アルミン「やあ、おはようアニ」
アニ「...」
アルミン「10年ちょっとぶりの再開だね」
アニ「あんた...誰」
アルミン「あはは、気付かないかな...髪の毛めんどくさくって切ってないし...」
アニ「...アルミンに似てる生物、帰って」
アルミン「覚えていてくれて嬉しいよ。僕がアルミンだ」
アニ「...」
アルミン「アニ、身長少し伸びたね」
アニ「...どうしてここがわかったの、なにしに来たの」
アルミン「虱潰しに探した。そして、君を捕まえに来たんだ」
アニ「...そう」
アルミン「ここ、今アニが住んでる家?入るよ、失礼します」
アニ「ちょっと、勝手に」
アルミン「ごめんね、歩いてきたから疲れちゃって...座っていいかな」
アニ「...」チッ
アルミン「あはは、舌打ちの癖も変わらないね。...聞きたい事があるんだけど、聞いてもいい?」
アニ「...好きにしな」
アルミン「じゃあ好きにさせてもらうよ。水晶から出て...逃げて10年間、今までに巨人化した?」
アニ「...してない」
アルミン「なぜ今まで巨人化しなかったの?」
アニ「...」
アルミン「僕の勝手な予想なんだけど、アニは巨人化の能力を失ったんじゃないかな」
アニ「チッ...どうしてそう思うの」
アルミン「親指の...歯形だよ。古い傷跡が何個も出来てる。巨人の治癒能力がなくなってるんじゃないかな」
アニ「あ...」
アルミン「確証がないまま言ってみたけど、その様子だと本当みたいだね」
速報の人か、期待
アニ「...」
アルミン「せっかく白くて素敵な手だったのに...何年経っても治らないよ、これは」
アニ「質問はそれだけ?」
アルミン「今日の所は終わりだよ、協力してくれて嬉しい、ありがとう」
アニ「...そう、私を捕まえるんじゃなかったの?」
アルミン「最初そう言ったのはアニの敵意を確かめるためだったんだ、騙すような事をして、その...ごめん」
アニ「...別にいい」
アルミン「良かった。またね、アニ」
アニ「...またね」
アルミンがドアを閉め、帰った事を確認してからベットに寝転ぶ。
アニ「なんで今頃、来んのよ」
一言つぶやき、帰ってこない返事に心が痛んだ。
あの人か、期待
>>3
なんでわかったんだ
すごいなお前
アルミン「こんにちは、また来たよ。時間大丈夫?」
アニ「大丈夫だから、さっさと済まして」
アルミン「つ...冷たいなぁ、また質問しにきたんだ。」
アニ「さっさと終わらせて」
アルミン「...質問ね、この世からエレンやユミル等の特別種以外の巨人が絶滅した話や、君の故郷との和解が成功しそうな話はもう、ニュースで知ってるよね」
アニ「...一応は」
アルミン「もし和解出来たら、アニは帰りたい?」
アニ「そう...だね、無理だろうけど」
アルミン「...そうか」
アニ「アルミン」
アルミン「なに?」
アニ「この質問をする理由を教えて」
アルミン「...うん、いいよ。実は本題がそれなんだ」
アニ「本題...ね」
アルミン「つい昨日、アニの処分か決まってさ」
アニ「...」
アルミン「...死刑はまぬがれたよ。アニをこの壁の中から出す事でなんとか許してくれたんだ」
アニ「...そんなこと、あるはずが」
アルミン「アニも知ってる通り、ここ10年で巨人に対してイメージがだいぶ変わった」
アニ「...うん」
アルミン「エレンも前のような酷い批判はなくなって、一部には感謝されるまでになった」
アニ「うん」
アルミン「それと、みんな外の開拓や、国との和解に忙しくて残りの巨人の事は正直あと付け程度で決められているんだ」
>>6
クソミンなんてタイトル忘れるかよ
アニ「...」
アルミン「アニに関しては巨人の力がなくなったということで、かなり甘めに決められてたよ」
アニ「ベルトルトは...ライナーは捕まった後、どうなったの」
アルミン「二人は巨人化能力がまだ残っているから...難しいかもしれない。二年前に捕まってから、ずっと軟禁されているよ」
アニ「...殺されるかもしれないの?」
アルミン「どうだろうか、今は平和ボケっていうのかな、何事も上手く転んでいる事に浮かれているから...もしかしたら助かるかもしれない」
アニ「そう...あんたはどうなればいいと思ってるの?」
アルミン「僕は...」
アニ「...」
アルミン「彼らも、君も許せないけど...死なないで欲しいかな。自分のやらされた事を後悔し続けて欲しい。...後悔しながら、精一杯生きてて欲しい」
アニ「...そっか」
アルミン「話を戻すね」
アニ「ああ」
アルミン「アニをこの壁の中から出す件についてなんだ」
アニ「...」
アルミン「...非常に言いにくいんだけど、君の故郷が」
アニ「私の受け取りを拒否した...でしょ?大体想像がつくね」
アルミン「...うん。アニはここにも、向こうにも居れない状況になってしまった」
アニ「そう...だね」
アルミン「ごめんね、アニ...僕が無力だから」
アニ「いい...別に」
アルミン「...アニは、悲しいかい?」
アニ「悲しい訳じゃない...でも...でも、寂しいね」
アルミン「...そっか」
アニ「他に、何かあるの?」
アルミン「うん。君の住む場所についてなんだけど」
アニ「...」
アルミン「あるんだ、ここからかなり離れた小さな島が」
アニ「そこで...私は生かされるんだね」
アルミン「ああ、そうだ」
アニ「...アルミン」
アルミン「どうしたの?」
アニ「少し、話をしたい...昔の、同期として」
アルミン「...うん、いいよ。なんでも聞いてあげるね」ニコッ
アニ「あんた、変わったよね」
アルミン「まぁ、身長も少し伸びたし...髪も結べる位まで伸びちゃったしね」
アニ「...昔の女々しい感じが消え去っちゃったよ」
アルミン「それは喜んでいいのかな」
アニ「...言わない」
アルミン「ふふ、それは嬉しい」
アニ「バカじゃないの」
アルミン「アニと話すと...昔を思い出して、ついね」
アニ「あっそ」
アルミン「あはは」
アニ「...あんたがエレン脱走の話を持ちかけた時...さ」
アルミン「うん」
アニ「酷い奴だと思ったよ」
アルミン「あはは、酷いなぁ」
アニ「...全部、わかっててやったんだろう?」
アルミン「なにをわかってたって?」
あんたが好きって事だよ!
アニ「...言わない」
アルミン「アニ、好きだよ」
アニ「...そう」
アルミン「アニは、まだ僕のこと好き?」
アニ「黙秘する」
アルミン「酷いなぁ」
アニ「...昔のあんたは可愛かったよ」
アルミン「どんなところが?」
アニ「...」
訓練兵時代
ドンッ!!
アニ「いっ...!」ドサッ
マルコ「うわぁっ!あ、アニ!ごめんなさい」
アニ「...痛いんだけど」
マルコ「手から血が出ちゃってる...本当にごめんなさい...保健室、運ぶよ」
ハンナ「確かアルミンが今日の保険当番だったと思うけど...」
※保険当番...ssの特権ご都合主義で作った当番なので、原作設定にはありません。1日に1人順番で決められ、その日保健室でケガの消毒などする当番と思ってください。
ミーナ「おおー良かったじゃんアニ~」
アニ「...っ!!うるさいなぁ」
マルコ「え、アニってアルミンの事好きだったの!?」
ハンナ「周知の事実よ」
マルコ「うわぁ、意外だなぁ!頑張ってねアニ!」
アニ「ミーナ...後で覚えておきなよ」
ミーナ「え"っ...うひぁーアニちゃん怖ぃい」
ハンナ「うふふ、ア二頑張ってね」
マルコ「あははは、じゃあ僕はそこに居ない方がいいのかな?」
アニ「...チッ...一人で行く」
ミーナ「さぁ、ハンナ、私達も訓練戻りましょうか!」
ハンナ「そうね」
マルコ「あれ、アニとペアの人は?余っちゃうんじゃないかな」
ミーナ「アニはこの訓練手を抜いてるのよ、元々凄く強いからね!」どやっ!
マルコ(なんでそんな誇らしげなんだ...)
ダズ「マルコ~早くやろうぜー」
マルコ「あっ...うん!今行くよ」
保健室前
アニ(アルミンか...そうかアルミンか...アルミンが当番かぁ...そうか...アルミンか...アルミン...)
アニ「ふふふ」
コンコン、ガチャ
アルミン「わぁ、アニどうしたの?」
ジャン「おお、アニもケガしたのか」
アニ「...手、擦りむいた」(二人きりじゃないか...しかもジャンかよ)
アルミン「ちょっと待ってね、ジャンの手当てがもう直ぐ終わるから、そこの水道で傷口を洗ってくれるかな」
アニ「...」コクン
ジャン「...」ニヤニヤ(アニとアルミンかぁ...そういやアニってアルミンの事)
アルミン「どうしたのジャン、そんなニヤニヤして...悪人面が引き立ってるよ」
ジャン「うるせぇなエレンの腰巾着」
アルミン「...否定はしないよ」グリグリ
ジャン「いってええぇ!お前患部押すなって、痛っ!いてぇよ」
アルミン「はいっ!手当て終わった」パッ
ジャン「...もうちょっとここに居ようかなぁ、アニはコミュ障と二人じゃ気まずいよな?」ニヤニヤ
アニ「...」チッ
アルミン「...僕だってアニならちゃんと話せるよ。アニ、そこ座って手出して」
アニ「...」チッ
アルミン「...僕だってアニならちゃんと話せるよ。アニ、そこ座って手出して」
アニ「ジャン...帰りなよ」
ジャン「あー?どうしようかな」ニヤニヤ
アニ「...マルコがジャンを心配してたけど」
ジャン「...あっそ、別にどうでもいい報告サンキューな」
ガチャ、バタン
アルミン「帰ったね」
アニ「...」
アルミン「あっジャン走って行ってる...」
アニ「傷、痛いんだけど...早く済まして」
アルミン「えっ、ああ、ごめんね」
アニ「別にいい」
アルミン「...アニって指細いよね、白いし」
アニ「そんな褒めても何も出ないよ」
アルミン「そ、そういうつもりじゃなかったんだ、ごめんね」
アニ「いちいち謝らなくていいから」
アルミン「えっご、ごめん」
アニ「...ふふ」
アルミン「アニと話すの久しぶりだね」
アニ「うん」
アルミン「初めてアニと話した時、凄く怖かったんだよ」
アルミン「その...凄く、か...可愛いなって...」
アニ「...バカじゃないの」ドキドキドキドキドキ
アルミン「おっ怒らないって言ったじゃないか!もう忘れてくれ!気分を悪くさせてごめん、謝るよ」
アニ「怒ってないし謝らなくていい...嬉しいよ」
アルミン「えっう、嬉しいって...」
アニ「アルミン顔赤い」
アルミン「アニも、真っ赤だ」
アニ「...ふふ、もしかしてさ、あれ...私を口説いたつもりだったのかい?」
アルミン「えっ...」
>>1がどんな作品を書いていたのか教えてください
アニ「どうなのさ」
アルミン「そっ、それは」
ガチャ
フランツ「ごめん、手当てお願いしても良いかな」
アルミン「あっ...うん」
アニ「...帰る、またね」
アルミン「うん」
フランツ「なんか、邪魔しちゃったかな」
アニ「別にいい...」
危ない、戦士の目的を忘れてしまう危険の塊へ...手をつける所だった!すっかり馴染んで...もっと注意しないと
アルミン「アニ...また今度」
アニ「...」
バタン
アルミン「どうかしたの?アニ」ニコッ
>>24
粗末な作品ですが
アニ「クソミンが好き、どうしよう」です
全力出して書いたんで見てくれると嬉しすぎて死にます
アニ「...別に」(あれがこうなるなんて)
アルミン「昔の僕と言えば、保健室でアニを口説いた事あったよね」
アニ「...口説いてたんだ」
アルミン「下手で気付かなかったんだっけ...アニが好きで必死だったんだよ」
アニ「口説き、随分上達したんじゃないの」
アルミン「まさか...今も昔も、変わらずアニの前だと余裕がないんだよ」
アニ「...それ口説いてるの?」
アルミン「口説いてるよ」
アニ「いけ好かない野郎になったね」
アルミン「...でも」
椅子を引き立ち上がる。これを最後にしよう。駄目だったら...諦めよう。アニへ近付き手を握った。口説きとか、演技なんてものはいらない。そのまま、変わらず余裕がないアルミンアルレルトのままで
アルミン「...まだ僕を好きでいてくれてる?」
少ししつこくなってしまったかな、嫌われたらどうしよう。ダウトをやっているような気分だ...アニは何を思っているのか?アニはなんて答えるのか?悪い方向へ高速で回転する思考回路を止め、アニを見つめた
アニ「そういう所...嫌いだよ」
アルミン「...そっか」
振られちゃったのか。...泣いてしまいそうになる。体の力が抜けて、今にでも消えてしまいたい。帰ろう...もう、終りにしよう。まだ大きな仕事がいくつも残ってるんだ。落ち込んではいられない。
アルミン「長居してごめん。そろそろ帰るね」
アニ「...アルミン」
アルミン「アニ、さよなら」
アニ「 ...さようなら」
なんか嬉しくってたまらないので、余計かもしれませんがもう一つ
少し昔に
エレン「アルミンの好きな奴っ て誰?」アルミン「えっ」
も書いてました。もし良かったらチラ見してくださいミン
アルミンがドアを閉める。しんとした空気の中、静かに座り込んだ。
どうして優しくするんだろう、どうしてもうじき会えなくなるのに、好きだなんて言うんだろう
私はこれからどうなるんだろう、孤島で1人死ぬのだろうか、ライナーとベルトルトはどうなるんだろう
分からない事が膨れあがって、頭が可笑しくなってしまいそういなる。誰かにすがりたいもう...お父さんには会えない
今から逃げる?どこへ?巨人化の能力も無いのに?
立ち上がり手を睨むと親指にいくつも重なった痛々しい傷跡が悲しそうに軋んだ
「せっかく白くて素敵な手だったのに」
悲しい
つらい
苦しい
アニ「...ふ...うあぁ...ああぁっ!!」
アルミンに抱きついて慰めて欲しい。アルミンに頑張ったと言って欲しい。アルミンにもういいよって言って欲しい。
思いつく欲望をぶちまけた時「さよなら」と言ったアルミンを思い出す。もしかしたらもう来てくれないかもしれないという不安が頭に浮上し、いてもたっても居られなくなった。
パーカーのフードを深く被って外へ飛び出す。
アニ「アルミンっ!!」
アルミン「えっ...アニ、どうしたの?僕なんか忘れ物したっけ」
アニ「忘れ物、したよ!...私の、本当の気持ちを忘れ物した!!」
アルミン「...え?」
アニ「あんな事を言っておいて、今更身勝手だとは思うよ、でも...でも!」
アルミンが驚いた顔をして私を見つめる。フードを外し抱きついた。久々の感覚、アルミンの匂い、前より少し大きくなった体。
アニ「あんたが...ずっとずっと、今も...好き」
アルミンの心音が大きくなるのがわかった。顔をあげると昔と変わらない笑顔で、少し涙を浮かべる怯えたような顔も昔と同じだ。
アルミン「アニ...僕は今凄く驚いてる」
アニ「...うん」
アルミン「こっ...こんな時に上手く言えない自分に苛立ちも覚えてる」
アニ「...うん」
アルミン「えと...その、ぼっ僕も...アニが好き」
アニ「...嬉しい」
アルミン「...アニ、どうかしたの?」
アニ「なんで」
アルミン「アニ、もうパンクしちゃってるんじゃないかと思って」
アニ「...」
アルミン「して欲しい事があったらなんでも言っていいよ...アニ、頑張ったね。もう、我慢しなくていいよ」
アニ「...頭...撫でて欲しい」グズッ
アルミン「...うん」
アニ「うっああぁ...うあぁ...ヒック」
アルミン「アニは...どうしたい?」
アニ「...グズッ...ヒック アル..ミっと!アルミンとっ」
アルミン「あっごごめん、落ち着いてからでいいよ。どうどう」
アニ「どうどって...あたっし...ヒック...ジャンじゃないっんだから...馬扱いしないでよ」
アルミン「ごっごめん...」
アニ「...ヒック...私は...アルミンと一緒にしたい...あんたが嫌じゃないなら」
アルミン「嫌じゃないよ。...今ね、いい考えが思いついたんだ」ナデナデ
アニ「...?」
アニ「...二人で死ぬとか言わないでね」
アルミン「最終的には二人で死ぬ事になるけどね」
アニ「...」
アルミン「僕が、一緒に孤島へ行くよ。アニの監視役として...もちろん、こっちでの仕事もするから、毎日という訳にはいかないけど...」
アニ「全然いい...嬉しい」
アルミン「な、なんだかアニが素直だと調子狂うなぁ」
アニ「どういう意味さ」
アルミン「そのままの意味だよ。凄く可愛いな」
アニ「...バカ」
アルミン「...あのさ」
アニ「うん」
アルミン「向こうで暮らすようになったら...覚えてる人みんなの墓を作ろう」
アニ「...うん」
アルミン「...さぁ!僕は上に交渉してくる。アニは家に戻って待ってて」
アニ「...うん」
アルミン「すぐ行くよ」
アニ「わかった...またね」
アルミン「またね!」
3日後
アニ「...アルミン遅いな...もう3日かぁ」
コンコン
アニ「アルミン!!今あけ...」ガチャ
憲兵団「アニレオンハートさんですね」
アニ「あ...はい」
憲兵団「こちらへ来てください。アルレルトさんから話は聞いていると思うので、細かい説明は後にさせていただきます。準備は整っていますか?」
アニ「...はい」
憲兵団「馬車で行きます。持ち物は後で積みますので、お先にどうぞ」
アニ「...はぁ」
馬車内
アニ(アルミンは後で来るのかな...)
憲兵団「すぐ着きます、長いのは船に乗ってからなので」
アニ「はい。...あの、アルミンアルレルトさんはどこに」
憲兵団「ああ、非常に申し上げにくいのですが...アルレルトさんなら、この間お亡くなりになられましたよ」
アニ「え?」
アニ「あの、えっ...どういう、その」
憲兵団「なんでも...あー...言ってもいいんすかね、これ」
アニ「...言ってください」
憲兵団「えーと...特別種の巨人を恨む方に..その...ぐさり、と」
アニ「...なんで、え?」
わからない
頭が考える事を拒絶する。汗がポタポタと流れ落ちアルミンが死んだ。告白したのに、一緒にいるって言ったのに、なぜ
憲兵団「あなたを殺さないように交渉シタノハアルレルトさんですから...それで火がついたんじゃないですかね」
アニ「...」
声が出ない。涙も出ない。どうしてという言葉を反芻し続ける
アルミンが死んだ。私の知らないところで
アルミンが死んだ理由は私、アルミンが死んだのは私のせい。アルミンが...私が喜んでる間に死んだ
体がガクガクと震え出す。激しい嗚咽が喉を襲った。
アルミンを殺した奴を苦しめて殺してやりたい。じわじわと、生まれた事を後悔して苦しめて
...これ、...私じゃないか
エレンにミカサ、アルミンにコニー、ジャン、サシャ、ハンナ...数え切れない瞳が、私をこの気持ちで憎んでいた。きっと...ミーナやマルコやフランツ、トーマスの家族も私を。
アルミンを殺した奴だって、巨人に家族を殺されたのかもしれない。私が...殺したのだ
私は一体、誰にこの憎さをぶつければいいのだろう誰を恨めば...いいのか。
憲兵団「つきましたよ、あの丘の上に家があるので、そこでお過ごしください。荷物は明日の早朝に届くと思います。送りましょうか?」
アニ「いえ...ありがとう、ございました」
憲兵団「さようなら。お気を付けて」
アニ「...さようなら」
ふわりと春疾風が髪に絡みつく。アルミンと暮らすはずだった場所、キレイな景色だ。
私はずっとここで生かされる。
島流しのようなものだ。檻が広くなっただけ...逃げられないし誰もいない。
アニ「寒いよ、アルミン」
置いてあるスコップを手に取り土を掘る。部屋の中にアルミン置いたであろう種を植え続けた。
岩を置いて名前を書いて、岩が無くなれば木を植えて名前を書いて。いつしか周りに名前の書かれていないものはなくなっていた
もう手が動かない。送られる食料も喉に通らない
...死ぬのかな
丘の上、見晴らしのいいところへ腰をかける。
アニ「アルミン...私、罪を償えたかな」
アニ「みんなに...許して貰えるかな」
アニ「ここからね、あんたが見えるんだ。ひまわり色の髪の毛に、海のような瞳。そういえばあんたは前に、僕は海の色で、アニは空の色だと笑ったよね」
アニ「...見えるよ、ここから...空と海が一緒になってる...あんたに教えてもらった、水平線って奴だっけ」
向日葵が風に揺られて囁く。ここも、随分賑やかになった。
アニ「もう喋る気力がないや...アルミン」
またね
二千年後
リヴャイ教頭「お前ら、修学旅行だからって調子こいてはしゃぐなよー」
ベルトルト「...はい」ビクビク
エルヴィン校長「もう説明はしたと思うが、ここは巨人によって――」
エレン「なんか禍々しい所だな、ミカサ」
ミカサ「...そうね」
ライナー「全部墓だろ?よく作ったよなぁ」
ジャン「おっマルコって書いてあるぜ、お前と同じ名前じゃん」
マルコ「うわぁ、本当だ...ミーナの名前もあるよ、ハンナも」
ミーナ「ひゃー、怖いわね」
ハンナ「フランツもあるわよ」
フランツ「え...縁起悪いなぁ」
マルコ「これだけ名前があればどれかは被るだろう」
ミーナ「でも、嫌じゃない?」
ハンナ「フランツ、死んじゃ嫌よ...」
フランツ「ハンナ...君こそ死んだらダメだよ...」
ハンナ「フランツ...」
フランツ「ハンナ...」
トーマス「イチャイチャしちゃってさぁ」
ダズ「簡単に死ぬわけ無いじゃないか、この平和な所で」
マルコ「そうだね...でもいつ死ぬかはわからないよ、いつ車に引かれて右半分消えて3分の2になるかなんて誰もわからない」
ジャン「な、なんでそんな具体的なんだよ...」
コニー「サシャ、ひまわりの種って食えるんだぞ!!」
サシャ「ぐ...し、知ってますよ...耐えてるんです!!でも少しだけなら...」
教官「食べたら部活でどうなるか...わかってるだろうな」
サシャ「はいいぃ!!」
ハンジ先生「うっひょおおおおおこの墓でけええええ!!くっそ滾る!!たまんねぇ!!」
リヴァイ教頭「おいクソメガネ...海に落ちるぞ」
モブリット研修生「ハンジ先生!生き急ぎすぎです!!」
オルオ先生「お?俺の名前があるじゃねぇがっ」ガチッ
ペトラ先生「昔に舌噛み切って死んだんじゃないの?」
オルオ先生「そりゃあねぇぜ...おっ、エルドとグンタの名前もある」
グンタ「やめてくれよ...縁起悪いな」
ミケ「...」スンスン
アルミン「ねぇ、この島に住んでた女型の巨人って、アニレオンハートって名前だったんだって」
アニ「...そう」
アルミン「巨人化能力を失ってここに入れられてから、殺された恋人の墓を真っ先に作ったらしい。それがこの」
アルミン「アルミンアルレルト、同姓同名なんだよ!偶然にも程がある」
アニ「...下にメッセージ書いてあるけど」
アルミン「えっなんて?」
アニ「ほら、「愛するクソミンへ」って」
アルミン「クソミンって、アニがつけた僕のあだ名じゃないか」
アニ「この女型ってやつも、同じ事を考えるんだね...愛着が湧いたよ」
アニ「ふふ」
アルミン「...アニさ、ずっと言いたかった事があるんだ」
アニ「なにさ」
アルミン「その...僕、アニの事が好きなんだ...ずっと」
アニ「...あんた、顔真っ赤だよ」
アルミン「うっ...こ、答えは!」
アニ「...私も好きだよ、クソミン」
おわり!!
アルアニ幸せになれ!!
最後まで読んでくれてありがとうございました。
乙です
>>1の書く作品どれもすごい好きだわ…
乙
これってアルミンがアニに本の内容を話してたやつの続編かなにかですか?
>>26
ss速報で調べてみましたが、2つとも見れませんでした。
>>50
今度はGoogleでタイトル調べて見てくれミン
無かったら本当ごめんなさい...
>>49
読んでくれてありがとう
のssは多分別の人が書いた物だと思うよ
>>51
グーグルで調べたらあったミン
アルがとミン
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