佐藤「ちょっと、今変な音しなかった?」
高木「ふぅ...そんなことありませんよ」
佐藤「そうかしら...なにかいつもと違うような気がしたんだけど」
高木「気のせいでしょ」
光彦「繋がったまま会話するなんて手慣れたもんですね」
高木 &佐藤「おわぁぁぁ!!!」
高木「キ...キミは光彦くんじゃないか!!どうしてこんなところに!」
光彦「随分な言われようですね。まるで僕がここにいちゃいけないみたいじゃないですか」
佐藤「いていいも何もここは私の家よ!入れるはずがないじゃない」
光彦「ところがどっこい。僕が侵入する手段が一つだけあるんですよ」
光彦「これを使えばね!」
高木「なんだその光線銃のようなものは!!」
光彦「ふふふ、これは博士の新発明品です。この銃の光線を浴びた人間は退化することができるんですよ!」
光彦「後は変態な高木刑事なら分かりますよね?」
高木「なるほど...つまりキミは精子まで退化し僕の中に侵入してずっと待機していたというわけか...」
光彦「ご名答!!流石高木刑事です!!」
佐藤「....」
高木「しかし何故こんなことを?目的が分からないな」
光彦「それはですねー...」
光彦「精子になって佐藤刑事を孕ませたかったからですよ!!」ピュルルルルル!!!!
高木「うわぁ!!光彦くんがみるみる小さくなっていく!」
光彦「さようなら高木刑事!!10ヶ月後にお会いしましょう!」
光彦「その時は貴方の子供としてねっ♪」ドピューン
高木「消えた...美和子の中に...」
佐藤「....」
高木「美和子....」
佐藤「....」
高木「妊娠おめでとう」
佐藤「....」
翌日
コナン「博士ー。最近キック力増強シューズの調子が悪いんだ。直してくれないか?」
博士「おぉ、いいぞ。そこに置いといてくれ」
ピンポーン
博士「ん?来客か?誰じゃこんな朝っぱらから」
コナン「歩美たちじゃねーの」
博士「かもしれんのう。なんにしろ早く出なくては」ガチャッ
佐藤「....」
博士「おや貴方は...何か事件でも ありましたか?」
高木「いや、あの...少々話し辛い出来事でして...」
博士「まさか高木刑事まで一緒とは...」
博士「分かりました。立ち話もなんですし中にお入りください」
高木「ありがとうございます!」
博士「ほうほう...つまり佐藤刑事のお腹に光彦くんが宿ったということじゃな...」
博士「最近あれを見かけんと思ったらまさか光彦くんが盗んでおったとわ...」
博士「すまん!これはワシの責任じゃ!」
佐藤「いえ、そんな。私たちは貴方を責めるために来たんじゃありません」
博士「言いたいことは勿論分かっております。この阿笠、発明家の端くれとして意地でも光彦くんを追い出してやりましょう」
高木「ありがとうございます!」
博士「とは言ってもこんなケースは流石のワシも初めてでしてな。時間がかかることは承知してくれんかのう」
佐藤「それは勿論分かってます。ただ...」
博士「ただ?」
佐藤「私達に何かできることはありませんか?一日でも早く光彦くんを追い出したいんです!」
高木「美和子、何もそこまで...」
佐藤「高木くんは黙ってて!」
高木「はいぃぃっ!」
博士「うーむ...難しい質問じゃのう...手段はあるにはあるんじゃが...」
佐藤「なんですか!教えてください!」
博士「うむ、ここに壊れかけのキック力増強シューズがある。こいつを今から修理して...」
博士「コナン君に佐藤刑事のお腹を蹴ってもらうんじゃ。そうすれば光彦くんも痛みに耐えきれず出てくるかもしれん」
博士「いやでもこれは駄目じゃな。佐藤刑事の命にも関わる」
佐藤「やらせてください!」
高木「美和子!!何言ってるんだ!!」
佐藤「1%でも可能性があるならやってみたいの。だって...」
佐藤「最初の子は貴方との子がいいに決まってるじゃない...」
高木「美和子...」
博士「ほほっ、熱いのぅ。よし、分かった!そうと決まれば善は急げじゃ!」
博士「ワシもキック力増強シューズの威力を更に高めてみるぞ」
博士「可能性は1%でも高い方がいいんじゃろ?」
佐藤「はい!!ありがとうございます!!」
~昼 公園~
コナン「佐藤刑事、本当にいいんだね?」
佐藤「うん、コナンくん。遠慮しなくていいから」
コナン「僕もボールを蹴る時ぐらいにしか使わないからどうなるか分からないよ?」
佐藤「いいの。私は自分を信じているから」
コナン「分かったよ」
コナン「それじゃ手加減しないぜ!」シュイイイイイイン!!!!
コナン「いっっっけええええええぇぇえーーーー!!!!!!」バシイイイイイイイイイン!!!!!!!!!!!!!
佐藤「は*ぅあっ!!!!!」
コナン「おりゃぁあぁあああああああ!!!!!!!!!」バシイイイイイイイイイン!!!!!!!!!!!!!
佐藤「ぐふぅぉおおお!!!!」
コナン「とどめだあぁぁぁあ
ぁぁああぁ!!!!!!!!!」
光彦「そこまでです!!!!コナンくん!!!!!」ニュイッ
コナン「光彦!!!!!!!!」
光彦「こんなことしたって僕にダメージはありませんよ!!」
コナン「嘘つけ!!死にそうになったから出て来たんだろ!!膣から顔だけ出しやがって!!」
光彦「僕は母体を守るために出てきたまでです!これ以上やると佐藤刑事が死んでしまいますよ!」
光彦「それでもいいんですか!!」
コナン「...」チッ
光彦「不可能なんですよ。僕を追い出すなんて。しかもこんな浅はかな方法で」
光彦「来たる時を待ちましょうよ。僕が生まれ変わる日をね」
コナン「...」
光彦「それでは!もう二度とこんなことしないでください。さようなら」ドッピューン
コナン「と言ったかんじだ」
博士「それで!佐藤刑事の容態は!」
コナン「...意識不明の重体...今は病院で高木刑事が付きっきりで見てる...」
博士「なんじゃと...」
コナン「博士...今回はいくら光彦と言えども許しちゃいけないんじゃないか?」
博士「...」
コナン「子供の悪戯にしては度が過ぎてる。危うく死人が出るところだったんだから...」
博士「...そうじゃな。スマン新一。ワシも少々事を軽く見ておったわい」
博士「今から早速発明するぞ。悪いが今日のところは引き上げてくれ」
コナン「分かったよ。信じてるぜ、博士」
~10日後~
博士「新一、ついにできたぞ!」
コナン「流石博士!このスイッチが発明品なんだな?」
博士「如何にも!このスイッチを押すと光彦くんはボタンを押した人間の胎内に移動するんじゃ!」
コナン「スゲーぜ博士!!早速使おう!」
博士「それなんじゃが...」
コナン「どうしたんだよ博士?」
博士「ボタンを押す人間がいないんじゃよ...」
コナン「あ...」
博士「適任者がいないんじゃよ。このスイッチは胎内に移動させる機械であって光彦くんを追い出す機械ではない」
博士「つまり哀くんや歩美ちゃんでは光彦くんの成長に耐えきれないんじゃよ...」
コナン「そうか...」
博士「後は蘭くんぐらいしか...」
コナン「...」
博士「...」
コナン「手詰まりだな...」
博士「もうワシにはこれ以上の発明はできない...」
コナン「...」
コナン「!」
コナン「そうだ!!」
コナン「いるぞ!!一人だけ!!俺たちの身近にいて光彦の成長に耐えきれる適任者が!!」
博士「本当か新一!!一体誰なんじゃ!!」
コナン「元太だよ!!」
博士「!」
博士「そうか!元太くんがおったわい!!」
コナン「あの腹、体格なら光彦一人ぐらいどうってことないはずだ!」
コナン「早速うな重で元太を釣ろう!」
博士「よし来た!!任せろ!!」
~30分後~
元太「博士!!うな重が無限に出てくるスイッチができたって本当かよ!!!」
博士「あぁ、本当だとも。それがこのスイッチじゃ。これを押して暫くすると溢れるようにうな重が出てくるんじゃ」
元太「本当かよ!!博士もたまにはマシな発明するんだな!」
博士「大きなお世話じゃ。早速押してみるとよい」
元太「おう!」ポチッ
元太「...」
元太「?何も起きねーぞ博士」
博士「おかしいのう...失敗だったのかもしれん」
元太「なんだよそれ!!」
博士「うーん...すまんが少し改造してみるから今日は帰ってくれんか」
元太「たくー、頼むぜ博士。楽しみにしてっからな」
コナン「...成功したのか?」
博士「恐らくそのはずなんじゃが...」
コナン「確かめようがねーじゃねぇか!」
博士「すまん...そこまで考えておらんかった」
コナン「まあ仕方ねぇか...佐藤刑事が退院した時に確かめればいいし」
博士「そうじゃ!佐藤刑事はどうなったんじゃ!」
コナン「昨日意識が回復したらしい。まだ会話は成立してないけどな」
コナン「今はゆっくり寝てるよ」
博士「そうか!とにかくよかったわい」
翌日
佐藤「んっ...」
高木「美和子っ!!」
佐藤「高木くん...?」
高木「そうです高木です!」
佐藤「高木くん、私...どうなったのかしら...?」
高木「安心してください!一週間安静にしてれば大丈夫だそうです!」
高木「それに博士が光彦くんを追い出すことに成功したそうです!」
佐藤「本当に!?」
高木「はい!どうやったのかは教えてくれませんでしたが」
佐藤「よかった...本当によかった...」
高木「美和子...」
佐藤「高木くん...」
高木「今度は...今度こそ僕たちの子を産みましょうね」
佐藤「...やだ!それが病人に対する台詞?」
高木「あっ!す、すみません!」
佐藤「ふふっ」
高木「アハハ」
数ヶ月後
コナン「博士ー佐藤刑事検査薬で陰性反応出たってよ」
博士「そうか。流石ワシといったところじゃな」
コナン「元はと言えば博士の発明品が原因だろ。自分のもんぐらいちゃんと管理しろよな」
博士「クッ...こりゃ一本取られたわい」
ピンポーン
博士「おや、朝から来客かのう。ちょっと待っといてくれ新一」ガチャッ
元太「博士ー...」
博士「おぉ、元太くん。どうしたんじゃ?キミらしくなくげっそりしてるように見えるが」
元太「それなんだよ。助けてくれよ博士ー」
博士「一体どうしたんじゃ。落ち着いて話してくれ」
元太「実は最近食欲がなくて気持ち悪くてよー...薬もらっても治んねんだよ...」
博士「...」
博士(ワシに産婦人科の知り合いはおらんぞ...)
ここから更に数ヶ月、元太が出産するまでのエピソードや光彦が誕生し復習を計画するエピソードはまた別のお話である
おわり
ありがとうございました
このSSまとめへのコメント
光彦「これは何周目だ?俺は何度こんな事を繰り返している…!?」
博士「ふぉっふぉっふぉ!ジャスト五年!いい悪夢は見れたかの?」
光彦「うおおおお!!この俺に近寄るなァァァァ」