アルミン「どういうこと?」
ミカサ「百聞は一見に如かず。まずはこれを見て欲しい」
ミカサ「ぬうんっっ!!」バリバリバリ!!
アルミン「うわあ!ミカサの筋肉が膨れ上がった!膨れ上がりすぎて服が破れちゃってるよ!」
アルミン「凄い!上半身が裸になってるのに全くいやらしい気持ちにならないぐらい凄い筋肉だ!なにこれこわい!」
ミカサ「肉体をコントロールし筋肉を肥大化させた。この状態でも多分素手で壁を壊すぐらいはできると思う」
ミカサ「ちなみにこの筋肉は30%程度。100%になればもっと凄い」
アルミン「何それ想像したくない」
アルミン「でもそんなに筋肉があると立体機動装置が使えないんじゃない?」
ミカサ「必要ない。この形態ならそんなものに頼らなくても100M程度の跳躍はできるし、素手でやつらのうなじを弾き飛ばすぐらいはできる。」ゴゴゴゴゴ
アルミン(ホントにできそうで怖いな)
アルミン「うん、わかったから早く元の姿に戻ってよ。ちょっと尋常じゃないレベルのプレッシャーを感じるから怖いんだよ」
ミカサ「ごめん。すぐに戻る。でも通常形態で素肌を晒すのは恥ずかしいからまず服をとってくる。少し待っていて欲しい」
アルミン「あ、うん。わかった」
ミカサ「お待たせ」
アルミン「おかえり」
ミカサ「じゃあ、早速続きを」
アルミン「えっとその前にちょっといいかな?」
ミカサ「なに?」
アルミン「あの、ミカサはなにをしたいの?」
ミカサ「なにをというと?」
アルミン「えっと、ミカサが自分の体を支配できるようになったのはわかったよ?」
アルミンでもそれを僕にみせてどうしたいのかなって思って」
ミカサ「ああ、それを最初に説明をするのを忘れていた」
ミカサ「私はエレンを守るために過酷な訓練を自分に課していた」
ミカサ「その甲斐あって私は以前より数段上の力を手にすることができた」
ミカサ「だけどその力は私が想像するよりも遥かに強大なものだった」
ミカサ「だから、アルミンにはこの力をどう扱うべきかを一緒に考えて欲しい。」
ミカサ「そしてエレンのために役立てるにはどうすればいいかを考えて欲しい」
アルミン「そうか。でも単純に筋肉を操作するだけなんでしょ?」
アルミン「それなら普段は抑えていざという時にその力を使えばいいだけなんじゃないかな」
ミカサ「待って欲しい」
ミカサ「私は自分の肉体をさらに完璧に支配できるようになったといった」
アルミン「そうだね」
ミカサ「完璧というのは、ただ単に筋肉量を自在に操るだけのことではない」
アルミン「というと?」
ミカサ「あれは序の口。私の肉体操作にはまだ上がある」
ミカサ「ので、アルミンにはその全てを見た上でアドバイスをしてほしい」
アルミン「Oh……」
アルミン「あれより上ってどういうこと?僕には全く想像ができないんだけど」
ミカサ「百聞は一見にしかず。やはりまずは見て欲しい」
ミカサ「でも、これは少し危険だから…何か手ごろなものがあればいいのだけれど……」
アルミン「危険なの!?」
ミカサ「誰かちょうどいい実験体でも通りかからないだろうか」
アルミン「ねえ!何をするのミカサ!肉体操作じゃないの!?」
ミカサ「あ、ライナーがいた」
アルミン「ダメだよ!?仲間に手を上げたらダメだよ!?」
ミカサ「アルミンは黙ってみてくれていればいい」
ミカサ「それに大丈夫、私からは決してライナーに手をあげたりしないから」
アルミン「ホントに?」
ミカサ「ホント。私を信じて欲しい」
アルミン「わかった。信じるよ」
ミカサ「ではライナーを呼んでくるので少々待っていて欲しい」
アルミン「うん。」
ミカサ(そう、私からは決して手を出したりしない。嘘はついていない)
ライナー「よう。で、俺に何をしてほしいんだ?ミカサ」
ミカサ「ライナー。何も言わず私の顔を殴って欲しい」
ライナー「はあ?なんでだ、そんなことできるわけないだろ」
ミカサ「これは必要なことなの。私は今まで感情に振り回されて貴方に暴力を振るってしまうことが多々あった」
ライナー「まあ、それはそうだが…俺は気にしてないぞ?」
ミカサ「貴方が気にしなくても私が気にする。借りを清算しないままここを卒業したら私は絶対に後悔する」
ミカサ「これはけじめなの」
ライナー「そうか…これはお前にとって必要なことなんだな…」
ライナー「そういうことなら、思いっきりいかせてもらう。この一発でお前も俺に借りがあるなんて思わなくていいからな」
ミカサ「ありがとう、ライナー」
ライナー「うおおりゃああ!」
ピキーン!!
ライナー「うぎゃああああああああ!!」
アルミン「ライナー!!??」
ライナー「うがああああああ!」
アルミン「なんなんだ!?ライナーの手が一瞬の内に凍ってしまっている!?一体何が起こったんだ!!」
アルミン「ミカサ、キミが何かしたのか!」
ミカサ「その通り。水は蒸発するとき同時に周囲の熱を奪っていく性質がある。その性質を利用し、私の肉体の水分を気化させることによりライナーの腕を瞬時に凍らせた」
アルミン「肉体の水分を気化…!?そんなことができるはずが…!」
ミカサ「私は肉体を完璧に支配できると言った筈。この程度は造作もない」
アルミン「何淡々と説明してるのさ!ライナーがこんなに苦しんでるんだよ!」
ミカサ「大丈夫、すぐ楽になる」
ライナー「ミカサ…お前…俺に何の恨みが……!」
ミカサ「ごめんなさい、ライナー。アルミンに私の力を見せるために必要なことだったの」
ミカサ「すぐ楽にしてあげるから許して欲しい」
ライナー「お前……マジで頼むぞ……!」
ミカサ「うん、それじゃあ額を出して」
ライナー「重傷なのは手のほうなんだが!?」
ミカサ「必要なことなの、早く額を出さないと手遅れになる」
ライナー「わかった、信じるぞ」
ミカサ「うん、ありがとう」
ミカサ「じっとしていて。ヘタに動くとライナーを傷つけてしまうかもしれないから」
ライナー「わかったから早くしてくれ……手が…すごく痛むんだ…!」
ミカサ「わかった」ペリッ
アルミン(な、なんだ?ミカサちょっと自分の指の皮を剥いたと思ったらそれが一瞬のうちに植物の芽のような形になったぞ!?)
アルミン(しかもあの芽、根っこの部分がまるで針のようになっているじゃないか…!)
ミカサ「大丈夫、すぐに楽になるから…目を瞑ってじっとしていてほしい」
アルミン(そんな…!あの芽をライナーの額に差し込んだだと!?)
アルミン(あの長い針がどんどん奥まで入っていく!もう脳のかなり深い位置まで達してしまったんじゃあないか!?)
アルミン(これはホントに治療なのか、ミカサ!)
ミカサ「もう、目を開いてもいい」
ミカサ「どう…?気分はよくなった?」
ライナー「ええ、とても晴れやかな気分です。ミカサ様。それこそ手の痛みなど気にならないほどに」
アルミン(ミカサ様!?)
ミカサ「それはよかった。ならもう用はないから早く自分の部屋に戻るといい」
ライナー「畏まりました。何か命令があればいつでもお呼び出しください。失礼します」
ミカサ「ええ、気をつけて戻るといい」
アルミン「あの……ミカサ、さん?ライナーに何をしたの?」
ミカサ「ミカサでいい。ライナーに脳に私の細胞を埋め込んだ」
アルミン「脳に細胞を埋め込むと、どうなるんですか、ミカサ様」
ミカサ「ミカサでいい。あの芽は埋め込まれた人間の脳を操作し私を絶対のカリスマと感じるようにさせる。」
ミカサ「おそらく、今のライナーは私の命令に絶対服従するだろう。例えその命令が人を殺せというものや自死を促すものであったとしても」
アルミン(怖い!僕の幼馴染怖い!)
ミカサ「大丈夫、そんなひどい命令をするつもりはない。とりあえず今は脳の信号を操って手の痛覚を遮断させているだけだから」
ミカサ(まぁ、女狐どもの対策としては使わせてもらうけれど)
ミカサ「あとは当然ながらこんなこともできる」ドッゴォ!!
アルミン「うわあ!ミカサの目からなんか出てきた!そしてそれが寮の壁を打ち抜いた!なんなんだこの幼馴染!」
アルミン「え、今のはなんなの!?あれはもはや肉体操作関係ないよね!?っていうか何が当然なのか全然わからないよ!」
ミカサ「いや、当然肉体操作の範囲内できること」
アルミン「うわあ!こっち見ないで撃たないで!」
ミカサ「大丈夫、アルミンにこの技を使ったりはしない」
アルミン「ホント、信じていいんだよね!?」
ミカサ「アルミンは私にとってかけがえのない友達、その友達を傷つけたりするはずがない」
アルミン「わかった。その言葉を信じるよ。ありがとう、ミカサ!」
ミカサ「それで説明に戻るけど、これは単純に超高圧で目から体液を噴出しているだけ」
ミカサ「だからこれも肉体の操作ができれば誰にでもできること」
アルミン「いや、普通の人は当然できないけどね!?」
アルミン「ああ、もう怖い。怖いよこの幼馴染」
ミカサ「頑張ってアルミン。私もこの力は怖い。だから一緒にこの力の使い方を考えて欲しい」
アルミン(そうか、怖いのは僕だけじゃないんだ。ミカサだってこの力を扱いかねって困っている)
アルミン(そんな時に支えてあげることができなくて何が友達だっ!)
アルミン「ごめんミカサ。ちょっとあまりの展開に混乱しちゃってみたいだ。」
アルミン「だけどもう大丈夫だ!一緒にこれからどうするべきか考えよう」
ミカサ「ありがとう、でもまだその段階に行くのは早い」
アルミン「え?」
ミカサ「私の肉体操作にはまだ先がある。アルミンにはそれもみてもらいたい」
アルミン「ええ!?」
ミカサ「では早速場所を移そう。立体機動の訓練で使う森あたりがいいと思う」
アルミン「森に来たけど…ここで何をするの?ミカサ?」
ミカサ「アルミン、私の腕をよくみていてほしい」
アルミン「腕を?いいけど?」
ミカサ「よくみていて」
アルミン「うん……うん……?」
ミカサ「」ウネウネウネ
アルミン「ん?なんかミカサの腕が伸びてグニャグニャしてるような気がするけど気のせいだよね?目の錯覚だよね?」
ミカサ「安心して、気のせいでも目の錯覚でもアルミンがみている夢でもないから」
アルミン「そうか、そうだね。うん、気をしっかり持つよ」
アルミン「うん、冷静に考えたら今まで目からビームとか瞬間冷凍とか筋肉肥大化とか見てきたからね!腕が伸びるだけなら大したことないかな!」
ミカサ「腕が伸びるだけ?何を言っているの?」
ミカサ「この力はこれからが本番」
アルミン「え?」
ミカサ「」ピキピキ
アルミン「あれ?ミカサの手がなんか刃物みたいな形状になって」
ミカサ「」シュッ
アルミン「消えたァッ!?」
ズシーン!!
アルミン「うわっ!なんだ!?」
アルミン「樹だ、樹が倒れてる!なんで突然!?いや、樹の断面をみるとまるで鋭い刃物で切断されたような…!」
アルミン「まさか!?」
ミカサ「そのまさか、私がこの腕で樹木を切り倒した」
アルミン「Oh……」
ミギーwwww
>>1は30代だな
ミカサ「筋肉を肥大化させる最初のヤツとは違い、今度は筋肉の性質自体を変化させた」
ミカサ「ゴムのように伸縮性のある筋肉と鉄のように硬質な筋肉を自在操作し」
ミカサ「そして瞬時に変形させることができる」
ミカサ「だから、筋肉量の許す限り手を自在に伸ばすこもできるし、腕を刃に変えることもできる」
ミカサ「ちなみに、刃の鋭さは控えめにいって超硬質ブレードぐらいはあると思う」
アルミン「ごめん。ちょっと何言ってるのかわからない」
ミカサ「なら、もう一度みせてあげよう」ウネウネウネ
アルミン「ごめん、嘘!わかったわかったからやめて!」
ミカサ「そう」
アルミン「ちなみに、今回使ったのは右腕だけど、やっぱり右腕でしか出来ないの?」
ミカサ「いや、全身でできる。」
ミカサ「その気になれば顔を変形することも出来る足をバネのようにして跳躍することだってできる」
アルミン「Oh……」
ミカサ「多分、対巨人としてはこの能力が一番有効だとは思うのだけど」
アルミン「いや、確かにそうだけどね。うん、実際に使うのはいろいろと難しいよね」
ミカサ「やはり…みんなこれぐらいできればこんなこと考えなくてすむのに…なんで肉体操作が出来ない人が多いんだろう」
アルミン(大多数の人は普通の人間だからじゃないかな!?)
ミカサ「何か言った?」
アルミン「いや、何も」
ミカサ「そう」
ミカサ「まぁ、活用方法を考えるのは一番最後でいい。」
アルミン「あ、やっぱりまだあるんだ」
ミカサ「大丈夫、これで最後だから。これが終わったらアルミンが一生懸命思考を張り巡らせる番」
ミカサ「う、うん。わかった。頑張る」
ミカサ「今度は私の手をよくみていてほしい」
アルミン「わ、わかった」
ミカサ「…」
アルミン「」ジー
ミカサ「」ウネウネ
アルミン(ミカサの手がまた変形を始めた!?」
アルミン(!?)
アルミン「なんでミカサの手がリスになるんだー!」
リス「クルッ」(鳴き声適当
アルミン「なにこれ!?手品!?」
ミカサ「手品ではない、肉体操作」
アルミン「いやいやいや、これはもう筋肉でなんとかなるレベルじゃないでしょ!だってリスだよ!?別の生き物になってるんだよ!?」
ミカサ「アルミン。何を言っているの?私は肉体を支配できると言った。支配できるのが筋肉だけだなんて一言も言っていない」
アルミン「え?」
ミカサ「これは単に私の手の遺伝子情報を書き換えてリスに変えただけ」
アルミン「ええ!?」
ミカサ「私は遺伝子は私の肉体の中にある。ならば肉体を完璧に支配している私は遺伝子情報も完璧に支配できる」
ミカサ「その気になれば翼を生やし立体機動なしで空を飛ぶことだって可能」
アルミン「Oh……」
ミカサ「今私ができるのは大体この程度、アルミン、これをエレンのために役立てるのはどうすればいいと思う?」
アルミン(どうすればいいと思うって言われても…こんな力考えたこともないから想像もつかないよ…)
アルミン(っていうか、もうミカサ一人いれば巨人を殲滅できるんじゃないかな。うん、それでいいんじゃないかな)
アルミン「うん、その能力を全開に使って巨人を殲滅すればいいんじゃない?」
ミカサ「でも、私だけで勝手に壁外に出ることはできない…」
アルミン「いや、ミカサ空を飛べるんでしょ?だったら夜中に闇に紛れて壁の外へ飛んでいけばいいんじゃないかな?」
アルミン(あー、我ながら適当なこと言ってるなあ)
ミカサ「そうか!その手があった!」
アルミン「え!?」
ミカサ「私、行ってくる!エレンのために巨人を駆逐してくる!」
アルミン「え?本気なの!?」
ミカサ「そうと決まれば今すぐ行こう、私がその気で飛べばたとえ調査兵団の馬でも決して追いつけない」翼を広げる
アルミン「ちょ、ちょっと待ってよミカサ!」
ミカサ「ありがとうアルミン、やはりアルミンには正解を導く力がある」バサッバサッ
アルミン「うわっ!?ホントに飛んでる!」
ミカサ「巨人を駆逐したらまた会おう!」バサッバサッ
アルミン「待って!待ってよ、ミカサー!」
アルミン「……行っちゃった」
~馬小屋付近~
エレン「おーい!アルミン」
アルミン「どうしたの、エレン」
エレン「いや、ミカサみなかったか?たまには一緒にメシでもどうかと思ったんだが」
アルミン「ミカサか、さっきまでここにいたんだけどね」
エレン「え?なんだよタイミング悪いな。どこ行ったか知らないか?」
アルミン「あっちの方かな?」
エレン「あっちの方って、お前が指差してるの空じゃないか」
アルミン「うん、そうだよ」
エレン「つまらない冗談はどっち行ったのか教えてくれよ」
アルミン「いや、ホントに空に行ったんだよ」
エレン「なんだよそれ。人が空を飛べるわけないだろ。もういいよ、俺一人で探すから」
アルミン「そうだよね、人が空を飛べるわけがないよね」
アルミン「じゃあミカサは……なんだったんだろうなあ……」
おわり
肉体を完璧に支配できるってことはこのくらいできそうだよねってだけで書いた
背中に鬼の貌ができたり、肉体を液体にするっていうバキネタも挟みたかったけどうまく入れられなかったなあ。
あと>>39、俺まだ20代前半だかんな!
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