女勇者「…………」 (4)
これは鬱展開の多い百合モノです
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魔王が死んだ。私が殺した。
振り下ろされる漆黒の剣を捌き、そのまま私は彼女の胸を刺した。
溢れ出す赤黒い液体が私の純白の剣を染め、その液体が刃を伝い、私の手を汚す。
肉を貫いた感触が今だ手に残る。不快な触感だ。
そして、私は魔王の顔を見る。穏やかな表情をしていた。とても美しい。これが生き物の命が尽きる瞬間かと私は思った。
私は剣を抜いた。瞬間、魔王の傷口から血が吹き出した。
噴水のように吹き出した血液が私の全身を汚した。生暖かい。私は思わず頬が緩んでしまうのを必死に堪え、剣に付着した血液を振り払った。
そして、魔王は崩れるように倒れ、死に際に言葉を残した。
「あなたを愛していた」
それに応じるように私は膝を付き、彼女の耳元で囁いた。
「私も―――あなたを愛していたわ」
勇者と魔王。互いに決して交わることのない道にいた。両者は同じ想いを抱いていた。だけど私は勇者の責務と皆の期待に負け、彼女も魔族の頂に君臨する者としての重圧に負けた。
故に私は彼女を殺した。決して交わることのない存在だからこそ私は彼女を殺したのだ。彼女の命を他の誰にも奪わせない為に―――
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