ニート「夏休みかぁ…」(41)

ニート「やる事も無い…かと言って働く気持ちも湧かない…」
ドンドン!

父『ニート起きてるか?話が有るからリビングに来てくれ』

ニート「また、働けって言われるのかな…」

リビング…

父「なぁ、お前は何時までそうやって過ごす気だ?」

母「私達も何時までも働けるわけじゃ無いから…そろそろバイトでも良いから働いてみたら?」

ニート「うん…働くよ…」

父「お前は、何時もそうやったお茶を濁すな…なぁ、姉や妹達が近所で何て言われてるか判るか?」

ニート「な…何て言われてるの?」

母「引きこもりを持って大変ね…そう言われてるのよ…学校でも職場でも」

父「だからなバイトで良いから…
ガチャ
姉「何言っても無駄だよ」

父「あ…姉?起きてたのか?」

母「今日仕事は、休み?」

姉「うん、それよりも、そいつどうにかならない?」

父「な…何故だ?」

姉「昨日さぁ、妹に「兄ちゃんは、悪るく無いよ、いじめは、誰だって辛いから…」って言っわれたの」

母「それでどうしたの?」

姉「何時も誰にも優しくて元気な妹が…あんな辛そうな顔を私に見せたのよ?」

姉「おかしくない?何で青春を楽しく過ごさないといけない子が…人一人の所為で辛い顔をしなきゃいけないの?」

父「そうだが…」

姉「働くよ、何回聞いた?何回信じた?私も妹も近所や学校で何で恥ずかしい思いをしなきゃいけないの?おいニート、私そろそろ結婚するのしってるな?」

ニート「いや…知らない…」

姉「まぁ良い、私、あんたを結婚式に呼ぶ気無いから、それじゃ」
バタン

ニート「…」

父「まぁ、そう言う事だ…」

母「それと…今日は部屋に居て?姉ちゃんの婿君と家族が来るから…」

ニート「うん…」

部屋…
カタカタ
ニート「ははっ…ワロスっと…」

ニート(…楽しくない…)
コンコン
妹「兄ちゃん?起きてる?」

ニート「どうした?」

妹「父さんがね…夏休みの間挨拶がてら祖父の家に行ってみないか?って」

ニート「じいちゃんの家か…うん…考えてみる、ありがとう」

妹「ううん、じゃあ…

ニート「なぁ…」

妹「どうしたの?」

ニート「俺が働いたら…嬉しい?」

妹「うん!とりあえず初任給はデートが良いな!」

ニート「ははっ、それも良いな…」

妹「冗談だよ!じゃあ後でね」

ニート「うん」

ニート(じいちゃんちか…そう言えば、ここ何年も会ってないな…)

ニート(それに…今家に居ても何もしないだろうし…)

ニート「じいちゃんの家に言ってみよう…」

次の日 廊下…

ニート(眠い…)

『もう限界だよ…』

ニート(ん?妹?何話してんだろう…)
………
……

妹「もうやだよ…何でこんな恥ずかしい思いをしなきゃいけなの…?」

姉「妹…はぁ〜…あいつさえ居なけりゃ…」

父「どうかしたのか?」

姉「妹がさ…クラスの男って奴にまぁ…その告白をしたの…そしたら、
「兄が引きこもりなのは、ちょっと…」って言われたらしい…」

母「そんな…」

父「あいつ…何時まで家族に恥をかかせるつもりだ…」

廊下…

ニート(そ…そんな…俺の所為で?)

ニート(部屋に戻ろう…)

部屋…
ダーンっ!
ニート「今の当たったの?」

ニート「クソ!キルカメうぜぇ!ピョンピョンしてんなよ!」

ニート(…辞めよう)

ニート(支度だけでも、やっとこう…)

昼…

ニート「はぁ…何か食べよう」

ニート「ん?何このお金…」

『父より… このお金で祖父の家へ、行きなさい行き先は…………
今日行かなかったら明日から飯は無い』

ニート「軽い死刑宣告だな…これ行かなきゃいけないってことだろ…」

(もう限界だよ…)

ニート「行こう…」
ガラガラ

ガタンゴトン ガタンゴトン

ニート(お..牛だ..)

ニート(...)

ニート(もう限界..か..)

『次は〜○○〜お降りの方はお早くお願いいたします』

ニート「あっ、降りなきゃ」

『海の前駅ロータリー』
ミ〜ンミンミンミ〜ン
ニート「...」

ニート「暑い..」

ニート「ホントに人住んでるのか?」

『ようこそ!日本の景色百選に...』

ニート「これが..?」
シ〜ン...

ニート「えーと..おじいちゃんの家は...海沿いを10分歩いたとこか」

ザザ〜ン..ザザ〜ン..

ニート「ここか..」
ピンポーン
...

ニート「あれ?留守かな...」
ザシュ.. ザシュ..

ニート「裏から音がする..」

ニート「す..すいませーん!」
ザシュ!ザシュ!
?「来たか..思ったより早かったな..」

ニート「お..おじいちゃん?」

祖父「何年ぶりだったかな..まあ、上がりなさい..一緒に冷たいお茶を、
飲もう..」

ニート「うん..」

縁側..

祖父「大きくなったな..」

ニート「うん..」

祖父「父から聞いた..何だったかな..な..いと?いや..」

ニート「ニート、だと思う」

祖父「ああそれだ、働いてないんだったかな?」

ニート「そうだよ...」

祖父「まあ夏休みの間は、ここでゆっくりしていきなさい..ああ、
忘れるとこだった、お前の部屋は2階にあるから荷物を置いてちょっと休みなさい」

ニート「うん...」

二階の部屋

ニート「ここかな?
ガラ
ニート「おお..広い..」

ニート「すげぇ..海と山の両方が見える..」

ニート「のどかな場所だな..ここは」

居間

祖父「もう休まなくていいのか?」

ニート「うん、ちょっと散歩してくる」

祖父「ああ、気おつけて行っておいで..」

海岸沿い
ザザン..
ニート(なんだか、僕の夏休みの田舎みたい..)

子供「ねえねえ」

ニート「え..ああ、どうしたの?」

子供「餌つけるの手伝って?」

ニート「ああ、良いよ」

子供「こんなか、入ってるから」

ニート「うん、ん..?」
ウニョウニョ
ニート「うわああ!な?!なにこれ!?ミミズ?!」

子供「ちげーよ、ゴカイだよ、まさか触れないの?お兄ちゃん」

ニート「ま..まさか〜..」

子供「じゃあ餌付けてよ」

ニート「お..おう、任せとけ..」
うみょうみょ
ニート「うええ...」

子供「ありがとう、お兄ちゃん」

ニート「いいえ、どういたしまして」

子供「そういやあ、お兄ちゃんって見たこと無いけど、何処からきたの?」

ニート「都会からだよ」

子供「へえ〜、判んねえや..あ!そうだ、お兄ちゃんに特別に良いとこ
教えてあげる!」

ニート「いいとこ?」

子供「あの道をまっすぐ行って、すぐあるからいってみ」

ニート「ありがとう、じゃあね」

そして

ニート「ここかな..ん?何だろう..この穴..洞穴?」

ニート「ちょっと暗いな..」

「ちょっと!あんた!そこでなにしてるの?!」

ニート「?!すいません!敷地内って知らなくて..」

女「いや、別にそこは、誰の敷地でもないから、別にそんな、謝らなくても..」

ニート「そ..そうなの..?よかった..」

女「で?あんた何処から来たの?ここいらじゃ見ない顔だけど」

ニート「ああ、都会ってとこから来たんだ」

女「へえ〜、知らないわね」

ニート「...」

女「で、何しに来たの?」

ニート「じいちゃんの家に来たんだ、夏休みの間ここにいるんだ」

女「そうなんだ、もしかして海沿いの○○さんのとこ?」

ニート「うん」

女「ふ〜ん..まあ良いや、所で、この防空壕の前で何してたの?」

ニート「ああ、さっき釣りしてた子供に、教えてもらって」

女「こんな何にも無いとこに居てどうすんのよ?」

ニート「いや、知らなかったし...」

女「はいはい、じゃ、あたし用事あるから、じゃあね」

ニート「ああ、じゃあね」

ニート「行っちゃった..可愛かったな...」

祖父の家
ニート「ただいま」

祖父「おお帰ったか、飯の支度は出来てるから、さぁ召し上がれ…」

ニート「ありがとう」

祖父「なぁニートや、お前朝だけで良いから農作業をしてみないか?」

ニート「農作業?何するの?」

祖父「畑を耕したり、水を撒いたりするんだよ、夏休みの間ず〜っとやってたら、筋肉がつくぞ」

ニート「うん、考えてみる」

二階の部屋…
リーン…リーン…
ニート「鈴虫だ…」

ニート「綺麗な音だな…ちょっと外に行ってみようかな…」
ガチャ

ザザン…ザザン…
ニート「涼しいな〜…」

妹『もう限界だよ…』

姉『何で恥ずかしい思いしなきゃいけないの?』

ニート「……」

ニート「はぁ…姉ちゃんの結婚式終わったのかな…」

ニート「いっそこのまま、ここに住みたいな…」

ニート「いや…じいちゃんにも迷惑掛けちゃう…」

ニート「……」

次の日…
ザック!ザック!
祖父「ふぅ…ふぅ…」

ニート「じいちゃん?」

祖父「おお、手伝ってくれるか」

ニート「うん、何すればいいの?」

祖父「先ずは、この鍬で畑を耕してくれるかな?」

ニート「うん」
3分後…

ニート ゼーハー…

祖父「疲れるの早いな…」

ニート「いや…以外に鍬が重くて…」

祖父「まぁ、最初はそんなもんだ…じゃ、頑張れ」

ニート「う…うん」

1時間後

ニート「お…終わった〜…」

祖父「お疲れさん、今日の所はお終いだ…」

ニート「ふぅ…疲れた…」

女「すいませ〜ん!」

祖父「おや、女ちゃんじゃないかお使いかな?」

ニート「あ…昨日の…」

女「うわ、泥だらけじゃない!何してたの?」

ニート「ちょっと農作業を」

女「ふ〜ん、あ!そうだ!○○さん!きゅうりと大根を二本ずつお願い」

祖父「はいはい、80円ね、はいどうもありがとうね」

女「ありがとう、あ!そうだちょっとこいつ借りても良い?」

ニート「え?俺?」

祖父「ああ、ニート行ってあげなさい…」

ニート「わかった…」

そうですかね?自分のとこはこんな値段でした

道中

ニート「ねぇ…何するの?」

女「いやぁ、ちょっと手伝って欲しくて…あ、ここあたしの家ね」

ニート「い…家に入るの?」

女「当たり前じゃない?さぁ入って!」

ニート「うん…」

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