モバP「ある日、森の中」 (25)
――目が覚めると、そこは森の中でした。
P「…」
P「って、ファンタジー小説かよ」
ギャア… ギャアギャア…
P「…なんか得体の知れない鳴き声がするし……ふええ…」
高森藍子「…あ、あの。プロデューサーさーん」
P「ヒィッ」ビクッ
藍子「きゃ」
P「…あ、ご、ごめん。驚かせちゃったな」
藍子「いえ、こちらこそ…」
藍子「ふふ。それにしても…こんなところで会うなんて、奇遇ですね」ニコ
P「…うん」
P(ここがどこかよく分かんないけど)
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藍子「あ…えっと、そっちに椅子があるので、よかったら」
P「あ、はい」
P「…」キリカブ…
P「藍子は、ここにはよく来るのか?」
藍子「…よく、というか…」
藍子「ええと、まあ、そうですね。きっとそうだと思います」
P「? ふぅん」
藍子「はい。…ふふ、ほら早く座ってください♪ いま紅茶でも淹れますからっ」
P「あ、うん…」
ピー ピー
ニャー
藍子「あ、ネコさん……ふふっ」ニコニコ
P「…あれ」
P(さっきまでどんよりした雰囲気だったと思ったのに、…いつの間にか、木漏れ日が…。)
カチャ…
藍子「ここ…私の、お気に入りの場所なんです。落ち着くでしょ?」ニコ
P「…、うん。…えっと…ありがとう」
藍子「はい」
ポスン
藍子「んー。いい天気ですねー…ぽかぽかしますねー」
P「そうだなー」
藍子「…」フフ
藍子「私、プロデューサーさんとお仕事するのは、とても楽しくて」
P「うん」
藍子「…ふふ。でもやっぱり、こんな風にのんびりするのも素敵ですよねっ」
P「そうだな」
藍子「はいっ。あ、紅茶、飲んでください。よかったらケーキなんかも! たくさん焼いてあるのでっ」ポポポン
P「おおっ」
モグモグ
P「おいしい」
藍子「本当ですか? よかった!」
藍子「…? あ、プロデューサーさんってば…ふふ、ほっぺにクリーム、ついてますよ」
P「へ?」
藍子「あ、せっかくなので…えい」パチ
P「??」
藍子「ふふっ。写真、撮っちゃいました。かわいいですよ。子どもみたい♪」
P(…恥ずかしい)モグモグ…
藍子「♪」エヘヘ
P「…」モグモグ
P(分かった。さっきの藍子の手品を見るに――ここは夢だ、きっと。うん)
P(…、どうしてこんな夢を見ているのかは、よく分からないが…)ハハ…
藍子「?」モグモグ
P「…」モグ…
藍子「…?」ニコ
P「…」
P「…まあ…なんでもいいか。せっかくだし、のんびりしよう」ウン
藍子「おお。プロデューサーさんその意気ですよっ。一緒の時間、楽しみましょう!」オー
P「うん」オー
ポカポカ
P「…」
P「とはいえ…とくにすることもないな」
藍子「?」
藍子「そうですか? 日向ぼっこはとてもステキな時間の過ごし方だと思いますよ?」
P「そう?」
藍子「そうですっ」
P「そうか」
藍子「ですです」コクコク
P「じゃあ…はい。日向ぼっこしてます」
藍子「私もしてます」
P「うん」クス
P「…退屈じゃないか?」
藍子「そんなことないですよ? その、プロデューサーさんと、一緒ですし」
P「…そっか」
藍子「はい♪」ニコニコ
ポカポカ
P「いい天気だなー…」
藍子「本当ですねー…」
藍子「あ、よかったらあとで一緒にお散歩に行きませんか? 素敵なお花畑とか、いまならきっとたくさんありますよ」
P「へー…」イマナラ?
P「…ぼーっと見ていると、そうは見えないけど…。どちらかと言うと…」
ザワザワ…
P「……怖ろしい森って感じに見える」ブル
藍子「そ、そうですか?」
P「うん」コワイ
藍子「よしよし」ナデナデ
P「…」
藍子「大丈夫です。いまはプロデューサーさんと一緒だから…。くらい森なんて、こうです。えいっ」パッ
パパパパンッ
P「おおっ」
藍子「…」ニコ
藍子「ね? くらい森なんて、へっちゃらでしょ?」
P「…うん」
P「…って俺、なんだか母親にあやしてもらっている子どもみたいな…」ハハ…
藍子「うふふ。たまには、いいんじゃないでしょうか」
P「……た、たまにはな」
藍子「ふふ。はい。たまには」
P「…」コロン
P「あふ。でも、もうしばらく日向ぼっこでもいいかな…。なんだかここは、すごく、落ち着くんだ…」コク
藍子「はい。…プロデューサーさんは、いつも頑張ってくれてますから…。ゆっくり休んでください。お散歩はまたいつでも、ね?」
P「……うん…」コク…
P「…ん……、じゃあ、ちょっと、…だけ」
藍子「はい」
藍子「お休みなさい。プロデューサーさん」ニコ
・
・
・
パチ
P「…」
藍子「…あ。プロデューサーさん…ふふ。えいっ」パチ
P「っ」
藍子「やった。ちゃんと手元にカメラを置いていてよかったです。寝起きの顔、撮っちゃいましたー」
P「……」ハア
P「…そか。よかったな」
藍子「はい♪」
藍子「…それから、えっと…おはようございます」
P「…うん。おはよう」
P「…」
P「…ええと、俺……。どうしてたんだっけ…」フラ…
藍子「あ、まだ起きない方が…」
P「……、」
P「……。」
P「い、いや。そういうわけにも」
藍子「じ、じゃあ、…わ、私はもうちょっと、こうしていて欲しいなっ、…って」
P「…、そ、そっか」
藍子「はい」
P「……じゃあ、もうちょっとだけ…」コテン
藍子「はい♪」フフ
P「…」
P(思い出した。仕事が押して、零時を回って、藍子にプレゼントを渡せなくて――)
P「…、じゃあ…あれ。もしかして、藍子は……わざわざ事務所に戻って来て、待っててくれたのか? 俺の仕事が、終わるの…」
藍子「勝手に待っていただけですよー。プロデューサーさん、寝ちゃってたから…」
P(…そっか。だとすると、さっきのは、……藍子の膝の上でだけ見れる夢だったのかな)ハハ
藍子「??」
藍子「あ…ふふ」
P「?」
P「どうかしたか?」
藍子「…あ…いえ。プロデューサーさん、楽しそうだから…。私も嬉しくて、つい」エヘヘ
P「そっか」
藍子「…はい」
P「…」
P「ごめんな。俺もお祝いに参加したかったんだけど…」
藍子「…」フルフル
藍子「いえ。それは、その…べつに、全然気にしていないですから…」ニコ…
P「……」
藍子「…」エヘヘ…
P「…」
P「いまの俺が言えた義理じゃないだろうけど」
藍子「?」
P「皆で笑顔でいたいって、いつも藍子が言うのは……藍子自身も一緒にって、ことだよな」
藍子「……」
P「だから、えっと…」ゴソ
P「はい。は、ハッピーバースデー。これで笑顔になってくれませんかー、なんて…」
藍子「……」クス
藍子「なんですかー? それ……もう」
P「なんだろう」
藍子「……ふふ」クスクス
藍子「…えっと」
藍子「はい。ありがとうございます。じゃあ、これで私も、笑顔になってみますね」
P「みますって」
藍子「ふふっ。だって、なってくれーっていったのは、プロデューサーさんですから」
P「…そうだけど」
藍子「…ふふー…」エヘヘ…
P「…」ハハ…
藍子「……」ギュ
藍子「私、もっともっとみんなに笑顔を伝えられるアイドルになりますね」
藍子「そのために、えっと…頑張ります。…自分のことも、自分の気持ちも、ちゃんと伝えられるように」
P「頑張れ」
藍子「ひ、他人事ですね? 一緒に頑張ってくださいね?」
P「頑張ります」
藍子「…、ふふっ。いま頑張るって。私聞いちゃいましたから♪」
藍子「ね。プロデューサーさん。一緒に、もっともっと頑張りましょうっ」オー
P「おー」
[おわり]
正直スレタイと森のくだりの思いつきだけの拙作でした。
ここまで読んでくれた方には感謝です。オメデトー
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