女「キミは遊びを知らなさ過ぎる」男「RPG?」 (33)

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女「そもそも何だ、この部屋は」

男「我が家だ」

女「分かってる。だが一人暮らしの大学生の部屋とは思えない。多少の家具はあるが、テレビもPCも何もない」

男「必要ないしな。PCはたまに必要になったらそっちに借りに行けるし」

女「隣人だからと言って甘やかし過ぎたか…」

男「まぁ確かに暇を潰せるようなモンはないな。で、今日はわざわざテレビなんか持って来てどうしたのよ」

女「さっき言っただろ。キミに遊びってものを教えてやる」

男「余計なお世話だ…」

男「それで、その見慣れない機械は?プリンターか何か?」

女「ゲーム機だよ。流石にゲームしたことないってのはないよな?」

男「最後にやったのが小学校3年生の時だったかな」

女「…化石かよ」

男「それで、さっき言ってたRPG?ってたまに聞くけど何の略?Ruchnoj Protivotankovyj Granatomjot?」

女「それはロケットランチャーだな」

男「Rolling Produce Gravitty?」

女「……。GooOle翻訳によると『転がる農産物重力』だってさ」

男「あはは何それ意味わかんねぇ」

女「………」

女「RPGっていうのはrole-playing game。つまり物語の主人公になって冒険するゲームのことさ」

男「ふーん、つまり良くある勇者になって魔王倒したりーってやつ?」

女「平たく言うとそうだな。とりあえず百聞は一見にしかず。やってみようか」

男「あ、もうやるのは決定なのね」

女「別にいいだろ、お互い暇してたんだし」

『主人公の性別と名前を決めてください』


男「あ、名前とかは自分で決められるんだな」

女「なかにはキャラクターの見た目も弄れるゲームもあるぞ」

男「へぇ、色々あるんだな。で、まずは性別どうする?」

女「キミが決めなよ、やるのはキミなんだから」

男「んー…じゃあ普通に男で」

女「良かったね、これで女にしてたら少しキミのことを考え直したかもしれない」

男「え、そんなことで?…このゲームを通して女に試されてるような感じしてきた」

女「ふふ、どうだろうね」

男「名前は…何がいいかな」

女「迷っても仕方ないしここはパッと思い付いたのでいいんじゃないかな」

男「んー…『冷蔵庫』でいいか」

女「なんで!?」

男「え、いや、なんとなく…」

女「…まぁ、キミがそれでいいならいいけど」

男「あ、冷凍庫のが良かった?」

女「早く進めて」

男「あ、『植物性油』でもいいな」

女「なんでもいいだろそこは!」

『ここは小さな村…貧しいが、人々はいつも幸せそうに暮らしていた』

男「ふむふむ、ここが冷蔵庫の故郷なのかな」

女「結局名前は冷蔵庫に落ち着くのか…」

男「そういえば、女はこのゲームやったことある?」

女「いや、やってないな。キミと一緒にやる時にボクだけ先を知ってても面白くないから、今日買ってきたばかりだよ」

男「俺と一緒にやるためだけにこれ買ってきたのか?」

女「いや、まぁ…そうだね、うん」

男「ふーん、まぁどうでもいいか」

女「………」

『そしてこの村に、二人の若者が住んでいた』

男「あ、というかさ。これって主人公の名前を自分の名前とかにしてもいいの?」

女「そうする人は多いね、やっぱりそうすることで感情移入しやすくなるんじゃないかな」

男「あーなるほど、だったら自分の名前にしておけばよかったかな」

『若者の一人の名前は冷蔵庫』

男「ぶふっ」

女「キミが決めた名前だろ、何笑ってるんだよ」

男「いや何かシュールで…くく…」

男「確かに世界を救う主人公の名前が自分と同じ名前だったら熱いな」

女「どうする?今なら始めたばかりだし、リセットして自分の名前にするかい?」

男「うーん…そうしようかな」

『冷蔵庫は年中家に引きこもり、ただでさえ貧しい彼の家庭を余計に圧迫していた』

男「えっ」

女「おや?」


冷蔵庫『オウフwwwwwwコレハツヨスwwwwwフォカヌポゥwwwwww』


男「Oh...」

女「うわぁ…。…で、リセットして自分の名前にする?」

男「この惨状を見てそんなことする奴は何の願望を抱いているんだ」

『そしてもう一人、冷蔵庫の隣に住む少女がいた』

男「冷蔵庫の隣ってなんだよ食器棚かよ」

女「流し台かもしれない」

『少女の名前を決めてください』

男「あれ?このキャラの名前も決めるの?」

女「みたいだね」

男「ってことはもしかしてこの先会う人々全てに名前をつけて行くことになるのか?」

女「いやそんなことはないと思うけど」

男「そのうち王様に『ゴミ箱』なんて名付けることになるかもしれないな」

女「そんなことしたら主人公は間違いなくブタ箱行きだろうけどね」

男「少女の名前って言われても…まだ顔も出てないから名付けにくいな」

女「そういえば主人公に名前を付ける時も見た目は出てなかったね」

男「ってことは少女の方も冷蔵庫みたいに悲惨なことになってるかもしれないのか…」

女「流石にメインキャラが両方ひどいってのはないと思うけどね」

男「じゃあ『女』で」

女「待った」

男「どうした?」

女「なんでボクの名前なんだよ」

男「ほら感情移入」

女「主人公があんなんだった今、普通は知り合いの名前にするのは躊躇うだろ!」

男「えー…じゃあ『食器棚』と『流し台』どっちがいいかな」

女「謎の二択」

男「よし、さっさか進めていこう」

女「結局『食器棚』なのか…」


冷蔵庫母『朝よー』

冷蔵庫『うっせぇババァ!俺は今から寝るんだよ!』


男「ガチニートかよ冷蔵庫」

女「これが主人公とは…」

男「あ、もしかしてロールプレイングってこのデブ主人公を転がして遊ぶゲームとかそういう?」

女「いや違う…はずなんだけど。と、とりあえず進めようか」


冷蔵庫母『今日は食器棚ちゃんが遊びに来てるわよ』

冷蔵庫『なんと!それはまことで御座るか!これは急がねば!アダブラカタブラオウフコポォ』


男「何かブツブツ言ってるけど」

女「魔法の詠唱じゃないかな、説明書によると主人公は勇者の末裔で魔法が使えるらしいし」

男「へぇ、魔法なんてあるのか」

食器棚『冷蔵庫くん遅いですね…』

冷蔵庫母『ゴメンね、あの子いつもこの時間はまだ寝てるから…』

食器棚『いえ、いいんです。せめて顔だけでも見て行きたかったけど…』


男「あ、この子可愛いな」

女「食器棚はマトモみたいだね」

男「ところで前置き長くない?RPGって全部こうなの?」

女「やっぱり最初に世界観の説明とかがあるからどうしても長くなりがちだね」

男「飛ばせないの?」

女「その真ん中のスタートボタン押せば飛ばせるだろうけど…話が分からなくなるかもだしあんまりオススメはしないね」

男「そっか…」

女「うん」

男「ほい」スキップポチッ

女「おい」

『食器棚は死んだ』

冷蔵庫『許さない…こんな世界、滅ぼしてやる!』

悪魔『くくく、この小僧に協力するのも面白そうだ』


男「…?」

女「………」

男「あ、もしかしてこれでクリア?」

女「そんなわけないだろ!?だから分からなくなるって言っただろ!」

男「じゃあ主人公も見た目変わってるしこれ別のゲームじゃない?」

女「そうなる何か重要な事件があったんだろうね。キミがすっ飛ばしたけど」

男「あーでもこんなイケメンになるならキャラの名前も『男』と『女』で良かったかなぁ」

女「それだとボクすぐ死ぬよね!?」

男「あ、操作できる」

女「その左スティックで移動して、その○ボタンで調べる、×ボタンでジャンプ、スタートボタンでメニューを開けるよ」

男「メニューって何か注文できるの?」

女「いや飲食店のメニューじゃないから」

男「俺はコーヒーが飲みたいかな」

女「いやだから違うって…はぁ、ちょっと待ってて」

男「ありゃ、ホントにやってくれるのか。ありがたい」




男「うわ、ジャンプ高っ。これが元デブの力か」

男「タンスから木の盾?勝手に持っていくとか何考えてんだコイツ」

男「樽の底から金って…躊躇無くモノ壊すとか暴君かよ」

女「はい、コーヒーはいったよ」

男「お、ありがと。ところでさ女」

女「ん、何か分からないところでもあった?」

男「この主人公キチ○イじゃね?」

女「何があった」


・・・


女「まぁ確かに勝手にモノ壊したりはそうなんだけど…それを今更言われるとは。あ、ところで結局ストーリーは分かった?」

男「おおまかなことだけは。何でも、最初の村でゴタゴタが起きて、それが原因で国の内乱まで発展、それに巻き込まれて食器棚が死亡、人間に絶望した主人公は魔物側の味方になって人間の世界を滅ぼそうとしてるらしい。それで主人公のこの姿は悪魔と契約したから、だとさ」

女「序盤から濃いなあ」

男「ちなみに最初の村のゴタゴタはさっき冷蔵庫がブツブツ唱えてた魔法が原因らしい」

女「自業自得じゃないか何が人間に絶望しただこのデブ」

男「お、何これ」

女「戦闘だね」

男「この『戦う』を選べばいいのか?」

女「そうだね。行動を選択して、○ボタンで決定だよ」


ニア『戦う』


男「お、更に何か出た、『戦う』『魔法』『特技』『道具』か」

女「『戦う』は素直に敵に攻撃、『魔法』『特技』『道具』は…まぁとりあえずやってみれば分かると思うよ」

男「んじゃ適当にやってみるかな」


ニア『魔法』→『無し』


男「無し?」

女「まだ覚えてないってことだろうね、戦ってレベルを上げていけば覚えるはずだよ」

男「さっき使ってなかった?」

女「忘れたんじゃない?」

ニア『特技』→『無し』


男「特技も無しか」

女「この辺りは後々だね」

男「特技無しって就職に不利じゃね?」

女「就職に有利な特技が果たして戦闘に役立つかな」

男「そろばんの段級持ってたらそろばんで相手殴れるとか」

女「画が地味そうな特技だな…」


ニア『戦う』→『スライムは倒れた!』


男「相手よわっ」

女「最初だしね」

男「でも魔法も特技も無しで勇者の末裔名乗ってる主人公も大概…」

女「『世界を滅ぼす』とか息巻いちゃってるしね」


冷蔵庫『この勇者の力で…悪を滅する!(勝利台詞)』


男「勇者の力(笑)」

女「やめなさい」

男「それで、まずはどうすりゃいいのよ?」

女「知らないよ、取り敢えず周りにいる人とかに話を聞けば目的とかは分かると思うけど…」

男「人なんてどこにもいないな」

女「始まりの村が最初から廃村というのは新しいな…」

男「ところでこのレベルってなんだ?」

女「まぁ単純な強さだね。モンスターを倒せば上がっていって、その段階で魔法とかも覚えられるはずだよ」

男「そっか…じゃあまずはレベル上げするかなー」

女「それでいいかもねー…ふぁあ…ボクは眠いから帰るよ、それは貸しておく」

男「ん?いいのか?」

女「いいっていいって、キミに楽しんで欲しくて持って来たんだから」

男「そっか、ありがとな。おやすみ」

女「おやすみー、お邪魔しましたー」バタン

男「………」カチカチ

男「………」カチカチ



男「………」カチカチ

・・・・・・
・・・・
・・


女「二日連続お邪魔しまーすってね。おーい男ー?いるかー?」

男「………」カチカチ

女「うわびっくりしたぁっ!?な、何してんの…?」

男「…ん、あ、女か…」

女「ちょ、大丈夫か?随分疲れてるけど」

男「いや、ずっとゲームやってたから…」

女「ゲームって…ってレベル50!?もしかして昨日のあれからずっとやってたのか!?」

男「うん…ちょい…寝かせて…」バタッ

女「20時間程度ぶっ続けって…まったく…」

男「Zzz...」

女「………」

男「Zzz...」

女「………」ナデ

女「はっ!?いや今のは違っ!」

男「Zzz...」

女「…起きてない、よな…?」

男「Zzz...」

女「………」

女「…ふふっ」ナデナデ

・・・・・・・・


男「ん…あー…今何時だ?…何かいい匂いするな…」

女「お、起きたね、ちょうど良い。もうすぐ出来るから待っててね」

男「んー?女がなんでウチに…?てか何してんだ…料理?」



女「はい、出来たよ。勝手にキッチン借りて悪いね」

男「いや、キッチンは別に構わないけど…。何で炒飯?」

女「ん、炒飯は嫌い?」

男「いや、そうじゃなくて…何で俺に飯作ってんの?」

女「あー…あはは、まあいいじゃないか。さ、食え食え」

男「お、おう…ん、おお、美味いなこれ」

女「それは良かった」

男「これならこれからも毎日頼もうかなー、なんてな」

女「ん、あー…ボクは構わない…よ?」

男「ジョークだよ。ご馳走様、さてゲームの続きやろうか」

女「……ふん」

男「さて、進めていこうか」

女「ここまでレベル上げる必要あったかな…」

男「よく分からないんだけどレベル50って高いの?」

女「最高レベルが100だからちょうど半分くらいなんだけど、最初のこの時点で50は反則レベルだろうね」

男「そんなに強いのか、じゃあサクサク進められそうだな」

女「あ、そういえば一番最初の場所に悪魔?だっけ、いたよね。そいつと話せば何か分かるかも」

男「なるほど、行ってみよう」


悪魔『ん?どうした、聞きたいことでもあるのか?』

>『戦闘について』
>『マップについて』
>『目的について』
>『死ぬがよい』
>『特に聞きたいことはない』


男「この選択肢は?」

女「どうやらこの悪魔がチュートリアル係というか、まぁいろいろ教えてくれるらしいね。今更だけど」

男「なるほどねぇ」


ニア『死ぬがよい』


女「なんでさ」

男「いや、レベル50向かって偉そうなコイツはどんなもんなのかと思って…」

女「急に反骨心芽生え過ぎだろ…」


悪魔『ほう、面白い。少し遊んでやろう』


女「ほら戦闘に入っちゃったよー」

男「余裕こいていられるのも今のうちだ」

ドゴォォォォン


男「ただの案山子ですな」

女「序盤としては勝てたもんじゃないんだろうけどレベル50ともなればこうなるよなぁ…」



冷蔵庫『クッ…!つ、強い…!』

悪魔『我に勝とうというのが間違いなのだ、下等生物如きが粋がるなよ』


男「…ん?」

女(あーこのパターンか)


悪魔『なかなかの力を持っているが、所詮は人間…つまらん』

冷蔵庫『く…そ…っ!』ドサッ

画面暗転


男「あぁ、悪魔が見てる幸せな夢、みたいな?」

女「いや、負けイベントって言って、勝ち負け関係なく物語が進むタイプの戦闘だね、今のは」

男「それってズルじゃん!あれだけボコスカ殴ったんだからスト2敗北ベガの如くインディアッしててもおかしくないはずなのになぁ」

女「というか今更だけど特技が『顔面パンチ』ってなんだよ…」

男「そろばんよりはマシじゃない?」

女「どうだか」

男「これ以上ウロウロしててもしょうがないしストーリー進めるかな」

女「悪魔の話によると最初はニノ街に向かうんだっけ」

男「えーと…こっちか、お、戦闘だ」


魔物A『ぴきー』

冷蔵庫『顔面パンチ』メコッ

魔物B『うがー』

冷蔵庫『顔面パンチ』グシャッ

魔物C『きえー』

冷蔵庫『顔面パンチ』バキッ


女「うわぁ…」

男「このモンスターの顔面ってどこだろ」

女「あ、もうニノ街に着いた」


町長『魔物に襲われふじこふじこ、サンノ洞窟に魔物のボスがふじこ』

冷蔵庫『おい、デュエルしろよ』

町長『シュワット!?』


男「よく分からんけど戦闘始まった」

女「そういえばこの主人公の目的は人間を滅ぼすだったね、すっかり忘れてた」

男「顔面パンチ」

女「あ、倒した」

男「次の街へ向かおう」

女「レベルが高いからサクサク進むね」


山賊『ぐへへ』

冷蔵庫『顔面パンチ』

海賊『ぐへへ』

冷蔵庫『顔面パンチ』

ちくわ大明神『ぐへへ』

冷蔵庫『顔面パンチ』


男「よし、ヨンノ王国に到着」

女「誰だ今の」

男「取り敢えず城行こう、そんで滅ぼそう」

女「そんな『コンビニで弁当買ってこよう』みたいなテンションでいいのか」


番兵『ここは通れないよ』

番兵2『まぁアレがあれば通してやらんこともないがな。…アレってなにかって?そりゃ金だよ金ェ、くっくっく』



女「腐ってるなー」

男「顔面」

女「ああ、倒せるんだコレ」



・・・・・・・・


男「ヨンノ王国、滅亡」

女「今更だけど買ってくるゲーム間違えたかもしれない」

男「………」カチカチ

女「…というか、随分慣れてるね」

男「んー…流石に一晩中やってたしなぁ…それに操作が難しいってわけでもないし」

女「確かにRPGはとっさの判断や練習を必要とする複雑な動きもないから全体の難易度は高くないね。初めてゲームをするならやっぱりRPGからってのが正解だと思うよ」

男「ふーん…個人的にはもっとガチャガチャやりたいかな」

女「そうかい?じゃあ次はそれを考慮して選んでくるよ」

男「これの他にも持ってくる気か?いや面白いから構わないけどさ」

女「ボクも遊び相手が欲しいんだよ」

中ボス『ククク…私の手下にならんか?代わりに世界の半分はくれてやる』

〉『俺は誰の下にもつかない』
〉『仲間にでも手下にでもなんにでもなってやるから世界の半分ください』


男「………あ、女、この選択肢はどうすれば…って」

女「………」ウツラウツラ

男「…毛布持ってくるか…」

女「………」Zzz...

男「さて…と」


ニア『仲間にでも手下にでもなんにでもなってやるから世界の半分ください』

中ボス『油断したな!バカめ!』デレレンデレレン

〉ふいうちをくらった!冷蔵庫に1のダメージ!


男「何だよ世界の半分くれるって嘘かよ」

男「ってかコイツにそんな権限あるのか…?」→1024ダメージ!

男「てかどっちみち戦闘になるならさっきの選択肢必要なんかね」←1ダメージ!

男「…えーとコイツは確か…ゴノクニの神官が悪魔に憑かれたんだったっけ」→1585ダメージ!

男「…神官って何だ?」←1ダメージ!

男「てか冷蔵庫に1のダメージて…ご家庭へのダイレクトアタックかな?」→1230ダメージ!


中ボス『グウウ…少しはやるようだな。いいだろう、本気の姿を見せてやる』バリバリィ!


男「少しはやるようだな(瀕死)」

1ダメージ!980ダメージ!2ダメージ!850ダメージ!4ダメージ!1003ダメージ!miss!1250ダメージ!5ダメージ!993ダメージ!
\デデェェェェェン/


男「少し手こずったな…またレベル上げなきゃな」

女「………」Zzz...

・・・・・・
・・・・
・・

女「…んぁ…んぅ……えーと…昨日は…」

男「おはよう」

女「っ!?な、何でキミが!?」

男「いや、昨日ゲームしてたら女が寝ちゃったからそのままにしといただけだけど」

女「え…あ、そうだったな…寝ちゃってたか…ってか今何時!?うっわ寝坊したヤバい遅れる!」

男「俺は今日大学ないよ?」

女「ボクは仕事あるんだよ!」

男「え、夜の!?」

女「今思いっきり朝だろうが死ね!」

男「言葉キツ過ぎますね」


女「…って、落ち着いてみたら遅いどころかむしろ少し早いくらいの時間で余裕あったよ」

男「そうだ、朝飯食べる?」

女「悪いね、頂くとしよう」

男「じゃあ作って」

女「作る気すらないのか」

男「卵は鶏小屋の中に置いてあるから」

女「いやだから作るとは言ってな鶏小屋!?」

男「あ、ゴメン鶏じゃなくて烏骨鶏だった」

女「いや問題はそうじゃなくて!」

男「ちなみに鶏と烏骨鶏の違いは主に皮膚の色と足の指の数だよ」

女「だから朝ごはん!何だよその知識!今から鶏肉でも食うのか!?」

男「女、朝から鶏肉食いたいってのはちょっと重いと思うよ?」

女「分かってるよ!」

男「んじゃ作ってくるからちょっと待ってて」ガチャ

女「…はぁ、朝からもう疲れた…ん?」

女「テレビもゲームもつけっぱなし…もしかしてまた一晩中やってたのか」

女「…レベル80!?」






・・・・・・
・・・・
・・

男「はい、どうぞ」

女「いただきます。…ところで、あのレベルは…」

男「ん?ああ、中ボスに少し手こずったからレベル上げた」

女「中ボスってあの神官?」

男「そうそう。…あ、ストーリーはそこから進めてないから大丈夫」

女「いや、むしろキミが大丈夫か」

男「俺のレベル?」

女「いや体調だよ」

男「心配には及ばんよ」

女「ならいいんだけど…」

男「今夜も一緒に進めような」

女「無理はしないように、ね」


女(一緒に…ね)

・・・・・・
・・・・
・・

女(夜8時…晩御飯も食べたしそろそろ行くかな)

女(いかしここまでハマるとは予想してなかったな)

女(一緒に…か、ふふ)ニヤニヤ


女「男ー、いるかい?」ピンポーン

男「ずっと後ろにいるよ」

女「っうわぁ!?」

男「さっきからニヤニヤしてどしたの」

女「うっ、うるさい!いいからさっさと続きやるぞ!」

男「えっ…いやいいけど…そんな…積極的///」

女「殺すぞ」

男「下ネタには厳しいですね」


男「ほい、いらっしゃい」ガチャ

女「ん、お邪魔します」

男「そんで続きだけど、レベル80ってどのくらい強いの?」

女「んー…もうラスボスにも大して苦戦しなくて済むくらいには強いと思うよ」

男「そっか、じゃあ後はストーリー進めていくだけかな」

女「そうだね、ストーリーも多分もうちょっとで終わると思うよ」

男「サクサク進んでるしなぁ」

女「…というか何でそんなにレベリングばっかりしてるの?」

男「何でって言われてもなぁ…暇だからとしか」

女「んー…楽しかったりする?」

男「レベル上げることをレベリングって言うんだよな?別に楽しいってわけじゃないけど…RPGが好きな人はそのレベリングってのが好きなのか?」

女「そういう人もいるね。あとはやっぱりストーリー性があるゲームが好きな人とか、シンプルな操作性から手軽にやりやすいから好きって人とかも」

男「へぇ、やっぱゲームの中でもまた好みは分かれるわけだ」

女「そりゃ、ゲームって一言に言ってもいろいろあるわけだしね」

男「女は何が好きなんだ?」

女「ボクはそうだなぁ、まぁ割と好きだけど一つに絞るならやっぱりアクションかなぁ」

男「大体予想通りかな」

女「もちろん他のジャンルも好きだけどね」

男「ふふん、やっぱり?」

女「…キミは忍耐力ある方だと思うし格ゲーとか向いてるんじゃないかな?」

男「全て読めていた」ドヤッ

女「……」イラッ

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