北条加蓮「もしも私が」 (17)

加蓮「…ねぇPさん」

P「んー?」

加蓮「例えばね、私がさ」

P「んー」

加蓮「病気とか事故で死んじゃったら、Pさんはどうする?」

P「…なんでいきなりそんなこと聞くんだ?」

P「もしかして仕事で辛いことでもあったのか!それもとまた体調が悪くなったのか!!」

加蓮「ちょっとっ、Pさんっ、落ち着いてっ、違うからっ」

P「っとすまないすまない」

加蓮「もー」

加蓮「…私さ、Pさんも知ってるように子供のころよく病院に入院しててさ」

P「うん」

加蓮「入院中って言うのはやることなくて凄く暇でさ」

加蓮「その時に私が死んだら誰か悲しんでくれるのかなっていうのをよく考えてて」

P「えらい物騒なことを考える子供だな」

加蓮「まぁ子供ながらに自分は長く生きられないのかなーとか思ってたわけで」

P「達観してんな」

加蓮「多分そんなんじゃないよ、それでね多分親は悲しんでくれるかなーとは思ってたけど」

加蓮「私、小さいころは入退院の繰り返しであんまり友達っていなかったから」

加蓮「親だけかな、って思ってた」







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P「ふーん、で今はどうなんだ?」

加蓮「今、かぁ。どうなんだろうね」

P「おいおい、聞いてきたのに考えてなかったのかよ」

加蓮「だって今はそんなこと考えるような暇なんてないし」

加蓮「あの頃とは何もかも違うからね、Pさんのおかげで」

P「ここまで来たのは加蓮の実力だけどな」

加蓮「またそうやって…で、Pさんはどうなの?」

P「ん?」

加蓮「だーかーらー、私がもしも死んじゃったら」

P「あんま想像したくはないが…まぁ、泣くだろうな」

加蓮「泣く?」

P「そう泣く。もう四六時中ワンワン泣いて泣いて泣き明かす」

P「もう人目もはばからず、声を出して泣く」

P「そして自分の中で気持ちにケリをつけたら、最後は笑って送り出すよ」

加蓮「笑って送り出すの?」

P「そう」

加蓮「それはどんな死に方でも?」

P「うん、たとえ病死でも殺されても」

P「俺が死んだとき、どんな境遇でも最後は笑顔で送ってもらいたいからな」

P「だから俺は笑って送り出すんだ」

加蓮「…やっぱり変わってるね、Pさん」

P「やっぱそうか?たまに不謹慎とか言われるよ」

加蓮「…でもPさんらしいよ、ふふ」

P「そうか」

加蓮「笑って、かぁ。難しそうだね」

P「加蓮はどうなんだ?」

加蓮「えっ?」

P「俺が死んだら」

加蓮「死んじゃ、ダメ」

P「おいおい」

加蓮「…絶対私より先に、死んじゃダメだからねっ」

P「中々難しいことを仰る」

加蓮「絶対だからねっ、ただでさえPさん働きすぎなんだから、仕事のしすぎでポックリ逝ったら許さないんだからねっ」

P「へいへい」

加蓮「まったくもう…」

加蓮「…Pさんが、死んだらかぁ」

加蓮「私も、泣くだろうなぁ」

加蓮「立ち直れなくて、私も死のうと思うかもしれないね」

P「おいおい」

加蓮「でも多分、死ねない。Pさんがそんなこと望まないだろうから」

加蓮「だからPさんのことをずっと想って生きていくかもね」

P「…重い、重いぞ加蓮」

加蓮「そうかな?」

P「死んだ人間に生きてる人間が縛られる道理はないぞ」

P「少なくとも俺はそんなの望んじゃいないさ」

加蓮「そう、なのかなぁ…」

P「まったく、何をいきなり言い出すと思えば」

加蓮「だってPさんが私をどう思ってくれているとか」

P「おいおい、こうやって一緒に過ごしててもか?」

加蓮「…うん、だってPさんモテるし」

P「事務所の子達か?ありゃーからかってるだけだから」

加蓮「…Pさんって時々鈍感だよね」

P「バカ言え、超敏感だぞ」

P「じゃなかったら加蓮とこうやって一緒に過ごしてないからな」

加蓮「うっ」カー

P「はは、照れてる照れてる」

加蓮「うぅ~、Pさんのバカ」

P「加蓮の照れ顔、超ラブリー」

加蓮「ロリコン、女たらし、ドS」

加蓮「変態、ド変態、EL変態」

P「何この言われない風評被害」

P「そんなこという奴には、こうだ」

加蓮「んんっ…ん」

加蓮「ぷはぁ…もう元気になっちゃったの?」

P「お前が変なこと言い出すからな」

加蓮「もう…」

P「可愛いよ、加蓮」

加蓮「んっ…」




ピロリンッ♪ ピロリンッ♪



P「…えらい遅い時間にケータイが鳴るな」

加蓮「あの音は、奈緒だね」

加蓮「あ、凛からも来た」

P「…ああ、そうか」

P「加蓮、誕生日おめでとう」

加蓮「…今思い出したの?」プクー

P「そんなわけないだろ、ちょっと時間が分からなかっただけだ」

加蓮「…ホントにー?」ジトー

P「疑り深い奴だな、そんなこという子には特別な誕生日プレゼントをやろう」

加蓮「えっ…ちょっとっ」

加蓮「んっ…」

加蓮「痕(あと)、残っちゃうよぉ…」

P「残しているんだよ、歳の数だけつけてやるよ」

加蓮「…アイドルの身体に痕付けちゃうなんて、プロデューサー失格だね」

P「そんなの今更だろ、自分のところのアイドルに手出しておいて」

P「それに俺にしか見れない場所に付けるからヘーキヘーキ」

加蓮「やっ、んっ…」

加蓮「やだ、そんなとこ…」

加蓮「あっ」










加蓮「…Pさん」

P「zzz」

加蓮「今までありがとう、これからもよろしくね」


貴方が育ててくれたアイドル、北条加蓮は貴方と一緒に夢へと歩んでいきます。

だから、いなくなっちゃ、嫌だよ。

カラッポだった私に夢と希望を与えてくれた人、Pさん。

朝、事務所にて

加蓮「おはようございます~ふわぁ~あ」

パーン!パーン!

奈緒「誕生日おめでとう!」

凛「おめでとう、加蓮」

加蓮「…ビックリしたぁ」

奈緒「よしよし、驚かせてやったぜ」

加蓮「ちょっと奈緒~、心臓止まるかと思ったよっ」

奈緒「いつもやられてばっかりだからな!こういう時で仕返ししとかないとな」

加蓮「…奈緒の誕生日、楽しみだね」ニヤッ

奈緒「」ゾクッ

凛「ふふ、加蓮改めておめでとう」

加蓮「凛~ありがとう~」

凛「はいこれ誕生日プレゼント」

加蓮「ええっいいの?…うわぁ新作のマニキュアじゃない!」

凛「ちひろさんとか他の人に相談してさ、奈緒と一緒に買ったんだ」

ちひろ「加蓮ちゃんお誕生日おめでとう」

加蓮「あっちひろさん、ありがとう~」

奈緒「…ところで加蓮」

加蓮「何ー?」

奈緒「左肩のところ赤くなってるけど虫にでも刺されたのか?」

加蓮「え”っ!?」

凛「あれホントだ、赤くなってるね」

加蓮「そそそそそうなんだっ!たたた多分寝てるときにでも刺されたんだね!!ききき気付かなかったなぁ!!」

ちひろ(あっ)察し

ちひろ「…加蓮ちゃん」

加蓮「は、はいっ?!」汗ダラダラ

ちひろ「ホドホドに、ね」

加蓮「は、はいぃぃぃ…」

凛奈緒「…?」

ちひろ「さぁて、Pさんはどこかなー」

加蓮(うぅぅ…Pさんのバカぁ…)



終わり

以上です。

加蓮誕生日おめでとう。

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