さやか「恭介のお父さんが参議院選挙群馬選挙区に出るんだってさ」 (46)


ほむら「(巴マミは死んだ、魔女の餌食になって―――)」

ほむら「(この時間軸では選挙の時期がワルプルギスが来る10日前にやるみたいね)」

ほむら「まぁ、中学生の私には関係ないことだわ」

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―――――――――

さやか「返せよ、それはマミさんのだ」

ほむら「あなたたちに触れる資格なんてのないものよ」

まどか「ほむらちゃんは、こんな悲しい思いをいっぱいしてきたの」

ほむら「…数えきれないほどにね」

まどか「マミさんはこんなふうになっちゃうために戦ってきたっていうの?」

ほむら「そういう解釈で構わないわ」


さやか「そういう解釈ってどういうことだよ、転校生」

ほむら「巴マミが契約した理由について何も聞かされてないのかしら」

まどか「…うん」

さやか「それとなんの関係があるってのさ」

ほむら「巴マミは結果的に魔法少女にならざる負えなかったってことよ」

さやか「マミさんのことわかった気になるな」


ほむら「巴マミの両親は東証一部の大企業の経営陣だった」

ほむら「そのせいで、巴マミはあまり面倒を見てもらえなかった」

ほむら「さらにひとりっこの巴マミは友だちの輪に入るのも苦手でずっとひとりぼっちだった」

まどか「マミさん…」

ほむら「巴マミの両親は彼女を元気づけようと、休暇をもらって一緒に旅行に行くことにした」



ほむら「巴マミの実家がある前橋から別荘がある軽井沢まで日帰りで旅行に行った」

ほむら「軽井沢まで1時間ちょっとあれば着くぐらい」


ほむら「巴マミの家族は目的地に向かいながら幸せな時間を過ごしていた」



 幸せな時間を過ごすはずだった―――――




ほむら「そんな白昼の休日に大参事が起きた」


ほむら「巴マミの乗っていた車の目の前にダンプが飛び出してきた」

ほむら「ダンプが中央分離帯を超えてきたときには、もう手遅れだった」

ほむら「季節は行楽シーズン、渋滞はしていなかったもののいつもより上信越は明らかに混雑していた」

ほむら「救急車の到着は遅れていた、さらには近くに大きな病院もない」

ほむら「高速道路も事故で動かない…最悪の状態だった」

さやか「なんでそんなこと、知っているのさ…」

ほむら「巴マミを知ってる魔法少女から聞いたのよ」

まどか「それでマミさんは契約したっていうの」

ほむら「そう…」

恭介もマミさんも結局は医療が充実してれば助かった
私には何もできないのかな

そういうもどかしさを抱えながらさやかは病院へ向かった


恭介「さやかは僕をいじめているのかい―――」

恭介「僕の手は、奇跡や魔法でもない限り治らない」

恭介「僕の父親が選挙に出るんだってさ」

恭介「選挙になんか出てもヴァイオリンはひけるようにはなれない」


恭介の父親は地域医療の充実と医療技術の発展、
小児科、外科の充実などを掲げで無所属で出馬

しかし、群馬は日本一の自民王国…
メディアへの露出も、政治的な知識も少ない
シロウトである恭介の父親がこの選挙区で勝てるわけがない
政党にも入ってないため比例でも出馬できない

結果は目に見えていた…

くぅ疲(ry
ひとまずここで休憩

むしろ一太が落ちる方がありえんくらいだもんなグンマーは


恭介父「私に清き一票を」

一般人「誰?あのひと」

恭介父「群馬に医療を」

一般人「群馬大が元医科大なんだから充分だろ、なにいってんだこいつ」

さやか「私は何もできないのが残念だな」

まどか「今は上条君のお父さんを応援しようよ」

さやか「そうだね」


>>13
そんな感じだよね


ほむら「上条恭介の父親が議になるかならないかで、美樹さやかの運命が変わる」

ほむら「美樹さやかが仮に上条恭介の父親のために契約した場合、絶望する可能性がある」

ほむら「仮に上条恭介の父親のために美樹さやかが契約しな勝った場合」

ほむら「上条恭介の父親は負けられない」

ほむら「上条恭介の父親が負けた場合、無所属のため選挙費用は自費になる」」

ほむら「上条恭介の父親(もう略してKF(KAMIJO’S FATHER)でいいわ)が借金を抱えることになる」

ほむら「上条恭介も家の財政難で今よりももっと悪い医療を受けて、手どころか足も動かなくなりかねない」

ほむら「そんな状況で美樹さやかはどう行動に出るか予想はつく」



ほむら「この状況から美樹さやかを契約させず、まどかの契約の動機を減らさなくては」

ほむら「美樹さやかを契約させずに自民王国の群馬でKFを勝利させるのは不可能」

―――――不可能って言っちゃワルプルギスにも勝てないんじゃないかしら

まどかを守るために頑張ってきた…これたんじゃないかしら―――



ほむら「そして、私自身にもKFに選挙に勝ってほしい理由がある」


―――今まで病院で寝ていた時間がどれだけ無駄かを思い知ったから


ほむら「私だって、もっと遊びたかった」

ほむら「今はこんな冷めた人になってしまったけど」

ほむら「そうね・・・やっぱり、どんな手を使ってでもKFには勝ってもらわないと」

ほむら「巴マミもKFに勝ってもらえれば少しは報われるわ」

ほむら「作戦名は…上条恭介父親参議院議員当選作戦」

ほむら「漢文みたいで長いわね」

ほむら「今回はティロ・フィナーレみたいな路線で行こうかしら」

ほむら「Kamijo Kyosuke's Father Be Councilors」

ほむら「これも長いわね、じゃあこれでいいわ」


ほむら「KFC作戦」

ほむら「これで巴マミも気に入るわね」

ほむら「いない人の話しても仕方がないわね」

ほむら「さて、早速頑張るわよ」

次の日の登校時

まどか「ほむらちゃん、昨日は…」

さやか「(転校生かよ、マミさんを見殺しにしやがって)」

さやか「いこう、まどか」

まどか「(助けてくれたお礼したいのに)ちょっと、さっ、さやかちゃん」

ほむら「私は邪魔みたいね、ゆっくり歩くから先行って」

まどか「ごめんね、ほむらちゃん」


ほむら「(KFの選挙ポスターね、こんな地味で大丈夫かしら)」

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4365830.jpg

仁美「この方、今入院しています上条君のお父様ですの」

ほむら「しらなかったわ(知っているけど)」

仁美「上条君のお父様が議院になられたら、上条君も喜びますわ」

ほむら「(これは、チャンスかもしれないわ)」


ほむら「志筑さん、せっかくなら志筑さんのお父さんやお母さんにも」

ほむら「上条君のお父様を紹介してみてはいがかしら」

仁美「子供が首を突っ込むなと言われそうですが、話してみますわ」

ほむら「(志筑仁美の家計は地元に地盤を置く財閥)」

ほむら「(これによって当選の兆しがわずかながら見えそうだわ)」



―――ほむらは周りを利用することに抵抗を感じなくなっていた

ワルプルギスを倒すために佐倉杏子、巴マミ、美樹さやか

そして、数多くの武器をほむらは盗んできた

数多の平行世界を渡り、それだけ心が蝕まれてきたほむらにとって

志筑仁美を選挙に利用する程度、造作もなかった

ところでKFは職業なんなの?


QB「暁美ほむら、君は上条恭介の父親を当選させる気かい」

ほむら「あなたには関係ない」

QB「そんなに当選させたいなら、相手候補を魔法で物理的に攻撃すればいいんじゃないかな」

ほむら「そんな方法で、KFが喜ぶかしら」

ほむら「あなたに言っても無駄ね」

QB「僕には人間の感情は理解できない」

QB「感情論で自分の好みに思った人に投票する選挙制度自体…」




―――わけがわからないよ



>>25
音楽教室の先生ってことで

その夜 鹿目家


まどか「ねぇ、ママ」

詢子「なんだ、まどか」

まどか「上条君のパパが選挙に出るんだって」

詢子「ああ知ってるよ」

まどか「もし‥・よかったら投票・・・」



    …却下!


詢子「なんであたしがあんたにそんなこと頼まれなきゃならないのさ」

まどか「えっ?あの‥」

詢子「あの人ももの好きだよね」

詢子「負け戦だってわかってんのにバカなんだよ」

詢子「こっちはさ、こんな遅くまで働いて金かせいでんのに」

詢子「あのひとは、負け選挙にうん1000万使うほどの金持ちだろ」

詢子「気にいんねェ」


まどか「パパは投票してくれるの」

知久「まどか、ごめんよ」

知久「あの人は主観でしかものを見ていない」

知久「息子に医療が必要だから、選挙に出る」

知久「短絡過ぎるかな」

知久「それに、僕が投票したところで勝てないだろ」

詢子「まだ、言ってやがんのか」

詢子「ガキはそんな心配しねぇで早く寝ろってんだ」

まどか「…おやすみ」


まどか「(私には何もできない)」

まどか「(あんなにマミさん寂しそうにしていたのに、わかってあげられなかった)」

まどか「(ほむらちゃんも本当はつらいんだろうな)」

まどか「(さやかちゃんも、上条君も)」

まどか「私だけ幸せに暮らせてる」

QB「やぁ、まどか入っていいかい」

まどか「うん」

QB「君が魔法少女になればさやかや上条恭介はもちろん」

QB「巴マミを生き返らせることも可能だ」

まどか「え?」

QB「これはあくまで一例、マミが死んだばかりだから乗り気ではないと思うけど」




―――僕はいつでも君を待っているからね


次の日

まどか「(さやかちゃん今日は寝坊かな…)」

ほむら「おはよう鹿目さん」

まどか「おっ、おはようほむらちゃん」

まどか「ほむらちゃん、この前は助けてくれてありがとう…」

ほむら「ええ」

まどか「こんなわたしにできることなら、お礼がしたいなぁ」

ほむら「鹿目まどか、礼はいらないわ そのかわり」




―――けっしてQBと契約しないと約束してくれるかしら



さやか「やっべぇ遅刻した」

仁美「さやかさん、遅すぎですわ」

まどか「さやかちゃん疲れてない?」

さやか「大丈夫、平気、平気(動けない恭介の分も元気でいなきゃね)」

病院

恭介「さやか、また来たのかい」

さやか「ごめん、帰った方がいい」

恭介「いいからそこに座ってくれるかい?」

恭介「うちの父親の頭の悪さには嫌気がさすよ」

さやか「選挙のこと?(この前よりは元気になったみたいだね)」

恭介「だってさ、恥さらしだと思わないかい」

病院の窓を伝ってかすかに「上条をよろしくおねがいします」
という声が聞こえてくる。今日はKFは前橋で演説しているようだ


恭介「僕は、最初から無理なことに労力を割くのは無駄だと思うんだ」

恭介「ナースセンターでも、噂になってたよ」

恭介「上条さんなんで出馬するんだろうねって」

恭介「『選挙に落ちたら上条さんご本人に精神科の先生紹介してみましょうかww』っても」

恭介「中には『お父さんも選挙頑張ってるんだからあなたも頑張ったらwww』って嫌味も」

恭介「どうして僕の周りにはろくな奴がいないんだよ」

恭介「あんな父親じゃなきゃよかった」

さやか「今なんていった」

恭介「父親なんていらないっていいたいんだよ僕は」



―――それ以上言ったら許さないよ


さやか「いくらなんでも、たとえ恭介でも許さないよ」

さやか「私の先輩は両親がいなくてさびしい思いをしながら生き…」

巴マミは失踪扱い…へたに口走っては面倒なことになる
魔女に殺されましたで警察が「ああ、そう」とうなずいてくれるわけもない

さやか「恭介のお父さんも声を枯らして頑張ってるんだから」

さやか「恭介のためにだよ」

恭介「そういうのがいらないんだよ、今日はでていってくれ」






――― ひとりにしてくれ



展望台にて

杏子「マミの奴がくたばったって聞いたから来てみたんだけどよ」

QB「残念ながわ先客がいるね」

杏子「ったく、そいつはどんな奴なんだ」

QB「実は僕もよくわかっていないんだ」

杏子「ハァ、てめぇが契約したんじゃねぇのかよ」

QB「僕は彼女と契約した覚えはないね」

杏子「よくわかんねぇ、ひとまず今日はひくか」

その晩

さやか「(なんでみんな恭介のお父さんの気持ちわかんないんだろう)」


さやか「(あっ、電話)」

仁美『もしもしさやかさん』

さやか「なに仁美」

仁美『お時間いいかしら』


さやか「べつ暇だけど」

仁美『あの、私の知り合いの新聞社に』

さやか「・・・」

仁美『世論調査の上条さんの支持率を教えてもらったのですが』






―――最下位だそうです


恭介の病室

KF「恭介、調子はどうだ」

恭介「…」

KF「そうか、調子が悪いのか」

恭介「なんで選挙なんかにでたんだよ」

KF「私にも考えてることはあるんだ」

恭介「馬鹿親父!後先考えずに勝手なことすんなよ」

KF「親…だからな」

恭介「はぁ?」


KF「(恭介、選挙活動で忙しくて付き添えなくてごめんな)」

KF「(親として、お前を事故から守ってやれなくてごめんな)」

KF「(お前に恥ばかりかかせてごめんな)」

KF「(親父ってはむかう年頃になったか…)」

KF「(もう少しだけ悪あがきさせてくれ)」

次の日

さやか「こんなところに呼び出して何さ」

ほむら「あなたに伝えたいことがある」

さやか「これが白馬の王子様だったらよかったけど、あんたじゃ全然うれしくないわ」

ほむら「冗談はやめて本題に入るわよ(白馬じゃなくてヴァイオリンのくせに)」

さやか「早くいいなよ」

ほむら「あなたは魔法少女になってはいけない」


さやか「はぁ、別に願い事なんてないし」

ほむら「あなたKFと当選させることで契約しようとしてるんじゃないかしら」

さやか「あんたがわかったようなこと言わないで」

さやか「呼び出されたとおもったらそんなこと」

さやか「あたしが、何を願おうとあたしの勝手でしょ」

ほむら「くっ」


教室

ほむら「気分がすぐれないので早退します」

教師「まずは保健室に」

ほむら「検査もあるので病院に行きます」

クラス(ざわっ)

教師「はぁ…暁美早退ね」

月夜野町

今日は県北部でKFと一位の候補がはち合わせる

下手に敵候補を妨害するとむしろその候補へ応援の風が吹く

例えば本人がけがや病気をしながらも
汗だくで選挙戦をやっている候補には同情票が入る

つまり、相手を不利にさせるというのは魔法少女でも難しいことである

ほむらは時間停止で相手候補の選挙カーのガソリンを抜いたり車に積んである名刺を盗んだり
ほむらにとっては小さいことしかしなかった

???「ったく、昼寝もできねぇ」


杏子「あんたが例の暁美ほむらか?」

ほむら「!?」

杏子「わざわざ人の縄張りまで来て魔女狩りかい」

ほむら「私はそんなつもりまないわ、佐倉杏子」

杏子「こいつ、あたしの名前を知ってるだと!?」

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