アニ「ネコカフェ?」(60)

クリスタ「うん!この前、ユミルと町に行った時見つけたの」

クリスタ「お店の中にネコがいっぱいいてね、ネコに囲まれながらお茶が出来るんだって」

アニ(ネコがいっぱい……)

クリスタ「それで、明日のお休みに行こうと思うんだけど、みんなもどうかな?」

ミーナ「それって、今町で噂になってるお店だよね。私も行きたい!」

クリスタ「じゃあミーナも参加だね。これで三人決まりっと」

ユミル「ちょっと待て、その三人ってのは私も入ってるのか?」

クリスタ「えっ、勿論そうだけど……」

ユミル「はぁ?何で私がネコなんかに会う為に休みを潰さないと──」

クリスタ「ダメなの……ユミル」ウルウル

ユミル「……っち、しょうがねぇな付き合ってやるよ。そのかわり、クリスタの奢りだからな」

クリスタ「うん!」パァァ

ユミル(ネコじゃなくてクリスタを撫で回したい……)

サシャ「う~ん、ネコですか」

クリスタ「あれ?サシャってネコ嫌いなの?」

サシャ「いえ、ネコが嫌いという訳ではないんですが……」

ユミル「じゃあなんだよ」

サシャ「肉食動物の肉って臭みがキツイんですよねぇ」

ユミル「は?」

クリスタ「ち、違うよサシャ!ネコ料理のお店じゃないよ!」

サシャ「えっ、違うんですか?てっきり自分が選んだネコを目の前でさばいてくれるお店かと」

ユミル「どんなゲテモノ屋だよそれ」

ミーナ「かわいらしいお店が、一気にスプラッタな店になったわね……」

サシャ「ゲテモノとは何ですか!ネコだってちゃんと下ごしらえすればおいしいんですよ!」

アニ(ネコを食べる……)ブルブル

クリスタ「もう!そんなこと言うならサシャは連れて行かないよ!」

サシャ「あわわっ!冗談です、ネコは食べませんから私も連れてって下さい!」

クリスタ「約束だからね?これで四人は決まりだね。あとは──」

ミカサ「私も参加したい」 スッ

ユミル「ん?ミカサがこういうのに参加するなんて珍しいな。いつも休みの日はエレンエレンうるせぇのに」

クリスタ「もう!ユミルってば!」

ミカサ「やはり駄目だろうか……」

クリスタ「そんなことないよミカサ!ミカサもネコ好きなの?」

ミカサ「えぇ、私もネコには非常に興味がある、ので、是非行きたい」

ミーナ「ミカサがエレン以外に興味を持ってるなんて意外だね」

ミカサ「そんなことはない、私もエレン以外にも興味を持つことがある。それに……」

ミーナ「それに?」

ミカサ「エレンはネコがとても好き。最近も訓練場にいた野良ネコを撫でていた」

ミカサ「私もエレンに撫でて貰おうとしたけど拒否された、ので、ネコを観察すればエレンに撫でてもらえるヒントが得られるかもしれない」

ユミル(結局エレン関係じゃねぇか)

クリスタ「それじゃあ、ミカサも参加っと……アニはどうする?」

アニ「私かい?」

アニ(正直なところ行きたい、モフモフしたい。でも……)

ミーユミ「」ニヤニヤ

アニ(絶対、からかわれる……)

アニ「私は遠慮しとくよ、ネコなんかに興味ないし」

アニ(仕方ない……今度一人で行こう)

クリスタ「そっか……アニも来るかと思って六人で予約してたんだけど、しょうがないね」シュン

ユミル「は?クリスタお前、喫茶店に行くのにわざわざ予約なんてしたのか?」

クリスタ「だって、そのお店人気がすごくて予約しないと入れないんだよ!」

クリスタ「今じゃ、入るのに一ヶ月待ちの状態なんだから!」

アニ「!?」(一ヶ月も!?)

ミカサ「アニが行きたくないのなら仕方ない、無理に連れて行くのはかわいそう」

クリスタ「そうだね……ごめんねアニ、勝手にメンバーに入れちゃって」

アニ「……ちょっと待って」

クリスタ「?」

アニ「気が変わった、私も付き合ってあげる(一ヶ月も待てる訳ないよ)」

ユミル「ほぉ~、でもお前、ネコには興味ないんだろ?」ニヤニヤ

アニ「(くっ……)別に……興味はないけど、嫌いって訳でもないからさ」

アニ「それに、もう六人で予約しちゃったんだろ?だったら六人で行かないとお店の人に迷惑だよ」フフン

ユミル(っち、上手い言い訳考えやがって)

ミーナ(素直に行きたいって言えばいいのに)

クリスタ「良かった!それじゃあアニも参加だね!それじゃあ早速、明日の予定をみんなで決めよ!」

ミーナ「明日、楽しみだね」(ネコ以外にも面白いものが見れそう♪)

ミカサ「えぇ、本当に楽しみ」(これで、エレンに撫でて貰える)

アニ「あぁ……」(ネコをモフモフ……♪)

翌日~トロスト区~

ミーナ「ついにネコカフェに来ました!」

クリスタ「ました!」

ミーナ「みんな、爪はちゃんと切ってきた?ネコの嫌がる物は持ってきてない?」

クリスタ「はっ!総員準備万端であります!」

ミーナ「よろしい!それでは──」

ユミル「おい、お前ら、店先で何やってんだよ」

クリスタ「つ、つい、興奮しちゃって///」テレ

ミーナ「もうユミルってばノリが悪すぎるよ」

ユミル「お前のノリが良すぎるだけだろ。見てみろ、他のやつらなんか」

サシャ「へぇ~ここがネコカフェですか、クンクン あんまりおいしそうな匂いはしませんね」モグモグ

ミカサ「ここに、エレンに撫でて貰える秘訣が……」

アニ「……」(ネコ♪ネコ♪)

ユミル「……ま、いつも通りか」

ユミル「とにかく、さっさと中に入っちまおうぜ」

俺はよく黒猫に懐かれる。

カップリングもない女子だけのSSは期待だ。

カラン


店員「いらっしゃいませ~」

クリスタ「あの、予約していたレンズですけど」

店員「はい、クリスタ・レンズ様ですね、どうぞこちらへ」

ミーナ「うわぁ!アニ、見て見て!ネコグッズが一杯!」

アニ「そりゃ、ネコカフェだからね、それぐらいあるだろ」(帰りに買っていこ)

サシャ「これだけネコグッズがあるんなら、ネコ料理もあったり──」

クリスタ「サシャ?」ニコ

サシャ「ひぃ!?」

クリスタ「サシャ、私言ったよね?私の前でその話はしないでって……」ニコ

サシャ「す、すみません!すみませんでしたから、その顔やめて下さい!笑ってるのに怖すぎます!」ガクガクブルブル

クリスタ「もぅ……せっかくネコと触れ合えるんだから、気分を壊しちゃダメだよ?」プンプン

サシャ「は、はい……」ブルブル

ミーナ「ねぇユミル、クリスタってあんな子だったっけ?」ボソ

ユミル「女神の新たな一面だな……」(怒った女神もマジかわいい)

>>8
これをカップリングと言っていいかは分かりませんが一応ありということで
そもそも、カップリングの定義が分からない……

それとネコカフェのシステムもかなり適当ですのであしからず

店員「こちらの部屋になります、どうぞお入りください」ガチャ

ユミル「ほぉ、個室とは贅沢だな」

ミーナ「本当ね、でもこれなら人の目を気にしないでネコと戯れられるね」

ユミル「店先で騒いで奴の言うセリフじゃねぇけどな」

店員「お客様、当店のシステムはご存知ですか?」

クリスタ「いえ、初めてです」

店員「分かりました、ではご説明させていただきます」

店員「当店は時間制となっており、お一組様、一時間となっております」

店員「延長は可能ですが最大でもう一時間、計二時間までです」

店員「部屋での過ごし方ですが、お客様のお好きなようになさってください」

店員「お気に入りの子を見つけて戯れるも、ネコちゃんの山に埋もれて楽しむも皆様の自由です」

店員「ただし、ネコちゃんの嫌がるようなことはすべて禁止となっております。もしそのようなことをなさった場合は」

店員「即時退店、場合によっては出入り禁止とさせて頂くこともございますのでご注意ください」

「分かりました!」×6

店員「それでは、皆様ごゆっくりお楽しみください」ガチャ

ネコ(複数)「ニャー」トコトコ

クリスタ「うわぁぁ!見て見て!みんなこっちに来るよ!」

ユミル「さすが、こういう店のネコだけあるな、客に愛嬌を振りまいてやがる」

サシャ「う~ん、こんなんで野生で生きていけるんでしょうか?」

ユミル「ま、無理だろうな、この店追い出されたら生きてけねぇだろ」

サシャ「ネコの世界も世知辛いですねぇ、まぁ壁の中にいる私たちも似たようなものですが」

ミーナ「もう!なんで、こんな時に暗い話してるのよ、何も考えず楽しみなさいよ。ねぇミカサ?」

ミカサ「……」ジッー

ミーナ「ミカサ?」

ミカサ「……あのネコ」スイッ

ネコ「」ジッー

ユミル「うわ、目つき悪いなあいつ」

ミカサ「……エレンに似てる」

サシャ「確かに、あの目つきの悪さはエレンそっくりですね」

クリスタ「たしかネコの名簿があるはずなんだけど……あった!」

クリスタ「えっと……あの子はエレニャーって言うみたいだよ」

クリスタ「『好奇心旺盛で時々店の外に飛び出してしまう腕白な子です』」

クリスタ「『また、見た目に似合わず、人懐っこく純真な一面もあります』だって」

ユミル「まんまエレンみたいなネコだな」

エレニャー「ニャー」トコトコ

サシャ「あ、ミカサの方に行きますよ」

ミカサ「……おいで」スッ

エレニャー「ニャッ」ピョン

ミーナ「あ、ミカサの膝に……いいなぁミカサ」

ミカサ「あなたはいい子、なので、毛繕いをしてあげよう」

クリスタ「あ、待ってミカサ、その子毛繕いされるのは嫌いみたい」

エレニャー「ニ゛ャー!」ジタバタ

ミカサ「ちゃんと綺麗にしないとダメ」ナデナデ

ユミル「おいおいミカサ、店員の説明聞いてたのか?そいつ嫌がってるぞ」

ミカサ「そんなことはない、この子はエレンに似てる。なら、この反応もエレンと一緒」

ミーナ「どういうこと?」

ミカサ「エレンは私が寝癖を直そうとすると嫌がる。でも、それは照れ隠しなだけで本当は喜んでいる、この子も同じ」

ユミル(いや、それは本当に嫌がってるんじゃないか?)

ミーナ「あっ、エレニャー諦めたみたいだよ」

エレニャー「ニャー……」

ミカサ「よしよし、いい子いい子」ナデナデ

エレニャー「ニャー///」ゴロゴロ

ユミル「堕ちたな」

サシャ「堕ちましたね」

ミーナ「エレンって案外チョロいのかしら……」





~兵舎男子部屋~

エレン「はっくしょい!!」

アルミン「うわっ!どうしたのエレン、風邪?」

エレン「いや、急にくしゃみが」ズビー

ライナー「誰かがお前の噂でもしてるんじゃないか?」

エレン「はっ、まさか」

~ネコカフェ~

ミーナ「ねぇ、アニはお気に入りの子見つけた?」

アニ「……」ズーン

ミーナ「うわっ!どうしたのアニ!」

アニ「ネコが……私の顔を見ると逃げていく……」チラッ

ネコ「ニャ!」ササッ

アニ「」ズーン

ミーナ「あはは……アニは目力がすごいからね……」

ユミル「やっぱりネコも人の本質を見抜くんかねぇ」

アニ「っ!」ギロ

ユミル「ほれほれ、そんな怖い目してると、もっとネコが逃げてくぜ」ニヤニヤ

アニ「っく……」ズーン

クリスタ「もう!ユミルったら!あっ、ほら!アニの方にネコが行ったよ」

ネコ「ニャー」トテトテ

ミーナ「うわぁ!何あの子、目がパッチリしててかわいい!」

クリスタ「えっと……あの子の名前はアルニャンだね」

クリスタ「『かわいいお目々が特徴の当店人気№1です』だって!」

ユミル「さすが人気№1、落ち込んでいる客を慰めて落とす戦法か」

ミーナ「さすが№1……あざといわね」

クリスタ(どことなく、アルミンに似てる気がするけど、アルミンもそうなのかな?)




~兵舎男子部屋~

アルミン「クシュン」

ライナー「おい……今のはくしゃみなのか?」

アルミン「うん、そうだけど……まいったな僕も風邪なのかな?」チョットナミダメ

ライナー(……かわいい)

~ネコカフェ~

アルニャン「ニャー」トコトコ

アニ「いいよ、無理に慰めなくて……どうせあんたも私が怖いんだろ」シュン

アルニャン「ニャー♪」スリスリ

アニ「!?」

ミーナ「うわっ!何あれ!?可愛すぎるでしょ!」

ユミル「おっ、アニが手を伸ばしたぞ」

アニ「……撫でてもいいのかい?」プルプル

アルニャン「ニャー」

アニ「……」ワナワナ

ナデナデ

アルニャン「ニャー♪」ゴロゴロ

アニ「!?」ズキューン

ユミル(堕ちたな)
ユミル「あっけない結末だったな」

ミーナ(堕ちたわね)
ミーナ「まぁ、さすが人気№1ってことかしら」

クリスタ「アニ、良かったね」

アニ「……ニャ」ボソッ

クリスタ「?どうしたのアニ?」

アニ「アルニャン……」ホロリ!

ユミル「くっ……クク……あ、あのアニが、ネコ抱えて泣いてやがる。こりゃいいもん見られたぜ、プッ……」プルプル

サシャ「これ、きっと今晩は恥ずかしさで眠れないでしょうね」

クリスタ「いいなぁ、アニあんなかわいい子に懐かれて」

ユミル「お、だったら私に懐かれてみるかい?クリスタ相手なら大歓迎だぞ」

クリスタ「人間じゃなくてネコに懐かれたいの!膝に乗せてナデナデモフモフしたいの!」

ネコ「ナ゛ァー」

ユミル「ん?なんだこいつ?」

ミーナ「この子の名前は……ライニャーだって」

ミーナ「えっと『このお店のボスネコです。面倒見が良く他のネコちゃんからの信頼も厚い子です』だって」

サシャ「確かに他のネコより風格がありますね」

ライニャー「ナ゛ァ~オ」

クリスタ「ん?もしかして私の膝に乗りたいの?」

ライニャー「ナ゛ァ」

クリスタ「いいよ、はいおいでライニャー」ポンポン

ライニャー「ナ゛ァ~♪」ピョン

クリスタ「よしよし、いい子だねぇ」

ユミル「なっ!てめぇ……ネコの分際でクリスタの膝上を占拠するたぁいい度胸じゃねぇか」

ユミル「大体、そんななりしてクリスタに甘えようなんざ百年早いんだよ」

クリスタ「いいじゃない、ユミル。この子だってたまには甘えたいんだよ」

クリスタ「ねぇ?ライニャー?」

ライニャー「ナ゛ァ~オ♪」

ユミル(くっ……今すぐクリスタの膝上から退かしてぇが、そういう訳にもいかねぇか)

ユミル「っちしょうがねぇ、今だけクリスタの膝上を貸しといてやる」

クリスタ(いつから私の膝は貸し借りされるものになったんだろう……)

ユミル(しかし、この怒りどうしたもんか……とりあえず帰ったらライナーにぶつけておくか)




~兵舎男子部屋~

ライナー「うぉっ!」ブルッ

エレン「ん?どうしたライナー」

ライナー「いや……今、急に寒気が」

エレン「なんだよ、ライナーも風邪か?」

ライナー「いや、この寒気はそういう類のもんじゃねぇ、もっと恐ろしいものだ……」

エレン「?」

~ネコカフェ~

クリスタ「~~♪」ナデナデ

ミーナ「クリスタもすっかりはまっちゃったわね」

ユミル「あぁ、そうだな」

ミーナ「ユミルはネコ、撫でないの?」

ユミル「ん?私はネコには興味ないからな」

ユミル「こうやってネコを撫でてるクリスタを見れればそれでいい」

ミーナ「ユミルがそれでいいならいいんだけど」

ユミル「さて、この辺にでも座るか。クッションもあるしな」ヨイショ

ネコ「ニ゛ァァーーッ!」

ユミル「うぉ!?なんだ!?」

ミーナ「ちょ、ユミル、ネコ!ネコお尻に敷いてる!」

ユミル「げっ!これクッションじゃねぇのかよ!?」

クリスタ「ユミル、ダメだよヒドイことしちゃ」

ユミル「気づかなかったんだからしょうがねぇだろ」

ユミル「大体、お前もなんで黙って尻に敷かれてんだよ!そこは逃げるなり何なりしろよ!」

ネコ「ニャ~……」シュン

クリスタ「ユミル?」ゴゴゴ

ユミル「あぁ~はいはい、分かりましたよ。私が悪ぅございましたよ」

ネコ「ニャー」

ユミル「それにしてもでけぇな、お前本当にネコなのか?」

ミーナ「その子、ベルニャンっていうみたいよ」

ミーナ「『当店1の大きさを誇るネコちゃんです。その大きさからくる抱き心地の良さは他のネコちゃんでは味わえない体感です。』だって」

ユミル「ほぉ、そいつは面白そうだな。よし、さっき尻に敷いた詫びに抱いてやるよ」ギュッ

ベルニャン「ニャ~……」

ミーナ「どう?ユミル、抱き心地は?」

ユミル「んっ……ま、まぁまぁかな……」ギュッ

ユミル(この程よい重さといい、ほんのり伝わる温もりといい、こいつはやべぇ、はまっちまいそうだ)

ベルニャン「ニャ?」ウワメヅカイ

ユミル「くっ!?///」ギュー

ベルニャン「ニャー……」

ユミル(っち、まさかこの私がネコ風情に尻に敷かれるとはな……)

ユミル(こうなったら、後でたっぷり本物を尻に敷いてやるか)ニヤッ


~兵舎男子部屋~

ベルベルト「!?」ブルッ

エレン「どうした?ベルトルト」

ベルベルト「い、いや……なんでもない」

ベルベルト(まさか僕にまで寒気が来るとは……こういうのはライナーの役じゃないのか!?)

ライナー「……お前、今酷いこと考えてないか?」

~ネコカフェ~

ミカサ「……」ナデナデ

アニ「ニャ~♪」ナデナデ

クリスタ「いい子いい子」ナデナデ

ユミル「……」ギュッ

ミーナ「まさかユミルまで堕ちるとは……ネコ恐るべし!」

サシャ「……」キョロキョロ

ミーナ「あれ?サシャ、何してるの」

サシャ「みんな楽しそうなので、私もおいしそ──もとい、かわいいネコを探しているんですが、どうも、しっくりくるネコがいなくって」

ミーナ「ネコならより取り見取りじゃない、どんな子を探してるの」

サシャ「う~ん、なんと言いますか、もっとこうネコっぽいギラギラした感じの……野生のネコみたいなのが良いんですが」

ミーナ「う~ん、確かにここじゃあ見つからないかもね。ここの子ってみんな飼い慣らされている訳だし」

サシャ「そうですよね……まぁ仕方ありません、適当なネコでも──」

ジッー……

サシャ「ん?」クルッ

ネコ「」プィ

サシャ「なんですか、あのネコ。感じ悪いですね」ムッ

ミーナ「えっと、あの子はニャンシュタインって名前みたい」

サシャ「む……ネコの癖にずいぶん気取った名前ですね」

ミーナ「なになに……『プライドが高く、他のネコとはあまり馴染まない性格です』」

ミーナ「『人に対しても、近づこうとせず高い所から見下ろしていることがほとんどです』だって」

サシャ「なるほど……ふむ」ジィーーー

ニャンシュタイン「」プィ ヒョイ

ミーナ「あ、逃げた」

サシャ「決めました!私はあの子にします」

ミーナ「えっ、でもこっちに来ないよ?」

サシャ「来ないのなら、こちらから行くまでです!」ダッ

ニャンシュタイン「」ジィー

サシャ「フフフ、そうやって人を見下せるのも今日までです。あなたを捕まえて、その気取った顔をぐしゃぐしゃになるまで撫でてあげましょう」ビシッ

ニャンシュタイン「」プィ ヒョイ

サシャ「おっと、どこに行こうというんですか?」スッ

ニャンシュタイン「ニャ!?」タジッ

サシャ「狩人の私から逃げようなんて百年早いですよ。さぁ大人しく捕まりなさい」ジリジリ

ニャンシュタイン「……」ジリジリ

ニャンシュタイン「……」バッ

サシャ「そこです!」バッ

ニャンシュタイン「ニャ」ニヤッ クルッ

サシャ「なっ!空中で機動を!?あわわ、バランスが」

サシャ「おぶっ!」ズサーー

ニャンシュタイン「」シュタッ

ニャンシュタイン「ニャー」ペロペロ

ミーナ「完全に遊ばれてるわねサシャ」

サシャ「……」ムクリ

ミーナ「大丈夫、サシャ?」

サシャ「フッフッフッ、ニャンシュタイン……どうやらあなたは私を本気にさせたようですね」ゴゴゴ

ニャンシュタイン「……!?」ピクッ

サシャ「狩人としてのプライドにかけて、あなたを狩らせて頂きましょう」

サシャ「覚悟しいや!」ダッ

ミーナ「あぁ~、サシャの目が完全に食料を狙う目に……ニャンシュタインご愁傷様」

~兵舎男子部屋~

ジャン「よせ!こっちくんな!?」ガバッ

ライナー「ようジャン、ずいぶん遅いお目覚めだな」

エレン「いくら休日だからって、昼まで寝てんなよ」

ジャン「うるせぇ、休日をどう使おうが人の勝手だろうが!しかし……なんだったんだ、あの夢は」ブルッ

エレン「なんだ?怖い夢でも見たのか?」

ジャン「怖い夢っていうか……サシャに食われる夢だった」

ライナー「ジャン……お前いくら溜まってるからって、サシャはないだろ」

ジャン「いやそっちの意味じゃなくて、物理的に食われる夢だった」ブルッ

ライナー「なにそれこわい」

~ネコカフェ~

ヨッ ホッ ソコダッ!

ミーナ「すごいわねあの子、サシャ相手に互角に立ち回ってる」

ユミル「どっちかってと、ネコに弄ばれるあいつの頭のレベルの方がすごいと思うがな」ギュー

ミーナ「あ、ユミルも見てたんだ」

ユミル「こんだけ、ドタバタされちゃ気になるに決まってんだろ」ギュー

ユミル「ま、他の連中は、おネコ様に夢中みたいだけどな」ギュー

ミカサ「爪が伸びてる、切ってあげよう」パチッパチッ

アニ「肉球気持ちいい……」プニプニ

クリスタ「♪~」ナデナデ

ミーナ「完全に一人と一匹の世界に入っちゃってるわね……」

ユミル「そういや、ミーナは何もしないのか?お前もここに来たがってたろ」ギュー

ミーナ「う~ん、そうなんだけど……みんなを見てたら色々とおなか一杯で……」

ユミル「ま、確かにな。どいつもこいつも情けない面しやがって」ギュー

ミーナ(さっきからずっとベルニャンを抱きしめてるユミルには言われたくないと思うけど)

ユミル「ん?なんだよ、その顔は」ギュー

ミーナ「ううん、なんでもない、それよりせっかくカフェ店に来たんだから、何か頼もうかな」

ミーナ「えっと……あ、ここって人用の食べ物の他にネコ用のご飯まであるんだ」

ミカアニクリユミサシャ「!?」バッ!

ミーナ「ひゃっ!?何、みんな?」

ミカサ「エレニャーにご飯を食べさせる……それはいい、すごくいい……」

アニ「ま、まぁ、みんなが頼むんならしょうがないね……この子にだけあげない訳には行かないし」

クリスタ「ライニャーもお腹すいたよね?一緒にご飯食べよっか♪」

ユミル「ま、こいつにもっと食わせたら、どんだけでかくなるか気になるからな……」

サシャ「エサで獲物を釣るのは狩りの常套手段ですよ!」

ミーナ「み、みんな頼むのね?じゃあこのネコ用ご飯(普通)を……」

チョンチョン

アニ「ん?なんだい?アルニャン」

アルニャン「」ジィー

アルニャン「ニャン?」クビカシゲ ウワメヅカイ

アニ「ぐはっ!?」ハナヂダラー

ミーナ「ちょ!アニ大丈夫!?鼻血出てるよ!?」

アニ「くっ……だ、大丈夫、それより……私はこっち(特選ネコご飯)にするよ」

ミーナ「え?でも、これ結構高いよ?」

アニ「あ、あぁ別に金なんて持ってても他に使い道なんてないからね。たまにはいいさ」チラッ

アルニャン「ニャー♪」スリスリ

アニ「///」

ユミル「おい……あのネコほんとにネコか?おねだり方がプロすぎんだろ」

クリスタ「そんなことある訳ないでしょ、でもどうしようかな私もそっちにしたいけど、お金が……どう思うライニャー?」

ライニャー「ナ゛~」フルフル

クリスタ「私のことも気にしてくれるんだね、ありがとライニャー」ギュー

ライニャー「ナ゛ァ~ン♪」

ミーナ「じゃあ普通のご飯四つに特選が一つだね、えっと私は……」

ミーナ「ん?なんだろこれ『ネコまっしぐら』?」

ミーナ「なになに『当店特製のマタタビスプレーでネコの天国を体感!身も心もネコに堕とされたいあなたにオススメ!』」ゴクリ

ユミル「おい……まさかお前……」

ミーナ「すみませ~ん!ネコ用ご飯を四つと、特選を一つ、あと、このネコまっしぐらを一つ下さい!!」

ユミル「おい!お前なに頼んでるんだよ!ネコはもう腹いっぱいじゃなかったのかよ!」

ミーナ「だ、だってこんな売り文句見たら、頼むしかないじゃない」ハァハァ

ユミル「はぁ、お前後で後悔すんなよ……」

ミーナ「大丈夫!私、ネコなんかに絶対負けないんだから!」

ユミル(もうすでに嫌な予感しかしねぇ……)

店員「お待たせいたしました、ネコ用ご飯四つと特選一つです。ネコまっしぐらは少々お待ちください」

「はい!」×6

エレニャー「」ガツガツ!

ミカサ「もっとゆっくり食べないとダメ、ほら口の周りにいっぱい付いてる」フキフキ

エレニャー「ニャー」ペロペロ

ミカサ(いい……人生だった……)トオイメ

アニ「ア、アルニャン、おいしいかい?」

アルニャン「ニャ~♪」ニコッ

アニ(もう、死んでもいい……)ハナヂ ダラー

クリスタ「はいライニャー、あ~ん♪」

ライニャー「ニ゛ァ~ン」パクッ

クリスタ(かわいい~♪///)

ユミル「ほれ、ベルニャン飯だぞ」

ベルニャン「ニャー」モソモソ

ユミル「たくさん食って、でかくなれよ~(そうすりゃ、もっと抱き心地が……)」ニヤニヤ

サシャ「さぁ、ニャンシュタイン!エサを手に入れた以上この勝負私の勝ちですよ!」

サシャ(あ、でもこれ、結構おいしそうですね)グゥゥ

サシャ「わ、私も一口……」アーン

ニャンシュタイン「ニャ!」シュ!

サシャ「あぁ!私のご飯を!?待たんかコラー!」ダッ

ミーナ(みんな楽しそうでいいなぁ~)ソワソワ

店員「お待たせいたしました、ネコまっしぐらをご注文のお客様~」

ミーナ「はい!はい!私です!」バッ

店員「かしこまりました、それでは失礼いたします」プシュー

ミーナ「けほっ!けほっ!な、何するんですか!?」

店員「今かけたのが、マタタビスプレーとなっております、これをかけると──」

ミーナ「かけると?」

店員「ネコが一斉にお客様の体を舐め回します」ニコッ

ミーナ「!?」

ニャー!×たくさん

ミーナ「ちょ、ちょっと待って!まだ心の準備が!」ペロペロ

ミーナ「あっ!だめっ!そんなとこ舐めちゃらめなのぉ~」ペロペロ

ミーナ「あひぃぃぃぃ~……」ペロペロ

ミカサ「ミーナ、すごい幸せそう」

ユミル「……そう見えるか?しかし、女として出しちゃいけない声を出しまくってんなあいつ」

クリスタ「すごいね……ネコだらけでミーナが全然見えないよ」

アニ「あれはちょっとねぇ……(頼まなくて良かった)」

サシャ(ミーナってそんなにおいしいんでしょうか?後でちょっと食べさせて貰いましょう)

店員「お客様、そろそろお時間が近づいていますが……」

「延長で!」×5

~さらに一時間後~

クリスタ「楽しかったぁ~」

ミカサ「この世界は、美しい……」

アニ「まぁまぁ楽しめたね(もっとモフモフしたかった……)」

サシャ「むぅ……後もう少しで捕まえられたんですが」

ミーナ「うぅぅ……わたし、初めてだったのに……」グスン

ユミル「ったく、泣くぐらいならよしとけってんだよ」

ミーナ「だって……あんなにすごいとは思わなかったんだもん(あ、パンツ濡れてる……)」シュン

クリスタ「私がまとめて払っておくから、みんな後でお金頂戴ね。あ、ユミルの分は私の奢りね」

ユミル「……いや、私も出すよ」

クリスタ「えっ、いいの?」

ユミル「ま、まぁそれなりに楽しめたしな。今は気分がいいんだ大人しく貰っとけ」

クリスタ「うん!ありがとう」

ミーナ「そう言えばミカサはエレンに撫でて貰う秘訣は見つかったの?」

ミカサ「いえ、残念ながら見つからなかった」

ミーナ「ありゃま、まぁそんなすぐには見つからないわよね」(というか、秘訣とかそういうものではないと思うんだけど)

ミカサ「しかし、そもそも撫でて貰う秘訣を見つけるというのが間違っていた」

ミーナ「ミカサ!気付いてくれたのね」

ミカサ「えぇ、エレンに撫でられるより、撫でた方が何倍も気持ちいい」

ミーナ「……はい?」

ミカサ「そもそも私がネコになろうとしたのが間違いだった、エレンをネコにすれば良かった、それに気付いただけでも十分」

ミーナ「そう……それは良かったわね」トオイメ

クリスタ「あ、そうだ、ついでに次の予約もしちゃうけど、みんな来るよね?」

ミカサ「もちろん、行く(今度はおもちゃで遊んであげよう)

アニ「わ、私も付き合ってあげるよ(あの子の為にお金貯めておこう)

ユミル「しょうがねぇな、クリスタが行くんなら私も行ってやるよ」

サシャ「私も行きます!次こそあいつに目にもの見せてやりますよ!」

ミーナ「次は代えのパンツも持って行こう……(私も行くよ!)」

クリスタ「えっ……ミーナ?」

ミーナ「あ、ちがっ、じょ、冗談!冗談だから!お願いだから引かないで!」

クリスタ「と、とりあえずミーナも行くってことでいいんだね? あ、すみません次の予約をお願いしたいんですけど」

店員「かしこまりました、次の予約ですが早くても3ヵ月後ですがよろしいですか?」

クリスタ「えっ!?そんなに!?」

店員「はい、ただいま予約が殺到しておりまして、当店といたしましても、なるべく多くのお客様に来て頂けるよう努力はしているのですが」

店員「ネコちゃんの体調を考えると、これ以上早くは出来ないもので……」

クリスタ「そ、そうですか……うん、ネコちゃんの為だもん仕方ないよね……」

ミカサ「この世界は……残酷だ」ズーン

アニ「3ヶ月も会えないのか……」シュン

サシャ「むぅ、私としては今すぐにでもリベンジしたいのですが……」

ユミル「ふん!流石おネコ様は人気者でいらっしゃる(3ヶ月も待てねぇよ)」

ミーナ「あ、そうだ、いっそのことうちの寮でネコを飼っちゃう?それなら毎日──」

「あの子じゃないとダメ!」×5

ミーナ「そ、そう……(みんなすっかり、ハマっちゃったわね。まぁかくいう私もだけど……)」

クリスタ「とりあえず、予約だけはしておくね……」シュン

ミカサ「!……みんな、私にいい考えがある」

アニミークリユミサシ「?」

~翌日朝:食堂~

エレン?「なぁ、アルミン……」

アルミン?「エレン、なんでもすぐに僕に聞くのはやめてくれないかい?」

エレン?「いや、そう言われてもな……なんで──」


ミカサ「いい子いい子」ナデナテ

エレン(猫耳)「なんで俺達は頭を撫でられてるんだ?変な耳まで付けさせられて」ナデラレ゙

アニ「……」ナデナデ

アルミン(猫耳)「僕にだって分からないことくらいあるよ……」ナデラレ

サシャ「ジャン!追いかけっこしましょう!私に捕まったら今日のお昼のパァンは私の物ですよ!」

ジャン(猫耳)「はぁ?いきなり何言って──って、おい芋女!こっち来るんじゃねぇ!」ダッ

サシャ「ふふふ、今日こそは逃がしませんよ!」ダッ

ライナー「何やってるんだあいつら?」

ベルベルト「さぁ?でも、ミカサもアニも楽しそうだね」

ライナー「まったく、あいつらには兵士としての自覚ってもんが──」

クリスタ「あ、ライナーここにいたんだ」タッタッ

ライナー「クリスタか、どうした?(女神)」

クリスタ「あ、あのね?ライナーにお願いがあるんだけど」ウワメヅカイ

ライナー「おう、クリスタの頼みならなんでも聞いてやるぞ!(お願い!?ついに告白か!)」

クリスタ「良かった!あのね?これ(猫耳)を付けて私に膝枕させて欲しいの!」

ライナー「……」

ベルベルト「ライナー?」

ライナー「……男にはやらねばならない時がある」

ライナー(猫耳)「今がそうだっ!」スチャ

ベルベルト「ライナァァァ!?」

クリスタ「ふふっ、ありがとうライナー、ごほうびに頭撫でてあげるね」ナデナデ

ライナー(もう俺、兵士じゃなくてネコでいいや)ゴロゴロ

ベルベルト「ライナー……君って奴は……」

ユミル「お、探したぜベルトルさん」

ベルベルト「ユミル……そ、そうだ!ユミル大変なんだ、君のクリスタが──」

ユミル「よっと」ゲシッ

ベルベルト「うわっ!?」グルン

ドサッ

ベルベルト「イタタタ……ユミル、いきなりなにを」

ユミル「いいからあんたは大人しくし倒れてな、よいしょっと」ドサッ

ベルベルト「ぐっ……なんでいきなり僕の上に座ってるんだい」

ユミル「あ?そんなん決まってんだろ?」

ユミル「昨日はさんざん私を尻に敷いてくれたからな、今日は私がたっぷり尻に敷いてやるよ」ニヤッ

ベルベルト「君が何を言っているのか理解できないよ……そもそも僕は君を尻に敷いた覚えなんて──」

ユミル「いいから黙って敷かれてな、おっと、こいつを付けるのを忘れてたな」スチャ

ベルベルト(猫耳)「ユミル……君も……なのか……」ガックシ

コニー「なぁマルコ、今の状況が分からないのは俺が馬鹿だからじゃねぇよな?」

マルコ「うん、安心してコニー。僕にも何がなんだか分からないから」

コニー「そうか、ならいいんだけどよぉ……あっそういえばさっきミーナを見たぜ」

マルコ「ミーナを?そういえば、ここにはいないみたいだけど」

コニー「あぁ、なんかニヤニヤしながら一人で森の方へ歩いてったぜ」

コニー「それに、あいつからマタタビの匂いがしてたんだよなぁ一体何なんだ?」

マルコ「さぁ?」


「アヒィィィィィ......」



この後、このネコブームはしばらく続いたそうな


~終わり~

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