P「記憶喪失……ですか?」
菜緒『はい……私たち家族や学校の友達のことは覚えているのですけれど、自分のこと——特にアイドルに関することはみんな忘れているみたいなんです』
P「それはまた……」
菜緒『それで、お医者様から思い出すかもしれないと……』
P「事務所に、ということですか?」
菜緒『はい』
P「本当に記憶喪失なんですか?」
菜緒『はい。少なくとも以前の美希とは別人です』
P「わかりました。ともかくお待ちしてます」
※記憶喪失ネタなので、キャラ崩壊済み。
ヤ、という方は右上の核発射ボタンお願いします。
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小鳥「美希ちゃんが……だいじょうぶかしら?」
P「怪我自体はたいしたことないらしいですが……」
社長「うむむ……心配だねぇ……」
プロデューサーの電話が鳴る。
P「はい、えぇ。着きましたか? はい、そうです」
ドアをノックする音、プロデューサー開ける。
菜緒「あ、お久しぶりです、プロデューサーさん」
P「どうも、お久しぶりです……あれ、美希はいっしょじゃ……?」
菜緒「あっ、あの子また……美希! だいじょうぶだからこっち来なさい!」
美希「」コソッ
P「!!!??」
菜緒「ほら、この人がプロデューサーさんよ」
美希「あ、あの……星井美希、です……」モジ
P「す、すみません、ちょっと……あ、どうぞ中に入ってください……」
社長室に入るプロデューサー。
P「ぶはぁっ!」
社長「ど、どうしたかね、キミぃ!? すごい鼻血だよ!」
P「な、なんですあの美希のしおらしさは!? かわいい! かわいすぎます!」
社長「そ、それほど違っていたのかね?」
P「社長も味わってくるといいです」
社長「うぅむ、にわかには信じがたいが……」
社長室から出る社長、すぐ戻ってくる。
社長「……」ツツー
P「社長、ティッシュどうぞ」
社長「す、すまんね……しかし、あれは反則だよキミぃ……」
P「あれはもう、スケジュール全消去ですね」
社長「う、うむ……ティンとくるどころではない。早く元に戻ってもらわないと、我々も仕事どころではなくなってしまう」
P「知ってますか? 音無さんは既に死んでますよ。ほら、ここまで鼻血が」
社長「と、とにかくこの件はキミに任せた。さぁて私は961プロの牽制にでもいくかなぁ!」
P「ちょ、ちょっと、社長ー!」
社長、窓から飛び降りて退場。
P「だいじょうぶだ、美希は美希だ。いつもどおりに接すればだいじょうぶさ」
社長室から出るプロデューサー。
P「お待たせしました」
菜緒「ほら、美希、怖がってちゃダメでしょ」
美希「う、うん」
P「美希、転んだらしいけど、怪我はだいじょうぶか?」
美希「は、はい。ケガはないみたいです。でも、記憶が……」
P「それはこれから思い出せばいいさ。ほら、ここが美希の事務所だ」
美希「ここが、私の通っていた……」
P「思い出さないか?」
美希「ごめんなさい……でも、家にいるみたいにすごく落ち着きます。あ、これ……」
P「あぁ、765プロのライブポスターだよ。これがオールスターの1stで……」
美希「わ、わたし……」
P「ん?」
美希「わたし……こんな格好で、は、はずかしい〜!」
P「なっ……!」
美希「私、アイドルのお仕事って、テレビでお話してるんじゃないんですか!?」
菜緒「あー……ごめんなさい、アイドルがどういう仕事かっていうのも忘れちゃってたみたいで……」
P「なんと」
美希「だ、だって、おへそまでこんな……はっ! これがあってことは……」
P「これは本当にアイドルどころじゃないな……」
美希「うぅ……」チラッ
P「ん?」
美希「うぅぅ〜!」バッ
P「???」
菜緒「あの、プロデューサーさん」
P「あ、はい」
菜緒「とりあえず、今日はここに美希をおいていきますので、あとはよろしくお願いしますね」
美希「そ、そんなお姉ちゃん!」
菜緒「ダメよ〜、ちゃーんと思い出す努力ぐらいはしないと」
美希「うぅ……」チラッ
P「ん?」
美希「〜っ!」バッ
P「???」
菜緒「という訳で、よろしくお願いします」
P「あ、は、はい!」
菜緒「駄々こねるようでしたら、ガッといってバッといってチュッとしてオッケーですから」
P「し、しません!」
菜緒「ふふ、それじゃ失礼しますね」
菜緒、事務所から退場。シナリオからも退場。
P「ま、まあそんなところでへたれてないで、こっちソファに座ってくれ」
美希「は、はい」
遠慮がちに座る美希、そんなの見たことない。
P「なにか飲むか? たしか冷蔵庫にいちごオレあったな」
美希「い、いえっ、お気遣いなく……」
P(すげぇやりにくい。かわいいし)
美希「」モジ
P「そのソファな」
美希「は、はい!」
P「美希がいつも昼寝してたソファなんだ」
美希「私が?」
P「昼寝もしなくなったのか?」
美希「は、はい……以前の私はいっぱいしていたみたいですけど、今は……」
P「ちなみに、今日は何時に起きたんだ?」
美希「朝5時くらいには……」
P「5時!? え、寝たのは何時だ?」
美希「えと、9時くらいには」
P「健康的すぎる。やよいかっ」
美希「あ、あの」
P「なんだ?」
美希「その、ちょっと、横になってみてもいいですか?」
P「ん? あぁ、そうだな、何か思いだすかもしれないな」
美希「失礼します……」
P「……どうだ?」
美希「はい、なんだか知っているような気がします……でも、何か物足りないような気も……」
P「あ、たぶん、これだ」
美希「なんですか?」
P「このクッション、よく使っていたよ」
美希「そうなんですか? 少し、お借りします」
P「あぁ。ん、すまん、ちょっと席を外すよ」
美希「はい」
P(美希が記憶喪失だって、みんなに伝えないとな)
美希(なんだろう、ここ、すごく心地良い……私、たしかにここを知ってる……でも、何か足りない……)
千早「プロデューサー、美希が記憶喪失って、本当ですか!?」
P「おぉ、千早、早かったな」
千早「えぇ、今日は早く目が覚めて……じゃなくて、美希は!?」
P「そこ」
千早「えっ?」
美希「あ、あの……おはようございます」
千早「!!?」プシッ
P「おい、千早、鼻血出てるぞ」
千早「ハッ! す、すみません!」
P「いや、わかる。社長ですらK.O.された」
千早「本当に、美希なのよね?」
美希「は、はい。星井美希です……ごめんなさい」
千早「あ、謝ることなんてないわ! むしろなんというか、その……いいわ!」
P「鼻血注意のメールも送っておくか……」
美希「あなたも……その、アイドルなんですか?」
千早「そうよ、如月千早。美希からは……そう、千早お姉ちゃんと呼ばれていたわ!」
P「おい」
美希「千早……お姉ちゃん?」
千早「ゴザァッ!!」ブシュゥ!
P「お、おい、千早ァーッ!」
美希「春香お姉ちゃん?」
春香「ヴァイッ!」ブシッ
美希「雪歩お姉ちゃん?」
雪歩「ぽえっ!」シュブッ
美希「真お姉ちゃん?」
真「まきょぉっ!」マッコマッコリーン
美希「貴音お姉ちゃん?」
貴音「しじょっ!」ブッシャァ
美希「あずさお姉ちゃん?」
あずさ「あっらー」ドタプシャァ
美希「やよいちゃん?」
やよい「うっうー!」ヨロコビ
美希「亜美ちゃん?」
亜美「とか!」グッ
美希「真美ちゃん?」
真美「ちー!」ガッ
美希「デコちゃん?」
伊織「なんでよ!?」ペカッ
亜美「せっかくだからりっちゃんも呼んでもらいなよー」
律子「わ、私はいいわよ、別に……」
美希「あ……あぅ」
P「どうした、美希?」
美希「そ、その……なんだか、こわい、です……」
律子「——」
亜美「あー……」
真美「普段厳しくしてきたケツがまわってきたねぇ」
律子「い、いいわよ、別に……ぐすん」
P「あー、美希、ちょい耳」
美希「はい……はい、えっと……いつもありがとうございます、律子おねえちゃん」
律子「——!? み、美希ぃ〜!」ダバー
P「ハハハ……」
美希「……?」ホワッ
美希(なんだろう、この人の傍にいると、ポカポカしてくる……この人の手……これが……)
ぎゅっ
P「わっ!」
美希「——! ご、ごめんなさい!」
P「い、いや、こっちこそスマン。びっくりしただけだ」
美希「ち、違います! 私こそ勝手に……ぷ、プロデューサーさんの腕が、その……今、すごくふわって……あ、あの……」
P「な、なんだ?」
美希「……おにいちゃん?」
P「」パリン!
亜美「に、兄ちゃんの眼鏡が……」
真美「割れた……!」
ワイP、型月スレに誤爆してしまう痛恨のミス。
仕事中に紙に下書き→コピペ(物理)なので、出来上がっていますが、やすみやすみで。
閉め切られた社長室。灯りはランタン。
春香「さて、みんなに集まってもらったのは他でもないよ」
真「美希のことだね?」
真美「このままじゃヤバイね」
亜美「ぶつりタイプがいきなりとくこうタイプに進化したからね」
真美「ゆきぴょんとやよいっちを足して2で掛けたみたいな破壊力だからね」
雪歩「でも、今の美希ちゃんも、すっごくかわいいよ」
響「たしかにあの美希は捨てがたいけれど」
春香「私たちには、それ以上に守らなければならないものがあるんだよ。仲間だもんね」
伊織「いったい、ナニ仲間なのかしらねぇ」
貴音「それで、具体的に何をするというのですか?」
亜美「そりゃー、ミキミキの記憶を取り戻すんだよ!」
千早「どうやって?」
真美「あぅ」
あずさ「たしか、頭を打ったって言ったわねぇ……」
響「じゃあ、もう一回頭を打てば……」
伊織「殺人に発展しそうだからやめてほしいわ」
真「うーん、偶然を装って……」
春香「偶然かぁ……」
千早「……」
春香「ん? なに、千早ちゃん?」
真「……」
春香「え? 真もなに?」
真美「……」
亜美「……」
春香「え? え?」
雪歩「……」
貴音「……」
伊織「……」
響「……」
あずさ「……」
春香「…………わたし?」
律子とやよいは出かけてます。Pが出れないから。
同じ時間。テレビの前。美希のライブ映像。
美希「これが、私……?」
P「あぁ、アイドルの美希だ」
美希「すごい……」
P「思い出さないか?」
美希「……ごめんなさい」
P「そうか、まあ、無理しなくていいさ」
美希「あの……」
P「なんだ?」
美希「プロデューサーさんにとって、私はどんな子でしたか?」
P「そうだなぁ……すぐに寝て、練習しなくて、敬語も使えない時のほうが多かったなぁ……」
美希「す、すごくご迷惑をかけていたみたいで……」
P「でもな」
美希「?」
P「ステージに立つ時、美希は誰よりも輝こうとしていた」
美希「!」
P「きっと、唯一本気になれること。それが美希にとってのアイドルだったんだと思う」
美希「……」
P「誰よりも強く、まっすぐに、自分を世界に向けて訴えていた。それが美希の力で、みんなを引きつけていたんだと思う」
美希「私は、そんなにすごい子だったんですか……?」
P「あぁ」
美希「あの……わたし……」
春香「プッロデュッサーッさーん! お茶もってきましたよー! お茶ー!」
亜美(いっけぇぇー! はるるん!)
P「お、おい春香! お前事務所で走ったら——」
ガッ!
春香「あっ! うわぁぁ!」
千早(——早いわ!)
真(あれじゃあ美希まで届かない!)
バーン!!
美希「!!」
春香「アツゥイ!!」ビシャー
響(あれは!)
真美(はるるんの手から飛んだおぼんがミキミキに!)
貴音(さすが春香! ドジを完全に操る面妖な女!)
あずさ(美希ちゃん、だいじょうぶかしら……)
伊織(誰か春香の心配もしなさいよ……)
美希「……」
P「だ、だいじょうぶか、美希?」
美希「ひ、ひぐっ……えぅぅ……」
((((!!!!!????)))))
亜美(な、泣いたー!?)
真美(どうすんの!? 泣いちゃったよ、ミキミキ!)
真(まさか、あそこまで打たれ弱くなっていたなんて!)
響(雪歩以上の豆腐メンタルだぞ!)
雪歩(あぅぅぅ〜)
春香「ご、ごめんね、美希! だいじょうぶ!?」
美希「ひぐっ、ぐすっ……」
P「痛いか? たんこぶとかできてないか?」
春香「ひ、冷やすもの持ってきます!」
美希「だ、だいじょうぶです……ちょっと、びっくりしただけで……」
春香「ほ、ほんとに……?」
美希「そ、それより、春香さんこそ、びしょぬれで……拭かないと風邪ひいちゃいます……」ニコッ
春香「——!!」アマミハルカデスッ!
亜美(は、はるるんが……)
春香「み、美希ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」ガバチュ
真美(墜ちたーーーーー!!)
こんだけ疲れて写せたのこれだけかよ……
でもたぶん、明日には終わらせられそうなので、また同じくらいの時間によろしくお願いします。
765プロ。レッスン場。
美希「きゃっ!」
どん
美希「あぅっ!」
がら
美希「あっ——」
がっしゃーん
響「あちゃー……」
千早「だいじょうぶ、美希?」
美希「は、はい……」
響「う〜ん、ダンスの記憶もさっぱいないのか」
美希「……ごめんなさい」
千早「もしかして、歌や演技とかも忘れているんじゃないのかしら……?」
美希「……そうかもしれません」
千早「テストしてみましょう。美希、あなたの曲よ」
ふるふるフューチャーを歌う美希。
響「どう、千早?」
千早「音程やリズムは問題ないと思うわ。でも……」
響「でも?」
千早「言ってしまうと、美希の歌じゃないのよね」
響「あ、それは自分も思ったぞ。美希らしくないなぁって」
美希「実は昨日、プロデューサーさんからライブの映像を見せてもらって、そんな風に歌えばいいかなって……」
千早「……そう」
響「千早?」
千早「今の美希は前の美希を模倣しているだけ……本来あったはずの美希の気持ちがそっくり欠けているのよ」
美希「私の、気持ち……?」
響「千早、それって……」
千早「美希が誰のために歌って、誰のためにアイドルを続けていたのか……それは……」
響「千早! ちょっと待ってよ!」
千早「でも、やはり美希のことを思い出すためには……」
美希「プロデューサーさん、ですか……?」
千早「!?」
美希「その……私の部屋に写真が……プロデューサーさんと写ってハニーって……携帯も、手帳も……」
響「あー……たしかに美希ならやりかねないなー……」
美希「やっぱり、私はプロデューサーさんを好き、だったんですか?」
千早「そうね……誰の目にもわかるくらいに」
美希「でも、アイドルは恋愛禁止で……」
千早「そうね。だから美希は……」
レッスン場のドアが開く。
P「おっす。三人とも、調子はどうだ?」
「「「!」」」
P「美希、調子はどうだ? ダンスは出来てるか?」
美希「プ、プロデューサーさん……」
(私は星井美希)
(ミキは、プロデューサーが好き)
(私はアイドル)
(プロデューサーがミキのハニー)
(アイドルなのに)
P「おい、美希?」
美希「いやっ!」
パシンッ!
P「!?」
千早「美希!?」
美希「いやあああああああああああああ!!」
響「あっ! 美希!!」
美希、頭を抱えてしゃがみこむ。響と千早が支える。
事務所。プロデューサーと千早。
P「そうか……余計なことしちゃったんだな、俺……」
千早「いえ、プロデューサーのせいではありません。私が勝手に話をしてしまったのが良くなかったんです」
響、入場。
P「響、美希はどうだ?」
響「今は落ち着いて、寝てるよ」
P「そうか……ありがとう」
響「ううん。これから美希、どうするんだ?」
千早「少なくとも、アイドルとして活動はできなさそうですね」
響「アイドル、やめちゃうのか……?」
P「それは、俺じゃ決められない。しばらくは活動休止にして、社長や家族の人と相談しないと……」
携帯『イキテクツヨサヲォーカサネアワセェーアイニイキルゥーウッウー』
P「はい、どうした、雪歩?」
雪歩『あ、あの今、事務所の近くまで来てて、その、美希が走って行っちゃうのを見たんですけれど……』
P「なんだって!?」
プロデューサー、退場し、すぐに戻ってくる。
P「しまった!」
響「いなくなっちゃのか!?」
P「あぁ!」
響「そんな……! さっきまで……」
P「雪歩! 美希はどこに向かった!?」
雪歩『え、えっと……』
商店街。ジャージ姿の美希。
美希「私、どうしたら……」
『大人気コーナー! 星井美希の先週のジョーシキ非ジョーシキ!』
美希「!」ビクッ
『今週はねー、キラッ☆ってして、あはっ☆なカンジ?』
美希「前の私……プロデューサーさんが好きなのに、アイドルやっていた……」
『ミキ的にはー、帽子が欲しい気分かな?』
美希(私じゃないわたし……ミキ……)
「お、おい、あれ星井美希じゃね?」
美希「!」ビクッ
「ホントだよ、絶対そうだって!」
「ホントだ!」
美希「え、あ、あの」
「サインください!」
「握手してください!」
美希「あ、あの、私は……」
「星井美希だって!」
「ホント!?」
「マジ!?」
美希「ご、ごめんなさい!」
人だかりから逃げる。
公園。息を切らした美希。
美希「はあ、はあ……」
(歌って、踊って、はずかしい格好もして……さっきみたいにたくさんの人に追いかけられて……)
美希「わたし……できないよぉ……」
「グワッ」
美希「……?」
公園の池に鴨。
「グワッ」
美希「いいなぁ……」
(私も、あんな風にゆったりと生きられたら……)
「ねぇねぇ、キミ、星井美希ちゃんだよねぇ?」
美希「きゃあっ!」
「やべー、本物だよモノホン」
「マブい! 超マブいんだけどぉ!」
「ねぇねぇ、星井美希ちゃんだよねぇ?」
美希「はぃ、い、いえ、違います……」
「ウッソだー! 本物だよぜってー本物!」
「なぁなぁ、俺のこの二等辺三角形のリーゼント見てくれよ、こいつをどう思う?」
美希「すごく……尖ってます」
「ヒューッ!」
「ヤベー! チョーマブい! チョマチョブ!!」
「でも美希ちゃんテレビとぜんぜんちがくね?」
「バッカ、じゃないからだろ。こっちが素なんだよきっと」
「やべー、ギャップ萌えー」
美希「ひ、ひっ……」
「おぉっと逃がさないぜぇ」
「俺たちとカラオケ行こうぜぇ」
「そんで米米クラブの浪漫飛行とか歌おうぜぇ」
「ブランキーのわるいひとたちとかもデュエットしようぜぇ」
美希「う、うぅ……」
「美希ぃぃぃ!」
美希「!」
プロデューサー、登場。
P「美希! だいじょうぶか!?」
美希「プロデューサーさん!」
「プロデューサー? じゃあホントに美希ちゃん?」
P「はい、765プロのプロデューサーです。美希を返していただけませんか?」
「やだー」
「これからカラオケ行くんだもーん」
「俺たちはこれから美希ちゃんと惑星のランデブーだもんねー」
「プラネットパトロールしちゃうもんねー」
P「強硬な手段を取らせてもらうこともありますよ」
「どんなー?」
「おせーてー?」
P「765プロは水瀬財閥と懇意にさせていただいています。電話一本で水瀬セキュリティーの者が来ます」
「げぇっ! 水瀬!」
「水瀬セキュリティーって言ったら!」
「絶対安心・家内安全・一族安泰でおなじみの水瀬セキュリティー!」
「やべぇよ、やべぇよ……」
「じゃ、じゃあ、せめて握手してください!」
美希「あ、は、はい……」
「一生の思い出にします!」
「これで真面目に生きられます!」
「東大合格できます!」
「童貞卒業できます!」
美希「は、はい……がんばってください……」
P「落ち着いたか?」
美希「はい……」
P「気を付けないと、美希はアイドルなんだから、ジャージのままなんかで出かけたらすぐにバレちゃうぞ」
美希「どうして……」
P「ん?」
美希「どうして、私の場所がわかったんですか?」
P「わかった訳じゃないよ」
美希「それじゃあ……」
P「……ここで、美希と約束したからな」
美希「やくそく……?」
P「美希をトップアイドルにして、キラキラさせてやるって」
美希「それは……前の私との約束ですよね」
P「そうだけど……俺にとっては美希は美希だよ」
美希「でも、私にアイドルなんて……」
P「……ちょっと都合よく考えちゃうけどな。今の美希がやりたいことを応援する、じゃダメか?」
美希「私の、やりたいこと?」
P「前の美希はやりたいことがなくて、きっとアイドルなら人生おもしろくなるかもしれないって思って、デビューしたんだよ。たぶん、生きがいを探していたんだよ」
美希「生きがい……」
P「今の美希も、前の美希もスタートラインは同じなんだよ。アイドルじゃなくていい。ダンスがダメならモデルや歌だけでもいい。何か、思いっきり別のことでもいいさ——それを765プロで探してほしいんだ」
美希「プロデューサーさん……」
P「それなら、俺にも手伝えるしな、はは」
「ばぅわぅ!」
P「うわっ! い、いぬ美か?」
「ばぅわぅ!」
P「ってことは」
「「「「プロデューサー! 美希ー!!」」」」
美希「みなさん……」
P「頼むから、いなくならないでくれよ」
美希「……」
P「みんな、お前が好きなんだからさ」
美希「……はいっ!」
「グワッ」
765プロ前。箒を持つやよいと美希。
やよい「うっうー! 美希さんとお掃除なんて初めてでなんだか楽しいですー!」
美希「ふふ、ありがとう、やよいちゃん。しばらくまたお世話になるからね」
やよい「うぅ、じゃあじゃあ、やっぱりアイドルやめちゃうんですかぁ?」
美希「それはわからないかな。やっぱりアイドルが一番かもしれないし……あ、でも、なりたいものなら見つかったかな」
やよい「え、なんですかぁー?」
美希「は、恥ずかしいから、耳かして……」
やよい「はいー」
美希「えっと……お・よ・め・さん」
やよい「え……えええぇぇぇぇー!!」
美希「あはっ☆」
——おわり。
ED:生きてく強さ So:GLAY
おつかれ。
百万通りの解釈ができる終わらせ方です。
本編はむしろこれからな気がするけど、もうゴールしてもいいよね。
次は貴音か、あずささん。
貴音は短い。一発ネタを二つやる感じ。
あずささんはこれとおなじくらいか。
あずささんは誕生日に間に合わせたかったけどね。
響は……うん、ごめん。
あと今さらなんだけどねぇ。
この記憶なくした美希ねぇ。
完全に雪歩なんだよなぁ……。
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