～とある４人と喫茶店～

黒子「いwあwいwぎwりwwww」

佐天「その反応はないじゃないですか！」

黒子「居合切りといえばアレですの、某ゲーム内で秘伝ワザという立場にありながらゴミ技」

黒子「一度覚えさせると忘れることのできない、仲間内の怪力にもはるかに劣る！」

黒子「ヤム○ャのガロウガが神技に見えてくるあのワザの事ですわよね」

初春「混ざってます混ざってます」

御坂「……」

黒子「必要に応じて適当な臨時メンバーに覚えさせて終了、が基本ですの」

黒子「噂によれば最近はあの『体当たり』にも負けているとかwww」

佐天「…ううっ、酷い言われよう…居合切りだって頑張ってるんですよ！」

御坂「……（ギロッ）」

黒子「申し訳ありませんでしたの（土下座）」

御坂「ちょ、ちょっと！」

初春「ど、どうしたんですか一体？」

黒子「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

御坂「え、えっとね。ちょっと前に、流行に捕まって２人でやったことがあるんだけど」

初春「だから２人とも多少詳しいんですね、私も金銀までですけど」

御坂「秘伝っていう響きにあこがれて、私ッたら片っ端から覚えさせたのね」

佐天「」

黒子「……説明読めば防げますのに、みたいな感じで少し笑ってしまいまして…」

黒子「八つ当たりでドキツイ攻撃を」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

御坂「だ、だからそのことは何度も謝ったじゃない！」

初春（嫌悪とトラウマの対象になってるんですね）

黒子「結局その諍いでゲーム機も壊れてしまい流行を離れましたの」

佐天「勿体ないなあ、面白いのに…あ、最近は秘伝ワザって忘却可能ですよ？」

御坂「う、嘘！いつから！？…第２世代から？なにそれ？」

初春黒子「？？？」

佐天「うわっ、なんたる疎外感！！廃人でもないのにチクショー！」

佐天「…話がそれちゃいました。で、この能力を使うと木が切れる！」

黒子「それはそうですの、切れなかったら詐欺ですの」

佐天「はい、場所が変わって公園です！」

初春「一体何をするつもりなんですか？」

佐天「そりゃあ、そこらへんに生えてる木を試し切りして」

黒子「器物破損ですの！！ジャッジメントとして流石に許せませんの！」

佐天「……やっぱ駄目かあ」

御坂「あったりまえじゃない。いい佐天さん、能力を使って物を壊すのは立派な犯罪よ？」

御坂「しっかり裁かれるから注意ね。レベルが上がるほど忘れちゃいけない基本中の基本よ」

佐天「さすが御坂さん！立派です！！尊敬しちゃいます！」

初春「そういえば、どうやって切るんですか？」

佐天「対象に向かって思いっきり腕を振り下ろすといいみたい。見ててよ…」ｷｮﾛｷｮﾛ

佐天「うん、ちょっとしょぼいけど低木があった。『居合切り』！」ｽﾞﾊﾞｯ

御坂「わ！切れた切れた！すごいじゃない！」

黒子「それも植えられたものですの――！！？」

佐天「あ、こっちには花が。生えている植物ならなんでもＯＫなんだよね」

初春「え、どこどこ…って、私ですってば！！？」

佐天「振り下ろす枠に収まるまでの太さの幹なら、問答無用で一刀両断！」

佐天「でも、ただの木材や違う素材に対しては厚さ１ミリでも手応え無し」

御坂「へー、ここまで特異的な能力ってなると面白いわね」

黒子「ちなみに手は痛みませんの？」

初春「…傷が全くないですね、痛がってもいませんしその心配はないみたいです」

佐天「へっへーん！ということで、これからは私も戦力に…」

黒子「でもその能力ってアンチスキルには無力ですの」

御坂「……あ」

初春「……あ」

佐天「……ああっ！？」

黒子「というか、林業農業土木といった開発関連くらいしか使い道が…」

佐天「…うがーっ！」

佐天「ねえねえ、御坂さん、百合さん、花畑さん！」

黒子「白井黒子ですの！！」

初春「初春です！」

佐天「こうなったらさっさとレベルをあげて新たな可能性に賭ける！」

佐天「というわけで、どこかにこの能力を使いまくれるようなスポット知りませんか！？」

黒子「ですからさきほどの林業農業土ぼ」

佐天「学園都市にありそうなのでお願いします」

黒子「いくら科学が溢れているとはいえ十分活動はされてますわよ？」

佐天「で、でも…山とかに足を運ぶのは大変そうで…」

初春「…あ！だったら、いい方法がありますよ！」

初春「人のためになる壮大な仕事があります！任せてください！」

～橋の上～

上条「不幸だ…買った野菜がことごとく腐ってるなんて…植物の風上にも置けない奴らめ」

上条「文句を言いに行きたいけど、チラシを見てわざわざ１時間掛けて到着した店まで引き返すのも」

上条「なにより、開店セールの爆安に踊らされてチェックを怠った俺のなまり具合が不幸だ…」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

上条「「（スゥー…）植物のバッカヤロー！」」ﾊﾞｯｶﾔﾛｰ…

上条「フッ、夕日が目に染みる……ん？なんかハモッた？俺と同じ心境の奴が近くにいるの？」

男児「ねえママ、あの女の人何暴れてるのー？」

母親「シッ、見ちゃいけません！」ｻｻｯ

上条「……？（橋の上から見下ろす）」

佐天「アシのバッカヤロー！セイタカアワタチソウのバッカヤロー！」ｽﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ

上条「」

上条「なんだなんだ、新手の修業か？…ビリビリの知り合いにいたような」

上条「あんなに声を荒げて目立ってたら、たちまち噂にされちまうぞオイ」

上条「不幸なのは上条さん一人で十分ですよ！いっちょ止めに入ってやるか！おーい」ﾀﾞｯﾞ

上条「（河川敷に降りてきて）おーい、何ムシャクシャしてるのか知らないが、いい加減にやめるんだ！」

佐天「確かにこれなら周囲気にせず切りまくれるよ、うん！でも、ちょっと酷いんじゃない初春ぅ！？」

上条「…反応なしか。…ハッ、まさか魔術師の仕業！？そうか、そうに違いない！」

上条「いたいけな女の子を操って恥をかかせてやろう、みたいな質の悪い嫌がらせか！？クソッ！」

上条「それとも厄介な儀式でもやらせているのか、なんて卑劣極まりない！誰が止める？…俺だ！」

上条「多少荒っぽいかもしれないけど致し方ない。いい加減に―ー！」

止めようと一気に接近した刹那。…上条当麻はその目で見た。

佐天涙子…一人の女の子が、まるで蝶のように舞っている光景に。
天女にも思われるその姿は、きっと老若男女問わず近づいた者を引き付けて離さない。
からっきしの芸術脳を引っ張り出して、ただただ美しいという感想しか出す余地がない。
わびさびなんて物も知らないが、時に激しく荒々しく、時にゆったりと煌びやかに動く様。
いつも噛みついてくるシスターとか超電磁砲で痺れさせようとしてくるビリビリとかメじゃない。
いったい彼女は何者なんだ…。向けようとした腕が降りてしまう。

上条（俺は今…凄い現場に出くわしているのかもしれない）ｼﾞｰﾝ

そろそろ休憩を挟もうとした刹那。…佐天涙子は自分を顧みた。

佐天涙子の蝶の舞！よーし、特攻特防素早さ＋１！ふっふーん！　　ﾉｳﾅｲｺｳｶｵﾝ
鉄壁を使いました！貧乳じゃないけど！ビバ物理受け！　　ｳﾃﾞｦｸﾛｽ
かそくかそくゥ！凄いぞバシャーモ強いぞバシャーモ！私は５体粘りました！　ｷﾓﾁｶｿｸ
わるあがき用に攻撃上げた？しまった、自滅ダメージ増える…ん…だ…よ！　ﾖﾖﾖ､ﾄﾌﾗﾂｷ
いやしのねがい！…あなたを癒したいってなんか…エロイね！　　ｳｯﾄﾘ
いたい…イタイ、私のポケ○ン脳が痛い！　ﾖｳﾔｸｾｲｼ

佐天「…ふぅ」

上条「…ふぅ」

佐天「……え？」

上条「……あ」

佐天「天が面白くないので鉄にしただけなんですよ、マジで！」

上条「あなたは一体何をおっしゃっているのでせうか？」

佐天「…はわっ！？なんでも、なんでもないです！それより見たんですね！」

上条「…えー、まー。というか、俺以外にも結構橋の上とかから見られてた気が、悪い意味で」

佐天「…調子に乗りすぎちゃった」　ｶﾞｰﾝ

上条「レベルアップのための特訓兼ねて河川敷の草刈のバイトだあ！？」

佐天「グスッ、女の子にこんな仕事させるなんて酷すぎると思いません？かれこれ２時間…」

上条「えーっと、目にしたことなかったんだけど、今日だけだよな？」

佐天「とりあえず下流域の河川敷ほとんどが対象ですから『今日から末永く』が正しいかと」

上条「なんて非道な！？上条さんその依頼主と紹介者が許せませんよ！？」

佐天（自分のペースで気ままにやっていいですよ、って紹介されたことは黙っておこう）

上条「だいたい、こんな面積を１人でできるわけ…ありゃ、そういやどうやって刈ってるんだ？」

佐天「こうやってです（腕を振り下ろしつつグルリと１回転）」ｻﾞｼｭｯ!

上条「うおおっ！？半径２メートルがキレイサッパリ！？まるで居合切りのフィールド効果！」

佐天（まさしくその居合切りなんですけどね）

上条「ま、まさかあの草山は２時間で１人だけで刈ったのか！？凄いな！」　　ﾕﾋﾞｻｽ

佐天「むしろ刈った後の処理の方がハルカにめんどくさい…」

～能力効果説明中～

上条「よし、そういうことなら任せてくれ。一緒に草刈をすることはできないが、刈り草の運搬なら手伝える」

佐天「ええっ！？そんなの悪いですよ！というより買い物の途中ですよね？」

上条「なーに、もとから腐った野菜しか買い物袋に入っていません」

佐天「え、なんでですか？」

上条「…なんでだろーね。あ、そういや自己紹介がまだだったな。俺は上条当麻だ」

上条「もしかしたらで悪いけど、ビリビ…いや、御坂の友達じゃなかったか？」

佐天「え、は、はい。上条当麻…あ、御坂さんの話に名前が出てきた気が」

上条「上条さんは毎度の事アイツに電撃勝負挑まれて参ってるんですよ、ホント」

佐天（毎度！？それで生きながらえてるってことは能力者なのかな…）

佐天「私は佐天涙子と言います。じゃあ上条さん、…お願いできますか？」

佐天「特訓が終わった後で夜ご飯くらい奢りますので」　　ｳﾌﾌ

上条「い、いやそんなことしなくても別に」

佐天「いーえ、第一バイトの手伝いという時点でそのくらいトーゼンですっ！私の義務ですギルティです！」

佐天「…腐った野菜を掴まされるというあたり、苦学生の臭いもプンプンしますし」

上条「正論過ぎて不幸だ…」　ｶﾞｯｸﾘ

上条「で、明日からは何時にここにこれば間に合う？」

佐天「…上条さん、まさか今日だけの話じゃなかったんですか！？いくらなんでも…」

上条「悪いです、とか思ってるならそんな気遣いは無用」

上条「俺は、いくら能力のためとはいえ佐天さんがここまでこき使われるというのは許せません！」

上条「そうじゃないだろ、能力に駆られて心身を痛めるっておかしいだろ！」

上条「佐天さんは、自分が初めて能力を得たとき、どんな気持ちだった！？」

佐天「学園都市を舞台とする新たな冒険が始まりそうでワクワクしました！」

上条「お、おう」

～自宅～

佐天「ふー、結構稼いだー！…でも結構疲れたぁー」　　ﾍﾞｯﾄﾞﾆﾀﾞｲﾌﾞ

佐天「居合切りだって世のためになるんだと痛感痛感。何気に私が一番馬鹿にしてたのかな」

佐天「…おっといけない、ネットネット」　　ﾎﾟﾁｯ

佐天「ふむふむ、こういう技構成もありなんだ。一見使いにくそうだけど」

佐天「いやいや、そのネタはポケ○ンが可哀想でしょw」

佐天「…レートだと1500止まりの実力に過ぎないけど、wiki覗きが日課になってる佐天涙子でした」

佐天「いや、そこそこ孵化作業とか配布とか粘ってる割にこの勝率はむしろかなり弱い…？」

佐天「…今日はここまでにしとこ」　ｸﾞｽﾝ　　　pipipi

佐天「…あ、上条さんからメール？そういやアドレス交換したんだよね」

佐天「結構いい人だったなあ、うんうん。これを機に付き合ったり…ないない、そんな笑える展開」

佐天「イソウロウガーとかなんか言ってたしね、複雑そうだけど。さてさて、どんなメールかなー？」

「from : 上条当麻
　sub　: ちょっと確認したいんだが

　今日は夕食ご馳走してくれてありがとうな。
　上条さん久しぶりに外食して感激しましたよ。」

佐天「あはは、大げさだなあ。…大げさ、だよね？」

「　で、さっそくだが聞きたいことがあるんだ。
　佐天さんは、Lv01って言われたそうだけど」

佐天（…？そうですけど、上条さん何か気になるのかな？）

「俺は高校生だし、まあ多少はプレイ歴が長い。
　…記憶喪失？ポケ○ンは常識扱いだから忘れてねーんだよ！
　な、なんでもない！今のなし！」

佐天（メールで書いてる最中の内容に今のなしって書く人初めて見た）

佐天（っていうか、記憶喪失って何！？ふ、触れちゃいけない気がする）

「　佐天さんも気付いているかもしれないが、一応言う。
　　レベル５を目指して遮二無二がんばれ、とは言わない。
　　ただ…一刻も早くレベル２になるべきだ」

佐天（…居合切りの強化方向が予測着いたとか！？）　ｶﾞﾊﾞｯ

上条「はい、もしもし。こちら上条でーす。佐天さん、どうかした？って、なぜに電話を」

佐天「上条さんがあんな意味深なメール送るじゃないですか！…あ、それと呼び方」

上条「呼び方？」

佐天「いや、『佐天さん』じゃなくて呼び捨てでいいってことで。年上ですし」

上条「そ、そうか？じゃあえっと…佐天？これでいいか？」

佐天（おお、何気にこれはなかなかグッとくるかも）

上条「いやはや、それにしてもおバカな上条さんの頭脳でも分かることですよ佐天」

佐天「うわ、腹立ちますねー。勿体ぶらずにご教授くださーい」

上条「…佐天は、本当にLv01というスキャン結果を聞いたわけだな、Lv1じゃなくて」

佐天「はい」

上条「だったら、それには意味があるはず。まさにポケ○ンの秘伝マシン01と対応していることになる」

佐天「わたしもそう思ってますけど」

上条「じゃあさ、レベルアップの暁にはレベル2じゃなくて、おそらく『レベル02』になるんじゃないか？」

佐天「あ、そうなりますね…って、あれ？」

上条「俺の記憶する限り、秘伝マシン02はシリーズ通じて変わったことがない。得られる能力はほぼ間違いなく…」

佐天「秘伝マシン02、『そらをとぶ』っ！！！」　　ﾁｰﾄﾜｻﾞｷﾀｰ!

上条「やっぱりそういう結論だよな！はは、俺の思い違いじゃないかと冷や冷やしたぜ」

佐天「大発見ですよそれ！ありがとうございます！テンション上がってきたー！」

上条「それは結構なこ『トウマ…一体誰と話してるのかな？』ぬおおっ！？」

佐天「どうかしまし『ぎゃああ！インデックスの噛みつく攻撃！カミジョウは怯んだ！』」

佐天「え、えっと本当にどうかし『何訳のわからない事言ってるの！？ト、ウ、マー！！』」　　ﾌﾟﾂﾝ

佐天「…なにこれ。訳も分からず自分を攻撃しそう」

佐天「居候の子かな。…女の子、なのかなあ、ムムム…」

その後、わたし佐天涙子は毎日のように河川敷を刈って刈って刈りまくりました。
上条さんは、買い物の途中、あるいはわざわざ帰宅時の寄り道で手伝ってくれました。
上条さん曰く、居合切りで切りまくってる姿って結構見惚れるらしいです。ワーオ！
ただ、さすがに人目に付くところでするのはこりごりなので、いろいろと工夫しましたよー。
出来る限り叫ばない、変装する、場所を固定しない、とか。

一つ分かったことがあって、居合切りで刈った後の土地は植物がよく育つらしい、やったね！

初春「あれ…？またこのポイントに草刈要請が出てる？佐天さーん！お願いできますかー？」
佐天「ももももちろんだよういはるー」

このバイトは永久機関になりそう。やったね！

御坂妹「このスレの更新はＭＮＷ…ではなくＰＧＬに倣って日ごと更新です、と
　　　　　ミサカは少し残念そうにお伝えします」
打ち止め「要するに取りだめしてないくせに書き出して、明日に支障がでるから
　　　　　　今日はここまでにするのねってミサカはミサカは直訳してみる！」
御坂妹「レベル１つごとに１日の計算くらいを目安にしてもらえると有難いです、と
　　　　　ミサカは閲覧者に脅迫紛いのお願いをします」
打ち止め「それで流れちゃわないといいけどねーっとミサカはミサカは形だけの心配をする！」

草刈開始から１か月後

御坂「最近佐天さん見ないわね…特訓とやらを頑張ってるのかしら」

初春「とりあえず紹介責任として草刈確認は毎回行ってますし、頑張ってるみたいですよ？」

初春「色々と忙しくて、最中の様子は見に行けないのが悔やまれるんですけど…」

御坂「…よーし、決めた！今から差し入れ持って佐天さんの頑張りを見に行ってあげようじゃない！」

黒子「それはいい考えですの。ぜひ行ってあげてくださいませお姉様」

御坂「何他人事みたいにいってるのよ、あんたも来なさいって」

黒子「そうしたいのはやまやまなのですが、ジャッジメント関連で呼び出されていまして…」

黒子「お姉様の期待に添えず、黒子は申し訳なさで一杯ですの！」

御坂「えー、なんかきな臭いことになってるわけ？」

初春「ちょっとばかしスキルアウトの動きが活発になってるみたいですよ…はあ」

～河川敷～

上条「おい、佐天、休憩挟め！体やられるぞ！」　ｳﾝﾊﾟﾝﾁｭｳ

佐天「どうして、どうして、どうして！？なんでレベル上がらないのー！？」ｽﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞｯ

上条「いやいや、１か月で必ず上がると言えるほどレベルアップって甘くないそうじゃないですか」

佐天「わかってますよ！でもですね！補習サボってまで刈って刈って刈って！」

佐天「代返頼んでまで舞って舞って舞ってるのに、兆しすら見えないのは理不尽だー！」　ｶﾝｼｬｸ

上条「補習はちゃんと受けなさいダメ中学生！？上条さんみたいにナリマスヨ！？」

佐天「私はこのバイトに永久就職するからいいんだーい！」

上条「いいわけあるかぁー！！」

佐天「そーそー！上条さん、この特訓のおかげか、１００ｍ走のタイムが２秒縮まりましたよ私！」　ﾏｲﾂﾂ

上条「２秒ってすっげー！！よかったなー！！でも今は関係ないよねー！？」

上条「しかし２秒って速すぎるだろ流石にー！」

佐天「なんか、舞いつつ走るとジャイロ効果ってやつで速くなるんですよ！！」

上条「マジで！？」

佐天「嘘です、アホですか」

上条「…んさけんなァーー！！」

佐天「ジャイロボールって素早さが高いほど威力も高い方がいいと思いません？」

上条「上条さんそんな話はしたくありません！！」

御坂「」

初春「」

佐天「あーー！御坂さんに初春、見に来てくれたんですかー！いらっしゃいませー」

上条「いよービリビリ、あと、えっと…誰ですかねすいませんが」

御坂「」

初春「あ、私初春っていいます。佐天さんのバイトの紹介をさせていただいて…」

上条「アンタか、片棒の１人！どういう発想で女の子１人に草刈なんてやらせるんですかね！」　ｸﾜｯ

上条「俺が手伝ってなかったら倒れてたとこですよ全く！それでも友達かぁ！」

初春「え、あ、その、すすすすいませ」

佐天「友達に決まってんだろー！！」　ｽﾊﾟｺｰﾝ

上条「ひでぶっ！？」

佐天「とまあ、こんな感じに突っ込みを入れられるくらいには仲良くなった漫才コンビの上条さんだよ！」

上条「そんなコンビ組んだ覚えないっつーの！…はあ、まあ元からそんなに怒っちゃいないんだが、御免」

初春「いえいえとんでもない！どうも佐天さんがお世話になったようで！お礼を言わせて下さい！」

御坂「さささ佐天サン！？ままままさか、コイツとずっとレベルアップの修業を？」

佐天「そーですけど？結構いい人ですよねー」

御坂「イイヒト！？ちょちょ、まさか（フラグに）捕まったの！？」

上条「（好奇心に）捕まったのは俺の方だっつーの、後悔なんてこれっぽっちもしてないけど」

御坂「捕まったですってぇ！？アンタ誰！？誰かが化けてたりしてないでしょうね！？」

上条「え、なにすんのビリビリうわやめばばばばばば」

御坂「オラ、真相吐け正直に話せ！首絞めるわよアンタ！」　ﾕｻﾕｻ

上条（絞めながら言うんじゃねぇ！）

御坂「佐天さん、コイツに変なことされなかった！？駄目よ、コイツに近づいちゃ！
　　　　ちょっとお節介でカッコよくて悩みを親身になって聞いてくれて頭ツンツンで
　　　　そして私はツンデレで運動神経が一介の高校生なんてのが嘘っぱちで不幸まみれで
　　　　恩人で世界駆けててレベル０で凄い右手持ってて鈍感でカッコよくてフラグメイカーで
　　　　フラグブレイカーで赤点大好きで補習大好きで結婚したい人でカッコいいからって、
　　　　所詮コイツは大バカで貧乏のロクデナシなのよ！！！」

初春（えええええー！？）

上条「……中学生…に…大バカ…貧乏…ロクデナシ呼ばわりなんて…不幸…だ…」　　ｷｾﾞﾂ

初春（えええええええええっ！！！？）

佐天「かくかくしかじかなんですよ」

上条「…ゴホッ…納得したかビリビ…あー、御坂サン？その手を下してもらえると嬉しいなぁ」

御坂「ふ、ふーん？一応納得はしてあげるわ。さぞや佐天さんの特訓は捗ったんでしょうねえ？」

上条「よし、言ったな？おーい佐天、思い切り今の成果を御坂たちに見せてやれ！」

佐天「はい。…うう、緊張してきた」

御坂（何気にさっきから呼び捨てだし…）

初春「どこまで慣れたんでしょうね、ワクワク、ワクワク！」

御坂「初春さんもテンション壊れないの」

佐天「…………………………………………」ｻﾞｯ

御坂「…………？（てっきり即座に駆け出すとばかり思ってたのに）」

上条「あ、そうそう。伝えとくな。この静寂が２０秒ばかし続くけど、黙ってみてやってくれな？」　ｺｺﾞｴ

御坂「う、うん」

―　シーン　―

初春「…………（なんでしょう、この）」　ｺﾞｸﾘ

御坂「…………（手に汗握る、感覚…！）」　ｺﾞｸﾘ

上条（さんざん不満げだったけど、居合切りの境地に佐天はだいぶ近づいてる、と思う）

上条（呆けるでもなく、かといって焦るでもなく、静と動を使い分けるのが居合切りの原点、なんてな）

上条（いつもの乱切りざく切りを佐天のフルパワーだと錯覚しちまいそうだが、とんでもない）

禁書（な、なんかトウマを彷徨いつつ追いかけてきたらとんでもなくシリアスな場面に遭遇しちゃったんだよ）　ｺｳﾎｳ

佐天（静まり返る中、私は風になる、風になる…一陣の風になる……）

佐天（あんまり暗示掛けると居合切りじゃなくて鎌鼬になりそうだなー…おっと集中集中）

佐天（漫画で言う、『気の流れを感じる、脈の流れを読み取る』…なんてことはできっこないけど）

佐天（自分の集中力が最大値を示す瞬間、ダメージ乱数で１．００を引き当てる瞬間、なーんて）

佐天（とにかく五感全てを駆使して、第六感も連れ込んでタイミングを察知しー）

・
・・
・・・・

―――！！！―――


佐天（想い残さず、振り下ろすっ！！！）　ｽﾞﾊﾞｰｰｰｰｰﾝ!!!!

ドシャーーーーーン……

御坂「…なっ！？」

初春「わあっ！？」

上条「くっ、やっぱ凄ぇよ！１０メートル先の大木が」

禁書「あっという間に『木端微塵』なんだよ！！」

御坂「そ、そういえば以前は直に切り付けた幹を、それも『切断』するだけだったのに！」

初春「凄まじい威力じゃないですか！！すごいです佐天さん！…佐天さーん？」

佐天（ふーっ、成功、かな…クールダウンクールダウンっと）　ｶﾞｸｶﾞｸ

上条「本気で行くと体の負担も馬鹿にならないみたいでな。まあ当然だろ」

佐天「へへ…御坂さん、初春、上条さん…私、やりましたよ…！」　ﾌﾗﾌﾗ

御坂「私、感動した！みんなで佐天さんを胴上げよ！」

佐天「マジですか！それじゃ遠慮なく！！」

初春「ばんざーい！」

上条「ばんざーい！」

禁書「ばんざーいなんだよ！」

佐天「ありがとー、ありがとー！！」




黒子「ジャッジメントですの（怒怒怒）」　ｼｭﾝ

佐天「」

黒子「ガミガミガミガミ」　ｷﾌﾞﾂﾊｿﾝ!!!ﾃﾞｽﾉｫ!!!

佐天「……………………」　　ｾｲｻﾞ

上条「……………………」　　ｾｲｻﾞ

御坂「……………………」　　ｾｲｻﾞｼﾖｳﾄ

黒子「ガミガミガミガミ」　　ｵﾈｴｻﾏﾊｲｲﾃﾞｽﾉ

御坂「…いや、でも止めなかった私にも責任は」

上条「そうそう、もちろん俺にだって責任あるし、だからこそ正座してるんだぞ」

黒子「類人猿さんはそもそも無罪だろうが正座ですの」

上条「治外法権すぎるだろ！」

禁書「おなかがすいたんだよウリハル！」　　ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

初春「う・い・は・る！えーっと、コーヒーと紅茶どちらがいいですか？」

禁書「飲み物じゃおなかは膨れないんだよ！お菓子かご飯がほしいな！」

初春「えー…じゃあベッコウ飴作りますから我慢してください」

禁書「なんだかチョイスが渋すぎるんだよ！？」

佐天「なんということでしょう！弁償として、バイトの稼ぎがほぼすっからかんになりました…」

黒子「むしろ借金せずに済んだことを安堵してほしいくらいですの…全く」

上条「佐天、すまない。俺のせいだ…」

佐天「じゃあ半分弁償お願いしますね♪…って冗談です、泣かないでください！」

黒子「爆音に駆けつけてみればなんとまあ…仕事が思い切りブレーキしましたの」

黒子「これに懲りて、こんな真似はもうしないでくださいまし、類人猿サン？」

上条「俺かよ…へいへい、わかりましたっと」

～ようやく解放～

御坂「…私がお金出そうか？」

佐天「いいですよ、自業自得なんで…。でも、どうしよっかな…今更河川敷に戻るのも」

上条「初春さんも白井に捕まったしな。本当に厄介なことになってるのかジャッジメント」

佐天「まあ私はレベル２、じゃなくてレベル02になるまでは戦力外だし…」

佐天「やっぱり居合切りだけじゃ駄目かなあ…」　　ｸﾞｽﾝ

御坂「ちょっと、佐天さんったら黒子に説教漬けですっかりダウンじゃない！アンタなんとかしなさいよ」　　ｺｺﾞｴ

上条「そんなこと言われましても白井の非難は正論そのものだしさ…無理じゃね？…イタイイタイ、ツネラナイ！！」

禁書「ヘエヘエハヘン、ハーヘーンー！」　　ﾓｸﾞﾓｸﾞ

上条「とりあえず頬張ってる飴を出そうなインデックス」

佐天「…はい、なんでしょうシスターさん？」　ｽﾞｰﾝ

上条「紹介するよ、こいつはごくつぶしポケモンのインデックス、ノーマル・悪タイプだ。
　　　　使える技は噛みつく・噛み砕く・眠る・暴れるだな」

禁書「と、とうま何を言ってるの？」

上条「特性は昔は不思議な守りだったんだが、型破りの俺にいまぶ食らって
　　　　食いしん坊に変わっちまった。酷い話だよな全く」

禁書「わけがわからないんだよ！！」

上条「実は親が上条さんじゃないせいで全然言うこと聞いてくれなくてさ。
　　　　時々通信交換で海外に飛んで行かせたりもするんだが…」

禁書「ガブッ」

上条「いでえええええええっ！！分かった、俺が悪かった！」

ﾄｳﾏｰ!!!　　　ｻﾁｳｽｾﾝﾀｲ、ﾌｺｳﾀﾞｰｰ!!

佐天「…ププッ…ハハハッ、上条さん笑わせないで下さいよー！」　ﾌｯｶﾂ!

御坂「なんでこれで笑えるのかが分からないわ」

禁書「…コホン。私、インデックスっていうんだよ。とうまのところに居候してたりするんだよ」

佐天「訳アリですか？」

禁書「訳アリなんだよ！」

佐天「上条代理人、この発言について一言どうぞ」

上条「ノーコメントで、ただ如何わしいことには一切なってません」

佐天「ほうほう」

禁書「とうまはインターセプトが好きなんだよ。で、言いたいことがあるんだよ」

禁書「私の１０万３０００冊の魔導書……のことは端折るとして」

上条「端折るのかよ！！」

禁書「率直に言うね。…あなたのさっきの舞というか舞踊、素晴らしかったんだよ！」　ｷﾗｷﾗ

禁書「私のこれまでの知識の海の組成物一つ一つに引けを取らないくらい、凄かったんだよ！！」

御坂「それは私も同意ね、ほんと見とれてたもん」

佐天「え、ええっ！…改めて言われると照れるなあ、えへへ」

上条「謙遜の必要はないぞ、あの動きは。俺も深くそう思う」

御坂禁書（ジトーッ）

禁書「…あの一挙一動は、私の完全記憶能力にて、しかと刻み込まれたんだよ」

佐天「わー、完全記憶能力！？いいなー、テストでいつも満点とれそう！」

禁書「そんなことにつかうものじゃないかも！…とにかく、絶対に忘れないんだよ」

上条「まあそれに関してだけはこいつを信用してもいいからな」

禁書「たとえサテン本人が忘れてしまっても絶対に覚えておくから、困ったときは頼ってほしいんだよ！！」　ﾄﾞﾔｧ

御坂「アンタ馬鹿ね、そんなことあるわけないじゃないの…」　

禁書「うるさいよ短髪！私は万が一のケースについて語ってるんだよ！！」

御坂「なんですってぇ！？やんのかゴラァ！！」

佐天「…………うん、わかった！もしものときはよろしくね！」

上条「…………そうだな、期待してるぞ！」

佐天「ういはるういはる、うーいーはーるーるーーーん！」

初春「変な呼び方しないでください！毎度毎度ドイツモコイツモ！」

佐天「…え？う、ういはる？」

初春「ななななんでもないですよー！ニコッ！」

佐天「う、うん。でねでね、とうとう私、Lv02になったんだ！！やっりー！！」

初春「やったじゃないですか佐天さん！おめでとうございます！！」

佐天「居合切りが仕上がってそうだから毎日３回はシステムスキャン検査室に押し掛けた甲斐があったよ！」

初春「ものすっごい迷惑ですよそれ！？そういえば担当者が休憩取れず泣いてたみたいな噂聞きましたよ！？」

初春「というか、そこまで自主的に回数追加すると自費料金がかなり掛かるはずなんですけど」

佐天「いやー、前の件で責任を感じたらしい御坂さんがわざわざ来てくれて担当者に融通利かせてくれたんだよ」

初春「うわ、御坂さんってやっぱり顔が広いですね。常盤台のLv5は伊達じゃないです」

佐天「握手してないほうの手で電撃散らす肉体言語的交渉だったけどね」

初春「」

佐天「で、さっそく初春に見せてあげる！…と言いたいとこなんだけど…」

初春「え、勿体ぶらずに見せてくださいよ、空を飛ぶところ。そーらをじゆーに、とーびたーいなーですよ」

佐天「それがさ、相変わらず居合切りが使えるだけで、一向に飛べないんだよね…」

初春「そ、そんな。佐天さんと上条さんの予想が間違ってたってことですか？」

佐天「…うーん。やっぱり『Lv02』って表示だし、間違ってるはずはないと思うんだけど…どうなってんだろ」

佐天「ここまで来る道すがら、ひたすら『空を飛ぶ！飛べ、私！』って叫んでたんだけど」

初春（…もろ変質者ですよそれ）

初春「これは困りましたね…あ、気を落とさないでくださいね、佐天さん」

佐天「まあレベルが上がったことは喜ぶことだし。…なんか拍子抜けはするけど。ああ残念」

佐天「よーし、上条さんに文句言ってやろー！！」

上条「…うんうん、文句を言いたくなる筋合いはわかる。俺だって謝りたい」

上条「でもですね、何故にせっかくごろ寝できるはずだった休日に連れ出された挙句」

上条「こんな山奥にまで連れてこられなくちゃならないんですか！？」

佐天「いいじゃないですか、中学生とデートですよデーｔ」

禁書「デートじゃなくてキャンプなんだよっ！大勢いるし！そして早く食料を出すんだよ！」

御坂「そ、そうよ！これはデートじゃないの！い、いやデートしたくないとかそういう話じゃないんだけど」　ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ

土御門「相変わらずカミやんはモテモテだにゃー。ま、誘ってくれたことは感謝するぜよ」

青ピ「全くや！こんなフラグメイカーでも役に立つときは案外あるんやで！」

青ピ「木を隠すなら森の中、女の子探すなら上やんの横、やで！」

土御門（まあ、もれなくお手付き同然になる打率が酷いんだがにゃー）

上条「何訳の分からない事言ってんだよ…」

佐天「で、なんでこの場所に遊びに来たかというと」

御坂「忙しい黒子と初春さんをハブるためね、なんて酷い」

佐天「ちっがーう！少しでも高い所なら空を飛ぶが使えるかなって期待したんですよ！」

禁書「高いと言うには学園都市の外の山々にあまりにも失礼な標高なんだよ」

佐天「うっ！？…そ、それに！このあたりは初春が確認済みの遊び山！」

佐天「遊び半分でこんな具合に粉砕しても怒られないって楽しいですよ！」　　ｽﾞﾊﾞｰﾝｽﾞﾊﾞｰﾝ

上条「あ、薪用にいい感じの大きさのピースに切断しまくってくれー」

佐天「あ、はい」　　　ｽﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞｯ

上条「そして積み上げ、ビリビリが火花で点火！」

御坂「御坂美琴だっつの…仕方ないわね。こんな使い方見たら人によっては泣くわよ」　ﾊﾞﾁｯ

上条「おお、御坂の電撃が有益に働くとこを久しぶりに見た」

御坂「ついでにアンタも黒焦げにしてやりたいわ」　ﾊﾞﾁﾊﾞﾁｯ

　　ﾜｲﾜｲｶﾞﾔｶﾞﾔ　　　　ｺﾗｲﾝﾃﾞｯｸｽ、ﾏｷﾏﾃﾞｸｳﾅ!　　ｱﾝｶﾞｲｲｹﾙﾝﾀﾞﾖ!!　　…ﾏｼﾞﾃﾞ?

土御門「…しっかし、どうにも腑に落ちないにゃー」　　ﾓｸﾞﾓｸﾞ

禁書「どしたの？モグ舞夏を連れてこれなくてモグ若干元気のないモグそこのひと？」　　ｶﾞﾌﾞｶﾞﾌﾞ

土御門「うっさいんだにゃー」　　ｿｿｸｻ



土御門「…おいカミやん、カミやんにしちゃ、いやカミやんだからこそ軽率な行動なんじゃないかにゃー？」

土御門「知っての通り、最近は色々と物騒ぜよ。碌に移動手段もない僻地まで俺たちだけでノホホンと来て」

土御門「余りにも嫌な予感がしたもんで慌てて同行させてもらったが、一体何を考えてる？つーか日帰りキャンプとか朝一出発で眠い」

土御門「いくら愛しい？女の子の希望でも断るのが筋ってもんだと警告しておくぜい」

上条「まあ正直お前はそういうと思ってた…」

上条「すまん、土御門。…実は、初春さんにここを探し当ててもらったのは俺なんだ」

土御門「…なんだと？散々不幸だ不幸だと厄介事から無駄に足掻いて逃れようとするあのカミやんが？」

上条「え、あれ？俺って厄介事に立ち向かう主人公じゃなかったっけ？」

上条「えっとだな、正直、佐天の進歩が頭打ちになってるんだ。せっかくLv02になったのに空を飛ぶが使えない」

土御門「はあ…一応話にはカミやんから聞いてるが。それはまあでも仕方ないにゃー。本人の問題ぜよ」

上条「でも、もしここから一気に帰るとするなら、佐天が空を飛ぶを使えるようになるしか道は残されていないわけだ」

土御門「フーン…別の町までひとっ飛び、と。えらく不確定要素があるのはきのせいかにゃー」

上条「でだな。新しい力に目覚めるタイミングって、必要に迫られて本能発動ってパターンが鉄板だろ？」

土御門「…は？」

上条「スキルアウトが本格的に動き出す限界を俺は見定めた。それは今だ」

土御門「…ま、まさかカミやん」

上条「暴れ出すわけがない、でももしかしたら…という絶妙な時期に、スキルアウト活動本格化という偽の情報を伝える！」

上条「白井や初春さんには話を通してある。２人からの緊急連絡を受け慌てる御坂たち！」

上条「その慌てぶりを見て、空を飛ぶを使わなきゃ、と一気に本能的に目覚める佐天！」

上条「ほら、完璧だ！！」

土御門「」

上条「この作戦のために、上条さんはわざわざ必要とされる即戦力のビリビリを陣営に引き込んで隔離しましたよ」

上条「なんか、キャンプに誘ったとき、風邪気味なのかやたら顔が赤かったけど、まあ治ってよかったよかった！」

土御門（この男二重にイカレテやがる…ありえん、ありえんぜよ！？）

上条「どうした、土御門。…ああ、もっともお前の力があれば一瞬でヘリを呼べたりするんだろうけどな」

土御門「いや、スパイってそんなご都合主義ばっかりじゃないから！？なんか怖い！このカミやん怖い！」

上条「どうしたんだよ、しゃべり方おかしいぞ。…あ、スキルアウトを逆利用だなんて不謹慎ぜよーって怒ってるんだな？」

上条「スマンスマン、でもなけなしの頭脳で考えたワンダフルな作戦なんだ、今回だけ見逃してくれよ、なっ！」

土御門（――プチッ…）

上条「…へ？なんか嫌な音が」

土御門「アハハハハ、おーい青ピくん。カミやんを２人でボコれとの天啓が下ったぜよー」

青ピ「モグ…どうしたんや、まあそんなに怒らんと女の子と親睦を深め…」

土御門「縁結びの神様の天啓だにゃー」

青ピ「おいカミやーん、いっちょ戦争やで戦争！前世からカミやんはボコろうと願ってたんや」　ﾀﾞﾀﾞｯ

上条「えっちょ待てお前ら２人…なんでボコられるんだよ不幸だーっ！！！？」

上条（ボロッ）

土御門「ふう、すっきりしたぜい」

上条「なんだよなんだよ、なんだってんだよ…」

佐天「…あのー、大丈夫ですか、立てますか？はい、捕まってください」

上条「あー、なんとお優しいお言葉。あなたが天使に見えて…」

佐天「……」

上条「……聞いてたり？聞こえてたり？」

佐天「それはもうバッチリと」

佐天「まさか上条さんがそこまで考えてくれてたなんて嬉しいですよ、はい！」　　ﾃﾚﾃﾚ

上条「あっちゃー、俺のワンダフルでグレイトな作戦が…」

土御門「『テリブルでオーバーレイトな作戦』の間違いじゃないかにゃー？」

御坂「…あれ？黒子から電話だわ？何かあったのかしら…はいはーい」

御坂「なになに――……え、嘘！？とうとうスキルアウトが大量発生中！？」

佐天「あらら、何番道路の情報でしょうかね」

上条「ものすっごく不幸だ―！！」

上条「…と、言ってる傍から初春さんからの電話ですよ…」　　　pipipi

上条「…はーい、上条さんが出ましたよー」

初春「たたた、大変です上条さん！！スキルアウトです！！」

上条「ほんっと申し訳ない！！作戦が佐天にばれちまって、無意味になっちまった！」

上条「わざわざこんな役まで頼み込んでおいて、上条さんは情けなさで一杯…」

初春「そんなことはもうどうでもいいです！そうじゃなくて、マジでスキルアウトが暴れ出しました！」

佐天「あはは初春、またまた冗談をー」

初春「そ、そこに佐天さんもいるんですね！？ほんとです、嘘じゃないですヤバイです！」

土御門「あっちゃー、誰かさんのせいで最悪の状況になったぜい」

上条佐天「「…な、なんだってーーーー！！？」」

初春「現時点での把握内容を簡潔に言いますね！
　　　　この度のスキルアウトたちは、彼ら自体の能力的には大したことはないようです。
　　　　ただ、裏で何者かに扇動されているというか精神系の干渉を受けているのか、
　　　　各地のシステムをハッキングからコントロール外にしたのを皮切りに
　　　　寸分違わない時刻から一斉に蜂起しているって感じです！」

土御門「蜂起、と例えるとは穏やかじゃないにゃー。いくら暴力上等のスキルアウトと言えど…」

土御門「人目についてまで延々と暴れ回るのは得策じゃないし、今後の動きやすさと天秤にかけて自粛する気がするんだが」

初春「実を言うと、だからこそジャッジメント側としては助かってた部分もあるんですよ！
　　　　捕まってもいいから倒れるまで暴れるなんて輩が大群で来る現状は予断を許しません！
　　　　白井さん曰く、『原因究明は二の次ですの！絶対的に人員が足らないですの！
　　　　とっとと類人猿のところから希望の戦車を至急呼び戻して下さいまし！』
　　　　とのことです！私もフル稼働で調査中です！」

上条「戦車…御坂のことで間違いないな！」

初春「当たり前じゃないですか！正直恨みますよ上条さんー！！」

上条「…土御門の言うとおりだ、最悪の事態になっちまった。不幸で片づけていいもんじゃない、俺の馬鹿野郎！」

佐天「ど、どうしよう…！！まさかこんなことに…！」

御坂「ちょっとアンタ！こっから戻るまでどのくらい？…はあ！？ふざけてんじゃないわよ！」

土御門「ご都合主義とはいかないまでも、一応こちらも手は打たせてもらうぜ！」　pipipipipipipi

佐天「…………私が使えるようにならなきゃ、それしかない」

上条「い、いや、でも…」

佐天「上条さん言いましたよね、不謹慎だけど許せって。ここまで来たら…」

佐天「もう世間が殴りかかってくる一歩手前まで不謹慎になるくらいでいいですよきっと！」

佐天「このピンチをチャンスに変える………………………」

佐天「…………『空を飛ぶ』っ！！！！！！！」　ﾊﾞﾝｯ

禁書「何も起こらないよ…やっぱり…駄目かも」

上条「…うおおっ、諦めんなよ、佐天！お前ならできるはずだ！」

土御門「カミやん、どの口でそれをいうんだにゃー…」

上条「飛べる自分をイメージ！湧いてくる不安・恐れを払拭！」

御坂「アンタ、うっさい！帰る方法を真面目に考えなさいよ！！」

御坂「一刻も早く私も助太刀しなきゃならないのに…！」

上条「頼む、佐天！俺ができることならなんでもするから…頼む！」

佐天（上条さん、泣いてる…！！こんな明るくて優しい人が…）

佐天（でも、どうやって、どうやって能力を…！）

禁書「とうまも無茶なんだよ！飛ぶイメージなんて普通できないから」

禁書「ちょっと待ってね…ふむ、とりあえず…サテン、ちょっと頭貸して！！」

佐天「…痛っ、なんか変な映像が流れてきたよ！？あれ、白井さん？」　ﾎﾞﾜｰﾝ

禁書「前に私が見た、ツインテがやってた空中での空間移動」

禁書「ちょっと強引だったけど、術式に乗せてサテンの脳内に直接流し込んだよ！」

御坂「…アンタ、そんなことできたの？」

禁書「多分違いはいっぱいあると思うんだけど、今は急ごしらえでも模倣してみるといいかも！」

佐天「…やってみます。……浮上……水平移動………降下……」

佐天（重力の扱いとか距離とかずれが激しいけど…全部断片だけど、このイメージで……）

御坂「……頑張って、佐天さん！」

土御門「頑張るにきまってるぜい、いい子だからにゃー」

上条「…いけるか！？」

禁書「みんな、静かにしてあげてほしいかも！脳内回路に凄まじい負荷掛かってる」　ｼﾞﾄｯ!

青ピ（とりあえず代表して言っておくでー。『このインデックス誰や！』）　　ﾄﾞｰﾝ!

佐天「……がはっ！！」

御坂「…佐天さん！！」

上条「…おい、大丈夫か！！」

佐天「あれ…私、今倒れてる……？…く……苦しい……すごい、体の拒絶反応が…！」

上条「もういい、無理すんな！」

佐天「…でも…上条さん、なんだか…変なんです」

上条「…………変？」

佐天「…なんというか…ゴホッ…体に拒絶はされたん…ですけど…」

佐天「…とりあえず大枠の飛ぶ流れを頭の中で作ってみたら…」

佐天「…私、なんだかデジャブを感じるというか、既に使い方を知ってた気がして」

上条（デジャブ？使い方を…知ってた？）

上条（そんなことはあるはずがない、佐天は空を飛ぶを使ったためしがない）

上条（…その認識が、間違ってる？）

上条（使ったはずが使っていない…………）

上条（……………………）

上条（…………覚えたはずが、覚えていない？）

上条（いや、もっと言うなら…………）

上条（…………覚えたはずが、　覚　え　ら　れ　な　い？）

上条（…………居合切りに空を飛ぶ…………まさか！！？）

上条「さ、佐天！ちょっと悪い！！」　　ｶﾞｼｯ

佐天「……え！？」

御坂「この期に及んで、アンタは…！！」

土御門「…何か閃いたみたいだぜい、ちょっと待ってやるんだにゃー」

上条「…………佐天！！」　　ｼﾞｰｯ

佐天「……は、はい！！」

上条「もともとワザが使えなかったところに居合切りが使えるようになったんだ」

上条「ワザの数が０に戻るのはポケ○ンと違って問題ないな！？」

佐天「……は、はい、そ、そうですね。で、そ、それが何か」

上条「佐天には説明したことがなかったが、この幻想殺しを頭に…」　　ﾋﾟﾄｯ

佐天「で、でこれからどうするんですか！？（ドキドキする！！）」

上条「（スウーッ）…………居合切りを、忘れろォーーーーーっ！！！！」

佐天「……は、はいぃっ！！…へ？」


―――キュィィィィン！！―――

上条（うっし、ドンピシャ！！）

佐天「……え！？まさか！『居合切り』！……出ない！？」　　ﾅﾝﾃﾞ!?

上条「インデックス！もう一度これでさっきの奴を頼む！」

禁書「わ、わかったんだよ！！」　ﾊﾂﾄﾞｳ

佐天「…………あれ、さっきより断然頭に入ってくる！痛みもだいぶマシ！」

佐天「…………それでは、いざ……『空を飛ぶ』ーーーーっ！！」　　　――ブワッ↑↑！！！

佐天「うわっ！！…す、すごい！空中で止まった！！」　

御坂「う、浮いてる！完璧に浮いてるわよ５ｍくらい！！」

御坂「アンタ、一体佐天さんに何をやったの！？」

上条「なーに、改めて考えてみれば単純な話だったんだ」

上条「要するに、佐天は『Lv0x』で『秘伝マシン0x』の能力を得たわけじゃない」

上条「『Lv0x』で『秘伝マシン0x』をレベル技として覚える体になったんだよ」

土御門「そうか、理解したぜい」

御坂「全然理解できないぜい」　ﾌﾞｾﾞﾝ

上条「Lv01で佐天は『居合切り』を使えるようになっただろ？」

御坂「うん」

上条「そして佐天はLv02にレベルアップした。『空を飛ぶ』を覚えようとするわけだ」

御坂「ふんふん」

上条「ところが、どうも佐天はポケ○ンと違って、ワザの最大数が『１』みたいなんだ」

上条「そして、その枠はすでに『居合切り』が埋めている。そこに『空を飛ぶ』が入ろうとすると…」

御坂「…『居合切り』は秘伝技だから、レベルアップからの忘却では外せない！」

佐天「つまり、あとから来た『空を飛ぶ』は覚えるのを勝手に諦めてしまう…！！」　　ｽﾀｯ

御坂「で、でも覚えようとする技だって秘伝技よ！？」

佐天「それは大丈夫です御坂さん。アズマオウの滝登りしかりボーマンダの空を飛ぶしかり」

佐天「ポケ○ンの方でもしっかりつじつまは合いますから」

御坂「そ、そうなんだ」

佐天「そして、理屈さえわかれば、居合切りを技忘れで消してしまえば」

上条「技思い出しから空を飛ぶを取り戻せるっていう寸法だ！」

禁書「分からない人にはとことん意味不明な話なんだよ」

御坂「って、薀蓄はもういいわ！急がないと！佐天さん、頼めるかしら！？」

佐天「そ、そ、そういえばどうやって飛んで行けばいいんですか！？」

佐天「まだ、どこに飛んで行けるかすら全く分からないんですけど！？」

上条「……ふっ、そのくらい、上条さんは考えていますの事よ」

上条「ビリビリ、とっとと佐天に捕まれ！」

佐天「…というか背負いますよ、途中で落とすとか怖いですもん」

御坂「…わ、悪いわね佐天さん」

佐天「そんじゃー、『空を飛ぶ』！！」　　　　ﾌﾜｯ!

御坂「…わっ、わっ！怖い怖い！というか落ちそう！！？」

青ピ「し、下着なんて見てへんで！？」

土御門「ふむ、超電磁砲には何の浮遊力も働いてないみたいだにゃー」

土御門「こりゃ運んでもらう側も案外大変だぜい」

土御門「逆に言えば、カミやんも右手さえ佐天に触れなければ」

土御門「他の連中同様には一緒に飛べるってことだにゃー」

御坂「で、さっさとＧＯ！」　　ｷﾞｭｯ

佐天「上条さん、理想の行き先は！？」

禁書土御門青ピ「行き先は？」

上条「確実なのは…………ズバリ、『佐天の自宅前』です！！！」

佐天「アイアイサー！！いざ、『自宅前』へ、『出発』！」

上条「おう、できるだけ高速で行って…」


―――シュパッ！！！―――


上条（振ろうとした手が固まる）

禁書「」

土御門「」

青ピ「」



上条「…………え、『空を飛ぶ』ってマジで目的地に瞬間移動すんの？」

禁書「こーゆーのをチートって言うんだよ、きっと」

―――シュパッ！！！―――

御坂「きゃあああああっ！？な、何が」

佐天「みぎゃあああああっ！え、あ、ちょっ！バランスとれな…」

御坂（…磁場浮遊補助、間に合えっ！！）　　ｸﾞｲｯ!!

キキーッ…バタン！！

御坂「だっ！？」

佐天「ぐふぇっ！？（背負ってる御坂さんの体重まで掛かって超痛い！）」

御坂「…痛ーっ！…でも『ぐふぇっ』はどうかと思うわよ佐天さん」

佐天「……はお、うひまひた…（顔、打ちました…）」

御坂「ご、ごめん、間に合わせられなかったわ」

御坂「一体何が…って、ん、んん？」

佐天「見慣れた街並み…あ、私の家だ」

御坂「おー、ホントに飛べたのね…って」

御坂佐天「「はああああああっ！！？？」

佐天「こ、高速でバビューンって飛んでく必要は流石にあると思ったのに！」

御坂「まあ凄くうれしい誤算だわ！私行くから！ありがとうね佐天さん！」　　ﾀﾞｯ

佐天「あ、御坂さーん！いたたた…あ、そうだ！すいません！！一言だけ！！」

御坂「なぁーにぃーーー？」　　ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ…

佐天「お願いします、ケータイの電源をしっかり入れて、いつでも連絡取れるようにできますかー！？

御坂「大丈夫ー！黒子からの連絡も随時受けなきゃいけないしー！それがー？」

佐天「それならいいです、もう向かっちゃってくださーい！どうせ私は足手まといなんでー！」

御坂「なんかよくわからないけど、それじゃー！！」

佐天「さてさて佐天、追いかけて手伝いできたらいいけど無理っぽいし」

佐天「とりあえず、できることは…適当に放浪かな！れっつごー！」

佐天（とりゃーっ！走れ走れ、ひたすら走れっと！ＨＰ赤なんて気にしない！）

佐天「あ！こんな非常事態に呑気にダベッてる人発見！」

不良Ａ「おい嬢ちゃん、そんなに急いでどーしたの？」　ﾔｱ

不良Ｂ「キミ、結構可愛いね。疲れるだけっしょ、休みなよ。ちょっと暇してない～？」

不良Ｃ「俺たちと一緒に遊ばない？ご飯奢ってあげるからさー」　ﾆﾔﾆﾔ

佐天「すいません、ちょうどいいとこに！」

佐天「体を癒せる所に私を連れていくとしたら、どこがイチオシですか！？」

不良s「」

不良Ａ「…え、なにこのＪＫ…いやＪＣ？誘ってたりすんの？」　

不良Ｂ「大人しそうで実は…とかだったりすんのかなぁ？」

不良Ｃ「くくっ、いやはや、ちょっと驚いたよ。そうだね、一緒に行くとするなら」

不良Ｃ「○×水族館とか◇△遊園地とかが楽しめるんじゃないかなぁ？どう？」

不良Ａ「おい、なんだよそのつまんねえチョイス。というか結構日も傾いてんのに」

不良Ｂ（バカ、これでいいんだよ。いきなりホテルとか流石に引かれるかもだろ）

不良Ｃ（行ったこともほとんどないくせにナンパ目的で色々情報集めてる俺情強）

不良Ａ（それある意味情弱じゃね？）

佐天「あー、できれば楽しいよりかは元気になるような場所がいいです」

佐天「多くの人が昼夜問わず訪れて休んでいくような…なんかないですかね？」

不良Ａ（一応ホテルも昼夜問わず休む奴絶たないよな、やっぱ誘って(ry ）

不良Ｂ（お前一回そっから離れろ）

不良Ｃ「……デパートとかレストランとかの屋内系希望かなー？」

佐天「…うーん、そうでもないような。たまり場って感じでもあるかな」

不良Ｃ「…………キミキミ、そんな意味不明なこと言って、もしや…」

佐天「あ…は、はい？」

不良Ａ（お、切れるか？切れるか？強引に引きずってくか？）

良Ｃ「なんか訳ありっぽいな…全く。ちょっと話してみろ」

不良ＡＢ「なんか姿が変わった！？」

佐天「空を飛ぶで飛んで行けそうなポイントを色々と探してるんです！」

不良Ａ「…なんだよ、頭がイカレてるだけか」

良Ｃ「なるほど、ポケ○ンか。懐かしいな。ちょっと待ってろ…」

不良Ｂ「…やばい、変なスイッチ入ってるＣの野郎」

良Ｃ「ポケ○ンやってるやつに悪い奴はいねーんだよ！」

佐天「うわあ頼んでおいてちょっと結構超怖いです」

上条「…ゼーゼー…よくよく考えたら」

上条「佐天が成功したところで６人まで運べますよーなんてことにならない以上」

上条「残った俺たちは自力で帰らなきゃならないじゃないか！！」　　ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

青ピ「うわっ、カミやんダサすぎるで、まさか気づいてなかったやて、うっわっ！」

土御門「さすが全自動点数割り機のカミの頭脳だぜい」

禁書「３人はいいんだよ！私なんか女の子なのに１人だけ置いてけぼりなんだよ！」

禁書「この落とし前はどうやって付けてくれるのかな！！」　　ｾﾞｰｾﾞｰ

土御門「向こう一か月焼肉三昧強制とかおすすめだにゃー」

上条「いけませんしんでしまいます」

禁書「…それにしても、脳に体に散々酷使して、サテンのことが心配だよ」

禁書「もう切羽詰まった状況でのいざこざは今回限りにしてほしいかも！」

上条「……ひい、なんか俺もどんどん罪悪感がぁ！」

上条「……ん、またまた初春さんから電話ですよ、ちょっと失礼」

上条「はい、もしも『…あ、あのー。上条さん！？』…またトラブルでせうか！？」

初春「いえ、御坂さんはだいぶ前に確認取れました。帰還方法は聞かずじまいですが」

初春「それよりですね、ＰＣにつきっきりで復旧作業やってましたら」

初春「なんだか妙な掲示板が数十分前から急激に伸びてるんですよ」

初春「……………………」　　ｼﾞｰｯ　　ｶﾁｶﾁｯ



なんか学園都市wwやばいことになってるぞwwwいやマジでwww(649)

怪我人溢れてﾍﾞｯﾄﾞが足りないから安価で振るいに掛けるね(251)

幼女を虐めるクズのスキルアウトの情報があったらよこせよォ(151)

なんかご都合主義でみんな調子が出ないかもってミサカはミサカは(386)

類人猿出没注意ですの、見つけ次第現行犯逮捕推奨(4)



空を飛ぶで舞い降りれそうな場所を書くと女の子が降ってくるスレ(493) ←NEW!



初春「……なにこれ」

良Ｃ「ほいや佐天ちゃん、新候補がまた上がってきたぜ」　ﾆﾔｯ

佐天「…す、すごいチームワーク…！こんな短期間で」　　ｴｷｼｮｳｶｸﾆﾝ

不良Ａ「な、なんだよこれ。こんなちっぽけな火種から続々と…」

良Ｃ「俺よ…昔っからポケ○ンが好きで好きでたまらなかった」

良Ｃ「だが、暗い性格のせいで友達もできない、通信交換してくれる人がいない」

良Ｃ「１人で２バージョン買って１人通信が当たり前だったぜ…くくく」

良Ｃ「そんな俺も、wi-fiのおかげで変わった。すれ違い通信のおかげで変わった」

良Ｃ「顔見知りができて、連絡を取り合って、対戦会も開催したりして」

良Ｃ「今や、ネットの世界にはこよなくこのゲームを愛する俺の同志が何百人といる」

良Ｃ「こんな突拍子もないことに電光石火の速さで付き合ってくれる同志がな」

不良Ａ「あっるえ、ゲームの話題に過ぎないのになんかカッコいい？」

不良Ｂ「あ、ああ。なんか圧倒されるというか…」

佐天「ほえー（なんで不良っぽいことやってたのか不思議だあ）」

良Ｃ「ほれ、どんどん試してみてスキルアウトのヤロードモを叩くんだな」

冥土帰し「うーん、ちょっと、いやかなり心苦しいが…病院のキャパ的に限界だ」

冥土帰し「安価してみたこととは関係なく、以後のけが人は断らなきゃならないなあ」

冥土帰し「幸い１人１人の怪我の状態は重症が少ない。できる限りよその病院に…」

ー――シュパッ！ドンッ！！―――

冥土帰し「入口に看板を…あれ？どうしたんだい、君」

佐天「あ、足をヒネリマシター（涙）」

冥土帰し「はあ…？まあ君が最後ってことで面倒見てあげるよ」

佐天（病院、か。まあ自宅以外での初の成功例としては妥当なとこだね）

冥土帰し「…空を飛ぶ能力、かい？」 　　ﾁﾘｮｳﾁｭｳ

佐天「はい！ただ、使えるようになったばっかりでどうも着地が覚束なくて」

冥土帰し「…………折り入って頼みがあるんだけど、聞いてくれるかい？」

佐天「……こちらこそ。ここに飛べた時点で、いろいろと考えてたりはしますよ」

冥土帰し「今話を聞いたところじゃ、病院の中で来れたのはここだけみたいだけど」

冥土帰し「さすがに、これ以上けが人を連れてこられても捌けない」

冥土帰し「ただ、軽傷者が多いということは初期治療だけでもしばらく持つってことだ」

冥土帰し「むしろ、初期治療が最大限に生かせる状況と言える」

佐天「どうせ病院で扱えないくらいなら、ここにある薬や治療器具を拡散させて」

佐天「ポイントごとにエリア自身で対処させてしまおう」

冥土帰し「うんうん、わかってるじゃないか」

佐天（戦略シミュレーションの補給ルート構築と話が一緒だもん）

冥土帰し「今から一瞬だけ総動員掛けて、必要な物を揃えておくよ」

冥土帰し「君はポイントの探索を続けて、発見次第メールで送ってくれ」

冥土帰し「ポイントが拡散に有益だとこちらが判断したら要請するから…」

佐天「探索は中断してここを伺って運搬作業に入ります！」　ｶﾝﾍﾟｷ!

冥土帰し「で、一度の積載限界はどのくらいなんだい？」

佐天「私が一瞬担いで問題なければまず大丈夫！」

佐天「…ただ、重いほど着地ダメージがでかいです…」

冥土帰し「そうか、じゃあいい物を進呈しよう……ちょっと待ってて」

佐天「？？？」

冥土帰し「あったあった、足腰が弱い人向けに開発されたものなんだけどね」

冥土帰し「負担を大幅に改善してくれるはずさ。走力もきっと上がる」

佐天「わあ！ありがとうございます！」

佐天は　ランニングシューズを　手に入れた！

佐天「初春初春、添付データ見てくれたー？」　ﾃﾞﾝﾜ

初春「…なんですか、このマップ」

佐天「学園都市のマップ見れた？見れたね？」

初春「はあ…これが？忙しいんですが…」

佐天「地図上に変なマーカーがついてるとこが、『飛べる』ポイント」

初春「…！！」

佐天「もうカエル顔のお医者さんと協力作業は始めてるんだけど」

佐天「もし、ポイントの近くに人や物を運びたいとか運び去りたいとか」

佐天「そーゆーのあったらドシドシ連絡ね！」

初春「ちょ、ちょっと待ってくださいね…！」　ｶﾀｶﾀｶﾀｯ

初春「…あ！今から言う辺りに、ひと段落した御坂さんがいるはずです」

初春「檄入れるついでに別方面へしょっ引いてください！」

佐天「あ、やっぱりそんな感じの仕事になる？（汗）」

初春「武器やら防御やらよりも今は機動力がほしいんですよ！」

佐天「シュワッチ！！」　ｽﾀｯ

御坂「うおっと、連絡受けて待ってたわよ佐天さん！」　　ﾄﾞｺｶﾉｷｮﾀﾞｲｺｳｴﾝ

佐天「あ、御坂さん。もう来てもらえてたなんて話が早いです！」

佐天「えーっと、どのポイントに向かいま」

御坂「大丈夫、話とポイントを聞いて頭の中でルートプランはまとめあげたから」

佐天「…へ？」

御坂「最初に軽く説明しとくわね？まずここに飛んでこう蹂躙して、そこでまた…」

佐天（さ、さすがLv5の頭脳…現状把握からの最適解が凄い）

御坂「…以上！ふっふっふ、見てなさいスキルアウト、縮地しまくるわよー！」

佐天（……でもこれ超こき使われるパターンだ）　　ﾔﾊﾞｲ

御坂「さあ飛んだ！」　ﾋﾟﾀｯ

佐天「は、はいっ！『空を飛ぶ』！！」　　ｼｭﾊﾟｯ!　　ｽﾄｯ

御坂「おお、着地もカンペキじゃない！じゃあ私行くから！」

佐天「え、あ、あの、私はどうすれば」

御坂「さっき説明したでしょ！ポイント探索しつつ、　３０分後に先のポイントで再合流ね！」　　ﾀﾞﾀﾞｯ

佐天「あー、そういうことかー…ってこれが延々と！？なんとかなる、かな…」

～３０分後～

御坂「お待たせ！いい仕事してきたわ！次はあっち！」

佐天「は、はーい！（医療スタッフ活動とのダブルブッキングきつい）」　　ｼｭﾊﾟｯ

～２時間後、すっかり日暮れ～

御坂「またひと暴れしてきたわよー！次は向こうね！」　ﾆｺｰ

佐天「は、はい…っ」

～６時間後、街灯眩しい夜の街～

御坂「あ、ごめん。ポイント指定間違えた。飛び直して？」

佐天「は、はひ…………」　　ﾌﾗﾌﾗ

～まだまだ続くよすっかり深夜～

御坂「次は…え、初春さん、彼らの分布状況が当てにならなくなった？」　ｹﾞﾝｷｹﾞﾝｷ!!

御坂「仕方ない、適当に何度か飛んでみて密度高そうなとこ探しましょ」

佐天「」

佐天「ちょ、ちょっと休ませてクダサイ」　ｾﾞﾊｰｾﾞﾊｰ

御坂「あ、うん…体力付いたって言ってたから…無茶、させすぎた？」

佐天「そりゃ修業の副産物で運動能力は上がりましたけど」

佐天「御坂さんみたいに延々と動き回れるほどじゃないですよぉ～」

御坂「…でも、ポケ○ンの空を飛ぶってフィールド使用だとノーコストよね？」

佐天「そういえば居合切りも…」



スキルアウトＡ（あ、あいつらなんだな…散々仲間を潰してくれたのは）

スキルアウトＢ（へたって駄弁って油断してる…今が反撃のチャンス！）

スキルアウトＡ（そんじゃ、やりますか…）

スキルアウトＡＢ（（いっせーのー…でっ！！））　　ﾊﾞｯ

御坂「……え？」

スキルアウトＡ「うおおおおおっ！」

スキルアウトＢ「突撃だ、糞がーー！」　

御坂「っく！いくら不意打ちだからって、…Lv.5の御坂様を…舐めるなあっ！」

ビリイイイィィッ！！

スキルアウトＡＢ「「がああ！！」」

御坂「わざわざ叫びながら正面特攻なんて、バッカじゃないの！！」

スキルアウトＡ（効くわけないよなコンチクショー！）

スキルアウトＢ（でもいいさ、勝てっこないのは織り込み済み…所詮俺たちは――囮）


ザンッ！

スキルアウトＣ「見事に注目してくれたよなあ、お二人さん」

佐天「…え――そ…んな……」　ﾎﾟﾀﾘ

御坂「な――」

スキルアウトＣ「ほほう、Lv.5がどうしたって？所詮、視線は１本だっての」

佐天「…御坂、さん、ごめんな……さい……」　ﾊﾞﾀｯ・・・

御坂「……こんの野郎ーーーー！！」

スキルアウトＣ「おっと、どうどう。動くんじゃねえ」

御坂「ぐっ…」

スキルアウトＣ「俺は戦闘力で所詮アンタには勝てん、何一つとしてな」

スキルアウトＣ「その電撃抜きにしても、まああっさりボコられるだろうなあ」

スキルアウトＣ「…だがまあ、アンタが電撃撃つ前にこの子の首を掻っ切るくらいは…できるぜぇ？」

スキルアウトＣ「大事だよなあ、見捨てるわけにはいかないよなあ？」

御坂（ぬかった…私にだけ攻撃してくれれば何とでもなったものを！）

御坂（それに下手に撃ったら…仮に相手の先手を取ったとしても）

御坂（至近距離すぎて佐天さんが無事じゃ済まない……！）

御坂「……何が目的？動けないのを幸いに私に攻撃でもする？」

御坂「言っとくけど、そうなったら佐天さんを見捨ててでも私は抵抗するわ」

御坂「ここで私が倒れでもなったら結局佐天さんは詰むしね」

御坂（佐天さん、ごめん…でも……）

御坂（pipipi…って、こんな時に電話？取れないって！）　pipipipi

スキルアウトＣ「分かってるとは思うが、変に会話とかしようなもんなら」

御坂「細工を疑って佐天さんを攻撃、っていうんでしょう？」

スキルアウトＣ「あ、俺たちの目的についてだがな。本当はボコりたかった、間違いねえ」

スキルアウトＣ「どうやったか知らんが、アンタら２人の超速移動のせいで計画が台無しだ」

御坂「一体何の計画なのよ」　　ｷﾞﾘｯ

スキルアウトＣ「さあな…正直、最後の目だ。可能性は０に近くなったが…」

スキルアウトＣ「まあこの子を殺して逆上させて、というのも逆効果っぽいしな」

スキルアウトＣ「しばらく膠着状態といこうや」　ﾆﾔﾘ

御坂（…そんな相手の思う壺には…させない！！）

pipipipipi・・・ pipipipipi・・・ pipipipipi・・・　　pipipipipi・・・

御坂「何度掛け直してこられても…出られないんだってば…」

スキルアウトＣ「そう、それでいい」　ﾆﾔﾆﾔ

御坂（それにしても…この着信音、初春さんじゃなくて黒子でもなくて）

御坂（アイツ、よね。せっかく電話番号交換し合ったのに…）

御坂（…もっといいタイミングで掛けなさいよ///）

御坂（…………アイツ、妙に戦闘勘あるわよね）

御坂（これだけ掛けて出ない…こっちの異常に気付いてる、よね）

御坂（そのうえで…あえて掛けてたりする？なんのために？）

御坂（こっちが手を離せない状況とアイツが認識してる、と仮定するわ）

御坂（アイツには、私…たちに授ける突破案がある？）

御坂（で、この連続着信で、私が気付いてあげられると信じてる、とか）

御坂（キーになるのは…やっぱり佐天さんよね）

御坂（でも、佐天さんは出血のうえに疲労と衝撃で気絶して…）

御坂（……………………）

御坂「…わかったわよ、お互いじっとしてりゃいいんでしょ！！」　ﾊｱ

御坂「あー、こんなときに黒子がいたらなあ！」　　ﾀﾞﾗｰｯ

スキルアウトＣ「黒子？」

御坂「そーよ、白井黒子。知らないの？Lv.4の空間移動能力者よ」

御坂「若干百合百合しいのが玉に瑕なんだけど、頼りになるんだから」

スキルアウトＡ「あー、そいつなら今頃は…連絡網連絡網」

スキルアウトＢ「こことは真逆方向で奮闘してますぜ？おあいにく様」

御坂「そりゃ、戦力分散せざるを得ない状況だったからね…」

御坂「それにしてもそこまで把握されてるなんてショックだわ…」

御坂「でもほんと、黒子の空間移動はすっごい便利なのよ！」

御坂「ドラ○エでいうならルーラよね！」

御坂「……ポケ○ンでいうなら…あれ…えっと…なんだったけ」

スキルアウトＣ「くっだらねえ、『空を飛ぶ』とか言ってほしいのかあ？」


――ブワアッ！！――

御坂「――ご名答っ！！」

スキルアウトＣ「ふ、振り落とされ…」　　ｸﾞﾗｯ

御坂「いいアンタら、よーく覚えておきなさい…」

御坂「秘伝ワザはね…『気絶』状態でも、使えるのよっ！！」　

御坂「みことの　１０００おくボルトォーーーー！！」　　ﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘｨ――ｯ!!

スキルアウトＡＢＣ「「「訳わかんねぇー！！？」」」


御坂「…ふー、どうやら、接触してる人が指示しても…ワザを無意識に発動できるみたいね」

御坂「…正直、賭けだったけど。…アイツ、ここまで読んでたの…？」

御坂「…………結構ゲーマーなのかしら」　ｿﾜｿﾜ

御坂「とりゃっ！！…えーーっと、佐天さん？気絶してるわよね？」　ﾀﾞｲｼﾞｬﾝﾌﾟ

佐天「」　　ﾌﾖﾌﾖﾌﾖ・・・

御坂「…………悪いけど、カエル医者のとこまで飛ぶわよ」

佐天「」　　ﾌﾖﾌﾖ・・・

御坂「疲労は順調に溜まってるのよね…ホント、御免ね？病院にＧＯ！」

佐天「」　ﾌﾖ・・・　　ｼｭﾝ!!

スキルアウトＡＢＣ（（（俺たち放置かよー！？）））　ｼﾆｶｹ

訂正：　　１０００おくボルト→１０おくボルト

１０００億ってどんだけ強いんだ…

・
・・
・・・
・・・・・・・

佐天（……………………）

佐天（…ここは、どこ？）

佐天（何にも見えない、聞こえない真っ暗な空間）

佐天（…………不思議と恐怖は、感じない）

佐天（あれから…結局どうなったんだろ。私、死んじゃった？ここ地獄？）

佐天（あんなにこき使われて死ぬなんて、不本意にも程があるなー）

佐天（…なんて冗談はさておいて、と）

佐天（誘拐にしろ何にしろ閉じ込められたのなら）

佐天（これが現実だろうと夢の中だろうと、洗脳世界であろうとも）

佐天（なにはともあれ脱出したくなるのが人の性ってやつだよね）

佐天（こうして、わたし佐天涙子は…）

佐天（フラッシュも使わずに手探りでその場を離れるのであった）

佐天（その行く先にあるものは、希望か、それとも絶望か…）




アレイスター「ちょい待てやそこの女」

佐天「しかしまわりこまれてしまった！」　　ｻﾞﾝﾈﾝ!!

アレイスター「ずっと目の前にいるのだが！」

佐天「そうとも言いますね」

アレイスター「そうとしか言わん」

佐天「もー、ちょっとはノッてくださいよー」

★「誘拐された！とか思う人に合わせる筋合いはないね」

佐天（あれれ？心読まれてる？）

★（だってこれ夢だもん）

佐天（ご都合主義かっ！！ネタばれいただきましたー！）

★（まあ、なんだ。ササッと説明するからとっとと目覚めなさい）

佐天（人の夢に入り込めるなんてチートだチート！でもカッコいい！）

★（……シャラップ）

佐天（イェッサー！！）

★（…ズバリ、佐天涙子。君のその能力についていくつか意見したい）

★（始めに言っておくと…正直、君の奇天烈な能力は…）

★（なんというか、重ねて言いたいというか、常軌を逸している）

★（知らないだろうが、上層部はすったもんだの大騒ぎさ）

佐天（…ほえ？マジですか？）

★（大マジだとも。その能力、ポケ○ンとかいうゲームがが元と聴く）

★（それだけでもふさげているが、恐ろしいのは概念だ）

佐天（……概念？）

★（…分からないようなので説明させてもらおう）

★（普通、事象に干渉しようとして、成功するかどうかは強弱で決まる）

★（相手の攻撃をはねのけるには上回るエネルギーをぶつけるべき）

★（物体転移には転移限界スペックが物体を超えるべき）

★（単純明快な話だな…まあ当たり前すぎることだ）

★（そこへきて、君の能力はどうだ）

★（一度使えるようになったらば、木という概念に当てはまれば常に裂き）

★（回復地に飛ぶという概念に当てはまればすべからく飛ぶ）

★（そのときの体調や周囲環境なぞ一切無視だ）

★（気絶してなおそこまで汎用性のある能力、私の知る限り他にない）

★（…幻想殺しは除いて、か）

佐天（幻想殺し？……うーん、なんか記憶があるよーなー）

佐天（まあでも、便利だーって一言で片づければいいんじゃ？）

★（それはさすがに浅はかすぎる、と言いたいね）

★（たとえば、何らかの原因でこの星を木と認識したとしよう）

佐天（この星…地球ですか！？まっさかー、無理無理！！）

★（いや、精神操作で思い込まされたりすれば？）

★（そして、君の意識だけでなく能力自体も『地球は木だ』とみなしたら？）

★（君が一声かければ、次の瞬間地球は『斬れる』ことになる」

佐天（いくらなんでも言いがかりですよ…）

★（その『言いがかり』という言葉は、常識が当てはまる人しか）

★（残念ながら口にすることはできない、ということさ）

★（言ってみれば、条件を満たしたとき、君の体には…）

★（無限大の干渉力が発生する…といえば流石に怖気づくだろう？）

★（本当にゲーム通りの状況でしか作用しない、というのは）

★（現実世界では確かめようがない）

佐天（そりゃ、ゲームが元ですもん。不可解なことはありまくりですよ）

★（極端な例を出したのは詫びよう。だが心に留めておいてほしい）

★（その能力、君の予想の遥か上というくらい危険因子だということを）

★（特に、ゲーム内でできないようなことを『応用してやってみよう』というのは）

★（成功してしまった代償に何が起こるか分からないから…あとはわかるね？）

佐天（遠隔居合切りとか、ですか？）

★（あれを改めて観察させてもらったときは全く肝を冷やしたよ）

★（そのうち、君が思い込んでいれば鉄塔でもスパスパ切りそうだ）

佐天（うぐ…もうしません）

佐天（…あれ？応用しない分にはこれからも使っていいの？）

佐天（てっきり封印させられるとか思いだした頃なんだけど）

★（ま、普通に？使う分には使えそうだし面白そうだしいいんじゃない？）

佐天（案外テケトーだなオイ）

★（そんじゃ、そろそろ…）　ﾎﾞﾝｯ

佐天（なんかハンマー出てきた！？）

★（いや、狙って出したつもりはないけど）

★（叩かれて夢から醒めるとしたら？という質問への答えが）

★（私の手に現れただけさ。ふむ、君にはハンマーに見えるのか）

★（ちなみに私には血塗りの鉄パイプに見える）

佐天（その情報いりません）

★（忍びないけど、お別れだ。頭１発ボコらせ、いや叩かせて）

佐天（今ボコるって言った！絶対言った！）

佐天（あ、せめて１つ！結局あなたは誰なんですか！！）

佐天（名前教えてくれると嬉しいなっと！ついでに住所とか職業も）

★（私の名前は…………アr） ﾄﾞｶｰﾝ!!!

佐天（みぎゃーーーーっ！！）

佐天「みぎゃーーーーっ！」　　ｶﾞﾊﾞｯ

上条「！！」

禁書「目が覚めたんだよっ！！」

御坂「佐天さんっ！よかったーー！もう大丈夫よ！」

佐天「…へ、あれ、ここどこ？…知らない天井だ」

佐天「よく見たら私ベッドで寝てるし！なにこれ！？なにこれ！？」

初春「ぐずっ…ここ、病院ですよ、佐天さん、運ばれてきたんですよ！」

御坂「そそそそうよ、運ばれてきたのよ！！」

上条佐天（（ジトーッ））

御坂「すいません佐天さん自身で飛んできましたはい」

カエル医者「うん、やっと目を覚ましたみたいだね、峠は越した」

佐天「あ、あなたはお医者さんのカエル…このたびはどうも」

カエル医者「せめてカエルのお医者さんと言ってほしいんだけどなあ…」

カエル医者「いや、お礼はこちらがすべきだね。この度は有難う」

カエル医者「君の勇気ある行動が大勢の怪我をした人々を救い…」

御坂「大勢のスキルアウトを無事に殲滅させることに繋がったのよ」

上条「俺の不手際を擦り付ける形になっちまった…だから、俺からも」

「「「本当に、ありがとう！」」」

佐天「……そっか、よかった」

佐天「なんだろう、能力でみんなが喜んでくれるって」

佐天「……こんなに、うれしいこと…だったんだ…」　　ｸﾞｽﾞｯ

上条「…ああ、そりゃそうさ。佐天、色々と大変だったんだな」

佐天「…はい――」

御坂（うがーっ、こればっかしは佐天さんを祝福できないわ！）　ﾋﾞﾘﾋﾞﾘｯ

禁書（放電は味方も巻き込むんだよ！？私に当てないでほしいかも！）　ｲﾀｲｯ!!

カエル医者「…さて、感動を分かち合ってるところ済まないが」

佐天「…はい、なんでしょう」

カエル医者「いい報せと悪い報せと凄く悪い報せがある。どれから聞くかな」

佐天「じゃあ、真ん中の悪い報せから」

カエル医者「…えっとだね、君が気絶中に知り合いがやってきてだね」

カエル医者「君と話がしたいとか言って夢に入り込んだらしいんだ」

カエル医者「しばらくはもしかしたら後遺症で眩暈吐き気が出るかm」

佐天「知ってます！！えと、えっと…『アルセウス』！」

カエル医者「…え？」

上条「…！！なんてこった、佐天大丈夫だったか！！？」

御坂「アンタ、そのアルセウスってのと知り合いなの？」

上条「当たり前だろ！お前知らないの！？神だぞ神！」

御坂（上層部における通り名かしら）

上条「もし本気出されたら、Lv.5全員で挑んでも1秒で塵になるぞ！」

御坂「……嘘」　ｱｾﾞﾝ

上条「まさか、こっち（現実世界）に干渉してくるなんて…！」

御坂「そ、そんなやばい奴が向こう（学園都市外）にいるわけないじゃない！」

御坂「ねえ、嘘って言ってよ、ねえってば！！」

カエル医者「」

佐天（面白いから放置しよう）

ｹﾞｰﾑﾉﾅｲﾖｳﾃﾞｽｯﾃ!!　ﾌｻﾞｹﾝﾅ!!　　ｽﾝﾏｾﾝｯｼﾀｰ!!　　ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ

カエル医者「…ははは、気を取り直して、と」

カエル医者「次はどっちを知りたいかな？」

佐天（あるぇ、本当の名前教えてくれないんだ！？）

佐天「えっと、じゃあいい報せ！！」

カエル医者「ふむ、じゃあこれを見るといいよ」　　ﾍﾟﾗｯ

佐天「…ん？診断書…じゃなくて検査結果？システムスキャンの？」

カエル「おめでとう、君はもうLv.3…じゃなかった、Lv.03ということだ」

佐天「ほーほー、やったー」

カエル医者「……あれ、あんまり感激してないね？」

佐天「いやー、あんだけ飛びまくったらと考えると割と予想できたというか」

佐天「あと、空を飛ぶの便利さに比べれば水辺限定の波乗りなんて…」　　フッ

カエル医者「なんだかどこからともなく糾弾の声が聞こえるよ？（汗）」

カエル医者「まあそういうことなんで、私は業務に戻るとするよ」

カエル医者「何かあったらコールを頼むね」

佐天「了解しましたー！って、ちょっと待ったー！！」

佐天「肝心の最強最悪の報せをまだ聞いてません！！」

カエル医者「…………いや、考えてみたら必要ないかも」

カエル医者「すぐにわかることだと思うし、ねぇ？」

カエル医者「自分の脚を見てみれば一目瞭然だよ？」

佐天「葦？芦？ああ脚…ん？ん？んんん？」

脚「このギブスきついなあ」　ﾎｰﾙﾄﾞ!!

佐天「」

カエル医者「能力使いすぎ、脚酷使しすぎ。以上」

カエル医者「使用時は痛みだけでも、しっかりダメージは蓄積されてるようだ」

カエル医者「姉○物件に各階ダイナマイト仕掛けた感じでボロボロだったよ」

カエル医者「……全治３か月ね」

佐天「…………ふ、不幸だーーーーーーっ！！！」

チュンチュン…チュン……

佐天「ごきげんよう、佐天涙子です」

佐天「青春真っ只中の中学生…のはずですが絶賛療養中」

佐天「……はぁーーーー」

佐天「暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だひまひまひまひまひま」　　ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

佐天「遊びたい美味しいもの食べたいおしゃべりしたい暴れたーい！！」

ゴキッ！

佐天「――アウチッ！！？」　　ﾁｰﾝ

初春（何やってんだこの人）　　ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ

佐天「…あ……ういは…る…死ぬ前に…逢えて…よかっ…た…」　ｶﾞｸｯ

初春「御坂さんご出資、お見舞いの超高級メロンですよ、食べますかー」

佐天「食べる食べる！！」　　ｶﾞﾊﾞｯ

佐天「いやー、食事制限がないのは不幸中の幸いだよ」　　ﾍﾟﾛﾘ

初春「私が１切れ食べる間に７切れ食べるってどうなんですか！？」

佐天「あっははー、何千円くらい食べたかなー」

初春「もう、佐天さんったらー」

佐天「ははははは」

初春「ちなみに桁が２つほど足りません」　　ｵｲｼｶｯﾀ・・・

佐天「すいません時間巻き戻してください」

初春「無茶言わないでください」

佐天「」

佐天「いいもんいいもん、退院したら自分で買うもん」

佐天「御坂さんから大金貰ったし～？」

～回送～

禁書「…要するに、短髪が無茶させたからサテンは３か月寝たきりなんだよ」

御坂「――ううっ！反論できない…」

禁書「たとえ、たとえその気はなくても立派な傷害罪なんだよ」

禁書「トウマに日々電撃食らわせようとするあたり常習犯かも」

上条「いや、そこまで言わんでも。つーか噛み砕くお前が言うな」

御坂「…わかってるわ、当然償いはさせてもらう」

御坂「お金で返すくらいしかできないのが自分でも酷いと思うけど」

～回想（続）～

佐天「そういえば、御坂さんお金持ちですからねー、すっごく」

御坂「まあLv.5の働きで色々と…ね。佐天さんのためだし、可能な限り応えるわ」

佐天「じゃあ入院費とは別に１億円！」

上条「こらあ佐天っ！いくらなんでも無茶言うな！！」

御坂「え、それだけでいいの？佐天さんって無欲ね…」

上条佐天「「……え？」」

御坂「それで満足してくれるのなら、喜んで払わせてもらうわ」

上条佐天「「」」

御坂「ちょっと下ろしてくる！！」

佐天「だああっ！ストォーップ！！」

佐天「私の口座って１千万超えると超過分捨てられる謎仕様なんで！」

佐天「やっぱ９９９万９９９９円になるまでの差額でいいです！！」

るいこ　　　　　　おこづかい　　　９９９９９９９　円
　　　　　　　　　　ちょきん　　　　　９９９９９９９　円

佐天「さすがに１億は良心が痛んだ、うん」

初春「…それでもオソロシイ大金ですね」

初春「って、何気に２０００万取ってるし！！」

佐天「とりあえず、このお金をさっそく使って…」

佐天「初春、ジュース買ってきて！釣りはくれてやる！」

初春「お釣り抜きで喜んで買いに行かせていただきますけどね…」

初春「とりあえず、引き出しに現金１０００万も入れとくのやめましょうよ！？」

佐天「いや、手元に置いておかないと負けな気がして」

初春「何に！？」

佐天「２００円でＨＰ５０回復しそうなやつ買ってきて―！」

初春「１５０円でＨＰ１０回復したら御の字のやつ買ってきまーす」

初春「はい、買ってきまし…た？」

患者女「じゃあお願いできるかしら…新鮮な作風を試してみたくて」

佐天「はいはいっと！…生け花かんせーい！！」　ｽﾊﾟｯ

患者女「―まあ、まあ！素晴らしいわ、私の腕も刺激されそう！」

患者男「こっちも頼んでいいかね？」

佐天「とりゃさ！どうでしょうおじいちゃん！」　ｽﾊﾟﾊﾟｯ

患者男「ほっほー、こりゃ見違えた！ワシの盆栽が生き返ったわい！」

佐天「いえいえ、もとからいい仕事してますねーって感じの出来でしたよ」

子供「ねーねーお姉ちゃん、このお花、花瓶に綺麗に飾って！」

佐天「お姉ちゃんにまっかせなさい！最高に可愛らしくするからね！」

佐天「…と思ったけど、菊の花はないわー。ないわー。花屋に買い直し」

子供「えーー、お姉ちゃん酷いよ！」

佐天「アンタの方が酷いわ！ここは日本じゃぁー！」

初春「なんか賑やかなことになってますね…」

佐天「あ、初春おかえりー。ちょっと立て込んでる」

初春「そういえば上条さんに頼んで、居合切りを覚えなおしたんですよね？」

佐天「うん。どのみちこの脚じゃ空を飛ぶは使えないし」

佐天「気まぐれに佐天園芸店を開店して患者さんとかに喜んでもらってるんだ」

初春「へー、素敵なことじゃないですか！」

佐天「…なんというか、さ。威力じゃなくて、精密さの特訓にもなるかと」

初春「あは、一応打算もあるんですね」

佐天「今の私って腕を振り下ろすことくらいしか動く余地がないからねー」

佐天「なんかそのおかげで神経も一層研ぎ澄まされておりますよ！」

初春「うーん、ベッド近くにあんまり植物もってこさせるのは衛生的に」

佐天「初春は堅苦しいだなあ、禿げるよ」

初春「別にこの花飾り、禿げ隠しじゃないです！！」

初春「ところで佐天さん、Lv.03になったってことは」

佐天「うん、一応は『波乗り』が頭の中に『隠れ記憶』されてるはず」

初春「波乗り、ですか。とりあえず川や海で退院後に試してみましょうか」

佐天「そだねー。そういや、退院するころには夏…」

佐天「…にサヨナラバイバイしてモロに秋じゃん！！」

初春「そりゃあ夏だからこそ森の中でキャンプできたんでしょう？」

佐天「細かいこと気にすると禿げるよ」

初春「禿げませんってば！！あ、試験とか大丈夫ですか？」

佐天「あー、なんか怒涛のレベル上げが評価されて免罪符もらった」

初春「うわずっこいです」

佐天「秋に水辺…うーん。いいスポットあるかなあ―」

初春「あくまで遊びの一環なんですね、佐天さんらしいです」

「from : 佐天涙子
　sub　: 今日も今日とて病院なう

　とうとう夏休みも終わっちゃいました。初春の体験記が憎い佐天です！
　皆が青春謳歌する中、貴重な体験をさせて頂きました…グスン。
　さーてところで、近日中に病院に寄ってもらうことってできますか？
　シスターさんも一緒なのが前提ですが」

上条「おーいインデックス、こんなメールが届いたんだが、どうだ？」

禁書「まだモグ朝ごはんモグ食べてるモグ途中かモグモグ」

上条「よーし分かった、冷蔵庫の昼ご飯は俺用に全部弁当で持ってこ」

禁書「もちろんしっかり聴くんだよ！早く吐くんだよ早く早ぐふ！？」

上条「とりあえずお前が喉に詰まらせた物を吐き出そうな」　ｾﾅｶﾀﾀｸｿﾞｰ

上条「で、佐天からメールがだな」　　ﾎﾚﾎﾚ

禁書「……私もってことは、やっぱりヒデンワザとかいう奴の話じゃない？」

禁書「じゃなきゃわざわざ邪魔者呼ぶことないし」　ﾂｰﾝ

上条「は？何が？」

禁書（病院で暇を持て余しているとはいえ、結構な頻度の電話・メール数）

禁書（サテン本人が自覚してるかはさておき…『グレー』なんだよ）

禁書（うーん、またライバルが増えたかも…トウマは相変わらずだけど）

禁書「なんでもないんだよ。じゃあ、放課後に病院前待ち合わせでＯＫだよ」

上条「うっし、じゃあ今日大丈夫ってことで返信しとくぞー」

～放課後、病院～

上条「リハビリ用温水プール…なるほど、その手があったか」　

佐天「波乗りの初歩ステージとしてはおあつらえ向きだと思いません？」

カエル「とりあえず、しっかり水から保護して、だけどね」　ﾀｲﾍﾝﾅﾝﾀﾞﾖ?

カエル「素直にあと１か月待って完治してからにすればいいのに」

佐天「わたし、せっかちなのが取り柄なんで！」

上条「おいおい、防御大丈夫か？」

佐天「気合いがあるので関係ありません！」

上条佐天「「ＨＡＨＡＨＡＨＡＨＡ！」」

禁書「置いてきぼり酷いかも！？」

禁書「それにサテン、いいの？要するに、水着姿見られるんだよトウマに」

佐天「…！？お、おう、そ、それは盲点でした」　…ﾁﾗｯ

上条「あ、ああ、そうだな。佐天、技の入れ替えだけ済ませて」

上条「俺は普通に帰ることにするわ。後で結果教えてくれ」

禁書「『いやー、でも佐天の水着姿、ぜひ目に焼きつけかったなグフフ』」

上条「……………………チョップ」

禁書「痛い！！トウマが虐めるー！」

上条「勝手に捏造した台詞を投下するんじゃありません！」

禁書「……捏造なのかな？」　ｼﾞﾘｯ

上条「……………………ソリャソウサ、バカダナァインデックスハ」

佐天「うううう…………」　　カァァ

上条「土下座するんでその恥ずかしげな表情はおやめになって！？」

佐天「い…いえ、どーぞどーぞ思う存分見ていってください」　　ｸﾞｯ

禁書「え」

佐天「よくよく考えてみれば、保護目的もあって露出面積も少ないし？」

佐天「まー、いいんじゃ…ないですか？」　ﾁﾗｯ

佐天「それにですねー、不幸続きの上条さんに」

佐天「少しくらい役得があってもいーかなーって…てへ」　ﾄﾞｷﾄﾞｷ

上条「ええ子や…佐天ええ子や…」

禁書「状況が状況なだけにトウマが凄くダメエロ男に聞こえるんだよ」

禁書（あと、サテンはトウマのラッキースケベ能力を舐めてるんだよ）

佐天「着替えましたっ！！」　　ﾊﾞﾊﾞｯ

上条「到って健康的なスクール水着だな！」

佐天「しかし通常なら覆われてない部分までガッチリですよガッチリ！」

佐天「全くエロくなくてすいません上条さんー」　ｱ､ｱﾊﾊ

上条「あはは、そーだなー」

上条（といーたいとこだが、スタイル自体は隠せてないし）

上条（ぶっちゃけ、高校生の上条さんにとっちゃ十分エロいですぞ！）

禁書「トウマがサテンの体を見て鼻息荒い、と短髪に伝えt」

上条「さあさあ、とっとと検証はじめるかー」

佐天「おーーーーっ！！」

禁書「むうーー、やはり胸か、胸なのか」

カエル「貸し切りはせいぜい１時間だからある程度急ぐんだよー？」

佐天「ではさっそく」　

技忘れ「幻想殺し…大成功！佐天は居合切りを忘れたぞ！」

技思い出し「完全記憶…記憶？ま、いいや。サテン、波乗りを覚えるよっ！」

キーーーーン……

佐天「あがが、いつまでたってもこの頭の痛みには慣れない…」　ｲﾀﾀ

佐天は　波乗りを覚えた！！

佐天「それでは！プールに向かって！『波乗り』いっけー！！」　　ﾄﾋﾞﾀﾞｼ

禁書「え、ええっ！色々確かめてからの方が」

上条「お、おい、無茶すんn」

――ゴツンッ！！！！！――

禁書「え」

上条「へ」

佐天「……………………」　ﾌﾟｶｰ

上条「…し、死んでる」

上条「おーい、佐天？おーーーーいっ！！」　

佐天「……………………いっつー…なんでこんなに痛いの…？」

禁書「頭をモロに水面に叩きつけたんだよ」

佐天「…そっか、もっとゆっくり…」　ｵｷｱｶﾞﾘ

佐天「……？？」　ｺﾝｺﾝ

佐天「…………水面って手を付いて体重掛けれるほど堅かったっけ」　ﾖｲｼｮ

佐天「って、水の上に突っ立ってる。なーるほど、こーなるのね」

上条「某忍者漫画みたいだな」

佐天「水を地面と認識して移動できるのかあ…って」

佐天「『波乗り』って言い方にはえらく語弊がありますよ、詐欺だ詐欺！」

佐天「上条さん、何か重し、私に貸してくれませんか？」

上条「？？ほい、どーぞ」　ﾎﾟｲｯ

佐天「……私が水中に物を落とすと？……普通に沈んでく、と」　ﾎﾟﾁｬﾝ

佐天「間違って落としたら私取りに行けないじゃん！！」　　ｶﾞｰﾝ

禁書「波乗り止めればいいんじゃないのかな？」

佐天「切れろ、切れろ…………やっぱり無理」

佐天「多分、どこかまで『渡りきって』自然解除させるしかない」

上条「ダイビングェ…空を飛ぶの後だとむっちゃ不便に見える」

佐天「全く同感…って、言わないでくださいよ！！」

佐天「だいたいなんですか、私って技１つだけでしょ？」

佐天「波乗りしてたら、自動的に『ダイビング』も『滝登り』もでk」

――――ザバアアァン！！！！　↓↓↓

上条「」

禁書「」

佐天「」　ﾌﾞｸﾌﾞｸ

佐天「…なにこれ、え、ええっ！？ってか苦しくないっ！！」　ｷﾗｷﾗ

禁書「ど、どういうこと？」

上条「そうか、秘伝マシン06以降は割り振られないと思っていたが…」

上条「水系統は全部セットか！！こりゃ中々価値が上がったぞ！！」

・・・
～秋～

佐天「完治しましたっ！！」　ｼｬｷｰﾝ

初春「おめでとうございます佐天さん！」

佐天「さて泳ぎに行こう！！夏真っ盛り！！」

初春「……秋ですからね？とっくに秋ですからね？」

佐天「細かいこといいのっ！初春、波乗りを見せてあげるよ！」

初春「うん、ちっとも細かくないですよね。風邪ひきますよ」

初春「それに、波乗り自体は病院のプールで一度見ましたよね！？」

初春「思い切り試してみたい気持ちは分かりますがシーズン考えてくださいってば」

佐天「いーじゃん、海でも川でもいいから！！」

初春「私は遠慮しまーす、すいません♪」　ｺﾞｺﾞｺﾞ

佐天（あ、怒りのツボに入ったっぽい）

佐天「初春はパワー全開になった！なんちゃって」

初春「？？？……腹太鼓、ですか？よくわかりませんが」

初春「こういうときこそ、あの人誘えばいいんじゃないですか？」　　ﾆﾔ

佐天「…へ？」

初春「上条さんですよ、上条さん。面倒見のいい御方ですし」

佐天「え、ええっ！？それは、ちょっとなぁ？」　　ｱﾀﾌﾀ

佐天「そこまで遠出するなんて、デートみたいじゃない、あはは」

初春「……あー、佐天さんはばれてないと自信満々なのかもしれませんが」

初春「好きなんですよね？上条さんのこと」

佐天「……はいいっ！？え、ちょ、ちょい待ち！」

初春「それは突拍子もないこと言われたからですか？図星、だからですか？」

佐天「…………」　

佐天「…………いつ、から？」　　ｶｧｧ

初春「いやいや、大抵の人は分かると思いますけど」　ﾔﾚﾔﾚ

初春「というか、佐天さんのせいで御坂さんの機嫌が悪いんですよ！」

佐天「へ？どういうこと？」

初春「…………なんでもないです、はぁ」　　ﾒﾝﾄﾞｳｸｻｲ・・・

初春（私としては御坂さんの恋路を邪魔したくはないのですが）

初春（御坂さんにも何度かけしかけてみて今の状態ですし）

初春（公平性保つってことで佐天さんの背中押してみますか）

初春「とにかくですね、上条さんに連絡して」

初春「海にでも川にでも好きなようにデートしに行きなさいな♪」

初春「そもそも、上条さんの知識（※ポケモン）は今の佐天さんにとって…」

初春「もはや欠かせなくなっている気がしますよ？何かと都合がいいでしょう」

佐天（シスターちゃんもいないと技入れ替えはどのみちできないんだけど）

佐天「……………………よ、よし！わかった！」

佐天「佐天涙子、頑張ってみる！！」　　ﾀﾞﾀﾞｯ

初春「いってらっしゃーい、頑張ってくださいねー」

初春「…………ふう。いい仕事しました」

初春「……そういや、夏は終わり秋となり」

初春「そろそろ台風のシーズンですね……」　　ﾄﾞｳﾃﾞﾓｲｲｶ

上条「おい佐天、お前は『ハイキングに行きませんか』と誘ってきたよな」　ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

佐天「そうですよ、秋でもハイキングなら問題ナッシングですね！」　　ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

上条「うんうん。そうだな。そう思って俺も即ＯＫを出したわけだ」　　ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

佐天「あ、ありがとうございます！！」　　ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

上条「でも疑問だったんだよ。ハイキングに水辺の要素なんてあんましない」　ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

上条「能力確かめたいって真っ先に言い出しそうな佐天らしくない」　ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

佐天「ですよねですよねっ！！」　　ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

上条「まあでも集合してから開始１分で謎が氷解しましたよ」　ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

佐天「ほうほう！」　　ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ


上条「…………どうして俺たちは川を走って遡っているんだあっ！？」　ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

Lv.03対応　：　波乗り
水をはじめとした十分に液体とみなせる物質上を地面扱いにして行動できる。
泥水、油などでも汚れなどの付着を受けない。　気絶しても沈まない。
また、上での行動すべてが効果発動範疇に入るので疲労を起こさない。
触れていると判定されたものは発動者と同じ作用を受ける。
付随して、一切汚れず息も切れず潜っていられる『ダイビング』、
水面の傾斜の影響を受け付けない『滝登り』、
水の回転系流れを止める『渦潮』を使用することが可能。