馬鹿「そうきゅうにお願いします」 俺「さっきゅうな」 馬鹿「は?」 (61)

俺「早急はさっきゅうって読むんだよ」

馬鹿「どっちでもいいんだよそんなの」

俺「は?」

馬鹿「は?」

俺「くっさ死ね」

馬鹿「お前がな」

昨日の会社の出来事

話し言葉で使うときは、私自身は「さっきゅう」を使います。通常よく使われているのは「さっきゅう」のほうです。

ただし、漢字の音韻学から見て本来の正しい形は「そうきゅう」のほうです。「さっきゅう」ではありません。それなのに、「さっきゅう」のほうが正しいという人が多いのは、圧倒的に「さっきゅう」が普及していた時期があり、のちに「そうきゅう」が再登場してきたからです。

漢字「早急」の「早」は、旧カナで「さう」、中国語 zao で、昔も今ももともと入声(音節末子音、つまる音)がありません。
「合体」の「合」のように「ごう」「がっ」と両読みできる漢字は、本来「がふ」 gap で、入声(音節末子音 -p)があるのです。
だから歴史的に見て、入声のない「早」に「さっ」の音はありえません。

「早急」が「そうきゅう」から「さっきゅう」に変化したのは、おそらく「早速(さっそく)」からの類推です。

「早速」は、古くは「さそく」で、漢字では「早足」と書きました(広辞苑にもあり)。「はやあし」で急ぐことを「早足(さそく)を踏む」といいます(広辞苑にあり)。
そこから「さそく」に「急いで」の意味ができ、それをあて字で「早速」と書いたのです。

だから、「早」を「さ」と読むのは訓読みです。「早苗(さなえ)」「早乙女(さおとめ)」の「さ」と同じ。
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まとめますと、ずっと昔は「さうきう」という発音で、これが「そうきゅう」となった。その後、「さっそく」の類推で「さっきゅう」という読みが広まり、明治大正のころには「さっきゅう」が圧倒的になった。
その後また「そうきゅう」が登場した。このとき「さっきゅう」だと思っている世代が、新たに再登場した「そうきゅう」は正しくないと言い出した。

とこのような事情です。これは、どちらも正しいというほかありません。


サンキュー知恵遅れ

馬鹿「そうにゅうお願いします」
俺「せっくすな」
馬鹿「はぁん!」

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