ネウロ「ゆくぞ涙子。謎の気配だ」佐天「はいはい」 (37)

佐天「犯人はお前だ!」

大能力者「……くっ、俺の能力でやったアリバイが、こんなに、簡単に、解かれた?」

ネウロ「やれやれ先生を甘く見ないで下さい。能力で作ったアリバイなど、トリックが分かれば、逆に自分の首を締めることになるんですよ?」

ネウロ「――後は、貴様が『謎』を放出すればいいだけだ」

大能力者「あ、ああああああ」

ネウロ「い た だ き ま す」

ペロリッ

佐天「はぁ、疲れたー」

初春「お疲れ様です。でも、佐天さんに推理力があったなんて意外です」

佐天「そ、そうかな?」

初春「今じゃネットでも大人気のJC名探偵として、かなりの人気ですよ」

佐天(推理してるのはネウロなんだけどね)

御坂「おまたせー。聞いたわよ、佐天さん。また事件を解決したそうじゃない」

佐天「い、いや、それほどでもないですよ?」

黒子「でも、佐天さん。相手はレベル4の大能力者だったのでしょう。あまり無茶はないでください」

佐天「はい」

佐天(……たぶん大能力者ぐらいじゃネウロには勝てない気がする)

ネウロ「おや、先生。コチラでお食事中でしたか」

佐天「ぶっ――。ゲホッゲホ。ぅぅ、なんで、ネウロがここに」

ネウロ「僕もちょうど食事しようとおもいましてね(ジュルリ」

佐天(あ、ヤバイ。ネウロが舌なめずりしてるって事は、ここで殺人事件が起こるんだ。とりあえず、初春や御坂さん達をここから引き離さいなと)

初春「? 佐天さん、この人は誰ですか?」

佐天「えっと」

ネウロ「初めまして。先生のファンで弟子入りをした脳噛ネウロといいます」

初春「へぇ、佐天さん。弟子も取ってたんですか!」

佐天「う、うん。えー、どうしてもって言われて、しかたなく。うん」

御坂「……」

御坂(怪しい。怪しすぎるわ、コイツ。だってこんな異常な感じ……。本当に、人間、なの?)

黒子「お姉さま? どうかいたしましたか?」

御坂「……なんでもない」

ウェイトレス「きゃああああああ!?」

御坂「悲鳴!」

黒子「お姉さまは一般人ですので、ここに居て下さい!」

黒子「ジャッジメントですの。何事ですか」

ネウロ「『謎』が生まれたな。鮮度が落ちる前にいただくとしよう。……ゆくぞ涙子」

佐天「まだ飲んでいる途中なんですけど……」

ネウロ「ふむ」

カップへ掴むとまるでマグマのように沸騰を始めた

ネウロ「では、さっさと飲むといい」

佐天「……あ、いきます」

ネウロ「む。ゆっくり飲んでもいいのだぞ」

ウェイトレス「風紀委員の、人?」

ウェイトレス「厨房スタッフの人が、ぅぅ、頭から血を流して倒れていて」

黒子「分かりました。その倒れた人は何処に?」

ウェイトレス「……こっちです」


黒子「うっ、これは……」

黒子「貴女はとりあえず警備員へ急いで連絡を」

ウェイトレス「は、はい!」

黒子(かなり強度なもので頭部に一撃……。即死ですわね)

佐天「う、人の頭ってこんなに変形するんだ……」

黒子「佐天さん!」

佐天「事件のような気がしたので来ちゃいました」

佐天(強制的にですけど)

黒子「……本来ならば出て行って貰う所なんですが、佐天さんの推理力は眼を見張るものがありますの」

佐天「ありがとうございます、白井さん」


ネウロ「魔界777ッ能力……『魔界の凝視虫(イビルフライデー)』」

佐天「ネウロ。この謎は解(く)えそう?」

ネウロ「ふん。さっきの『謎』と比べると、デザート程度の質だが。『謎』は『謎』だ」

ネウロ「それに……我が輩を誰だと思っている。魔界の謎を喰い尽くした男だぞ」

佐天「……」

黒子「佐天さん、どうです?」

ネウロ「どうやら先生には、早くも犯人の見当がついたようですので。さきほどのウェイトレスをコチラへ呼び戻して下さい」

黒子「まさか……彼女が?」

ネウロ「それは先生の推理を聴いてのお楽しみです」

ウェイトレス「あ。あの、私に、何か……」

佐天(また腕が勝手に)

佐天「犯人は……お前だ!」

ウェイトレス「えっ! ちょ、ちょっと酷いです。そんな、犯人扱いなんてっ」

黒子「佐天さん、犯人と言うからには何か証拠がありまして?」

佐天「えっと」

ネウロ「先生は照れ屋さんなので、代わりに僕が解説させていただきます」

ネウロ「今回使われたのは、このファミレスで使用されている氷です」

黒子「ちょっと待って下さいまし。まさか氷で殴って殺害したと言うのではないでしょうね」

ネウロ「その通り。彼女はこの少し大きめの氷を使って、厨房にいた人を殺害したのです」

ウェイトレス「ま、まって下さい。確かにこの店は少し大きめの丸い氷を使用してますけど、それで人を殴ったところで、あんな風に即死するなんて――」

ネウロ「確か、普通は無理でしょうね」

ネウロ「……でも貴女は、学園都市に数少ないレベル4大能力者にして重力使い、ですよね」

ネウロ「先生のトモダチの花飾りの子似、貴女のことを調べて貰いましたりで間違いないでしょう」

ウェイトレス「……」

ネウロ「まず重力で軽くした氷を宙へ浮かせ被害者の頭上高くへと持って行き、そして自分が出来るかぎり加重をして落下させる」

ネウロ「衝撃で氷は砕け散り、第一発見者となった貴女は、被害者が死んだ事に動揺して近くでグラスを床へと落とす。そうすれば凶器が氷だと特定されにくく成る。そして」

ウェイトレス「アハ、アハハハハハハハ」

佐天「……また、豹変した!?」

ウェイトレス「アイツったら、私と付き合ってるクセに、飽きたからって他の雌豚に乗り換えやがった」

ウェイトレス「私を裏切ったアイツを許しておけるワケねーだろ!」

ウェイトレス「だから殺してやったのさ。……そして次は、奪った雌豚を殺す」

ウェイトレス「精々、あの世でイチャイチャすればいいのさ。アハハハハハ」

ガシッ

ウェイトレス「なんだ、放せよ。お前もアイツみたいに殺して欲しいのかよ」

ネウロ「ボソ)吠えるな小娘。能力に頼りきっただけの拙い『謎』しか生み出せない脳の持ち主が」

ネウロ「そんなに恋人と一緒に居たのなら居させやろう」

ネウロ「魔界777ッ能力……『朽ちていく恋人(イビルラヴァー)』」

ウェイトレス「……は。な、なんで、お前は、こここ、殺したハズだろっ、なな、なんで私の近くに。うわぁぁああああああ」

ネウロ「死んだ状態で徐々に朽ちていく恋人を見せる魔界道具だ」

ネウロ「さて、食事の時間だ」

ネウロ「い た だ き ま す」

ウェイトレス「あ、ぁ、ぅぅ」

ネウロ「ご馳走様――」

ネウロ「とはいえ、2つ魔界能力を使った以上は差し引き0と言ったところだな」

佐天「白井さん。捕まえなくていいんですか?」

黒子「……あ、そうですわね!」

佐天(ネウロは……あれもういない)


某ビルの屋上

ネウロ「……果たして本当にココにあるのか」

ネウロ「我が輩の脳髄の空腹を満たす『謎』が……」

ネウロ「ここならば理論上は生まれるはずなのだ。脳髄の飢えを満たす『謎』が」

ネウロ「今しばらく様子を見るとするか」


終わり

木原一族ならネウロも満足できる『謎』を作ってくれると信じてる
トリックはありがち且つ強引だった気もしますが……。
とりあえずペースが遅くてすみませんでした

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