ニート「あー、働かずに食う飯うめええええええええ」 (74)

母「ねえ、いい加減に働こうとか思わ」

ニート「思わねえよwwwww」

母「そんな…」

ニート「どうしても働けって言うなら俺死ぬからwwww」

母「そう…」

ニート「じゃ、俺もう寝るね、おやすみー」

母「あ…」

母「どうしたら…」

――翌朝

ニート「…んん?」

馬「ヒヒーン」

ニート「うぉっ!?なんだこいつ!?てか、外!?なんで!?」

兵士「貴様!何者だ!!」

ニート「わっ!?なんだよ!?」

兵士「異国の者か!どこから来た!」

ニート「ど、どこからって…ここは日本じゃないのか!?」

兵士「ニホン…?聞いたことがないな」

ニート「なあ、俺なんでこんなとこで寝てたんだ?」

兵士「そのようなこと、俺が知るか!」

ニート「た、助けてくれよ…」

兵士B「山賊の仲間かもしれません」

兵士「ふん、このような男に遅れをとる俺ではない。行くぞ!」

兵士B「はっ!」

馬「ヒヒーン」

パカラッパカラッ

ニート「お、おい!!待ってくれよー!!!」

ニート「行っちまった・・マジかよ」

ニート「つーか、ここどこだよ…」

山賊「おい」

ニート「ひっ!?」

山賊「金目の物を置いていけ、殺すぞ」

ニート「待って待って!」

山賊「なんだそれは?」グイッ

ニート「あっ、親父の部屋からかっぱらってそのままつけてた腕時計だ…」

山賊「面白いものを持ってるな、こいつをもらう」

ニート「返せ!!それは俺のもんだ!」ガッ

山賊「ふんっ!」ズバァッ

ニート「ぎゃあああああっ!?」

ニート「いてぇ…血が…血が出てる…あああああ!!!」

ニート「助けて…助けてぇ…母ちゃん…」

ニート「ごめんなさい…働く、働くから…」

―――

ニート「ん…」

年配の女性「おや、目が覚めたのかい」

ニート「…うっ、いててて」

年配の女性「あまり動くと傷が開くよ」

年配の女性「司祭様に治癒術をかけてもらったけど、塞がるには時間がかかるからね」

ニート「ちゆじゅつ…?」

年配の女性「おやおや、魔術も知らないのかい?」

ニート「えーと、俺…」

年配の女性「異国から来たんだね、旅人にしては荷物が少なかったけど」

年配の女性「深い切り傷があったりしたところを見ると、荷物を山賊にでも奪われたんだねぇ」

年配の男性「お、君、目が覚めたか」

ニート「あっ…その」

年配の男性「おっとまだ動かないほうがいいぞ、傷は少し深めに入ってしまっていたからな」

年配の男性「なぁに、1日寝ていれば傷はしっかり塞がる」

ニート「は、はぁ…」

年配の女性「お腹が空いてないかい?」

ニート「あ…」ぐぅぅ~

年配の女性「あはは、それじゃあご飯にしようか」

年配の男性「召使いを呼べ、彼女に彼の食事を手伝わせよう」

ニート「…(彼女…ってことは女の人か?)」

年配の男性「召使い!召使い!いるかー!!」

召使い「はい、ご主人様」

年配の男性「彼の食事を手伝ってやってくれ、傷のせいで上手く動けん」

召使い「かしこまりました」

ニート「…(うひょーwwめっちゃ可愛いwww)」

ニート「…(これってもしかして夢なんじゃね)」

召使い「口を開けてください。食事を口まで運びます。」

ニート「あ、は、はい、あーん」

召使い「はい、どうぞ」

ニート「…もぐ、もぐ(夢ってことはこの女を押し倒したりも)」

ニート「…いける」

召使い「いける?」

ニート「やらせろぉぉぉおお!!!」ガバァッ

ガチャーン

召使い「きゃああっ!?」

年配の男性「なんだ!?なにがあった!!」

召使い「た、助けて…」

ニート「げへへへ、何年ぶりかに触った女の身体だぁ…ハァ…ハァ…」

年配の男性「…貴様ァッ!!」

ニート「これは夢だもんね!!俺がこの女を犯そうが全部夢の中の出来事だもんね!!」

年配の男性「召使い、許可する」

召使い「仰せのままに」

召使い「私から離れろ」ドンッ

ニート「えっ?」

ニートの身体は後方へ吹き飛ぶ

召使い「私を手篭めにしようなどとふざけたことをしてくれますね」

ニート「え?え?」

召使い「ハアァァァァァッ!!!」ドゴォッ

ニート「ぎゃあああああああああああああ!!!!」

ニート「ごめんなさい…ごめんなさいぃぃぃ…ああああいでええええよおおおお痛いいいいいあああああ」

ニート「ああああああああああああああああああ」

――――

年配の男性「申し訳ないが君を家に入れることは二度と出来ん」

年配の女性「せっかく助けてあげたのにあのようなことを…」

ニート「そんなぁ…」

年配の男性「ではな」

バタンッ

ニート「あ…あああ…」

ニート「夢じゃないのか…これ」

ニート「どうしよう…」トボトボ

ニート「つーか、普通はこういう展開だったら俺はどっかの国の王様が歓迎してくれたり」

ニート「そういう存在じゃねえのかよ…」

ニート「あああ…あああああ…母ちゃん…どこだよぉ…」

ニート「いてっ!?」

ニート「あっ…」ドクッドクッ

ニート「やばっ、傷口…」

ニート「嘘…だろ…」ドクッドクッ

ニート「意識が…やばい…」

ニート「酷い人生だったなぁ…」

ニート「あはは…」

ニート「やべ、視界が霞んできたな…」

?「大丈夫ですか!?しっかり!!」

?「これは、酷い傷だ…」

?「僧侶!治癒術を!」

?「はいっ!!」

―――

―宿屋

ニート「うっ…」

勇者「目が覚めたみたいですね」

僧侶「良かったぁ…」

ニート「あ、あの…助けてくれたんですか」

勇者「倒れてる人は放っておけないですからね」

勇者「俺は勇者、まあ、わけあって旅をしてます」

勇者「彼女は僧侶、我らの回復役です」

僧侶「初めまして」

勇者「彼は戦士、ここまで君を運んでくれました」

戦士「腕っ節には自信があるんでな」

ニート「…あ、ありがとうございました」

ニート「あ、あの、じゃあ俺はこれで…」

勇者「待ってもらえますか」

ニート「え?」

勇者「あなた、この世界の人じゃないですよね」

ニート「え…」

勇者「その格好、世界を旅してきた我々でも似たようなものすら見たことがありません」

勇者「言い伝えにはこうあります」

勇者「異世界より現れし英雄、勇敢なる者を救う…と」

ニート「それって」

勇者「おそらく、あなたのことでしょう」

ニート「俺が英雄なんて、そんなわけが」

ニート「俺は魔術は使えないし、武器も扱えない」

ニート「そんな俺がどうやって英雄になるんだ?」

勇者「それは…」

戦士「使えないなら、使えるようになればいい」

ニート「えっ…」

戦士「おそらくお互い、魔術への適正はないだろう」

戦士「しかし剣ならばだれでも扱える、扱おうと思えば、な」

ニート「…」

ニート「待ってくれよ、俺は…」

戦士「帰る場所はあるのか?」

ニート「…あるよ」

戦士「今すぐに帰れるのか」

ニート「…それは」

戦士「なら、決まりだな」

戦士「そうじゃないなら、今すぐ出て行ってもらおう」

ニート「…っ!」

勇者「戦士、それはあまりにも」

戦士「もしこいつに戦う気がないのであれば、こいつは俺達の足手まといになる」

戦士「ならば連れて行くだけ無駄だ」

―その夜

ニート「俺に剣なんて扱えるのかよ…」

僧侶「ニートさん」

ニート「あっ…そ、そう、そう、僧侶…さん」

僧侶「ふふっ」

僧侶「なんだか、大変なことになっちゃったみたいですね」

ニート「…そう、だね」

僧侶「大丈夫ですよ」

ニート「えっ?」

僧侶「ニートさんなら、きっと大丈夫です!」ニコッ

ニート「…!」ドキッ

ニート「あ、あの」

僧侶「はい?」

ニート「僧侶さんはなんで勇者さんたちについてくことにしたんだ?」

僧侶「世界を救うって、なんだかすごいことじゃないですか」

ニート「はい?」

僧侶「それだけです。ふふっ」

ニート「…」

戦士「それではまず、この鉄の棒を持て」

ニート「うわっ、重い…!」

戦士「剣はそれより重いぞ」

戦士「それで素振り1000回だ」

ニート「せ、1000回って…」

戦士「始めろ」

ニート「えいっ!」ブンッ

戦士「…」

ニート「ぜぇ…ぜぇ…」

戦士「…」

ニート「…くぅっ!!」ブンッ

―――――

戦士「よし、ラスト1回だ」

ニート「ぜぇ…ぜぇ…くそっ!」ブンッ

戦士「よくやったな」

ニート「はぁ…はぁ…」

戦士「では次は剣の扱い方だ」

ニート「えっ、お、終わりじゃないの…」

戦士「何を言っている、まだ日暮れ前ではないか」

戦士「剣は使い方が様々だ」

戦士「まずは斬る、これは基本的なところだな」

戦士「次に突き、当てにくいが当てれば致命打となり得る攻撃方法だ」

戦士「柄の部分で殴ったり、他にもあるが、まあ先の2つを上手く使いこなせれば大丈夫だ」

戦士「では街の外に行くぞ」

ニート「えっ!?」

戦士「習うより慣れろだ、もし危なくなったら俺が手伝ってやる」

ニート「…もう嫌だ」

戦士「ん?」

ニート「俺が何か悪いことしたのかよ!なんでこんな目に遭うんだよ!!」

ニート「さっさと部屋に帰ってパソコンしてえよ!!!」

戦士「…」

戦士「ニートよ」

ニート「なんだよ」

戦士「お前が俺達の前に現れたことにはなにか意味があることだ」

戦士「俺達にとっても、お前にとっても」

ニート「…クサいセリフ吐いてんじゃねえよ!!クソッタレ!!」ダッ

戦士「あ、おい!」

戦士「…」

―森の中

ニート「くそっ!ちくしょう!なんだってんだよこれ!!」

ニート「家に帰りてえよ!!」

ニート「母ちゃん…母ちゃん…」

オーク「人間だ」

オークB「うまそうな人間がいる」

オーク「まるまる太っててうまそう」

ニート「ひっ!?」

オーク「丸焼きにして食おう」

オークB「よし」ドゴッ

ニート「ぐえっ!?」

―オークの集落

ニート「うっ…ここは」

女「目が覚めたか」

ニート「えっ…と」

女「あいつらは捕まえた獲物をこの檻に入れるんだ」

女「男ならそのまま食べ物に、女ならば子を孕ませて種族の繁栄に使う」

女「あいつらはメスがいないからな」

ニート「…ってことは、あんたも」

女「言わないでくれ、そんな恐ろしいこと」

女「なあ、お前、武器は使えるか?」

ニート「…剣なら少し」

女「そうか、私も剣の心得がある。あいつらが檻を開ける瞬間に何とかして武器を奪おう」

ニート「そ、そんなこと出来ない」

女「なぜだ?このまま食われて本望か?」

ニート「だって、怖い…じゃんか」

女「もっと恐ろしいことが後に控えていてもか?」

ニート「…だって俺はただの人だし」

女「私もそうだ」

ニート「…えっ」

女「それを言ったら、オークどもなんぞただの豚に過ぎない」

ニート「…」

女「一人では無理だが、お前がいれば或いは…」

ニート「…俺、どうすればい」

女「とにかく注意を引きつけてくれ」

ニート「それだけでいいのか?」

女「ああ、暴れるなり叫ぶなり、私はその間に隙をついて反撃する」

ニート「わ、わかった…やってみる」

女「失敗したらおそらく」

ニート「おそらく…?」

女「殺される」

ニート「…」

オーク「ぶひぶひ」

オークB「俺もう我慢できない」

オーク「俺もだ」

オークB「交尾交尾」

オーク「ぶひひひひひ、可愛い人間のメス」

女「…(頼むぞ)」

ニート「…」コクッ

オーク「おい女、でろ」

ガチャッ

女「…わかった」

オーク「そのままこっちに来い」

女「…ああ」

ニート「わああああああああああああああああああ!!!」

オーク「っ!?」

オークB「っ!?」

女「今だ!」

女は両腕につけられた手枷を繋いでいる鎖で思い切りオークの首を締めた

オーク「グギイイイイイ」

オークB「こいつ!やめろ!」

ニート「わああああああああああああ!!!」ドンッ

オークB「ぐぺっ!?」

女「よし、剣を奪った!」ザシュッ

オークB「」

女「貴様も死ね!!」ズドッ

オーク「」

女「よくやったな」

ニート「ただ、必死で…」

女「必死になれば出来るもんだ」

ニート「…」

女「手枷を外さないとな」ガキンッガキンッ

ガチャッ

女「よし、手を出せ」

ニート「こう?」

女「それでいい」ガキンッガキンッ

ガチャッ

女「一応そいつの持っていた剣を持っていけ」

ニート「う、うん」

女「見つからないように行く」

ニート「わかった」

女「待て、オークがいる」

ニート「…!」

オークC「あいつら遅い、早く人間のメスと子作りしたい」

女「…私が行く、待っていろ」

女「…」

女「おい」

オークC「ん?」

オークC「なっ!?ニンゲッ…」ズバァッ

オークC「」

―――

女「よし、ここを抜ければ出口だ」

オークの群れ「いたぞ!!」

女「しまった!走れ!!」

ニート「うわああ!!」ダッダッダッ

オークリーダー「矢を射れ、足を狙え!」

オークの群れ「はっ!!」

女「急げ!あいつら弓を使うぞ!!」タッタッタッ

ニート「ひいいいい!!!ダッダッダッ

バシュッ

女「がっ…!」

ニート「お、女さん!!」

女「行け!!」

ニート「で、でも」

女「お前まで捕まるぞ!!」

女「私は食われることはない、大丈夫だ」

ニート「…」

(女は陵辱され、子を孕まされる)

ニート「…」

女「おい!聞いているのか!早く」

ニート「そんなの、ダメに決まってるじゃんかああああ!!!!」

女「なっ…」

ニート「うおおおおお!!!!」

ガキィンッ

ニート「わああああああああ!!」ズバァッ

オークD「げぇっ…」

ニート「くそおおおおおお!!」

女「ニート!!右だ!」

オークE「そこだ!!死ね!!」

ニート「しまっ…」

ズバァッ

ゴロゴロゴロ…

オークE「」

戦士「やるようになったな」

ニート「あ…あ…」

戦士「あとは俺達に任せろ」

ニート「あ…あぁ…」ヘナヘナ

僧侶「大丈夫ですか?」

女「あ、ああ、君たちは」

勇者「狙うは隊長格のみ、はあぁぁっ!!」

オークリーダー「きゅ、急に現れて何だこいつらはぁっ!!」

勇者「一刀両断!!」

ザグゥゥゥゥッ

女「あの剣は…まさか」

―――街の宿屋

女「光栄です。勇者様に出会えるとは」

勇者「そんな固くならないでください。まだ魔王も倒せていない。」

勇者「ただの旅人と一緒です。」

僧侶「それにしてもニートさん凄いですよ~」

ニート「えっ…」

戦士「俺は剣の扱い方まで教えた覚えはないんだがな」

ニート「あ、あの時は無我夢中で…」

ニート「オークたちが女さんに酷いことをするのを許せなくて」

戦士「その心だ」

ニート「…!!」

戦士「誰かを守りたいと思うからこそ、人は強くなれる」

勇者「改めて、俺達と一緒に来てくれませんか?ニートさん」

勇者「そして女さん」

女「私も…?」

勇者「あなたも、こちらの世界の人ではないのでしょう」

女「…気付いていたか」

勇者「ええ、あなたからは魔力を感じない」

女「なるほどな、この世界に来て1年ほど経過し、もはや慣れたものと思っていたが…」

勇者「この世界に住む者は少なからず魔力を持っているものなのです」

僧侶「それにそれに~、伝承では異世界の英雄は3人いるはずなんですよ~」

ニート「ま、まさか、じゃあ女さんは」

女「日本人だ」

ニート「…や、やっと、話がわかる人が」

女「私も出会えたのは初めてだ」

女「格好からは気付いてはいたが、信じきれなかったのでな」

―――

深夜、ニートは一人で物思いに耽っていた。

女「どうしたんだ?」

ニート「女さん、なんでこの世界に?」

女「私にもわからん。私は剣道の道場を営んでいる祖父に稽古をつけてもらっていた」

女「だが、まばたきをしたその瞬間だ」

女「目の前が道場ではなくなっていた」

女「それからおそらく1年は経つ」

女「お前は?」

ニート「俺は3日ほど前に、寝て起きたらこの世界に」

女「そうなのか、元々何をしていたんだ?」

ニート「…ニート」

女「あはは」

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