超高校級のネタバレ注意
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あらすじ
色々あって消されかかっていた七海千秋は、なんやかんやあって肉体を手に入れて事なきを得、日向含む愉快な仲間たちと共に、なんとなく未来機関第十四支部に匿われることになりました
七海「見て見て、日向くん」
日向「ん? あれ、その服……」
七海「うん。あの中で私が身につけてたのと同じやつだね」
日向「作ってもらったのか?」
七海「澪田さんが一晩でやってくれました」ドヤッ
日向「へぇ、さすがだな。お前が得意げな顔をする意味はわからないけど」
日向「っていうか、よく材料が揃ったな。……まさか支部の外に調達しに行ったわけじゃないよな?」
七海「そんなことしないよ。十神くんに怒られちゃうもんね」
日向「……なら良いけど」
七海「単に、苗木くんのパーカーと日向くんのワイシャツと霧切さんのスカートを借りて……」
日向「おい待て」ムニッ
七海「い、いひゃい……そろそろほっぺたが元に戻らなくなっちゃう……」
七海「……苗木くんと霧切さんに許可はもらったんだけどなぁ……」
日向「なんで俺をすっ飛ばしたんだよ」
七海「うーん……なんか日向くんに『ワイシャツ貸して』っていうの、恥ずかしくて」
七海「ほら、変なことに使うと思われたらイヤでしょ?」
日向「へ、変なことってお前……」
七海「なんか、そんな話を花村くんに聞いたんだよね。女の子が少し大きめのワイシャツをどうこう、って」
日向(……またおかしなことを吹き込まれたな)
日向「……お前さっきから貸し借りの話をしてるけど、完全に自分の物にしてるよな」
七海「……ううん。借りてるだけだよ」
日向「いや、バッチリ七海カスタマイズされてるじゃないか……返す気ないだろ……」
七海「……誰が返さないって言った? 永久に借りておくだけだぞ?」
七海「……って言えば大丈夫だって、九頭竜くんが」
日向(七海がどんどんおかしな知識を身につけていく……!)
七海「……ごめんね。やっぱり、返そうか?」
日向「い、いや、良い。もうそれはお前の物だ……」
七海「大丈夫だよ。まだ匂いは日向くんの匂いだから」クンクン
日向「な、何が大丈夫なんだよ……」
七海「? 匂いがついてる内はその人の所有物なんだよね?」
日向「……それは、終里に教わった知識か」
七海「わぁ、すごいね日向くん。エスパー?」
日向「はは……」
日向(七海があいつらと話すときは俺も同伴すべきか……)
日向「……俺は保護者か」
七海「?」
とりあえず建てただけだからここで一旦失礼
また後で
………………
…………
……
狛枝「やあ、2人とも。良い朝だね」
日向「ああ、おはよう」
七海「おはよう。狛枝くん」
狛枝「……七海さん。こんな形でまた会うことになるなんて思ってもみなかったよ」
七海「……そうだね」
狛枝「僕のこと、恨んでる?」
七海「? 全然」
狛枝「はは、優しいね。七海さんは」
七海「でも、もうみんなを困らせるようなマネは止めて欲しい……かな」
狛枝「……そうだね。少し退屈だけど……こんな穏やかで、平凡な毎日を楽しむのも良いかもしれない」
狛枝「それにもし退屈に堪えられなくなったとしても、一歩外に出ればそこは絶望の世界……希望の糧はそこら中に転がっているからね」
日向「お前……やっぱり反省してないだろ……」
七海「……狛枝くん。ここから出ちゃダメだよ」
狛枝「冗談だよ。もうみんなを困らせたりしないって」
七海「そうじゃなくて、狛枝くんが危ない目に逢うのも、私はイヤだから……」
狛枝「……」
七海「それに、狛枝くんがここから出て行っちゃったらみんな悲しむよ」
狛枝「……どうだろうね」
七海「だよね、日向くん?」
日向「……ああ」
狛枝「なんか『言わされた』感が否めないけど、日向くん」
日向「そ、そんなことないだろ」
狛枝「あはは。なら、ここは素直に喜んでおこうかな。ありがとう」
七海「……でも、狛枝くんの気持ちもわからなくもない……かな」
日向「え……? まさかお前まで希望への踏み台がどうとか言い出さないよな?」
七海「言わないよ」ムスッ
七海「……退屈なのは……ちょっと怖い、っていう話」
日向「怖い?」
狛枝「そうだね。これはある種、恐怖のような感情かもしれない」
狛枝「退屈は無味無臭の劇薬、ってよく言うでしょ? 知らず身体を蝕まれて、何の面白味もなくいたずらに命を削られていくんだ」
狛枝「あの修学旅行を含めて、今までがかなり壮絶な人生だったからね。僕はこんな現状にどうしても不安を感じてしまうんだ」
日向「……わからない。平和なことの何が悪いんだよ」
狛枝「平和と平穏は必ずしもイコールじゃないよ、日向くん」
七海「何もしないでいるとたまに不安になるでしょ? なんとなく……そんなことだと思うんだ」
日向「……いや、色々することあるだろ。掃除したり、苗木たちの仕事手伝ったり……」
狛枝「……」
七海「……」
日向「なんでそこで黙るんだお前ら。目を見合わせるな」
日向「狛枝。お前、掃除得意だって言ってただろ」
狛枝「うーん、僕なんかがみんなの仕事を奪うのはどうかと思って」
日向「……」
日向「七海。お前、一応未来機関の一員だろ。苗木たちの仕事手伝ってやれよ」
七海「……うーん、私なんかがみんなの仕事を奪うのはどうかと思って」
日向「面倒くさいだけだろお前ら!」
日向「そんなに退屈なら行くぞ! まずは玄関の掃除だ!」
七海「……あ、そんな退屈に押しつぶされそうな狛枝くんに朗報があります」
狛枝「何かな?」
七海「じゃーん。退屈なときはゲームだよ、ゲーム」
狛枝「それは良いね。すごく退屈が紛らわせそうだ」
七海「左右田くんに無理言って壊れたゲーム機を直してもらったんだ。せっかくだから、楽しまない手はないよね?」
狛枝「うん。左右田くんの努力を無駄にするわけにはいかないよね」
日向「お前ら……!」
七海「大丈夫だよ日向くん。これ、ちゃんと仕事をするゲームだから」
日向「何が大丈夫なのかわからない! 結局ゲームだろ!」
狛枝「……」カチカチ
日向「お前は何も言わずに始めるんじゃない!」
狛枝「それで、これは何をするゲームなの?」
七海「ざっくり言うと、アルバイトをするゲームだね。ゲームジャンル的にはミニゲーム集……って言ったら良いかな」
日向「……」
狛枝「アルバイトか……生活に困ってたときにやろうとしたこともあったなぁ」
日向「狛枝がバイトって……悪いけど想像つかないな……」
七海「どんなバイトをしてたの?」
狛枝「やろうとしただけでやったことはないんだ。採用してもらったこともほとんどなくて。あはは」
狛枝「面接後すぐに汚職が発覚してバイト先が倒産したり、仕事場になるはずだった工場が爆発したり……面接官が心臓発作で倒れて面接すらできなかったこともあったっけ……」
狛枝「コンビニのバイトはなんとか受かったんだけど、初日に体調不良で欠勤しちゃってね。まあ、その日に強盗が押し掛けてきて店がめちゃくちゃにされたらしくて……仕事もできずにお終いだったよ」
日向「……」
七海「……」
狛枝「わかっちゃいたけど、その可哀想な物を見る目はやめてもらえないかな……流石に傷つくよ」
狛枝「でも良いんだ。僕なんて結局、一生どこにも誰にも必要とされることのない人間だよ」
日向「まあ……人生色々あるよな」
七海「色々どころか、濃厚すぎると思う」
狛枝「だからこそ、アルバイトっていうものに興味はあったんだよね。ゲームとはいえ、体験できるなんて嬉しいなぁ」
七海「よりどりみどりだからね。好きなのを選ぶと良いよ」
七海「でも、私のオススメは『魔王』……かな」
狛枝「魔王?」
七海「えーと、魔王の幻覚をかわしつつ子供が息絶える前に自宅を目指すバイト……だね」
日向「ま、待て! バイトなのかそれは!?」
七海「うん。ちゃんと時給も出るよ」
狛枝「すごいね……世の中にはそんなゾクゾクするような命がけのアルバイトがあるんだ……」
日向「無い!」
七海「……とりあえず、やってみると良いんじゃないかな。ジッピーレースのオフロードみたいな操作感で面白いよ」
今日はここまで
ゆるゆる続きます
このSSまとめへのコメント
バイトヘルじゃねーかw