エレン「俺があの時…。」(446)
エレンチートのありふれたネタです
面白くないかもしれませんが宜しくお願いします
俺はなぜこんなにも弱い…
俺が、俺に力が有れば、あの時…
母さん…。
845年、突然現れた超大型巨人、及び鎧の巨人によって壁とともに
>>3は無しで
845年、突然現れた超大型巨人、及び鎧の巨人によって全ての日常が壁とともに破壊された
破壊された壁から侵入した巨人により人類は再び蹂躙された
人類はウォール・マリアを放棄、2割の人口と1/3の領土を失いウォール・ローゼまで後退した
847年
キース「オイ貴様!貴様は何者だ!」
アルミン「ハッ、シガンシナ区出身アルミン・アルレルトです!」
キース「そうか、バカみてぇな名前だな!親が付けたのか!?」
アルミン「いえ、祖父が付けてくれました!」
キース「アルレルト、貴様は何故こに来た!」
アルミン「人類の役に立つためです!」
キース「そうか、それは素晴らしいな!貴様には巨人の餌になってもらおう。三列目後ろを向け!」
キース「オイ貴様、貴様は何者だ!」
メガネ教官「やってるな、お前も訓練兵の時はああだったろう?」
モブ教官「懐かしいです。あの恫喝には何の意味が?」
メガネ教官「通過儀礼だ。今までの自分を否定して真っ白な状態から兵士に適した人材を育てる、その為に必要な過程だ」
モブ教官「何も言われてない者も居るようですが?」
メガネ教官「既に通過儀礼を済ました者には必要ない。二年前の地獄を見てきた者たちだろう」
モブ教官「あれ?ですがあの者は…?」
キース「オイ貴様、貴様は何者だ!」
エレン「シガンシナ区出身、エレン・イェーガーであります」
キース「随分と女々しい名前だな!貴様は何故ここに来た!」
エレン「巨人を駆逐するためです」
キース(何だこの底知れない眼は…?)ゾクッ
キース「今の貴様には到底無理だ!巨人に喰われるしか出来ないだろうな!」
モブ教官「彼もシガンシナ出身らしいですが…?」ウシロヲムケ!
メガネ教官「さあな、中には例外も居る、さっきのアルレルト君もそそうだろう?」キサマハナニモノダ!
モブ教官「確かにそうでしたね」
メガネ教官(あの者の纏っているオーラは一体…?)
――――――
――――
―――
――
―
コニー「おい、あの芋女まだ走ってるぜ」
マルコ「アハハ、入団式の最中に急に芋を食べ出した時は驚いたね…」
コニー「死ぬまで走れって言われた時より晩飯抜きって言われた時の方が死にそうな顔してたよな」
マルコ「そう言えば君たちはどこ出身だっけ?」
アルミン「僕とこっちのエレンもシガンシナ出身だよ」
マルコ「そ、そうか、すまない」
アルミン「あぁいや、気にしてないから良いよ」
コニー「てことはよ、居たよな?あの時!」
――――――
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―――
――
―
コニー「おい、あの芋女まだ走ってるぜ」
マルコ「アハハ、入団式の最中に急に芋を食べ出した時は驚いたね…」
コニー「死ぬまで走れって言われた時より晩飯抜きって言われた時の方が死にそうな顔してたよな」
マルコ「そう言えば君たちはどこ出身だっけ?」
アルミン「僕とこっちのエレンもシガンシナ出身だよ」
マルコ「そ、そうか、すまない」
アルミン「あぁいや、気にしてないから良いよ」
コニー「てことはよ、居たよな?あの時!」
連投スマソ
ガヤガヤ
アルミン「だ、だから見たってば」
モブ「おお、どれ位大きいんだ!?」
アルミン「壁から顔を出すくらい…。」
モブ「俺は壁を跨いだって聞いたぞ!?」
アルミン「いや、そこまでは大きくなかったよ」
ミーナ「ど、どんな顔だった!?」
アルミン「皮膚が無くて口が大きかったかな…」
モブ「じゃあ鎧の巨人は!?」
アルミン「何かその名の通り凄い体格で硬そうだった」
モブ「じゃ、じゃあ普通の巨人は!?」
アルミン「えっ!?いや、それは…。」チラッ
エレン「…。」
ミカサ「…。」
アルミン「も、もう良いだろう?」
マルコ「そうだよ!皆もう質問はよそう」
コニー「す、スマン」
アルミン「あ、あぁいや、良いんだ。じゃあ僕はこれで…。」ガタッ
エレ・ミカ「…。」ガタッ
ジャン「オイそこの黒髪のすかした野郎。お前巨人を駆逐するとか言ってたよな?」
エレン「…それが?」
ジャン「てことは調査兵団だよな?」
エレン「…ああ、そうだが?」
ジャン「オイオイ正気か?わざわざ自分から死地に飛び込むなんてよォ」
アルミン「君は確か…、憲兵団志望だっけ?」
ジャン「あぁ、俺は正直者なんでね。心底怯えながらも勇敢気取ってる奴よりよっぽど爽やかだと思うがなァ」
マルコ「ちょ、ジャン!言い過ぎだよ!」
ジャン「うるせーなマルコ。幼なじみでも割り込んでくんなよ」
ジャン「で?お前本気なのかよ?どーせハッタリだろ?」
アルミン「何だと!?」
エレン「…アルミンよせ、別に気にして無い」
アルミン「でもエレン…!」
マルコ「ジャン!!」
ジャン「あーハイハイ、悪かったよ。別にあんたの考えを否定したい訳じゃないんだ。気に障ったら悪かった」
マルコ「ご、ゴメンね。こういう人なんだ…。」
アルミン「え、知り合いなの?」
マルコ「幼なじみなんだ。だから僕からも謝らせてくれ」
エレン「いや、さっきも言ったが気にしてない。人それぞれ考え方が違うのも分かってるから」
ジャン「じゃあこれで手打ちにしようぜ」
エレン「ああ」
パァン
アルミン「じゃあまたね」
マルコ「うん、また」
マルコ「まったく君はもう少し言葉を選びなよ!」
ジャン「ハイハイ、マルコはお利口さんですねー」
マルコ「ジャン!」
ジャン「分かったって、うっせー、な…!?」
ミカサ「エレン」カツカツ
ジャン視点
ミカサ(女神)「エレン」キラキラ
ジャン(!!!???!!!???)ズキュゥゥゥゥゥゥン
ジャン(な、何て美しさなんだッ!!!この人が俺の運命の人…!!!?うっ…、ふぅ…。)
ジャン「お、おいあんた!」
ミカサ「?」
ジャン(やっべ、マジやっべ!何も考えてねーよ!!!どうするよどうする俺!?)
ジャン「あ、えっと、み、見馴れない顔立ちだと思ってな。す、すまない。綺麗な黒髪だ…。」
ミカサ「?どうも」
ジャン(良し!ファーストコンタクトにしては上出来だろ!ライバルが増える前にポイントを稼ぐッ!!!)
ジャン「あ、あれ?どこ行った?」ダダダ
ジャン「見つけた! !!!???」
ミカサ「エレン、もう少し愛想を良くした方が良い。だから友達もアルミンしか居ない」
アルミン(ミカサがそれを言うの…?)
アルミン「ま、まぁ確かにもうちょっと積極的に人と関わった方が良いかもね?」
エレン「…うるせーよミカサ。余計なお世話だ」
エレン「それよりお前髪切った方が良いんじゃないか?立体機動の訓練で事故になるかもしれんぞ?」サラッ
ミカサ「…分かった。エレンが言うならそうしよう」
ジャン視点
エレン「アハハ、今日も可愛いねMy honey」イチャイチャ
ミカサ「そぉかなぁ?darlingの方がカッコいいよ?」キャッ
エレン「んー、その髪形もhoneyには似合ってるけどぉ、もう少し短い方が似合うと思うなぁ♪」サワサワサワサワ
ミカサ「んっ、こ、こんな所で、ダメだよ、見られちゃうっ…。」モジモジ
エレン「んー、honeyのこんな可愛い姿を見せるのはイヤだなぁ」パッ
ミカサ「もぉdarlingったら、また後でね…?」キャッ
エレン「分かったよ、My honey♪」イチャイチャ
イチャイチャイチャイチャ
キャッキャウフフ
ジャン(あ、あの野郎…。何てことを!羨ましい恨めしい羨ましすぎる!!!よくも俺の運命の人を…。)ハギシリギリギリ
ジャン(死ね死ね死ね死ね死ね!!!)ジダンダダンダン
ジャン(ん?そう言えばこの手…。)ジッ
コニー「フンフンフンフフーン♪」ハナウタフンフン♪
ズリィィ
コニー「お、おいお前!何人の服で!何拭ったんだ!!」
ジャン「人との信頼だ…。」
――――
―――
――
―
ちょっと抜けます
何か読んで感想等有れば遠慮なく言って下さい
拙い文章ですがお許し下さい
あとネタバレ&カップリング要素等含みますのでご注意下さい
面白いよ
期待
>>18有難うございます!頑張ります
クリスタ(あの走らされてる子もお腹空いてると思ってパンを持って来たけどまだ居るかな?)トテトテ
サシャ「ハァハァ、もう、無理、です…。」バタッ
クリスタ(あ、いた!大丈夫かな…?)タタタタ
サシャ「!!!?」グワッ
クリスタ「!?キャッ!!」
サシャ「ハフハフッムシャムシャ、ハッ、これは、まさか…、パァン!!!?」
クリスタ(女神)「そ、それだけしか無いけど取っておいたの。あ、でもまず先に水を飲まないと」キラキラ
サシャ「神様ですか…?貴女が!!!」ガシッ
クリスタ「えっ、ちょ?」オロオロ
サシャ「か、神ぃー!!」
>>19トリ付けるの忘れた…。
ユミル「おい、何やってんだお前ら?」カツカツ
サシャ・クリ「ビクッ」
サシャ「ムシャムシャゴクッ、あぁ…。」バタッ
クリスタ「こ、この子は今までずっと走りっぱなしで…。だから…!」
ユミル「お前、『イイコト』しようとしてるだろ?」
クリスタ「えっ…?」
ユミル「それは本当に芋女の為にやったのか?お前の得た物はその労力に見合ったか?」
クリスタ「…。」
ユミル「はぁ、まあ良い。まずはこの芋女を運ぶことが先だ」
クリスタ「貴女も、『イイコト』をするの…?」
ユミル「バカ言え、こいつに恩を着せる為だ。こいつのバカさ加減には期待出来る」ヨッ、ト
――――
―――
――
―
キース「まずは貴様らの適性を見る!これが出来ん奴はは囮にも使えん!開拓地に移ってもらう!」
メガネ教官「これはまだまだ初歩の初歩だが、この段階から立体機動の素質は見て取れる。」カツカツ
メガネ教官「ん?ほら、あの子たちを見ろ。まったくブレが無い。何をどうすれば良いのか全て分かるのだろう」
ミカサ(退屈。エレンは大丈夫だろうか…。心配…。)ピタッ
エレン(…。)ピタッ
メガネ教官「今年は優秀な者が多いようだ」
モブ教官「あ、あの、彼は…?」ユビサシ
メガネ教官「フッ、それこそ素質という物だろう。人並み以上に出来る者も居れば人並み以下のことしか出来ない者も居る」メガネクイッ
クスクス、オイミロヨアイツ、クスクス
ジャン(オイオイ、マジかよ…。こんなの、どうやって…。)サカサプラーン
キース「何をしているキルシュタイン!上体を起こせ!!」
ジャン(出来たらやってんだよこのハゲ…!ちくしょう…。)ギリ
エレン(…。)ジッ
―食堂―
クスクス、オイミロヨアイツ、キノウケンペイダンニハイルッテイッテタヨナ?アンナカンタンナモンモデキナカッタクセニ?クスクス
マルコ「き、気にすること無いよジャン。明日は出来るって!」
ジャン「…。」
またトリ付けるの忘れたorz
―宿舎―
ジャン「ら、ライナー、ベルトルト!二人共凄く巧いって聞いたぞ!コツを教えてくれ!」
マルコ「僕からも頼むよ!あの後二人でやったんだけど、出来なかったんだ…。」
ライナー「…。スマンが、ぶら下がるのにコツが要るとは思えん。期待しているような助言は出来そうに無いな」
マルコ「そっか…。有難う。」
ベルトルト「そう言えば、エレンとミカサの方が巧いって聞いたけど、二人に聞いてみたらどうかな?」
マルコ「あー、いやぁ、ちょっとね…。」ハハハ
ジャン「ミカサはともかく誰が『死に急ぎ野郎』なんかに…。」チッ
ライナー「『死に急ぎ野郎』?」
ジャン「調査兵団志望らしいからな、アイツに丁度良いアダ名だろ」ハンッ
ライナー「…。」
ベルトルト「…。」
マルコ「ジャン!また君は…!」
ジャン「ハイハイ、分かった分かった。うっせーな」
マルコ「ま、まぁ二人共ゴメンね、じゃあまた。ほらジャン!」
ジャン「一々うっせーよ。じゃあな」
ライナー「あぁ、頑張れよ」
ベルトルト「…。またね。」
今はここまで!
何かだんだん需要あるか不安になって来た…。
スレ主ってこんなに不安になるもんなのか…?
もし見ていてくれる人が居るならまた今日中に!
需要あるで
期待乙
それよりあれだな、ネタバレ注意はわかるがカップリング注意ってだけ言われてもどうしようもないな
カップリング指定して注意ってのならまだしも
関係ないところだから別に構わんが
わーい、今日も雨だー
…。うん、分かってたけどね?こんな天気のせいで今日一日の予定丸潰れだよコンチクショウ
皆様暖かいお言葉有難うございます。少しでも良作に出来るよう頑張りたいと思います。
>>26カップリングは今は余り定めてません。書きながら決めて行ってますので、申し訳ありませんがまだ何とも…(苦笑)
では、暇になったので再開します
エレンチートというかキャラ崩壊じゃないか…これはひどい
ギィ…バタン
ライナー「…行ったか?」
ベルトルト「…ライナー、分かってるよね?僕達の目的」
ライナー「当たり前だ。何としても故郷に帰る。その為なら何だってしてやるさ」
「俺達は『戦士』だからな…!」
―食堂―
>>31注意書きしてませんでしたね。スミマセン
今更ですがキャラ崩壊してます
ジャン「ハァ、ったく、どーすりゃ良いんだよ…!」
マルコ「ねぇジャン。今からでもエレンに聞きに行こうよ」
ジャン「オイ冗談だろ?何で俺があんな『死に急ぎ野郎』なんかに頭下げねーといけねぇんだよ」
マルコ「でもこのままだと開拓地送りになっちゃうよ?それでも良いの?」
ジャン「…うるせー」
マルコ「それに昨日話してみても良い人だったじゃないか。昨日の喧嘩だってジャンが一方的n
ジャン「あぁもううるせーよ!黙ってろ!行きゃ良いんだろ行きゃ!!」
マルコ「分かってくれて良かった。やっぱりジャンなら分かってくれると思ってたよ」クスッ
ジャン「チッ、笑ってねーで行くぞほら!」ガタッ
―外―
エレン「…姿勢制御のコツ?」
マルコ「あぁ、凄く巧いって聞いたから教えてくれないかなって。ほらジャンも」
ジャン「…教えて欲しい」ボソッ
エレン「まぁ良いけど…。」
マルコ「本当かい!?有難う」
エレン「だが今のままだと何回やろうと無理だろうな」
ジャン「…オイそりゃどういう意味だ?俺に才能が無いって言いてぇのか?あぁん!?」ムナグラガシッ
マルコ「ちょ、ジャン!やめなよ!」
エレン「いや、お前自身は体幹もしっかりしてるし、他の奴と比べるとバランス感覚は群を抜いている。他にも素質だけ見れば訓練兵の中でも上位の物だろう」
ジャン「!?お、おう?」パッ
マルコ「じゃあ何で今のままだと出来ないんだい?」
エレン「明日は教官にベルトを確認してもらえ。そうすると出来るようになる」
ジャン「ベルトが壊れてるとでも…?」
エレン「あぁ、その通りだ」
ジャン「だ、だが、俺は確認中したぞ!?最初にちゃんと!」
エレン「恐らく整備項目に入ってない箇所なのだろう。だからだ」
ジャン「だ、だが、そんなことが有るわけが…。」
マルコ「ジャン、エレンの言うことに従ってみようよ」
ジャン「マルコ!?」
マルコ「エレンのさっきの説明は的確だったし、適当言ってるとは思えないんだ」
ジャン「…。」
マルコ「それに今のままだとどっちにしろ現状の改善は出来ないだろう?」
ジャン「…分かった、今回はテメーの言うことを聞いてやる。だからって調子に乗るんじゃねぇぞ」
マルコ「ジャン!」
ジャン「ケッ、俺は帰る」スタスタ
マルコ「ゴメンねエレン、彼も悪気がある訳じゃないんだ」
エレン「昨日も言ったが気にしてない」
マルコ「そう?有難う。それにしても凄いねエレンは。良くあんなに的確に一瞬で見抜けるよ」
エレン「…別に凄くない。俺はまだまだだ」
マルコ「いや、充分凄いと思うよ?これは憲兵団に入るの厳しいかなぁ」
エレン「…話が終わったならもう行って良いか?」
マルコ「え、あぁゴメン、有難う」
エレン「いや、良い」スタスタ
マルコ「何か他の人と違うなぁ…。まぁ良いか。さぁ僕も寝よう」スタスタ
エレン「なぁ母さん、今日は星が綺麗だよ。ミカサもアルミンも一緒に居てくれる、こんな俺の側に」
「こんな化け物の側に…。」
――――――
―――――
―――
――
俺は昔から他の人達から怯えられ、友達も一人しか居なかった
幼い頃から同年代の他の奴らよりも色々なことが出来たからだ
でも俺は別にそれでも良かった。親友のアルミンは物知りでいつも面白い本を読ませてくれる
それに外の世界の話をいつも二人で語り合っていたからな
二人で居る時が一番楽しかったから、だから友達が少ないことも気にして無かったんだ
てもそんな時、親父が急に自分の診療に付いて来いと言い出した。何でもその家には俺と同年代の女の子が居るらしい
親父が俺に友達を作らせるためだった
その日は少し肌寒かった
俺は渋々付いて行った
コンコン
エレン「ミカサ…?」
グリシャ「そうだ、お前と同い年の女の子だ。この辺りは子どもが居ないからな、仲良くするんだぞ?」
エレン「別にアルミンだけで良いのに…。」ボソッ
グリシャ「エレン、そんなことを言ってるから一人しか友達が居ないんじゃないか」
エレン「…別にいらない」プイッ
グリシャ「はぁ、まったく…。アッカーマンさん?イェーガーです。診療に来ました」コンコン
シーン
グリシャ「ん?留守かな…?失礼しま、す…!!!?」ガチャ
それは酷い光景だった
大人の男女が見るも無惨な姿で死んでいたのだ
男性の方は胸を刺された痕があり、女性の方は右肩から胸にかけて刃物で切りつけられたような深い痕があった
俺は辺りを捜したがどこにも子どもの姿は見つからなかった。遺体でさえも…。
グリシャ「クッ、ダメか…。エレン、辺りにミカサは居たか?」
エレン「居なかった…。」
グリシャ「そうか…。父さんは憲兵団を呼んで捜索を要請する。お前は麓まで戻ってなさい」
エレン「…。」
それから俺は親父を出し抜き一人で山の中を捜し回った
憲兵団を待ってたらミカサは助からないと思ったし、何より放っておけなかった
何故山の中なのかというと、殺害現場から近い場所で身を隠せるのに一番適していたからだ
それに死体の様子からまだあまり殺害時刻からそれほど経っていないと親父が言っていた
ならばまだあまり遠くへは行ってないだろうと信じて無我夢中で捜した
―山小屋―
人買い1「オイ、本当に売れるんだろうなぁ?わざわざ親殺してまで連れ去ってよ」
人買い2「そいつの顔を良く見てみろ」
ミカサ「…。」
人買い1「確かに上玉だがまだガキだな。俺の趣味じゃねぇ」ゲシッ
人買い2「お前の趣味を聞いてんじゃねぇよ。そいつは東洋人って種類でな。今はもうそいつの一族しか残ってねぇ希少な人種だ。そいつを都の地下街で変態の旦那方相手に競りに懸けんのさ」
人買い1「だがこいつの親父は普通の奴だったぞ?こいつは純血じゃねぇよ」
人買い2「あぁそうだよ!本当に貴重だったのは母親の方だ!てめぇがビビって殺しやがるから!!」ダンッ
人買い1「だ、だってあいつが抵抗するから!」
人買い2「言いたいことはそれだけか?あぁん!?」
バリーン!
人買い1・2「ビクッ」
人買い1「な、何だ!?窓が!!」
人買い2「だ、誰だ!!」
人買い1「出て来い!どこにいやがる!!」
人買い2「オイ!まずはこのガキを連れて出るのが先だ!!」
人買い1「あ、あぁ分かっt」グサッバタッ
人買い2「!!!?オイ、しっかりしろよ!嘘だろ!?」
人買い2「何だよこの槍…。まさかあの窓の方から!?」バッ
「こっちだよクソ野郎」
人買い「何!?きさm」グサッバタッ
エレン「死ね…。死ね…!死んじまえ!!お前らなんかこうだ!!もう立ち上がるな!!!」グサグサグサグサ
ミカサ「…。!?」ハッ
エレン「ハァ、ハァ…、もう大丈夫だ、安心しろ」
エレン「お前ミカサだろ?俺はエレン。医者のイェーガーの息子だ。親父には前に会ったことがある筈だが…。今日はお前の家に診療の付き添いで行ったんだ。そしたら…。」チョキン、パサッ
エレン「…ほら縄も切った、出るぞ」スクッ
ミカサ「……もう一人、三人居たはず…。」ボソッ
ガタン!
エレ・ミカ「ビクッ!」
人買い3「…。」
エレン(ナイフを!!)バッ
人買い3「オラァ!!」ズドン
エレン(ぐ、腹を…!)ドシャ
人買い3「オイ…、お前がやったのか…?お前が!!」ガシッ
エレン「!?ぐ…!」
人買い3「よくも…、よくも!殺してやる!殺してやる!!」ググググ
エレン(クソッ、単純な腕力じゃ大人に敵う訳がない…!どうすれば…!!)ググググ
ミカサ「…あ、あぁ…。」プルプル
エレン(このままだと二人共助からない…。ここは一か八か、ミカサに頼るしか…!)ググググ
エレン「戦え…!」ググググ
ミカサ「え…?」ビクッ
エレン「戦うんだよ…!勝てなきゃ、死ぬ…!勝てば…、生きる…
!」ググググ
人買い3「何訳わかんねぇこと言ってやがる!このガキ!!」ググググ
エレン「戦わなければ…、勝てない…!!!」ググググ
ミカサ「!?」ガタッ
ミカサ(な、ナイフは持ったけど…!)ガタガタ
ミカサ「そ、そんな、出来ない!」ガタガタ
ピシッ!!
ミカサ(そうだ…、この光景は何度も、何度も、見てきた…。いつだって、目に入っていた…。)
ミカサ(でも…、見なかったことにしていた…。そうだ…、この世界は…)
残 酷 な ん だ
ミカサ(この感覚…、今なら何でも出来る気がする…。)ピタッ
ミカサ(戦え…!戦え!!!)
ミカサ「う、うわぁぁぁぁぁぁ!!!」ドンッ
人買い3「!?」グサッ
―――
――
―
憲兵1「こ、これを、あの子ども達がやったのか…?」
憲兵2「し、信じられない。大の大人を三人殺して、その内の二人は背中から人差しだぞ…!?」
グリシャ「エレン!!あれ程待ってろと言ったろう!?自分が何をしたか分かっているのか!?」ガシッ
エレン「…獣(けだもの)を駆除しただけだ、あんな奴ら人間じゃない…!」
グリシャ「違う!!私はお前が!命を軽々と投げうったことを怒っているんだ!!一歩間違えば死ぬところだったんだぞ!?」
エレン「……でも、早く助けて上げたかった…。」グスッ
グリシャ「…ッ」
グリシャ「分かった…、無事だったのだからもう良い…。ところでミカサは大丈夫かい?」
>>51修正
憲兵2「し、信じられない。大の大人を三人殺して、その内の二人は背中から一刺しだぞ…!?」
ミカサ「……イェーガー先生…、私はここから、どこに帰れば良いの…?」
ミカサ「寒い…。私にはもう帰るべき場所が無い…。」プルプル
エレン「…おい」カツカツ
ミカサ「?」プルプル
エレン「やるよ、これ…。俺のマフラーで悪いけど…。『温かい』だろ…?」マフラーグルグル
ミカサ「!!!『温かい』…。」ソットナゾル
グリシャ「ミカサ、私達と一緒に暮らそう」
ミカサ「え…?」
グリシャ「辛いことが色々有った。君には充分な休養が必要だ」
ミカサ「で、ても…。」
エレン「何だよ…、早く帰ろうぜ、俺達の家に」クィ
ミカサ「!!うん、帰る…。」ポロポロ
>>53またまた修正orz
ミカサ「で、でも…。」
それから、俺とミカサは一緒に暮らし始めた
ミカサもすぐにイェーガー家にも馴染んだ
アルミンとミカサも意気投合して一件落着に思えた
だけど……。
ヒソヒソ、アノコ、ヒトゴロシラシイデスワヨ?マァオソロシイ、イヤネェ、オチツイテセイカツデキマセンワ、ハヤクデテッテクレナイカシラ、ヒソヒソ
どこからか俺が人買いを殺したという情報が漏れた。さらにその情報は事実とは程遠い、かなり歪曲されたものだった
そうして俺は『人殺し』のレッテルを貼られた
元々ある程度恐れられていたが、それに拍車が掛かり実際に報復という名目で行動に出る人が続出した
だが、事実を知っている駐屯兵団の人達や、アルレルト家の方々は変わらずに接してくれた
アルミンも気にせず接してくれたが、俺と関わるとろくなことにならないので、俺はミカサとアルミンを何とか説得し、二人を日に日に避けるようになった
ヒューン、ベチャ
悪ガキ1「やったぜ、命中!」ガッツポーズ
悪ガキ2「ハハハ、次俺な!」
悪ガキ3「次は俺だぞ!」
エレン「…。ギロッ」
悪ガキ共「ビクッ」
悪ガキ3「お、俺もう帰る!」タタタ
悪ガキ1・2「お、オイ待てよ!」タタタ
エレン「…。」ポツーン
エレン「……帰ろ。」スタスタ
―イェーガー家―
ギィ、バタン
エレン「……ただいま」
カルラ「あらお帰り。…!?」
カルラ「ちょ、ちょっとその頭どうしたの!?」
エレン「…卵」
カルラ「またやられたの!?ちゃんとやり返してきたの!?」
エレン「そんな無駄な労力使わない」
カルラ「そうやってやり返さないから何度もやられるんでしょ!?」
エレン「ムカッ」
エレン「あいつらみたいな低俗な馬鹿共に手を上げるなんて真っ平ゴメンだ!!」カベドンッ
カルラ「でもそれじゃいつまでも改善されないでしょ!!いつまでそうやって逃げてるつもり!?」
エレン「…ッ!!」
エレン「逃げてなんか無い…。逃げてなんか無い!!あんな腰抜け共と一緒にするなッ!!」ダッ
カルラ「エレン!!」
何か疲れた…。
過去編全然オリジナリティ無くてごめんなさい
もし復活できたらまた戻ってきます
復活ー
ぼちぼち進めますー
―川―
エレン(クソッ、何だよ。何も分かって無いくせに!)バチャバチャ
エレン(…やっと取れた…。)フキフキ
エレン(俺があんな腰抜けから逃げてるだと?)イライラ
エレン(ふざけやがって…!)ギリッ
俺は一人川で頭を洗い、先程の母さん言葉を思い出してイライラしていた
俺はイライラした状態のまま特に考えもせず路地裏を歩いていた。するとアルミンが先程の悪ガキ共に虐められている現場に遭遇する。
― 路地裏―
バキッ
アルミン「うっ…!」ドサッ
悪ガキ1「悔しかったら殴り返してみろよ!」
アルミン「誰がそんなことするもんか…!それじゃお前らと同レベルだ!」ウゥ…
悪ガキ1「何だと!?」
アルミン「僕が言ったことが正しいと分かってるから言い返せなくて殴るしか出来ないんだろ?」
悪ガキ1「…ッ!!」
アルミン「それは、僕に降参したってことじゃないのか!?」
悪ガキ1「う、うるせーぞこの屁理屈野郎!!この異端者が!!」バキッ
アルミン「グッ…!」ドサッ
悪ガキ2「言葉でしか反撃出来ない癖に!!生意気なんだよ!!」
ドカッ、バキッ、ドサッ
アルミン「うぅ…。」ボロボロ
悪ガキ3「そう言えばお前、あの『人殺し』と友達だったよな?」
アルミン「!?」
悪ガキ2「あぁあいつな、お前もあいつに関わってたらいつか殺されるんじゃね?」
悪ガキ3「でもよ、あいつそんな強いか?確かに顔や雰囲気は恐いけどよ、何回俺達がケンカ売っても何もせずに逃げ帰っていくじゃないか」
悪ガキ2「確かにな。一回もやり返して来ねーもんな!所詮見かけ倒しの臆病者なんじゃねぇの?」ハハハ
悪ガキ1「どーせ『人殺し』つっても卑怯なやり方だったんじゃね?それか相手が弱すぎるとかさwww !」
アルミン「………エレンを…、エレンを、侮辱するなッ!!!!」
悪ガキ1「あぁ?」
アルミン「エレンはお前らなんかとは違う!!!お前らみたいな臆病者じゃない!!一緒にするな!!!」
悪ガキ1「あぁうるせーうるせー、うるせー、なっ!」ドカッ
アルミン「うぐっ…!」ドシャァ
悪ガキ1「今日はお強い保護者(ミカサ)も居ねーぞ?どうするよ弱虫。お前と『人殺し』でお似合いの弱虫コンビじゃねぇか!良かったな!」ハハハハハ
エレン「その弱虫っていうのは俺のことか?」
悪ガキ共「!?」ビクッ
アルミン「エレン………。」ボロボロ
悪ガキ1「あ、あぁそうだよ、お前のことだ、『人殺し』!どーせ見かけ倒しの臆病m
エレン「黙れ」
悪ガキ共「ビクッ」
エレン「……………。」スタスタスタスタ
悪ガキ1「な、何だよ、やんのか?俺に手を出したら母ちゃんが黙ってねーぞ!?」ビクビク
エレン「フン、散々喧嘩売っておきながらいざとなったら母親頼みか?大した度胸だな」スタスタスタスタ
悪ガキ2「ど、どーせ見かけ倒しって分かってるんだからな!臆病者!」プルプル
エレン「鏡見てこいよ、臆病者はどっちだ?産まれたての小鹿みたいにプルプル震えてる癖に」スタスタスタスタ
悪ガキ3「て、テメーなんかミカサが居ないと何も出来ない弱虫だろ!?」アトズサリ
エレン「悪いな、生憎ミカサは父さんの診療の付き添いで今日は居ねーんだよ。お前らからしたらラッキーだったな、弱虫の俺だけしか居なくてよ」スタスタピタ
悪ガキ共「ひっ…!」ブルブルブルブル
エレン「まぁもうどうでも良い…。」
「死ね」
バキメキャバコドスメコグシャ
悪ガキ共「ギャァァァァァァァァァァ!!!」
少し短いかもしれませんが今日はここまで
ちゃんと書けてるか凄い不安になってくる…。
では、こんな駄文を読んで下さった方々有難うございました
お休みなさい
おもしろいよ
乙~!
乙!
舞ってるよ
皆様こんばんは。本日まさかのテストで見事に撃沈した担々麺です。
急にテストとか言われてもどうすりゃ良いんだよ!と泣きました。
そんな訳で(どういう訳だよ)続きを書いていこうと思います
P.S. 勉強?何それ美味しいの?パァンですか?
>>69>>70有難うございます!とても嬉しいです!
俺は殺さない程度に悪ガキ共を痛め付けた。と、いうより実際殺すつもりでやった。だが途中でアルミンが流石に見かねたのか、『エレンもう良い!もうやめて!』と止めたからやめた。アルミンが間に割って入らなければ、俺は悪ガキ共を殺していただろう
気付いたらボロボロになった悪ガキ共が目の前に居た。その内の一人はかろうじて意識を保っていたが、後の二人は気絶していた
俺が悪ガキ共を見下ろしていると、まだ意識の有る奴が口を開いた
悪ガキ1「…………この…『化け物』…が……。」ボロボロ
エレン「あ?」
悪ガキ1「お前…みたい…な、『化け物』は……死んじまえば…良いんだ…!!」ボロボロ
エレン「…………。」
悪ガキ1「お前のような…『化け物』は……消えろ…!この世から…消えてしまえ!!」
アルミン「お前…まだ!!!」ギリッ
悪ガキ1「あぁそうだよ!お前のような『化け物』なんか、生きてるだけで迷惑なんだよッ!!死んじまえよ!!!」
俺が化け物…?ちがう、俺は悪魔だ
エレン「………………言いたいことはそれだけか?」スッ
悪ガキ1「!」ビクッ
ズドン!!
悪ガキ1「」バタッ
俺は悪ガキの一人がかろうじて保っている意識を刈り取った
>>74セリフ取られた…。
考え直しじゃないかチクショー!(涙)
晩飯食べてましたので今から再開します
その後俺は俺の家でアルミンを介抱した。母さんは出掛けていて居なかった
俺が介抱する間アルミンが何か言っていた気がするが、俺は「ああ」とか「うん」と曖昧に返事をするだけでほとんど聞いていなかった。アルミンはそのことに気付いていたようだが、それに対して何も言うことなく、ただ『ありがとう』とだけ言って帰って行った
アルミンが帰った後、母さんが帰って来た。俺に対して何か言っていたが無視した。どうせ昼の俺の態度に関する小言だろう
母さんと二人で晩飯を食べて寝床に入るまで、俺は頭の中でずっと夕方の悪ガキの言葉を反芻していた
エレン「・・・・・・・」書いた人かな
エレン(『化け物』、か……。)
正々堂々戦えばこの街で俺と張り合えるのは、単純な戦闘能力で言えば大人も含めミカサ位だろう。頭脳面では子どもの中ではアルミンだけである。今更ながらその事実を思い出し、俺は考えた
俺は何者なのか、と
何故子どもにも関わらず、大人をも凌ぐ身体能力・判断力・思考力・精神力を有して居るのか?
何故、何故、なぜ、なぜ?
俺は考えた。必死に答えを探して延々と考えた
だがいくら考えても答えは出てこなかった。まるで出口の見えないトンネルを歩いているかのような錯覚に陥り、俺は絶望した
>>78これが初SSでして…。他の作者の方々と同列に扱われるなど畏れ多いです(汗)
そして今度は世界に自分一人だけが隔離されているような錯覚に陥る。俺は言い知れない不安に駆られた
エレン(俺は独りなのか…?)
『そうだ、お前は独りぼっちだ』
誰かが嘲るようにそう耳元で囁いているように感じた。俺はその一言を振り払うかのように強く口に出して否定した
エレン「違う、違う!!!」
『違わないさ、お前は永遠に独りぼっちだ』
エレン「やめろ違う!俺は独りなんかじゃない!!」
『認めろよ。お前は他のガキとは全然違うじゃねぇか』
エレン「やめろ、やめろ!!!」
認めたく無かった。自分が根底から否定されている気がして。激しい頭痛と吐き気を催しながらも俺は叫んだ。次の一言を言われたら自分を保っていられる自信が無かったから…。
エレン「やめろ!言うな!!言うな!!!」
そんな俺の願いさえも嘲笑うかのようにその一言は俺の頭に響く
『だってお前は、『化け物』だろ?』
ちょい離れます
今日中に戻ってこれたら戻ってきます
今日中って言ったのに次の日になってるし…。
まぁ再開します
舞ってた
あと俺が初ss書いた時は
こんなに綺麗に書けんかったなぁwww
>>1に期待と支援を捧げるっ!! ガバッ!!
静かに小さく、しかしはっきりとその一言は俺の頭に響いた。まるでその言葉を刻み込むかのように…。
俺は不思議と冷静にその一言を受け入れていた。その途端、急に頭が冴えていき、先程までずっと探していた答えが嘘のように見付かった
そう、俺の正体、いや、俺の存在意義が
>>86有難うございます!
期待に応えられるよう頑張ります
エレン「……そうか…。周りが俺を認めてくれるにはこれしか無かったのか…。何で今まで気付かなかったんだろう…?こんなに簡単なことじゃないか…。」
俺の顔に自然と笑みが溢れる
エレン「クククク…、アハハハハハ!簡単じゃないか!俺が周りに認めてもらうために!俺は!」ハハハハハ
エレン「死ねば良いんだ」
俺は急に先程までの自分が馬鹿らしく思えてきた。こんな簡単なことだったなんて!『灯台もと暗し』とは良く言ったものだ、と
だが急にふと疑問に感じた。俺がこのまま死んでも誰も俺を認めてくれないんじゃないか?と
エレン「そうだ、今俺が死んだところで誰も認めてくれる訳がない。ならどうやって死ねば俺を認めてくれる?」ブツブツ
俺は必死に考えた。しかし今回はいとも簡単に答えは見付かった
エレン「調査兵団…。」ボソッ
そこからは芋ずる式に答えがどんどんと見付かっていく
エレン「そうだよ、調査兵団に入って巨人を駆逐すれば…!その過程で死ねば周りも俺の事を認めてくれるはず…!」
俺はとても興奮していた。自分の存在意義が有るということがこんなに素晴らしいものだと知らなかったからだ。今なら何でも出来るかのような気さえしてくる、それ程までに俺の気分は高揚していた
エレン「けど、どうせなら巨人を駆逐し尽くしてから死のう。そしたら外の世界も見れるし、俺は『化け物』じゃなくて『英雄』だ!!」
また新たな答えが見付かりさらに俺の気分は良くなる
エレン「『英雄』になったら俺のことを皆が認めてくれる!俺は『化け物』なんかじゃなくなるんだ!」
俺はそれから一晩中巨人を駆逐する方々を考えた
翌日から俺はほとんど感情を面にださなくなった。優秀な兵士になるためだ
それからは街の人にどんなことをされようと苦にならなかった。それどころか目標が見付かり、毎日が凄く充実していた
アルミンはあの一件以来、少々強気になった。と言っても普段は弱腰で、自信が無いところは相変わらずだが。しかしいざというときは、普段からは想像出来ないような強気っぷりだ
ミカサは相変わらず俺に対してお節介だった。いくら俺が無口な方でも度が過ぎるだろと思う時が多々あり、その度に喧嘩していた
ついでに言えば、あの悪ガキ共は家族共々他の街に引っ越していた。いつだったかアルミンが言っていたが、引っ越すまでは常に何かに怯えていたようだ。アルミンに危害を加えることも無くなり、それどころかアルミンを見ると一目散に逃げて行ったらしい。良い様だとミカサがほくそ笑んでいた
事実ミカサは悪ガキ共を殺しに行こうとしていたからな…。その時は俺とアルミン二人がかりでやっとの思いで止めたが…。
俺は前のようにミカサやアルミンと居ることが多くなった。元の関係に戻れたことに関してはミカサは悪ガキ共に感謝したらしい
そうして俺達は三人共それぞれ成長していき、遂に『あの日』を迎える
―845年・秘密基地―
エレン「アルミン、外の世界の本は?」
アルミン「うん、持って来たよ。ほら」ポン
俺達は秘密基地に居た。俺とアルミンで設計し、ミカサが場所を見付け、俺とミカサで組み立てた。それをアルミンが監修した、少し本格的な基地だ。普段からそこで三人で集まっては本を読んだりして過ごしていた
ミカサ「エレン、そんなに慌てないで」
エレン「…慌ててない。一々うるさい」
アルミン「アハハ、相変わらずだねミカサ」ハハハ
エレン「ほら見ろ。お前は普段からうるせーんだよ」
ミカサ「私はエレンに必要なことだから言っている。それ以外のことに口出しした覚えは無い」
エレン「…別に頼んでないだろそんなこと。余計なお世話だ、なぁアルミン?」
アルミン(えぇ!?そこで僕に振らないでよ!!)
ミカサ「アルミン…?」ギロッ
アルミン(ほらまただ。他は凄い察しが良いのになぁ。恋や親愛といった感情に関してはどうしてそこまで察しが悪いんだ、エレン!そこが大人になればもう完璧なのに…。)キリキリ
エレン「ミカサ、アルミンもお前の質問には答えられないってさ。諦めろ」
ミカサ「……アルミン…?」ゴゴゴゴ
アルミン「うぇ!!?あぁごめんごめんミカサ!(ミカサ、殺気が凄いよ…。)」ガクガク
ミカサ「それでアルミンはどう思う?」ゴゴゴゴ
アルミン「え!?えっと、取り敢えずエレンももう少しミカサの気持ちを理解して上げたほうが良いんじゃないかな!?(本当恐いよミカサ…。)」アセアセ
ミカサ「私はアルミンを信じていた。流石アルミン」ニコッ
アルミン「うん、有難う(現金過ぎるよミカサ…。)」ニコッ
エレン「…アルミンが言うなら仕方ない、俺が悪かったよミカサ」ボソッ
ミカサ「素直に謝れるエレンは良い子」ナデナデ
エレン「…頭は撫でるな」パッ
ミカサ「頭は撫でるな…?と言うことは他は撫でても良いの…?」ジュルリ
エレン「駄目に決まってんだろ。てか涎拭けよ気持ち悪い」
アルミン「エレン!!(やめてくれ!僕の胃に穴を開ける気なのか!?このご都合主義め!!)」
ミカサ「エレンに気持ち悪いって言われた…!?エレンニキモチワルイッテイワレタ、エレンニエレンニエレンエレンエレンエレンエレンエレンエレン」ブツブツ
アルミン「うわぁぁ!!ミカサ!しっかりするんだ!」
エレン「はぁ…。ったくほらミカサ」ギュッ
ミカサ「エレン!?」ビクッ
エレン「俺が悪かった。言い過ぎたよ」ナデナデ
ミカサ「いや、私も自重するべきだった、ごめんなさい(この世界は残酷だ。だが美しい…。)///」ホクホクギュッ
アルミン(良かった…。アルミ胃ンに穴を開けるような事態にならなくて。本当に良かった…。)ホッ
エレン「で、アルミン。今日はどんな本を持って来てくれたんだ?」パッ
ミカサ「あ…。」シュン
アルミン「え?あぁ今日は海に関しての本だよ(ミカサ…、ドンマイ)」
エレン「へぇ、海に関してのことは面白いからな。俺は好きだぜ?」
ミカサ「私も面白いと思う」タチナオル
アルミン「あはは、エレンはもう外の世界の知識は大体持ってるから、必要無いと思うけど?」
ミカサ「…確かに。エレンは頭脳もアルミン並みだし、戦闘能力も私と同等…。総合的に見たら一番凄い。…少し、悔しい」
エレン「…そんなこと無いさ、俺は別に凄く無い」
アルミン「エレンは謙遜し過ぎだよ。もっと誇っても良いと思うけどな」
エレン「まだまだだよ…。」
そうだ、『英雄』になるにはまだ足りない。知識も力も、何もかもが…。
エレン「そんなことより早く見ようぜ」
アルミン「うん、そうだね。じゃあまずここから…………」パラッ
アルミン「………………ふぅ、ここまで、かな」パタン
エレン「…スゲェよな…。」ボソッ
アルミン「え?」
エレン「いや、凄いと思ってよ」
ミカサ「何が?」
エレン「外の世界は俺達の知らないことが沢山有るんだぜ?それこそ数え切れない位にな」
アルミン「確かにね…。本当に僕もそう思うよ…。」シミジミ
エレン「早く調査兵団に入りてぇよな」
ミカサ「……駄目…。」ボソッ
エレン「あ?何?」
ミカサ「調査兵団なんて駄目だと言った」
エレン「……何で?」
ミカサ「確かにエレンは強い。単純な戦闘能力だけでなく、全てにおいてほぼ完璧だ」
エレン「………。」
ミカサ「だけど、調査兵団なんて沢山人が死ぬ。この間も見たでしょ?壁外調査の結果を。沢山の人が怪我していた。あれ以上に沢山人が死んでいる」
確かにこの間の壁外調査は惨憺たる結果だった。ほとんどの団員が死に、生き残った少数もほぼ全員が重症だった
ミカサ「エレンが凄く強いことは知っている。だけど、エレンが死なないとも限らない。だから…!」
アルミン「ミカサ…。」
俺は俺の目標を誰にも話していなかった。こいつらにさえも…。
エレン(……いや、逆か。こいつらだからこそ言えないんだ…。)
俺は知っていた。こいつらが俺の事を大事に思ってくれていることを。だけど、俺は他の奴等にも認めてもらいたかった。俺はこいつらと対等な立場になりたかったんだ
エレン(それで考えた結果が、『英雄』として死ぬこと、か…。)
皮肉だな、と思わず自嘲的な考えになる
エレン(類い稀なる思考力を有しながら、その結論がこれなんだから、我ながら相変わらずぶっ飛んだ思考回路だぜ)
ミカサ「私はエレンにもアルミンにも死んで欲しくn
エレン「アルミン、一旦帰ろうぜ」
アルミン「え?」ビクッ
エレン「だってよ、もう昼じゃねぇか。飯食ってからまた昼から集まれば良いだろ?」
聞きたく無かった。決意が鈍るような気がして、途中で遮った
エレン(俺にはこれしか無いんだ…。)
他に自分の存在意義が見付からないから。だから仕方ない、と自分に言い聞かせながら誤魔化した
アルミン「あ、あぁうん…。」
エレン「良し、決まりだな。ほら帰るぞミカサ」スクッ
ミカサ「…………分かった」スクッ
エレン「じゃあアルミンも帰るぞ」
アルミン「う、うん」スクッ
それから三人並んで家路に着いていると、同い年位の女の子がこれまた同い年位の男共に虐められていた
悪ガキa「ほらほら、これでも食らえ!」ポイッ
悪ガキb「余所者は帰れ~!」ポイッ
悪ガキc「どうだどうだ!」ポイッ
女の子「キャア!やめて下さい!」
どうやら土団子を投げつけているようだ。件の悪ガキ共と比べたら、何ともまぁ可愛らしいものである
黙って見過ごすことも出来ないので、一応止めに入る
エレン「…………おい」
ミカサ「…。」スッ
アルミン「…。」スッ、プルプル
ミカサが無言で俺の隣に立ち悪ガキ共を睨み付け、アルミンが此方も無言で隣に立ち睨み付けている。まぁ震えて居るが…。
エレン(恐いんなら無理すんなよ…。)
まぁそうは思うが、アルミンが一人だけ逃げる訳が無いことも知っているので、黙って心の中でそう呟き、悪ガキ共を睨み付ける
エレン「楽しそうだな…。俺達も交ぜてくれよ…。」ギンッ
ミカサ「…。」シュッシュッ
アルミン「…。」プルプル、ギロッ
ミカサが隣でシャドーボクシングをしている。そこまでやる必要無いと思うが…。
アルミンはまだ震えている。その状態で睨み付けているので、効果無いだろ、とまた一人心の中でツッコむ
俺が睨み付け、ミカサがシャドーボクシングをし、アルミンが震えながら睨み付ける
対して女の子は両腕で頭を庇うように座り込み、悪ガキ共は俺達を見て放心状態
何ともカオスな空間である
悪ガキa「あ、あぁ…。『死神三人衆』だ……!」ガクガク
悪ガキb「や、やべぇよ…。殺される!」ブルブル
悪ガキ共「に、逃げろー!!」ダダダダ
エレン(ほらやっぱり)
放心状態から回復した悪ガキ共は、案の定まったく抵抗せずに、捨て台詞も残さず逃げて行った。さながら蟻の子を散らすように
エレン(てか今更ながら『死神三人衆』って何だよ…。)
俺達はこれまで数々の悪ガキ共を懲らしめているので、悪ガキ共からは恐怖の対象だ。その上この街には多すぎる程の悪ガキが居るので、俺達三人組は結構知名度が高い
エレン(まぁ俺だけはもっと高いけどな…。)
そう一人考えているとミカサとアルミンが女の子の方に行って何か話している。アフターケアは二人の役目だ
エレン(何か気品が有るよな…。)
女の子の服装はまるで貴族かのように華やかだった。その子自身も何処か気品が漂っている。恐らく他所の街の子だろう
エレン(まぁ俺には関係無いか…。)
そう結論付け周りを見ると、猫が足元に寄って来ていた。俺は何故か動物に好かれる。頭を撫でてやると、猫は気持ち良さそうにゴロゴロと喉を鳴らした
エレン(可愛いなぁ…。)ナデナデ
俺は動物が好きだ。俺の事を避けること無く、逆に擦り寄って来てくれるから。素直に可愛いと感じる
そうして頬を緩ませながら猫と戯れて居ると、不意に視線を感じたので顔を上げる。すると三人がこっちを見ていた
慌てて表情を戻すと、女の子が声を掛けて来た
女の子「あの…。」
エレン(これで余所者確定だな…。)
この街の人は両親とミカサ、アルレルト家の人以外は俺に話掛ける人など居ないからだ
そうやってまた自分の世界に入っていると再び声を掛けられた
女の子「あ、あのっ!」
エレン「……何?」
俺は両親、ミカサ、アルレルト家の人以外には口数が極端に少なくなる。その為少々無愛想だ、と何度もミカサと母さんに小言を言われた
女の子「助けて戴き、ありがとうございました」ペコリ
女の子は可愛らしくお辞儀をしながら礼を言って来た
エレン「…別にそんなこと気にしなくて良い。俺がやりたくてやったことだから」
女の子「いえ、それでも助かりました。ありがとうございました」ニコッ
アルミンがそれを見て顔を赤くしていた。ミカサは何故か得意気だ
エレン「…どう致しまして」
一応そう返しておく。俺は女の子がこのまま去るだろうと思っていたが何故か続けて話し掛けて来た
女の子「あの、猫好きなんですか?」
エレン「え…?あ、まぁ…。」
予想が見事に外され少々驚いた
女の子「可愛いですよね…。私も動物好きなんですよ」
エレン「あ、そう…。(何か調子狂うな…。)」
女の子「さっき物凄く優しい顔してたから、同じ動物好きなのかなって」ニコッ
ミカサ「エレンが私達以外に笑っている所を見せるなんてとても珍しいこと。誇って良い」フフン
エレン(だから何でお前が得意気なんだよ…。)
女の子「アハハ…。そうなんですか…。」
エレン(ほら困ってるじゃないか)ハァ
するとすかさずアルミンがフォローを入れる。流石アルミンだと少し感心した
アルミン「と、ところで、まだここに居て良いの?」
女の子「え?…あ、もうこんな時間だ!スミマセン、ここで失礼します!」
アルミン「気にしなくて良いよ。僕達が好きでやったことなんだから」
ミカサ「そう、気にしなくて良い」
女の子「いえ、それでもありがとうございました」ペコリ
ミカサ「良いから時間、大丈夫?」
女の子「あわわ、本格的にまずいよ…。で、では本当にこれで失礼します!…………キャッ!?」アセアセ、タッ、ズザー
アル・ミカ「あ」
女の子が駆け出し、途中で盛大にコケた。幸い何処も怪我はしていないようで何とか立ち上がるものの、涙目になっている
流石に見かねた俺は女の子をおぶった
ちょっと離脱します
今日は一日暇だよー、やったー
さぁ休憩終わりー
ちょっとの間休憩してました
うん、まだ11時間しか経ってないしちょっとだよね?
……ハイ、スミマセンでした!(土下座)
まあ寒い小芝居も終えたところで再開~
エレン「ふっ」トン
アル・ミカ「エレン!?」
女の子「え?え?」アタフタ
アルミンとミカサが驚いたように俺の名前を呼ぶが、それを無視して俺背に乗っている女の子に質問する
エレン「場所は?」
女の子「え?」キョトン
エレン「だから、場所。時間、ヤバいんだろ?」
女の子「え、でも、その、悪いですし…。」アタフタ
エレン「別に良いから、早く」
俺が女の子に催促しているとミカサが声を掛けてきた。それも強すぎる程の殺気を放ちながら。お陰でアルミンが隣で震えている
ミカサ「……エレン?何をしているの?」ゴゴゴゴ
エレン「何って、送って行くんだよ、見て分かるだろ?(何で殺気放ってんだよ)」
ミカサ「分からない…。なら普通に案内すれば良いだけ…。おぶる必要は無いはず…。」ゴゴゴゴ
エレン「時間がヤバいからに決まってるだろ?」
アルミン「あぁなるほど、そういうことか」
いつの間にかミカサから距離を置き、アルミンは立ち直ったようだ
ミカサ「アルミン、どういうこと?」ゴゴゴゴ
アルミン「だからエレンが走った方が速いからって言いたいんだよエレンは。ね、エレン?(いい加減殺気をしまいなよ、ミカサ…。)」
エレン「あぁ、そうだ。流石アルミンだな」
アルミン「ありがとう(手放しで喜べないのは何でだろう…?)」アハハ
エレン「じゃあ俺は送って来るから、二人は先に帰っていてくれ」タッ
アルミン「ちょ、エレン!?(こんな状態のミカサを僕に押し付けないでよ!!)」
ミカサ「エレンガワタシヲオイテイッタ……。」ゴゴゴゴ
アルミン(ほらね?僕はいっつもこんな役回りなんだ…。あぁ、胃が…。)キリキリ
俺はアルミンとミカサを置いて走った。背中に女の子を乗せて
女の子「わぁ…、速い…。」キラキラ
エレン「で、場所は?」タタタタッ
女の子「あ、広場で待ち合わせなの!」
エレン「分かった、しっかり掴まっとけよ」タタタタッ、ビュン
俺は女の子の行き先を聞いてさらに速度を上げた
女の子「キャー!は、速い~!」
チラリと後ろを確認すると一所懸命片手でしがみ付き、片手で髪を押さえている
エレン(もう目の前だし、少しスピードダウンするか)シュタタタタッ、タタタ
女の子「あれ?さっきより遅くなった?」キョトン
エレン「もう着くからな。……ほら、着いたぞ」タタタ、ピタッ
女の子「あ、本当だ!全然気付かなかった!」
女の子は途中から恐怖のあまり、目を瞑って居たようだ
エレン「ほら、降りろ」
女の子「うん、分かった」ストン
女の子が背から降り、俺の正面に立つ
女の子「どうもありがとう!」ニコッ
こうして見ると確かに可愛いな、と素直に感じる
女の子は小柄な体格をしており、雪の様な真っ白な肌。それに良く映える、桃色の頬、薔薇色の薄い唇をしている
髪は黒のロングにウェーブを緩やかに掛け、目鼻立ちがはっきりしている
事実、他の同い年位の人達(全員男)が、気付かないと思っているのかチラチラ此方を遠巻きに見ている
エレン(けど…、俺は何より、この『眼』に惹かれる……。)
その『眼』は、薔薇色の唇と対照的に深い深い碧眼だった
他の人には、何の穢れも無い綺麗な眼だろう。しかし俺は何故か、ただ綺麗なだけでは無いかのような違和感を感じる
エレン(何だろう…?何でこの『眼』にこんなに惹かれるんだ…?)
何故かその『眼』から逸らすことが出来ずに、ジッと見つめる
流石に女の子も疑問に感じたのか恐る恐るといったように声を掛けて来た
女の子「あ、あのぉ……?」
その一言で俺はやっと我に返った
エレン「あ、あぁ悪い」
女の子「いえ、良いんですが…。」オドオド
女の子は何か言いづらそうにしていた。最初はまったく訳が分からなかったが、「あぁなるほど」と漸く理解した俺は自分から促す
エレン「あぁ行ってこいよ、俺は帰るから」
「じゃあな」とだけ最後に言い残し、踵を返す。すると女の子が最後に礼を言ってきた
女の子「本当に、ありがとうございました!」ペコリ
俺は視界の隅で女の子が頭を下げるのを確認して、「あぁ」とだけ返し、立ち去ろうとする
女の子「また、会えますよね!?」
俺は数歩進んでいたが、そう大声で言われ、思わず振り返った
女の子「また、会えますよね…?」
女の子はもう一度そう言ってきた
俺は何と言えば良いのか分からなかったので、
エレン「…………さぁな」
と返し、俺は再び踵を返した
今度こそ振り返らずに…。
面白い!
―イェーガー家―
黒髪碧眼の女の子と別れ、家に辿り着く
「ただいま」と言って居間に入ると、母さんが待っていたかのように傍に寄って来た
カルラ「エレン、調査兵団に入るって本当なの!?」
俺は驚いた。両親には言って無かったからだ
思わず情報源であろう少女を睨み付けると、少女はプイと顔を逸らした
カルラ「エレン!本当なの!?」
重ねて質問してくる。答えるまで離してくれそうに無かったので、観念して本当のことを告げる
エレン「…あぁ、そうだよ」
そう告げた瞬間、母さんの目が見開かれた
カルラ「何を言ってるの!?壁外調査に行った人がどうなるかは貴方も知っているでしょう!?」
エレン「あぁ、知ってる」
カルラ「だったらそんな馬鹿なこと言わないで!!」
それを聞いた瞬間、俺は無性に腹が立った
母さんとの喧嘩など、俺が目標を見付けたあの日以来していなかったが、思わず声を荒げた
ちょっと風呂に入って来ます
スミマセン
呼ばれて無いけどジャジャジャジャーンwww
ジャンは格好良いと個人的に思います!
あのマルコが死んでから調査兵団入団までの一連の葛藤は凄い格好良かった!
まぁ普段は凄いうざそうですけどね…。
では、本日も気張って再開!
ジャンイケメンジャン
エレン「馬鹿…?馬鹿だと……?」ワナワナ
カルラ「そうよ!そんな夢物語を語ってないでもう少し大人になりなさい!!」
エレン「……ダヨ…。」ボソッ
カルラ「何!?はっきり言いなさい!」
その瞬間、俺は堰を切ったかのように気持ちを吐き出した
無論、ある程度は自分の胸に留めて置いたが
それでも普段押し殺している分、自分では歯止めが効かなかった
エレン「じゃあ聞くけど!大人って何だよ!自分の気持ちを全部押し殺してでも生きないといけないのか!?それが大人ってもんかよ!!!?」
カルラ「えぇそうよ!時には我慢も必要なの!!」
エレン「ふざけんな!そんなのいつもじゃないか!母さんは昔から我慢我慢我慢我慢!!いい加減うんざりしてんだよッ!!」カベドン!
カルラ「な…!?」
エレン「だってそうだろ!?一々一々煩いんだよ!!」
俺がそこまで言ったところで親父が止めた
グリシャ「エレン言い過ぎだ!謝りなさい!!」
エレン「何で俺が!」
グリシャ「エレンッ!!」
>>124おぉ!同志が!
そうですよね!やっぱり格好良いですよね!
てか何で俺はこんなに熱くなってんだろ…?
エレン「ぐっ…。すいませんでした…。」イライラ
何年ぶりかに気持ちを吐き出した俺は、まだイライラしていた。まだ吐き出したり無かった
だが親父に逆らうのは得策では無いと判断し、素直に謝った
カルラ「あなたもエレンを説得して」
母さんは今度は親父を頼った
俺は身構えたが、親父の口から発せられた言葉に思わず耳を疑った
グリシャ「エレン、どうして、調査兵団に入りたいんだ?」
まさか理由を訊かれると思わなかった俺は一瞬面食らった
だが、段々と冷静になって行く頭で考えれば、親父は頭ごなしに怒る人間じゃなかった。と思い至る
俺は慎重に言葉を選んで答えた
エレン「…壁の外に出たいんだ」
グリシャ「どうしてだ?」
エレン「知りたいんだ!壁の外に何が有るのかを!」
グリシャ「だが、エレンはもう随分と壁外の事に詳しいじゃないか」
エレン「違う…。」フルフル
グリシャ「何が違うんだ?」
エレン「俺が知ってるのはただの知識だ…。俺は自分の目で見たい!自分の目で見て、感動したい!」
グリシャ「………。」
エレン「一生壁の中で何も知らないまま過ごすなんて嫌だ!やりたい事を我慢して、妥協する人生なんか嫌だ!そんなのただビクビク巨人に怯えている家畜じゃないか!」
ミカサ「………。」
エレン「俺は嫌だ!家畜として死ぬなんて嫌だ!俺は、俺は人間として人生を全うしたい!!」
俺はほとんどの気持ちを吐き出した
久々に大声を出したせいで喉が痛い
だが不思議と不快感は無かった
グリシャ「……………そうか」
そう言って親父は立ち上がった
俺は親父の真意を測りかねて混乱していた
グリシャ「もうすぐ船の時間だ。そろそろ行くよ」スクッ
カルラ「ちょっとあなた!?エレンを説得して!」
グリシャ「カルラ、人間の探究心とは、誰かに言われて抑えられるものでは無いよ…。エレン?」
エレン「はい…。」
グリシャ「帰ったら、ずっと秘密にしていた地下室を見せてやろう」
親父はそう言いながら、親父がいつも肌身離さず持っている鍵を見せてきた
エレン「本当!?」ガタッ
俺は少し興奮していた。ずっと地下室は見せてもらえなかったからだ
グリシャ「あぁ。では、行ってくる」
そう言って親父は内地に診療に行った
エレン「行ってらっしゃい!」
カルラ「駄目だからね」
俺が親父を見送って居ると母さんがそう言ってきた
エレン「は?」
カルラ「調査兵団なんて馬鹿な真似、駄目だからね」
エレン「な…!?」
カルラ「お父さんが認めても、私は認めないよ」
エレン「また、馬鹿って言ったな!!俺には、家畜でも平気な人間の方がよっぽど間抜けに見えるよ!!」ダッ
俺はまた腹が立ち、ムシャクシャして俺達の秘密基地に向かって走り出した
>>119今気付きました
有難うございます!
嬉しいです!
カルラ「あ、エレン!?」
ミカサ「…。」
カルラ「ミカサ…。」ガシッ
ミカサ「?」
カルラ「あの子は、何でも自分で抱え込むところが有るから、困った時は二人で支え合うんだよ?」
ミカサ「…分かった」コクッ
カルラ「お願いね?」ニコッ
―秘密基地―
俺が着くと、そこには先にアルミンが居た
エレン「アルミン居たのか」
アルミン「あ、エレン。君が昼からも集まるって言うから来たんじゃないか」アキレ
エレン「悪い、まさか先に居るとは思わなくて」
アルミン「……エレン?」
エレン「何だ?アルミン」
アルミン「今、何時だと思ってるの…?」
エレン「何時って…?」
そう言われて確認して見ると夕方になりかけていた
エレン「あー…。その、何だ…。」アセアセ
俺が「あー」とか「えー」とか言っていると、アルミンがニッコリ笑った
アルミン「エレン…?」ニッコリ
……正直、怖い…。
エレン「……すまん」シュン
ここは俺が全面的に悪いので、素直に謝った
アルミン「にしても、どうしてこんなに遅くなったの?あの女の子の用事が長引いたの?」
エレン「いや、あいつとは広場ですぐに別れたよ」ストン
俺は質問に答えながらアルミンの読んでいる本を覗き込む
エレン「何読んでるんだ?」
アルミン「これはね、まだ壁も無くて巨人も居なかった頃の、様々な種族とその文化に関しての本なんだ」
エレン「へぇ…。興味深いな…。」
俺はまだこの本は読んだことが無かったので、興味津々だった
アルミン「うん、意外と面白いよ。……って、質問の答えは?」
エレン「あ?あぁ、それなんだが俺g
ミカサ「エレンが調査兵団に入りたいって言って叔母さんと喧嘩したから」
エレ・アル「!?」ビクッ、バッ
アルミン「み、ミカサ、いつから居たの!?」ビックリ
ミカサ「ついさっき」ストン
ミカサはそう言い、俺とアルミンの正面に座った
エレン「…ちょっと待て、それはお前が母さんに言ったからだろ?」ギロッ
俺はミカサを睨むがミカサは涼しい顔である。その態度に無性にイライラする
アルミン「えっと…、どういう事?」
エレン「こいつが母さんに言いやがったんだよ…。」イライラ
俺はミカサを睨み付けながら吐き捨てるように言う
アルミン「それで…?何て…?」
アルミンが恐る恐る聞いてくる
多分こいつのことだから答えは分かっているんだろう
それでも聞いてくるってことは一応確認するためだ
エレン「反対されたさ、母さんにはな」
アルミン「母さんには…?」
エレン「あぁ、父さんは賛成の様子だった」
アルミン「本当!?」パァァ
暗かったアルミンの顔が急に明るくなる
エレン「あぁ、父さんが認めてくれるなら大丈夫だと思うz
ミカサ「駄目」
エレン「…何だ?」イライラ
俺は話に水を差されてまたイライラした
どうも今日は沸点が低いらしい
ミカサ「だから、駄目。もう何度も言ったけど、私も認めない」
エレン「煩い。お前の意見は聞いてない」イライラ
ミカサ「それでも、認めない」
エレン「てか、お前俺の母親にでもなったつもりか?俺はお前の子どもでも弟でも無ぇぞ。いい加減にうざい」イライラ
俺がそう言った途端ミカサの目が見開かれる
エレン(良い様だ…。)
俺は心の中でほくそ笑んで居た
するとアルミンが声を荒げた
アルミン「エレン!言い過ぎだよ!」
エレン「は?」
アルミン「言い過ぎだ!いくらイライラして居ても、普段のエレンならそんな事言わないだろ!?」
エレン「………。」
アルミン「今すぐミカサに謝るべきだ!」
このエレンは頭回るんだから適当に嘘こいてこの場を収める位出来るはず
チートエレンに原作らしさのエレンを出すとおかしくなるジレンマだ
>>139この日のエレンは普段よりも沸点が低いと考えて下さい
それに少しネタバレすると、まだ成長する場面が有りますので…。
成程了解です乙
頑張ってください
アルミンに諭されて、漸く俺は我に返った
苦虫を噛み潰したような気分になる
エレン「ミカサ、その…、すまん」
ミカサ「…いえ、気にしてない」シュン
エレン(嘘付いてんじゃ無ぇよ、俺で無くても分かる位落ち込んでんじゃないか…。)ハァ、ナデナデ
ミカサ「!」パァァ
俺が頭を撫でてやるとミカサはすぐに機嫌を直した
何と言うか…、相変わらず単純なヤツだ
エレン(まぁ、そこは可愛いんだけどな…。)ナデナデ
ミカサ「♪」ニコニコ
まるで猫みたいだ、とか思ってると、アルミンが突然語り出した
アルミン「でもさ、何で街の人達は皆楽観的なのかな…。」
エレン「ん?急にどうした?アルミン」ナデナデ
ミカサ「?」ニコニコ
アルミン「いや、皆壁が壊される訳が無いって思ってるだろう?」
エレン「あぁ」
確かに、どいつもこいつも壁が壊されるとは微塵も疑ってない
壁の中に居れば未来永劫安全だと信じきっている
つくづく平和な奴等だと思う
それはアルミンも同じ気持ちだった
アルミン「百年壁が壊されなかったからと言って、今日壊されない保証なんてどこにも無いのに…。」
ズドォォォンッ!!ピカァァァァッ!!
そうアルミンが言い終わった瞬間、突然物凄い地響きがした
それに、屋内に居ても分かる位の雷が何処かに落ちた
アルミン「な、何!?」バッ
ミカサ「」バッ
アルミンもミカサもすぐに立ち上がり、外に出て衝撃の正体を確認しようとする
しかし俺は妙な胸騒ぎがしていた
すぐに冷静に二人に指示を出した
エレン「……アルミン、ミカサ。まずはこの基地に有る必要最低限の物を掻き集めろ」
アルミン「ど、どうして!?」
エレン「嫌な胸騒ぎがする…。杞憂で有れば良いが、万が一という場合も有る。念には念を、だ」
俺が「急げ!」と急かすと、二人共戸惑っては居たが、すぐに指示通り行動する
エレン(万が一に備えて、ここに色々置いていて良かったな…。)
俺は自分も荷物を集めながらそう思った
この基地には色々な事態に備えて、色々な物を置いていた
俺が発案し、アルミンがリストを作り、三人で基地に運び込んだ
エレン(それに、すぐに脱出出来るよう予め大抵は纏めてるし、早く終わるだろう)
俺の予想通りすぐに三人共準備が完了する
エレン「全員準備出来たな?」
俺は二人を見て確認する
二人共コクリと頷いた
エレン「良し、行くぞ!」ダッ
アルミン「うん!」タッ
ミカサ「うん」ダッ
俺が先頭に立ち、人が集まっている広場へと向かう
エレン「……皆何を見てるんだ…?」ダダダダッ!
遠くから確認すると広場に居る全員が何かを見上げている
遠くから、ましてや横顔からその表情は読み取れなかった
俺達も見上げるが、俺達の位置からでは家が邪魔して見えない
アルミン「何だろう…?」タタタタ
俺達は逸る気持ちを抑えながら、広場に着いた
すぐさま騒ぎの元凶を確認する
エレン「ッ!!!!?」
すると、そこには、目を疑う光景が有った
今日はここまで!
指摘された点を注意しつつ頑張りたいと思います
感想やら指摘して下さった方々有難うございました!
スミマセン、今日はまた夜に更新します
待ってるで
乙
乙
楽しみにしてる
エレン「何だよ、あれ…。」
皆が見上げていた物、それは壁から顔を出した巨人だった
アルミン「そ、そんな…。あの壁は50m有るんだぞ……!?」
だがそれは通常で言えば有り得なかった
何故なら、当時確認されていた巨人の最長は15mとされていたからだ
それが急に60mの巨人が現れたのである
エレン(それに、皮膚が無い…。)
さらに、その巨人は筋肉が剥き出しで、体から蒸気が噴き出していた
皆がその光景を信じられないで居ると、急にその巨人が動いた
エレン「!(何か来る!!)二人共、木にしがみ付け!!」
俺は咄嗟に何か危険な物を察知し、二人を近くの木にしがみ付かせた
俺達が木にしがみ付いた瞬間、突然激しい衝撃が街を襲った
俺達は何とか衝撃に耐える事が出来たが、今はそれどころでは無かった
アルミン「壁が壊された!!巨人が入って来る!」
街を見れば、先程の衝撃、壁の破片によって半壊状態だった
さらに、巨人が入って来て阿鼻叫喚の嵐だ
だが俺はそんな事はどうでも良かった
エレン「あ、あの方向には、俺達の家が!母さんが!!」ダッ
俺は無我夢中で走り出した
破片の一つが俺達の家の方向に飛んで行ったのだ
アルミン「エレン!?」
ミカサ「!!」ダッ
アルミンが呼んだ気がしたが、俺は気にせず走り続けた
エレン「ッ!!」ダダダダッ
人の波に逆らいながら走っていると、岩に潰されて死んでいる人を何人も見る
それを見る度に最悪の考えが頭を過る
エレン(違う!母さんは無事だ!母さんは無事だ!母さんは無事だ!!)ダダダダッ
俺は走り続けた。必死に母さんは無事だ、と自分に言い聞かせながら
エレン(あの角を曲がれば、俺達の家が!!いつもの家が!!)ダダダダッ
漸く、角を曲がれば家まで一本道、という所まで来る
エレン「母さんッ!!」バッ
必死に角を曲がった所で俺は、最悪の考えが的中していた事を知る
エレン「!!」ピタッ
ミカサ「!!」ピタッ
俺達の家は、岩で潰されて原形を留めて無かった
その光景を確認した瞬間、俺は思わず立ち止まった
少し遅れて来たミカサも同様だったが、すぐに二人共再び走り出した
エレン「母さんッ!!」ダダダダッ
ミカサ「ッ!!」ダダダダッ
母さんの下半身は家の柱の下敷きになっていた
俺とミカサはすぐにその柱を持ち上げようとした
エレ・ミカ「ッ!!」ググググ
いくら身体能力が常人より遥かに高くても、二人共まだ子どもだ
子ども二人に持ち上げられる訳が無かった
エレン「あ!!」
俺達が懸命に柱を持ち上げようとしていると、すぐ近くまで巨人が侵入していた
俺達は焦っていた
俺達がどれだけ力を入れようと、柱はびくともしないからだ
エレン「急げミカサ!」ググググ
ミカサ「分かってる!!」ググググ
カルラ「巨人が、入って来たんだろ!?」
エレン「そうだよッ!」ググググ
カルラ「エレン!ミカサを連れて逃げなさい!」
カルラ「速く!!」
エレン「だったら!速く出てくれよ!!逃げたいよ!俺もッ!!」ググググ
カルラ「母さんの足は、潰されてもう動かない…。分かるだろ?ここから出られても逃げられないのよ…。」
エレン「だったら!俺が担ぐよ!俺が走った方が速い!!」ググググ
俺は頭では分かっていた。母さんはもう、助からないと
だけど、認めたくなかった。諦めたくなかった
何より、俺にとって数少ない大切な繋がりだった
その母さんを見捨てたくなかった
カルラ「どうして今日に限って、母さんの言うことを聞けないの!?」
エレン「聞ける訳無いだろ!?そんなの!!」ググググ
カルラ「ミカサッ!!」
ミカサ「嫌だッ!!」ググググ
いつも母さんに従順なミカサでさえ反発した
普段冷静な二人が珍しく感情を顔に出していた。それだけ必死だった
そうしていると一体の巨人がこちらにやって来た
ニヤニヤ下卑た笑いを浮かべながら
巨人「ニヤニヤ」ドシーン、ドシーン
エレン「動け!動けよぉぉ!!」ググググ
ミカサ「動け!動けッ!!」ググググ
その巨人の足音で母さんも気付いたようだ
母さんは絞り出すように言った
カルラ「お願いだから…!最期位、言うことを聞いてよ…!」ポロポロ
俺はその母さんの泣き顔を見た瞬間、悟った
俺達が母さんに出来る、最善の行動を
俺達に出来る最期の親孝行を
エレン「…………。」ピタッ
ミカサ「エレン!?」ググググ
俺は柱を持ち上げるのをやめた
ミカサが驚いたように俺を見る
ミカサ「エレン何をしているの!?柱を持って!」ググググ
ミカサが「速く!!」と催促してくるが俺は無視した
そして母さんをじっと見つめる
エレン「…………。」ジッ
母さんは全て分かったようだった
母さんは俺を見て、優しく微笑んだ
いつもの、俺の大好きな優しい顔だった
母さんは微笑んだまま、囁いた
「エレン、ありがとう」
と、ただ一言…。
俺はミカサを担いで走った
だが母さんの最期の瞬間だけはこの眼に焼き付けた
母さんの最期を見届けた後はまた走った。ただ走った
ひたすらがむしゃらに走った
ミカサは最後まで暴れていたが、俺は気にせず走った
どこをどう走ったかなどはまったく覚えていない
気付いたら、仲の良い駐屯兵のハンネスさんに保護されていた
停泊している船に乗り込み脱出するらしく、その説明を受け、船に搭乗した
俺達が搭乗するのと同時に船が出港した
乗せてもらえなかった人達が叫んでいた
皆が荷物を捨てる中で俺は無意識に持っていた食糧だけは隠していた
そして気付けばもう日が暮れようとしていた
今よみはじめましたが、すぐ読み終わっちゃった…
続きか気になります。応援します。
難民「終わりだ…。俺達は、もう…。」ガタガタ
周りで誰かが呟いている
俺はその一言で、まだ覚醒しきってない頭で考る
エレン(……終わり……?あの家での暮らしは、もう、終わり……?)
右手を見る
その手には血がこびり付いていた
母さんの血だ
母さんが巨人に喰われた時に、飛び散った血だった
エレン(…………どうして…。どうして、今日に限って、下らない口喧嘩なんかしたんだ……。どうして………!)
悔やまれた。今日に限って下らない口喧嘩をしたことを
エレン(いつも通り、いつも通りで居れば…。いつも通り、俺が冷静で居れば…!そうすれば……!)
目を瞑れば、母さんと過ごした日々が鮮明に瞼の裏に映し出される
エレン(……あの家は、もう無い…。母さんも、もう、居ない……。)ポロポロ
その事実を改めて実感する
その瞬間、涙が頬を伝い、掌に落ちる
泣いたのなどいつ以来だったか、忘れてしまう程久しぶりだった
だが今度は疑問、後悔が頭に浮かぶ
>>164有難うございます!
精一杯頑張ります
と言ったばかりなのですが、少し離脱します、スミマセン
一時間程したら戻って来るかと
本当スミマセン(土下座)
エレン(母さんが、居ない……?もう、どこにも、居ない…?どうして……!?)ポロポロ
俺は再び右手を、母さんの血を、見つめる
エレン(俺が、弱いから…。俺に、力が、無いから……。)ポロポロ
エレン(何が、『化け物』だ…!何が、『英雄』になる、だ…!)ポロポロ
エレン(母さんすら…、大切な…、身近な繋がりですら、守れなかったのに…!)ポロポロ
エレン(俺は、弱い…!今のままじゃ、『英雄』になんか、なれる訳が無い…!)ポロポロ
俺は欲した、『英雄』になる為の、力を
エレン(力が、欲しい…!ミカサやアルミンを守れる、力が…!あいつらに勝つ為の、力が…!)ポロポロ、グッ
俺は右手を握りしめ、誓った
エレン「……シテヤル……。」ポロポロ、ボソッ
ミカサ「エレン…?」
俺はミカサを無視して船の縁まで歩く
途中アルミンが止めるが振りほどいた
船の縁まで行き、俺は誓った
擬音に句読点は要らないと思うよ
エレン「今より、ずっと、強くなってやる…。そして、あいつらに…、復讐してやる……。力を、手に入れて…!」ポロポロ
エレン「絶対に…、あいつら、後悔させてやる…。絶対に…!」ポロポロ
俺は真っ赤になった右手を、沈み行く夕日に向かって伸ばした
そして、握りしめる
エレン「駆逐してやる……!この世から、一匹残らず……!!俺が…、この手で……!!!」ポロポロ、グッ
俺は誓った
忘れないように、何度も、何度も
母さんに
そして何より、自分自身に
絶対に夢を叶えてみせる、と…。
―――――――
―――――
――――
―――
――
―
>>169指摘して下さり、有難うございます!
了解です
エレン「ふぅ」
エレンは長い間感傷に浸っていた
その証拠に、空は白みかけている
エレン「気持ち良い…」
そよ風が優しく頬を撫でる
エレンはその心地良さに目を細めた
エレン「らしくないな…。」ボソッ
あの日から、エレンが喜怒哀楽を見せる時は決まって一人だけの時だった
ミカサとアルミンの前では多少は見せるも、それも最低限だ
それ以外は全て己の胸にしまっている
エレン「俺は、少しは大人になれたかな…?」
エレンはあの日誓ったように右手を握りしめ、呟いた
エレン「絶対に、『英雄』になってみせるから…。」
最後に「待ってて、母さん」とだけ残し、エレンは立ち去った
ふぅー、やっと過去編が終わった
長い!長すぎる!
もう巻いて行こうかな…。
どうしようか、悩みます(泣)
まぁ本日はここまで!
皆様有難うございました!
一日空けての更新です
皆様が優しい言葉を掛けて下さるので、私のスマホが涙でびしょびしょです(笑)
本日もこの駄文しか書けない私をお許し下さい
では、本日も頑張って行きましょう!
―数ヶ月後・立体機動演習場―
キース「ふむ…。」
入団式から数ヶ月が経ち、訓練兵の数も篩に掛けられかなり減った
ある者は訓練に付いて行けず開拓地送りになり、またある者は訓練中の事故死によって
今はその死者数の多い立体機動の訓練中だ
キースはある程度厳選された各訓練兵を採点しながら考えていた
イェーガーとアッカーマンは次元が違う、と
この二人は明らかに別格だった
二人共人間とは思えないような動きで目標の項を削いでいる
キース(今期は他の者も優秀だと言うのに…。)
キースは微かな恐怖すら感じた。その実力に
キース(卒業時にはどのような実力になっていることやら…。)
だがそれ以上に一筋の希望を感じていた
キース(この才能を活かすも殺すも俺自身、だな)
その時ふと自分の苦い過去を思い返す
何も出来ず、ただいたずらに部下を死なせてしまった自分
その母親にただ謝ることしか出来なかった自分
何も出来ないまま戦場を退いた自分
どれもこれも後悔しか無い
キース(そして戦場を退いて尚、兵士を育てているとは…。)
キースは顔を歪めた
そして何も出来なかった自分が、この若き兵士達にしてやれる事を考える
キース(戦場から無様に逃げ出した俺には、こいつらが死なないよう育てることしか出来ないからな)
キースは、自分が知ってる全てをし教えてやろうと思った
キース(精一杯鍛え上げてやる)
いつの間にか、キースの口元には笑みが浮かんでいた
エレン「ふぅ…。」
立体機動の訓練が終わり、エレンはコニーとサシャと簡単な水浴びをしていた
と言っても、ただ頭から水をかぶるだけだが
コニー「やったぜエレン!今回も俺達が一位だ!」
サシャ「はい!これで次の掃除当番も免除ですよ!」
結果はエレン・サシャ・コニーのチームが一位
ミカサ・アルミン・ジャンが僅かに届かず二位
少し点数が離れライナー・ベルトルト・アニが三位となった
コニーとサシャはその事実にはしゃいでいた
一位の班は掃除当番及び、訓練の後片付け等が免除になるからだ
サシャ「それにしても流石エレンでしたね!凄い動きでした!」
コニー「あぁ!凄かったよなあの動き!びゅーんって感じでシュンって感じで凄かった!」
コニーが「びゅーん」とか「ばーん」と言っているとサシャが呆れたように言った
サシャ「コニー、何言ってるかまったく分かりませんよ…。」アキレ
コニー「何だと!?エレンなら分かってくれるぜ!?」
コニーが急に「なぁエレン」と言い出し、サシャがそれに便乗する
サシャ「分かりませんよね?エレン。はっきり言って上げて下さい」
エレン「……まぁ褒められてるのは分かったが…。」
エレンがそう返すとコニーが誇らしげに胸を張る
コニー「ほら見ろ!エレンと俺は親友だからな!考えていることが分かるんだよ!」
サシャ「な!私だってエレンの親友ですよ!!ですよねエレン!?」
サシャがムキになって言い返す
エレン(うるさい…。)ハァ
ギャーギャー喧嘩している二人に、エレンは一人心の中で溜め息を吐いた
エレンは最初ずっとミカサとアルミンと居た
だが、三人共班が別々になってしまい、段々一緒に居る時間が減ってしまった
それでも二人は一緒に居てくれようとしたが、二人共友達が出来たみたいだったのでエレンから断った
最初は二人共渋々と言った感じで過ごしていたが、すぐにその生活に馴染んだようだった
だがエレンはそれからずっと一人で過ごした
元々人と関わろうとも思っていなかったので、エレンは何とも思わず過ごしていた
そんな時、班替えによりコニーとサシャと一緒の班になった
それからである。二人と一緒に居ることが多くなった
と言っても二人がエレンに引っ付いているだけだが
事ある毎にエレンの近くに寄って来ては二人で騒ぎ倒す
最初は鬱陶しがっていたエレンも最近ではその空間を心地良いと感じるようになった
エレン(…まぁうるさいが、悪くないか…。)
未だに言い争う二人を見てぼんやりとそう思う
その時、エレンに話し掛ける人物が居た
ライナー・ブラウンだ
ライナー「よ、エレン。ちょっと良いか?」
エレン「…何だ?」
サシャとコニーも気付いたようでこっちに寄って来た
コニー「ライナーじゃないか!どうしたんだ?」
ライナー「あぁいや、エレンに用が有ってな」
サシャ「駄目ですよライナー!エレンは私のです」ギュッ
そう言いサシャがエレンを抱き締める
するとコニーがすぐに怒ったように反対側から抱き締める
コニー「エレンは俺のだ!」
また喧嘩し出す二人にエレンが挟まれている様子を見て、ライナーが苦笑した
スミマセン、少し質問なんですが、地の文多すぎますかね?
もう少し減らした方が良いですか?
グッモーニン!
さぁ本日もちょっとずつ更新して行きます
レスしてくれた方々有難うございました!
では、再開~
ライナー「あー、お邪魔だったか?」
エレン「いや、別に構わない。いい加減二人共離れろ」
サシャ「えぇー、だってエレン、抱き心地凄く良いんですもん」ギュー
コニー「そうなんだよなー、何かほわほわするよなー」ギュー
さっきまでの喧嘩も忘れ二人が和んでいると、ライナーも興味津々と言った様子だった
ライナー「それは興味深いな。なら俺も良いか?」
サシャ「駄目ですよ!エレンは上げません!」ギュー
コニー「そうだ!エレンは俺のだ!」ギュー
コニーの一言が引き金になり再びサシャと口論になる
エレン(埒が明かない…。)ハァ
そう思ったエレンは実力行使によって二人を引き剥がした
それにより二人の口論はヒートアップする
サシャ「あぁ!?コニーのせいでエレンが逃げちゃったじゃないですか!!」
コニー「何だと!?お前のせいだ!この芋女!!」
サシャ「それ言わないで下さいよ!気にしてるんですよ!?」
みてるよ
ギャーギャー騒ぐ二人を無視してエレンがライナーに質問した
エレン「それで?俺に用事って何だ?」
ライナー「それより、あいつら放って置いて良いのか…?」
ライナーは最早対人格闘をし始めた二人を指差し、エレンに確認を取る
エレン「問題無い。いつもの事だ」
それを聞きライナーは(いつも?)と疑問に思った
しかし、エレンに「それで?」と急かされたので、一先ず自分の用事を済ますことにする
ライナー「あ、あぁ、お前の班はいつも一位だろ?だからコツでも有るのかと思ってな」
エレン「何故俺に聞く?ミカサも巧いと思うが…?」
ライナー「それでも、お前の方が巧いだろ?」
エレン「…お前も充分巧いと思うがな」
エレンはそう言い、ライナーを観察した
エレン(ライナー・ブラウン。現時点で俺、ミカサに次いで三位の実力者。面倒見が良く他の訓練兵にも慕われている)
エレン(真面目で、どんな困難な訓練にも我先に取り組む。いつもベルトルト・フーバーと行動を共にしている)
エレン(だが、何か釈然としない…。こいつを合わせて三…、いや五人か。この五人は他の者とは何かが違う気がする…。気のせいか?)
>>194有難うございます!
エレンが一人物思いに耽っていると、ライナーが不思議そうに声を掛けた
ライナー「おい、大丈夫か?」
エレン「あぁいや、大丈夫だ。すまない」
ライナー「いや、別に良いんだが。それで、教えてくれる気にはなってくれたか?」
エレン(今はまだ情報が少なすぎる。ある程度接触を図って近くで観察するか…。)
エレン「あぁ、分かった。出来る範囲で良いなら」
ライナーはそれを聞き、心底嬉しそうな表情になった
ライナー「本当か!?いやー、助かる!」
エレン「いや、別に良いが、今からやるか?」
ライナー「あぁ、よろしく頼む」
それからエレンは夕食まで、ライナーに立体機動のコツを教えた
―食堂―
ワイワイ ガヤガヤ
ライナーとの特訓も終わり、エレンは夕食を食べていた、一人……では無く、九人で
エレン(うるさい…。)ハァ
エレンはそう思い、自分の周りで楽しそうに夕食を食べている人達を見た
このグループだけやけに注目を集めていた
それもそのはず、ほぼ全員が成績上位陣である
まず、久しぶりにミカサとアルミンが一緒に食べると言い出した
別に断る理由も無いのでエレンは了承した
次にライナーがベルトルトを連れて来て、アルミンが提案し、一緒に食べることになった
さらにマルコ、ミーナがそれぞれジャン、アニを連れて来た
ジャンもアニも渋々と言った感じだったが、結局一緒に食べることになった
エレンはそのテーブルの中心に座らされている、と言った状況だった
スミマセン、早いですが今日はここまで
では皆様お休みなさい
さぁーやって参りました、今日も元気な担々麺だフォイ!
本日も全く無い文才を駆使して、精一杯この駄文を書き上げるフォイ
魔法の合言葉は、ビビデ・バビデ・ブー!
はい、ではいつも通り寒い小芝居も終わったところで、再開します
エレン(こいつは一体何なんだ…。)
エレンはいつも通りジャンに絡まれていた
発端は、ミカサがエレンに久しぶりに接することが出来たからか、いつもの三割増しで世話を焼いた事だった
それを羨ましく思ったジャンがエレンに喧嘩を吹っ掛けたのだ
最早これも104期訓練兵の間では一種の名物だった
エレン(こいつは何で何かに付けて、俺に突っ掛かって来るんだ?鬱陶しい…。)
ジャン「おい、聞いてんのか!?」ガッ
恋愛と言う物に疎いエレンにジャンの気持ちが分かる筈も無く、一人黙っていた
するとジャンが無視されたと勘違いし、エレンの胸ぐらを掴んだ
それを見たマルコが慌ててジャンに言う
マルコ「ジャン!また投げられr」
ジャン「」ドシーン
マルコの言葉が言い終わらない内にジャンは宙を舞っていた
それを見たマルコが「あぁ、やっぱり」と呻き声を漏らす
これも最早恒例であった
ジャンがいつもエレンに突っ掛かり、その度に投げ飛ばされる
その特攻を見る度に他の訓練兵は思った
エレン以外(歴代一の逸材に敵う訳が無いジャン…。)
それでも諦めないジャンにエレンは改めて思った
エレン(こいつは何でこんなに俺に突っ掛かって来るんだ…?)
不思議そうなエレンの様子に、アルミンは人知れず苦笑した
そうして皆がジャンに呆れていると、サシャとコニーが戻って来た
サシャ「ハァ、ハァ、パァン…。」ハァハァ
コニー「し、死ぬ…。」ゼーゼー
二人の疲労困憊の様子に皆が驚いた
ミーナ「ど、どうしたの!?」
二人に慌てて水を差し出しながら、ミーナが問い掛けた
サシャ「コニー、と、騒いで、いたら、教官に、罰則を…。」ハァハァ
途切れ途切れにサシャがそう言うと、ライナーが心当たりが有るように言った
ライナー「まさか、あれか?」
コニー「そうだよ、あれだよ…。」
少し落ち着いたらしいコニーがそう返すと、アルミンがライナーに問い掛けた
アルミン「あれって?」
ライナー「ん?あぁ、二人がエレンを取り合って喧嘩したんだよ」
アルミン「エレンを?」
ライナー「そうそう、何かエレンは抱き心地が良いらしいぞ?」
ライナーがそう言うと、アルミンとミカサは少々驚いた様子だった
その二人の様子を不思議に思ったマルコが問い掛けると、二人共言葉を濁した
その時、サシャが回復したのか大声で「パァン!」と言いながら走り去っていき、皆がそちらに気を取られる
これ幸いとばかりにアルミンが声を張り上げる
アルミン「それで、エレンの抱き心地が良いって話だっけ?」
ライナー「あぁ、何か二人共凄く気持ち良さそうだったぞ?」
ミカサ「当然。エレンの抱き心地は最高」
ミカサが少し誇らしげにそう言うと、ジャンが涙を流しながらエレンに跳び掛かった
ジャン「エレェェェン!テッメェェェェェェ!」ブワッ
エレン「何なんだ一体…。」
エレンが難なく避けるが、ジャンは号泣しながら攻撃を続ける
ジャン「一発!一発殴らせろぉぉぉぉぉ!!」ドバー
エレン「はぁ?意味分からねぇよ…。」
ジャンのいつに無く必至な様子にエレンも戸惑い、少々押される
ジャン「羨ましいんだよ!この野郎ッ!!」
エレン「だから何が?」
ジャン「ミカサに抱き着いたんだろうが!?」
ジャンがそう言うと、エレンが爆弾を落とした
エレン「いや、いつもあいつから抱き着いて来たんだが」
ジャン「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ジャンが叫びながらエレンに殴り掛かるが、その拳が目標を捉えることは無かった
またもエレンによって投げ飛ばされたジャンはその状態のまま号泣している
流石に可哀想だと思ったのか、エレンがジャンに提案した
エレン「……なぁ、そんなにミカサに抱き着きたいならミカサに頼めば良いだろ?」
ジャン「良いのか!?」
いきなり息を吹き返したジャンに、エレンが若干引き気味に「あ、あぁ」と答える
それを聞き、ジャンは目を輝かせてミカサに尋ねた
ジャン「ミカサ!俺に抱k」
ミカサ「無理」
ジャンの言葉の途中でミカサが否定する
だが、ジャンは諦めなかった
ジャン「俺にもチャn」
ミカサ「無理」
ジャン「俺もミカサをd」
ミカサ「無理」
何度も拒まれ、ジャンは目の前が真っ暗になった
ジャン(俺には…、俺には無理なのか…?)
だがその時、ジャンは誰かが叫んだような気がした
『戦え!』
ジャン(え…?)
『戦うんだよ!』
ジャン(だ、だけど…!)
『勝てなきゃ、死ぬ。勝てば、生きる!』
ジャン(無理だ、俺には出来ない…!)
『戦わなければ、勝てない!!』
ジャン(ッ!!)
その瞬間、ジャンは思い出した
ジャン(そうだ…。この光景は今までに、何度も、何度も、見てきた…。)
エレン『ミカサぁ、やめろよ~』イチャイチャ
ミカサ『えぇー、良いじゃ~ん』
イチャイチャ
※ジャン視点です
ミカサ『だってぇ、パンが口元にちょっと付いてたよ?』イチャイチャ
エレン『でもぉ、皆見てるしぃ』イチャイチャ
※ジャン視点です
ミカサ『ミカサと一緒はイヤ…?』ウルウル
エレン『ば、バッカお前。そんな訳無いだろ?お前の事が大好きに決まってるじゃないか…。』ギュッ
ミカサ『エレン…。私も大好きだよ…?』ギュッ
※何度も言いますが、ジャン視点です
実際の場面
エレン『……ミカサ、いい加減にしろ…。』
ミカサ『エレン動かないで。口元にパンが付いてる』フキフキ
エレン『だからって、皆がこっち見てるだろ…。』
ミカサ『エレンは私を拒絶するの…?』シュン
エレン『はぁ、誰もそこまで言ってないだろ…。』ナデナデ
ミカサ『♪』
アルミン『アハハ…。ミカサは相変わらずだね…。』
ジャン(いつだって、目に入っていた…。でも、見なかったことにしていた…。)
ジャン『エレン、てめぇ!!』
エレン『何だよジャン~。俺とミカサの邪魔をするなよ~』イチャイチャ
ミカサ『エレン、喧嘩はやめて?エレンが傷付いたら、私…。』ウルウル
※ジャン視点です
エレン『大丈夫さ、ミカサは俺が守る』
ミカサ『エレン…。』
ジャン『エレンてめぇ!』ガッ
※ジャン視点です
エレン『おらぁ!!』ドカッ
ジャン『ぐわぁぁぁぁ!!』ドサッ
エレン『ハハハハハ!雑魚が!!』
※またまたジャン視点です
実際の場面
ジャン『エレン、てめぇ!』
エレン『何か用か?ジャン』
ミカサ『エレン、喧嘩はしないで』
エレン『……してないだろ』ハァ
ミカサ『エレン?』
ジャン『エレンてめぇぇぇぇぇ!!』ガッ
エレン『…。』ブンッ
ジャン『ぐわぁぁぁぁ!!』ドサッ
エレン『……俺、お前に何かしたか…?』アキレ
アルミン『アハハ…。ジャンも相変わらずだね…。』
ジャン(そうだ…。この世界は…、残酷なんだ…。)
後にその時の事を、ジャン・キルシュタイン氏はこう語った
ジャン『えぇ、その瞬間、私は何でも出来るような気持ちになりましたね』
Q.何でもとは?
ジャン『文字通り、何でも。自分の体を細胞レベルで支配出来る、みたいな感じですかね』
Q.では、それから無敵だったのでは無いですか?
ジャン『ハハハ、一つ忘れてはならない事が有りますよ』
Q.忘れてはならない事、とは?
ジャン『えぇ、それは、世界は残酷なんだ、と言う事です』ニコッ
ジャン「ミカサ!!」
ジャンは確信していた。これなら勝てる、と
今のジャンは自信に満ち溢れていた
ジャン(勝てる!これが、俺の反撃の嚆矢だ!!)
そして、ジャンは叫んだ
精一杯の気持ちを
ジャン「ミカサ!!俺にお前を、抱かせてくれ!!!!」
ジャンは勝利を確信した顔でエレンを見た
ジャン(どうだエレン!!俺はやれる!お前とも戦える!もうお前に投げられることもねぇな!!)ドヤァ
すると、エレンの顔は珍しく心底憐れんだような目をしていた
周りを見ても皆呆れたような、貶すような目ばかりでジャンは疑問に思った
ジャン(おいおい、皆どうしてそんな顔してんだ?)
そしてある結論に辿り着く
ジャン(なるほど!分かったぞ!俺の渾身の台詞に感動しちまい過ぎて、言葉も出ないのか!)ドヤァ
そのドヤ顔を見てアルミンは思った
どうせ見当違いな事考えてるんだろうな、と
ミカサ「………………ジャン」
静かにミカサの声がその静寂を破った
ジャン「何だ!?ミカサ!」ワクワク
ジャンは一人ワクワクしていた
その先に待っている物を知らずに…。
そしてミカサが告げる
ミカサ「ちょっと、一緒に来て…。」
その日、ジャンの悲鳴が一晩中訓練所に響いていた
はい、今日はここまで
では皆様お休みなさい!
俺、参上ッ!!
つー訳で出血大サービスだ!
良く見とけ。俺の必殺技、part1!(1しか無いしね)
ひたすら駄文を書き上げてやるぜ!!
行くぜ行くぜ行くぜーーー!!!!
はいでは再開っす
皆様レス有難うございます!
―翌日・食堂―
ライナー「エレン、コニー、おはよう」
エレン「あぁ、おはよう」
エレンとコニーが一緒のテーブルで食べていると、ライナーが一人でやって来た
コニー「おおライナー!おはよう!」モグモグ
ライナー「お前は相変わらず元気だな」スッ
ライナーはそう言いながらエレンの斜め前、コニーの右隣に座った
コニー「そりゃお前元気が一番だろ?」
コニーが当たり前だろ?と言った顔でライナーに返すと、ライナーは「そうだな」と微笑んだ
コニー「そういや、お前ベルトルトは一緒じゃないのか?」
ライナー「あぁ、今日はあいつ訓練補助の当番だから、もう教官の所だろうよ」
訓練兵には様々な当番制の仕事が有る
今日は対人格闘の準備の補助だ
それを聞いたコニーは、得意気にライナーに自慢した
コニー「俺達の班はやらなくて良いからなぁ。スゲェ楽だぜ?」ドヤァ
ライナーはそのドヤ顔に微かにイラッとしたが、気にしないことにした
ライナー「だがそれも殆どエレンのお陰だろ?エレンが他の班だったらお前達だって分からなかったんだぞ?」
コニー「そっか。そうだな!ありがとうな、エレン!」ニカッ
普通なら「僻んでるのか?」とでも返しそうな物だが、コニーは良くも悪くも純粋だった
なのでライナーに言い返すこともせず、逆にエレンに礼を言った
エレンはそんな二人のやり取りを呆れたように見ていた
そして一言
エレン「こいつらは馬鹿なのか…?」アキレ
これで成績上位陣なのだから世の中可笑しな物だ
そう一人嘆息するエレンだった
ちょっと離脱しますが、探さないで下さい
皆がどうしてもって言うから仕方なく仕方な~く戻って来たよ
まったく、探さないでって書いておいたのになぁ
ぜ、全然気にしてなんか無いんだからね!! ウルウル
はよ書け
―対人格闘訓練場―
朝食も食べ終わり、今は対人格闘の訓練中だった
対人格闘訓練とは読んで字の如く、対人用に使う格闘術の訓練である
対人格闘では、二人組になり各自訓練するという方法を執っていた
その数有る組の中でも、特に目を引く組が有った
エレンとミカサだ
二人は普段別々に訓練していたので、この組み合わせは珍しかった
この謂わばドリームマッチに、他の訓練兵もその手をしばし止めて食い入る様に見ている
教官でさえ、興味津々と言った様に成り行きを見守っている
衆人環視に晒されながらも、エレンとミカサは互いに一歩も譲らぬ攻防を繰り広げていた
ミカサ「…。」ブブブブンッ
エレン「…。」ババババッ
ミカサがとてつもない速さで攻撃を仕掛けるが、エレンがそれを難なくいなす
先程からずっとこの繰り返しだった
その様子にコニーが不思議そうに呟いた
>>236すいません…。シュン
コニー「何でエレンは攻撃しねぇんだ?」
殆どの者が疑問に思っていたが、答えはライナーによって明らかになった
ライナー「あれはミカサが攻撃させないようにしているんだ」
まさか答えが返ってくるとは思わなかったコニーが「え?」と聞き返すと、ライナーが分かりやすいように説明を始める
ライナー「ミカサはただ闇雲に攻撃をしている訳じゃない。エレンの意識が微かに向いてない箇所を狙って、攻撃しているんだ」
コニー「???」???
ライナーの説明に早くも頭が混乱し始めたコニーの様子にユミルが口を出した
ユミル「おいライナー、馬鹿の頭がショートし始めてるぞ?」
ライナー「要するに、弱点を狙ってるってことだ」
その一言にコニーが「あぁなるほど!」と手を叩く
だが今度はサシャが質問した
サシャ「でもそんな事可能なんですか?」
ライナー「普通は無理だろうな。よっぽど格闘術の腕が良くないと無理だな」
ライナーがそう答えると、またもコニーが新たな疑問を感じ始めた
コニー「てかよ、弱点を狙ってるんなら何でエレンはその攻撃を止めれてるんだ?」
ライナー「それはエレンの視野、反射神経、情報処理能力がずば抜けてるからだろうな」
サシャ「情報処理能力が関係有るんですか?」
ライナー「そりゃそうだろ。ミカサだってフェイントしてるんだ。その全てを反射神経だけで受けるのは例えエレンでも難しい」
「それに相手はあのミカサだしな」と最後に付け加えると、サシャが感心した様に呟いた
サシャ「あの攻防の詳細を知ると、改めて凄いと感じますね…。」
しかしライナーには何か腑に落ちない部分が有るようだ
ライナー「だが、どうもおかしいな…。」
ベルトルト「確かに。エレンにはどこか余裕さえ感じられる」
いきなり話し出したベルトルトに、ユミルは驚いた様に仰け反った
ユミル「うぉ!?居たのかベルトルさん!?」
ベルトルト「最初から居たよ…。」
ライナー「そんな事より、どういう意味だ?」
ベルトルト「そのままの意味だよライナー。エレンは手加減してるんじゃない?」
それを聞いたサシャが信じられないと言った顔で口を出した
サシャ「あ、あのミカサにですか!?」
ベルトルト「うん、十中八九そうじゃないかな」
ライナー「なるほど、確かに言われてみれば…。」
皆が信じられないと言った顔でエレンを見る
だが、殆どの者が全く分からないと言った様子だった
サシャ「言われてエレンを見ても、いつも通りにしか見えないんですが…。」
サシャの言う通り、エレンはいつも通りのポーカーフェイスである
皆が悩んでいると今度は思わぬ人物から答えが返ってきた
アニ「…あいつ、明らかに楽しんでるよ」
皆がアニが答えた事に対して驚いているのも無視してアニは語り出した
アニ「あいつ、攻撃を受けつつも少しずつ前進してるだろ?」
言われて見たらアニの言う通りだった
アニ「格闘技において攻撃を受ける時に前進する事は別に珍しくもない。だけど相手はあのミカサだ。そんな事出来る奴は中々居ないだろうね」
サシャ「それとエレンが楽しんでるというのがどう関係有るんですか?」
アニ「あんたなら分かってるんだろ?アルミン」
アニがそう言うと皆が一斉にアルミンを顔を見た
アルミンはその様子に苦笑はさながらも答えた
アルミン「皆、エレンの足元に注目して見てみて」
サシャ「言われた通り見ましたけど…。」
アルミン「じゃあそのままの状態でエレンとミカサの攻防の音を聞いてみて」
するとサシャが「あ!」と声を上げた。同様に他の者も分かった様子だった
そしてアルミンは微笑みながら答えた
アルミン「そう、エレンはリズムを取ってるんだよ。だから楽しんでるって分かったんだ」
アルミンの言う通り、エレンはミカサの攻撃をいなす際に鳴る音と自身の足音を組み合わせ、リズムを取っていた
その事実に、皆言葉も出せない程驚いていた
>>242修正
アルミンは苦笑はさながらも答えた ×
アルミンは苦笑しながらも答えた ○
今日はここまでー
何か今日はこれじゃない感が半端じゃない…。
もうパトラッシュと旅立とうかな…。 トオイメ
さぁ本日もやって来ましたー!
真夜中の宴…。フッ
では再開ッスー
ギャラリーの会話など知るはずもなく、エレンとミカサは一進一退の攻防を続けていた
ミカサ「シッ…!」ブンッ
エレン「…。」パシッ
ミカサが何とか攻撃を当てようとするが、エレンはそれをいなし続けていた
ミカサ(このままじゃ埒が明かない)バッ
そう思ったミカサは初めて距離を取った
エレンは涼しい顔でミカサに言葉を投げ掛ける
エレン「もう終わりか?ミカサ」
ミカサ「そんな訳、ないッ!」ブンッ
ミカサは一瞬で間合いを詰めて蹴りを繰り出した
エレンの鼻先を掠めるもダメージを与えるには及ばず、ミカサは再度距離を取った
コニー「うぉ!?今の惜しくなかったか!?」
サシャ「はい!段々ミカサの攻撃が当たり始めたんじゃないでしょうか!?」
ライナー「確かに今のは惜しかったな。ここからは案外ミカサが有利になるかもしれん」
ミカサの攻撃にコニーやサシャ、ライナー達が沸くがか、アルミンとアニは黙ったままだった
その様子にコニーとサシャが疑問を投げ掛ける
コニー「どうしたんだよ二人共!」
サシャ「そうですよ!今の凄かったでしょう!?」
アルミン「うん、今のは確かに惜しかった。けど…。」
コニー「けど何だよ?」
コニーが先を促すが、アルミンはアニをちらりと見ただけで黙ってしまった
コニー達は不思議に思ってアニを見るが、アニは黙ったまま戦局を見守っている
コニー「何なんだ…?」
サシャ「さぁ…。」
コニー達は疑問に思ったままだったが、答えを得られそうになかったので観戦を再開した
コニー達の予想に反してミカサは内心焦っていた
ミカサ(普通なら今の一撃は確実に決まっていた…。エレンが咄嗟に反応したんだ…。)ギリッ
そう確信したミカサは次の手を考える
ミカサ(どうする…?同じ手は二度は通じない。どう攻撃すれば良い…?)
そこへエレンが声を掛けた
エレン「今のは危なかったな。危うくクリーンヒットするところだった」
ミカサ「…エレン、今日は機嫌が良い」
ミカサは頭で考えていることを悟られない為に平静を装い、エレンに返した
そしてお互いに距離を保ったまま会話を続ける
エレン「そうか?そうでもないさ」
ミカサ「いえ今日は機嫌が良い。私には分かる」
エレン「どうしてそう思う?」
ミカサ「今日はよく喋る。それに私との訓練中にリズムを取っていた。あのリズムは、昔エレンが教えてくれた歌のリズム」
ミカサがそう言うとエレンは微かに顔をしかめた
エレン「…気付いていたのか」
ミカサ「当然。きっとアルミンも気付いてる」
エレンはそれを聞くとふぅ、と息を吐き、静かに呟いた
エレン「なら、もう終わりだな…。」
ミカサ「エレン、嘗めないで。最後に勝つのは私」スッ
ミカサはそう言うと構えをとった
そして、来るであろう攻撃を迎え撃つべく集中する
ミカサ(きっと次で終わる。けど、次は当てる…!)
お互いに何もしない状態が続く
しかし二人の空気は張り詰めたままだった
緊張感が辺りを支配する
ギャラリーも固唾を飲んで見守っていた
数分程が経過した頃、遂に均衡が破られた
エレンだ
エレン「…。」ドンッ
エレンが初めて自ら動いた
ミカサが構えているにも拘わらず、正面から間合いを詰める
ミカサ(速い!けど、正面からなら…!)ブンッ
ミカサが咄嗟に反応し、カウンターで蹴りを繰り出す
しかしエレンは身を低くしてそれをかわし、そのままミカサの懐に飛び込んだ
エレン「体ががら空きだ」スッ
エレンはそう言うと拳を握り、構えた
ミカサ(蹴りの状態から戻りきってない。私の負けだ…。)ギュッ
ミカサは自らを襲うであろう攻撃を覚悟して目を閉じた
しかし体勢が整った後も攻撃が当たることはなく、疑問に思ったミカサはゆっくり目を開けた
するとエレンが立ったまま、ミカサをじっと見ていた
ミカサ「エレン…?」
ミカサは不思議そうにエレンに呼び掛けた
そして次の瞬間、エレンは皆が思いも寄らない発言をした
エレン「降参」
両手を挙げてそう言うと、エレンは背中を向けて歩き出した
暫く誰も動けないでいたが、段々と頭がはっきりしてきたのか声を揃えて叫んだ
「「「ちょっと待てーーー!!!!」」」
そしてエレンに駆け寄ると、口々に疑問をぶつける
コニー「どうして降参したんだ!?絶対勝ってたろ今の!」
サシャ「そうですよ!何でなんですか!?」
ライナー「そ、そうだエレン!俺にも分からん!」
ユミル「お前本当は頭おかしいんじゃねぇの!?」
皆に囲まれたエレンは逆に不思議そうに呟いた
エレン「どうしてって…ただの訓練じゃねぇか」
アルミン「そ、それでも降参する必要は無かったんじゃない?」
アルミンがそう言うと今度はエレンが驚いた様に言った
エレン「理由も無いのに女に手を上げる訳がないだろ?」
その瞬間大半の女子はエレンに惚れた
しかし男子は確信した
こいつは男の敵だ、と
そしてこうも思った
このままこいつに好き勝手させる訳にはいかない
そう心に決めた男子達がその夜、アルミンとライナーを旗頭に『反エレン同盟』を結成したのは、また別の話である
はい、今日は早いけどここまで!
初めて書き溜めしたー
書き溜めすると案外楽で良いッスね
では、もしもまだ寝れなかったら戻って来ます
が、期待しないで下さいm(__)m
お久し振りです
更新遅れて申し訳ありませんでした
では、少しですが投下します
―一週間後・立体機動演習場―
エレン達104期訓練兵は立体機動の訓練中だった
各々班に別れ、仮想巨人を狩る
その中にジャンの雄叫びが響き渡っていた
ジャン「エレェェェェェェン!!!!」バシュゥゥゥ
エレン「………。」バシュゥゥゥ
ジャン「今日こそは勝ってやるぞぉぉぉぉぉ!!!!」
コニー「またか…。」ハァ
サシャ「いい加減鬱陶しいですね…。」ハァ
エレンと同じ班のサシャとコニーが溜め息を付く
ジャンは事ある毎にエレンに突っ掛かるが、立体機動の訓練中は特に執着していた
自身の一番得意な分野だけは負けたくない、という気持ちからだった
まぁ実際はエレンに一泡吹かせたい、というのが本音だが
エレン「…………。」ザクッ
ジャン「おらぁ!」ザクッ
エレンが項を削ぎ、ジャンがそれに続く
ジャン(クソッ…。またエレンより浅い…!)
そして新たな目標を見付けたエレンは、コニーとサシャに合図を送った
それを確認したコニーとサシャが目標を狩る
コニー「おっし!今回もサンキューなエレン!」バシュゥゥゥ
サシャ「ありがとうございますエレン!」バシュゥゥゥ
そして今度は二人が見付けた目標をエレンに報せる
見事なチームワークでどんどん点数を稼いでいった
だが何回かそれを繰り返した時、ジャンが目標を横取りした
堪らずサシャとコニーが抗議する
コニー「おい卑怯だぞ!」
ジャン「ハァ?何言ってやがる。早い者勝ちだろうが!」
サシャ「最低ですね!」
ジャン「何とでも言え!あ、エレン待ちやがれ!」バシュゥゥゥ
エレンを追って少し速度を上げたジャンにコニーが呟いた
コニー「いい加減自分の班に戻れよ…。」
サシャ「無駄ですよ、ほら…。」チラッ
サシャの目線の先にはミカサとアルミンが居た
二人共ジャンと同じ班の為付いて来ている
サシャは心の中で、毎度大変ですねぇ、と密かに同情した
しかし反対にコニーはあることに気が付いた
コニー「アルミン無理してるんじゃね?あれ」
コニーの指摘にサシャも確認する
サシャ「そうですか?私には分かりませんが」
コニー「いや、俺には分かる。何故なら俺は天才だからな」ドヤァ
サシャ「あーハイハイ、コニーは凄いですねー(棒)」
コニー「そうだろそうだろ!もっと褒めても良いぜ?」
嫌味の通じないコニーに呆れたサシャは話題を戻した
サシャ「それはそうと、アルミンにはミカサが付いていることですし。万が一何かあったとしても大丈夫でしょう」
コニーがそっか、と納得すると、二人はそれ以上アルミンのことを気にしなかった
先程コニーが言った通り、アルミンは相当無理をしていた
元々アルミンは、体を動かすことがあまり得意ではなかった
そんなアルミンにとって成績上位陣と同じ速度での立体機動は、多大な恐怖を伴うものだったのである
アルミン(怖い怖い怖い怖い怖い!!)バシュゥゥゥ
アルミン(だ、だけど、皆に置いて行かれたくない!)
アルミンは焦っていた
ジャンは毎回エレンを追いかけ回しているが、いつもミカサがアルミンのことを気遣ってくれた
それが今日は何故かミカサが上の空で、アルミンを気遣うこともなかったからだ
アルミン(もっと速度を上げないと…。皆に置いてかれる!)バシュッ
アルミンはそう思いアンカーを射出したが、焦っていたせいで手元が狂ってしまった
アルミン「あ…。」カン
案の定アンカーは木に弾かれた
支えを失ったアルミンは落下する
アルミン(落ちる…クソ!)バシュッ
アルミンは再びアンカーを放つが、如何せん落下中である
そんな状態で狙い通りにアンカーを命中させるという高等技術は、アルミンには不可能だった
もはや為す術がなかった
アルミン(訓練中の事故死かぁ…。)ヒューゥゥゥ
アルミン(強くなりたくて、兵士になったのに…。)
アルミンの視界に、エレンが入る
エレンがいち早く事態に気付き、アルミンの方に向かっていたのだ
少し遅れてミカサ達も気付き、慌ててアルミンの方に向かっていた
だが、アルミンは諦めていた
アルミン(きっと間に合わないよ)
そして後悔する
アルミン(僕は最後まで、足手纏いだったなぁ)
そう思い、アルミンは覚悟を決めた
アルミン(もう、終わりかな。短い人生だったなぁ)
アルミン(ごめんね。エレン、ミカサ…。最後まで足手纏いで…。)
覚悟を決めたアルミンは目を閉じた
だが、次の瞬間自分の体が誰かに抱かれていることに気付く
アルミン(誰だろう…?エレン?ミカサ?いや、間に合うはずがない)
アルミン(じゃあ、誰?)
疑問に思い目を開けると、目の前で自身と同じ金髪が揺れている
気付いたら、アルミンはその人物の名を叫んでいた
アルミン「アニ!!」
はい今日はここまでで
数々の温かいお言葉ありがとうございます
では、本日も少しですが投下します
アニ「耳元で叫ばないでくれる?」バシュゥゥゥ
前を向いたまま、アニが煩そうに言った
アルミン「ご、ごめん」
アルミン「でも、どうしてアニが?」
アニ「何?あんた私が助けたのがそんなに嫌だったの?」
アルミンの言葉にアニは少々不服そうに返した
アルミン「えぇ!?ち、違うよ!ただちょっと意外だったから…。」アセアセ
アルミンが慌てていると、ライナーが横にひょっこり現れる
ライナー「アニの奴、アルミンが落ちてるのを見て真っ先に助けようとしたんだぞ」バシュゥゥゥ
ライナーが「なぁアニ」と茶化すように言うと、アニがライナーを睨み付けた
そのあまりの迫力にライナーも縮み上がる
ライナー「もうちょっと愛想よくしろよ…。こえーよ…。」
その後ろから今度はベルトルトが現れた
ベルトルト「ライナー…。……ごめんねアニ、ライナーっていつもこうだから気にしないで」バシュゥゥゥ
ベルトルトの言葉に、アルミンは違和感を覚えた
アルミン「あれ?三人が一緒の班になって結構経ってなかった?」
ベルトルト「え!?あ、あぁそうなんだけど、あんまり会話とかしないからさ!」アセアセ
ベルトルトの様子にアルミンは首を傾げたが、「そっか」と深く詮索しなかった
アルミン(まぁ誰しも知られたくないことは有るしね)
そうアルミンが一人考えている横で、ライナーがベルトルトに小声で忠告する
ライナー「おい、気を付けろよ」ボソボソ
ベルトルト「ごめん。同じ班だってことを忘れて、他人同士に振る舞うってことを意識しすぎた」ボソボソ
そんなやり取りをしている内に集合地点に到着した
アニがアルミンを降ろすと、待っていたミカサがアルミンに抱き付いた
その後ろでジャン、サシャ、コニーの三人も見守っている
ミカサ「アルミン!」ギュッ
アルミン「み、ミカサ!?どうしたの!?」
ミカサ「ごめんなさい、私が付いていながら…。」
アルミン「いや、ミカサのせいじゃないよ。焦った僕が悪いんだから」
ミカサ「ありがとうアルミン…。ところで怪我はない?」
アルミン「大丈夫だよ。アニが助けてくれたから」
ミカサ「そう、なら良かった。……そういえばアニはどこ?アニにお礼を言わなければ」
アルミン「あれ?どこだろう…。さっきまで一緒に居たのに」キョロキョロ
アルミンがアニを探していると、ジャンが気まずそうにアルミンに声を掛ける
ジャン「アルミン、ちょっと良いか?」
アルミン「ん?何?」
するとジャンはそっぽを向きながら言った
ジャン「その、悪かったよ…。今回は俺が自分勝手な行動したせいだからさ…。」
アルミン「いや、ミカサにも言ったけど、僕が焦って失敗したから…。こちらこそごめん」
ジャン「ハァ?何でお前が謝るんだよ?」
アルミン「僕のせいで今回の順位最下位だろ?だから、ごめん」
アルミンが頭を下げて謝罪すると、ジャンは慌てたように言った
ジャン「そ、そうだぞ!付いて来れないなら言えば良かったんだ!だからお前も悪い!」
その言葉にミカサが眉をひそめた
ミカサ「ジャン…?」ゴゴゴゴ
ジャン「ヒィ!?」ビクッ
ミカサが殺気を放つのを見て、アルミンが慌ててたしなめる
アルミン「い、良いんだよミカサ!僕が悪かったのも本当のことだから!」アセアセ
ミカサ「だとしても、ちゃんとジャンも謝るべき」ゴゴゴゴ
ジャン「すみませんでした」ビシッ
ミカサの言葉に、ジャンは見事な御辞儀をしてみせた
それを見たミカサも満足そうに殺気を放つのをやめた
もはや飼い慣らされた犬である
アルミン「アハハ…。まぁ、お互い様ってことで。これで手打ちにしよう」スッ
アルミンはそう言うと、手を差し出した
まるで訓練兵団に入団した日の、自分のような仕草にジャンが驚いていると、アルミンは悪戯っぽく笑いながら言った
アルミン「『悪かったよ。別にあんたの考えを否定したい訳じゃないんだ。気に障ったら悪かった』」ニヤッ
ジャン「お前、よく覚えてたな…。」
アルミン「僕にとっては少しインパクトが強かった出来事だからね」
アルミンが肩を竦めながらそう言うと、ジャンも同様に手を差し出した
ジャン「流石だな、座学一位様」スッ ニヤッ
アルミン「茶化さないでよ…。エレンと同率一位なんだから」
ジャン「あいつと比べたらいけねぇよ。だろ?」
アルミン「まぁ親友としては誇らしいけど…。じゃあこれで今回の件は終わりってことで」
ジャン「あぁ」
パァン
アルミン「じゃあ僕はアニを探してくるよ」
そう言うとアルミンはミカサと共に他の訓練兵の所に去っていった
ジャンがその背中を見送っていると、サシャとコニーがニヤニヤ笑いながらジャンを茶化し始めた
サシャ「意外でしたね~。まさかあのジャンが頭を下げてましたよ~」ニヤニヤ
コニー「だよな~。俺達にも少しはあんな対応してくれればな~」ニヤニヤ
ジャン「あぁ!?うるせーよ!」
コニー「だって、なぁ?」ニヤニヤ
サシャ「うふふ、ねぇ?」ニヤニヤ
ジャン「ちょ、やめろ!その笑顔やめろ!ニヤニヤ笑うな!!」
ジャンが怒鳴っていると、コニーが「そういえば」とジャンに訊いた
コニー「お前、昨日までどこに居たんだ?訓練にも出てなかったけど」
サシャ「確かにそうですねぇ。どこに居たんですか?」
サシャとコニーがそう訊くと、ジャンは急にガタガタ震え出した
その普段なら有り得ない様子に二人も驚く
コニー「お、おい!どうしたんだよ、ジャン!」
サシャ「何かブツブツ言い始めましたよ…。」ゾッ
ジャン「イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダミカサヤメテクレヤメテクレヤメテクレヤメテクレミカサミカサミカサミカサ」ブツブツガタガタブルブル
コニー「な、何かヤバくないか?」
サシャ「ほ、他の人を呼びましょう!」ダッ
コニー「そうだな、俺達だけじゃどうしようもないもんな!うん仕方ないな!」ダッ
そう言うとサシャとコニーは逃げ出した
ちなみに、ジャンはそれから一時間近くそのまま放置されていたらしい
一旦ここまでで
再開します
少しだけですが…。
―少し遡り・宿舎前―
アニはアルミンを下ろした後、早々に一人宿舎まで帰っていた
人と極力関わらないようにする為だ
『戦士』としての立場上、いざという時に余計な情に流されないよう、気を使わなければならなかった
アニ(人助け位は良いよね…?)
アニはそう一人先程の行動を納得しようとする
アニは他の二人よりも甘い部分が多分にあった
その為に、素の自分を『氷の女王』という仮面で覆い隠しまでした
全ては三人で故郷に帰る為
そして何より、父に再び会う為に
アニ(人助けか…。他に何人も殺しているのにね…。)
自嘲する。ただの自己満足ではないか、と
自分は多くの命を奪っているというのに、何故今更一人の命を救おうとするのか
アニ(赦して欲しいのかな…。)
そう思い、今度はそんな自分が嫌になる
都合が良すぎる。今更、あの『仲間』達と心から笑い合える日など来る筈がないのに
アニ(そうだよ。私にはもう、お父さんに会うしかないんだ…。)
そう結論を出し、宿舎に足を踏み入れようとするが、不意に後ろから声が掛けられた
???「おい」
振り返らずにアニはその人物を特定した
自分に悟られずに、こうも近付ける人物はこの訓練所には片手で数える程しか居ない
その内の三人は、まだ他の訓練兵と一緒に居るだろう
ならばその人物は一人に絞られる
アニは背中を向けたまま、その人物の名を呼んだ
アニ「なんだい?エレン」
エレン「よく分かったな。流石アニだ」
エレンはそう言うとアニの前に回り込み、「少し歩かないか?」と誘った
アニ「あんたが人を誘うなんて珍しいね。しかも私を」
軽口を叩きながらも、アニは内心驚いていた
エレンが自分から誰かを誘うところなど見たことがなかったからだ
エレン「いや、アルミンのことで礼を言いたくてな」
アニ「別に…礼を言われることじゃない。ただ気が向いただけだよ」
アニがそう言うにも拘わらず、エレンは「良いから」とアニの手を引いて歩き出した
訓練所の裏手にある大きな一本杉の所まで行くと、エレンはアニの手を離して振り返った
そのままアニの目をじっと見つめる
アニは思わず目を逸らした
アニ(こいつの『眼』は好きじゃない)
いつも涼しい顔をしていて自分の心は他人に見せない
その癖、その『眼』は他人の心を見透かすようだ
アニ(そう、まるで自分の見られたくない、深い心の奥底まで晒け出しているような感覚…。)
エレンの『眼』には良くも悪くも人を惹き付ける魅力が有った
アニ(こいつの金色の『眼』を見ていると、『戦士』としての覚悟が鈍りそうだ…。)
アニはそれを誤魔化すかのように喋り始めた
アニ「で?用件を早く済ませて欲しいんだけど(さっさと終わらせよう)」
エレン「あぁ、そうだな」
エレンはそう言うと、一呼吸置いて礼を言った
エレン「アニのお陰でアルミンが助かった。ありがとう」
アニ「別に良いさ。さっきも言ったけど、別に大したことじゃない」
エレン「それでも、お前のお陰でアルミンは何ともなかった」
アニは理解していた
アニ(こいつがたったこれだけの用件の為にわざわざ人を誘う訳がない)
アニ「前置きは良いよ。さっさと本題に入ってくれない?」
アニが催促するとエレンは頷いて話し出した
アニは身構えた。一体何を言われるのか
エレン「実はアニに頼みが有るんだ」
アニ「……へ?」
アニ「………」
アニ「!?」ハッ カァァァ
まったく予想していなかったエレンの言葉に、アニは思わず間抜けな声を出してしまい赤面した
エレンは構わず続ける
エレン「対人格闘の訓練で俺とペアになって欲しい」
アニ「あんたが?私と?」
エレン「あぁ」
アニは暫く黙り込んで考えた
目の前の男は訓練兵随一の成績だ
この間の次席との決闘は記憶に新しい
あれだけの腕前なのに他人に教わろうとする
しかも頼んだ相手が自分だ
威張れることではないが、自分は手を抜いている
にも拘わらず自分に頼むということは、この男は自分の実力を知っている?
もし仮にそうだとしても、わざわざ自分が付き合う義理はない
そう考えたアニはエレンに質問した
アニ「私にメリットがあるの?」
エレン「俺がお前に立体機動のコツを教える」
アニ「それだけじゃ足りないね」
アニが「交渉決裂だ」と告げようとすると先にエレンが言い放った
エレン「俺ならお前を満足させてやれると思うが?」
アニは思わず耳を疑った
アニ「どういう意味…?」
アニが聞き返すと、エレンは淡々と続けた
エレン「言葉の通りだ。俺は簡単に負けるつもりはない」
アニ「へぇ?私を挑発してるの?」
アニが脅すようにそう言うも、エレンは顔色一つ変えずに言った
エレン「どう取るかはお前次第だ」
アニは一瞬考える素振りを見せたが、既に答えは決まっていた
アニ「良いよ。乗った」
エレン「なら、明日から宜しく」
相変わらずのエレンの態度に、流石のアニも少し心配になった
アニ(こいつは本当に嬉しいと思っているのか?)
そんなアニにエレンは言う
エレン「俺はもう戻るけど。お前はどうする?」
アニ「私はまだここに居る」
エレンは「そう」とだけ言うと宿舎に戻っていった
一人残されたアニは一本杉を見上げ、呟いた
アニ「まぁ退屈はしないで済みそうだ…。」ボソッ
そう言ったアニの顔は不適な笑みを浮かべていた
今日はここまででー
ではでは、皆様良い夢を
お知らせです
もし見て下さっている人が居れば、更新遅くなりそうです…。
すみません
お久しぶりです
皆様の温かいコメ、大変嬉しいです
では、少しですが投下します
※私は単行本派です
別マガで発覚した新事実など知らないです
なのでこれからオリ展開やラスボスも原作と違うかもしれません
申し訳ないです
ですが、オリキャラは出さないので安心して下さい
では改めて、再開
―二年後・対人格闘訓練場―
互いにギリギリを見極めながら、紙一重の攻防を続ける
一方が蹴りを繰り出す
もう一方はそれを避けつつ反撃に出ようと踏み込む
しかしそれを見切っていたかのように、蹴りを繰り出していた方は素早く距離を取り、構え直した
自身の作戦が見破られたことに固執することなく、もう一方もその場で相手と同じ構えをとる
互いに同じ構えをした状態での睨み合いが続く
そんな中、この空気に不釣り合いな鐘の音が鳴り響く
その直後に「ご飯ですよー!!」と歓喜の声が上がり、周囲の訓練兵も活気づく
最早耳慣れたその声を確認し、二人は構えを解く
それにより、先程まで張り詰めていた空気が一瞬で緩む
エレンは自分とペアを組んでいた相手に歩み寄ると、手を差し出した
エレン「アニ、今日も良い訓練が出来た。礼を言う」
アニは差し出された手に一瞥をくれると、興味無さげに答えた
アニ「別に、私にメリットが有るからやってるだけだよ」
そして視線を上げると口調を変えて問う
アニ「それにしても、あんた一体何者なの?」
エレン「またその質問か…。」
アニ「そりゃ気になるからね。毎回私の技を、多くても二回見ただけで使える奴なんて今まで見たことがないよ」
そう言いながら探るようにエレンを見る
アニ「で、答えは?」
回答が得られないことを分かった上での問い
そのことに、エレンは少々面倒臭そうに口を開いた
エレン「……何度も言うけど、俺はお前が期待してるようなのじゃない」
アニ「またそれかい?」
アニが更に追及しようとした丁度その時、遠くから「アニー!」と呼ぶ声が聞こえた
エレン「ほら、アルミンが呼んでる」
アニ「…またはぐらかしたね」
ジトッとアニが見詰めると、エレンは「ほら、早く行ってやれよ」と急かした
アニはチッと一つ舌打ちをすると、アルミンの方に向かった
すると今度は、アニと入れ違いで来たミカサがぼやき始める
そのことに流石のエレンもイラつきを見せる
ミカサ「エレンは私と組んでくれない。何故?」
エレン「何度も説明しただろ」イラッ
ミカサ「……それでも、たまには私もエレンと組みたい」
エレン「俺にはアニの技術が必要なんだ。お前もライナーと組めてるんだ。それで良いじゃねぇか」
ミカサ「…………。」ジー
エレン「…何だよ」
ミカサ「………………。」ジィー
エレン「だから、何だよ」
ミカサ「……………………。」ジィィー
エレン「おいその目やめろ」
ミカサ「…………………………。」ジィィィー
エレン「だからやめろって」
ミカサ「………………………………。」ジィィィィー
エレン「…………分かった、今度な」
ミカサ「……………………………………。」ジィィィィィー
エレン「……………………………………。」
ミカサ「…………………………………………。」ジィィィィィィー
エレン「…………………………分かった…分かったよ!次な!次組んでやるよ!」
ミカサ「!」パァァァァ
エレン(クソッ!他に誰も居ないから…!)
ミカサは、エレンとアルミン以外誰も居ない時しかエレンに甘えることはしなかった
そんなミカサはというと、すっかり上機嫌になっていた
ミカサ「~♪」
エレン(……ま、たまには良いか)
そう納得したエレンは食堂に向けて歩き出した
エレン「ほら、戻るぞ。飯をサシャに取られちまう」
ミカサ「うん!」
二人で食堂に向かっている最中も、ミカサは上機嫌だった
ミカサ「そういえば、エレンは少し変わった」
エレン「変わったって、俺がか?」
ミカサ「うん、雰囲気が優しくなった」
エレン「………。」
ミカサ「私は、嬉しい。昔のエレンに戻ったみたいで」
エレン「………。」
エレンが黙り込む中、ミカサは「でも」と続けた
ミカサ「笑顔を見せてくれたら、もっと嬉しい」
エレン「……笑顔?」
ミカサ「そう、エレンは全く笑わなくなった。『あの日』から…。」
すると突然、エレンが歩く速度を速めた
そのことにミカサは戸惑いながら「エレン?」と呼び掛ける
エレン「早く行かないと、本当に食事の時間が終わる」
ミカサ「それは私も分かってる。けど、急にどうして…?」
エレン「別にどうもしない」
ミカサ「わ、私が何か気に障ることを言ったのなら謝るから!」
ミカサがそう言うと、エレンは歩く速度を緩めた
またも突然の出来事にミカサが戸惑う中、エレンは溜め息を吐いた
エレン「いや、本当何でもないんだ。ただ…。」
ミカサ「ただ?」
エレン「いや、何でもない。俺の方こそ悪かった。…じゃあ行くか」
すっかり元に戻ったエレンにミカサは胸を撫で下ろした
そして再び二人並んで歩き出す
上機嫌なミカサとは対照的にエレンの表情は暗かった
エレン(ただ頭で分かっていても、心がまだ追い付いてないんだ…。俺はまだ大人になりきれないんだよ…。)
はい、では今日はここまで
お疲れ様でした!
乙~次も待ってま~す
どうもお久しぶりです
駄文でお馴染み担々麺です
大分時間が開いてしまい、大変申し訳ありません
リアルが忙しくて中々書けませんでした
待っていて下さった方々、本当に申し訳ないです
そして、こんな駄文を待って下さり本当にありがとうございます
では申し訳ないですが、少しだけ投下致します
>>329―333お待たせして大変申し訳ありませんでした
―翌日―
教官「心臓を捧げよ!」
訓練所内の広場に一人の教官の声が響き渡る
全ての教官が壇上から、揃って眼下を見渡していた
その目線の先には、104期訓練兵の面々が立ち並んでいた
この日はエレン達にとって大変重要な日だった
そう、訓練兵団の卒団式だ
今回卒業まで漕ぎ着けた訓練兵は総勢218名
皆、一様に自信に満ち溢れた表情で堂々と立っていた
その光景を見渡しながら、代表の教官が再び声を張り上げる
教官「諸君らは、過酷な訓練課程を修了した者達だ!」
教官「これからは各兵団に赴き、各々が自身に課せられた任務を全うしてもらうことになる!」
教官「なお、先程説明した通り、憲兵団を希望出来るのは、今から発表する成績上位十名だけだ!」
教官「では、名前を呼ばれた者は前に進み出よ!」
教官「第一位、エレン・イェーガー!」
エレン「ハッ」
皆が当然の結果だな、という表情でエレンを見送った
そのエレンはというと、相変わらず凜とした立ち姿で軽やかに歩を進めていた
エレンが前に進み出るのを確認して、次々と発表される成績上位者達
教官「―――以上が、成績上位十名だ!」
―成績上位十名―
第一位 エレン・イェーガー
第二位 ミカサ・アッカーマン
第三位 ライナー・ブラウン
第四位 ベルトルト・フーバー
第五位 アニ・レオンハート
第六位 ジャン・キルシュタイン
第七位 マルコ・ボット
第八位 コニー・スプリンガー
第九位 サシャ・ブラウス
第十位 クリスタ・レンズ
成績上位十名の発表が終わると、先程の教官と代わり、キース教官が話し出した
それにより、訓練兵の表情も一層引き締まる
キース「諸君らは今この瞬間から、晴れて一人前の兵士だ!」
キース「それはつまり、守られる立場から守る立場になったということ!」
キース「王の為、民の為に我々と共に尽くすことになる!」
キース「各自それを自覚した上で、それ相応の振る舞いをするように!」
キース「無論、自身が配属される兵団は後悔の無いように熟考し、選択しろ!」
キースはそこで言葉を切ると、再び訓練兵を見回し、静かに告げた
キース「最後に、諸君らの幸運を祈っている」
そしてこの日一番の声量で叫んだ
キース「今からするのは、終わりにして始まりの敬礼だ!」
キース「全員、心臓を捧げよッ!!」
訓練兵「「「「ハッ!!!!」」」」
その堂々とした見事な敬礼に、全ての教官が満足そうに頷いた
それはキースも例外ではなく、口元に微笑を浮かべながら、再び声を張り上げた
キース「では、解散!」
こうして、第104期訓練兵の卒団式は幕を閉じた
では、今日はここまでです
批判等有れば遠慮なく意見して下さい
今日やっとアニメ最終回見れました
あれ、原作読んでない人は意味解りましたかね?
私はただ「アニ、落ちて」の場面のミカサが凄く綺麗だなーって思いました
一夜にして私の中の(株)ミカサが急上昇です!
でも逆に言えばそれだけでした…。
何か最後が微妙だなと感じました
「竜頭蛇尾」というか何というか…。
皆さんどうでしたかね?
蛇足して申し訳ありませんでした
では、本日もお疲れ様でした!
今度更新する時は
何時もの低姿勢な担々麺じゃなく違った担々麺さんが見たいなぁ乙
担々麺「おう、クズども待ったか?批判は許さんぞ有り難く読めボケ」
みないなので頼むわ。
批判じゃないけど…
第一位じゃなくて首席じゃね?
どうもお久しぶりです担々麺です。
いやぁ、前回の投稿からちょうど一ヶ月!
何という偶然ですかねぇ。まぁ別に気にすることじゃないですよね…?
>>345あ、本当ですね。恥ずかしながら間違えました。
お知らせありがとうございます!
主席~十席というように脳内補完お願いします…。
ちゃんとアニの会話に次席って書いてるのに…。
まぁ良いや!
気にせず再会!もとい再開!
―数時間後―
卒団式を終えた104期訓練兵は食堂に集まっていた
兵団が最後だからと食堂で卒団祝いをするのを許可したからである
さらに、ささやかながら食事も振る舞われていた
ささやかとはいえ、普段味の薄いスープや硬いパンばかりの訓練兵にとっては大変豪勢なものだった
皆その食事に舌鼓を打ちながら思い思いに過ごしていた
が、コニーの唐突な提案により、どの兵団を選択するのかという話題になった
コニー「当然憲兵団だな。その為に頑張ってきたんだし」
サシャ「私も憲兵団ですね。少なくとも他の兵団よりは美味しいご飯が食べられそうですし」モグモグ
まずコニーが憲兵団行きを表明し、続いてサシャもそれに賛同する
その後も出てくるのは駐屯兵団か憲兵団ばかりだった
そして、アルミンの番になり、コニーが問う
コニー「アルミンは技巧なんだろ?」
アルミンはその類い稀なる頭脳を買われ、技巧科に推薦されていたのだ
皆の視線を感じながら、アルミンはゆっくりと口を開いた
アルミン「僕は、調査兵団に行くんだ」
その言葉にその場のほとんどの者が驚愕する
コニー「な、何でだよ!?」
マルコ「君はてっきり技巧に進むとばかり思っていたけど…。」
アルミンは常識人である。そのアルミンが何故調査兵団に?と疑問を持つのは当然だろう
サシャ「そ、そうですよ!技巧に進めば内地に行けるんですよ!?憲兵団とも近いんですし…。」チラッ
サシャがそこで意味有りげに言葉を濁し、ちらりとある人物を盗み見た
そのサシャの行動を皆が気にするより先に、ジャンが声を張り上げる
ジャン「おいおい正気か!?わざわざ死にに行くようなもんじゃねぇか!それともお前も入団式の時のあいつみたいに『巨人を駆逐する』なんて言うつもりか!?」
ジャンはエレンを指差しながら、アルミンに詰め寄った
当のエレンはというと、皆の輪から離れた所で壁にもたれ掛かり、全く興味ないという風に本を読んでいる
アルミンはそんなエレンの様子に苦笑しながら質問に答えた
アルミン「うん、おかしいのは分かってるよ。普通は憲兵団か駐屯兵団だろうし。それ以外でも調査兵団はまず有り得ないだろうからね」
ジャン「なら何でだよ!?」
アルミン「でもこれだけは譲れないんだ。僕の夢だから」
サシャ「ゆめ…?」
アルミン「そう、夢。小さい頃からの、僕の夢」
まるで子供みたいに目を輝かせながら、アルミンは語る
アルミン「外の世界は凄いんだよ。この壁の外のずっと遠くには、炎の水や氷の大地に砂の雪原、塩の塊とも言えるとても大きな湖!他にもまだまだ沢山有る!」
アルミン「僕はその世界に行きたい。知識だけじゃなく、僕自身の目で見て、肌で触れて、心で感じたい。僕がその世界を見た時、どんなことを思い、どんな答えを得られるのかを僕は知りたいんだ!」
ほとんどの者がアルミンの迫力に圧倒されていると、アニが徐に口を開いた
アニ「……あんたはそれで死んでも後悔はないの?」
アルミン「え?」
アニ「ならあんたはその、謂わば教訓を知りながら同じ轍を踏むってわけ?教訓を無視して、自ら進んで先人達と同じ過ちを繰り返すってこと?」
アニ「……正直言って馬鹿げてる。あんたの話は現実的じゃない。それにそんなのは子供の考え方だ。空想や妄想を拗らせて、出来もしない理想や希望を嬉々として掲げ、夢見る子供特有の考え方とね」
普段自身の意見を言わないアニが饒舌なことに、皆呆気に取られる
そのことを露程も気にしてないという様子でアニは続ける
アニ「確かに私達はまだ子供だ、夢見たとしてもまだ許される年頃だろうさ。けど、物事の分別がつく年頃でもある」
アニ「それに私達は世界を知っているでしょ?少なくとも壁の外に出た人間がどうなるのかを」
アニ「それらを踏まえた上でもう一度訊くけど…、あんたのはただ死に急いでるんじゃないの?あんたは夢や理想なんかの為に死ぬ覚悟が本当に有るの?」
皆の視線がアルミンに集まる
唯一エレンだけが未だに本に視線を落としたままだった
それを視界の隅で捉えながら、アルミンはゆっくりと口を開く
アルミン「確かに……、アニの言う通り、僕はただ死に急いでるだけなのかもしれない。これまで死んでいった人達の犠牲を無駄にする行為なのかもしれない…。」
まるで自分自身に言い聞かせるように、アルミンは言葉を紡いでいく
アルミン「でも、先人が遺してくれたものはそれだけなの?人間は巨人には勝てない、壁の外に出たら死ぬという教訓ただそれだけ?」
アルミン「…それは違う。先人が僕達に遺してくれたものはもっと沢山有るはずだ。巨人と戦う為の知識も、手段も、その内の一つでしょ?」
アルミン「巨人には勝てないから、壁の外なんかには行きたくない、なんて考えを否定するつもりは僕にはない。むしろそれこそが人として普通の考え方なんだろう」
アルミン「だけど勝てないからって諦めて、誰も壁の外に出ようとしなければ、巨人殺しの技術はどうなるの?何万もの人達の犠牲によって発達した技術は?」
アルミン「……僕からすれば、そうやって諦めて、巨人と戦うことを放棄する方が、死んでいった人達の犠牲を無駄にする行為だと思うけどね」
アルミンは顔を上げ、挑戦的な目でアニに言い放つ
アルミン「だから僕は、例え死に急いでると言われても、この夢を捨てない。死んでいった人達の犠牲を無駄にしない為にも、諦めない」
アルミン「それにこの夢は、僕にとって本当に大切なものだから…。」
――いつか、二人で壁の外に
アルミン(そう、約束だからね)
そこでアルミンはふと我に返り、食堂が静まり返っていることに気付いた
不思議に思い周囲を見回してみると、食堂の全ての視線が自分に注がれていた
自分の演説の内容を思い出し、後悔する
これまで自分のこの考えを認めてくれた人は数少ない
今回も否定されるだろう
現に食堂は水を打ったような状態になっている
アルミン(不味い…。やってしまった…。)
何とか雰囲気を良くしようと、慌てて弁解する
アルミン「あ、いや、実技の成績最下位の僕が何馬鹿なこと言ってんだって思うかもしれないけ――」
パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!
「スゲーよ、アルミン!」
「俺、お前のこと見直したぜ!」
「本当に格好良かったよ、アルミン!!」
アルミンの言葉の途中で、食堂は歓声と拍手に包まれた
数々の称賛の言葉を浴びるが、アルミンには訳が分からなかった
それが顔に出ていたのだろう、アニが捕捉する
アニ「……ま、あんたの言うことも事実だからね。だけどそれをはっきり口にするのは意外と難しい。だからこそ、それをはっきりと言ってのけたあんたは凄いってことだよ」
アニの言葉に皆がそうだそうだと同意する
コニー「あぁ、格好良かったぜ!な、ジャンもそう思うだろ?」
ジャン「……ただの理想論だ」チッ
マルコ「まったく…、ジャンは素直じゃないなぁ…。」ハァ
ジャン「うるせぇぞ、マルコ!」
ミカサ「…アルミン、良く頑張った」ナデナデ
アルミン「ちょ、ちょっとミカサ!?恥ずかしいよ!」
ジャン「…………。」
ライナー「………まぁ、何だ」
マルコ「………うん、あれだよ」
「「ドンマイ」」ポンッ
ハハハハハハハ
食堂が和やかな雰囲気に包まれる
アルミンは自分の夢が認めてもらえたことに気恥ずかしさを感じたが、それ以上に嬉しかった
しかしそれとは別に、心のどこかに小さな違和感も感じる
そのことを疑問に思うが、些細なことだろうと頭の外に追いやった
それと同時にふと、ある人物が頭を過った
そして皆の輪から離れた、その人物が居るだろう場所に目を向ける。だが――
アルミン(そうだ!エレ――エレン…?)
そこに親友の姿はなかった
今はここまで
後でまた戻ってきます
皆様お久しぶりです担々麺です。
レス&保守ありです。
あの後、勉強の気分転換にプリン買いにコンビニに行きました。
そしたら、その帰り道でスマホがおじゃんになってしまいました…。
更にWi-Fiのルーターも同様に…。
ネット環境及び書き溜が無くなって時間が開いてしまいました。
今週中には投下出来ると思いますので、待って下さい。
まぁ待ってくれている人が居ればですが(苦笑)
>>344さん、負け犬根性が染み付いた我に何と言う無理難題を申すか…。
少ししか上げれないので、今日はsage進行にします。
―翌日―
エレン「……調査兵団に?」
エレンは訝しげにコニーに訊き返した
それにミーナが面白そうに説明という名の茶々を入れる
ミーナ「うん、昨日のアルミンの演説が効いたようなのよ。まったく…、単純だと思わない?」
ミーナがクスクス笑うと、コニーが気恥ずかしそうに顔を赤らめた
コニー「ち、違ぇよ!俺は――そう!ジャンと一緒に憲兵団なんて嫌だっただけだ!」
ミーナ「はいはい、そういうことにしとこうね」
コニー「ちょ、おい!」
どうでもいい、という風に流されたコニーが堪らず憤慨する
ミーナは溜め息を吐きながら、コニーを宥めた
ミーナ「別に恥ずかしがらなくて良いのに。昨日のアルミンの演説に影響受けたのコニーだけじゃないでしょ?」
コニー「それは……、まぁ…。」
二人の微笑ましいやり取りを見物していたエレンは、ミーナの言葉がふと引っ掛かった
エレン「どういう意味だ?」
ミーナ「うん?何が?」
エレン「コニーだけじゃないって、どういう意味だ?」
ミーナ「あぁ、調査兵団に変えた人が他にもいるって意味」
ミーナは「ただそれだけ」と手をひらひら振った
エレン「……そうか」
エレンとの会話が終わると、ミーナは再びコニーをからかう作業に戻った
二人のやり取りに興味がないのか、エレンは眼下に広がる街並みに視線を移した
エレン(まるで別世界だな)
『あの日』と比べてそう思う
『あの日』も世界は穏やかだった。誰もがあんなことになるとは夢にも思わなかっただろう
斯く言う自分自身もそうだったのだから
ずっとあの日々が、あの穏やかな日常が続いていく、そう心の何処かで思っていた
そう思っていたということは、そう願っていたということだ
『俺は調査兵団に入る』
口ではそう言いながら、心の中では真逆の平穏を願っていたというのだから、何とおめでたいのだろうか
そのせいで――
エレン(いや、やめよう)
頭を振って、忌まわしい記憶を振り払う
『あの日』以来、やけに余計なことまで考えるようになった
過去は過去だ。省みるものではあっても、囚われるべきではない
何より、俺は変わった。もうあの頃とは違う
目的を叶えるための『力』は手に入れた
エレン「あぁ、今行く」
そして、俺が一歩を踏み出したとき、凄まじい轟音と共に稲光が走った
この日、俺達は再び理解することになる。『平穏』という名の幸福を
そして、俺達は再び思い知ることとなる。『現実』という名の絶望を―――
はい、ではまた今度
エレン(やっとだ、やっと…。)
「エレーン」
その時、俺の名を呼ぶ声が聞こえた。この声は多分サシャだろう
その声に混じってコニーとミーナのやり取りも聞こえてくる
エレン(まだやっているのか…。)
毎度毎度、賑やかな奴等だ。少し………いや、かなりうるさい
そのことに心の中で溜め息を吐き、返事をする
キッツ「――それでは訓練通り各班に分かれ、駐屯兵団の指揮の元、補給支援、情報伝達、巨人の掃討等を行ってもらう!」
104期訓練兵は街の広場に集まり、駐屯兵団の上官から指令を請けている最中だった
突如として超大型巨人が現れ、ウォール・ローゼの外門を破壊した
超大型巨人はその後忽然と姿を消したが、開いた穴から夥しい数の巨人が侵入してきている
それに対応する為に訓練兵も駆り出されているのだ
その中の一人、エレン・イェーガーは上官の言葉に耳を傾けながら思った。この人は上官には向いてないな――と
見るからに顔が恐怖で引き攣っている。あれでは兵全体に恐怖が伝染してしまう
ある程度上の階級にもなれば、何時如何なる状況でも気丈に振る舞わなければならない筈だ。更に話している内容からして、今現在は彼がここの最高責任者だろう
エレン(それがあの調子じゃあな…。)
エレンの視線の先には、震える声を張り上げている上官の姿が在った
キッツ「――また伝令によると、先遣隊は既に全滅したとのことだ!」
キッツ「外門が突破され、巨人の侵攻を許した!つまりいつまた鎧の巨人が現れ、内門を破壊してもおかしくない状況にある!」
新たに上官が発した言葉により、訓練兵の間に動揺が走る
「嘘だろ…?」
「そんな…。」
他の訓練兵を横目に、エレンは冷静に分析していた
エレン(当たり前だろ。碌に準備も訓練もしていなかっただろうしな)
キッツ「静粛に!!」
騒めき始めた訓練兵に透かさず上官が一喝した
キッツ「現在は前衛で迎撃中だ!」
キッツ「本防衛作戦の目的は一つ!住民の避難が完了するまで、ウォール・ローゼを死守することである!」
キッツ「……なお、承知しているであろうが、敵前逃亡は死罪に値する」
キッツ「皆心して命を捧げよ!解散!!」
訓練兵「「「ハッ!!!!」」」
広場から立ち去る上官を見送りながらエレンは密かに呆れていた
エレン(あれで本当に上官かよ。結局ただ恐怖を煽るだけ煽っただけじゃねぇか…。)
案の定、訓練兵は殆どの者が早くも戦意喪失していた
頭を抱えて蹲る者やぶつぶつと何かを呟く者、中には恐怖の剰り嘔吐する者まで居た
「嘘だろ…?何で今日なんだよ…。」
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」
「まだ死にたくないよ…。お母さん…お父さん……。」
エレン(………こんな状態で戦えってのか?こんなもんめでたく全滅コースだぞ…。)
エレンがその様子を眺めていると、ミカサが駆け寄ってきた。彼女にしては珍しく慌てている
その、普段見ることのない切羽詰まった様子にエレンも眉を顰める
エレンがどうした?と問い掛けるより先にミカサが口を開いた
だがそれは、エレンが予想だにしていないものだった
ミカサ「エレン、戦闘が混乱したら私の所に来て」
エレン「……………は?」
全くの予想外の言葉にエレンも思わず訊き返すが、ミカサは相変わらず落ち着きのない様子で一気に捲し立てた
ミカサ「混乱した状況下では筋書き通りには行かない。私はあなたを守る。だから…!」
数瞬の後、漸くミカサの言葉を理解したエレンがゆっくりと口を開いた
エレン「………つまり、俺がお前より弱いって言いたいのか?」
その顔は常と変わらず無表情のままだったが、声と眸は先程までと違い、酷く冷ややかな色を湛えていた
ミカサも思わず息を呑む中、エレンは続ける
エレン「なるほど。俺はお前にそう認識されていたんだな」
エレンがもう一度「なるほど」と頷くと、ミカサが慌てて否定した
ミカサ「ち、違う!私はただ……!」
エレン「ただ?」
エレンの鋭い眼光に射抜かれ、ミカサは「う…。」と口ごもった
必死に言葉を探す様子を暫く眺めていたエレンだったが、小さく息を吐くと彼女の額を指で弾いた
エレン「落ち着け、ミカサ」
エレン「大体、自分の持ち場を勝手に離れられるわけがないだろ。お前ならそれくらい判る筈だ」
その諭すような口調に、ミカサは額を擦りながら罰が悪そうに俯いた
ミカサ「……悪かった。私は冷静じゃなかった」
「イェーガー訓練兵にアッカーマン訓練兵だな?」
ミカサが言い終わるのと同時にエレンとミカサの名を呼ぶ声が聞こえた
二人が声のした方を見ると、一人の青年が立っていた
見た所駐屯兵団の団員だろう。ジャケットの胸の部分に駐屯兵特有の薔薇が編み込まれている
エレン「………はい、エレン・イェーガーとミカサ・アッカーマンは我々ですが」
それは丁寧な物言いだったが、言外に何の用だ?と告げていた
その、警戒心が露な物言いを気にした風もなく、青年は語り出した
イアン「私はイアン・バスティだ。早速本題に入るが、お前達二人は特別に後衛部隊だ。詳しくは移動しながら説明する、着いてこい」
イアンと名乗った男の言葉にミカサの表情が明るくなった。だが、対照的にエレンは微かに眉根を寄せ、抜け目なくイアンを観察していた
エレン「私達二人共……ですか?」
イアン「あぁ、住民の避難が遅れている今、一人でも多くの精鋭が必要だ」
エレン「……それで私達二人が選ばれた――と?」
イアン「その通りだ。すまないが時間がないからな、質問は終わりだ」
エレンは未だ納得していなかったが、上官に「時間がない」と急かされては止むを得ず、後を追おうと歩き出した
するとその時
「いや、イェーガー訓練兵は前衛だ」
と三人を引き止める声がした
イアンは苛立たしそうに、声の主へ文句を言いながら振り向いた
イアン「誰だ!イェーガー訓練兵は後衛部隊の配属に決まったのだ!勝手なことを言われては…――!!」
だが、最後まで言い終わらない内に、その顔が驚愕の色に染まった
エレンとミカサもその様子に不審に思い、振り向く。するとそこには――
エレン「……キース教官?」
エレン達104期訓練兵が三年間指導を受けた、謂わば恩師と言うべき人物―――キース・シャーディス、その人が立っていた
はい、今日はここまで………………なんですが、何か似たようなSS多いですね…。
私が書いても良いですかね?
最初に指摘されたように他の作者の方と間違えられる可能性も有りますし
そうなるとその作者の方に迷惑が掛かるかもしれませんし、似たような設定だから迷惑だ、という方がいらっしゃっるかもしれないので
少し鬱陶しいかもしれないですが、書き手としても読み手としてもなるべく楽し見たいので、余計ないざこざを起こらないように気をつけたいのです
申し訳ないですが、そういった意見を聞きたいので出来れば助言よろしくお願いします
この場に居る筈のない人物の登場に、三人が三人、一様に驚きを隠せないでいた。
特にイアンなどはその様子が顕著に表れている。
その目は見開かれ、目の前の現実が信じられないとでも言うように、困惑に満ちた呟きが口から零れた。
イアン「何故…貴方がここに……」
エレン「…?」
先程までと違う声音にエレンは気付いたが、そのことについて考えている暇はなかった。
キースが真っ先に自分の方に向かっていた為である。
キースはエレンの前で立ち止まると、徐に眉を顰めた。
キース「何だイェーガー、聴こえなかったのか?貴様は前衛部隊だ」
イアンの呟きなどまるで耳に入っていないかのようなキースの振る舞いに、エレンは内心首を傾げた。
そもそも彼は、イアンの存在自体に気付いていないかのようなのだ。
そんなことは有り得ないし、先程のイアンの呟きもある。そこから鑑みるに、二人の間に何か有る、と見るのが最も妥当だろう。だが、
エレン(………俺には関係ないか)
思考を切り替える。この二人の関係がどうであれ、自分には何の関係もない筈だ。首を突っ込むつもりも更々ないし、別に知らなくても別段どうということも無いだろう。
そう結論を出したエレンはキースに返事を返す。
エレン「ハッ、聴こえております」
キース「ならば早く行くが良い。班員達もお前を待っていることだろう」
エレン「いえ、ですが……」
言葉を濁しつつ、ちらりとイアンを見るエレン。彼はキースとエレンのやり取りの間も放心状態のまま固まっていたが、エレンの視線で我に返ることで漸く今の状況が把握出来たのだろう。慌てて口を開いた。
イアン「ま、待って下さい!イェーガー訓練兵及びアッカーマン訓練兵が後衛に配属されることは既に決定事項です!いくら貴方とはいえ、勝手なことを仰られては困ります!」
その言葉で、キースは漸くその存在に気付いたかのような表情でイアンの方に振り向くと、眉を吊り上げ、鼻で笑った。
キース「ほぉ、つまりこういうことか?駐屯兵団の精鋭共は、訓練課程を修了したばかりの新兵を二人も駆り出さなければ、市民の安全を確保することも出来ない、と?」
イアン「………っ」
痛い所を突かれ、イアンは顔を強張らせる。だが、キースは冷ややかな眼を向けながら、更に畳み掛けるように続ける。
キース「それに加え、何だこの有り様は?殆どの新兵が戦意喪失しているではないか。駐屯兵団はたかが新兵を纏めることすら出来ないのか?」
それはイアンとて気にしていたことだ。現にここの最高責任者であるキッツにも進言した。しかしキッツは全く聞く耳を持たなかった。
『時間がない中、そんな些細なことにまで気を配ってなどいられない』
そう返され、イアンは渋々引き下がった。仮にも上官、それも最高責任者であるキッツが「No」と言えば、いくらイアンがその決定に不満を持っていたとしても、どうすることも出来ない。
所詮この世は正直者が馬鹿を見るのだ。ならば仕方ないではないか。
そう心で愚痴るも、そのままを言う訳にもいかないので、キッツの言葉を告げようと口を開く。だが、キースの方が速かった。
キース「貴様らはこの状態の新兵を戦場に向かわせようとしているのだぞ?………この意味を理解出来ないお前ではあるまい」
イアン「ッ………」
その一言に込められた意味を理解して、イアンは言葉を飲み込んだ。
イアン(………返す言葉がない)
そう……言外に、お前達のしていることは新兵を見殺しにしているようなものだ――と言われているのだから。
戦場では生への執着心を失った者から死んでいく。それだけが生死を分ける要因というわけではない。が、気の持ちよう――所謂モチベーションに依って、生存確率が全く変わってくることも確かな事実なのだ。
それはどんなに経験を積んでいる兵士でさえも例外ではない。
にも拘わらず、最初から戦意喪失している新兵などが戦場から生還出来る確率など、限りなく零に近いのは当然と言えるだろう。
それを自分は分かっていた。だからこそ、上官にも進言した。しかし最終的に自分は納得してしまった。それも己の保身という下らない理由で。
結局、権力を持つ者に持たざる者は従うしかない――そう自分に言い聞かせて、何人もの命を自分は見捨てる所だった。何人もの若者の未来を奪う所だったのだ。
唇を噛み締め、ただ俯いているイアンを侮蔑の眼差しで一瞥すると、キースは訓練兵達の方に向き直った。
どの訓練兵も自分のことで一杯一杯の様子で、誰一人として此方に気付いていない。
この現状に自然と眉間の皺が深くなる。仕方のないこととはいえ、何の為にこの三年間訓練をしてきたのだろうか。
たかが三年間、されど三年間。自分が今まで教えてきたこととは一体何だったのか?
情けなさやら不甲斐なさやらで自然と洩れる溜め息を何とか抑え、打開策を練る。まずはこの状況を収拾しなければ話にならないからだ。
キース(………………)
バスティは使えない。こんな状態では士気を上げるどころか、逆に下げる可能性もある。
アッカーマンは論外。言語能力に乏しいばかりか、まず他人に興味が見られない。実際イェーガー以外は本当にどうでもいいのだろう。
唯一例外を挙げるとするならばアルレルト位か。
訓練生活の途中からは、二人以外とも接する姿がしばしば見られた。けれど、それ自体がイェーガーにそう指示されたからだったのかもしれない。
事実、イェーガーの傍に居る時と他の者と過ごす時とでは態度に雲泥の差があったのだ。
候補が二人消えたことで、最後の一人をキースは横目で見る。
キース(唯一可能性があるのはイェーガーなのだが………)
………如何せん、この者は全く読めない。大抵の者ならば少し観察すればある程度は見極められる、という自負はある。実際、この眼力も教官に抜擢された理由の一つだ。
しかし自慢のこの眼をもってしても、目の前のこの少年を見極めることは出来なかった。
考えを読み取ろうとしても、全く分からないのである。
その横顔を眺めていると、キースの脳裏にふと記憶が甦った。そしてその記憶に対して浮かぶ疑問。
キース(………何がここまで人を変えるのだろうな)
その記憶の中の二人の人物の顔は似ているようで、それでいてその瞳は全くの別物で―――
――オレ、かあさんをまもるのがゆめなんだ!
――巨人を駆逐する為です
キース(―――っと、今は感傷に浸っている場合ではなかったな)
頭を振って脱線しそうになった思考を戻す。
キース(ともかく、イェーガーは保留だ)
彼は言うなれば、パンドラの匣だ。何が飛び出すか判らないものに無闇に手を出すべきではない。
となると、残された手段は一つしかないのだが、
キース(出来ればこれは回避したかったのだがな………)
その手段は出来ることなら使いたくなかったもの。これからのことを思い浮かべ、キースは今度は抑えることなく溜め息を一つ吐き出した。
そして――
キース「貴様らぁああああああああああああああ!!!!!」
突如広場に響いた怒号。
低音の、威圧感に充ち満ちた声が空気をびりびりと震わせる。
突然の怒鳴り声――それもここ三年間ですっかり耳に馴染んだ怒鳴り声――に、訓練兵は皆弾かれたように顔を上げた。
そしてその人物を認識するや否や、全ての顔が一斉に青褪めていく。
エレン(まぁ、当然の反応だろうな)
なにせ教官の恐ろしさは、訓練兵全員嫌というほど理解しているのだから。
更に今の教官は、額に青筋を立てているのである。そんな教官を見て普通の訓練兵が震え上がらない訳がない。
しかし、
エレン(キース教官なら大丈夫だろう)
そう確信する。
「何故?」と根拠を問われれば、「勘」と答えるしかない。しかし単なる勘にしては妙に確信めいた勘だ。
エレン(そう、この教官なら大丈夫――そういった安心感が………)
そこまで考えて、はたとエレンは思考するのを止めた。そして反芻する。
エレン(―――待て、安心感?安心、だと?この俺が?ミカサやアルミンにならまだしも、他の訓練兵に対して?)
先程浮かんだ自身の気持ちに困惑する。だが、すぐに馬鹿馬鹿しい、と一蹴した。
エレン(有り得ない。こいつらはただの同期だ。ただ単に偶然同じ時期に入団し、偶然同じ場所で訓練を受けたにすぎない)
それ以上でも、それ以下でもない――そう自身の気持ちに結論付けて、エレンは前を向いた。
そこでは今まさにキースが辛辣ながらも、上部だけではない言葉で、真剣に同期達を鼓舞している。
それを涼しい顔で眺めていたエレンだったが、不意にミカサが「エレン?」と声を掛けてきたので、そちらに顔を向ける。
すると、ミカサが不安そうにエレンの顔を見つめていた。
エレン「どうした?」
ミカサ「何だか思い詰めた表情をしていたから……」
ぴくりとエレンの肩が動く。ミカサがそれを見逃す筈もなく、「何かあった?」とエレンに尋ねる。
訝しげなミカサの視線。エレンは暫し沈黙していたが、前に向き直ると、ゆっくり口を開いた。
エレン「………俺はいつも通りだ。お前の気のせいだろ」
エレンはそう返すが、ミカサはまだ納得していない様子で猶も言い募る。
ミカサ「でも――」
エレン「ミカサ」
しかし、ミカサが最後まで言い終わらない内に、エレンは遮り、冷淡に言い放った。
エレン「何度も言わせるな」
ミカサ「………分かった」
その一言で、ミカサは口を閉じた。それ程今の一言は有無を言わせない口調だった。
しかしミカサは気付いていた。エレンがミカサの視線から逃げるように、前に向き直ったことを。
常に無表情で覆い隠されたその瞳の奥の、微かな揺めきを―――
――――この時、無数に存在する運命の歯車の中に、新たな歯車が追加された。
それはほんの小さなものではあるが、少しずつ、少しずつ、しかし確実に、他の歯車にも影響を及ぼしていく。
この時を境に、何かが変わっていく。それが何なのか、どの程度の規模で、どんな影響を及ぼすのか。
その『変化』がもたらすは幸運か、はたまた悪夢か。
その答えは―――神のみぞ知る。
あー終わった。いやー終わった。さーてこれから、のんのんびよりの「兄ちゃんを探せ!」の作業に取り掛かるとします。
誰が兄ちゃんに話し掛けていたか、君は知っていたか…?
誰か越谷三兄妹のSS書いてくれないかなー。越谷家の三人のほのぼのSS、どっかにないかなー。
あの三人が和気藹々としているのを見ると和むんですよね。他のキャラが居ても全然OKなんですが………如何せん、百合の作品が多いので。
人それぞれですから否定するつもりは全くないですが、薔薇と百合は私自身どうもよく分からないものでして……。
毎度余計な話すみません。という訳で、気が向いたらまたふらっとやってきます。
では最後に………「ディーふらぐ!」の高尾部長prpr!!!
このSSまとめへのコメント
早く続きをくれ
読きはよ!はよ!
無駄話が余計に多すぎだよ。
早く続き見たい
続き書いてくださいー
面白い!!!!
支援してます!!!
頑張ってください!!!!
おもしろい。応援してます。
続き書いてください
続きおねがいします。
続きお願いします!
続き来たーー!!!!!!!!!
良いよ良いよ
期待
ひたすらエレンをヨイショする話だった
早く続きを!
まさか終わり?
続きはよ
エレンのチーと大好きなので速く見たいです
お願いします
俺もチート系好きだわ
続きたのしみにしてます
速く書いて欲しい
速く書いて欲しい
早く
続きをお願いします
続きをお願いします
続きお願いします
つずきはよせんかい
続き楽しみです
頑張ってください!
めっちゃ期待!
面白いです!
最後までお願いします!
期待するしかないなコレ・・・頑張って下さい!!
続きに期待デス!!
放棄ですか?
メッチャ、面白いのに勿体無いですよ!
続き書いて下さい!
初SSとか書いてるけど、ハイスペック系エレン(笑)書いた奴だろ?つまんね
※34絶対違うな。だってあいつより書き始めた時期速いし、書いてた時期もろ被ってるし
そもそも、あの書き手みたいに気持ち悪くないだろ
ちゃんと読んでから言おうな、坊っちゃん(笑)
おや?続きが見当たらないな?まだ書いてないだぁ?この大馬鹿ものが!!さっさと書けや!!(土下座)
とっとと書けよくださいな!
くれ
話の間の小芝居が面白かった‼︎(੭ु ›ω‹ )੭ु⁾⁾♡
続き書いてください!!
※40もうスレ落ちしてるし無理だろ
打ち切りエンドww
手打ちにしようぜってエレンはただ流してただけだろww
このチートやべえw
チートな構ってチャンの話か…
SSの合間に入るスレ主のリアル事情、興味ねーんだよなえるんだよ市ね
バリおもろい
チートエレンもなかなかいいな♪
とてもよかった…ので、またかいてほしい
乙でした!
スレ主の自己投射がキモい・・・
エレンがイケメンすぎw
え?完結?んなわけ無いよね?とっとと続き書けィ!
彼がssを書いて9ヶ月の時がたった。
そして今、新しい物語が始まろうとしていた。
これで終わりとか連載打ち切りのまんがよりたちが悪い
続き早く
続き早く
とても面白っかた!!
早く
ごみーーーーー
もう続きないかな〜?