ミカサ「エレン兄さん…」(108)

過去に

ミカサ「エ、エレンお兄ちゃん…///」

というSSを書きましたがこれには関係ありません

ミカサ(私には1つ歳上の血の繋がりのない兄がいる)

ミカサ(昔、兄さんに命を救われて以来ずっと一緒に生きてきた)

ミカサ(私は兄さんが好きだ…大好きだ…)

ミカサ(でも…最近、兄さんは私に冷たい…)

ミカサ(昔は毎日一緒の布団で寝ていたのに今では別々の部屋で別々に寝ている…お風呂だってここ数年一緒に入ってない…)

ミカサ(まぁ…訓練兵に志願して男女別の寮で生活しているのだからある程度は仕方ないかもしれないけど…)

ミカサ(でも、それを差し引いても最近の兄さんは私に冷たい気がする!)

ミカサ(これは由々しき自体)

【食堂(朝)】

ミカサ「兄さん、アルミン、おはよう」

エレン「…おはよう」

アルミン「おはよう、ミカサ」

ミカサ「兄さん、今日は一緒にご飯食べよう」

エレン「ん…別に構わないぞ」

アルミン「ふふっ…兄妹水入らずのところ悪いけど、僕も一緒に食べていいかな?」

エレン「勿論だ、オレ達親友だろ?」

ミカサ「遠慮することない…アルミンは兄さんの数少ない友達なんだから、これからも兄さんをよろしくね」

エレン「チッ…余計なこと言うんじゃねーよ、お前はオレの保護者か」

ミカサ「妹だけど…?」キョトン

エレン「はぁ…だったらもっと兄貴を立たせろ、これじゃあまたジャンの奴にバカにされちまう」

ミカサ「大丈夫、兄さんをバカにする不届者は私が許さない、私が守ってみせる!」

エレン「やめてくれよ本当に…妹に守られる兄貴なんてカッコ悪いだろ…」

ミカサ「兄さんはカッコ良い」

エレン「オレからしたらお前の方がカッコ良いよ、主席様」

ミカサ(えっ…今、兄さんに『かわいい』って言われた…?)

ミカサ「兄さん…嬉しいけど…人前でそういう発言は少し恥ずかしい…」テレテレ

エレン「え?オレ何か言ったか?」

ミカサ「……」

アルミン「ははは!やっぱり兄妹ってイイね、僕一人っ子だから羨ましいよ」

エレン「なんだよアルミン、オレ達昔からずっと一緒の兄弟みたいなもんじゃねーか」

アルミン「あー…言われてみれば確かにそうだね、お兄ちゃん」

エレン「誰がお兄ちゃんだコラ」

ミカサ「例えアルミンでも兄さんは渡さない…絶対に…」

アルミン「はははっ、ジョークだよジョーク」

ミカサ「むぅ…」

エレン「はぁ…今日もパンは硬いな…」モグモグ

【森】

キース「ただいまより立体起動訓練を開始する!」

訓練兵達「「ハッ!」」

ミカサ(よし…今日も兄さんに良いところを見せられるよう頑張ろう)

エレン(今日こそミカサに勝ってやる…そして…)

キース「始めッ!」



………………………………………
……………………………
……………



ミカサ「…ふぅ、また腕をあげられたかな…?」(我ながれとても良く動けたと思う…教官は褒めてくれたけど兄さんは褒めてくれるかな…?)

エレン「はぁ…はぁ…」(畜生…今日もオレの負けか…情けない…自主練のメニューをもっと増やさなきゃダメだな…)

ミカサ「ねぇ兄さん…」

エレン「ん…?なんだミカサ?」

ミカサ「今日の私の動き…どうだった?」

エレン「…相変わらず無駄のない良い動きだったよ」(憎たらしい程な…)

ミカサ(アレ…なんか不機嫌…?)

ミカサ「あ、あのね…兄さん…」

エレン「ん?」

ミカサ「な、なんでもない…」

エレン「なら無意味に話しかけるなよ、ただでさえお前にベタベタくっつかれて何故かオレのあだ名が『シスコン野郎』になってんだからさ…」

エレン「お前も影で『ブラコン女』とか言われてるかもしれないぞ?」

ミカサ「むしろ望むところ」

エレン「は、はぁ…?」

エレン「…次の訓練まで時間が空いてるしオレ自主練してくる、飯は先に食ってろ」ダッ!

ミカサ「あっ…兄さん…」

ダダダダッ!

ミカサ「…行っちゃった」シュン…


【食堂(昼)】


アルミン「やあミカサ、エレンと一緒じゃないのかい?」

ミカサ「…兄さんなら自主練するって…ご飯は先に食べててって言ってた…」

アルミン(また自主練のメニュー増やしたのか…頑張るのは良いことだけど…最近のエレンはちょっと頑張りすぎな気がする…大丈夫かな…?)

ミカサ「アルミン、仕方ないからお昼は2人で食べよう」

アルミン「うん、そうだね」

ジャン「ミ、ミカサ…?」

ミカサ「ん、何かよう?」

ジャン「え、えーと…オレも一緒に食っていいか…?」(あのシスコン野郎がいない今がチャンス!あわよくばミカサの隣の席をゲットだ!)

ミカサ「まぁ…どうしてもというなら…」

ジャン「あ、ありがとな!」(エレンのオマケもいるけど…一緒に食べられるだけマシだ…)

アルミン(なんかバカにされたような気が…)

ジャン「えと…隣座っていいか?」

ミカサ「ダメ、その席は兄さんがいつ帰って来ても良いよに取ってある」

アルミン「僕の隣なら空いてるよ、ジャン?」ニヤニヤ

ジャン「あ、ああ…」(チクショオオオオオオ)


ーーーーーーーーー

ーーーーー


ジャン「ところでシスコ…じゃない、エレンの野郎はどこ言ったんだ?お前らがエレンにくっついてないなんて珍しいな」モグモグ

アルミン(一言多い!)

ミカサ「…兄さんは自主練に行くって言ってた」

ジャン「カーッ!こんなクソ暑い中よくやるねぇ…午後の訓練も控えてるってのに」

ミカサ「………」

ジャン「午前の訓練もいつもと比べて特にハードだったし…もしかして今頃ぶっ倒れてんじゃねーの?」

ミカサ「!!?」

ミカサ「アルミン!私兄さんの様子見てくる!!」ダッ!

アルミン「あっ…ちょっ…!」

ジャン「え…?」

ダダダダッ!

ジャン「せ、せっかくミカサと一緒にご飯食べられらたのに…」

アルミン「…ある意味自業自得だよ、ジャン」


【グラウンド】


エレン(ふぅ…そろそろ食堂に行くか…自主練のしすぎで飯食いっぱぐれちまったなんてマヌケなことはしたくないからな…)

エレン「こんだけ努力してれば、いつかミカサを…」

ミカサ「私がどうかした?」

エレン「うわわ…!なんでお前がここに!飯は先に食ってろって言っただろ!」アタフタ

ミカサ「もう食べた」

エレン「だったら休んでろよ…」

ミカサ「兄さんこそ少し休んだ方がいい」

エレン「休んでなんかいられないさ、時間は待ってくれないんだ」

ミカサ「でも…」

エレン「兄貴の言うことは聞くもんだ、それともお前より成績の悪い兄貴の言うことなんて聞けないか?」

ミカサ「そ、そんなことない!私は兄さんのことが大好きだし尊敬してる…それに…私は兄さんの言うことならなんだって…」

エレン「…だったらオレのことは、
ほっといてくれよ」

ミカサ「で…でも、私は兄さんが大切!とても大切…兄さん練習のしすぎで倒れたりでもしたら…私…」ウルウル

エレン「………」(まったく…お前はオレの保護者かっての…でも…オレのこと心配してくれて…)

エレン「…あー、わかった、自主練は今度から少し控えるから…だから泣くな…」ナデナデ

ミカサ「…んっ…兄さん?」

エレン「せっかく可愛い香りしてんのに…泣いてたら台無しだぞ」

ミカサ「え…可愛い…?聞き間違いじゃなくて…?」

エレン「あっ…ちがっ…!言葉のあやだ言葉のあや!//」

ミカサ(兄さんに可愛いって言われた兄さんに可愛いって言われた兄さんに可愛いって言われた兄さんに可愛いって言われた兄さん可愛いって言われた…)

エレン「さ、さっきのことは忘れろ!わかったか!兄貴命令だ!!」

ミカサ「………//」ポケー

休憩します

訂正

×エレン「せっかく可愛い香りしてんのに…泣いてたら台無しだぞ」

○エレン「せっかく可愛い顔してんのに…泣いてたら台無しだぞ」

エレン「おい、聞いてるのか!!」

ミカサ「……ふふっ」ポケー

エレン「大丈夫かオイ…」

エレン(まったく…主席の癖に手のかかる妹だな…ミカサを守るためにも…もっと強くならくちゃ…)


【食堂(夜)】

アルミン「はぁ…今日も訓練疲れたなぁ…」

エレン「ははは、アルミンは毎日疲れてるな」

アルミン「どうせ僕は劣等生だやい!」

ミカサ「大丈夫、アルミンには座学がある」

エレン「そうだぞアルミン、身体を使う仕事ならオレに任せろ」

エレン「身体を使う仕事はオレ、頭を使う仕事はアルミン、オレ達お互いの弱点を補ってる最高のコンビじゃねーか」

アルミン「うーん…そういう考えもアリかもね」

エレン「流石はオレの相棒!話がわかる!」

アルミン「ふふっ…どういたしまして」

ミカサ「…2人で盛り上がっててズルい!私も仲間に入りたい、兄さんの相棒になりたい!」

エレン「ミカサはダメだ、オレの相棒はアルミンしか考えられねぇ」

アルミン「いくら親友の頼みとはいえ…エレンの相棒ポジションは渡さないよ!」

ミカサ「むぅ…」

ミカサ「じゃあ!私は兄さんを守る役割につく」

エレン「オレを守る…?」

ミカサ「うん、アルミンを兄さんが守って兄さんを私が守る、まさに鉄壁の布陣」

エレン「だぁー!妹に守られる兄貴がいてたまるか!却下だ却下!やっぱりオレとアルミンのゴールデンペアが1番理想的だ!」

アルミン「ふふん!」

ミカサ「わ、私だって兄さんとのコンビネーションには自身がある…!この前の巨人狩りの連携訓練でも私と兄さんのペアが1番点数高かった」

アルミン「そりゃあ主席と次席の104期最強兄妹ペアだもん…ライナーベルトルトペアくらいしかライバルいなかったじゃん…」

エレン「今度やる時はアルミンと組んでみるか」

ミカサ「私は兄さん以外とは組みたくない」

アルミン「僕だってエレンと組みたいよ!あの時僕は余り物同士ってことで普段あまり喋らないアニと組んだんだぞ!?僕にとっては友達の友達だよ!もう本当気まずかったんだからね!?」

エレン「アニは協調性の欠片も無いからな…」

ミカサ「私あの女キライ…兄さんをいつもいじめてる…」

エレン「だからアレはいじめじゃなくて技を教えてもらってたんだって!誤解を招くような発言はやめろ!」

ミカサ「…兄さんはやっぱりあの女の肩をもつ…いじめじゃないならきっとアレは一種の愛情表現」

ミカサ「身体を密着させすぎ、あの女の目はもう完全に獲物を…」

エレン「お前の脳内はお花畑か!?なんでアニと寝技の訓練してるだけでそうなるんだよ!?」

アルミン(ミカサは深読みし過ぎだけどエレンの鈍さも天下一品だよね…世の中にはちょっと優しくされただけで結婚したくなっちゃう人もいるみたいだし…)



ライナー「へっぷちぃ!」

ベルトルト「風邪かい、ライナー?」

ライナー「あー、多分大丈夫だ…誰かがオレの噂でもしてたんだろうな」

アルミン「でもさ、アニもエレンのことはなんとも思ってないと思うよ?」

ミカサ「座学1位のアルミンが言うのなら信用する…でも近い未来…あの女は私から兄さんを奪う予感がする…気をつけてね…」

エレン「わかったよ、気をつける気をつける」モグモグ

ミカサ「兄さん…本当にわかってるの…?」

エレン「ああ、問題ない問題ない」ズズゥー

アルミン(絶対聞き流してる…)

短いですが休憩します

ミカサ「………」シュン…

エレン「そんな顔すんなよ…」

ミカサ「だって兄さんは私の話をちゃんと聞いてくれないんだもん…」

エレン「お前なぁ…こんな根拠もない話をマトモに聞くやつはいると思うか?」

エレン「こんな話をされてもオレわかんねーよ、お前はオレにどうして欲しいんだ?」

ミカサ「私は…私は兄さんにずっと一緒にいて欲しい」

エレン「ずっと一緒か…」

ミカサ「…ダメ?」

エレン「とりあえずお前が独り立ちできるくらいまでは一緒にいてやるよ…今のお前を1人にするのは危なっかしいからな」

アルミン(危なっかしさならエレンだって負けないと思うけど…)

ミカサ「…ずっと一緒はダメなの?」

エレン「…さあな」

ミカサ「私は…兄さんと離れたくない…」

エレン「お前なぁ…」

ミカサ「兄さんは…私のことどう思ってる…?」

エレン「………」

ミカサ「兄さんが迷惑なら…私は…」

エレン「だぁーもう!わかったよ!お前の好きにしろ!!」

ミカサ「え…いいの?」

エレン「家族なんだから、当たり前だろ?」

ミカサ「…約束してくれる?」

エレン「ああ、約束だ」

アルミン「エレンは本当にミカサのことが大切なんだね」ニヤニヤ

エレン「は、はぁ…!?」

エレン「か、勘違いするなよアルミン!別にオレは1人でもいいんだぜ!?でもミカサがどうしてもって言うもんだから…」

アルミン「ハイハイわかったわかった」

エレン「うー…本当にわかってんのかよ…」

ミカサ「兄さん…約束、忘れないでね…?」

エレン「…忘れねぇよ」

ミカサ「もし兄さんが忘れても、私が思い出させてあげるから…」

アルミン「いやー、相変わらずのラブラブ兄妹っぷりだねぇ!」

エレン「………」ゴゴゴゴ

アルミン「…ウソウソ冗談だよエレン」

ミカサ(…)

………………………………………
……………………………
……………


【女子寮(夜)】

ミカサ(…消灯の時間か…もう寝よう…)

ミカサ(…今日は本当に良い日だった…兄さんに可愛いって褒められたり…兄さんが私と約束してくれたり…)

ミカサ(兄さんはたまに冷たくなる時もあるけど、やっぱり優しい…明日も訓練頑張ろう…)

ミカサ(兄さんのマフラー…暖かい…)モフモフ

ミカサ(お休み…兄さん…)

今日はここまでにします

その頃…

【男子寮】

エレン(…みんな寝たか?)

ベルトルト「…Zzz」

ライナー「ぐがー…ぐがー…」

アルミン「……」

エレン(よし…今なら抜け出せる…!)

エレン「………」ソロ~

アルミン「…今日も真夜中のトレーニングかい?」

エレン「…!?…起きてたのか…アルミン…」

アルミン「まぁね…それより、トレーニングは自重するんじゃなかったっけ?毎日無茶なトレーニングを続けてたら身体が持たないよ?」

エレン(毎日夜中に抜け出して訓練してたとこはバレてたのか…流石はアルミンだな…)

エレン「………」

アルミン「…最近エレンは頑張り過ぎだよ…毎日の訓練だけでも大変なのにこんな時間までトレーニングに費やすなんて…このまま行けば遅かれ早かれ倒れちゃう…」

エレン「心配してくるのは嬉しいが…悪いな、オレは凡人だからこうでもしねぇと強くなれねぇ」

アルミン「でも…それで身体を壊してしまったら元も子もないじゃないか!」

エレン「…わかってる」

アルミン「だったらなんで!?」

エレン「…ミカサを守るためだ」

アルミン「…ミカサを?」

エレン「あいつの希望兵科…知ってっか?」

アルミン「………」

エレン「…調査兵団に入りたいんだとよ、しかもオレが居るからってのが理由らしい、ふざけんなっての」

エレン「オレはあいつを死なせたくない…あいつはこんな短い人生の中、家族を2回も失ってるんだ…どうにか幸せになって欲しい…」

エレン「あいつが調査兵団に入るってなら…兄貴のオレが守ってやらないとダメだろ…!」

アルミン「エレン…」

エレン「そのためにも…オレには力が必要なんだ、そもそも守るべき妹に負けてる現場からしてオレは力不足なんだよ…わかってくれ…アルミン…」

アルミン「でも…!」

エレン「…自分の身体のことくらい自分で把握してるつもりだ、トレーニングのし過ぎでぶっ倒れるなんてダセェマネはしねーよ」

アルミン「………」

アルミン「…信じて…良いんだね?」

エレン「もちろんだ…」

アルミン「…週3回」

エレン「え…?」

アルミン「週3回だけなら目をつぶってあげる…」

エレン「…ああ! ありがとう、アルミン!」

アルミン「それと…もう少しミカサに素直になってあげなよ、大好きな妹なんだろ?」

エレン「は、はぁ…?なんのことやら…」

アルミン「エレン!」

エレン「…善処するよ」



翌日

【女子寮(朝)】

サシャ「ミカサー、起きてくださーい!朝ですよー!」

ミカサ「…んん…まだ眠い…」

サシャ「もうすぐご飯の時間ですよー!早く早く!!」ユサユサ

ミカサ「…まだ朝の6時…朝食まであと30分もある…あと10分寝かせて…」

サシャ「ンモー!相変わらずお寝坊さんですね、ミカサは!開拓地に住んでたのならもっと早起きしてくださいよ!髪だってボサボサじゃないですか!?」

ミカサ「…開拓地では兄さんが毎朝起こしてくれたから…あと髪も兄さんが解かしてくれた…」

サシャ「あのエレンが…少し意外ですね」

ミカサ「うん、兄さんはああ見えて結構優しい…」

ミカサ「昔は夜も私のために頭撫でながら子守歌を歌ってくれた…お陰で開拓地の劣悪な環境でも安眠だった」

サシャ「へぇ~、イイですね~兄妹って、私は一人っ子なんで前から憧れてたんですよ!私もエレンの妹になろっかなー」

ミカサ「…は?」ギロッ

サシャ「……ッ!」ビクッ

サシャ「じょ、冗談ですよミカサ…」

ミカサ「あんまり滅多なことは言わないでね…」

休憩します

【食堂(朝)】

アルミン「エレン、ミカサが話しかけてきたら、ちょっとは素直になるんだよ?…さもないと昨日のことをミカサに…」

エレン「わ、わかったよ…」

アルミン「本当にわかってる?」

エレン「わかってるって」

ミカサ「兄さん!」

エレン「っ!…ミカサ…」

アルミン「おはよう、ミカサ」

ミカサ「うん、おはよう」

エレン(え、えっと…『素直になる。』か…恥ずかしがらないでオレの思ったことをミカサに話せばいいんだな…あー、やっぱり恥ずかしいけど…やってやるさ…)

エレン「あのよ…ミカサ…」

ミカサ「ん?」

アルミン(おっ…エレンから話しかけたか…!積極的だ…これは期待できるぞ…!)

エレン「…え、えーと…今日も黒髪が綺麗だな…撫でていいか?」

アルミン(変態かよッ!てか毎朝そんなこと考えてミカサと会ってたの!?)

ミカサ「えっ…!」

エレン「あっ…別に嫌ならいいぞ!強制するわけでは…」

ミカサ「…嫌じゃない」

エレン「そ、そっか…」

ミカサ「早く撫でて…」スリ…

エレン(すり寄ってきた…犬みたいだ…)

エレン「…じゃあ撫でるぞ?」

ミカサ「…ん」

…ナデ…ナデ…

エレン「…あの頃と変わらないな…サラサラだ…」

ミカサ「兄さんも…相変わらず上手…」

エレン「気持ち良いか?」

ミカサ「…うん」

ミカサ「ねぇ…兄さんの胸に顔を埋めていい?」

エレン(…昔はよくミカサを抱いて撫でてやったっけな)

エレン「…ああ、いいぞ」

ミカサ「…ありがとう」ギュッ

エレン「…大きくなったな…ミカサ」

ミカサ「兄さん…」スリスリ

「またやってるよあの兄妹…」ボソボソ

「付き合ってないってやっぱり嘘だろ…」ボソボソ

「バカ夫婦二号だな…」ボソボソ

エレン(なんか不名誉な陰口を叩かれてるような…)

ミカサ「…今日の兄さんは優しい…」

エレン「そ、そうか?」

ミカサ「うん…昔の兄さんに戻ったみたい…」

エレン「…最近のオレってそんなに冷たかったのか?」

ミカサ「そんなことない、兄さんはいつも優しい!」

エレン「おまえ…言ってることが少し矛盾してるぞ…」

ミカサ「最近の兄さんはちょっと冷たいけど…私のことを大切にしてくれてるのことはわかる…」

ミカサ「昨日だって…私を慰めてくれた…」

ミカサ「だから…兄さんは今も昔も変わらず優しい」

エレン「…ミカサ」

アルミン(なんか良い感じだね…)

ミカサ「でも…最近の兄さんは私のことをかまってくれない…それはとても寂しい…」

エレン「そ、そうか?」

ミカサ「うん、昔はよく2人で街に出かけたり森を探索したり一緒に遊んでた、夜は子守歌を歌ってくれたり、朝は私が寝坊しないよう優しく起こしてくれた…髪がボサボサだったら解かしてくれたし、風邪を引いた時は寝ずに看病してくれた…それに…」

エレン「わかったわかった!もういいよ!」

ミカサ「……訓練で忙しいのはわかるけど…やっぱり寂しい…」

エレン(寂しい…か)

エレン「…よし!明日は2人で街に出かけるぞ、ちょうど訓練も休みだし」

ミカサ「えっ…」(もしかしてこれって…デートのお誘い…!)

ミカサ「………///」テレテレ

エレン「どうした?行かないのか?」

ミカサ「い、いくっ!絶対いくっ!」

エレン「お、おう」(えらく張り切ってるな…)

アルミン(エレン…僕は信じてたよ…君のことを…)

ミカサ(兄さんとデート…ふふっ…恋人さん同士みたい…)


【女子寮(夜)】


ミカサ「………」ソワソワ…

ミカサ「………」ワクワク

ミカサ「………///」バタバタ

ミカサ「~~~//」キュー

クリスタ「ミ、ミカサ?一体どうしたの?なんか落ち着きがないんじゃない?」

ミカサ「…ッ!…クリスタ…いつからそこに…」

クリスタ「ずっと居たよ…」

クリスタ「それより…どうしてさっきは異様にソワソワしたりバタバタしたりしてたの?」

ミカサ「そ、それは…えーと…あの…兄さんに…//」

クリスタ「兄さん…エレンがどうかしたの?」

ミカサ「兄さんに…デートしようって誘われた…そのことを考えてたら…嬉しくなっちゃって…」

クリスタ「えっ…!やっぱりミカサとエレンは付き合ってたの!?」

ミカサ「…そ、そうなるのかな?」

クリスタ「そうだよ!エレンからデートに誘われたんでしょ!?」

ミカサ「う、うん…」(なんか珍しくクリスタが強引…こういう話好きなのかな?)

クリスタ「なら確定だね!エレンはミカサと2人きりでラブラブしたいからミカサをデートに誘ったんだよ!」

ミカサ「ら、らぶらぶ?兄さんが私と?」

ミカサ(わわっ、私たち両思いだったんだ…嬉しい…)

クリスタ「ねぇねぇミカサ、どんな格好でデートに行く予定なの!?」

ミカサ「え…訓練生の制服で行こうと…」

クリスタ「ダメだよ!エレンに普段とは違うミカサをアピールしなくちゃ!私の服貸してあげるからオシャレしてエレンを驚かしちゃおうよ!!」

ミカサ「驚かすのはイヤ…兄さんの寿命が縮まったら大変」

クリスタ「んー!だったら驚かすんじゃなくてエレンをメロメロにしちゃおうよ!」

ミカサ「…めろめろに?」

クリスタ「そう、今回のデート次第ではエレンを独占できるよ!頑張って!」

ミカサ(兄さんを独占…)

ミカサ「…わかった、私頑張る!」

クリスタ「よし、その調子だよ!ミカサ!」

ミカサ「うん!…待っててね兄さん…」


ー翌日ー

【街】

エレン(ミカサ遅いな…待ち合わせなんて面倒なことせずオレと一緒に出れば良かったのに…)

ダダダダッ!

エレン「おっ、噂をすればだな」

ミカサ「ぜぇぜぇ…に、兄さん!ごめんなさい…遅れた…!」

エレン「…まったく、おせーぞミカサ」

ミカサ「…ごめんなさい」

エレン「まあいいけど…んっ!?…お前服なんて持ってたのか…」

ミカサ「う、うん…どうかな?似合う?」

エレン「…ああ、似合ってるぞ…」

ミカサ「可愛い?」

エレン「ああ、可愛いぞ…」(くっそー…素直になるって大変だな…こんなセリフ…顔から火が出てきそうだぜ…)

ミカサ「じゃあ…めろめろになってくれた?」

エレン「なんだそりゃ?」

ミカサ「……」シュン

エレン「それより、お前どっか行きたい所はあるか?」

ミカサ「え、えっと…兄さんの行きたい所に行きたい…」

エレン「うーん…なら、そろそろ昼だし飯食いに行かないか?」

ミカサ「!! ご飯屋さんなら任せて!サシャにオススメの場所を教えて貰った!!」

エレン「オレのために調べてくれたのか…ありがとな、ミカサ」ナデナデ

ミカサ「…んんっ!」

【飯屋】

「いらっしゃい!」

エレン「よし…あそこの空いている席に座ろう」

ミカサ「うん」

…スタスタ

エレン「えっと…メニューメニュー…あった!」

エレン「さーてと、何を食おうかなー」パラパラ

エレン(特盛り料理が多いな…ここ数年食糧難なのに凄い…)

エレン「さすがサシャのオススメってとこだな」ボソッ

エレン「ミカサ、お前何食うか決まったか?」

ミカサ「うん…コレ食べる…おいしそう…」

エレン「ふーん、ならオレは…」

………………………………………
………………………………
…………………

エレン「ふぅ…なかなかうまかった…こんな濃い飯を食えたのは久しぶりだ」

ミカサ「…おいしかった」

エレン「よかったな、ミカサ」

ミカサ「…うん」

今日はここまでにします

エレン「にしても…カップル限定のデザートがサービスで出るとはな…まったく、兄妹だっつーの」

エレン「オレたちって…そんなに付き合ってるように見えるのか?」

ミカサ「兄さんは…私とじゃ嫌?」

エレン「ははは、嫌なら貴重な休日を使ってお前と街なんか行かねーよ」

ミカサ「えっ…そっ、それじゃあ…」(やっぱり兄さんは私のことが…)

エレン「大切な家族だからな!」

ミカサ「…家族?」

エレン「そう、家族」

ミカサ「恋人さんじゃなくて?」

エレン「…?お前はオレの妹だろ?」

ミカサ「そっか…」

ミカサ(私はこんなに愛してるのに…でも…大切な家族か…嬉しい…)

ミカサ「ねぇ兄さん、次はどこに行く?」

エレン「うーん…腹も膨れたし、公園かどこかでノンビリしたいな」

ミカサ「わかった、任せて!クリスタが教えてくれたオススメの公園に行こう、ちょうどココから近い」

エレン(…妹をリードするのは兄貴の役目な気がするが…ミカサも張り切ってるし、任せてみるか)

エレン「よし、じゃあその公園に行ってみるか!」

ミカサ「うん!」

【公園】

イチャイチャ…イチャイチャ…

エレン「………」(なんだこれ…)

ミカサ(うわぁ…カップルさん達がいっぱい…)

エレン「ミ、ミカサ?なんかオレたち場違いなんじゃないか?ここは素直に撤退しよう…なっ?」

ミカサ(こっ…ここで兄さんと一緒にいれば…私たちもカップルさんになれるかな…?)

エレン「おい、ミカサ!聞いてんのか!」

ミカサ「ひゃっ!」


エレン「なんだよ…変な声だして…」

ミカサ「…なんでもない」スリ…

エレン「ならいいけど…ってお前、いきなりすり寄ってくるなよ!」

注・エレン達はベンチに座っています。

ミカサ「……」スリスリ

エレン「おまえなぁ…周りの目とか考えろよ…」

ミカサ「周りも皆やってる…」スリスリ

イチャイチャ…イチャイチャ…

エレン「………」

エレン「だ、だからって…」

ミカサ「嫌なの?」

エレン「嫌なわけではないけど…」

ミカサ「なら別に問題ない」ギュー

エレン「うおっ…!いきなり抱きつくなよ!」

ミカサ「あったかい…」

ミカサ「ねぇ兄さん…膝枕していい?」

エレン「もう好きにしろ…」

ミカサ「…ありがとう」

パフッ

ミカサ(柔らかい…)

ミカサ「こうやって兄さんに膝枕してもらうのは久しぶり…」

エレン「…そうだな」

ミカサ「ねぇ兄さん…頭撫でて」

エレン「お前本当、撫でられるのが好きだよな」

ミカサ「兄さんが撫でてくれるから…」

エレン「オレってそんなに撫でるの上手いか?」

ミカサ「上手い下手の問題じゃない、兄さんがやるから価値がある」

エレン「ふーん…そんなもんか…」ナデナデ

ミカサ「…んっ♪…きもちいい…」

エレン「撫でて喜ぶって…犬か」

ミカサ「……」スリスリ

エレン「ふぅ…いつにも増して甘えん坊だな」

ミカサ「とてもきもちいい…」

ミカサ「ねぇ兄さん…このまま…お昼寝してていい?」

エレン「…仕方ねーな」

ミカサ「…ありがと」

~数分後

ミカサ「すぅ…すぅ…」

エレン「やれやれ、こんなのがオレより強くて104期最強で歴代稀に見る逸材だとはな…」

エレン「………」ナデナデ

ミカサ「んん…兄さん…好き…」

エレン「…オレも好きだぞ、ミカサ」ボソッ

エレン「……ってオレは何を言っているんだ…」


………………………………………

……………………………

……………


エレン「おいミカサ!起きろ!」

ミカサ「…ふぁっ!」

エレン「なんだよ、情けない声出して」

ミカサ「兄さんが驚かすから…」

エレン「…そんなにビックリしたのか?」

ミカサ「………」コクッ

エレン「無防備な状態で人の膝の上に寝るお前が悪い!」

ミカサ「兄さんの膝枕は寮のベットより安心して眠れる」

エレン「まったく…人の気もしれないで…お前が寝てる間オレはドキドキしっぱなしだったつーの…」

ミカサ「……どういうこと?」

エレン「…鈍いやつだな、お前のことが好きだって言ってんだよ!」

ミカサ「えっ…えっ…?」

エレン「ミカサ…オレと結婚してくれ…!」

ミカサ「えっ…えっと…えっと…//」(けけけっ結婚!?あわわわ!ど、どうしよう!どうしよう!何か喋らないと!)

ミカサ「わっ、わたしも兄さんのことが大好きで、離れたくなくて、離したくなくて、けっ、けっこんしたいと前から思ってけど…いきなり過ぎて…わたしっ…わたしっ…//」アタフタ

ミカサ「うわぁぁぁん、兄さぁぁん」ダキッ

エレン「!? ど、どうした?どこか痛いのか?」

ミカサ「わたしっ…うれしい…うれしいよぉ…」

エレン「お前は相変わらず甘えん坊だな…」ナデナデ

ミカサ「兄さんに…甘えられるなら…わたしは一生甘えん坊でいい…」

エレン「ミカサ…愛してるぞ…」ナデナデ

ミカサ「わたしも…兄さんのことが…」


ーーーーーーーー


ーーーー


ミカサ「…はっ!」パチッ!

エレン「ぐぅ…ぐぅ…」

ミカサ「……」キョロキョロ

ミカサ(夢…?)

ミカサ「…兄さん、起きて起きて」

エレン「…ん?やっと起きたか…ミカサ」

ミカサ「えっと…今まで私たち何をしてたんだっけ?」

エレン「お前がオレの膝で寝たいっていうから、お前が起きるまでずっと待ってたらオレまで寝ちまったって訳だ」

ミカサ「つまり…私たちはずっとお昼寝してたの?」

エレン「まぁ…そうなるな…」

ミカサ「………」シュン

エレン「どうした?悪い夢でも見たか?」

ミカサ「なんでもない…」

今日はここまでにします

エレン「ならいいけど」

【街】

ミカサ「お昼寝してたらもう夕方になっちゃったね」

エレン「まあいいじゃないか、オレはリラックスできたぜ?」

ミカサ「兄さん…今日は楽しかった?」

エレン「まあ、1人でいるよりかは楽しかったぞ」

ミカサ「そっか」(クリスタに紹介されたデートコース…半分も回れなかったけど兄さんが満足したなら別にいいか…)

エレン「なぁ…ミカサ」

ミカサ「なに?」

エレン「お前、夜空いてるか?」

ミカサ「…うん、特に用事はない…」

エレン「帰ったらの話なんだが、夜に格闘訓練の練習場にきてくれ」

ミカサ「…? なんで?」

エレン「秘密だ、別に嫌なら来なければいい」

ミカサ「何をするか知らないけど…兄さんの頼みなら何だってする」

エレン「じゃあ頼むぜ?」

ミカサ「わかった」

エレン「それじゃあ、帰るか」

ミカサ「…」

エレン「どうした?」

ミカサ「…また、今日みたいに2人でデートしたいね…」

エレン「…そうだな」(デート?)

ミカサ「えっ…いいの?」

エレン「当たり前だろ?オレたち家族なんだから」

エレン「今度はアルミンも連れてきて3人で…」

ミカサ「…私は兄さんと2人きりがいい」

エレン「んなっ!アルミンは繊細なんだぞ!?1人だけ仲間外れにしたら絶対拗ねるに決まってる!」


その頃…

【男子寮】

アルミン「ぶあっくしょん!」

アルミン「ふぅ…誰か僕の噂でもしてるのかな…」

アルミン「ちなみに僕はミカサとエレンが良い感じの仲になってくれればそれで満足だよ、ハブられても気にしないさ、僕とエレンは心で繋がってる親友だからね!」

【街】

エレン「3人の方が絶対楽しいって」

ミカサ「ダメ!デートは男女のペアでするもの、アルミンがいたらデートじゃなくなる!」

エレン「お、おう…」

ミカサ「だから…絶対また2人で来ようね?」

エレン「お、おう…約束だ」

ミカサ「うん…約束…」

エレン「………」テクテク

ミカサ「………」テクテク

ミカサ「ねぇ…兄さん…」

エレン「ん、なんだ?」

ミカサ「手…繋ご?」

エレン(まったく…ガキかよ…)クスッ

エレン「わかったよ…ほら、行くぞ?」スッ

ミカサ「…うん」

…ぎゅう



【女子寮(夜)】

ミカサ「ただいま」

クリスタ「…!ミカサ!」

クリスタ「エレンとのデート…どうだった!?」

ミカサ「兄さんも喜んでたし…良くやれたと思う」

クリスタ「ほっ、本当!?チューとかはした!?」

ミカサ「チ、チューはしてないけど…膝枕ならしてもらった…//」テレテレ

クリスタ「他には!他には!」

ミカサ「えっとね…」

…カクカクシカジカ

クリスタ「なるほどなるほど…初デートにしては及第点だね」

ミカサ「そ、そう?」

クリスタ「うん、ミカサは良く頑張ったよ、エレンもきっとミカサのことをもっと好きになったはずだよ!」

ミカサ「……そ、そうかな…//」テレテレ

ミカサ「あっ…そういえばねクリスタ、デートの終わりに夜中会う約束をしたんだけど…なんだと思う?」

クリスタ「えっ!?夜中に2人で!?」

ミカサ「…?どうしたの?」

クリスタ「きっとこれは愛の告白だよ!ミカサ!」

ミカサ「こっ、ここここ告白!?//」

クリスタ「早く行かなきゃ…急いでミカサ!」

ミカサ「は、早すぎない?兄さんもきっとまだ来ないと思うし…」

クリスタ「甘い!むしろエレンより先に来て待ってるくらいの勢いがなくちゃ!」

ミカサ「そ、そうだね…兄さんを待たせるのは嫌だ…」

クリスタ「うんうん!」

ミカサ「ふ、服とかはこれで良いかな?」

クリスタ「んー!本当はもっとオシャレさせたいけど…訓練所内では基本的支給された制服しか着ちゃいけないし…仕方ない!」

ミカサ「そ、そっか…じゃあ行ってくる…」

クリスタ「がんばってねー!」

ダダダッ!


【格闘訓練場】

ミカサ「…ここで良いんだよね」テクテク

エレン「ん?ようミカサ、お前にしては早いな」

ミカサ「に、兄さん…!もう来てたの!?」

エレン「ここは良い風が吹くし、星空が綺麗だからな…暇つぶしも兼ねてだ」

ミカサ「それで…えっと…なんの用?」(ほ、本当に告白かな…?)ドキドキ

エレン「…オレは昔にと比べて随分強くなったと思う…対人格闘ではお前にも劣らないとつもりだ…」

ミカサ「…?なんの話?」

エレン「まぁ聞け」

エレン「オレの目的はお前を守れる立派な兄貴になることだ、その為にもオレはお前を越えなくてはならない」

ミカサ「………つまり?」

エレン「オレと勝負しろ、ミカサ!」

ミカサ「…え?」(しょ、勝負?愛の告白じゃなくて?)

エレン「…もちろんタダとは言わない、もしお前が勝ったらオレにできることならなんでもお願いを聞いてやる」

ミカサ(なんでもお願いを!?)

ミカサ「兄さんが勝ったら…?」

エレン「オレが勝ったらか…そうだな、明日の朝食のパンを半分貰う」

ミカサ「それだけ?」

エレン「オレはお前と戦いたいだけだからな」

ミカサ「……なんでもお願いを聞いてくれるって…本当?」

エレン「…ああ」

ミカサ「…わかった、その勝負受ける!」


エレン「ありがとな、ミカサ…」

エレン「それじゃあ…いざ尋常に…」

ミカサ「勝負!」


………………………………………

………………………

…………


エレン「ぜぇ…ぜぇ…」

ミカサ「はぁ…はぁ…」

エレン「相変わらず…強いな…ミカサ…」

ミカサ「兄さんこそ…とても強くなった…」

エレン「…この勝負…引き分けって所か?」

ミカサ「う、うん…私はもう動けそうにない…兄さんも限界なら…この勝負は引き分け…」

エレン「そっか…引き分けか…」

エレン「…ところで、もしお前が勝ったらオレに何させる気だったんだ?」

ミカサ「…お願いを100コ聞いてくれるようにして欲しかった」

エレン「…はぁ?それなんかズルくねーか?」

ミカサ「ズルくない、なんでも聞いてくれるって言うならアリのはず」

エレン「ま、まぁそうだけどよ…」

エレン「てかお前、100コもオレに何をさせるつもりだったんだよ」

ミカサ「…聞きたい?」

エレン「いや、遠慮しとく…」

ミカサ「………」

エレン「………」

ミカサ「…星が綺麗」

エレン「最初に言ったろ」

ミカサ「うん…」

エレン「壁の外も…この星空は続いてるのかな?」

ミカサ「…わからない…アルミンなら知ってるかもしれないけど…」

エレン「…お前、将来のことは考えてるか?」

ミカサ「将来のこと?私は兄さんと一緒に調査兵団に入って…」

エレン「あー、違う!巨人を駆逐して壁の外に自由に出られるようになってからのことだよ」

ミカサ「…兄さんは?」

エレン「なぁミカサ…もしお前が良いなら…オレと一緒に暮らさないか?」

ミカサ「兄さんと…一緒に…?」

エレン「ああ、シガンシナを奪還したら…またオレたちの家に帰って、一緒に暮らそう…2人だけになっちまったけど…もしかしたら父さんだって戻ってくるかもしれないし…」

エレン「別に嫌ならいいんだけど…」

ミカサ「嫌じゃない!」

エレン「…自分で誘っておいてなんだけど…本当に良いのか?」

ミカサ「うん…私も帰りたい…カルラおばさんと、グリシャおじさんと、エレン兄さんの居たあの家に…」

エレン「はははっ、母さんはもういないけどな」

ミカサ「…兄さんは…ずっと一緒にいてくれる?」

エレン「…当然だ」

ミカサ「うん…」

エレン「…さてと、そろそろ戻りますか」

エレン「ミカサ、行くぞ」

ミカサ「…立てない」

エレン「えっ…?」

ミカサ「さっきの勝負で全力を出し過ぎてしまった、もう足がフラフラ」

ミカサ「あと少し休めば回復すると思う、勝手に帰るから先に帰って」

エレン「妹を1人置いて兄貴だけ帰れるかよ」

エレン「おぶってやるよ、掴まれ」

ミカサ「えっ…いいの?」

エレン「妹なんだから、遠慮すんな」

ミカサ「うん…わかった…」

エレン「…よいしょっと」

エレン「っ…! お前結構重いな…」

ミカサ「…女の子に向かってそれは失礼だと思う」

エレン「ははは、悪かった悪かった」

ミカサ(兄さんの背中…おっきい…なんだか安心して…眠く…)

エレン「お前をこうやっておんぶしてると、昔を思い出すな…」

エレン「お前が山で足を滑らせて怪我をした時、家までオレがおんぶで運んだこと覚えてるか?」

エレン「あの時は本当に極限だったよな…」

ミカサ「………」

エレン「おい、聞いてるか?ミカサ?」

ミカサ「…すぅ…すぅ…」

エレン(…寝てやがる)

エレン「ふっ…大きくなってもガキの頃と何も変わらねーな」

エレン(オレが死んでも守ってみせるからな…オレの最愛の妹…)

ミカサ「むにゃむにゃ…兄さん…大好き…」


おわり

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