にこ「厳密には違うわ、
SAO(ソードアートオンライン)の後継VRMMORPG、ALO(アルヴヘイムオンライン)で
ラブライブのエキシビジョンライブが開かれるの」
海未「VRMMO……RPG……?RPGということは、テレビゲームでしょうか?」
凛「ゲームの中でライブ?ちょっとよくわからないにゃー」
花陽「花陽が説明します!」
希「おっと、意外な人が出てきたね」
花陽「普通のゲームはテレビに向かってコントローラーを持って遊ぶんですがこれは違うんです!
頭に特殊なゲーム機を被り、視覚・聴覚・触覚といった五感に直接信号を送り込み、
自分があたかも異世界に入り込んでしまったかのような感覚で遊べるすごいゲームなんです」
ことり「花陽ちゃんがアイドル以外のことも話せたなんて……」
花陽「いえ、この前、A-RISEがゲーム内ライブを開催したので、それでちょっと……」
絵里「そういうことだったの」
真姫「でもなんでわざわざゲーム内でライブを?」
ふぅ
にこ「これからの時代のアイドルは、みんなに身近な存在であれるアイドルよ!」
花陽「そうです。スクールアイドルも地域の方に身近な存在ではありますが、
このゲームのおかげで、インターネットを通じて遠くの方とも触れ合うことが出来るんです!」
にこ「そして今回、その可能性を見越して、ラブライブのエキシビジョンライブが
開催されることになったの!今、全国から参加グループを募集している所よ」
穂乃果「よし、参加しよう!」
ことり「穂乃果ちゃん!?」
凛「決めるの早すぎないかにゃ?」
海未「そうです。私、さっきから気になっていたのですが、SAOというのは……」
えっ、なんでIDかぶってんの
絵里「3年前に、ゲーム内に閉じ込められたと大事件になった、あれね。」
海未「はい。そして1年前に閉じ込められた人たちは開放されましたが沢山の方が亡くなられて……」
穂乃果「え、そうなの!?」
海未「穂乃果も少しはニュースを見なさい」
希「でも、うちは参加に賛成よ?」
絵里「ちょっと、希!?」
希「その事件を経て、強固な安全策が取られたんやろ?」
海未「確かにそうではありますが……」
希「それにうち、一度空を飛んでみたかったんやねん」
真姫「空を……」
ことり「と(・8・)ぶ?」
にこ「希も知っていたのね、そう、ALOはプレイヤーが妖精になって
自由に空を飛ぶことができるゲームなのよ!」
穂乃果「すごいすごい!穂乃果決めた!絶対にみんなで参加しよう!」
絵里「うーん確かに、悪くはないわ、ね」
海未「でも穂乃果、一体ゲーム機はどうするんです?」
花陽「結構なお値段で花陽には……ううー、A-RISEのライブ見たかったなぁ……」
穂乃果「真姫ちゃーん?」チラッ
真姫「な、なによ……」
ことり「だめだよ?合宿の時もお世話になったのに、また、だなんて」
穂乃果「じゃあことりちゃん!今度こそお金貸して!」
ことり「えっ!?」
海未「駄目です穂乃果」
穂乃果「そんなぁー」
真姫「……無理、じゃないかも」
穂乃果「ほぇ?」
真姫「無理じゃないかも、って言ったのよ」
真姫「私の家、病院やってるでしょ?」
海未「確かにそうですが、それがどう関係しているんです?」
真姫「病院でも、そのゲーム機、使うのよ」
ことり「?」
真姫「そのゲーム機って、直接脳に信号を送り込むシロモノでしょ?」
真姫「逆に言えば、現実の感覚をカット出来る。患者の痛みを和らげるためにも使えるのよ」
海未「なるほど……」
真姫「古くなって使わなくなったものが有ったはずだから、それを借りてみるわ」
穂乃果「さっすが真姫ちゃん!真姫ちゃんだーいすき!」ギュッ
にこ「なっ!?」
真姫「なんで急に抱きついてくるのよ、イミワカンナイ」
古いやつだと…
真姫「それに、そのALOというゲームソフトは無いわ」
希「ソフトは各自買いなさい、ということやね」
ことり「穂乃果ちゃん、お金、足りる?」
穂乃果「い、いろいろ我慢すれば……」
海未「他の皆も、自腹という形になりますが大丈夫ですか?」
にこ「ライブ出場のためならなんとかするわよ」
絵里「それでは、参加申し込みをするわ。ライブは10日後みたいね」
穂乃果「明日から、ゲームの世界の中で練習ね!」
IDかぶってた(´・ω・`)
翌日
真姫「はい、これで9人分よ」
花陽「ほえぇ……これが……」
穂乃果「よーし!じゃあ早速始めよう!」
真姫「ちょっと待って」
穂乃果「えー」
真姫「ゲームを起動して仮想世界にダイブすると、現実の身体は睡眠に近い状態になるわ」
絵里「九人がここでみんなして眠っているのを誰かに見られるのは……」
凛「ちょっと面倒だにゃー」
海未「でも、ライブ参加にあたって学校の許可は得ているのでしょう?」
絵里「もちろん取ったわ。だからそれで怒られるということはないでしょうけど」
希「リラックスできる状態でダイブした方が、向こうの世界で動きやすいいうし」
穂乃果「わかった!みんな直ちに下校!家についたらすぐにゲームを起動!」
海未「ゲームのスタート地点の場所で待ち合わせですね」
・・・
凛「かよちん、また後でだにゃー」
花陽「さよなら、凛ちゃん」
花陽「ただいまー」
花陽「ゲーム機……と、これを被って……」
花陽「リンクスタートって言えば……言っちゃったぁ!」
Touch...OK
Sight...OK
…
Welcome to ALFHEIM ONLINE !!
花陽「うう……ここは……真っ暗……」
ID、パスワードを入力して下さい
花陽「ぴゃぁ!?」
ID、パスワードを入力して下さい
花陽「びっくりした……ただのアナウンスでした」
花陽「ええっと……?新規登録を選べばいいのかな……?」
花陽「押してぽちり……と」
花陽「スクールアイドル登録?これを選べばいいのかな?」
スクールアイドル登録では、キャラクターネーム、顔、声などは
現実のものを利用することになります。よろしいですか?
花陽「は、はい」
スキャン中……
……完了しました
次に種族を決めて下さい
花陽「わわぁ……たくさんある……」
花陽「サラマンダー……ウンディーネ……ケットシー……」
花陽「あ……これいいかも……」
種族『シルフ』でよろしいですか?
花陽「はい、これでお願いします」
それではシルフの街『スイルベーン』へ転送します。
Good Luck !!
花陽「ここは……空?」
花陽「どんどん高度が落ちていく……」
花陽「あ、光がたくさん……、あそこに街があるのかなぁ……」
花陽「お城が見えてきた……」
花陽「……」スタット
花陽「ここがアルヴヘイムオンラインかぁ……きれいな街……」
・・・
花陽「うぅ……」
花陽「なんで誰も来ないのぉ!?」
花陽「……」
???「どうしたの?」
とりつけてくれてよかった
参加できるわ
生贄とか言っちゃいけない
花陽「あ、あなたは……?」
???「あたしはリーファよ」
リーファ「あなた、その格好だと、このゲーム始めたばかり?」
花陽「はい……」
リーファ「何か困ったことでもあったの?」
リーファ「あたしこう見えても結構このゲーム長いから、何か手伝うよ?」
花陽「その……友達と一緒にこのゲームを始めて……」
花陽「スタート地点で待ち合わせしよう、って決めたんですけど……」
リーファ「あー、このゲーム、種族によってスタート地点が違うから……」
リーファ「一回ログアウトして確認を取ったほうがいいかも」
リーファ「あ、でも聞かせて?その友達が選びそうな種族って分からないかな?」
リーファ「知り合いにメッセージ送って、そういう人が居ないか聞いてみるから」
花陽「その……8人居るんです」
リーファ「は、はちにん!?」
リーファ「それはちょっと大変ね……ええと、あなた、なんて呼べばいいかしら?」
花陽「あ、ごめんなさい、私、花陽って言います」
リーファ「花陽さん。んー、しっくり来ないなぁ。花陽ちゃんで良い?」
花陽「は、はい」
リーファ「よろしくね、花陽ちゃん。それで、ちょっとあたしの話を聞いて」
リーファ「このゲームには9つの種族があって、それぞれが領土を持っているの」
リーファ「だから、今、花陽ちゃんの友達たちは、この世界のあちこちに……
……最悪、全員が別の場所に居る可能性があるわ」
リーファ「この世界は結構広いから、端から端まで行くのには相当な時間がかかってしまう」
リーファ「だから、9人全員が集まるには、世界の中心へ行くのがいいと思うの」
花陽「世界の……中心……」
リーファ「そう。空を見上げてみて?」
花陽「……?」
リーファ「えーと今は……あのあたり、黒い何かが浮いてない?」
花陽「あ、ありました」
リーファ「あれは浮遊城アインクラッド」
花陽「あれがお城なんですか……」
リーファ「お城というよりはもう、空飛ぶ大陸みたいなものね」
リーファ「昔は世界樹が世界の中心だったんだけど、今はこっちにみんな集まるわ」
リーファ「他の友達たちも、この状況になったら絶対そこへ向かうと思うの」
花陽「分かりました。ありがとうございます。でも、どうやって……?」
リーファ「それはもちろん、『飛ぶ』のよ」
花陽「あ……聞いたことあります。このゲームでは飛ぶことができるって……」
花陽「でもどうやって……?」
リーファ「あたし達の背中に羽根が生えてるでしょ?」
花陽「(キョロキョロ)背中、よく見えないんですけれど、花陽にも生えてますか?」
リーファ「もちろんよ。そして飛ぶ方法は2種類あるわ」
リーファ「左手をこうやると補助コントローラーが出てきて……ほら、飛べる」
花陽「こう……ですか? あ、コントローラー出ました」
リーファ「そうよ、でも今は室内だから飛ばないでね」
リーファ「そしてもう一つが……、随意飛行」
リーファ「羽根だってこの世界では身体の一部なの」
リーファ「だから、自分の手足を動かすのと同じように動かせば……」
花陽「うーん……」プルプル 「動かないです……」
リーファ「現実には無い身体の部位だからね、コツを掴まないと難しいのよ」
花陽「そうですか……」ショボン
リーファ「さて、そろそろアインクラッドが近づいてくる時間だわ、急いで飛ぶ準備をしなきゃ」
花陽「あのお城、動いてるんですか?」
リーファ「そうよ、この世界の上空で周回軌道を取っているの」
リーファ「近い時に飛べば、より簡単にたどり着けるってワケ」
リーファ「だから、外に出るわよ!」
花陽「はい……!」
・・・
リーファ「それじゃ、補助コントローラーの操作方法なんだけど……」
花陽「ぁ、ぁの……」
リーファ「このスティックを手前に引くと上昇して……」
花陽「あ、あの……!」
花陽「随意飛行に1回だけ挑戦させて下さい!」
リーファ「!!」
リーファ「あなた、思ったより根性あるみたいね、気に入ったわ」
リーファ「でも、どうして?」
花陽「花陽、スクールアイドルやってるんです」
リーファ「スクール……アイドル……?」
花陽「今度、このアルヴヘイムで皆さんの前でライブをやることになってて」
リーファ「そういえばこの前、そういった人たちがライブを開いてたわね」
花陽「穂乃果ちゃんなら……見てくれるみんなを最高の笑顔にするために……」
花陽「絶対、ダンスの振り付けに、飛行することも織り交ぜてくると思うの。だから……」
リーファ「確かにコントローラー使っていたら、踊りながら空を飛ぶなんて無理ね」
リーファ「分かったわ。花陽ちゃん、ちょっと向こうを向いてくれる?」
花陽「はい……」
花陽「ひゃぅ!?」
リーファ「今、背中の……肩甲骨の上辺りをつついてるの、わかる?」チョンチョン
花陽「は、はい。わかります、でもどうして……?」
リーファ「いいからちょっと意識を集中してて」
リーファ「今度はもうちょっと下の方をつついてるわ、どこを触ってるか分かる?」
花陽「はい……」
リーファ「じゃあ、ここは?」
花陽「あれ……?触られてるのは分かるのに……、どこを触られてるのか分からない……」
リーファ「今つついているここが『羽根』よ」
リーファ「あなたは、ここを動かすための神経回路を作らなきゃいけないの」
花陽「う、うーん……」ヒクヒク
リーファ「はじめは肩全体をゆっくり動かす感じで、次第に羽根の振動速度を上げていって……」
花陽「んんー……!あっ」ブゥーン
リーファ「すごい!そのまま地面を蹴って飛ぶの!」
花陽「はい!」シュタッ
リーファ「すごいスピード……」
リーファ「……じゃない、あたしも飛んで追いかけないと!」
・・・
花陽「はわわわわ……!」
リーファ「花陽ちゃん!ちゃんと前を見て!」
花陽「はい!……花陽、飛んじゃってるのぉ!?」
リーファ「そう!すごいよ!一発で随意飛行しちゃうんだもん!」
花陽(花陽にも……ちゃんと出来たんだ……!)
リーファ「えーと、アインクラッドの方向は……よし」
リーファ「このままずっと斜め上にまっすぐ飛び続けるわよ!」
・・・
花陽「これが……アインクラッド……」
花陽「地上から見た時とは全然違う……こんなに大きかったんだ……」
リーファ「なんてったって、元々はSAOのフィールドだったからね」
リーファ「100にもわたる大地が積み重なって、できているのよ」
花陽「へぇ……でもそんなに広いんじゃ、やっぱりみんなを探すのは大変なんじゃ……」
リーファ「大丈夫よ、第一層『はじまりの街』……」
リーファ「そのゲート前がこのゲーム中随一の待ち合わせスポットなの」
リーファ「……そろそろね、速度を落として、進行方向を大きく下に曲げて」
花陽「えっと……」
花陽「その……」
リーファ「花陽ちゃん……?もしかして……」
花陽「止まり方が……」
リーファ「落ち着いて、こういう時は補助コントローラー操作に切り替えて」
花陽「は、はい……ぴゃぁ!?」ビュン
リーファ「スティック押し込んじゃダメ、もっと加速しちゃう!」
花陽「きゃあああぁぁぁぁぁぁ」
リーファ「このあたしが追いつけないスピードだなんて……」
リーファ「……じゃない、早く追いかけて探さないと!」
・・・
花陽「だれかとめてー……」
ぽふん!
花陽「いたたた……くない」
花陽「ここは……森?」
花陽「リーファちゃん、いらっしゃいますかぁ!?」
花陽「……」
花陽「またひとりになっちゃいました……」
花陽「?……この地面、なかなか手触りがいいです……」
クマ「グルルル……」
花陽「アルパカさんほどじゃないですけど、いつまでももふもふできそう……」
クマ「ガバァ!」
花陽「きゃっ!……お昼寝中のクマさんのお腹だったんですね……」
クマ「ガァォン」パァンチ
花陽「きゃぁっ!」
花陽「けっして花陽、クマさんのお昼寝の邪魔をするつもりじゃ……」
クマ「グルルォオン!」ツカミ
花陽「は、離して、許してくださいー」
クマ「ウゥ……」ギュゥゥゥ
花陽「……」
花陽「 だ れ か た す け て ー !」
花陽「……」
花陽「も、もうダメ……」
??「単発突進撃!『レイジスパイク』!」
クマ「ガァォン!?」ダメージ
花陽「きゃっ!」シリモチ
??「続けて『スラント』!にゃ!」
クマ「ギャオォォン」
花陽「あの人は……、耳に……尻尾……?」
クマ「グルルル……ガォン」パンチ
??「にゃ!」ステップ
??「ジャンプにゃ!くるくるくるーっと!」
??「垂直四連撃!『バーチカル・スクエア』にゃぁ!」
クマ「ギォン、グォン、ゲォン!」HP62%…39%…21%…9%…
クマ「……ゴォォオン!」HP0%…パリーン
花陽「クマが……消えた……」
リーファ「花陽ちゃん……どこいったんだろ……」
\ゴォォオン!/
リーファ「この音は……?行ってみましょ!」
・・・
リーファ「見つけた!」
花陽「あ……」
リーファ「大丈夫だった?……えっと、そっちのケットシーさんは……?」
??「にゃ?」
花陽「凛ちゃん……だよね……?」
??「……かよ……ちん……」
凛「やっぱりかよちんだったにゃー!!」ギュゥゥ
花陽「り、凛ちゃぁん!」
凛「かよちんかよちんかよちーん!」
リーファ「えっと……?その人が探してたお友達……?」
花陽「はい……、μ'sの仲間で……、そして小さい時からの大切なお友達です」
凛「凛っていいます。よろしくなのにゃ」
リーファ「あたしはリーファよ」
リーファ「でもこんな辺境の森のフィールドで合流できるだなんて……」
花陽「そうです……。凛ちゃん、どうしてここに?」
凛「えっとねー。空を飛べるようになったから、とりあえず高い所までびゅーんって飛んでみたの」
凛「そしたらね、かよちんが大変な事になってる、って気がして……」
花陽「凛ちゃん……」
リーファ「強い絆で結ばれてるのね……」
花陽「その耳と尻尾は?」
凛「ケットシーって種族を選んだらこうなったにゃー」
花陽「じゃあ、さっきのすごい戦いっぷりは……?」
凛「あれにゃ?ソードスキルにゃ」
花陽「そうじゃなくて、どこで教わったの?」
凛「真っ黒な服着た人が教えてくれたにゃ。その人に飛び方も教わったにゃ」
リーファ「……」
花陽「へぇぇ。凛ちゃん、すごくカッコ良かったよ」
凛「ちょっと照れるにゃー」
【第1層:はじまりの街:ゲート前】
海未「本当にここで大丈夫なんでしょうか……」
アスナ「きっと大丈夫よ、海未。どう、ユイちゃん?」
ユイ「μ'sのメンバーと思われし、作りたてのPCが8人……続々とこの座標に接近中です」
海未「だといいのですが……」
??「あれ、海未ちゃんやない?」
??「あ、本当ね、海未だわ」
海未「!……絵里……それに、希……!」
希「やっぱり、カードの言った通りや、『みんなここに集まる』って」
絵里「海未……よかった。……まだあなた一人だけなの?」
海未「μ'sのメンバーは、そうね。でも……」
海未「この方たちが助けてくれたんです」
アスナ「ウンディーネのアスナです」
ユイ「ナビゲーションピクシーのユイと申します」
絵里「ナビゲーションピクシー?」
アスナ「え、ええ。一応、ゲームの進行をサポートしてくれるAIです」
ユイ「なのです!」
希「このちっこいのがAIねえ……なかなかスピリチュアルやな、つんつん」
ユイ「ぷにぷにしないでくださいー」
海未「これであと6人です。穂乃果たちは大丈夫でしょうか……」
希「そろそろお腹が空いてくるなあ」
絵里「ちょっと、希!」
ユイ「うーん」キョロキョロ
アスナ「……あ、リーファちゃん!……にもう二人!?」
凛「みんな発見にゃー!」
花陽「よかったぁ……」
リーファ「アスナさん!」
アスナ「リーファちゃんが連れてきてくれたの?」
リーファ「成り行き上、そういうことになりますね。それにアスナさんこそ」
希「これで5人集まったちゅう訳や」
絵里「残りは、穂乃果、ことり、にこ、真姫、ね」
・・・
にこ「おーい、みんなー!」
真姫「そんなに大きい声出さなくても聞こえてるわよ。ふう、ようやく着いたみたいね」
海未「あ!にこに真姫……二人で来たんですか?」
真姫「べ、別に私は一人でも大丈夫だったんだけど……」
真姫「煙とナントカは高い所に登りたがるって法則から、すぐににこちゃんを見つけたの」
にこ「ちょっと真姫ちゃーん。にこはちゃんと『みんなここに集まる』って推理して上へ向かったのよ」
凛「……にゃ?」
海未「あとは穂乃果とことりですね……」
リーファ「あ、あっちにクラインさんが!」
クライン「おう、丁度良かった、ちょっと迷子の子猫ちゃんが」
ことり「子猫じゃなくてことりです」
アスナ「こっちもキリト君発見!」
キリト「げ、アスナ……」
穂乃果「やっほー!穂乃果も居るよー!」
アスナ「キリトくぅん?どうして私の知らない女の子を連れて歩いてるのかなぁ?」
キリト「い、いや、困ってる人が居たら助けなきゃ……な」
穂乃果「あの、確かに穂乃果、助かっちゃいました!」
キリト「それに、クラインだって同じことしてるじゃないか!」
クライン「な……!キリトの癖に言いやがるぜ!」
凛「あ、さっき色々教えてくれた黒い人だにゃー」
キリト「……げっ」
クライン「キリトよぅ……お前、もしかして……」
ユイ「この短時間に、二回も浮気してたことになりますね」
リーファ「全く、うちの男どもは……」
海未「アスナ、もしかして、全員知り合いなのですか?」
アスナ「恥ずかしながら、そういうことになるわね……」
絵里「アスナさんでしたっけ……?」
アスナ「はい」
絵里「お陰様で、μ'sの9人が無事に揃うことが出来ました」
ことり「ありがとうございました」
アスナ「いえいえ。……海未から聞いたんですけど、貴方たちアイドル活動やってるんですって?」
穂乃果「9日後にライブやるんだー」
リーファ「絶対見に行きます!」
花陽「ありがとう、リーファちゃん」
クライン「俺たちも見に行くよなぁ?キリト」
キリト「お、俺は別に……」
アスナ「キリト君、せっかくだから見に行かなきゃ」
凛「全力で頑張るから楽しみにしててほしいのにゃー」
穂乃果「うん!だから絶対見に来てね!」
海未「本当にお世話になりました」
アスナ「ちょっと待って!せっかく知り合えたんだし、うちでご飯食べて行かない?」
海未「そんな、アスナの家ですか……?ちょっとこの人数は図々しいといいますか……」
アスナ「家といっても、ゲーム内の家よ。それに食べると言ってもアイテムだから」
凛「ゲームの中にも家があるだなんてすごいのにゃー」
キリト「あの家を手に入れるのは相当苦労したからなあ」
ことり「みんなのおうちなんですか?仲がいいんですね」
希「うち、一度こっちでもご飯食べてみたかったんや」
海未「ちょっと待って下さい、そもそも私達は練習をしにここに来たんですよ?」
穂乃果「えー。海未ちゃん、いっつも練習練習ってー」
真姫「それに、こんな街中で練習するのはちょっと恥ずかしいわね」
花陽「でも街の外はモンスターが居ます……」
アスナ「それにも丁度いいわ!」
アスナ「私たちの家がある第22層は、フィールドにモンスターが出ないフロアなの」
穂乃果「海未ちゃーん、食べに行こうよー」
海未「もう、仕方ないですね……。それではお言葉に甘えさせて頂きます」
リーファ「これで決まりね!」
凛「やったにゃー」
【第22層:ログハウス前】
ことり「すてきなおうちですね」
アスナ「ふふ、ありがと」
アスナ「でも、さすがにこの人数は入りきれないから、家の前でBBQという形になるわ」
リーファ「μ'sのみなさんは、準備ができるまで待ってて下さい」
にこ「にこも料理手伝うわよ」
アスナ「ありがとう、でも、ここでの料理は料理スキルを使うから……」
花陽(こうして、花陽たちはリーファさん、アスナさんたちと楽しく準備をしました)
花陽(途中でお互いに自己紹介もしながらで、あっという間に準備は終わりました)
穂乃果「それじゃあ、いただきまーす!」
絵里「アスナの友達に会えないのは残念ね」
アスナ「リズもシリカも、学校の課題がすごいことになってるって……」
クライン「エギルもシノンも今日はダメだってさ、全く運が悪いなぁ、あいつら」
リーファ「ま、そのうち会えるでしょ!」
キリト「そもそもクライン、お前なんで平日なのに居るんだ?」
クライン「そりゃ、新たな出会いを予感して、華麗に有給取ってきたって訳よ」
海未(面白い人たちですね……)
希「肉や、肉やでー!」
真姫「希、これなんの肉か分からないわよ?」
凛「凛が倒したクマさんのお肉も入ってるにゃー」
にこ「ちょっと、なに入れてんのよ……」
リーファ「ここじゃ、モンスターの肉を食べるのが普通だから……」
キリト「当たり外れがあるから見極めが肝心だぜ」
花陽「ごはん……白いごはんは……?」
ことり「こういうファンタジーな世界には白いご飯は無いんじゃないかなあ」
花陽「そんなぁ……」
真姫「どうせ偽りの食べ物よ。ゲームの中で食べても栄養にはならないんだから」
希「だからこそ、食べ放題、ともいうんやで」
リーファ「それにしても、まさか本当に9人全員、違う種族を選んでいたとはね……」
穂乃果「じゃじゃーん!穂乃果はサラマンダー!」
キリト「そいつ、キャラクター作成時に連打してたら勝手に種族決まってたらしいぜ?」
クライン「確かにサラマンダーがカーソルのデフォルトの位置だねい」
海未「穂乃果は、もうちょっと考えて行動しなさい」
穂乃果「海未ちゃんはー?」
海未「私はウンディーネです」
アスナ「私と同じ種族よ。ウンディーネの回復魔法は強力なの」
キリト「といっても、アスナはしょっちゅう回復ほっぽりだして前線に出てくるけどな」
アスナ「ちょっとキリト君!」
クライン「事実だな」
リーファ「事実ね」
凛「凛はケットシーだにゃー!」
にこ「これは読めてたわね」
真姫「確かに、耳と尻尾は似合ってるわ」
ユイ「ケットシーはモンスターをテイムする能力に長けているんです」
凛「かよちんはー?」
花陽「花陽は……シルフです……」
リーファ「あたしとお揃いね。飛行スピードはシルフが一番よ」
にこ「ぴょんぴょこ跳ねて華麗に刺す!にこにこな可愛さでみんなを惑わせちゃうにこー!」
にこ「ちょっぴり小悪魔ガール、矢澤にこ!種族はスプリガンにこー!」
クライン「な、何なんだ、アレ……」
海未「いつもああですから、気にしないで下さい」
にこ「ちょっとー、にこのアイドル道にケチ付けないでよ」
アスナ「スプリガンは幻惑魔法が得意なのよ。キリト君もスプリガンよ。」
ことり「へー、どうしてスプリガンを選んだんですか?」
キリト(ブラックを基調としたデザインがカッコ良かったから、それだけだなんて言えない……)
ことり「……?」
アスナ「ま、まぁまぁ、キリト君にも掘り返されたくない過去があるのよ、きっと」
真姫「私はインプよ」
ユイ「インプの特徴は、暗視能力ですね。なかなか渋い選択です」
真姫(インプとスプリガンで迷ってて……もうちょっとでにこちゃんとお揃いになれたのに……)
希「うちがノームで、エリちがレプラコーンや」
絵里「ちょっと、私の台詞が無くなっちゃったじゃない」
アスナ「ノームが採掘能力で、レプラコーンが鍛冶能力、相性のいいコンビね」
希「うちら2人がしっかりバックアップするから安心するんやで」
絵里「って希、ゲームする気まんまんじゃないの?ダメよ、練習があるんだから」
希「カードが告げとる。『この能力はそのうち役に立つ』って」
にこ「あと言ってないのはー?」
ことり「ことりです。プーカやってます」
アスナ「ええっと……プーカ……どういう能力だっけ、キリト君?」
キリト「えっ?俺に振るなよ。……よく考えたら、プーカの知り合い居ないな」
リーファ「9種族中、最も人気無いわね」
ことり「え……わたし、不人気なんですか……?」ウルウル
クライン「いや、そんなことねぇよ、プーカは歌や音楽で味方の能力を強化するんだ」
クライン「アイドルやるってんなら、一番正しい選択なんじゃねぇか?」
ことり「そうなんですか!クラインさん、おかげで元気がでました」
クライン「おおぉ!この声、脳みそがとろけそうだぜぃ」
クライン「……コホン、お嬢さん、ここは一つ、メールアドレスの交換でも……」
ことり「おことわりします(はぁと)」
クライン「」ガクッ
クライン「じゃ、じゃあ、そっちのお嬢さん」
凛「凛のことかにゃ?」
クライン「さっき俺が湖で釣ってきた魚、ご一緒にどうですか?」
凛「遠慮しとくのにゃー」
クライン「」
穂乃果「あー!もう、穂乃果お腹いっぱい!」
希「うん、うちも満足♪」
海未「ごちそうさまでした」
アスナ「うふふ、楽しかったわよ」
ことり「これからもしばらく近辺でお世話になります」
リーファ「あたし、μ'sの練習風景見てみたいなー」
穂乃果「もちろん!」
海未「ようやく練習が出来るのですね」
キリト「でも今の時間見てみろよ、結構遅くなってるぜ」
花陽「まだ明るいですよ……?」
アスナ「ALOの世界では16時間で昼夜1周するのよ」
凛「時間が過ぎるのがはやすぎるにゃー」
絵里「海未、練習は明日からにした方が良いと思うの」
海未「仕方ないですね」
海未「でも、明日は土曜日!朝5時から練習を始めますよ!」
海未「ゲーム機を被るだけで、一瞬でここに来れるんですから!」
ことり「せ、せめて8時くらいからにしようよ海未ちゃん……」
・・・
花陽(こうして、ALOの世界に入って、なんとか1日が終了しました)
花陽(これからどんな素敵なことが起こるのか楽しみです)
花陽(そしてライブに向けて、しっかり練習しないと……)
凛(一緒に頑張るにゃー!)
花陽(り、凛ちゃん!?花陽の思考に入ってこないでー)
凛(にゃー)
翌日!
海未「1、2、3、4、5、6、7、8、」パンパン
海未「1、2、3、4、5、6、7、8、」パンパン
アスナ「やってるわね」
リーファ「すごい……」
海未「……7、8。はい、それでは、一度休憩!」
ことり「アスナさんたち、見に来てくれたんですね」
クライン「そりゃぁ、もちろんってもんだ」
キリト「まあ、な」
穂乃果「せっかくみんな来てくれたんだし、一曲踊ろうよー!」
絵里「こんなところで見せちゃっていいの?ライブの時の楽しみが無くなるんじゃないかしら」
穂乃果「え?ライブはもちろん別の新曲をやるんだから大丈夫!」
真姫「し、新曲ぅ?聞いてないわよ?」
ことり「真姫ちゃん、これは予測しとかないとダメだよ。私はもう衣装のデザイン考えてるんだから」
真姫「それに今までの曲だって、こっちの世界じゃどうやって流すの?」
希「そこはうちが調べといたから大丈夫や。楽曲データをアイテム化して持ってきたで」
絵里「ハ、ハラショー…、手際が良いわね……」
穂乃果「それじゃ、準備するよー!」
・・・
「ダンダン ココロ ダンダン アツク」
「ユメ イッパイ カナエテミセル」
「ダンダン ススム ダンダン ハジケル」
ことり「みーらいを しっかり 見て!」
「これからの Wonderful Rush みんなー」
「幸せに なーるためー」
「新しい 世界」
「探しに行こうよー!」
アスナ(すごい……)
リーファ(こんなにココロが動かされるだなんて……)
ユイ(人間ってすごい力を秘めているのです)
「ハイハーイ スーパージャンプ! オイェー スーパージャンプ!」
「Life is wonder !」
花陽「Wonderful Rus……!?」
花陽「きゃぁっ」シリモチ
絵里「花陽!?」
リーファ「大丈夫!?」
希「音楽ストップや」
花陽「ててて……」
花陽「ご、ごめんなさい……」
海未「こんな所で失敗してしまうなんて、やはり練習が不足していたのでしょうか」
キリト「いや、そうじゃないな」
キリト「ここは仮想空間だ。VR技術は進歩してきたが、どうしても」
キリト「現実の身体と、ここでの身体じゃ動かすときの感覚が違う」
真姫「確かに、重力が少し足りないというか、変な感じはするわね」
リーファ「あたしも最初のうちは慣れなかったわ」
アスナ「むしろ昨日始めて、これだけ踊れるのがとてもすごいことなのよ」
海未「そうなんですか、それでは慣れるためにも練習をより濃いものにしていかなくては」
キリト「そこで提案なんだが、俺たちと一緒に狩りをしないか?」
ことり「狩……り……?」
リーファ「モンスターと戦って、アイテムやスキルレベルを貯めて……」
希「ま、普通にゲームをするっちゅうことやな」
アスナ「キリト君、自分がやりたいだけなんじゃないの?」
キリト「だが戦闘は、身体全体を使うし神経も研ぎ澄まされるし慣れるには一番じゃないか?」
アスナ「まあ、そうだけど……」
穂乃果「穂乃果は賛成!」
絵里「この世界のことを知っておくのは悪いことじゃないと思うわ」
海未「分かりました。キリトさんたち、よろしくお願いします」
リーファ「じゃあ、まずは装備を整えないと……」
希「エリちの出番やな」
絵里「え、私?」
希「装備の作成はレプラコーンの仕事よ」
アスナ「リズが居てくれれば良かったんだけど……」
クライン「ま、スキルレベルが高くなるにつれて」
クライン「扱いづらい武器も多くなってくるし、ここは任せることにしようぜ」
希「みんなー、使いたい武器の種類をリクエストするんやでー」
真姫「にこちゃんは何にしたの?」
にこ「短剣よ、素早い動きでかわいく切り刻んであげるわ」
真姫(私も短剣にしようかしら……)
海未「私は剣の道を選ぶべきなのでしょうか、弓の道を選ぶべきなのでしょうか……」
・・・
花陽(こうして花陽たちは一日、みんなで冒険をして)
花陽(楽しくALOの世界の仕組みを学んだのでした)
・・・
穂乃果「あー、楽しかったなー」
海未「穂乃果、遊びでやってる訳じゃないんですよ」
キリト「みんな、なかなか筋が良かったぜ」
ことり「でもキリトさんの動き、ものすごかったですよ」
キリト「ま、長いことやってるからな」
キリト「慣れれば現実世界の身体よりもずっと制限が無くていいもんだぜ」
クライン「キリトの奴は、ちょっとおかしいレベルに踏み込んでるけどな」
絵里「それじゃ、今日はこれで終わりかしら」
穂乃果「ちょっと待ってー!」
穂乃果「今回のライブの振り付けについて提案があるのー!」
ことり「……なんですか?」
海未「穂乃果のことだから、どうせ、空を飛びながら踊る、とか言うつもりでしょう?」
穂乃果「海未ちゃんなんで分かったの!?」
花陽「花陽でもわかりました」
にこ「長く付き合ってればそのくらい分かるわね」
穂乃果「えー、そんなー。じゃあ、これはこれは?」
穂乃果「剣を持って……と」キュイーン
穂乃果「てやぁ!」
海未「いきなり危ないですよ!?」
真姫「ソードスキル。ゲーム内の『技』ってやつね」
ユイ「規定されたモーションをすると、超人的な動きで攻撃できます」
絵里「でもそれがどうしたの?」
穂乃果「え?だからソードスキルもダンスの振り付けに織り交ぜようかなーって」
海未「そんな無茶な……」
穂乃果「結構いいアイデアだと思うんだけどなー」
凛「凛は良いと思うにゃー」
希「せっかくこんな所でライブ出来るんやから、活かせるものは活かしていこうで」
海未「……分かりました。その代わり、明日からの練習はより厳しくなりますよ?」
穂乃果「うん、最高のライブにするために、穂乃果頑張る!」
絵里「それでは、今日はこのくらいで終了しましょう」
アスナ「練習頑張ってね」ログアウト
リーファ「それじゃさよなら!」ログアウト
・・・
ユイ「おやすみなさいです」
海未「それでは失礼します」ログアウト
穂乃果「うん!」
穂乃果「……」
穂乃果「これでみんな居なくなったね、キリトくん」
キリト「……ああ」
翌日!
海未「という訳で、今日は午前に随意飛行の練習」
海未「午後に狩りをおこなった後、ダンスの練習をします」
穂乃果「ふゎ~ぁ」
海未「穂乃果!ちゃんと聞いてますか?」
穂乃果「ふぁい、きいてまーす」
凛「かよちんは飛ぶの得意ー?」
花陽「えっと……花陽は……」
・・・
穂乃果「いやー、頑張った!頑張った!」
ことり「今日の練習もなかなかハードだったね」
絵里「花陽、あなた飛ぶの結構上手いわね」
花陽「えへへ……」
海未「ですが、にこ!真姫!あなたたちはもっと随意飛行の練習が必要です」
にこ「わかってるわよー」
真姫「努力はするわ」
海未「それでは今日は解散にしましょう。明日からは学校もあるのでそちらも怠らないように」
「はーい」ツギツギログアウト
穂乃果「……」
さらに2日後
希「こらー、にこっちー!」
にこ「どう?飛ぶのうまくなったでしょ」ヒュイヒュイ
希「だからといって、うちの食べ物を掠め取るのは許さへんでー」
にこ「捕まえられるものなら捕まえてみるにこー」
海未「真姫もずいぶんと上手くなったもんですね」
真姫「ま、このくらい、私にかかればちょちょいのちょいよ」
にこ「真姫ちゃんが自由に飛べるようになったの一番最後の癖にー」
真姫「にこちゃんだって私と似たようなもんだったじゃない!」
希「隙あり!捕まえたでー」
にこ「げげっ」
希「これはスーパーわしわしの刑やな……」
にこ「ぞぞ……」
ALERT!! ALERT!!
希「な、なんなんこれは?」
絵里「えーっと……セクハラ防止システムみたいね」
にこ「そんなものがあるなんてラッキーにこ!この世界最高にこ!」
にこ「ひょいひょいーっと、にっこにっこにー」
希「ま、ええわ。明日学校で、今回の分まとめて10倍わしわしの刑やから」
にこ「」
花陽(こうしてμ'sのみんなは、日々練習に励んだのでした)
花陽(衣装の作成に、アスナさんのお友達のリズベットさんが協力してくれたり)
花陽(シノンさんと海未ちゃんの的当て対決もすごかったなぁー)
花陽(あと、シリカさんの連れていたプチドラゴンのピナがとても可愛くて)
花陽(エギルさんのお店は、不思議なアイテムがいっぱいでもう……)
花陽(そして、いよいよライブも明日になりました)
花陽(今日は朝から練習頑張らないと……)
・・・
海未「穂乃果はどうしたのですか!?」
ことり「ログアウトして電話をかけてみたんだけど出ないのー」
凛「寝坊かにゃー?」
真姫「フレンドウィンドウを見たら、ログイン中になってるわよ」
アスナ「あの……忙しそうな所申し訳ないんだけど、キリト君みなかった?」
海未「ごめんなさい、見てません。アスナの方も穂乃果を見ませんでしたか?」
アスナ「いえ……」
にこ「これは事件の香りがするわね」
希「カードによると……『二人に隠された秘密』?」
アスナ「なんですって!?ユイちゃん!!」
ユイ「ふゎぁ……、なんでしょう、ママ」
アスナ「急いでキリト君と穂乃果ちゃんの現在座標をサーチして」
ユイ「やってみます、距離が離れるほど時間がかかるのでしばらくお待ち下さい」
海未「どどど、どういうことですか?」
海未「穂乃果が私の許可なしに、だだだ、男性の方と密会とは……」ゴゴゴ
アスナ「キリト君が……、私という存在がありながら……」
アスナ「ありえない、ありえないわ……」ゴゴゴ
ユイ「サーチ完了しました!」
海未&アスナ「「二人は一緒なの!?」」
ユイ「は、はい……二人の座標はほぼ同地点に存在しております」
海未&アスナ「「場所は!?」」
ユイ「この階層の北東フィールドダンジョンです」
アスナ「急いでキリト君捕獲メンバーを招集するのよ!」
クライン「ったく朝早くからなんだよ」
リーファ「どうされたんですか」
アスナ「これしか集まらなかったか……」
海未「μ'sのメンバーは穂乃果を除く8人全員揃っています」
アスナ「コホン、それではただいまより、キリト君捕獲作戦を決行します」
アスナ「2つのパーティーを組み、フィールドダンジョンに突入」
アスナ「速やかにキリト君の身柄を拘束します」
アスナ「彼は知っての通り、すばしっこいです。決して逃さぬように!」
アスナ「なにか質問は!?」
「…………」
アスナ「それでは出発!」
真姫「穂乃果ったら一体どうしたのかしら」
海未「穂乃果が私を差し置いてあんなことやそんなことを」ブツブツ
ことり「海未ちゃん……、顔が怖いよ……」
ユイ「前方の洞窟の中です」
アスナ「みんな、構えて、ここからは地上戦になるわよ」
ユイ「……ちょっと待って下さい」
ユイ「……洞窟内にモンスターの反応があります!」
クライン「それはおかしくねえか?」
クライン「ここの洞窟はお使いクエストの為のもんで、モンスターは湧かないだろ」
リーファ「なにかトラブルに巻き込まれてるのかも……」
アスナ「いずれにせよ、注意して挑みましょう」
鎧竜人「!」パリィ
キリト「チッ!」
穂乃果「どうしよう……」
小竜人A「キェー」
小竜人B「キュェー」
・・・
アスナ「居たわよ!」
絵里「モンスターに囲まれてるわ」
真姫「赤い鎧に大きな盾を持ったリザードマン?身長が4mくらいあるわ」
にこ「それに加えて、普通サイズのも2匹いるわ」
リーファ「HPゲージは一本……ボスじゃないのかな?」
クライン「それならキリトがさっさと片付けちまうはずだが」
海未「それにあの一番大きな敵、HPゲージが少しも削れてません」
花陽「助けなきゃ……」
アスナ「そうね、私が切り込むからついてきて」キュイーン
アスナ「細剣突進撃『フラッシング・ペネトレイター』!」
海未「行きます!」
キリト「……!」
キリト「アスナ、なんでここに!?」
アスナ「なんで?は、こっちのセリフよ、とにかくこいつらを倒せばいいのね?」
キリト「ああ、だがこいつらは強い。特にあの鎧を着た奴が」
穂乃果「みんな!」
ことり「助けにきちゃいました」
キリト「おい!みんな!」
キリト「このデカブツは、俺とアスナがやる!雑魚2匹は任せた!」
クライン「おう、任せとけ!」
穂乃果・ことり・海未・絵里・希「はい!」
リーファ「こっちも頑張るわよ!」
花陽・凛・にこ・真姫「はい!」
キリト「行くぞ!アスナ!」
アスナ「もちろん!『リニアー』!」シュタッ
鎧竜人「ギャーオ」パリィ
アスナ&キリト「スイッチ!」
キリト「うおおぉぉ!氷属性重連撃『サベージ・フルクラム』!!」
鎧竜人「ギギギ」パリパリパリィ
アスナ「嘘!?全部弾かれた!?」
キリト「くそっ、ガード隙も無いのか!」
アスナ「どういうことなの?キリト君!」
キリト「あいつ、俺のどんな攻撃も的確に全てパリィしてくるんだ」
アスナ「それでHPゲージが満タンなのね……」
クライン「雑魚をさっさと倒してキリトに加勢するぞ!」
ことり「クラインさんがんばって!」
クライン「おぉおぉ、力がみなぎる!これがプーカの能力か!いや、それともことりちゃんの!?」
海未「私が足止めします!『タイム・オブ・スナップ』!」
小竜人A「ピャ」
クライン「サンキューな!行くぜ!刀スキル『浮舟』!」
小竜人A「ギャオー」
絵里「敵が浮いたわ!」
希「今がチャンスやで!」
穂乃果「片手剣8連撃『ハウリング・オクターブ』!」
絵里「からの『ストライク・ハート』!」
希「からの『ダイナミック・ヴァイオレンス』でトドメや!おりゃりゃりゃぁ!」
小竜人A「」パリーン
クライン「よっしゃ、撃破!」
リーファ「こっちも負けてられないわよ!」
リーファ「私は魔法を詠唱するから、みんな、足止めお願い!」
にこ「任せるにこ!『ラウンド・アクセル』!」シュタッ シュタッ キィンッ
花陽「お、『オーバル・クレセント』っ!」
花陽「次!凛ちゃん!」
凛「『メテオ・ブレイク』!にゃぁ!!」ドゴドゴォン
リーファ「……ロン・ヴェント。行っけぇ!」シュパパン
小竜人B「キィー」
にこ「ダメ、削りきれてないわ」
真姫「マッキーにお任せ!投擲『シングル・シュート』!」
小竜人B「」パリーン
凛「真姫ちゃんすごいにゃー!」
真姫「真姫ちゃんが華麗に捌いてあげたわ」
アスナ「でも、ありえないわ、全部の攻撃を弾くだなんて」
キリト「さすがに二人の連続攻撃なら通るだろっ!」
アスナ「ええ、私たちの力!見せてあげるわ!4連撃『カドラプル・ペイン』!」
鎧竜人「」パリパリパリパリィ
キリト「続けて単発重攻撃『ヴォーパル・ストライク』!だぁ!」
鎧竜人「」パリィ
キリト「今だ!」
アスナ「5連撃『スターリィ・ティアー』!」
鎧竜人「ギャァァォ」ダメージ
キリト「ダメージが通った!」
アスナ「でも浅い!」
キリト「このまま決めに行くぞ!」
アスナ「ええ!」
キリト「片手剣10連撃『ノヴァ・アセンション』!!」
アスナ「細剣8連撃『スター・スプラッシュ』!!」
鎧竜人「ギロリ」
パリィ
キリト「嘘……だろ……?」
アスナ「また弾かれた……。しかも私たちの上位スキルよ!?」
キリト(なぜ攻撃が通らない……!)
キリト(これじゃ、俺たちの攻撃の動きが、完全に予知されてるかのようだ……!)
キリト(予知……?既に知っている……?)
キリト(もしかして!)
キリト「おい!穂乃果!『アレ』を頼む!」
穂乃果「え?呼んだ呼んだ?」
キリト「俺が切り込むから、その0.7秒後だ!」
穂乃果「はい!」
キリト「行くぞ!『ファントム・レイブ』!」
鎧竜人「キッ」パリパリパリィ
キリト「今だ!」
穂乃果「いっくよー!」キュイーン
穂乃果「てやぁ!とぅ!たぁ!」
鎧竜人「ギャァ」ダメージ
アスナ「完全に通った!?」
穂乃果「とりゃ!てぃ!たぁ!」
クライン「何だ?この攻撃は?」
穂乃果「やぁ!でぇぃ!……!」
絵里「ハラショー……」
穂乃果「これが私たちμ's、みんなの力! 9連撃OSS『ワンダフル・ラッシュ』!」キュピィーン
鎧竜人「ギャァァァァァァァ」HP0
キリト「戦闘終了……だな」シャシャッ シュタッ
ことり「よかったぁ……」
アスナ「ええと……」
海未「何から訊けばいいのでしょうか」
花陽「穂乃果ちゃん!さっきのすごい技、なんなんですか?」
アスナ「すごかったわ、でもなんであの攻撃だけ奴に効いたの?」
希「いつの間にあんなこと出来るようになってたんや」
海未「穂乃果!いったい貴方はキリトさんと何をしていたんですか?」
穂乃果「ええと、ええと……」
キリト「順番に訊けよ……」
キリト「ええと、まず、さっきの技ね」
穂乃果「『ワンダフル・ラッシュ』、私のOSSだよ!」
ことり「おーえすえす……ってなぁに?穂乃果ちゃん」
キリト「オリジナルソードスキル……。普通のソードスキルは知ってるな?」
花陽「ゲーム内の技で、人間離れした動きが可能なんですよね」
キリト「そう。オリジナルソードスキルは、それを自作するんだ」
クライン「つっても、OSSを作るには、システムアシスト無しでその動きを再現しないといけない」
リーファ「人間離れした動きを自力で実現しないといけないのよ」
クライン「だからひたすらに練習しなきゃいけねえんだ」
アスナ「それで9連撃ものOSSを作るだなんて……」
キリト「最初は驚いたが、こいつの実力は本物だぜ」
アスナ「それで、なんで穂乃果ちゃんの攻撃だけ通じたの?」
キリト「『だけ』じゃない、アスナの攻撃だって通ってたじゃないか」
アスナ「掠っただけみたいなもんだけどね」
キリト「その時のソードスキルは何だった?」
アスナ「『スターリィ・ティアー』……あっ」
キリト「俺は奴と戦ってる時、ヒースクリフのことを思い出したんだ」
キリト「2度目の……あの対決だ。あの時、ヒースクリフは俺の使うSSを全て知り尽くしていた」
キリト「それが解っていたにも関わらず、俺は焦ってしまい、ついソードスキルを発動させてしまった」
キリト「そして、全ての攻撃が的確に弾かれてしまい、俺は……負けた」
キリト「あのモンスターもそれと同じだったんだ」
キリト「ゲーム上に存在するどんなソードスキルも知り尽くしていてる」
キリト「だから、その攻撃を的確に、かつ完全にパリィできるんだ」
キリト「そして、アスナが攻撃を当てたのを見て、俺は気付いたんだ」
キリト「ゲームが規定しているソードスキルはすべてシステムに知り尽くされている」
キリト「しかし、プレイヤーが規定したオリジナルソードスキルならば、攻撃が通る……と」
クライン「そういや、アスナの『スターリィ・ティアー』もOSSだったな」
キリト「そういうことだ」
凛「難しい話だったのにゃー」
・・・
海未「それで、穂乃果はいつの間にそんな技を習得していたんですか?」
アスナ「で、キリト君と穂乃果ちゃんは私たちに内緒で一体何をやってたのよ」
キリト「それがそのまま答えじゃないか」
海未&アスナ「え?」
穂乃果「キリトくんに、OSSを完成させる手伝いをしてもらってたんだー」
キリト「こいつに練習に付き合ってくれと頼まれたんだ。しかも毎日練習が終わった後に」
アスナ「ほ……本当なのね。じゃあ、特に二人の間には何もないのね」
キリト「もちろんさ」
海未「確かに筋は通りますが……私たちに内緒にしなくてもいいんじゃないですか?」
穂乃果「だって……中途半端なままみんなに見せると迷惑かけちゃうと思ったから」
海未「穂乃果……?」
キリト「このOSSをダンスの振り付けに入れようと考えてたって訳だ」
穂乃果「急に振り付け変えようって言って迷惑かけちゃったことあったでしょ?」
ことり「穂乃果ちゃん……」
絵里「それは分かったわ。でも穂乃果だけが練習しても……」
アスナ「OSSの伝承……ね」
真姫「なんなの?それは」
クライン「OSSを編み出した人は、アイテムの技能書として」
クライン「他の人にスキルを伝承できるんだ」
穂乃果「うん!だからこれでみんなで踊れるよ!」
海未「穂乃果……穂乃果がそこまで考えていてくれたなんて」
穂乃果「えへへ……」
穂乃果「じゃあ練習再開するよ!」
穂乃果「今から振り付けをちょっぴり変えちゃうんだから!」
ライブ当日!
穂乃果「ついに本番だよ!」
希「みんな頑張ってきたんや」
花陽「絶対成功させましょう」
穂乃果「1!」
ことり「2!」
海未「3!」
真姫「4!」
凛「5!」
花陽「6!」
にこ「7!」
希「8!」
絵里「9!」
アナウンス「A-RISEのみなさん、ありがとうございました」
アナウンス「次は、音ノ木坂学院のμ'sのみなさんです」
ワイワイ
ガヤガヤ
リーファ「花陽ちゃーん!」
アスナ「みんなー!……ほら、キリト君も応援する!」
キリト「はいはい……。頑張れよー!」
クライン「ことりちゃーん!応援してるぜぃ!」
ユイ「わくわくなのです!」
シノン・エギル・シリカ・リズ「頑張れー!」
ワイワイ
ガヤガヤ
穂乃果「みんなが支えてくれてここまで来たんだ!」
ことり「ここに辿り着くまで、楽しかった!」
海未「そしてこれからもずっと!」
にこ「にこにこな未来を作っていく!」
花陽「みんなを笑顔にするために」
凛「今日も明日も明後日も!」
真姫「私たちは前に進み続ける!」
希「今日はひとまず、その成果を見せる時や!」
絵里「それでは行きましょう!」
穂乃果「μ's!ミュージック……」
「 ス タ ー ト ! 」
─おわり─
このSSまとめへのコメント
いいね、分かりやすい
色々ひどかった(笑) それでもさいこー