幼馴染「ミッション・ポッシブル!」 幼友「ちょっと違くない?」(111)

幼「あのね、幼友」

幼友「ねぇ、あの映画のタイトル、ミッション・インポッシブルだよね?」

幼「映画は全然関係無いの」

幼「実現不可能作戦じゃなくて、可能作戦だから」

幼友「作戦?」

幼「まずはこのテープを聞いて」

幼友「テープ?って、あ!iPod touchじゃん。おぉー!新しいの買ったんだ?」

幼「そんな事はどうでもいいから」
ピッ

?『おはよう、幼友君』

?『今回の任務だが…』

?『ある少女が、長年想いを寄せていた少年に』

?『告白する手伝いをしてもらいたい』

?『例によって、君、もしくは君のメンバーが捕えられ、あるいは殺されても』

?『当局は一切関知しないからそのつもりで』

?『成功を祈る』

?『尚、この音声データは5秒後に自動的に消滅する』

デーンデーンデッデッ!デーンデーンデッデ!チャラーーーーー!

ピッ
幼「…」ドヤッ

幼友「…これ、おじさんの声だよね?何なのこれ?」

幼「あれっ?伝わらなかった?頑張って作ったんだけどなー」

幼友「ごめん、全然」

幼「だから作戦だよ作戦!」

幼友「作戦?」

幼「私がリーダーでー、作戦を遂行するのです!」

幼「題して『男に告白大作戦』なのですっ!」

幼友「なのですって言われてもね」

幼「つまり、解りやすく噛み砕いて言うとね」

幼友「うん」

幼「私、男に告白しようと思うのです」

幼友「うん、まぁそれは作戦のタイトルで解るけど…やっとですか」

幼「やっと?」

幼友「何でも無い。で?告白するのが作戦?」

幼「そう。だからチームの一員として色々協力して欲しい」

幼友「チーム?私が?何を?」

幼「だって作戦は一人じゃ遂行出来ないでしょ?あの映画でも!」

幼友「映画関係無いって言ってたじゃん…」

幼「お願いっ!親友を助けると思って!」

幼友「本当に助けが必要?」

幼「うん!もう、正直どうしたら良いのか、解んないんだよ!」

幼友「そんな事断言されてもねぇ」

幼「……ダメ?」

幼友「…あぁ、もう!解ったわよ。手伝えば良いんでしょ!」

幼「さっすが親友!私のダチ公!」

幼友「…で?」

幼「ん?」

幼友「チームって言ったけど、他に誰が居るの?」

幼「私がリーダーで、幼友がメンバー」

幼友「…」

幼「…」

幼友「え?終わり?」

幼「え?何が?」

幼友「チームって2人なの?」

幼「うん」

幼友「少なっ!」

幼「だ、だって、こんな事、幼友以外に頼めないよー」

幼友「そりゃそうか…」

幼友「はぁ…そんじゃ、作戦考えてみますか…」

幼「頑張ろう!」

幼友「はいはい…それで、幼はどう考えてるの?」

幼「えー、ズバリ!保育園の頃から一緒に過ごしてる、男の事が好きですねっ!」

幼「どの辺りが好きなのかと言うと…」

幼友「あー、言わなくて良いよ、それは解ってるから」

幼「でも、私と男の出会いから話した方が…」

幼友「そう言うのはいいから!」

幼友「男君とお付き合いしたいんでしょ?」

幼「は、はっきり言うと、そう言う事です」

幼友「そんで?どうやって告白するのかを考えるんだよね?」

幼「そ、そうであります!」

幼友「んー。普通にさー」

幼友「『男、好きー。付き合ってー』って言えば?」

幼「もうっ!乙女の一大イベントをそんな簡単に片付けないでよー」

幼友「それで充分だって」

幼「そう言うんじゃなくて…もっとこう…ムードある感じで…」

幼友「ムードねぇ…」

幼友「そんじゃ手紙でどこかに呼び出すか!」

幼「どこか?」

幼友「んー、例えば放課後の校舎裏とかさー」

幼「校舎裏には不良の人が居たりするよ?薄暗くて怖いし」

幼友「じゃあ放課後の屋上とか?」

幼「屋上は鍵かかってるじゃん」

幼友「じゃあ放課後の教室とか?」

幼「割とダラダラ残ってる人居るじゃん」

幼友「むー…中々難しい問題だなぁ」

幼「うん…」

幼友「ね、やっぱ直接男君の部屋に突撃すれば?」

幼「意識しちゃったら、そんな事出来ないよー」

幼「て言うか、最近は全然男の部屋に遊びに行ってないし…」

幼友(実際に突撃してたんだ…凄いなこの子)

幼友「そう言えば最近、あんた達あんまり話ししてないよね?」

幼「う、うん…一度意識しちゃったらね…」

幼「何か、男の顔まともに見れなくて…えへへ」

幼友「そんなんで、ちゃんと手紙を渡せるの?」

幼「う…直接は恥ずかしいかもです…」

幼友「じゃあ、古風に、下駄箱に投函だね!」

幼「下駄箱かぁ…なーんか良いね!青春ぽくて!」

幼友「じゃあ、下駄箱にラブレターね」

幼「ラ、ラブレ…タァ…えへへへ」

幼友「そこ、照れる所?」

幼「でもやっぱり呼び出す場所が肝心だよね」

幼友「んー、それについては…難しいね…」

幼「むー」

幼友「…私ちょっと喉渇いちゃったから…」

幼「じゃ、じゃあ私が飲み物買ってくるよ!おごるから!」

幼友「え?いやいや、それは悪いって…」

幼「報酬の前払いって事で!」
タタタッ

幼友「はぁ…」

幼友「ちょっと面倒な事になっちゃたかなぁ」

ヒョコッ
友「なぁなぁ、幼友っ!今の話、俺も混ぜてくんね?」

幼友「げ!あんた聞いてたの?いつから?」

友「音声再生してる辺りからちょいちょい聞こえてた」

友「てかお前ら声デカすぎるだろ」

友「残ってる奴ら皆に聞こえてたんじゃねーの?」

幼友「しくじった…」

友「でもまぁ、皆黙っててくれると思うぜ」

友「なにせあの2人の事だしな」

幼友「…それもそうか」

幼「お待たせーって!」

幼「と、友君!?何故ここに?」

幼友「ごめん、話し聞かれてた…」

友「話しは大体解ってるから!」

友「男子の意見も重要だと思うぜ?」

幼「…それもそうだね」

幼「友君、一緒に考えてくれる?」

友「おう!俺の親友の為でもあるしな!」

友「で、今どんな感じなん?」

幼「えっと…下駄箱に手紙を入れて、呼び出そうと思って」

友「どこに呼び出すつもりなん?」

幼友「それが重要よね」

幼「屋上か、校舎裏か、放課後の教室か…」

幼友「どれもイマイチなんだよねー」

友「それならさ」

幼「ん?」

友「デートに誘えば?」

幼・幼友「デート?」

友「男に聞いたんだけどさ」

友「幼ちゃんと男ってデートした事無いんでしょ?」

幼友「え?そうなの?」

幼「う、うん…ウチの妹と一緒に3人で買い物に行ったりはするけど」

幼「ちゃんとした、2人きりのデートは…した事無いよ」

友「な?だから…」

幼友「デートした後、告白するって訳ね!」

友「…うん、そう。それ、俺が言いたかったんだけど」

幼友「どう?幼!ちょっとハードル上がるけど、やってみる?」

幼友「男君との距離も一気に縮まるし、やってみるのも良いんじゃない?」

幼「うん、解ったよ!やってみる!」

幼「作戦名『男に告白大作戦』から『デート後、男に告白大作戦』に変更!」

友・幼友「おー!」

幼「それじゃ、呼び出すのはデートの待ち合わせ場所になるね」

幼友「行く場所にもよるけど…駅前が良いんじゃない?」

幼友「程々に人が居るし、あまり緊張せずに待てるんじゃない?」

幼「うん、駅前の時計下とか…かな?」

友「男は几帳面だから、待ち合わせの時間丁度に来るんだろうなー」

幼「あぁ、うん。キッチリ5分前に来るよ」

幼友「5分前って…何で解るの?」

幼「昔からね、男の家族は皆、5分前行動なんだー」

幼「だから多分11時に待ち合わせたら、10時55分に来るよ」

幼「だからちょっと早め…10分くらい先に行って待っていようかなと」

友「じゃ、いっそ1時間くらい待ってみれば?」

幼「え?なんで?」

幼友「そうだよ、時間を決めて、待ち合わせするのに1時間も待つなんて…」

友「ふっふっふ…男子はそういうのに弱いんだよ」

幼友「はぁ…そう言う物ですか…」

幼「そうだね、ちょっと待ってみようかな」

友「で、後から来た男が『お待たせ、待ったか?』って聞いて来たら」

友「『ううん、全然』と、あくまで自然に、さりげなく、にこやかに返す…と」

幼「うん、解った」

幼友「それって全然自然じゃないと思うんだけど…」

友「だが、男子はそういうのに弱いのだっ!」

幼友「…アンタが頼りになるって、生まれて初めて思ったわ」

友「俺に惚れるなよ?」

幼友「…」

幼「で、待ち合わせた後、どこ行こうかな」

幼「買い物に行こうって言ったら、男子は嫌かな?」

友「んー、場所によるかなー」

幼「例えば?」

友「ショッピングモールならOKだけど、例えば下着専門店とかだとNGだな」

幼友「誰がアンタなんかと下着買いに行くのよ、バカじゃないの?」

友「例え話だ、バカ」

幼「…私、男と一緒に下着買いに行った事、ある…」

友・幼友「…」

幼「あの時も妹と3人で、男も特に何にも言ってなかったけど」

幼「ほ、本当は嫌だったのかな?」

幼友「そ、そんな事は無いんじゃない?」

友「そうそう、男って嫌な事は嫌って言うタイプだし?」

幼「取り敢えず、買い物はやめとこうかな…」

幼友「それなら、博物館・美術館はどう?」

友「ちょっと固くねーか?」

幼友「あ、今のは私が観たいだけなんだけど」

友「今って何を展示してるんだ?」

幼友「ツタンカーメン展」

友「んー?固くは無いけど、男、興味無いんじゃないかなぁ?」

幼友「そうかなぁ。男君結構好きじゃないかと思うんだけど」

幼「確かに好きなんだけど…先週行ったんだよね、家族で」

幼友「家族?」

幼「男んちと私んちの家族全員で、ツタンカーメン展見てきたんだー」

幼友・友(既に家族ぐるみのお付き合い…)

幼友「あー…どうしたもんかなー」

友「よし!そんじゃさ、俺が今夜電話して聞いてみるぜ」

友「今、やりたい事とか行きたい所が無いかどうか」

幼「お願い出来る?」

友「任せときな!このトークのまっじゅちゅし…」

幼友「噛んだ」

幼「噛んだ」

友「…トークの魔術師である俺に任せときな!」

幼・幼友(不安だ)



翌日の放課後

友「無事に聞き出せたぜ!」

幼友「ボロ出してないでしょうね?トークのまじゅちゅしさん?」

友「出してない!ちゃんと自然な流れで聞き出した!」

幼友「で?どうだったのよ」

友「どうやらアイツ、映画が観たいらしい」

幼「映画?」

友「ほら、今丁度あのスパイ映画の最新作やってるじゃんか」

幼「あぁ!インポッシブルの方!」

友「アレを観たいらしい」

幼「私も観たいし!」

幼友「そうか…それじゃベタだけど、映画で決まりだね」

幼友「それじゃ、映画を見た後は…食事とかして」

幼友「ウィンドウショッピング…とか」

幼友「私はした事無いけど、小説とかだと、定番のデートコースだよね?」

幼・友「おぉー!」
パチパチパチ

友「ゲーセンも外せないなー」

幼友「プリクラとか、クレーンゲームとか?」

友「男は案外ああいうの好きなんだよ」

幼「うん、知ってるけど」

幼友「ドラマや小説だと、その後、思い出の場所に立ち寄って、告白…とか?」

幼「あ、思い出と言えば…」

幼友「あの丘の上の公園とか?」

幼「うん。小さい頃、良く遊びに行ってた公園…」

友「いいじゃんいいじゃん!夕暮れ時だと尚良いぜ!」

幼友「王道だけど、良いね!」

友「男はなんだかんだ言って、王道に弱いからなぁ」

幼「それじゃ、まとめると…」

幼「待ち合わせて、映画見て」

幼「食事して、軽くショッピング」

幼「ゲームセンターで遊んだりして」

幼「夕日が沈む頃、子供の頃よく遊んでた公園で」

幼「こ、告白…」

幼友・友「おぉー」
パチパチパチ

幼友「良いんじゃない?」

友「これ、完璧なデートじゃね?」

幼友「それじゃ、私たちは街の人ごみに紛れて、2人を見守る…と」

幼友「アクシデントがあった時、迅速に対応する事」

友「イェッサー!」

幼友「あ…でも、携帯じゃ連絡が取りづらいな…」

幼「あ、それなら大丈夫!」

幼「ウチのお父さんのお店がそういうの扱っててね」

幼「超高性能ヘッドセットを用意出来るよ!」

友「マジで?」

幼「私は髪の毛で耳の部分隠れるし」

幼「100メートルくらいなら電波届くらしいから」

幼友「何か、そこだけ本格的ね。本物のスパイみたい」

友「作戦は雑なのにな?」

幼「えへへ、本当はイベントとかで使う機材なんだけど」

幼「『デート後、男に告白大作戦』に必要だ!って言ったら」

幼「お父さんがノリノリでね」

幼「一番高性能なやつを無料で貸してくれる事になったんだー」

友「んじゃ、ますますしくじれねーな!」

幼友「まぁ、あの映画じゃ最初の任務は大抵大失敗だけどね」

幼「今回は成功します!させてみせますっ!ポッシブルですからっ!」

幼「2人とも、ありがとうね」

幼「この作戦、必ず成功させてみせるから!」

友「…でも何かもう1つアクセント的なのが欲しくないか?」

幼友「アクセント?」

友「例えば、ベタなんだけどさ…」


幼友「なるほど…超ベタだけど、良いね」

幼「でも誰に頼むの?学校の友達だとすぐバレちゃうよ?」

友「大丈夫、アテがある」

友「俺の従兄に事情話せば協力してくれると思うぜ」

幼友「じゃあそっちの仕込みは任せたわよ?」

友「おう、任された」



数日後

友「んじゃ、明日の朝、下駄箱に手紙入れるって事で」

幼友「フォロー頼むわよ」

友「おう!んじゃ俺先に帰るわ」

幼「うん、また明日ね!」

幼友「で、幼。肝心の手紙は書けたの?」

幼「う、うん、一応…持ってきたんだけど…」

幼友「見せてみ?」

幼「はい!」

幼友「どれどれ…」
パラッ

『明日の11時、駅前の時計下にて待つ』

幼「ど、どうかな?」

幼「書きたい事をシンプルに突き詰めて行ったら、こうなったんだけど」

幼友「ムードの欠片も無いんですけど」

幼「そ、そっか…どうしたら良いかな?」

幼友「まずこの和紙に筆で力強い字を書くのは止めた方が良いね」

幼「えー?書道二段は私の数少ない特技だよ?」

幼「そこを作戦に活かして行きたいと思って!」

幼友「…もうこれだけで果たし状に見えちゃうから」

幼友「普通の便箋に、鉛筆で書きなさい」

幼「う…鉛筆だと筆圧調整が苦手で…」

幼友「あんたの字、鉛筆でも筆で書いた感じだもんね」

幼友「でも鉛筆で書きなさい」

幼「はい…それじゃ、今日帰りに文具屋に寄って…」

幼友「ぐ、偶然にもここにレターセットを持ってるから、これ使って」

幼「わー、可愛い…幼友、何でこんなの持ってるの?」

幼友「そ、そこはどうでも良いから」

幼「ありがと!使わせて頂きます!」

幼友「内容ももうちょっと何とかしないと」

幼「う、うん」

Mission:possible

START




デート前日 AM08:15

幼「ふぅ…まずはこの手紙を男の下駄箱に入れる所からだね」

幼友「ほら、誰かに見られない内に、さっと入れちゃいなよ」

幼「うんっ」
パカッ
サッ
パタン

幼「作戦第一段階、完了だね」

幼友「ここからが本番だから!気を引き締めて行こう!」

幼「やー!」

幼友「それじゃ隠れて見守ろう」



デート前日 AM08:40

幼友「あ、男君と友、来たね」

幼「来たね!ドキドキするねっ!」

幼友「幼、声大きいよ」

幼「えへへ、ごめん、つい興奮しちゃって」

幼友「お?男君が手紙に気付いたみたいだね」

幼友「友、上手くやんなさいよ…」

幼「あれ、何か言い合いになってる様に見えるけど…」

幼「声、聞きたいねっ」

幼友「そうね…明日はちゃんとヘッドセットがあるもんね」

幼「…ちゃんとカバンにしまったね」

幼友「確認完了!よし、それじゃ教室に行こっか」

幼「やー!」



デート前日 AM08:45

友「なぁなぁ、さっきの見てたか?」

幼友「見てたよ、何か口論してたみたいだけど大丈夫でしょうね?」

友「あぁ、バッチリだぜ」

幼「男は何て言ってたの?」

友「アイツ、その場で読もうとしやがったからさ」

友「そう言うのは家で読めって言ったら」

友「『今日の放課後待ってます』って内容だったらどうすんだ?って言われてさ」

幼友「確かに、そりゃそうだわね」

友「ま、俺の説得力ある説得により説得してきた」

幼友「ちょっと不安なんだけど…アンタ、後で探り入れときなさいよ?」

友「おう!任せとけ!」

幼「まぁ、内容的にはお昼休みに読んでくれても良いんだけどね」

幼友「え?そんな内容なの?」

幼「ま、まあね」

幼友「アンタ結局何て書いたの?」

幼「ふ、普通だよ、普通」

幼「普通に明日の待ち合わせについて書いたよ」



デート前日 PM12:55

友「大丈夫、アイツちゃんと家で読むって」

幼友「第一段階、なんとかクリアかな」

幼「ちょっと一安心だね」

幼友「何か私もワクワクしてきた!」

幼友「明日は絶対成功させるわよ!」

幼・友「やー!」

幼友「後、言っておくけど、幼」

幼友「洋服選んでて、寝坊とか遅刻なんてベタな真似しないでよ?」

幼「大丈夫!こんな事もあろうかと、ちゃんと用意してあるから!」

幼「勝負服をね!」

幼友・友(ちょっと不安…)

幼「それじゃ2人とも、ウチのお父さんのお店に行こう!」

友「あぁ、ヘッドセット借りに行かなきゃな」

幼友「それじゃ、ついでに幼のコーディネートも見てあげる」

幼「えぇー?信用無いなぁ」



デート前日 PM04:00

幼父「やあやあ!いらっしゃい!」

幼父「幼友ちゃん!ウチの娘の事、宜しく頼むよ!」

幼友「は、はい、出来る限り頑張ります」

幼友「ところでおじさん、あの音声データ?ノリノリでしたね」

幼父「ふっふっふ…ナイスボイスだっただろう?5回も撮り直したんだ」

幼父「BGMも本物のサントラを使って編集してね」

幼友「はぁ…気合入ってたのは充分伝わりましたよ」

幼父「伝わったなら満足!頑張った甲斐があった!」

幼父「本当は私が作戦指揮官やりたかったんだが」

幼父「明日は私が手掛けたイベントがあってね。朝から千葉まで出張なんだ」

友「大丈夫です!俺達が必ずやり遂げますから!」

幼父「む?君は誰だ?敵のスパイか?」

友「ち、違いますよ。俺は男の親友です!」

友「親友のためにも、娘さんの幸せのためにも!」

友「粉骨砕身頑張ります!」

幼父「うむ!本気の目だな!任せた!」

幼友「こいつにあんまり期待しない方が良いですよ、おじさん」

幼父「2人とも、本当に宜しく頼むよ!」

幼父「ウチの店の後継が出来るか出来ないかの瀬戸際なんだから!」

幼「お、お父さん、気が早いよ!」

幼父「そうか?はっはっは!」

幼友・友「……」

幼「それより、例の物を…」

幼父「おう、準備出来てるぞ」
ゴトッ

友「おぉ…マジで本物っぽい」

幼父「本物だぞ?これは」

友「あ、そうっすね」

幼友「すっごい小さいですね」

幼父「ふふん、凄いだろう?ウチの商品の中でも一番良いやつだからな!」

幼父「電源入れっぱなしでもバッテリー半日は保つから、朝から電源入れっぱなしでOK!」

幼父「チャンネルはセットしてあるから、3人で同時に会話出来る!」

幼父「集音感度も最高だから、囁くぐらい小さな声もちゃんと聞こえるぞ!」ドヤァ

幼「ありがとね、お父さん!私、頑張るよ!」

幼父「頑張れ!我が娘!」

幼友「……あのー、ちょっと聞きにくいんですけど」

幼父「ん?何かな?」

幼友「これ、ぶっちゃけお高い物ですよね?」

幼父「うむ!レンタル料、1日1台1万円だ」

幼友「レンタルで1万…これ、もし壊したら…」

幼父「……」

幼友「あ、やっぱ何も言わなくていいです」

幼友「友!あんた絶対壊さないようにしなさいよ?」

友「そっちこそ!」

幼父「大丈夫大丈夫。ずっと耳に付けておけば、大丈夫だから」

幼父「よっぽど強い衝撃を与えない限り壊れないから」

幼友・友(変なフラグっぽい事言わないで欲しい…)

幼父「大丈夫!この作戦は完璧だ!失敗する要素が無い!」

幼父「では諸君、健闘を祈る!」

幼友・友「り、了解!」

幼友・友(おじさん、ノリノリだなー)

幼友「それじゃ次は幼の服を見てみましょうかね」

友「俺はどうすれば?」

幼友「……」

友「お、俺は、先に帰らなきゃなー」

幼友「そうね、そうしなさい」

友「あ、明日、ヘッドセットは集合前に各自装着しておくように」

幼「なんで?」

友「何があるか解らないからさ」

友「待ち合わせ場所に着く前に電源を入れておくように!」

幼「了解っ!」

友「あ!あと、コードネームだけど」

幼・幼友「は?」

友「幼ちゃんがアルファ、幼友がブラボー、俺がチャーリー」

友「作戦中はコードネームで呼び合う事!」

幼「おぉ!作戦っぽい!良いね良いね!」

幼友「まぁ、今回はそのノリに付き合ってあげるわよ…」

友「それじゃ、幼ちゃん、明日は頑張ろう!」

幼「うんっ!明日よろしくねー!」



デート前日 PM04:45

幼友「で?どんな服を着ていくつもりなの?」

幼「じゃじゃーん!これです!」

幼友「おぉー…大人っぽい…けど…」

幼「何?サイズならぴったりだよ?」

幼友「いや、サイズって言うか…大人っぽ過ぎて、幼には似合わないかも」

幼「…ちょっと着てみるから!大人っぽい私を見て驚いたらいいさ!」



幼「どうよ!」
ビシィ!

幼友「…幼、やっぱり幼には似合わないよ」

幼友「いつもの可愛い系が絶対良いよ」

幼「えーっ?」

幼友「こっちのシャツとこれを組み合わせて…」

幼「それじゃいつもの私と変わらないじゃん!」

幼「いつもと違うって事を解って欲しいんだよ、まず見た目から!」

幼友「気持ちは解るけどさー」



デート前日 PM10:15

幼友「うん!落としどころとしては悪くない!」

幼「うんっ。いつもの私にプラス2って感じ?」

幼「折角買ったワンピースも無駄にならないし!」

幼友「いやぁ、思ったより時間かかっちゃって…」

幼友「って、もうこんな時間か、そろそろ帰らなきゃ」

幼「遅い時間までごめんね」

幼友「親友の幸せの為だしね!」

幼「本当にありがとう!」

幼友「それじゃ、明日は頑張ろうっ!」

幼「やー!」



デート前日 PM11:30

幼「ふぅ…いよいよ明日かぁ…」

幼「ちょっと緊張するなぁ」

幼「絶対成功させたい!」

幼「頑張ろうっ!」

幼「…男の部屋、もう電気消えてる」

幼「私もそろそろ寝なきゃ」



デート当日 AM01:23

幼「告白したら…男はどんな顔するかなー」

幼「はぁ…」



デート当日 AM03:24

幼「映画の方も楽しみだなぁ」

幼「またしてもトム・クルーズが格好良いんだろうなぁ」



デート当日 AM04:00

幼「…ちょっと眠くなって…きた…かな…」

幼「男…」
スースー



デート当日 AM09:05

幼母「幼、そろそろ起きなさい!今日デートじゃなかったの?」
ユサユサ

幼「!!!」

幼「お、お母さん、今何時?」

幼母「9時だけど」

幼「ヤバっ!寝坊したっ!」

幼「結局明け方まで眠れなかった!」

幼母「待ち合わせの時間は何時なの?」

幼「11時に駅前で!」

幼母「なぁんだ、余裕あるじゃないの」

幼「1時間前から待つ作戦だから!」

幼母「あら、それじゃ急がなきゃね」

幼「あわわわ!」

幼母「落ち着きなさい。焦っても何もならないわよ?」

幼「う、うん」



デート当日 AM09:45

幼「気合の入った勝負服良し!」

幼「映画のチケット2枚、オッケー」

幼「超小型ヘッドセット、準備オッケー!」

幼「全ての準備オッケー!」

幼「それじゃ行ってきます!」

幼母「あらあら、転ばない様に気をつけなさいよ~」

幼「絶対転ばないし!」
タッタッタッ



デート当日 AM10:00

タタッ
幼「10時!ギリギリ間にあっ!」

男「お早う、幼」

幼「お、お早う、男!早いね、えへへ」

幼「待ち合わせの時間まで、まだ1時間もあるのに…」

男「ちょっとな」

チャーリー「こちらチャーリー、ターゲットを確認」

ブラボー「ブラボー、アルファとターゲットの接触を視認」

アルファ「こ、こちらアルファ、ターゲットが先に来てました」ボソボソ

アルファ「どうしよう!緊張で鼻から心臓出ちゃいそうです」ボソボソ

ブラボー「アルファ、落ち着いて!一旦深呼吸!」

アルファ「すーーーーー、はーーーーー」

チャーリー「それじゃ、ミッションスタート!」

男「幼」

幼「な、何?」

男「幼に言っておきたい事があるんだけど、聞いてくれるか?」

幼「え?う、うん、なに?」

男「俺、幼の事が昔から大好きだ!ちゃんと付き合いたい!」

男「俺の…彼女になって下さいっ!」
ペコッ

幼「えっ?えっ!?」

男「返事、今聞いても良いか?」

幼「わ、私も…私も男の事、昔から大好きだよ!」

幼「私で良ければ…お付き合いして下さい!」

看板の裏に隠れていた友「…」スタスタ

植え込みの影に隠れていた幼友「…」ガサガサ


男「ん?お前ら…どうした、その顔は…なに?怒ってんの?」

友・幼友「作戦意味ねぇーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

男「はっ!?えっ!?」

友・幼友「リア充、爆発しろっ!」



デート当日 AM10:10

公園でヤンキーとして男に絡む予定だった友の従兄「は?もう良いってどう言う事だ、友!おい!もしもし?…切られた…」

友の従兄「…何か、もう帰って良いってさ」

公園でヤンキーとして男に絡む予定だった友の従兄の友達「はぁ?じゃあ俺ら、何の為に休日の朝っぱらから、昔のガクラン着て公園でブランコに乗ってんだよ!」

一旦おわり
別目線のおまけあり

ある日の放課後

男「はぁ…」

イケメン「どうしたんだい、男君。溜息なんかついちゃって」

男「おぉ、イケメンか…今日もイケメンだな、お前は」

イケメン「本当に元気が無いね」

男「そうかぁ?俺はいつもこんなモンだろ…」

イケメン「似合わないよ、溜息ついて悩み事なんて」

イケメン「いつも無駄にポジティブな君にはさ」

男「…俺だって、時には悩んだりするさ」

男「健全な男子高校生としてなー」

イケメン「……LOVEかい?」

男「ははっ…エスパーかよ」

イケメン「僕で良ければ相談に乗るけど?」

男「…」

イケメン「恋愛事なら、友君には相談出来ないだろうしね?」

男「む…」

イケメン「あのうっかり君は、どこで口を滑らせるか解らないもんね?」

イケメン「ま、そこが彼の魅力でもあるんだけど」

男「お前は本当に凄い奴だなー」

男「男女分け隔て無く優しいし」

男「顔は格好良いし」

男「家は金持ちだし」

男「人生勝ち組的な、アレだよな…はぁ…」

イケメン「重症みたいだね」

男「んぁー!ごめん!今の忘れてくれ!変な事言ってすまんかった!」

イケメン「いいさ、気にしてないよ」

イケメン「で、恋の悩みを聞こうか?」

男「んー、恋って言うか…なんて言うか…」

イケメン「最近君と幼さんがあまり話しをしてない事に関係ある?」

男「…何なん?イケメン君はマジでエスパーなん?」

イケメン(クラスの全員が気付いてると思うけど)

男「まぁ、お前程の恋愛上級者になれば気付いたりもするのかー」

男「実は最近、幼の様子がおかしいんだ」

イケメン「おかしい?具体的にはどんな所が?」

男「まず、俺と話す時、顔を見なくなった」

男「て言うか、そもそも会話自体が減った」

男「昼飯を一緒に食べようと言わなくなった」

イケメン「…」

男「あと、俺の部屋に押しかけて来なくなった」

イケメン「…」

男「あとは…そうだなぁ…急に弁当のおかずが美味しくなったかな」

イケメン「それは良い事じゃないかな?」

男「いや…何か急に変わっちまって…」

男「寂しい?いや、違うか…」

男「んー…、何て言って良いのかわからねーんだよ」

男「それで何かモヤモヤしててさ」

イケメン「いやだからそれが恋だろう?」

男「恋かなぁ?」

イケメン「と言うか、君達は正式にお付き合いをしていないのかい?」

男「俺は…幼の事、好きだけど…幼がどう思っているか…」

男「最近会話が激減したのは、俺の事鬱陶しいと思ってるからじゃないか?と思うと…」

男「はぁ…溜息も出るってももんさ…」

イケメン「これは良い機会じゃないかな」

イケメン「幼さんとの交際について、真剣に考えてみると良いと思うよ?」

男「交際かぁ…」



その日の夜

ピリリリリリ ピリリリリリ
男「ん?友からか…」
ピッ

男「なんだー?」

友『お、おう、起きてたか?』

男「寝てたら電話取らねーよ」

友『起こしちまったかもしれねーだろ?』

男「で?何の用だよ、こんな時間に」

友『お、お前さぁ、最近なんかやりたい事とかねーの?』

男「何だ、急に?」

友『ほら、良い季節なんだし、海見に行きてー!とかさ』

友『逆に山登りてー!とか?』

男「どっちもパスだぜ」

友『とにかく何か無いのかよ!健全な男子高校生として!』

男「そうだなー…あ、そうだ」

男「強いて言うなら、映画観たいかな」

友『映画?』

男「あのスパイ映画のさ、今やってるじゃん」

男「俺、あのシリーズ好きでさ」

友『そ、そうか。映画か。良いかもな、映画』

男「土曜日暇だし…一緒に行くか?」

友『お、俺は用事があるから行けないな』

友『と、取り敢えず、もう夜も遅いし、寝る!お休みベイベー!』
プツッ…ツーッ…ツーッ

男「何なんだよ、あいつ…でも映画…マジで見に行こうかな」



数日後の朝

男「んぁ…、眠いなぁ」

友「明日から連休なんだから元気出せよ!」

友「何か良い事あるかもよ?」

男「良い事なぁ…あると良いなぁ」
パカッ

男「…」

友「お?おおぉっ?おおお前それって、アレじゃねーの?」

男「ラブレターっぽく見えるな…」

男「不幸の手紙か…誰かの罰ゲームなのか…」

友「…なぁ、なんでお前最近ネガティブなの?」

男「悩みがある時は気分も後ろ向きなんだよ…」
ガサガサ
ペリペリ

友「ちょ、ちょっと待て!今ここで読むつもりかよ!」

男「うん。だって気になるだろ?」

友「お前デリカシーゼロか!」

男「お前にデリカシーの話しとかされると傷つくなぁ」

友「家に持って帰って一人で読めよ!」

男「でも、『今日の放課後、体育館裏にて待つ!』とか書いてあったらどうすんだよ」

友「そんな事は無いから家で読め!」

友「さっさとカバンにしまえ!」

男「はぁ?…まぁ良いけど」

友「さ、教室行こうぜ!」



昼休み

幼「男、はいこれ、お弁当」

男「お、いつもありがとうな」

幼「べ、別に気にしないで。それじゃ」
スタスタ

男(…ホント、最近一緒に食べようって言わなくなったなぁ)

男(俺、何かしたかなぁ…)

友「おう、昼飯一緒に食おうぜ」

男「おう」

友「幼ちゃんのお弁当、相変わらず美味しそうだな?」

男「あぁ、最近何だかやたらと気合入ってるんだよな」

友(そりゃそうだろうよ)

男「…」モグモグ

友「…」モグモグ

男「友、何か面白い話しして」モグモグ

友「おい、無茶ぶりすんな」モグモグ

男「まぁいつも面白い事がある訳じゃないもんな」モグモグ

友「そうだな。むしろ退屈な日常の方が多い」モグモグ

男「あ!そうか、今日はちょっと非日常的な事があったじゃんか」

友「!」

男「あの手紙読んでみるかな…」
ガサゴソ

友「おい!朝も言ったけどよ」

男「ん?」

友「家に帰ってから読めよ!アホか?」

男「アホって言うな」

友「良いから!学校で読むなよ!」

男「ひょっとしてこれ、お前がやったのか?」

友「その答え合わせは家でやれよ、家で!」

男「…まぁ、そこまで言うなら家で読むよ」

友「忘れずに読めよ?」

友「家に帰ったらすぐに読め!」

男(こんなに必死って事は…どうやらこいつの悪戯みたいだな)

男(ま、家で読めば良いか)



夕方 男の家

男「さて…と…あの手紙読んでみるかね」
ガサガサ

男「どうせ友の悪戯だろうけど…」


『男君へ』

『突然こんな手紙を受け取ったら驚いてしまうでしょう』

『最近の私は、貴方の事を想うと、胸が苦しくなってしまいます』

『もし良かったら、明日の11時に駅前の時計下に来て下さい』

『来るのを待ってます』

『よろしくお願いします』

男「…友の悪戯じゃ無いな」

男「この字、幼の字だもんな…」

男「…用事があるなら、直接言えば良いのに」

男「あえて手紙での呼び出し…これは…」

男「果たし状?」

男「違うか…」

男「…イケメンに相談してみるか」



イケメン『それは君…デートのお誘いじゃないのかい?』

男「はぁ?デート?」

イケメン『その文面から察するにね』

男「デートなぁ…」

イケメン『先日も言っただろう?幼さんとの交際、考えてみたらどうかな?』

男「交際…なぁ」

イケメン『君は幼さんの事が好きなんだろう?』

男「そうなんだけどさ…」

男「まぁ、ずっと一緒に居て疲れないし」

男「昔から知ってるから、気兼ねし無いし」

イケメン『ならお付き合いしても何の問題も無いのでは?』

男「んー」

イケメン『取り敢えず、明日11時に駅前に行ってみては?』

男「そうだな…そうするよ」

イケメン『最後に一つアドバイス』

男「ん?」

イケメン『恋は先手必勝だよ』

男「お、おぅ…」

イケメン『それじゃ、健闘を祈ってるよ』
プツッ…ツーッ…ツーッ

男「デート…」

男「先手必勝…」



デート前日 PM09:00

男「着ていく服は…いつものじゃちょっとアレだから」

男「この前、幼に選んでもらった奴、着ちゃうかな」

男「…何か緊張するな」

男「絶体に寝過ごせないから、今日はもう寝るか!」
ゴソゴソ
ピッ

男「明日は…頑張るぞ!先手必勝!先手必勝だ!」



デート当日 AM06:00

男「…」

男「結局一睡も出来んかった…」

男「今から寝たら間違いなく寝過ごすな」

男「もう起きちまおう!」

男「まずは朝風呂だ!」



デート当日 AM07:35

男「ちょっと早いけど…もう待ち合わせ場所に行こう!」

男「幼の事だから、きっと俺より早く来て、待とうとするはず…」

男「先手必勝!俺が先制する!」

男「やるぞやるぞー!」

男母「あんたこんな朝っぱらから、どこ行くの?」

男「戦ってくる!自分自身と!」

男母「は?」

男「戦果に期待しててくれよ!」
タタタッ

男母「勉強のしすぎで疲れてるのかしら…」



デート当日 AM07:43

男「はぁ…はぁ…。は、走る必要は…無かったかな…」

男「まぁ良いか…どうやらさすがに幼の姿は見られないしな」

男「幼が来たら何て言おうか…」

男「……」

男「…先手必勝」

男「そうだよな!幼が何か言う前に、告白しちまえば…」

男「当たって弾けろだ!」

男「やってやる!やってやるぞ!」



デート当日 AM09:58

男(あっ!来た!あれ、幼だ!)

男(いつもの服じゃない…ちょっと大人っぽいな…)

男(て言うか、めっちゃ可愛いな!)

男(この呼び出しの目的がまだ不明だけど…)

男(先手必勝!!)

男「お早う、幼」

幼「お、お早う、男!早いね、えへへ」

幼「待ち合わせの時間まで、まだ1時間もあるのに…」

男「ちょっとな…」




デート当日 PM12:30
ファミレスにて

男「お前らも関わってたとはな」

男「でか、作戦って…面白がりやがって…」

幼友「えへへー、ごめんね」

友「でもまあ、作戦は成功だろ?2人付き合う事になったんだからさ」

男・幼「う…まぁ…」

友「それじゃ、腹も膨れた事だし、お邪魔虫は退散しますかね」

幼友「そうね、あんたにしては名案ね」

友「初デートを満喫してこい!」

男「お、おう」

幼友「頑張ってね、幼!」

幼「う、うん」

幼友・友「じゃーね!」
スタスタ

男「……行っちゃったな」

幼「そうだね」

男「……お、俺達、相思相愛だったんだな」

幼「そ、そうなるね」

男「さっきも言ったけどさ」

幼「ん?」

男「俺、幼の事、好きだから!」

幼「わ、私も大好きだよ!」

男「これからも、よろしくな!」

幼「うんっ!こっちこそ!」

男「付き合った記念に手でも繋いでみるか!」

幼「う、うん、そうだねっ!」
ギュッ

男「それじゃ、行くかっ!」

幼「うんっ!」

幼友「…青春してますなぁ」

友「おい、マジで後つけるのかよ?」

幼友「幼はテンパって、ヘッドセットの電源切ってないし、外してない」

幼友「声はばっちり聞こえるし、2人がどうなるか気にならないの?」

友「そりゃ気になるけどよ」

幼友「作戦は継続!2人で2人の後つけるよ!」

友(結局一番ノリノリなのは幼友じゃんか…)

幼友「何か言った?早く来ないと置いてくよ!」

友「へいへい…」

友(俺の『幼友に愛の告白大作戦』はいつになる事やら…)

友(でもま、今が楽しければ良いか!)

友「ちょっと待てよ、幼友!マジで置いて行こうとするな!」


おわり

これで終わりです
途中レスくれてありがとうございます
朝っぱらから久々に投下してみました
読んでくれた人が居たら嬉しいです

いつか
幼馴染「ミッションポッシブル2!」 幼友「また?」
ってタイトルで続き書きたいなと思ってます

次スレは「はたおりおさななじみ」ってタイトルで立てると思います

では。

良かったです。おつ。ところで以前あった、結婚式のSSがトラウマというのはどういうことでしょう?結婚式みたいんですが。
また次も楽しみにしてます。

読んでくれた方どうもありがとうございます
色々ありましたが、これからもちょっとずつ幼馴染SS書いて行きます
また読んでくれたら嬉しいです

>>102
自分が幼馴染SSを書く切っ掛けになったSSがありまして
そのSSで幼馴染は不幸になるエンドだったので
自分で書く時は必ずハッピーエンドにしようと思ってます
結婚のSSを書く時はタイトルはそのSSと同じにしようと思ってます
内容は180度変えますけどね

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