兄「ホモはNGだぞ、弟よ」
弟「?」
どう続ければいいんだ、天のショタコン達よ
弟「お兄ちゃん!」
兄「なんだよっ」
弟「大好き!」
兄「うっせー!」
母「こら!ケンカしないの」
兄「ケンカじゃねーよ!弟がうぜーんだよ!」
弟「おにーちゃ!」
兄「うるさい!」
―――――
兄「ははっ」
弟「んだよ気色わりぃ」
兄「お前ちっちゃいころから可愛いよな」
弟「は?散々いじめてたの誰だよ」
そして俺は、すかさずROMる体制に移行する。
―――――
弟「おにーちゃん!」
兄「うるさい!あっちいけ!」
弟「ぼく、大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになる!」
兄「ままー!弟気持ち悪い!ホモになった!」
母「あら、どこでそんな言葉覚えたの」
――――――
兄「ぷっ」
弟「笑ってんじゃねえよ。昨日告ったの誰だよ」
兄「お前だろ」
弟「あ?兄ちゃんだろ」
兄「お前だろ」
弟「死ね」
兄「……俺は、本気だぞ」
弟「……オレは本気とかこしてて、なんかやべー感じ」
兄「なにそれきめえ」
弟「……兄ちゃん」
兄「ん?」
弟「オレ、ちゃんと大人になったらさ、兄ちゃんの嫁、なるから」
兄「母さーん。弟キモーい。ホモになった」
弟「……本気、だから」
兄「とりあえず毛が生えてから考えろよ、そういうことは」
弟「う、うるさい」
兄「すっげー可愛かったわ、昨日のお前。男の子でも鳴くんだな」
弟「うっせー!」
兄「だって、あんあん言ってイイ声で泣いてたぜ?」
―――――――――――
弟「うわーん!」
兄「うわー、泣くんじゃねえよ!あっちいけ、あっちいけ!!」
弟「うわーん!」
母「コラッ! 泣かすんじゃないの! 弟ちゃん、またお兄ちゃんにいじめられたの?」
弟「ぐすっ、ぐすっ」
兄「嘘泣きだよ絶対!」
弟「ひっぐ、ひっぐ」
母「弟ちゃんは嘘泣きなんかしません! まだ赤ちゃんでしょ」
―――――――
弟「演技だから」
兄「顔真っ赤にして?」
弟「演技だから」
兄「母さん、すっげー元気だな」
弟「うん」
兄「ビデオの中なら、全部幸せな映像しかないからさ」
弟「うん」
兄「母さんは、ずっと幸せなままだ」
弟「……うん」
―――――――――
母「弟くんは、ユイコちゃんが好きなの?」
弟「すきー! でも大好きなのは、おにーちゃん!」
母「本当にお兄ちゃんがすきなのねー」
弟「だいすきー!」
―――――――――
兄「うわっ、母親にホモカミングアウトしてるわ。キモいわー」
弟「肋骨折るぞ」
―――――――――
母「ねえ、どうして弟ちゃんのことそんなにいじめるの!」
―――――――――
兄「あ、やべっ。怒ってるシーンとかあるじゃん」
弟「親不孝度ぱねーわ兄ちゃん」
兄「申し訳ない」
―――――――――
兄「だって、弟のことばっかり可愛いっていうんだもん!」
母「弟ちゃんは、小さいでしょう?」
兄「だって」
母「弟ちゃんが、嫌い?」
兄「大嫌い」
母「……だった一人の兄弟なのよ」
兄「あんなやつ、死んじゃえばいいんだよ」
パシッ
母「……」
兄「う、うえっ、うっ」
母「あなたが護らなきゃ、誰が守るの」
兄「うっ、うっ」
母「お母さんね、ずっとそばにいられないの。あなたが護らなきゃいけないの。あなたが助けてやらなきゃいけないの」
兄「うっ……マ、ママ、ど……ひっぐ……こいっちゃう……の」
母「そばにいるわ。でも、見えなくなっちゃうの」
兄「お父さんは、なんで遠くなの?」
母「お父さんもそばにいるわ。見えないけど、一緒にいて、あなたのことを応援してる」
兄「本当?」
母「ええ」
兄「マ、ママも、そうなっちゃうの?」
母「そうよ」
兄「どうして」
――――――
兄「見んのやめよーぜ」
弟「……見ようよ」
兄「……」
――――――
母「どうしてかな。 でも、いつかはまた見えるようになるの」
兄「い、いつになったら、また見れるの?」
母「お母さんとの約束を、守れたら、いつか」
兄「やくそく?」
母「うん。 弟ちゃんのこと、守れる?」
兄「……うん」
母「絶対に、泣かさない?仲良く出来る?」
兄「……うん」
母「弟ちゃんが悪いことしようとしたら、止めてあげられる?」
兄「……うん」
母「じゃあ、任せたからね。 弟ちゃんは、あなたとお母さんとの、約束の証だからね」
兄「やくそくのあかし?」
母「ええ。 ちゃんとほら、撮ってあるから。 忘れそうになったら、思い出して」
兄「忘れないよ、あの……」
母「ん?」
兄「……か、母さん」
母「うん。大きくなったね。辛くなったら、見えなくてもそばにいる。 甘えて、いいからね」
兄「うん」
―――――――
弟「兄ちゃんが急にやさキモくなったのはこれのせいか……ぐすっ」
兄「……泣いてんじゃねーよ」
弟「母さん、悲しそうだったから」
兄「そうか? まあ、一応守ってんだからいいんじゃねーの」
弟「そばにいるって言ってたじゃん。昨日のアレ、見られてたんじゃないの」
兄「……墓参りいって、下座ってくるわ」
弟「オレも一緒に行って一緒に下座るわ」
兄「ああ、でも中途半端に可愛いもん産んだ母さんが悪いんじゃねーのこれって」
弟「……兄ちゃん」
兄「ん?」
弟「なんか最近すっげー不安なんだ」
兄「何が?」
弟「全部。 身体も変わってきたし、なんか、学校のみんなも急に大人になった感じして、すっげー怖い」
兄「ああ、あるよなそういうの」
弟「兄ちゃんは、そういうの一人で頑張ってきたんだよな」
兄「精神力に極振りしてっから」
弟「……強えーよな。 オレの母さんの代わりも、父さんの代わりも、全部やってくれて」
兄「そんな意識してなかったけどな。天才だから自然とできちゃうんだよ」
弟「真剣に聞けよ」
兄「聞いてるよ。 むしろ、お前のほうが何をイイたいのかわからねぇ」
弟「もうちょっとだけ、もうちょっとだけ大きくなるまで、甘えさせて欲しいんだ」
兄「チビがちょっと大きくなっても変わらないんじゃ……」
弟「……大きく、なったらさ」
兄「……」
弟「オレが、守るから」
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