酒場

ﾜｲﾜｲｶﾞﾔｶﾞﾔ
女勇者「う～ん。人がいっぱいだなぁ。確か仲間を集めるためには……マスター！　私に旅の仲間を紹介してください！」
女マスター「あら、可愛い子ね」ｼﾀﾅﾒｽﾞﾘ
女勇者「ひぃっ！？」ｿﾞｸｯ
女マスター「ふふ。安心なさいな。別に今いただく気はないから。どんな子をお探し？」
女勇者「い、今は……？　ええと、商人と、舞闘家と僧侶の人をお願いします」
女マスター「ちょっと変なパーティね。いいわ、ちょっと待ってて」

女マスター「連れてきたわ。ゆっくりお話しすればいいんじゃない？」

女商人「商人よ、よろしく」
女勇者「よろしく～（姉御肌……）」

女武闘家「武闘家っす！　あたし、頭はよくないけど、せーいっぱい頑張るっす！」
女勇者「うん、よろしくね（この子は妹っぽいなぁ）」

男僧侶「そ、僧侶です。どうかよろしくお願いします」
女勇者「う、うん、よろしく……（固いなぁ……）」

女勇者「え～と、私は勇者です」
武闘家「ええ！？　あなたが噂に聞く勇者さまっすか！？　会えて光栄っす」
勇者「え、え～と、その噂のかはわからないけど、勇者だよ。あ、でも、あんまり気にしないでね」

商人「勇者さま～、ぜひ、私の店をごひいきにしてくださいね～」ﾈｺﾅﾃﾞｺﾞｴ
僧侶「商人さん、態度変わり過ぎですよ？」
商人「あぁん！？」
僧侶「……！」ﾋﾞｸｯ！
商人「ま、冗談はさておき、これからよろしくね、勇者さま」
勇者「うん、よろしく（冗談には見えなかった……）」

　町の外
武闘家「勇者さま、これからどこに向かうんすか！？」
勇者「とりあえず、近場の町かなぁ」
商人「それなら、北の森を抜けたところに次の町があるわ」
僧侶「じゃあ、そこを目指しましょうか」

北の森
ｶﾞｧｰｶﾞｧｰ
商人「あー、オオガラスがいるわね、けっこうたくさん」
武闘家「おおがらす？」
勇者「魔物の一種だよ、一体の力はそんなに強くないけど、集まるとけっこうやっかいなんだよねぇ」
武闘家「さすが勇者さまっす！　物知りっす！」
商人「ま、一般教養だけどね」
僧侶「商人さん、ここは黙ってあげるのが大人のやさしさじゃ……」
商人「僧侶、あんたもけっこー、ひどいよね」

オオガラスＡ「ガァー！！」
オオガラスＢ「ガァー！！」
オオガラスＣ「ガァー！！」

オオガラスの群れが襲い掛かってきた！

武闘家「戦闘っす！！　あたし、頑張るっす！！」

勇者「がんばれ～、武闘家ちゃ～ん」ﾄｵﾏｷ

武闘家「ええ！？　勇者さま、戦わないんですか！？」

勇者「うんにゃ。火　炎　魔　法　！」

オオガラスＡを灼熱の炎が包む！
オオガラスＡは熱くなって逃げ去った！

商人「へー、勇者さまって魔法タイプだったの？」

勇者「うん。ぶっちゃけ、回復以外の系統は全部使える」

僧侶「ああ、だから僕が選ばれたんですね」

武闘家「むぅ～。なんかせこいっす！」ｻﾏｰｿﾙﾄ

オオガラスＢは墜落した！

オオガラスＣ「……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

オオガラスＣは逃走した！

商人「あ～、私たちの出番なかったわね」
僧侶「そうですね……」

勇者一行はなにごともなく北の森を抜けた

勇者「じゃ、一旦自由行動ってことで」
一同「は～い」

――

占い師「ひひっ、そこゆくお嬢ちゃん、ちょいと占いやってかないかい？」
勇者「お金は払えないよ？」
占い師「そんなもんいらんて、ただじゃ、ただ」
勇者「まぁ、それなら……」
占い師「手相を見せてみぃ」
勇者「……」ｽｯ
占い師「ほうほう……なるほどのぉ……」
勇者「……」
占い師「結果が出たわい。お主、そのうち後悔することになるぞ？　一人旅にしなされ」
勇者「占ってもらって悪いけど、私は占いっていい結果しか信じないんだ」
占い師「それも、一つの考え方じゃがのぉ……」
勇者「じゃあね」ﾀﾞｯ

占い師「フェッフェッフェッ……」

商人「まずは町に着いたら相場のチェック。商人の基本よね」
武器屋「いらっしゃい、お安くしとくよ～……ってなんだお前か、悪いがお前に売ることはできねぇ」
商人「お前か、とはなによ……。そして、なんでよ」
武器屋「知らんのか？　お前、国のブラックリストに入ってんだぞ？」
商人「え！？　マジ！？」
武器屋「心あたりあるんじゃないか？」
商人「ある……すっごくある」
武器屋「ま、商売したかったらとっとと国境を越えることだな」
商人「そうみたいね。はぁ……」

行間開けたほうがよみやすいよ

>>9ありがとう、気をつける

武闘家「あー、僧侶さん、ワタあめっすよ！　ワタあめ！」ﾀﾀｯ

僧侶「あっ、待ってよ武闘家ちゃん……。はぁ……こんな勝手にお金使っちゃ、商人さんに怒られるよ……」

武闘家「僧侶さ～ん、一緒に食べましょうよ～！」

僧侶「ま、いっか……」

勇者「おうおう、おふたりさん、お熱いねぇ～」

武闘家「あ、勇者さま。別に火炎系魔法は使ってないっすよ？」

僧侶「勇者さま、なんだかおっさんくさいですよ？」

勇者「むぅ……不評……」

商人「はぁ……最悪……」

勇者「商人、なにかあったの？」

商人「いや、なんでもないわ。全員揃ってるわね……」

商人「さて、次の町ね。ここから東にいったところに氷の洞窟があって、その先には武闘家の秘境があるわ」

武闘家「あたしたちのっすか？」

商人「そ。なんか奥義とか教えてもらえるかもね」

武闘家「楽しみっす！」

勇者「んじゃ、行こうか」

僧侶「はいっ！」

　東の街道

ﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘｨ……

勇者「！？　空気が振動している……あっ」

謎の声「けけけ、勇者さまが冒険していると聞いてね」

武闘家「だ、誰っすか、あなたは！？」

謎の声「おっと、悪いね、お嬢ちゃん。俺の名は土神。ま、四天王の一人ってとこさ」

商人「魔王の直属、四天王！？　どこにいるの！？」

土神「あわてんなよ、今日はほんのごあいさつさ。じゃあな、勇者さま」

ﾋｭｫｫｫ

勇者「……気配は去った。行こうか」

商人「う……うん」

氷の洞窟

僧侶「さっきのやつ、ここでしかけてくるんでしょうか？」

勇者「さあね。ま、私たちのやることは一つだよ」

武闘家「そうっす！　真正面から洞窟を抜けるっす！」

商人「洞窟なら私におまかせよ！」ﾄﾞﾝｯ

僧侶「商人さん、なにかできるんですか？」

商人「私は風魔法の資質があるの。風を洞窟の壁にあてて、返ってくるのを感じて道を確かめるの」

勇者「コウモリみたい……」

商人「まぁね。はっ！」

ﾋｭｫｫｫ

商人「う～ん。すぐ行き止まりみたい。どっかで曲がった方がよさそうね」

土神の声「けけけけ」

武闘家「そ、その声はさっきの！！　ど、どこにいるっすか！？」ﾋﾞｸｯ

土神の声「さぁなぁ……。けけけけ」

商人「……どうやら、話すだけ無駄みたいね。さきに進みましょ」

僧侶「……」

勇者「……」

土神の声「けけけ、勇者さまにゃぁ、こんな普通の冒険、つまんないって、それより俺と遊ぼうぜぇ」

勇者「……」

商人「勇者さま、あいつと知り合いなの？」

勇者「……いや、他人」ﾌﾟｲｯ

僧侶「……」

武闘家「むぅ……え？」ﾂﾙｰﾝ

武闘家「わぁ～、す、すべるっすぅぅ！！」

ﾄﾞｺﾞｫｫｫﾝ!!

土神の声「けけけ、滑稽だね。それより勇者さまはつれないなぁ……」ｹｹｹ

勇者「……」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗﾀﾞﾗ…

僧侶「勇者さま？」

勇者「な、なんでもないよ！　いこっか！！」ｽﾀﾀｯ!

勇者「ふげっ！」ﾂﾙｰﾝ

土神の声「ははは、なにを慌ててるんだ、勇者さま？」

武闘家「そうっすよ、今の勇者さま、なんか変っす」

勇者「い、いいから、速く抜けるよ！！」ﾀﾞﾀﾞｯ

勇者「うわっ！」ﾂﾙｰﾝ

勇者「とぉっ！」ｽﾃｰﾝ!

商人「勇者さまの慌てようが尋常じゃない……」

僧侶「どうしたんでしょうか？」

勇者「……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ…

勇者「うぁぁぁあ！！」ﾎﾞｧｧｧｧ!!

商人「火炎系の最大呪文！？」

ﾄﾞｺﾞｫｫｫｫｫ!!

武闘家「ど、洞窟の壁ごと……」

僧侶「焼き尽くした……」

勇者「フゥー、フゥー……」ｾﾞｪﾊｧｾﾞｪﾊｧ…

勇者「さぁ、行こうか？」ﾆｺｯ

武闘家「う、うっす……」

土神の声「へへへ、相変わらずほれぼれするねぇ、勇者さま」

勇者「ううぁぁぁぁ！！」ﾀﾞｯｼｭ!

商人「あっ、勇者さま！」

僧侶「待ってください！」

勇者「つ、ち、が、みぃぃぃ！！」ﾀﾞﾀﾞｯ!!

土神「おう、勇者さま。俺の場所がよくわかったな。異空間内だって」

勇者「君がさびしいのはわかったから、私の旅の邪魔しないでよ！」

土神「その旅に意味はあるのかい？」ｹｹｹ

勇者「あるよ！」

土神「どんな？」

勇者「うっ……。言えない……」ﾀｼﾞｯ

土神「ケケケ」

土神「じゃぁ、諦めて戻るこった。みんな待ってるぜ？」ｹｹｹ

勇者「言えないけど、ちゃんと意味はあるの！！　絶交するよ！？」

土神「け……。悪かったよ、それだけはやめてくれ……」ﾋﾔｯ

勇者「フンッ……」

土神「ほんとに悪かったよ。ま、お前が意味なく行動するはずないもんな」

土神「頑張れよ、魔王」ｽｩｩｩｩ

勇者「……」

勇者「……」ﾃｸﾃｸ

武闘家「あー！！　いたっす、勇者さまっす！！」

僧侶「勇者さま、今までどこに行ってたんですか？」

勇者「いや、色々あってね」

商人「あいつとの関係は……って聞いても答えたくないんでしょうね。細かいとこは聞かないわ」

勇者「ありがと……」

商人「ま、一悶着あったみたいだけど、あいつの気配も消えたし」

武闘家「目指すはあたしたちの秘境っすね！　奥義教えてもらうっす！」

僧侶「教えてもらえるかなぁ……？」

勇者「門前払いに会うかもね」ﾆﾋﾋ

武闘家「僧侶さんも、勇者さまもいじわるっす……」

＜武闘家の秘境＞

男武闘家「」

女性武闘家「」

商人「うわぁ、ひどい……」

勇者「もう、壊滅状態だ……」

武闘家「な、なんでこんなことになってるんすか！？」

幼女武闘家「お、お姉ちゃんたち……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ…

武闘家「だ、大丈夫っすか！？　しっかりするっす！！」

幼女武闘家「ふ、ふふ、あたしはもう、だめだよ……。みんな、ドラゴンに……」ｶﾞｸｯ

武闘家「し、しっかりするっす！　寝ちゃダメっす！」ｶﾞｸｶﾞｸ

勇者「武闘家ちゃん、もう、だめだよ……」ﾌﾙﾌﾙ

武闘家「そんな……」

支援

>>29サンクス！

　今は安価ラノベやってるからこっちは息抜きとしてやるけど、ありがと！

ｷﾞｬｫｫｫｫｫ!!

武闘家「！　山の方から声が！」

勇者「あれは……この子が言っていたドラゴン？」

商人「行きましょう、なにか、とてもいやな予感がする……」

僧侶「同感です……」

勇者「うん……武闘家ちゃんも、大丈夫？」

武闘家「はい、わかったっす」

武闘家「仇は、絶対取ってくるっす……」

＜山＞

ドラゴン「ギャァオオオォォ！！」

ﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘｨ!!

勇者「これは……なんて威圧感だ！」

武闘家「でも、負けてられないっす！　ハッ！」

ドラゴン「グォォォ！？」ｺﾞｯ

商人「私たちも武闘家に続くわ！　いいわね、勇者さま、僧侶！」

勇者「うん！」
　
僧侶「はい！」

勇者（このドラゴンは、比較的おとなしい部類のはず……だとしたら……）

商人「勇者さま？」ﾋｭｯ

ドラゴン「グォッ！」ｽﾞﾊﾞｯ

勇者「あ……いや、なんでもない。はやくそいつを倒さないと！」

武闘家「了解っす！」ﾄﾞｸﾞｯ!

ドラゴン「ゴォォォ！！」ﾌﾞﾝｯ!

武闘家「うぁぁっ！」ﾄﾞｺﾞｫ

勇者「武闘家ちゃん！　僧侶くん、回復魔法！」

僧侶「は、はい！　回　復　魔　法　！」

武闘家「傷が、治っていくっす！」ﾊﾟｧｧｧ

商人「真正面からじゃ分が悪いわ！」

勇者「じゃあ、私たちで隙をつくる！　その間に武闘家ちゃんが、決めるんだ！」

武闘家「勇者さま……はい！」

ドラゴン「ｸﾞｫｫｫｫｫｫ！！」

勇者「氷　結　魔　法！」

僧侶「閃　光　魔　法！」

ドラゴン「ｸﾞｫｫｫｫ！！」ｶｷｰﾝ

商人「武闘家、今！！」

武闘家「はいっす！」

商人「疾　風　魔　法！」ﾋｭｫｫｫ!

武闘家「気　功　拳！」ｽﾞｫｫｫｵｫ!

ドラゴン「ガァァァァァァ!!」ﾄﾞｻｯ

武闘家「た、倒したっす……でも……」

僧侶「秘境の人たちは……もう」

勇者「旅を、続けよう。これ以上こんなことになる前に、食い止めるんだ」

武闘家「そうっすね、早く魔王を倒して、世界に平和を取り戻したいっす！」

勇者（ごめん、武闘家ちゃん……）

商人「……なら……早く出発しましょう……ここにいるとなんだか気持ちが下がってきちゃうわ」

勇者「うん……」

商人「次は……僧侶たちの秘境ね。……近くには四天王の城があるわ」

勇者「……」

僧侶「どうしたんですか、勇者さま？　こわい顔して」

勇者「え？　あ、いや、なんでもないよ！！」ﾋﾞｸｯ

武闘家「絶対に倒すっす！」

　＜僧侶の秘境＞

男性僧侶「ようこそ遠いところはるばる！」

勇者「なにか、大変な目に遭ったりしてない？　　最近、色々物騒なんだ」

男性僧侶「そんな目に遭ったりはしてませんが、風の四天王は誰か、早めに退治してほしいですね」

勇者「うん……わかった」

勇者「みんな……悪いんだけど、私一人で行かせてくれる？」

武闘家「え？　どうしてっすか？」

勇者「みんなには、ここの人たちを守ってもらいたいんだ。大丈夫、私は強いから、負けないよ」

武闘家「……むう」

商人「確かに、私たちが全員で行って、その間に敵が攻めて来たら元も子もないわね。でも勇者さま、なにかかくしてない？」

勇者「……そんなことないよ」

僧侶「ともかく、この秘境はぼくたちが守ればいいんですね？」

勇者「うん。よろしく！」ダッ

＜風の城＞

勇者「風神……」

風神「あら、魔王さま、久しぶり。どうしたのよ、怖い顔して」

勇者「風神、魔王の条件ってなんだと思う？」

風神「あら、唐突ね。そうねぇ、圧倒的な力かしら？　それを使って、部下も、人間も支配するのよ、私のように」

勇者「……残念だ」

風神「あらぁ？　気に喰わないわね、下級魔族のくせに！」

勇者「武闘家の秘境でドラゴンが暴れていた、あれは君の仕業？」

風神「ああ、そんなこともやってたわねぇ。ま、いいんじゃない、人間なんてどうせ死んでもいいでしょ」

勇者「まぁ、魔族側のみを考えるなら、ね」

風神「なにか、言いたいの？　下級魔族の魔王さま」

勇者「このまま魔族と人間が争えば、双方の被害は甚大なものになる。人間を侮ってはいけない」

風神「ふーん。そんなの、太古の昔から決められたことじゃない？　いまさらなんだって言うのよ」

勇者「ごめん、風神。私は、君みたいな分からず屋を殺しに来たんだ」

風神「できるのかしら？　そういえばあなた、最弱にして最強とか、わけわかんないこと噂されてるわね？　最弱はわかるけど、最強はこれから見せてくれるのかしら？」

勇者「ああ」

魔王なのに下級？
どういうことだってばよ

>>44そのうちわかる

＜僧侶の秘境＞

商人「敵が来たわ！　みんな、協力して！！　結界魔法を！」

僧侶たち「はいっ！　結　界　魔　法！」ピキーン!

風の手下「……悪いな、俺ら下級魔族はこうしないと、風神様に殺されるんだよ！」

武闘家「なんか、向こうも焦ってるみたいっす」ｼﾞﾘ

僧侶「魔族側にも事情がありそうだね……」ｻﾞｯ

？？？「そこまでだ！！」

風の手下「！？」ﾋﾞｸｯ!

武闘家「勇者さま！？」

？？？「ん？　……ああ、違うよ、私はその勇者の妹」

商人「勇者さまに妹がいたのね。でも、あいさつしてる時じゃないわ」

勇者妹「……ああ、それなら心配いらないよ。君たち！」

風の手下たち「……！？」

勇者妹「君たちを苦しめる悪政は、勇者によって解放される！　だから、戦いをやめるんだ！」

風の手下「しかし……」

勇者妹「信じろ」ｼﾞﾛｯ

風の手下「はっ、はい！」ﾋﾞﾋﾞｸｯ!

風の手下「……」ｿﾞﾛｿﾞﾛｿﾞﾛ

勇者妹「じゃあ、私はここで」

武闘家「ま、待ってくださいっす！　あなたは、何者なんですか！？」

勇者妹「私は私。それ以上でも、それ以下でもない、旅人さ。じゃあね」

僧侶「……ぼくの、ある意味では故郷を救ってくださり、ありがとうございます」

勇者妹「いいの、いいの。じゃあね」ﾋﾗﾋﾗ

勇者「……」ﾎﾞﾀﾎﾞﾀ

風神「そんな……そんな術、聞いたことも無い！　四属性でも、光でも闇でもない！　その術は一体！？」

勇者「答える義理はないよ。じゃあね」

　ｻﾞｼｭｯ!
風神「」ｼﾞｭｵｵｵ

勇者「……」

風の手下「おお、本当に……」ｻﾞｯ

勇者「君たちは、風神の部下だね」

風の手下「そうだが……お前が、勇者なのか？」

勇者「うん、そうだよ。風神の代わりは、誰かが務めればいい。魔族も、長がいなければ色々困るだろ？」

風の手下「ああ……」

勇者「私は、また旅を続ける」

風の手下「ありがとう」

勇者「礼を言われることじゃない。私は、魔族を殺したんだ」

風の手下「……」

勇者妹「……！」ｻﾞｯ

土神「けけけ、ちょいとそこ行く旅人さん、お時間いかが？」

勇者妹「相変わらず白々しいね、君は」

土神「けけけ、あんたも相変わらず、魔王と違って愛がないねぇ」

勇者妹「で、何か用？」

土神「なぁに、色々と教えてもらおうと思ってな、あんたは知ってんじゃないか？　あんたの姉ちゃんの考えてること」

勇者妹「全部じゃないよ。あれは秘密主義だからね。嘘つくの下手だけど」

土神「じゃあ、知ってる情報だけでいいぜ」

勇者妹「ああ、こっちとしても協力者がほしいところだったんだ」

土神「協力者？」

勇者妹「今回の計画、姉だけじゃ完遂できないと思う。あれは魔族のくせに情にもろすぎる」

土神「それは、お前もだろ？」

勇者妹「否定はしないさ。でも、私は人間に関わってはいない。……このままだと姉は、人間に情が移って身動きが取れなくなる」

土神「なるほどな。さて、色々聞かせてもらおうか。魔王の計画を」ｹｹｹ

勇者妹「ああ……」