しは・・・!」

ギュッ

女「・・・え」
弓「・・・」

さすが母上、インターセプトの鋭さは家族一だ

絵は今のうちにでもサラッと載せてしまえや
見たいし

女「・・・・旦那」
弓「・・・馬鹿・・・お前な・・・」
女「・・・ジャーマン・・・」
弓「ちげえよ・・・」

弓「・・・実際・・・心配・・・したんだからな」
女「え・・・でも私・・・別にそんな、怪我してないし・・・」
弓「うるせえ・・・こっちが勝手に心配してんだよ」
女「勝手な」
弓「ああ・・・勝手だよ」

弓「勝手に見限って・・・突き放して・・・嫉妬して・・・勝手だよ」
弓「ここまでくりゃ、開き直って・・・こうもできるってことなんだよ」

ギュッ

女「!」ズキン
弓「・・・?」
女「あだだだ・・・」
弓「お・・・女・・・?」
女「あ~・・・そうでしたわ・・・アバラ折れてた・・・」
弓「折れてたってオイ」
女「やっぱダメですわ・・・ちょっとお医者さんに診てもらお・・・」ズッ…ズッ…

弓「・・・」

女「旦那おやすみー」

弓「・・・ああ・・・うん・・・」

ttp://drillzip.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/src/gue5339.jpg
>そっちの茶髪の女が重傷だ、骨折、大量失血
ここ見て茶髪にしたがやはり黒髪なのか

>>771
俺のイメージとは正反対だった

リーン・・・リーン・・・
男「・・・ふー」ボスッ

紅衣「お疲れ様です」
男「ああ・・・本当ですよ・・・」
紅衣「ランクAA、しかも討伐3連続の任務・・・一人でできる事ではありません」
男「いえいえ・・・みなさんの協力があってこそ、ですよ・・・」
紅衣「・・・ふふふ」

リーン・・・リーン・・・

紅衣「・・・ところで男さん・・・」
男「んー、はい、なんでしょうか」
紅衣「女さんについて調べたのですが・・・」
男「・・・!」

紅衣「過去任務従事回数はなんと4回・・・ライセンスも中級者のレッド、でしたね、見ましたけど」
男「・・・あー・・・」
紅衣「・・・ふふ」

紅衣「でも男さん、これは“手違い”なんです」
男「・・・?」
紅衣「彼女の業績を見直してください・・・ほら、この任務従事回数とカードライセンスの項目」
男「手違い・・・見直し・・・?何を言って・・・」

男「・・・」
紅衣「ね?」
男「・・・随分と・・・下手な字ですね・・・任務従事回数400回、ライセンスが“レッド”改め“クリムゾン”・・・400の丸が潰れてますよ」
紅衣「ふふ、何故でしょう?後で記帳担当者を叱りますか?」
男「・・・・ははは、別に・・・いいですよ・・・」

ナイフを使ったり、いきなりカメラを持ち出したり、そのくせ高く跳んだり・・・よくわからん女だ。

言動はどこか軽っぽいし、礼儀はなってないし・・・。

最初は思ったよ、“ああ、この班終わったな”って。


でも一緒に仕事をしていくうちに、段々と・・・彼女に対する気持ちが、変わっていったというか。

なんていうか。


・・・俺は弓だからな。

これ以上他人を褒めると、嫉妬して、どうにもならなくなっちまう。

だから今はこれだけでいい。

“よくわからん女”。


・・・それだけでいい。

助手「でも医師さん、すごいですよねー」ゴリゴリ
医師「はい、何がでしょうか」

助手「普通、あんなに重症を負った人なら・・・完治に結構かかりますよねー」
医師「女さんですか?そうですね、普通なら3、4ヶ月は・・・」
助手「それどころか3、4日も待たずに退院しようとしてますからね、驚きですよ」ゴリゴリ
医師「・・・治りが早いのでしょう」
助手「それで片付けるんですか・・・」ゴリゴリ

医師「それよりも助手さん、魔術師さんの具合を確認してきてください・・・彼女が一番“心配”ですから」
助手「あはは・・・はい・・・女さんも心配してあげてください・・・」

ガチャ

助手「魔術師さーん、具合は・・・」
助手「・・・ん?こっちは女さんの部屋・・・ドアが空いて・・・」

助手「・・・女さん・・・いないし」

タッタッタッタッタッ・・・・

足音が聞こえる。
新しい時代に追いつこうと、急ぐ足音だ。

タッタッタッタッタッ・・・・

新しい時代は眠っても、休んでも、こちらに向ってきやしない。

タッタッタッタッタッ・・・・

だから彼女は、今日も町の屋根を駆け、新しい何かを探し求めている。

ナイフはなくしてしまったが、サイフの中にはたんまりと詰められた大量の紙幣。
これでこの先、また出稼ぎに出ることもないだろう。

しばらくは追い求める事に専念できる。

でも、

女「(・・・・また、いつか・・・!)」

出稼ぎも悪くは無い。
たまに違うことをしてみるのも悪くはない。
そんなことを考えながらも、彼女は今日も、出来事を撮り続ける。


女「・・・・はい、笑ってー・・・」

パシャッ


弓「・・・」ボー


魔術師「弓さん!次は隣の国ですよ、早く」

弓「あ、ああ・・・おう」

剣士「盗賊の巣窟か・・・また厄介なものを」

魔術師「えへへ、さあ、いきましょう!早く早く!復活記念ですから!」

弓「お、引っ張るなって・・・」



ジィィィ……カショッ


おわり

(´・ω・`)やあ

「また」なんだ、すまない

最高に乙

やたら文字数と全角・が多いSSでしたが、
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
ちぃとばかし、夢見がちな話ではございましたが、夢を夢なりに、楽しんでいただけたなら幸いですわ。

(´・ω・`)さあ、好きな調味料と注文を聞こうか

ジェミニの伏線は・・

>>824
http://imepita.jp/20090927/741220

久々に長いの書いたなぁ

クレイジーソルト

遅くなったけど絵良いな
また違ったイメージが沸いてくるわ

こういう絵を描く人増えりゃいいのにな
描かれて書く気なくす奴はいないだろうし
イメージがどうたらとかどうでもいいから増えてほしい

二番煎じだが許してくれ
http://kissho.xii.jp/1/src/1jyou92398.png

>>1
第二部楽しみにしている

>>850 オゥ、プリティー・・・

二番煎じとか関係ないだろう
全部新茶だ番茶だ

>>23 の言うとおり、終わったら謎の保守がはじまるのですよ

まぁ確かにめげない根性はいるな

でもそれは次第に、叩いてる方も意味無く叩いてるって学習していくことにすぎなくて、それで心が動かない っていうことに過ぎない
つまりはただの慣れだな

だからまぁ、書けばいいということだよ

保守するくらいなら何か書きなさいよ。

>>858 質疑応答でもしようか
何か気になる事があれば懇切丁寧に答えよう

セーイ

>>860
二期はいつですか?

二年前の事件はジェミニ関連ですでに描かれてる?

>>862
ハンターハンター新刊出たら書く

>>864
いいや、まだ
2年前は「嫌な事件だったね…」

>>865
前に書いたのがおいてあるまとめサイトない?

>>865
じゃあ今から原稿描くから書き溜めしとけ

>>866
http://blog.m.livedoor.jp/minnanohimatubushi/list.cgi?sss=0d3d1d9ac7bbf1cf46a0006c7abc6716
みんなの暇つぶし
大体ある

>>867
冨樫お前俺はもう1年くらい待ってるんだが

こしょう(笑)



すんげー楽しかったw
次も書いてくれよ

女何者とかそういうの聞いていい・・・?

>>871
ありがとう!!でもそのこしょうの後についている(笑)ってなんなのかなちょっと放課後体育館裏でジェミニが待ってます

>>872
記者

このスレも>>866のサイトに載せてくれるよな?

質問を変えよう
モアってどういう組織?

サスケ終わるまで保守しといてくれる?

>>874
どうだろうな、運だ
いつか載るだろう、なにせそこにあるのは全て 自 薦 だからな、ははは

>>875
モアはおそらく世界最大の新聞社
火国首都に本社を置く

>>876
見ながら保守する

>>878
それは読んでりゃ判るが…まぁいいかww
また見かけたら読みに来るぜー

管野なんか今神業見せたぞ

>>880 他の新聞社と競争が激しいので
特に、1面を飾るような特ダネをとれるかどうかは社の命に関わる
とだけ言っておこう

サスケはらはらしてみてられんわ

みんなニキニキいってるけど

ニキで何書くんだよ

こんなんだが許してくれ
ttp://momizi.xrea.jp/src/vip114555.jpg


百角獣「手帳でようやく名前が出るとか…ないわ……」
隻眼「なんだよ俺…実質一撃で殺されてるじゃねーか…」
奏翼竜「お前はまだ良いよ…俺なんか“誰に殺されるか”の次元だぞ…」

>>889 個人的に髪がジャストフェイバリットオブザイヤー2605

実際二期とか新しい人読めずに誰特

どっかにジェミニのヤツのまとめあったよな?
あれ張ってくれ

>>893 どこのことだ

http://imepita.jp/20090927/784970

ナイフはまたどっかの一番で安売りしてるのを買うだろうな

女はホワイトラビットのARMS適合者だからなぁ

>>895
知らん
どっかで見た

>>899
兎「(´・ω・`)力が欲しいか」
女「(キュン」

>>900
みんなの暇つぶし ってとこに全部ある

http://imepita.jp/20090927/794320

口内炎治らないかな

蟲・・・?

はー眠い眠い

中二最高

>>1あんた歳いくつだよw

>>916 中二歴5年さ

FAUCHON

【名前】女
【性別】女
【年齢】21
【職業】記者(兼傭兵)
【身長】普通
【体重】不明
【性格】明るいけど空気が読めない
【特徴】傭兵の時と記者の時では服装が違う、喋り方も微妙に違う
【備考】謎が多いがとりあえず体は丈夫

【名前】弓
【性別】男
【年齢】女に近いか少し上
【職業】傭兵・弓使い
【身長】平均よりやや高め
【体重】普通
【性格】若干内気で、他人と相容れない難しい感じの性格
【特徴】弩弓を0.8秒間に1発放てるレベルの弓の名手。一発の威力も魔力を帯びるため高いが銃には勝てねーよ。
【備考】魔術師の事を微妙に気にしてたくせにこいつなめてんのかすけこましが

【名前】魔術師
【性別】女
【年齢】さりげなく25以上
【職業】傭兵・魔道士
【身長】低い
【体重】教えない
【性格】周りへの気配りがよくでき、しっかりしている。傭兵なのでお金についてもしっかりしているし貪欲。
【特徴】力は弱いけど魔術のスキルはかなりのレベルなのでPT狩りの際には範囲攻撃を乱発してくれて経験値がおいしい。絶対に弓よりは強い。
【備考】戦闘面では活躍や動きがあったけど、話の面でもっと何かあってよかったなと思っている

弓と女のシーンは今年一番のwktkだった
もちろんあの4人でパーティー組んでるんだよな?




な?

【名前】剣士
【性別】グラニュー糖のグラニューってなんだよ
【年齢】弓と同じくらい
【職業】傭兵・長剣使い
【身長】高い
【体重】わからない
【性格】クールでしっかりしてて恥ずかしがり屋
【特徴】長い黒髪の剣士。傭兵は今のご時世、高ランクともなれば魔術くらい使えないとやってけないが、肉体強化しながら剣一筋で頑張っている。
【備考】満を持して盛り上がるセリフがブツブツなリーダーってどうなんだよ、頑張れよ

【名前】男
【性別】男
【年齢】30くらいか
【職業】ギルド員
【身長】普通
【体重】普通
【性格】手を抜いてるように見えてしっかりやってる、傍目にはむかつくタイプ。仕事に対する責任感は強いので良い人ではあるが、若干出世欲が上回るか
【特徴】赤い制服を着たギルドの役員。ギルドのイメージカラーが紅なので仕方ない
【備考】女に対して男と、なんだか重要そうな名前がついてるけどそうでもないよね

>>925 えっ

あれもそいや1000か
懐かしい、約10ヶ月前だな

朝学校で書いて一番に出せよ

俺はいつもそうやって学期末にまとめて提出してる

さっさと埋めて1000にしようか?

>>933 旦那、そいつぁ“粋”じゃあないですぜ

おいおいマジか しかし急ぐことかなそれ

まぁ埋めるって言い方はアレだけど何か話ゃ良いだろう

ん?


赤い制服のギルドの男が山に逃げる話書いた?

>>939 書いたよ
ちょっと前くらいか

ギルド員の男が仕事に不満もって山に登って毒の龍とか神主?とか新種の毒とか
関係してたりする?

>>941 実はそれは2年前の話である
この話に直接関係は無いし、男は同一人物ではない
同じギルドだけど地域も地位も違う

>>942
そうなのかてっきり同一人物かとおもってた
記者と今回の女は同一人物なのか?

>>943 同一人物

相変わらずの跳躍力

>>940
あれって途中で落ちた?

>>945 いいや、完結した
短い話だったけどね

ねむー

今回は微妙に文字量が多いな

書き方が行詰めだから、かなり読みにくかったと思う

みんなの暇つぶし

作者別

ジェミニ◆

全部

そろそろ終了か

次は何かくべかな

粋なもんが書けないもんでさ
すいませんな

塩茹でピーとかただの煮豆じゃん
微妙な甘さと個体によって異なる軟らかさがもうだめだ

>>944
記者っていつ出てたっけか?
ギルドのやつは術者ど男と上司と客しか覚えてない

>>960 新年明けて少し後くらいに書いたSSだからなぁ

・・・←これか

スレタイでググればまとめサイトに載ってるな
早いお仕事だ

言うのは良いよ
きかん坊ですがよ

眠いよ 夜だし
寝落ちするまで携帯でサイトめぐり

うーん、なんとなく高級感

キャラ設定に「しっかり」が多いな
小学校の今週の目標とかみたいだ

案外早く書いたり出会ったりすることがある

その時はクソスレハズレSSかもしれないね

>>972 語彙がなぁ
しっかりした文章を書きたいわ

縦読みかと思ったけど頑張れ

うーむ、文の癖を直すのは難しい
ただの台本だけどね 今回擬音多すぎだわ

ギルドあるような世界って憧れる
行ってみたい

>>982
行ってジェミニは何をするのかね?

なんという記憶力

ジェミニは向こうでテニスをしています

弓の無力加減どうにかしてくれ
毒強すぎて最後が無ければ無用キャラと化すところだったぞ

ジェミニのことも好きだが、個人的には噴火に巻き込まれて
死んでしまった少年と少女が気になる

>>984 とりあえず晩年には体を機械にしてもらうわ
物価安いから適当に働きながら過ごして、朝は市場でぶらぶら、昼は河釣り、夜は酒飲んでぐっすり

>>988 まぁ、そういう性格だから仕方ないな
個性はどうしようもない

>>989 しんじまったら次何かの拍子に奇跡的に生まれかわるくらいしかないな

女「終わりが近付いていますな。
 まぁ二日程度の付き合い、されど二日、腹の減る二日でございましたが、楽しかったですよ。
 また今度いつか、近いうちに会えると良いですね?
 では、またいつか・・・謎来たる日まで!」

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