ミーナ「お邪魔しま~す」 (68)


―扶桑―


芳佳「えへへ~....ようこそ宮藤診療所へ」

ミーナ「なんだかとても不思議な感じね~」

芳佳「はい!ミーナ中佐がわざわざ扶桑まで来て私の家に来てくれるなんて」

ミーナ「自然豊かでとても落ち着くところだと思うわ」

芳佳「あ、ありがとうございます....ただの田舎なんですけどね....アハハ」

ミーナ「でものんびりしてて過ごしやすいんじゃないかしら?」

芳佳「そうかもしれませんね」

芳佳「そういえば坂本さんとは会ったんですか?」

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ミーナ「美緒とは明後日に会うのよ」

芳佳「えー!そうなんですか?中佐だったら先に坂本さんのところに行ってると思ってました」

ミーナ「え、えぇ.....で、出来れば会いたかったけれどね...今は違うところに行ってるから先に宮藤さんに会いに来たの」

芳佳「坂本さん今横須賀にいなかったんだ~..全然知らなかったです」

ミーナ「まあ軍の職務だからあまり詳しいことは言えないんだと思うわ....宮藤さんは一応軍隊の所属じゃなくなっているし」

芳佳「そうですよね」

芳佳「あっ!お茶入れるの忘れてました!今すぐ入れるのでゆっくりしててください!」

ミーナ「そんな気を使わなくてもいいのに」


10分後


芳佳「お待たせしました!」

ミーナ「あら、ありがとう..これは緑茶ね」

芳佳「その通りです!飲んだことありましたっけ?」

ミーナ「ええ、何回かあるわ」

芳佳「そうだったんですね~..あ、あとこれお菓子です」

ミーナ「こんなにいっぱい良いのかしら?」

芳佳「はい!ミーナ中佐が来てくれて嬉しいですから!扶桑の思い出をいっぱい作っていってほしいです」

ミーナ「ふふ、ありがとう...でも私は宮藤さんの顔が見れただけで充分よ」

芳佳「そういわれるとなんだか照れちゃいます」


ミーナ「そういえば今日は診療所はおやすみ?」

芳佳「ええ、土曜日と日曜日はおやすみなんです」

芳佳「お母さんとおばあちゃんは今日と明日用事があって今出かけちゃってるので..ミーナ中佐とは会えないんですよね」

ミーナ「そうだったの..家に泊めてもらうからお礼を言いたいのだけれど直接は無理ね...」

芳佳「お母さんもミーナ中佐と会いたいって言ってて、会えなくて残念だって言ってました」

ミーナ「何も言えないのは嫌だから手紙を書いて宮藤さんに預けとくわね...帰ってきたら渡してもらってもいいかしら?」

芳佳「もちろんです!渡しておきます!」

ミーナ「ありがとう..よろしくお願いね」

芳佳「はい!」


芳佳「そういえばお昼ご飯何食べたいですか?」

ミーナ「宮藤さんが作ってくれるのならなんでも」フフ

芳佳「あはは~、ありがとうございます....何作ろっかな~....」

ミーナ「私も手伝ってもいいかしら?」

芳佳「え?いいんですか?もちろん大丈夫です!」

ミーナ「じゃあそうさせてもらうわ」

芳佳「ミーナ中佐ってお料理作れるんでしたっけ?」

ミーナ「ちょっとだけね」

芳佳「そうだったんですか~...でも基地では一回も作ったことなかったですよね?」


ミーナ「一応中佐だからかしら...トゥルーデが作らなくていいっていつも言ってきて」

芳佳「いつもお仕事大変ですもんね(そういえばバルクホルンさんがミーナ中佐の味覚がどうとか言ってた気がする.....)」

ミーナ「でも今はこうしてのんびりできて、仕事の事なんて忘れちゃいそうね~」

芳佳「はい!ゆっくりしていってください!それじゃそろそろご飯炊きますね~」

ミーナ「私も手伝うわ、何でも言ってちょうだい」

芳佳「え?本当ですか?じゃあ新しいお米の袋を外から持ってきてもらってもいいですか?」

ミーナ「い、いいわよ(結構きついこと言ってくれるわね)」

芳佳「ありがとうございます!じゃあその間にお釜の用意してますね」


~倉庫~


ミーナ「これかしら....」

ミーナ「よいしょっと」


ボフ


ミーナ「重い............」ドス


ピョコン


ミーナ「まさか扶桑で魔法力を使うことになるなんて....」

ミーナ「はぁ.....」


ミーナ「宮藤さんって意外にSなのかしら........」


~厨房~


ミーナ「お米持ってきたわよ~」

芳佳「あ、ミーナ中佐ありがとうございます」

芳佳「今日はすき焼きにしますよ~」

ミーナ「何それ?」

芳佳「えっとですね~.....扶桑のお醤油と砂糖を混ぜたちょっと甘いお汁でお肉とかお野菜を煮込むんですよ!」

ミーナ「醤油に砂糖なんて合うの?」

芳佳「それがすごいあうんですよ~、今日はすき焼きのために美味しい牛肉も買ってきましたから楽しみにしててくださいね」

ミーナ「楽しみにしてるわ」

ミーナ「それにしても牛肉なんて食べるの久しぶりね~....」


芳佳「船ではお肉なんてスペムしかないですもんね」

ミーナ「そうそう...あんまり美味しくないし....」

芳佳「あはは...シャーリーさんが良く食べてましたね」

ミーナ「そうね~、あのルッキーニさんも流石に飽きてたみたい」フフ

芳佳「懐かしいな~....みんな元気にやってるかな....」

ミーナ「また会いたいわね~...今度宮藤さんが欧州に来ればいいんじゃないかしら」

芳佳「でも遠いですよ~...魔法力も無くなっちゃったし....」

ミーナ「そ、そういう意味じゃなくてね!旅行とかで.....うーん.......無理よね...ごめんなさい(言うんじゃなかった....)」

芳佳「気にしないでください!私もう後悔してませんから!....それに手紙もたまに届きますし」


ミーナ「そう....でも、みんな宮藤さんに会いたいと思っているから......いつになるか分からないけど....戦いが終わったら遊びにいらっしゃい」

芳佳「はい!もちろん行きます!みんなのこと応援してますから」

ミーナ「フフ、ありがとう...そういわれたら頑張らなきゃね」

ミーナ「ところで宮藤さんは...今中学校に通ってるの?」

芳佳「そうです、501に行く前に通っていたところなんですよ」

ミーナ「勉強は捗ってるかしら?」

芳佳「ま、まぁまぁですかね....でもお医者さんになるための勉強してるんですよ」

ミーナ「凄いじゃない!ここの診療所を継ぐために?」

芳佳「はい、魔法力が無くてもみんなの役に立てたらなあと」


ミーナ「宮藤さんならきっとなれるわ......頑張ってね!」

芳佳「はい!頑張ります!」

ミーナ「そういえばエーリカもああ見えて医者になりたいのよ」

芳佳「あ、それ知ってます!以前聞きました....でもハルトマンさんに診てもらうのちょっと怖いですよね」アハハ

ミーナ「そうね~...あのだらしないまま医者になられると困るわね」フフ

ミーナ「そうだ!扶桑から帰ったらカールスラントの医学書を宮藤さんのところに送ろうかしら」

芳佳「えぇ!それはちょっと申し訳ないですよ~」

ミーナ「いいのよ、扶桑で買ったら高いでしょうし...家に泊めてもらった恩返しってことで」

芳佳「あ、ありがとうございます」

ミーナ「それに今はお金の使い道も無いから....」

芳佳「あはは....」


~1時間後~


芳佳「出来ましたよ~」

ミーナ「あら、いい匂い」

芳佳「さ、食べましょう!」

ミーナ「いただきます」

芳佳「いただきます」



ミーナ「ん~、とても美味しいわ」

芳佳「ありがとうございます」

ミーナ「野菜と肉の出汁が良く出てるし、いくらでも食べられそう」

芳佳「甘いのにお米とも良く合いますよね」

ミーナ「そうね~、501にいた時も作ってくれればよかったのに」

芳佳「ですね!そうすればよかったです」


芳佳「ミーナ中佐、お昼食べたらどこか行きたい場所ありますか?」

ミーナ「そうねぇ.....長旅で疲れたからお昼寝してもいい?」

芳佳「うぇっ!?昼寝ですか?」

ミーナ「あら、いけなかったかしら?」

芳佳「と、とんでもないです!今日はいい天気なので良く寝れると思います!」

ミーナ「そうね~.....のんびりするには最高ね」

芳佳「扶桑の家には縁側っていうところがあって......そこにいると不思議とよく寝ちゃうんですよ」

ミーナ「へぇ~....初めて聞いたわ」

芳佳「食器洗い終わったら縁側に行きましょっか」


ミーナ「私も手伝うわ」

芳佳「ありがとうございます!」

芳佳「あ、あと夕方からは街でお祭りがあるので行きませんか?」

ミーナ「えぇ!もちろん行くわ」

芳佳「露店がいっぱい出て、花火も打ち上げられるんですよ~!早く行きたいなぁ」

ミーナ「嬉しそうね(はしゃいじゃって可愛いわね)」

芳佳「だって夏休みの大イベントですよ!それにミーナ中佐と一緒に行けるなんて絶対に無いような機会ですから」

ミーナ「ウフフ...ありがとう......私も楽しみ」



............


..........


.....



..




ミーナ「はぁ~......気持ちいわぁ~」

芳佳「ですね~.....ぬくぬくします」

ミーナ「もう動きたくないわね」

芳佳「ふふふっ...」

ミーナ「どうしたの急に笑って」

芳佳「ミーナ中佐がこんなふうにだらっとしてるの初めて見ましたから」

ミーナ「あら...私だってだらだらする時だってあるわよ」

芳佳「でも部隊のみんなの前では絶対しないじゃないですか....だからレアな光景だなって」


ミーナ「そうね....そんなところ見せられるわけないから.....」

芳佳「ですよね」

ミーナ「でも今日は休暇だから....」

芳佳「なんか本当に不思議な感じです.....」

ミーナ「........そう?」

芳佳「はい.....だってミーナ中佐と二人きりになることなんてなかったですし.....それに、私の家に来てこうして縁側で一緒に寝てるなんて考えられないですから...」

ミーナ「たしかにね...でも私はあまりそう感じないわ」

芳佳「なんでですか?」


ミーナ「だって私たちは同じ空の下にいるから....どこかにいるんだなって感じることが出来るでしょ?」

芳佳「はい....でも....」

ミーナ「フフ.....宮藤さんは自分が空を飛んだ時にどう感じた?」

芳佳「え?う~ん...そうですねぇ..........広いなぁって感じました」

ミーナ「私もね.....最初無限に広がっているようにみえた........でも違ったわ...」

ミーナ「世界はとても狭いんだって....」

芳佳「なんだか難しいです」


ミーナ「そう?...空を飛んでいけば必ず大切な人の所に行くことができる....私たちは別に大きな壁で遮られているわけじゃなくて...」

ミーナ「その.....空で繋がっている.....だからいつどこで会ってもいつもの宮藤さんに感じると思うわ.......」

芳佳「えへへ...そうかもしれません.......でもやっぱりミーナ中佐が私の家にいるのはやっぱり不思議です」

ミーナ「この状況は確かに不思議かもね...」フフ

芳佳「あ、そういえば」

ミーナ「ん?」

芳佳「スイカがあるので食べませんか?」

ミーナ「え、えぇ....なんか急でびっくりしたけど...食べてもいいのかしら?」

芳佳「もちろんです!...この辺の畑で獲れるのを良く貰うので余っちゃってるくらいなんですよ」


ミーナ「それなら頂こうかしら...」

芳佳「扶桑の夏といえばスイカなんですよ」

ミーナ「そうなの、あまりスイカは食べないから楽しみね」

芳佳「今切ってきますね~」


・・・

・・・

・・・


芳佳「出来ましたよ~」

ミーナ「あら綺麗ね」

芳佳「冷やしてたやつなのですごい美味しいと思いますよ」

ミーナ「それじゃいただくわ」

芳佳「どうぞどうぞ」


ミーナ「......あら、みずみずしい...」シャリシャリ

芳佳「お塩かけますか?」

ミーナ「え?塩をかけるの?」

芳佳「美味しいんですよ」

ミーナ「そ、そうなの?じゃあ振ってもらえるかしら」

芳佳「はい!」

フリフリ


ミーナ「.........う~ん....ちょっと微妙.....かも....」シェリシャリ

芳佳「えぇ~?そうですか!?残念です....」

ミーナ「ご、ごめんなさいね....(私の舌がおかしいのかしら?)」

ミーナ「でもスイカ自体の味は最高よ」


芳佳「本当ですか?ありがとうございます」

芳佳「あ、ミーナ中佐の口の横に種ついてますよ」クス

ミーナ「え?どこ?」

芳佳「ここです」ツンツン

ミーナ「ほんとだ...みっともないわね」フフ

芳佳「写真に撮りたかったです」

ミーナ「そんなことしなくていいから」

芳佳「えへへ~」

ミーナ「甘いの食べたら余計眠くなってきたわ~....もうひと眠りいいかしら?」

芳佳「私も眠たいです」


・・・・・

・・・・・


ミーナ zzZ スゥ

芳佳(もう寝ちゃった......)

芳佳(ミーナ中佐の寝顔.....綺麗だな~....)


芳佳(近づいてもいいよね....もっと..............)



芳佳(.......ルッキーニちゃんの気持ちが分かった気が......する.......)



......................


..............




.......



..




・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・


ミーナ「ん........ぅ.......」

ミーナ「..........はぁ..........」パチパチ

ミーナ「ん?」


芳佳 zzz スピィ⁻

ミーナ「あらあら.......可愛い顔して寝ちゃって......」

ミーナ(もう日が暮れてきてるわね......起こさないとだめよね.......)


ミーナ「宮藤さ~ん....起きてちょうだい~」グラグラ

芳佳「..........ぅう~..........あとちょっと~..................」

ミーナ「エーリカみたいなこと言ってないで.......起きて.....」ユラユラ

芳佳「..........っ!?」ビクッ

芳佳「あ......ミーナ中佐.........」


ミーナ「起きたわね宮藤さん」

芳佳「........はい.........なんかすいません............起こしてもらっちゃって」

ミーナ「いいのよ.....宮藤さんも疲れてたでしょうから......」

芳佳「あ、はい.............それよりもう夕方になっちゃいましたね!お祭りに行かないと遅れちゃいます!」

ミーナ「そうね!早く行きましょう」

芳佳「はい!」

ミーナ「荷物は持たなくていいわよね?」

芳佳「ええ、でも一応お財布とか貴重品だけ一応持ってってください」

ミーナ「そうね」

芳佳「私顔洗ってきますね」

ミーナ「分かったわ」


ミーナ(お財布お財布っと.......ここだったかしら.....)

ミーナ(.......あったわお財布................................そういえばこれ............宮藤さんは喜んでくれるかしら....)


ミーナ「ま、今日はお祭りを楽しまなくっちゃね」



芳佳「ミーナ中佐~.....準備できましたか~?」

ミーナ「ええ!今行くわ!」



芳佳「ちょっぴり歩いて時間かかるんですけど、車とかなくてすいません」

ミーナ「気にしないで.....宮藤さんと一緒に歩くことなんて滅多にないし楽しみよ」

芳佳「えへへ....私はちょっと緊張します」


ミーナ「そうかしら?」フフ

芳佳「は、はい」




ガラガラッ ピシャ......


芳佳「行ってきま~す!誰もいないけど」

ミーナ「行ってきます」


ミーナ「ふぅ~........結構涼しくなってるわね」

芳佳「ですね~.......そういえば欧州は太陽が出てる時間長かったですよね」

ミーナ「そうね....夏は結構長いわ」

芳佳「扶桑よりも過ごしやすかったですし、またロマーニャに戻りたいです」

ミーナ「フフ...そうねえ......確かに扶桑は湿気が多いわよね.........」


芳佳「そうなんですよ....なんだか疲れちゃいます」

ミーナ「でもいいじゃない....扶桑の夕暮れの景色はとても綺麗だから..........宮藤さんのはちょっと贅沢な悩みね」

芳佳「それとこれとは別です!」

ミーナ「宮藤さんらしいわね」

芳佳「えぇ....そうですかね?」

ミーナ「そうよ」

芳佳「.................................そういえば」


ミーナ「なあに?」

芳佳「ミーナ中佐は...........将来の夢って....あるんですか?」

ミーナ「う~ん..........全然考えてなかったわね.......」

ミーナ「ネウロイのことで一杯だったから」

芳佳「そうですよね............私の勝手な考えだとミーナ中佐は先生なんか似合うと思ってたんですけどね」アハハ

ミーナ「そう?子供たちに何か教えることなんて想像もしたことなかったわ.....」フフ


ミーナ「でもね.......ちょっと自分の中でしたいことはあるの.....」

芳佳「え?なんですか?」

ミーナ「歌手になってみたい.......かしら」

芳佳「あ!そういえばブリタニアでミーナ中佐が歌を歌ってましたよね!とても上手でした!」

ミーナ「あら....ありがとう.......覚えててくれたのね」

芳佳「もちろんですよ~!絶対ミーナ中佐なら歌手になれますよ!」

ミーナ「そういわれると頑張らなくっちゃね」

芳佳「頑張ってください!扶桑にも歌いに来てくださいね」

ミーナ「ええ、もちろん行くわ」

芳佳「光の速さで駆け付けますよ」

ミーナ「ウフフ.....その時は宮藤さんに健康診断をしてもらおうかしらね」


芳佳「ぜひ来てください!診察料はタダにします」

ミーナ「じゃあ私の公演の入場料は無料にしなくちゃね」

芳佳「ふふっ....」

ミーナ「フフフ...................ねぇ宮藤さん............」

芳佳「何ですか?」

ミーナ「手....繋ぎましょっか」


芳佳「えっ?......あっ、はい!」


ミーナ ギュ
芳佳  ギュッ


芳佳「結構冷たいですね......ミーナ中佐の手」

ミーナ「宮藤さんのは私には暖かいわね...........」


....................................



.........................




...........






.....





・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・


芳佳「到着しました!」

ミーナ「凄い賑やかね~」

芳佳「夏といえばお祭りですから!」


芳佳「あ、焼きそばありますよ!焼きそば!食べに行きましょう!」

ミーナ「え、ええ.....」



芳佳「お祭りといえばまずこれですよ!」

ミーナ「香ばしいにおいね」

芳佳「凄い美味しいんですよ」



芳佳「あのっ、焼きそば二つ下さい!」

おっさん「はいよ~!二つで10銭ね!」

芳佳「は~い」ジャリン



おっさん「はいまいどあり~!」

芳佳「ありがとうございま~す」


芳佳「さ、熱いうちに食べましょう」

ミーナ「ありがとう」

芳佳「いただきま~す」


ミーナ「いただきます」


ズルズルッ


芳佳「ん~おいし~!」

ミーナ「...........ズルズル出来ないわ.....................」

芳佳「え?吸い込むだけですよ」

ミーナ「..........難しいわね........」チュルチュル


ミーナ「..........んっ!美味しいじゃないっこれ!」

芳佳「良かったです!」


芳佳「あ、飲み物買ってきますね......ちょっと待っててください」

ミーナ「え?そんな悪いわ」

芳佳「いいんですよ!今日は任せてください」

ミーナ「フフ.....じゃあ頼んじゃおうかしら....」

芳佳「はい!」タッタッタ




ミーナ「元気な宮藤さんが見れてよかった...」ボソッ



ミーナ(帰ったらトゥルーデに伝えとかなきゃね........)


ミーナ(あの子が一番心配していたし......他の皆もだけれど.....)


ミーナ(でもきっと宮藤さんは.......)


ミーナ(魔法力があろうとなかろうと.......)



ミーナ(守るべきものがあるんでしょうね....................)





ミーナ(だから私たちは心配し過ぎなのかも.............................)


芳佳「ミーナ中佐お待たせしました!」タッタッタ

ミーナ「安心したわ」

芳佳「え?何がですか?」

ミーナ「えっ、あ...いいえ......何でもないわ..........ありがとう」

ミーナ「これは綿あめね.......この飲み物はラムネじゃないかしら?」

芳佳「はい!よく知ってますね」

ミーナ「扶桑に来る時に乗った船でよく貰ったもの」

芳佳「そうだったんですか~....これも扶桑のお祭りでは定番なんですよ」

ミーナ「さっそくいただくわ」

芳佳「どうぞ」


ミーナ「懐かしい味ね....私もよく小さい頃は食べてたわ」

芳佳「軍には綿あめなかったですもんね」

ミーナ「えぇ....作ろうと思えば作れるけど.....誰もそんな発想する人いなかったわね」

芳佳「チョコとか普通の飴とかありましたもんね」

ミーナ「そうね」

芳佳「でもあのお菓子大好きハルトマンさんも考えなかったんですね」

ミーナ「エーリカは自分で作ることなんてしないから.......」

ミーナ「でも...まぁ、このことをエーリカに言ったらうるさくなりそうだから黙っておくわ」フフ

芳佳「ははは......なんだか想像つきます....」


ミーナ「でしょう?..........................あっ、あれは射的ゲームかしら?」

芳佳「そうですよ」

ミーナ「当てたら何かもらえるの?」

芳佳「はい!景品がもらえるんですよ.....でも倒さないといけないんです」

ミーナ「やってもいい?」

芳佳「もちろんですよ!」





芳佳「あのっ.......射的やらしてください!」

おっさん「はいよ~.....じゃあ好きな銃使ってやっていいよ」

芳佳「ありがとうございます」

ミーナ「じゃあこれ使おうかしら」


芳佳「ここのお店距離離れてるやつですね......その代り当てたら絶対倒れる的のタイプですか.......ミーナ中佐頑張ってください!」

ミーナ「もちろんよ....あれ狙おうかしら........」

ミーナ「この弾はコルクだけど宮藤さんは当てれば倒れる的って言ってたから.............」

ミーナ「..................」


芳佳(ミーナ中佐凄い集中力だ.......)


ミーナ(ここらへんで........いいわね........)


パンッ!!


ミーナ「やったわ!!」

芳佳「おお!流石です~」

おっさん「お嬢さん上手いね~」


ミーナ「ありがとうございます」

ミーナ「さ~て残りも全部当てるわよ~」


パァン!


パァン!!


ミーナ「よし!」



パァン!!!







パァン!!!!



芳佳「す、すごい全弾命中....」

ミーナ「よっしゃあああああああああああ!!!」ガッツポ

芳佳「ミーナ中佐.........」

ミーナ「あ....ごめんなさい......(つい........)」

おっさん「こりゃ参ったねぇ....ほとんどいないよ全部当てるなんて......」


ミーナ「それはどうも.....」

おっさん「はい、好きな景品とってっていいよ」

ミーナ「う~ん.....どれにしようかしら......せっかくだから扶桑のお菓子でも......」


ミーナ「じゃあこのキャラメルとドロップ二つずつ下さい」

おっさん「はいよ、あと一つはどうする?」

ミーナ「そうねぇ......宮藤さんは何か欲しいのある?」

芳佳「え?いいんですか?」

ミーナ「当たり前じゃない」

芳佳「ありがとうございます!えっとどれにしようかな~..................」


芳佳「う~ん......悩むなぁ......」

芳佳「あ、じゃあこの扶桑人形で!」

ミーナ「あらいいじゃない....じゃあこれ下さい」

おっさん「はいよ」

おっさん「ありがとね~お嬢さんたち~」


芳佳「は~い!ありがとうございました」

ミーナ「ありがとうございました」


芳佳「ミーナ中佐やっぱり凄いですね!」

ミーナ「そ、そう?たまたまよ」

芳佳「そんなことないですよ~」


芳佳「おっ......金魚すくいだ」

芳佳「次はあれやりましょう!」

ミーナ「いいわよ」

芳佳「ミーナ中佐と勝負です」

ミーナ「フフ....絶対に負けないわ」




芳佳「あの~金魚すくい二人分お願いします!」

おばさん「はいはい~......じゃあこれ網ね」

芳佳「ありがとうございます!」



ミーナ「この網で金魚をすくうの?」

芳佳「そうですよ!」


ミーナ「簡単そうじゃない」

芳佳「そう思うでしょう~?でもこの網水につけるとすごい破れやすいんですよ」

ミーナ「えぇ?そうなの?コツとかあるの?」

芳佳「えっとですね....出来るだけ小さい金魚を狙って~......この網を斜めから一挙に水に入れてすくいだすんです」


芳佳「一回試しにやってみますね」

芳佳「よいしょっ」チャポ


芳佳「とれた!」

ミーナ「上手ね」

ミーナ「私もやるわ」


ミーナ「....................」

ミーナ「今よ!」チャポッ


ミーナ「..................」

芳佳「あっ.......破けちゃいましたね」

ミーナ「宮藤さんのと紙質違ったりしないわよね?」

芳佳「そ、それはないですって.....」

芳佳「たぶん入れる時に力入れ過ぎたんだと思います」

ミーナ「もう一回チャレンジするわ」



ミーナ「.........................」チャポ


ミーナ「...........................」

芳佳「えぇ.........」


ミーナ「もう一回!」



ミーナ「.......今!」チャポ

ミーナ「.......................................」


芳佳「」


ミーナ「もう一回よ!」



ミーナ「ここね!」チャポッ


ミーナ「..........................................」

芳佳「フフッ...........」

ミーナ「ちょっと!今笑ったわね?」

芳佳「いやっ.....ちが....笑ってないですって」

ミーナ「はぁ.....これは私の負けね...........」

芳佳「ミーナ中佐の不得意な事発見ですね」

ミーナ「それは....私だって完璧じゃないもの....」プイ

芳佳(あ、すねちゃった...)



ヒューーーー..........ヒュルヒュル...ッドォンッ!!!



芳佳「わぁ!花火ですよ花火!」

ミーナ「.................美しいわ..........」

芳佳「どっかに座って見ましょう!」

ミーナ「ええ!そうね」




芳佳「今日が晴れててよかった~」

ミーナ「このお祭りのために空が晴れたのかもね」

芳佳「そうかもしれないです!」

ミーナ「こんな綺麗な花火見るのは初めてかも」


芳佳「扶桑の花火職人さんが時間をかけて作ってますから」

ミーナ「この一瞬のためだけにかけてるのね......」

ミーナ「言葉で言い表せないくらい......なんて情緒的で感動的な作品なのかしら.........」

芳佳「街の皆が見てくれますからね」



ミーナ「宮藤さん」

芳佳「はい!」

ミーナ「今日は本当にありがとう.......素敵な思い出ができたわ」

芳佳「どういたしまして!ミーナ中佐が喜んでくれて本当によかったです!」


...............................


.....................




............




.....


..


宮藤診療所


ガラガラー


芳佳「ただいま~」

ミーナ「ただいま」


芳佳「疲れましたね~」

ミーナ「ええ、いっぱい遊んだものね」

芳佳「ですね~...」

芳佳「今お風呂沸かしますね~」

ミーナ「何から何までありがとう」

芳佳「いいんですって...今日はミーナ中佐はお客さんですから」

ミーナ「フフ....そうはいっても501にいた時の宮藤さんがやってたこととと変わらない気がする」

芳佳「そうですか?」

ミーナ「ええ」


芳佳「ミーナ中佐はお布団で寝たことありますか?」

ミーナ「無いわ」

芳佳「じゃあ今日が初めてですね!」

ミーナ「そうね...布団っていうのは扶桑式の寝具よね」

芳佳「そうです」

芳佳「いっしょに運ぶの手伝ってもらっていいですか?」

ミーナ「いいわよ」



ミーナ「これも結構重いわね...」

芳佳「でもお米よりも軽いと思います!」

ミーナ「そうね......やっぱり分かってて運ばせたのね...お米」

芳佳「そ、そんなつもりじゃないですよ....」


芳佳「私先行きますね」

ミーナ「オッケ―」

芳佳「せーのっ....よいしょっと」



ミーナ「ここに置くのかしら?」

芳佳「そうですね」

ミーナ「よいしょっと....」ボフッ

芳佳「ありがとうございます」

ミーナ「ふぅ.....」


芳佳「もう少ししたら沸くのでお先にお風呂入ってください」

ミーナ「分かったわ」



~数分後~


ミーナ「久しぶりの浴槽ね~」


ザバン


ミーナ「はぁ~....疲れが取れるわ~..................」

ミーナ「やっぱりお風呂はいいわね....」


ミーナ「サントロンの基地にも作ってもらおうかしら......」


ミーナ「でもそんな予算ないか....」


・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・


芳佳「お風呂気持ちよかったですね!」

ミーナ「ええ、汗かいた後でさっぱりしたわ」

芳佳「お水いりますか?」

ミーナ「ううん...宮藤さんが入ってる間飲んだから大丈夫よ」

芳佳「はい」

ミーナ「長い一日だったわね」

芳佳「はい!でも明日ミーナ中佐が出発しちゃうと思うと寂しいです」

ミーナ「私も宮藤さんともっと一緒にいたいわ」

芳佳「今度扶桑に寄ったときはまた来てくださいね!」

ミーナ「もちろんお邪魔するわ」

芳佳「絶対ですからね」

ミーナ「約束する」


ミーナ「今度は出来たらトゥルーデとエーリカも連れてきたいわね」

芳佳「ぜひ来てください!」

ミーナ「ええ」



ミーナ「さ、そろそろ寝ないと」

芳佳「明日朝早いんですもんね」

ミーナ「そうなのよ.........」

芳佳「じゃあ電気消しますね」


カチ


ミーナ「おやすみなさい、宮藤さん」

芳佳「おやすみなさい、ミーナ中佐........」



.............................


.............................


.............................



..................




..........



チュンチュン チュンチュン


ミーナ「...........ん...........ぅ..........」


ミーナ「....................おはよう........」ガバ


芳佳「あ、おはようございます!ミーナ中佐」

ミーナ「随分早く起きたのね.........」

芳佳「はい!」

芳佳「あの、お弁当作ったので道中是非食べてください」

ミーナ「本当に?ありがとう、嬉しいわ」

芳佳「どういたしまして」

芳佳「あ....あと30分くらいでお迎えが来ちゃいますよ」

ミーナ「そうね、準備しなくちゃ」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

~玄関~


芳佳「なんだか慌ただしい朝になっちゃいましたね」

ミーナ「そうね...もうちょっとゆっくりしたかったけど......今日は朝早くから会議があるから.....ごめんなさいね」

芳佳「そんな..謝らないでください.....私は凄い楽しかったですから」

ミーナ「そうね、色々お世話になってありがとう.....」


ミーナ「そうだ....最後にこれを渡さなくちゃね」

芳佳「何ですか?」

ミーナ「今日は宮藤さんの誕生日でしょう?お誕生日おめでとう、宮藤さん!」


芳佳「覚えててくれたんですね!ありがとうございます」

ミーナ「当たり前じゃない....それと....このプレゼントは.......これは501のメンバーが書いてくれた寄せ書きの色紙よ」

芳佳「えぇ!いつの間に書いてくれてたんですか!?」

ミーナ「これはね....ロマーニャで501が解散になって別れる前に......皆に書いてもらったのよ」

ミーナ「私が扶桑に行くことは決まっていたから....ちょうど宮藤さんに渡せると思ってね」

芳佳「わぁ~!ありがとうございます!大切にします!」

ミーナ「フフ....いいのよ.....それに.....宮藤さんが元気でよかったわ」

ミーナ「皆ね....宮藤さんのこと心配していたから....」

芳佳「.....魔法力のことですか?」

ミーナ「ええ......」


芳佳「それは大丈夫です!あの時..........坂本さんも.....501のみんなも.............ロマーニャの人たちも.......守ることが出来ましたから!」

芳佳「だから後悔はしてません!」

ミーナ「そう............ウフフ............そうよね........」




ミーナ(宮藤さんには..........................どんな時も...誰かを守る力があるもの...........................)





ブロロロロ



芳佳「あ、お迎えのお車が来ましたよ!」

ミーナ「ええ」

芳佳「これでお別れになっちゃいますね......」

ミーナ「そうね.....でももう会えないわけじゃないわ....だから悲しい顔をしないで」

ミーナ「言ったでしょ?私たちは一つの空で繋がっているからって..........」

芳佳「そうですね!また会える日を楽しみにしています!」

ミーナ「私も楽しみにしているわ」


ミーナ「ありがとう宮藤さん....さようなら」






ミーナ「お邪魔しました」ウフフ



-おしまい-

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