ユミル「は?人が二人に分裂する薬……?」(183)

立ったら書きます
初めてなので不手際が多数あるかもしれません


※コミック10巻以降ネタばれ注意!
アニメ派の人はまわれ右!



アルミン「み、皆……聞いてほしい事があるんだ」

扉が開き、唐突に聞こえてきた声に食堂にいたメンバーはアルミンを振り返った

彼は休日に外出申請をして外に出ていたはずだが……?
そう思い首をかしげるのは彼の幼馴染、エレン、ミカサ

慌てていいるアルミンなんて珍しいなと思ったのは
ライナー、ベルトルト、ジャンにマルコ

何かやって教官に走らされていたのかな?と感じたのは
コニー、サシャである

そして我らが女神、クリスタ様は息を切らしているアルミンの為に水を持ってきて
そんな彼女を(さすが私のクリスタ)と思っているのはユミルである

アルミン「実は露店で……ものすごい薬を見つけてしまったんだ!」

アルミン「なんとそれは……!!人が二つに分裂してしまう薬だって言うんだよ!!」

エレン「なんだそれ、すげーな!!」キラキラ

ジャン「いや、それスゲーって言うか……ありえなくね?」

ミカサ「キラキラ輝くエレンにちゃちゃ入れる気……?」

ジャン「ごめんなさい」シュン

マルコ(ジャンったらまた……、と言いつつパチモンだろうなと思っている自分を否定できない)

ベルトルト(怪しい薬だなぁ)

クリスタ(へぇ、露店ってそういう物も置いてあるんだ)ワクワク


ライナー「……おいアルミン」

不穏な、そして微妙な空気を読みとって、ライナーが恐る恐ると言った風に声をかけた

ライナー「それは……人が飲んで大丈夫な代物なのか?」

アルミン「そこは大丈夫だよ!だってほら!消費者相談センター認定のロゴもきちんと入っているし

アルミン「それに露店のおばさんもきちんと分離していたから大丈夫だよ、皆で少し飲んでみようと思って買ってきたんだ!」


ジャン(いや、そんなジュースを買ってきた、みたいな……)

マルコ(面白いゲームを買ってきた……みたいな)

ベルトルト(無邪気な顔で言われても……ねぇ?)

コニー「なぁサシャ、分裂ってなんだ??」

サシャ「コニーは馬鹿ですねぇ、それはきっと調理法ですよ!」

ユミル「お前ら馬鹿はしゃべんな、後で要点だけまとめて伝えるから」

エレン「ちなみにその露店のおばさんは一体どういう風に分裂したんだ?」

エレン「もし俺が分裂出来たら、さらに分裂して、もいっかい分裂して、最強の巨人を駆逐する「エレン軍団」を作ってやるんだぜ!」

ミカサ(たくさんのエレン、エレンエレンエレン……///)

ライナー「いや、だったら主席のミカサを分裂させた方がより凄い軍団になりそうだぞ?」

エレン「そうかぁ」

アルミン「いや、多分……エレンの想像している分裂とはまた勝手が違うと思うよ」

アルミン「この薬を飲んだおばさんは………

善意をもって商品を売る人と、金もうけのためにひたすら商品を勧めてくるおばさんに分かれていたから」

兄弟げんか勃発
チョイ落ちる

愚痴だがうちの弟マジうざいわ
「ミクシー駄目」「テレビ駄目」「友達と遊び行くの駄目」「ゲーム駄目」「イラスト?オタク?マジきもい」とか
こちとらお前の彼女じゃねーっつーの

すみません、イライラの余り私情を書きこんでしまいました
こちとらもう10年くらい我慢していたのに「最近怒りっぽいよね?」とかのたうちまわる馬鹿なので
(あ、コニーといい勝負だ)


続きます

エレン「え……?」

ライナー「どう言う事だ……?」

マルコ「え……と、つまり、善意と悪意に分かれたって言う事?」

アルミン「正直、誰がどう言った区分で分かれてしまうかは出たとこ勝負らしい」

アルミン「体質的な物もあるかもしれないと……善意のおばさんは言っていた」

エレン「じゃあ例えばアルミンが飲むとすると……賢いお前と馬鹿なお前で分かれる、とか?

ミカサだと腹筋割れているミカサと割れていないミカサとか?」

ミカサ「…………」オチコミー

ジャン「………」

マルコ(あ、、ミカサがエレンの言葉に落ち込んだのを見てジャンが落ち込んだ)

ユミル(もしかして天使なクリスタと女神なクリスタ……もしくは小悪魔クリスタとか?)

アルミン「賢い僕と馬鹿な僕ではなかったよ」

アレン「え?なんでお前知っているんだ?」

アルミン「だって僕が飲んだら……」

???「わあぁあああ!!待ってぇええええ!!」

皆『!!!!?』

アルミン「ちょっ……!待ってったら、僕!」

アルミン「あ、僕だ!ちょうど良かった、紹介するね!!

無邪気な僕と、気遣いやの僕に分かれたんだ!」

皆『!!!!?』

アルミン「うぅぅ、試供品だと言われて、安全性も大丈夫と言われて油断した……胃が痛いよ」

アルミン「胃が痛いってなんで?皆楽しそうじゃないか、僕たちもあと30分位で戻るのに」

コニー「すげぇえええ!!アルミンが二人いるぞ!」

サシャ「凄いですねぇ!ではでは二人もいるので、どちらかは座学の宿題を手伝って下さい!」

サシャ「でも二人いるからって、夕食のパァンはあげませんよ?」

クリスタ「すごいね、すごいねユミル!」

ユミル「たしかに凄い………が」

ユミルは隣にいるクリスタと、二人のアルミンを交互に見てから口を開いた

ユミル「アルミン、縮んでないか?」

指摘を受けた楽観的なアルミン……あぁ、めんどくさい……げふんげふん
略して楽ミンは楽しそうに「そう!そうなんだ!」と肯定する

対して神経質なアルミン……
こちらは略しにくいので胃痛ミンはお腹を押さえながら「うん、そうなんだ」と声を漏らした

胃痛ミン「あ、今気づいたんだ……ちょっと遅か」

ライナー「そう言えばそうだな、アルミンは小さい物だって思いこんでいたから」

ベルトルト「あぁ、気がつかなかった……ごめんよアルミン」

胃痛ミン(胃が……!)キリキリイライラ

楽ミン「なんかね、分かれる物の割合によっても大きさが分かってくるらしいんだ」

マルコ「そうなの?……でもそれによっては二人とも同じ大きさだね」

楽ミン「うん、僕とかは物を純粋に知りたいって言う『知識欲』が強かったせいかな……?

でも僕自身も気遣いやで苦労性の部分の方が強いと思っていたからぴっくりしたよ」

胃痛ミン「ちょ……やめて、あとで色々と……なにかあったら……」キリキリ

ジャン「ちょ……!まて、そっちのアルミン!気遣い屋の方がなんかダメージを受けているから!!」

楽ミン「ちなみに露店のおばさんはがめつい方が大きかったから分かった事なんだけれどね!」

ジャン「じゃあなんで試供品飲んだんだよ!!」

楽ミン「僕も自分自身の発見があったから……だから皆にも飲んでもらいたいなと思って買ってきたんだ」

ライナー(……とは言ってもなぁ)

ベルトルト(巨人の自分と自分の自分が分かれたらどうしよう)

ユミル(これは私は絶対に飲めないな、とりあえず危険性を説いて辞めさせるか)

ユミル「でもよ、いいのか?今のアルミンを見ても分かると思うが……自分にダメージが来る場合もあるってことだぞ?」

ライナー(お、いい流れだ!)

ライナー「そうだな、もし万が一だが……自分に不利益な場合もあるし」

コニー「それってどう言う場合なんだ?」

サシャ「でも私は悪い事なんて無いと思いますよ!もしかしたらこの宿題を二人で協力して解けるかもしれません!!

私は飲みますよ!さぁ!さぁ!アルミン薬を下さい!!」

ライベルユミ『!!?』

ユミル(しまった……そう言えば今なぜ食堂にいるかを忘れていた!)

ベルトルト(そう言えばコニーとサシャの重なりに重なった宿題を皆で解く為に集まっていたんだっけ?)

サシャ「多少の悪い事なんてどんとこいですよ!!両方とも私なら、私の宿題を解くことに協力を惜しむ訳ないじゃないですか!!」

胃痛ミン「あぁ……それだったら大丈夫かもね、でもねサシャ、これって効果は大体一時間位なんだって」

楽ミン「だからその……その貯め込まれた罰則の量は一時間じゃ……」

サシャ「そうなんですか……残念です」

楽ミン「だからさ……よければコレ夜にでも飲んでみたら?これイチゴ味で意外と美味しかったし!」

サシャ「ほんとですかー!!?」

胃痛ミン「ちょ、何を言っているんだよ僕!そんな簡単に渡してもし何かあったら……」

楽ミン「大丈夫だよ僕、だってサシャは大丈夫って言っていたし……」

胃痛ミン「うわああああああ!!」キリキリ

ミカサ「アルミン……アルミン大丈夫?駄目よアルミン、アルミンを苛めたりしちゃ」オロオロ

コニー「……俺は飲むの遠慮しようかな、あんなアルミンを見ちゃあ……な」

ジャン「あぁ、もしもしもだが俺に恥をかかす俺なんて居て欲しくねぇし」

マルコ「同感」

エレン「そうかぁ?アルミン楽しそうじゃん」

ライナー(多分お前はどう分かれても楽観的なんだろうな)

ユミル(クリスタはどう分かれるんだろう)ウズウズ

【ユミル回想】

クリスタ「もー。ユミルのばかぁ!!」
クリスタ「ユミルだーいすき」

愛情表現が苦手なクリスタと、愛情表現がまっすぐなクリスタ


クリスタ「ユミルのバカバカ、大嫌い」(ちっこい)
クリスタ「もう、何って言うのよクリスタ」(本体サイズ)

不良なクリスタと善意のクリスタ


クリスタ「あなたが欲しいのは女神のクリスタ?」
クリスタ「それとも天使のクリスタ?」


クリスタ「あなたが会いたいのは可愛いクリスタ?」
クリスタ「あなたが見てみたいのは綺麗なクリスタ?」


【回想終了】

ユミル(……これはいい!)

ユミル(とは言っても、まぁ実際そんな都合良く行く訳ないしな。レイスとレンズで分かれてもあれだし)

ユミル(まぁ今回はこの妄想の原動力を貰っただけでいいか)

ユミル「ま、男共なんて自分の性癖の具現者なんかが出てきたら最悪だしなー」チラッ

ライナー「何故だ、何故俺を見るんだユミル!」

ユミル「無い、とは言い切れないぜ?エロい自分と健全な自分に分かれる確率」

ジャン(ハッ……!そしたら俺がミカサの事好きだってばれてしまう!!)

マルコ(いやいや、皆知っているからね?)

ベルトルト(僕の足フェチがばれてしまう!?)

ライナー(クリスタに結婚しよ、とひたすら呟く俺と止める俺か……)

コニー「えぇ!?実は今おならをこらえている事がばれるって事もありえるのか?」

エレン「それは自分で言ったら駄目だろ」

ミカサ(エレンが突っ込みを……なんて大人になって)

サシャ(エレンを見て赤面してますが、ミカサが二人になったら何をするか分からないので怖いです……/猟師の感)

クリスタ「でもみんな、そんな悪い性格なんてあるはずないじゃない!みんなこんなにいい人なんだし」ニコッ

ライナー「一番!ライナー!!薬を飲みます!!」

エレン「お、いいぞライナー!飲め飲め!」

ベルトルト「!?ちょ……ライナー!?駄目だってば(もし人間と巨人に分かれたり、エロ本の場所が発覚したらどうするの!?)」

ライナー「止めるな、ベルトルト……戦士として……むぐ!」

ベルトルト「その台詞は聞き飽きた!(クリスタに嫌われてもいいの!?)」

ライナー「!!………そう、だよな……ありがとうベルトルト」

ユミル「……やっぱりホモとノーマルな自分に分かれたら嫌なのか(ぼそっ)」

ライナー「…………やっぱり飲む!飲んでやる!!戦士に二言は必要ない!!俺は断じてホモではない事を見せてやる!!」

ベルトルト「だから駄目だって……!」

クリスタ「もぉ、ユミルったら無理やり飲ませるような事はしちゃだめでしょう?」

ユミル「ははは、どうせ飲まないんだしいいじゃねぇか!」

サシャ「えー飲まないんですか?」

ユミル「そりゃあな……っと、笑いすぎて喉が渇いて来ちまった。クリスタは水はいるか?」

クリスタ「ううん、大丈夫」

サシャ「なら私にも持ってきてください!」

ユミル「ばーか、私の手は二つしかないんだよ」

コニー「あ?だってお前のコップしか持っていかねぇんだろ?」

ユミル「私の手は私の為の手とクリスタの為の手しかないから駄目って事だ、芋女は水が欲しかったら自分で持ってくるんだな」ヒラヒラ

少し席を外します
今日中に余り需要が無い事が分かればスレッド落として行きますね

すみません、少しだけ投下します
支援ありがとうございました

直接入力よりメモ帳のが格段に書きやすかったorz

クリスタ「もぉ、ユミルったら」

エレン「まぁまぁ」

コニー「にしてもあいつは本当にクリスタばっかだな」

サシャ「それに自分ばっかりもありますよ?」

ライナー「じゃああいつがどう分かれるかは決まりって事だな『クリスタ本位』なユミルと『自分本位』なユミルって事で」

クリスタ「………」

サシャ「んん?どうしたんですかクリスタ」

クリスタ「うーん……疑う訳じゃないんだけれど、ね」

ベルトルト「どうしたんだい?」

クリスタ「……ねぇアルミン、その薬ちょーだい」

楽&胃痛『よろこんで!!』ハイドーゾ

エレン「おぉ、息ピッタリだな」

ミカサ「エレン、両方ともアルミンだから」

ジャン「なんでその薬が欲しいんだ?」

クリスタ「あのね、ユミルって私の事を本当に大切にしてくれているじゃない?」

エレン「そりゃあ」

ライナー「そうだな」

ベルトルト「でもなんで?」

クリスタ「さっきはね、皆の事いい人なんて言っていたけれど……私はそうじゃないでしょ?

自分の事を見てもらいたいって、少しでもいい人になりたいって思ってばっかり……それを指摘してくれたユミルって本当に私の事が好きなのかな?」

サシャ「でもクリスタは優しいですよ?なんでそれが悪い事になるんですか?」

クリスタ「……ありがとう、サシャ。私もね、ユミルは本当に私を親友だと思ってくれていると思う……けれど、どうしても疑ってしまう部分があるの」

コニー「分かったぞ!じゃあそれを確認したいと思って、ユミルに薬を飲ませたいんだな?」

クリスタ「……そうなの」

ライナー(レズが出てきたらどうしよう)

ベルトルト(クリスタを好きすぎて暴走するユミルが出てきたらどうしよう)

ジャン(男勢には罵詈雑言を吐きまくる奴が出てきたらどうしよう)

マルコ(クリスタを性的に愛しているユミルが出てきたらどうしよう)

クリスタ「………」

サシャ「……飲ませてしまえばいいんじゃないですか?」

クリスタ「え?」

サシャ「ユミルだったら……きっと許してくれますよ」

クリスタ「でも、絶対に怒る」

サシャ「だったら謝り倒せばいいじゃないですか!私なんてしょっちゅう怒られていますけれど、仲良くしてくれていますよ!」

クリスタ「サシャ……」

サシャ(そうなんです、いつも怒られているので仕返しです!薬飲んじゃえばいいんですよ!)

クリスタ「そうだね、決めたわ……私、ユミルに薬を飲ませる!」グッ

サシャ「ひゃっほーい!頑張りましょう!」

コニー「面白そうだな!」

ジャン「そうだな、ちょっと飲ませて見るか」

胃痛ミン「ミカサ、何をやっているの?」

ミカサ「万が一、エレンを誘惑する女狐が出てきた時の為に……」

胃痛ミン「そんなフォークやナイフ、小刀を用意しないで」キリキリ

楽ミン「嫌だなぁ僕、ミカサがそんな事する訳ないじゃないか」キラキラ

エレン(アルミン面白そうだなぁ)

マルコ(あれ?アルミンが不在と言う事はまとめ役の不在?……大丈夫かな?)

それでは眠いので落ちます、出来れば明日また続きを書きます
行き当たりばっかりで申し訳ありません

一応ユミルだけ分裂予定ですが、他のメンバーの分裂案がありましたら教えて下さい
それでは

シマッタ φ(○Δ○) シマッタ

そうです、妄想ですorz

他にもベルさん「巨人の自分と人間の自分」を「巨人の自分と自分の自分」なんて言ってます
どれだけ自分自分言うの?私が悪いんですが

すみませんが誤字脱字は皆さんで補完できるところはしておいて下さいorz

続きを投下します

楽ミン「で、どうやって飲ませるつもりなの?」

クリスタ「それなんだけれどね、コップの方に薬を溶かして……」

ユミル「楽しそうな話をしているなぁ、愛しのクリスタ」ニュッ

クリスタ「……ぇ、ぅむ!」ホッペグニュー

ユミル「私に一服盛ろうだなんて……お前はいつからそんな悪い子になったのかなぁ?」

ライナー(両手のひらでクリスタのほっぺを抑え込むだと!?なんて羨ましい!!)

コニー「ってかお前いつ来ていたんだよ!どこから聞いていた!?」

ユミル「そんな面白い薬が出てきて話題そのまま、なんて事ないだろ?とりあえずお前らの方向性を見ておこうと思って少し隠れていたんだよ」

エレン「え?じゃあ水は?」

ユミル「それは取ってきた、ほーらクリスタ!お仕置きだぞ?」

クリスタ「ひゅひるひゃめてぇ」

ユミル「止めろって言われてお仕置きを止めるわけないだろ?」

楽ミン(ユミルの人差し指がクリスタの口の中に!?)

胃痛ミン(そして両サイドを引っ張っている、だと!?)

マルコ「そっかぁ、じゃあこれでユミルに薬を飲ませるのは中止だね」

サシャ(そろーり)

ジャン「だなぁ、男女が『等身大の男性的』な女と『ちっこい女性的な女』になったら面白かったのにな、女子力低いって事で」

ユミル「なんだと?ジャン、こんなに素敵な乳が付いているのに男女と言われるとは心外だな」洋服ギュッ

コニー「その行動が男女だっての!」

ジャン「洋服を後ろに引っ張って強調するの止めろ!」

サシャ(そろーり)

ライナー(ん、サシャ?)

サシャ(ライナー、ベルトルト……ごにょごにょ)

ユミル「はは、おいそこの芋女」

サシャ「はひぉ!?」

ユミル「さっきまで楽しそうに話していた奴から目を離す訳無いだろ?会話をする間も与えてやらないと思え」ククク

エレン(これは)

ジャン(これは)

マルコ(まるで)

クリスタ(手強い)

コニー(悪魔みてぇだ)ガクブル

ユミル「そうだなぁ……罰としては大勢の前でお尻ぺんぺんなんてどうだよ?」スタスタ

ユミル「田舎出のお前にはぴったり……う!?」

ライナー「そこまでだな、ユミル」

ユミル「ラ、ライナー!?」ギュウ

ライナー「首と手を封じたぞ、これで上半身は動けないだろ?」

ユミル「ふん、こんなの……ってベルトルト!?」

ベルトルト「うん、ユミルは立体機動の時にしなやかに動くからね……体が柔らかいんでしょ?捻って抜け出されないように足を抑えさせて貰うね?」

ユミル(やばい、やばい、やばい力技で来られた時の事考えてなかった!)

サシャ「わー、ライナー良く抑えてくれましたね!」

ライナー「いや、このタイミングだったらユミルの捕獲しかないだろ?それに条件なんて後から交渉してもいいようなもんだしな」

ユミル「だああ!!はーなーせー!!」ブンブン

ベルトルト「ぐっ!危ないなぁユミル、足当たったぞ!?」

ユミル「うるっせーな!すぐにその手を離せばいいだけのはなし……」

クリスタ「ユミル!」

ユミル「クリスタ、お前からも言ってやれよこいつ等やりすぎ……」

クリスタ「私はユミルにお薬飲んでほしいな」

ユミル「」

ユミル(しまった、一人に薬を飲ませてお終い……な流れを舐めていたか)

クリスタ「ユミ…」

ユミル「嫌だ」

サシャ「え……と」

ユミル「嫌だっつってんだろこのボケ」ヒュッ

サシャ「ギャン!……ってベルトルトちゃんと足を抑えて置いてくださいよぉ」ヒリヒリ

ベルトルト「抑えていたんだけれどね、なかなか手強いや」

クリスタ「うーん……じゃあねぇユミル」

ユミル「飲まないって言ってんだろ」

クリスタ「……以前ユミルが言ったように、自分本位な私になろうとしたのになぁ」シュン

ユミル「ぅ」

ユミル(う、確かに今の状況はいい子ちゃんぶっているクリスタじゃないけれど。まさかこっちに迷惑が来るような感じで変わるなんて思ってもいなかったぜ)

クリスタ(あ、考えてくれてる)

ユミル(でも確かに都合の悪い分裂なんてほんの僅か………ではないか。まぁそこの確立は運命って言う事になるんだが)

ミカサ(クリスタの「我儘になるよ」でまさかこんな条件でユミルが揺らぐとは)ビックリ

ユミル「……や、やっぱり嫌…」

クリスタ「どうしても、駄目?」

ユミル「…………」

ジャン「あ、また考えた」

マルコ「なんか凄く考えてくれているみたいだね」

・・・ヤッパヤメ・・
エ、ドウシテモ・・?

ウ・・ン

クリスタ「じゃあ、私が飲ませてあげるって言うのは?」

エレン「サービスで口移しで飲ませてやるってのはどうだ」

クリスタ「そ、そうだね……じゃあ口移しで……///」

ユミル「そんな言葉言ったら駄目だろクリスタ!嫁入り前の娘が!」

クリスタ「ぁぅぁぅ///」

コニー「なぁ、ユミルのクリスタの関係性ってさぁ」

胃痛ミン「あぁ、なんだかエレンとミカサ見たいにも見えてきたな」

楽ミン「年頃の娘を心配するお母さん……って言うか、あれ?」


ぼふん!!


「も……」

アルミン「もどったー!!」

エレン「アルミン良かったな!」ハイタッチ!

ミカサ「本当に良かった」

ユミル「………はぁ、わかったよ」

クリスタ「え?」

ユミル「もういい、腕も疲れてきたしさっさと飲ませろ」

クリスタ「ほ、ほんと……?」

ユミル「ただし、お前が望む私が出てくるとは限らんからな」

クリスタ「…っ……それでも」

ユミル「その代わり、お前のいい子ちゃん癖を治すんだな?」

クリスタ「う、うん……分かった」

ユミル(よし、飲んだら直ぐに逃げよう……きちんと戻れる確証も掴んだし)

クリスタ「じゃあ……飲ませるよ?」

ユミル「あぁ……」ゴクン



ぼふん!!





サシャ(ドキドキ)

コニー(ドキドキ)

マルコ(ドキドキ)

ジャン(ドキドキ)

エレン(ワクワク)

ミカサ(…………)

ライナー(……けむい)

ベルトルト(目に染みる)

クリスタ「……ゆ、ユミル?」


ユミル「なんだよ」

クリスタ「あ、あれ……?」

クリスタ「変わって……ない?」

ユミル「あ?何を言って…」

???「なんだよコレー!!」

クリスタ「ん?」

???「ぎゃあああ!!なんだよこれ!」

クリスタ「あれ?どこから……この声」

???「動くなよ、動くなよみんな!!ついでに私とベルトルトとライナーは特に動くなぁあああ!!」

ベルトルト「あれ?下か……ら?」



ちびユミル「ぎゃああああ!!」

ベルトルト「…………」

それが居たのはユミルの隣、ベルトルトとライナーの間、クリスタが丁度見えない辺りの場所だった

そこにはちっこいちっこいユミルが、大きな人間に囲まれているのがよっぽど怖い様子で泣いていた


ユミル(…………)

ライナー「……これは、ユミルか?」

ベルトルト「ちっちゃい」

ちびユミル「てめえ等が大きすぎるんだよぉ!」グスグス

ミカサ「いや、それはない……あなたが小さくなっただけ」

コニー「俺よりちっちゃいな!」

サシャ「わー、可愛いですね!」

ちびユミル「近づくにゃー!頼む、動かないでくれぇ!!」パニック!

ユミル(…………、よし)

アルミン「えぇ……と、とりあえず。潰されないかと言う事でパニックになっているみたいだから机の上にでも乗せてあげようよ」

クリスタ「わ、私がやるねユミル」

ちびユミル「うわああああ!!そんな上から掴もうとしないでくれぇ!」

マルコ「え……と、とりあえず手のひらをユミルの足元にやってみたら?」

クリスタ「う、うん」

ちびユミル「これなら……よいしょっと」

クリスタ「じゃあ手をあげるね」ソローリ

ユミル(こそーり)ススス

クリスタ「はい、机の上とうちゃーく」

ちびユミル「はぁ、はぁ……助かったぁああ」グッタリ

ユミル「おい、じゃあ薬は飲んだからな」ガシャガチャ

一同『!?』

ユミル「じゃあなクリスタ!約束は守れよ、私は一時間逃げきってやるからな」ニカッ

ユミル(よしよし、一時間逃げるぞ!ちっこい私はクリスタの手元に居れば大丈夫だろ……でもまぁまさか、アレが分離するとはなぁ)ダッシュ

ユミル(……恥ずかしいからな、一時間逃げ切ってやる!!)

コニー「あ!ユミルが逃げ出したぞ!」

ジャン「しかも食堂の扉をがっちりと閉めてだ!くそっ時間稼ぎをして逃げる気だな!?」

サシャ「逃げるって事はよっぽど恥ずかしいって事なんですかね、追いますよコニー!」

コニー「合点だ!」

エレン「へぇ面白そうだな、せっかくの休日だし鬼ごっこと行くか!ミカサ、お前も来るんだろう?」

ミカサ「エレンが行くなら」

ジャン「……!マルコ、お前も来い!」

マルコ(またミカサにいいところを見せようとしているんだろうな、はぁ)

マルコ「しょうがないなぁ、アルミンはどうする?」

アルミン「僕は、こんな薬持ってきちゃってユミルに悪いし……鬼ごっこには不参加かな」

ジャン「そうか、よしじゃあ行くぞ!!」



鬼ごっこ開始【残り1:00】

ユミル「まずはあの動きにくい扉を閉めてきたからな、大人数ではすぐに開くだろうが……窓を開けて屋根によじ登るくらいの時間ならあるだろ」ヨイショッ

ユミル「よっしゃ、気付かれずに登れた!まぁ普段手を抜いているおかげであいつらの目測も多少狂うだろうし、お」カクレカクレ

コニー「ユミル—!どこだ—!」

サシャ「出てきたらパァンを…………ひとつまみくらいいならあげますよぉ!」

エレン「それじゃ出てこないだろ」

ミカサ「それに名前を呼んでも出てこないと思う」

サシャ「分かりませんよぉ、もしかしたらパァンにつられて出てくるかもしれません!ユミル—!」ダダダ

ユミル(追ってきたのは馬鹿二人組とエレン、ミカサ、ジャン、マルコか……思いのほか少ない、って)オデコペチン

ユミル(そう言えばクリスタとライナーが一緒じゃねーか……あの二人を一緒にするのはなぁ)スタスタ

ユミル「ま、もう一人の私もいるしまだマシか……」スタスタ

ユミル(よし、気付かれずに目的地に着いたぞ……近くて良かった)コンコン

キース「入りたまえ」

ユミル「はい、失礼いたします!」

キース「…………」

ユミル「キース教官にお願いがあって参りました」

キース「なんだ」

ユミル「サシャ・ブラウス訓練兵とコニー・スプリンガー訓練兵が食堂付近で走り回っておりました、食堂で自習をしていた我々の勉強の妨げになるので二人にご指導をお願いいたします」

キース「またあの二人か……、そんなに騒がしいのか?」

ユミル「はい。私が教官へ報告をしようと外に出たところを阻止するように追いかけて来たので、宜しければ二人を静かな所に移動するよう言って頂ければと思い参上いたしました」

キース「そうか……わかった」ノソリ

ユミル(良い気味だなサシャ、まぁ普段の行いが悪かったって事で諦めろ)

キース「……嬉しそうだな、何か企みでもあるのか?」

ユミル「いえいえ、私達はあらかじめ食堂で宿題を行うと言う名目の届け出は出しておりますし、何よりサシャ・ブラウスやコニー・スプリンガーが自習を放棄して私を探し回っているのは本当の事ですので」ニコリ

キース「ふ、なんだか生き生きしている様に見えるが……それを普段の演習中にも発揮してほしいものだな」

「ユミル—!どこだー」(遠くからの声)

ユミル「はい、わかりました。助言ありがとうございます」ニコリ

ユミル「それでは私は失礼いたします」ペコリ

ゆっくりとドア開け

サシャ「……ユミル—!」(近づいてきた)

ユミル「ありがとうございました」(ちょっと大きめの声)

コニー「あ!!ユミル見つけたぞぉ!」

サシャ「え、あ!!ユミルみーっけ、逃げるなよぉおお……よし捕まえたぁ!!」ギュウウ

ユミル「つかまっちゃったー(棒)」

キース「…………」

コニー「ん?」

サシャ「ん?」

キース「何をしている?ブラウス訓練兵、スプリンガー訓練兵、お前たちは今食堂を利用して自習をしているとの届け出があったようだが?」

サシャコニー『…………』

ユミル「」ニッコリ

後ろの方で何やら騒がしい声や音が聞こえた

まぁ職員室の近くでサシャやコニーの声が聞こえたのは本当に偶然だったが……
あの二人の普段の勉強の姿勢と教官の評価では遅かれ早かれ今回の「報告」でこの事態は変わらなかったのだろう

自習を途中で辞めた理由が「人が分離する薬」ではしゃいだなんて言えるはずもないし
言っても教官が信じないだろうなと思う


ユミル「ま、どっちにしても……教官の介入なんてあの二人には考え付かなかっただろうけれどねぇ」

うーん、と背伸びをしてから少し嗜好を考える
残りのメンバーはサシャやコニーとは違う、身のこなしが素早いだけの狩猟メンバーじゃない

と、なると……

ユミルはダッシュで中庭の訓練場へと向かった、出来るだけ屋根伝いで足音を押し殺す。
3年前は日常的にやっていた事だ、簡単に音を立てずに進む事が出来た

お目当ての人物は予想通り、中庭で今日も一人訓練をしている
その人物にユミルは出来る限りの笑顔で声を掛けた


「よぉ、アニ」



鬼ごっこ開始【残り0:53】

うーん、ストックを書き連ねていたらシリアスになりそうになった(シリアスだけにはしたくない!)
訂正をするのでまた少し時間が空きます、気長に待っていて下さい

様々な方のコメント力になってます!ありがとう!!ノシ

続き投下します!

ちびユミル「ぇ……ふぇ……怖かったよぉクリスタぁ……」

クリスタ「も、もぉユミルったら、泣き虫さんなんだからぁ///」キュン

ちびユミル「泣き虫なんて……言うなよ、結構……ぐすん、屈辱的なんだぞ」グスグス

クリスタ「そうなんだぁ///」

ちびユミル「こんな姿……見られる方が恥ずかしいに決まっているじゃないか……」ウルウル

クリスタ(可愛い///)

ライナー(抱きしめたさそうにしつつも、相手が小さすぎて躊躇っているクリスタも可愛い///)

ベルトルト(なんだよこの小動物)キュン

アルミン(今までのユミルの記憶や気持ちはきちんとある感じだな……まぁ、そこからの恥じらいが偉く可愛いけど///)

ちびユミル「どうするんだよぉクリスタぁ、こんな姿見られて……明日から私は笑い物になっちゃうじゃないか!」グスグス

クリスタ「だ、大丈夫だよユミル!私が守ってあげるからね!///」

ライナー「そうだな、幸いと言うかなんと言うか……口の軽そうなメンバーはみんな外に出ているからな」

ちびユミル「そりゃあそうだよ!あのユミルが外に連れ出して行ったじゃないか!」ウルウル

アルミン「え?」

クリスタ「?」

ライナー「それって、どう言う……?」

ちびユミル「……!!言ったらここから外に連れて行ってくれるか!?クリスタと一緒に寮の部屋に帰っていいか?」グスグス

ライナー「アルミン、元に戻る時はこいつらはそろって無くてもいいのか?」

アルミン「うん、大丈夫だと思うよ……確か大きいユミルの所で元に戻るはずだから」

クリスタ「じゃあこの子を部屋に連れて帰っても大丈夫なのね?」

ベルトルト「移動するのか……じゃあ少し用意してくるね」

クリスタ「(用意?)うん、よろしくベルトルト。あとユミル良かったね、部屋に帰れるよ!」

ちびユミル「良かったぁ……ほっとしたよ。あ、クリスタティッシュとってくれる?ちょっと鼻噛みたい」ウルウル

クリスタ「ティッシュね、はいどうぞ」

ちびユミル「ありがとうクリスタ」ニコッ

アルミン(やっぱりなんかいつものユミルとは違うな、なんだろコロコロ話題が変わっているし)

アルミン「それで、ユミルが皆を部屋から連れ出したって言うのはどう言う意味?」

ちびユミル「じゃあ、じゃあ言うぞ。あのユミルの部屋を出る際の言葉って……少し挑戦的だったと思わなかったか?」ウルウル

クリスタ「えぇっと……」

ちびユミル「【じゃあなクリスタ!約束は守れよ、私は一時間逃げきってやるからな】って言って、いい笑顔を残して言ったんだけれど

一時間限定で逃げてやる……なんて、小馬鹿にしたような笑顔を浮かべられるとつい追いかけたくなる様な人が多いと思うんだよね」グスグス

アルミン「そうだね、サシャやコニーは今回の事は乗り気だったし、挑戦的に言われたらエレンやジャンはついて行くと思うよ」

ちびユミル「で、追いかけて来た人は来た人でこっちに来れないようにすればいいと……あのユミルは思ったんだよ」ウルウル

ライナー「そんなに上手くいくもんか?相手は仮にも成績上位陣、加えて多数に追われているんだぞ?」

ちびユミル「ねぇ、ユミルの印象ってどう思う?」

クリスタ(あ、泣きやんできてくれた)

アルミン「そうだなぁ、クリスタが大好きで……それ以外の人はあまりべたべたしない?」

ちびユミル「うん、正しいと思うよ……つまりそんなユミルはね、一人行動が大好きなんだ」

アルミン「分からないな、一人行動が好きと言っても……多勢に無勢だ、その状況は変わらない」

ちびユミル「……アルミンって小さくて可愛い印象だったけれど、こうやって見るとそうでもないな」

アルミン「そりゃあどうも。それで多勢に無勢と言う状況は変わらないけれど、あのユミルは大丈夫なの?」

ちびユミル「大丈夫だと思う、だってあのユミルはほとんど訓練兵になる前のユミルだもん」

クリスタ「訓練兵になる前のユミル?」

ちびユミル「そう、孤児で、街の裏で悪い事をして、のんびり気楽な生活をしていた頃のユミルに近いと思う。あ、クリスタこの話聞きたい?後で話してあげようか?」

クリスタ(あれ?普段ユミルはそんな事言わないのに……)

クリスタ「うん、じゃあ気が向いたときにでも話してくれる?」

ちびユミル「いいよぉ」ニコッ

クリスタ(か、可愛い///)

アルミン「じゃあ君は『訓練兵になってからのユミル』であっちのユミルは『訓練兵になる前のユミル』なの?」

ちびユミル「ううん、違うよ。私は『素直なユミル』そしてあっちのユミルは『素直じゃないユミル』だよ」


クリスタ「……え、素直なユミルってこれだけなの?」

ちびユミル「めんぼくないです」ペコリ

小出しで申し訳ないですが、ちびユミルの事が書けましたので書き足しました
では天邪鬼ユミルの方を頑張って書きます ___φ(。_。)ノシ

……また兄弟喧嘩してた
顔殴られてぼろぼろで痛いけれど、続きを書いていたので投下します

あとパンツははいてくれ、今のところそう言う展開は無い

【一方その頃】

ユミル「よぉアニ、休日まで自首練なんて精が出るな」

ユミル(まずは少し棘のあるような会話できちんと話をするように誘導する)

ユミル「と、言う事は……噂では聞いていたけれど本当だったって事かな?」

アニ「……噂?」

ユミル「おう、死に急ぎ野郎にそろそろ一本取られそうだから練習をしてるって!」

アニ「別に、そんな事を考えての事じゃない」

ユミル(よしよし、会話の糸口は出来たな)

ユミル「エレンの事が気になったりするか?」

アニ「別に」

ユミル「でも他の奴よりは無視できない存在だろ?」

アニ「そりゃあね、他の奴より話すからな」

ユミル「じゃあ他の奴より投げ飛ばす確率の高いライナーは?」

アニ「さぁ、気が付いたら投げ飛ばしている事すらあるからね……ただ単に、投げやすい印象はあるけれど?」

ユミル(あの巨体を投げ飛ばしておきながら、投げやすいだけはないだろ)

ユミル(でも、感覚的にはエレンの方を意識しているってことね)

アニ「……なに、さっきから」

ユミル「実はさ、私は今エレンやミカサたちと鬼ごっこやっているんだよ」

アニ「だから?」

ユミル「エレンの足止めをしてほしいんだ」

アニ「断る、あんたには何の義理もないからね」

ユミル「義理はあんた好みの物を作ってやるよ、私はこれでも教官たちの間では顔が効くんだ」

アニ「どうせ不正な物なんだろ?」

ユミル「不正な?そんな事あるもんか、地道な努力さ」ニヤリ

アニ「……その顔で良く言うな」

ユミル「あら失礼な、こんな涙ぐましい努力をしている私に」ウソナキー

アニ「そんな言葉だけで、信用されると思う訳ない」

ユミル「私の涙には反応なしか」

アニ「瞳に手を添えていただだろ」

ユミル「まぁな!……信頼できないのであればそれでもいいさ。でもな今の順位としては、アニはエレンの僅かに下だったりするんだよな」

アニ「…………」

ユミル「本当に、僅かで……簡単な内心点を挙げればエレンを抜く」

アニ「本当か?」

ユミル「まぁ、真相なんてどちらでもいいじゃないか。なにエレンと取っ組み合いの喧嘩をして時間を稼げって言う訳じゃない。途中ばったり会った時に、雑談でも恋バナでもするだけさ

なんだったら、私がいた方向と別の方向を示唆するだけでも言い。特に接点の少ないお前が私の味方をするなんて、あいつらは露ほどにも思わないだろうから」

そう言うとユミルはググッと背中を伸ばす、ほんの30秒程度の会話だったのにひどく疲れた。
一言一句気を払った所為だな、と胸の中で呟やく。

アニ「あんた、本当にユミルか?」

ユミル「どうしたんだ?私は私だよ、ユミルでしかありえないじゃないか」

アニ「嫌、今までのあんたと違う……あんたはそんなに簡単に自分の本性を見せるような奴じゃない」

ユミル「驚いたな……お前って案外素直なのか」

アニ「は?」

ユミル「だって普段と違う一面を見せたからって、それが本性とは限らないだろ?それを簡単にそう思う、アニが素直だなと思っただけさ」

アニ「…………」チッ


じゃあ足止めした時間は自己申告で頼むぞ、と呟くとユミルはアニに背を向けて走り出した。
まぁあいつの性格的に内心点を上げてくれ、なんて言わないだろうけれどな。



ユミル「もしもアニが、素直と素直じゃないに別れたら意外と素直の方も大きそうだ」

そんな発見に少し驚きながら

【その頃のちびユミル】

ちびユミル「な、なぁ。もういいだろ!話しただろ!……クリスタぁ早く寮に戻ろうぜ!」テテテ

クリスタ(少し慌てながらこっちに両手を突き出して走ってくるユミル……!可愛い///)

クリスタ「そ、そうね///お話終わったからそろそろ帰りましょうか」オイデー

ちびユミル「よっしゃあ!」

アルミン「そうだね、本当はもう少し素直なユミルとお話ししたかったけれど」

ちびユミル「もう無理!これ以上は、素の自分で照れちゃうから無理!」リョウテデバッテンマーク

アルミン「なんか素直になっている分、感情をストレートに出しているからね。秘密とか口走っちゃったら大変だし、無理しないで帰って大丈夫だよ」

ちびユミル「サンキューな、アルミン!」

アルミン「どういたしまして」

ちびユミル「そうだ、お礼に教えておいてやるよ!」

ライナー「うん?」

ちびユミル「たぶん大きいユミルの方が素直じゃない分、こっちの私を見られると恥ずかしがるだろうからな……外に出たメンバーはこっちの私と会わせないように何かしらの妨害にあっていると思うんだ

だからほとぼりが冷めるまでこの食堂の中にいた方がいいと思う、あっちのユミルは素直じゃない分……思考をする時間が長くあるから、たぶん色んな悪だくみを駆使してると思うよ」ニコッ

アルミン「え?」

ライナー「悪だくみ?」

ベルトルト「お待たせ、ユミル。そのままクリスタの手の上に乗るのは不安だろ?調理場の所に小さなかごがあったから持って来たよ」

ちびユミル「おー!ベルトルさんナイス!!クリスタの手に触れるのも嬉しかったけれど……こっちの方が心配事がなさそうだな!」

ベルトルト「そのままだと痛いかもしれないから、中敷き代わりにビスケットを敷いておいたよ」

ちびユミル「ますますナイス!」グッ

ライナー「ベルトルト?なんでビスケットなんだ?」

ベルトルト「なかなかいい布地がなくてね、それに……」

クリスタ「ユミル、乗って大丈夫だよ!」

ちびユミル「……っと、ありがとうクリスタ!」キラキラ

アルライクリ『ビスケットの上に乗る小人……!?』

クリスタ(ユミル、可愛い///ベルトルト、ありがとう!)ニコッ

ベルトルト(どういたしまして)ニコッ

ちびユミル「じゃあな!アルミン、ベルトルト、ライナー!」

アルミン「ほんとごめんね、クリスタも素直なユミルをよろしく!」

ちびユミル「」バイバーイ


アルミン「行ちゃったね」チョットションボリ

ベルトルト「素直なユミルは小さくて可愛かったね」

ライナー「ベルトルトは本当に小動物には弱いからな……まぁ実際のユミルはだいぶ背が高いがな」

アルミン「……にしても気になるのは、素直なユミルの言っていた『色んな悪だくみを駆使している』って言う事なんだけれど……ね」

ライナー「ん?」

ベルトルト「どうしたのライナー?」

ライナー「あれは何だ……?」

ベルトルト「誰かが校庭を走っているのかな、ってあれは」

アルミン「サシャとコニー?……あれ、二人とも素直じゃないユミルを追いかけていったのに」ガラガラ

アルミン「よっ……と、食堂の窓は重いな……よし、おーい、サシャ、コニー!」

コニー「ぜぇ……ぜぇ………お、アルミンじゃ……ぜぇ、ねぇか!」フラフラ

アルミン「何をやっているの、二人ともユミルを追いかけていたんじゃ」

サシャ「ぜぇ……あの人は、あああ悪魔みたいな……ぜぇ……人ですよぉ……」フラフラ

コニー「そうだぜ……、俺たち宿題を…放棄して遊んでたって」フラフラ

サシャ「キース教官と言う罠の前に…ぜぇ……おびき出されましたぁ……」フラフラ

アルミン(これか!)

ライナー(悪だくみって、これか!)

ベルトルト(確かに……僕たちは宿題を放棄してしまっている!)

サシャ「私達は校庭を……あと30週したら、その後に宿題を……」フラフラ

アルミン「そ…そうなんだ……えぇっと、なんか手伝えなくてゴメンね」

ライナー「後で手伝えることがあったら、言ってくれ」

ベルトルト「応援くらいしか出来なくて、ごめんね」

コニー「おう、……ぜぇ…ありがと、よ」フラフラ

サシャ「がんばりま…すぅ……」フラフラ

ガラガラ、ガシャン

ライナー「…………」

ベルトルト「…………」

アルミン「……他の人たちは、大丈夫なのかな」

ストック切れになりました
ちなみに素直じゃないユミルはアニには余り期待はせず
出来れば撹乱要因になればいいなぁ、と言う気持ちでお願いをしているみたいです

そしてちびユミルは書くのが楽しい!
また書けたら投稿します!皆のコメントがエネル源だぁあ!! ___φ(。_。)ノシ

あ!誤字発見!

×30週→○30周

すみませんでしたぁ!!(サシャ風スライディング平謝り)

投下します
今日は朝の喧嘩だけだった……良かったぁ

【建物内】

ユミル(さてと、頼み込めばまだ口が堅そうなエレンとライナーに関しては適度な予防線を張っておく必要があると思っていたが

中庭の道具入れで、訓練用のロープや小刀、フックくらいも手に入れて……ついでにアニは意外と素直だって事が分かったし、まぁ意外と良い収穫があったな)スタスタ

ユミル(これでアニがこちらの伝手を頼ってきたら頼ってきた時で面白そうだな……と)カクレカクレ

ユミル(まだ距離はあるし、別のフロアだから向こうからは気付かれていないな。ジャン……とマルコか

ジャンに関しては今までのミカサへのアプローチが分かっているから……それをネタに使うか?

でもマルコが居たらジャンを強請る際にちゃちゃが入りそうだ、ここは二人の足止めで行った方がいいかもしれない……ん?)


ミーナ「〜ふふ〜ん、今日もお仕事♪家畜のお手入れ♪ちゃんちゃん、からの♪〜〜豚小屋出身っ家畜以下♪」

ユミル「ミーナか……なんつー歌を歌っているんだよあいつは。でもまぁ……逃げ切るまであと30分ちょっと、ならまぁいいかな」ニヤリ

ユミル「おーい、ミーナ!」


ア、ユミル!ドウシタノ?
イヤカミドメガ・・キレテルゾ?
エエエー!

ジャン「お、ユミル発見!!」

マルコ「え、どこ?」キョロキョロ

ジャン「あの廊下を渡ったトコだな、ミーナと一緒だ」

マルコ「あぁ、あれかぁ……ジャン良く見つけたね」

ジャン「当たり前だろ、動体視力は立体機動で必要なんだからな」

マルコ「で……どうするの?」

ジャン「あのオトコ女、自信満々に逃げ切ってやるって言っていただろ?捕まえて俺の実力を見せつけてやる!」フンッ

ジャン「……お、トイレに入っていったな。よし入り口で待ち伏せをするぞ」カケアシ

マルコ「分かったよ」カケアシ

【女子トイレ】

ユミル「ほらよっと……出来上がりだ、ミーナ」

ミーナ「わぁ、ありがとうユミル!髪ゴムが切れちゃうなんてちょっとビックリしたけれど……まさかユミルに直して貰えるなんて思ってなかったわ」

ユミル「ふふ、そうだろう?私がクリスタ以外の髪を整えるなんてなかなかレアだぜ?……それでさ、ちょっとお願いがあるんだよ」

ミーナ「え?」

【廊下】

ジャン「よし、間に合ったな。まだユミルは出てきていないみたいだ」

マルコ「そうだね、廊下には誰もいないし……それに中から話声も聞こえる」

ジャン「……だな」


【女子トイレ】

ミーナ「ユミル、大丈夫?」

ユミル「あぁ、大丈夫だ……と、よし、上手く引っかかったぞ」

ミーナ「良かったぁ、ユミル凄い上手だね」

ユミル「あぁ、もう大丈夫だから離れても大丈夫だぞ」


【廊下】

マルコ「……なんの話をしているんだろ?」

ジャン「髪の話じゃね?さっきミーナの髪がほどけていたし」


【女子トイレ】

ユミル「よーし、これで大丈夫だ……サンキュ」

【廊下】

(入り口の擦りガラスに影が映る)


ジャン(来たぞ!ドアを開けた瞬間に取り押さえる)

マルコ(食堂でライナーとベルトルトがユミルを取り押さえた要領だね)

ジャン(あぁ俺がライナーの役をやる)


ガチャガチャ


ミーナ「じゃあまた後でねユミ……る!?」ガッ

ジャン「ユミル捕まえ……ってミーナ!?」

マルコ「ユミルじゃない!?……って、あっ!」

ジャン「え?」

ユミル「」ニヤニヤ

ジャン「」ポカーン

ユミル「」ニヤニヤ

ユミル「すぅ……(息を吸って)キャアアアアアアアア!!」

ジャン「!?」

マルコ「ぇ……?」

ユミル「女子トイレの前に、男子がいるの!!誰かきてぇ!!」

マルコ「……っ髪型が!?」

ジャン「それに、今の声って……」

ユミル「いやぁ、すまんなぁジャン……オトコ女とは呼ばれていても性別的には女でね、ちょっと甲高い……普段使わない声なんて結構出せるもんなんだよ」ニヤニヤ

ナ、ナンダナンダ
コエガキコエタゾ
ジョシトイレノマエ・・ッテ、ミーナ!?
オンナノコガ、ダンシニオサエコマレテイルゾ

マルコ「や、やばいよジャン」アセアセ

ジャン「はっ、そんなのお前を捕まえちまえばそんな濡れ衣晴れるんだよ!」ダッ

ユミル「もちろん私は逃げるさ、その為についさっきロープを引っかけて置いたんでねっ、よっと!」スルスル



【ロープを引っかけていたシーン】

ミーナ「ユミル、大丈夫?」

ユミル「あぁ、大丈夫だ……と、よし、上手く引っかかったぞ」

ミーナ「良かったぁ、ユミル凄い上手だね」

でした!

ジャン「はは、浅はかだなユミル!女子と男子の腕力差があるんだぞ?下りじゃなくて上りだったら、こちらの方にスピードの分がある!」ガシッ

ジャン「すぐに追いつく」スルスル

ユミル「よぉ!女扱いありがとうな、ジャン」ニュッ

ジャン「……あれ」

ユミル「ロープの昇降なんて女性訓練兵も、男共に交じって訓練は随分やったからなぁ……だから分かるんだよな、男女のスピード差なんて」ニヤニヤ

ジャン「」ダラダラ

ユミル「ま、そんなの分かり切っている事なので……今回は二階から三階への短いルートにロープを引っかけただけだったんだよな。それだったら男女差なんて殆どないし」

ジャン「」ダラダラ

ユミル「それに二階から一階への転落だったら、お前なら受け身取れるだろ?なんたって成績上位陣だもんな」ニッコリ

ジャン「ま、待て待て待てユミル」ロープヲハズスナ!

ユミル「とは言っても私も鬼じゃない、チャンスだぞジャン……たった一言だけだが、私が気が変わる言葉を言うチャンスをやるよ」ニヤニヤ

ジャン「……ュ」

ユミル「ゆ?」

ジャン「ユミル、お前髪の毛降ろしているとかわいいぞ(棒)」

ユミル「まぁ、後は頑張ってくれよジャン……主に弁解をな」ザシュッ

ジャン「……っわぁ!?わあああ、ロープ切るな……っ痛ってぇ!?」バキバキドスーン

サシャ「……ぜぇ、っ?……あれ、コニーあんな植え込みの上にジャンが落ちてきましたよ?」

コニー「……そ、そうだなサシャ……まぁそんな日も、ジャンが落ちてくる日もあるって事だと思うぞ」

サシャ「そうですねぇ、ジャンだって落ちる日もあり………って、え?そんな日なんて無いですよ、コニー!?」

コニー「え、そうなのか?そんな日って無いのか?」

サシャ「はっ……!上ですよ上!ジャンが落ちてきた上に」

ユミル「」ニヤニヤ

サシャ「ユミルが!!」アクマガイル!



ユミル「惜しかったなぁジャン、そこはカッコいいって言わなくちゃ」ハハハ

ちなみにユミルサイドの真相



ミーナ「あ、ユミル!どうしたの?」

ユミル「いや髪ゴムが……切れてるぞ?」スルスル

ミーナ「えええー!?」カミノケバサー

気付かれないようにミーナの髪ゴムを外しながら切り、ミーナの髪型を崩す

ミーナ「ありゃりゃ、しょうがないな……一つに束ねようっと」

ユミル「ちょっと待った、せっかくだし私のバレッタ使ってみないか?」

ミーナ「え、いいの?」

ユミル「いいんだよ、丁度クリスタの髪型を整える練習をしたかったんだ……ちょっと結ばせてくれねぇか?」ニコニコ

ミーナ「あぁ、そう言う事ね。私なら大丈夫よ」

ユミル「サンキューな、じゃあ水も使いたいしちょっと女子トイレの方に行こうぜ」



そして髪色の近いミーナの髪に自分の髪飾りを付ける為、中の見えにくい女子トイレを使用する
3階くらいのトイレを使っても良かったが、ミーナの居た階と言う事で2階になった

ユミル「ほらよっと……出来上がりだ、ミーナ」

ミーナ「わぁ、ありがとうユミル!髪ゴムが切れちゃうなんてちょっとビックリしたけれど……まさかユミルに直して貰えるなんて思ってなかったわ」

ユミル「ふふ、そうだろう?私がクリスタ以外の髪を整えるなんてなかなかレアだぜ?……それでさ、ちょっとお願いがあるんだよ」

ミーナ「え?」

ユミル「悪いけれどさ、私がいいと言うまで体を窓の方に向けて置いてくれないか?」

ミーナ「え、なんで?」

ユミル「実はちょっと鬼ごっこをしている最中でさ、こっそりと二階から三階へ上りたいんだよ。今からロープを引っかけるから、お前にドアの前に立ってこっちを見えなくして欲しいんだ」

ミーナ「なるほどね!ユミルがいきなり髪を束ねてくれるなんて変だって思った、それくらい全然平気だよ」

ユミル「サンキュー」



ミーナ「ユミル、大丈夫?」マドカラノリダシテ、アブナイヨ

ユミル「あぁ、大丈夫だ……と、よし、上手く引っかかったぞ」

ミーナ「良かったぁ、ユミル凄い上手だね」

ユミル「あぁ、もう大丈夫だから離れても大丈夫だぞ」

ロープを上手く引っかけたらミーナを判別のしにくい擦りガラスの前に移動させえて、それからドアを開けさせる。

ユミル「よーし、これで大丈夫だ……サンキュ」

ポイントは黒髪とバレッタを合わせる事だな、背の高さなんてかなりの差が無い限り擦りガラス越しでは判別し辛いだろうし
後は追ってきた人がロープを掴んだタイミングで、ロープを下に落とすだけ……と。

ユミル「やっぱり逃げる途中でロープや小物を回収していたのは正解だったな」

ユミル(でもちょっと準備には疲れたな、残りの女子はミカサくらいだし……そろそろ女子寮にでも避難するとするかな)

鬼ごっこ終了【残り0:28】

ユミルさんジャンとマルコの足止め終了
女の武器は色仕掛けだけではない!

声だけだって武器になる!
女子トイレを利用して相手を貶める事も立派な女の武器だ!

なんてユミルが周りの女の子に入れ知恵したら説得力ありそうだよなぁ


また書けたら投稿します!次はちょっと時間が掛るかもしれない!!
___φ(。_。)ノシ {ガンンバルヨー)

ちなみに最初の展開と大分変わってきてしまってるが
この展開は大丈夫なんかな、ちと心配になってきたぞ

ありがと、ほんとありがとう!
一人でもいるなら頑張れる

一人じゃないぞ

この戦いが終わったら結婚して……じゃないな
次回作書いてね

シーンの途中までですが
少し投下します

ユミル(騒ぎそうなサシャにコニー、次点のジャンの足止めは完了して……もう他に危なさそうな者はいないだろ

こんな唐突に鬼ごっこで相手をはめる事なんて続ける事は不可能なんだし、労力もかかる

これからは建物内で私を見たと言う証言者を増やしつつ、あいつらに見つからない様に女子寮に戻ると言った方がいいんだろうな)

ユミルは慎重に、耳をすませる

下の階はまだ騒がしさを継続しているようで、この喧騒が鎮まるのにはもう少し時間が掛るだろう

女子トイレにもう少し長くいて、時間を潰すのもいいが……ジャンやマルコには居場所が知れている、早々に立ち去った方が吉と考えてユミルは廊下へのドアを慎重に回した

エレン「見つけた!」

ユミル「え゛」

その声は突然、近くから聞こえる

周りを見まわすと、エレンが全力でこちらに向かって駆けてきている所だった

ユミル「」チッ

ユミル(ここは逃げるか……あの猪突猛進なエレンは女子トイレに突っ込んで捕獲する事も訳ないかもしれないしな)ダッシュ

ユミル(しかし困ったぞ、ここの廊下には何もない……ただの直線コース、これだったら距離を縮められる!)カケアシ

エレン「ぜぇったいに捕まえてやるからな!!」カケアシ

ユミル「うるせぇ!」カケアシ

ユミル(中庭のアニは……それに賭けるとしても、エレンとの距離を稼がない事には意味がない)カケアシ

ユミル(何にしてもまずは下に降りないと、逃げようがないな……よし!階段に着いた!)

ユミル(二段……いや、三段抜かしで降りて行こう)トントン

エレン(……!階段か、よし!)トン

ドン!

ユミル(嘘だろ、この馬鹿…………階段の上から下へ一気に飛び降りやがった!

こっちはまた階段で、相手よりは時間が掛るってのに)トントン

ユミル(これは……十中八九捕まる、な。だったら余裕を持って捕まり、相手との交渉に持ち込んだ方がいいか?

よし、階段が終わって一階……ん??相手の足音が聞こえないぞ)クルッ

エレン「……っ!……痛てぇ」

ユミル「やっぱり……お前もただのバカか、エレン」

ユミル(さては立体機動の時の靴で飛び降りる感覚だったな、そりゃあ私用の靴だと足の裏が痛いだろうに)

エレン「うるせぇ、ちょっと目測が狂っただけだ」

ユミル「じゃあその、足の裏にある微妙な痛みが無くなる前に私は行くわな」ダッシュ

エレン「チッ…………そろそろ行ける、か?」ヨロヨロ

ユミル「……なんか、思いもよらずに時間が稼げたな」

ユミル(次は廊下は駄目だな、障害物がなさすぎる……外に出るのもいいが、ついさっき落としたジャンがいたら面倒な事にもなるかもしれん

……となると)キョロキョロ

ユミル(曲がり角のある廊下に最短コースで向かうのが一番なのだが……っ、もう足音が聞こえてきやがった、エレンの奴動けるようになったのか!

くそっ、とりあえずこの教室に入るしかないか)ガラッ

ユミル(ゆっくりと音が出ないように扉を閉めて……よし)ハァ・・・

ユミル「息が上がった、ここからは本当に運任せだな……えぇっとここいら辺りの間取りを思い出さないと、ん?」

短いですが投下
実はここから迷っています

色んなルートを書きだして検証ますので、少し時間がかかります
その間にスレッド落ちていたらごめんなさい

>>40さんありがとうございます
あと>>130>>132>>132さんも遅くなりましたが、ありがとうございます

多分あと一時間位で更新できると思います
時間かかるなんて嘘ついてごめんなさい、一気に完結できそうです

ユミル「……なんか、思いもよらずに時間が稼げたな」ゼイゼイ

ユミル(次は廊下は駄目だな、障害物がなさすぎる……外に出るのもいいが、ついさっき落としたジャンがいたら面倒な事にもなるかもしれん

……となると)キョロキョロ

ユミル(曲がり角のある廊下に最短コースで向かうのが一番なのだが……っ、もう足音が聞こえてきやがった、エレンの奴動けるようになったのか!

くそっ、とりあえずこの教室に入るしかないか)ガラッ

ユミル(ゆっくりと音が出ないように扉を閉めて……よし)ハァ・・・

ユミル「息が上がった、ここからは本当に運任せだな……えぇっとここいら辺りの間取りを思い出さないと、ん?」 ガラッ

ミカサ「見つけた」

ユミル「」ウソーン

ユミル「お、おまえ……どこから」ダラダラ

ミカサ「私はエレンと別行動をしていた、けれど心配だったからエレンを視界にとどめる事が出来る範囲で……そしたらあなたが、エレンの足に怪我を負わせていた」

ユミル「……ま、待てミカサ…違うんだ、話し合おう」ダラダラ

ミカサ「話し合う余地なんて無い、エレンがあなたを捕まえる事を望んだから捕まえる……ただ、それだけ」

ユミル「お前は私の分裂になんて興味ないだろうが!」ダラダラ

ミカサ「人並み程度の興味はある、だが行動するまでの興味は湧かなかっただけ……でもエレンが望むから私はあなたを捕まえる」ニジリニジリ

ユミル「は、はは……そうかよ」ダラダラ

ユミル(人並みの興味あるのかよ、全然見えなかった……ん、人並み?)アトズサリ

ユミル「そうかよ……捕まえる事だけが目的だったと言うのなら、せめてお手柔らかに捕まえてくれよ」アトズサリ

ミカサ「あなたが素直に捕まってくれるのならそうしよう……だったらその私から離れている行為を止めるべき」ニジリニジリ

ユミル「いや、だからなぁ」ガラッ

ミカサ「!」

ユミル「私は頑張って逃げるから!お前は優しく捕まえてくれって事だよ!」ダッシュ

ミカサ(また窓から……)

ミカサ「逃がさない」ダッシュ

ミカサ(……!?これは)

ユミル(思いの他、ジャンとマルコの騒動で人が来ている……ミカサもまさか、無関係の奴らに迷惑を掛ける事なんて出来ないだろ)カケアシ

ユミル(ジャンに見つからないようにしつつ、出来る限り紛れ込めば……)カケアシ

ミカサ「甘い」ガシッ

ユミル「……ぐぇ」グキッ

ミカサ「エレンが望んだんだから、あなたは捕まるべき」グググ

ユミル(首、首が締まる……!手を離せよこの馬鹿力!)バタバタ

ユミル(それに、ここで暴れると……!)バタバタ

ジャン「あ、あれ!ミカサ……とユミル!?」

ユミル「……くそ、終わった…」チーン



鬼ごっこ終了【残り0:24】

ユミルが捕まって終了!

クリスタ「あれ、何かな……この人ごみ」

ちびユミル「うーん……どうでも良くないか?ちなみにクリスタ、ハンカチ持ってない?私この姿を多数に見られるのは好まないんだけれど」

クリスタ「ハンカチね、あるよ……はい」

ちびユミル「サンキュー」ニコッ

クリスタ(全く可愛いなぁ///)

「    」
「    」

ちびユミル「ん?なんか聞いた事のある声が……」キョロキョロ

クリスタ「え、あ……あれは!!」

ミカサ「」グググ

ユミル「」チーン

クリスタ「ユミル!?」

ちびユミル「え!あ!つ……捕まっている!?」

クリスタ「大変!あのままじゃユミル死んじゃう」アタフタ

ちびユミル「さ……さすがに、ミカサ相手には逃げ切れなかったか……まく程度は何とか出来るかもと思っていたけれど、ってクリスタ!?」

クリスタ「ごめんねユミル!ちょっと待っていて」ダッシュ

ちびユミル「お、おいクリスタ!置いて行くなよ、行かないでくれー!!」

クリスタ「ミカサ、ユミルをはなして!」

ミカサ「駄目、ユミルはエレンの足を痺れさせた……その償いはしてもらう」グググ

クリスタ「で…でも……」

ミカサ「それに……たぶんこの人の集まっている騒ぎはユミルのせい」グググ

クリスタ「え?」

ジャン「そうだぜ!俺とマルコが大変なことになっているんだ、どうにかしてくれ!」

クリスタ「えぇ!?」

マルコ「……っ、はぁ…やっと人ごみから出られた」ゼイゼイ

ジャン「マルコ!」

マルコ「ミーナがいてくれて助かった、説明してくれてなかったらどうなっていたか……」ハァ・・

ジャン「おぉ、ミーナが説明してくれるのか!?」

マルコ「そうみたい……ほんと、よかったよ」ヨロヨロ

エレン「あ、見つけた見つけた」ヒョイ

ミカサ「エレン」グググ

エレン「なんだ、ミカサがユミルを捕まえたのか?」

ミカサ「そう、でもエレンがユミルを見つけて追いつめてくれていなかったら……私も逃げられていたかもしれない」ギュウギュウ

エレン「そうか……って!ミカサ腕を緩めろ!ユミルが泡を吹いているぞ」

ユミル「」ブクブク

ミカサ「……あ」パッ

クリスタ「ユミル—!!」ヒシッ

ジャン「これは」

マルコ「もう一時起きれないね」

クリスタ「ユミル!ユミルごめんね!私が薬を飲ませちゃったからぁ!」ウワーン

ユミル「」チーン

エレン「これは医務室行きだな」



ちびユミル(クリスタまだかなぁ……なんか騒ぎは聞こえるけれど、心細いよ)シュン

エレン「俺背負っていこうか?」

ミカサ「エレンは無理、ユミルの方が背が高い……私がやる」

エレン「お前俺と同じ背の高さだろうが」

ミカサ「……私がユミルを気絶させたから」シュン

ジャン「じゃあミカサがそっち持って、俺がこっちを」

エレン「だったらなおさら、俺がお前を誘ったんだから俺もやるべきだ」

ミカサ「エレン……」

ミカサ(エレン、大人になったんだね……なんか少し寂しいな)

エレン「おいやめろ、その微妙に過保護な視線を止めろ」

ジャン「おれ……」

マルコ「無理だよジャン、話の流れ的に聞かれてない」

ジャン「」

クリスタ「ユミル、死んじゃ嫌だよ……」グスグス

エレン「俺がこっちを持つ、だからお前はそっちを持て」ミギテヲヨイショット

ミカサ「分かった」ヒダリテヨイショ

ズルズル……

エレミカ(歩きにくい)

マルコ「うーん、歩きにくそうだね……そうだ!」

ジャン「マルコ、どこに行くんだ?」

マルコ「食堂!ちょっと人間タンカーの出動を依頼してくるよ」

ジャン「あーなるほど」

クリスタ「うわーん、ユミル—!」ウルウル



ちびユミル(クリスタ—、どこに行ったんだぁ)メソメソ

ライナー「おぉ、見事に落ちているな」

ベルトルト「ほんとだね」

アルミン「ミカサ……やりすぎだよ」

ミカサ「…………」シュン

ライナー「にしても人間タンカーはないだろ、マルコ」

マルコ「でも何かあった際には二人がよく運んでくれるから」

ベルトルト「……他の人にもその名称は浸透してるの?」

マルコ「うん」

ベルトルト(もっと影を薄くするよう努力しよ……)ハァ

ライナー「で、どっちが運ぶ?」

ベルトルト「いつもの要領でいいんじゃない?ライナーが持ち上げて僕に乗せる」

ライナー「そうするか」

アルミン「……あれ?」

ジャン「ん?」

アルミン「クリスタ……さっき持っていたかごは?」

クリスタ「……ぁ!」



ちびユミル「うぅぅ、クリスタぁ」メソメソ

【医務室】

ライナー「よし、ユミルを降ろすぞ」ヨイショ

ベルトルト「……よし」

クリスタ「うぅ、ユミル」ギュー

ライナー「大丈夫だクリスタ、首を絞められただけなんだからすぐに回復する」

ライナー(結婚しよ)

ジャン「でもよ、なんかもう……どうでも良くなったなぁ、分離とか騒ぎとか」

マルコ「そうだね、こんなユミルを見たらね」

エレン「そうだな、俺たちも悪かったし」

ミカサ「エレンは悪くない、悪いのは……」

アルミン「違う、きっと全員が少しづつ悪かっただけだよ……それに僕が薬を持ってきていなければ」

クリスタ「ううん、私が……薬を飲んでなんて言わなければ」シュン

マルコ「クリスタ、切りが無くなってしまうよ……もう言わなくても大丈夫」

クリスタ「…………ユミル」ギュッ

ライナー「まぁいい、とりあえず皆ここを出よう……薬の効果ももうすぐ切れる、目が覚めた時はユミルも一人がいいだろ」

アルミン「見られるの嫌だったみたいだし、ユミルも恥ずかしいだろうしね」

クリスタ「あの……私、ユミルの傍にいてもいい?」

ミカサ「……サシャも言っていたでしょ、怒られても謝ればユミルは許してくれる」ニコッ

エレン「じゃあ俺たちは外に出ているな」

アルミン「何かあったら、呼んでね」

クリスタ「分かった……ありがとう、皆」


バタン


ちびユミル「……もう出てもいいか?」ヒョイ

クリスタ「大丈夫だよ」

ちびユミル「おお、見事に落ちているなぁ私」スタスタ

クリスタ「私が……薬なんて飲ませた所為で」

ちびユミル「その言葉は違うぞクリスタ、私はお前と約束したじゃないか。我儘になるって」

クリスタ「……でも」

ちびユミル「でもでも、だってでも無い。私はお前の頼みだから薬を飲んだんだ、そこに後悔は無い……あるのは自分の技術への盲信だ」

クリスタ「…………」

ちびユミル「逃げ切れると思った、どうにかなると思った……まぁ現に、私と長く接触したは『素直なユミル』の存在や性格を軽んじて口にしていない奴ばっかりだし

素直じゃないユミルとしては、十分満足な結果だと思うよ」

クリスタ「……ユミル」

ちびユミル「素直な私が言うんだから、信じろ……私はお前が大好きだ、もっともっと私に我儘を言ってくれたら嬉しいんだ」ニコッ

クリスタ「うん」ボロボロ

ちびユミル「な、泣くなよぉ!今の私じゃ涙をぬぐえないんだぞ!!」ピョンピョン

クリスタ「うん、ふふ……ユミル、可愛い」

ちびユミル「可愛いのはお前だろ……と、あと少しで一時間経っちゃうな」

クリスタ「そうだね」

ちびユミル「せっかくお前に可愛いなんて言って貰えていたのに、もうお終いかぁ」

クリスタ「そんな事ないよ」

ちびユミル「……?」

クリスタ「ユミルはいつも、カッコ良くて、可愛くていつも私を幸せにしてくれている……私の最高の親友だもん

それを今後はもっと口にしたくなってきたの」

ちびユミル「て、照れるなぁ///」テレテレ

クリスタ「ふふ、照れているユミル可愛い」

ちびユミル「じゃあ、私も言うぞ……

私にとってクリスタは、可愛くて、優しくて、でも優しすぎるから守ってやりたくて……私に人として大切な慈しむと言う感情を教えてくれた恩人で、親友だ

お前がいたから私は人間らしい人間になれた、その責任は取って貰うからな」ビシッ

クリスタ「ふふ、いいよ」ニコッ

ちびユミル「一生ついて回るからな、覚悟しろよ!」

クリスタ「なんだかプロポーズみたいだね」

ちびユミル「だな、これ以上の言葉を言う奴としか、私はお前との結婚を認めん」

クリスタ「ハードル高いなぁ」

ちびユミル「……だろ?ん、もう時間が近いな」

クリスタ「ねぇ素直なユミル」

ちびユミル「ん?」

クリスタ「私、やっぱり……あなたに薬を飲ませて良かったよ」

ちびユミル「そうか、それは良かった」ニコッ

ぼふん

クリスタ「…………」

クリスタ(本当に、薬を飲ませて良かったと……私は思っているからね)ギュッ

クリスタ「ユミルありがとう、私もユミルが大好きだよ」

ユミル「……そりゃあ良かった」

クリスタ「…………ぇ」ナデ

ユミル「本当に嬉しいよ、私は」ナデナデ

クリスタ「ユミル……ぅ、うわーん」エーン

ユミル「全く、本当に可愛いなぁクリスタは」ナデナデ

クリスタ「ユミル、大好き、ありがとう、ごめんなさい、大好きだよ」グスグス

ユミル「そうか……全く、私が男だったら良かったのにな。今心の底からそう思うよ」ナデナデ


【その夜】

サシャ「はぁ……ようやく、宿題が終わりました」フラフラ

サシャ「全く、あんなに走らされた後に宿題を教官の前ですぐにやれだなんて……しかも24時間の監視体制も試みるだなんて」ハァ

サシャ「なんとか終わったけれど……もうこの薬の使い道なんて無いじゃないですかぁ」グスン

サシャ「とりあえず今は……井戸の水を」ゴソゴソ

サシャ「飲まなくちゃ、ですよね」ポトン


【次の日の朝】

オハヨー、キョウノチョウショクハ?
マタキョウカラクンレンカ
オ、チョウショクデテキタゾ

エレン「おはようユミル、昨日はすまなかった」

ミカサ「おはようユミル……昨日はごめんなさい、調子はどう?」

ユミル「おぉミカサか、首を絞められただけだしもう回復してるよ」

クリスタ「おはようエレン、ミカサ」

ユミル「昨日はクリスタが手を握りながら寝てくれたからなぁ、だから回復したんだよ」ナデナデ

クリスタ「だって心配だったんだもん」テレテレ

ユミル「はは、心配性だなぁ」ウイヤツダ

ミカサ「……良かった」

ユミル「あ?何が」

ミカサ「クリスタと喧嘩していないか……少し心配していた」

ユミル「私とクリスタが喧嘩なんかする訳…………ん?」

ダダダダダ、バンッ

アルミン「昨日は、本当に、すみませんでした—!!」ドゲザー

ユミル「あ?」

クリスタ「え、アルミン?」アセアセ

アルミン「何を言われても文句も言えない、本当に悪かったユミル!」

ユミル「ま、対して気にしてはいないけれど……何かあった時はあんたを強請るネタにはさせてもらうとするよ」フンッ

アルミン「え、あ……うん、気にして…無いの?」アレ?

ユミル「まぁ……

…………そうだアルミン、お前は私に申し訳ないと思っているんだよな?」ニヤリ

アルミン「うん」ヤナヨカン

ユミル「じゃああの薬、全部よこせよ」

アルミン「えぇ!?」

ユミル「あんな危険な薬、他人が持っているなんて嫌なんだ」ニヤニヤ

アルミン「そ、そうだろうけれど……」アセアセ

クリスタ「ゆ、ユミル……?」

ミカサ「ユミル、アルミンを虐めるのなら容赦はしない」

ユミル「おや?ミカサは私に申し訳ないと思っていないのか?」ニヤニヤ

ミカサ「思ってはいる、でも譲れない物もある」

ユミル「はいはい、じゃあアルミンの自己判断に任せるよ……お前は私に薬を渡したくないのか?」ジー

アルミン「薬をどうするの?」

ユミル「ま、責任を持って処分するさ……ついでに次の休みにでもこいつを売っていた所に行ってクレーム付けてやる」ニヤリ

サシャ「駄目ですよ!アルミン!!」ニュッ

エレン「え?サシャ……?」

コニー「そうだぜアルミン!こいつは昨日俺たちを嵌めた、悪魔のような奴なんだからな!」

ユミル「ほぉ……」ニヤリ

コニー「ひっ……!?」

ユミル「お前ら、昨日のお仕置きがそんなにこたえなかったのか……そりゃあいい、私の本性は知ったんだろ?もっとやってやろうか?」ニヤニヤ

サシャ「え……」ガタガタ

コニー「遠慮します……」ブルブル

クリスタ「もうユミルったら、そんなに言ったら可哀想だよ」

ユミル「…………」フンッ



ユミル「まぁこんくらいの喧騒、私達にとっては普通の日常だからな……怒りもしないさ」

サシャ「え?」

コニー「ん?」

エレン「は?」

クリスタ「もうユミルったら、素直じゃないんだから」カワイイ



ボン
ボン
ボンッ

ユミル「……あ?」

クリスタ「え?」

サシャ「は?」

コニー「……え?」

エレン「一体何が……?」

ミカサ「」ポカーン

アルミン「」キリキリ

ユミル「これはまた……一気に人が増えたな」ハァ

アルミン「ま、まさか……!」

エーナニコレ!?
イッタイナニガ!?
ワタシガイル!?

アルミン「え、でもだって……薬は全部僕が持っているよ!?それ以外に持っている人なんて」ハッ

アルミン「サシャ!」

サシャ「」ビクッ

アルミン「君が持っていた薬はどうしたの?ちゃんと持っているよね!」

サシャ「も、もちろんもって……あれ?」アセアセ

エレン「え゛」

サシャ「え、あれ?たしかに、ここに」アセアセ

クリスタ「サシャ……」

サシャ「お、おとした……?」

アルミン「え、どこに!?」

サシャ「べ、ベットの上には何もなかったし、昨日部屋に戻る前は……見てないし。そう言えばその前に」


エレン「やばいな、おい皆、ちょっと水でも飲んで落ち着こうぜ」

コニー「そ、そうだな」

ミカサ「分かった」

クリスタ「はい、お水」


サシャ「確か井戸によってお水を飲んで……」

アルミン「それだ!」

サシャ「え?」

クリスタ「……っ!」

アルミン「その時に井戸に落ちたんだよ!じゃないとこんなに沢山の人が二人に分かれる訳……っ!皆、水を飲んじゃ駄目だ!」



ミカサ「え?」

コニー「ん?」

エレン「あれ?……ほんのりイチゴの味…が」



ぼふんっ
ぼふんっ
ぼふんっ

エレン「巨人ー!駆逐—!」
エレン「だ、駄目だろうが俺!もっと人間としての生活をきちんとしないと、情熱だけでは何もできないぞ!」オサエオサエ

コニー「俺って馬鹿じゃないよな?馬鹿じゃないよな?」
コニー「俺……俺は馬鹿なんだよ、無理するな」チマッ

ミカサ「これは…、私は……いま、小さく、なって……?まわりは、酷く……騒がしい?」
ミカサ「こんなにも、現状を表す言葉が出せない私がいるなんて」ションボリ

クリスタ「ユミル!ユミル!見てみてコレ!すっごいでしょ!」ドタバタ
クリスタ「ち、小さい私……落ち着いて、落ち着いて」アセアセ


ユミル「これって……」

サシャ「昨日ユミルが飲んだ薬と同じ効果ですかね」

ユミル「は?人が二人に分裂する薬……?」

アルミン「井戸に落ちていたみたい」

ユミル「井戸に……!?」

ジャン「フン、お前の為にだなんて言ってやらないからな!」(ツンデレ)
ジャン「皿くらい、皆に普通に手渡せばいいだけだろ」(クール)

マルコ「こんな事になっても、ちゃんと授業を受けるのが訓練兵の常識だよね」(真面目)
マルコ「へっこれで授業をやるめるぜ!」(不真面目/ちっこい)

ライナー「見ろ!俺の筋肉を!お前に俺が倒せるのか!?」(戦士)
ライナー「……やばい奴が出て来たな、とりあえず黙らせとくか」(兵士)

ベルトルト「ら、ライナー。僕も手伝うよ」(協調性あり)
ベルトルト「何だよベルトルト、ライナーなんてほっとけばいいじゃないか」ブツブツ(協調性なし/ちっこい)

アニ「ふふ、みてみて、スープの具材がまるでハートの形みたい」(乙女)
アニ「そんな物食べてお腹の中に入れると同じだろ、どうせその後は……」(色々気にしない)

キース「お前たちはどんな姿になっても、私の大切な生徒たちだ!!」(子供好き)
キース「もーめんどい、教員なんてなるんじゃなっかった」(子供嫌い/ちっこい)

ユミル「……めんどうだな」

アルミン「そうだね」

ユミル「……とりあえずクリスタだけを連れて、食堂のドアを閉じるか」スタスタ

サシャ「とりあえずパァンだけは持って、食堂のドアを閉じましょう」スタスタ

アルミン「……とりあえず一時間、食堂は封鎖と言う事は決定かな」ギィッ

クリスタ「……え、いいの?ユミル」(落ち着いているクリスタ)

クリスタ「やったぁああ!外にお出かけ!」(弾けているクリスタ)


エレン「ちょっ待てアルミン!」(熱血の抜けたエレン)

ミカサ「お願い、私達も一緒に連れて行って!」(言葉がスラスラ出るミカサ)

コニー「何故に私を置いて行くのですか?」(悟りを開いたコニー)







ユミル「あー!もうっ!!めんどいんだよお前らぁあああ!!」

ガシャン!




ユミル「は?人が二人に分裂する薬……?」【完】

初投稿作【ユミル「は?人が二人に分裂する薬……?」】でした

本当はアニと組んでエレンの妨害をしたり
ミカサを振り切るために男装して男子更衣室を突っ切っていくユミルも書きたかったのですが
場面と状況の都合により、逃げ切らせる事を断念しました(キャラを甘やかす事が嫌いなので)

アニ、活躍させてあげられなくてごめんね

ふと浮かんだネタと、手ならしに書き始めたと言う部分もあったので
次に策士ユミルを書くときはきちんとプロットを練りたいです


次はゴロツキ時代のリヴァイとユミルの話か
スリザリン寮に飛んでいくユミルの話が書きたいなぁと思っています

キャラクターの分裂案を考えて下さった皆様(良妻と賢母に分かれるミカサだけどうしても書けなかったのが心残り)
及び応援のコメントを下さった皆様ありがとうございます

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月07日 (土) 16:05:57   ID: aCqPN460

あ?

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