【まほあこ二次創作】柊うてな「ネロアリスちゃんの肩慣らしです」 (167)

【魔法少女にあこがれて】アニメ第5話を見て「これってスタンドバトルに似てるなあ」と思ったのが事の始まり。
そんじゃあスタンド使いを巻き込んだらどうなるのかなあ、スタンド使いじゃなくてもどうなるかなあと妄想してたらこの有り様。
矛盾点、不自然な部分、おかしな口調、キャラ崩壊には目をつぶってね。



ヴェナ「早速だけど今日は今からこりすの力をお披露目しようと思うんだ」
うてな「えっ!? それってトレスマジアと戦うってことですか?」
 
ヴェナ「いや、ぶっつけ本番で戦わせることはしないさ。手ごろな練習台を誘い込もうってわけだよ」
   「まずは自分の能力をきちんと理解してもらう必要があるからね」

うてな「ああ… 一般市民を相手に能力のお披露目…」
   (… そういう悪の組織っぽいこともきちんとするんだなあ)

   「あ、でもダメだよこりすちゃん! すっごく危ないかもよ?」
   (とはいえ… 自分で痛めつけるのは別に面白くないけどこりすちゃんがやってるのは見てみたいような… でも子供だしな…)

   (こどもを嗾けて命がけの戦いに巻き込むとかやっていいことと悪いこととあるような、ないような…)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1719847087


キウィ「面白そうじゃん やろうやろう、やっちまおう! キウィパイセンがついてるから思う存分やってやれ」

ヴェナ「多数決の結果3対1だね。はいトランスマジア」

うてな「あっ! そんなあ… ああ……」

こりす「ん」

変身 杜乃こりす → ネロアリス


うてな(は!? かわいいかよ)

   「良し! 大丈夫、私たちがついてるから思う存分一般市民をいたぶってやりなさい!」

ヴェナ「僕たちはナハトベースから見物していよう。不味い事態になったら助けに行けばいい」

① 第一回戦:高校生3人組


キウィ「ん・・・ なんかオラついてそうな高校生が来たぜ。あいつらなんか丁度いいんじゃねえの」

うてな「ええ、不良っぽくない? 大丈夫かな怖くないかな」

キウィ「へーきへーき やっちまえ、それ~!」

アリス「んっ」

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仗助「おい見ろ… なんだァ、ありゃあよ~? ボロッちぃぬいぐるみが歩いてるぜェ~?」

康一「由花子さんが髪の毛でも入れたのかな… いやそんなわけないな。ミキタカ君?」

億泰 「それとも新手の敵かァ~!? 親父の次は叔父貴ってこたよォー ねぇよな~」

康一「あっ 逃げていくよ。見失わないよう追いかけよう! あの洋館だ」

仗助「誘い込もうって腹かも知れねぇ、乗ってやるぜ! 2人とも注意しろよッ!」

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ヴェナ「まんまと罠にかかってくれたね。いけるかい、ネロアリス?」

   「洋館の中は君の思い通りだ。力は僕が制御しているから遠慮なしにやると良いよ。まずは慣れることから始めよう」

アリス「ん!」(気合い十分)

キウィ「よっしゃ いけいけ~ まずはおもちゃ軍団で叩きのめせ~」

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康一「うわっ さっきのぬいぐるみだ! 巨大化してる? それにどでかい玩具の兵隊にピエロ? 襲ってくるよッ!」

仗助「・・・やっぱし罠か。だがよォ~ 俺たち3人を甘く見すぎたようだな?」

億泰「見くびるなよッ!  この億泰&仗助・康一トリオをッ!」

康一「あいつらの足止めは任せて! わけのわかんない空間だけど、どうやら重力の制御は効くようだ」

億泰「サンキューな、あんな玩具どもが何だっつーんだよ。削るまでもねぇな、ブッ壊すぞ仗助!」

  「この億泰チームを甘く見た代償を払わせてやるぜッ!」

仗助「おうよ。ブッ壊してやりゃあ問題ねぇな!」


ドラララララララララ

      ラララララララララララ

           ラララララララララァ~~~ッ!!!


康一「やった! あらかた片付いたよ。あんまり強くなかったね」

億泰「へっ ざまぁ見やがれってんだ」

仗助「・・・ ・・・・あ、ああ。片付いちまったな。こんなにもあっさりと、な・・・」

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アリス「ん…」(ぽか~ん)

うてな「な、何なんですかあの人たち!? なんだか妙ちくりんなロボットかアンドロイドみたいなのが召喚されてなかった?」

キウィ「確かに見えた。おいヴェナさん、知ってたら説明してもらおうか」

ヴェナ「…… 僕も実物は初めて見た。どうやら彼らはスタンド使いのようだね。君たちみたいにある種の魔法が使えると思っていい」

うてな「スタンド… つかい? 少女じゃないけど魔法使いみたいなもんですかね」

キウィ「あいつらってトレスマジアの仲間なわけ?」

ヴェナ「いや多分だけど無関係だ。今まで見たことない人たちだからね。でも聞いたことはある」

   「こういう場合は敵のスタンドつまり能力がどういうものか考えながら戦うんだ」

うてな「いや初陣でそれは難しいんじゃないですか。別の場所へ飛ばしてあの人たちを混乱させるとかしたらどうだろ」

ヴェナ「お~ いい作戦じゃん」

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仗助「クレイジー・ダイヤモンド」

康一「何してるんだよ仗助くん! 直しちゃったら意味ないじゃないか!」

仗助「いや逆だぜ。直してやることに意味があるんだ。上手く言えねーけどよ、つまり勝負はもうついたんだ」

  「そんでこいつらは単なる玩具・・・ ひょっとすると持ち主のガキンチョが探してるかも知れねえって思えてきてよ」

  「だったら・・・ 本当に叩き壊してやるこたぁねえってな」

  「安心しな。関節は引っかけてるだけだ。襲ってくりゃまたすぐ壊せるぜ」

「お~ いい作戦じゃん」はキウィだろ・・・ さっそくキャラ崩壊だよ・・・

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アリス「ん」(喜ぶ)

うてな「いい人達じゃないですか。あんな精神が黄金色に輝いているような人を罠にはめて恥ずかしくないんですか」

キウィ「いやうてなちゃんも最終的に賛成したよね」

   「今のがスタンド超能力ってやつか・・・ 時間を巻き戻すのかな? 壊れる前の時間に巻き戻した?」

   「とにかく別の場所へ飛ばせ、それ!」

アリス「ん!」


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仗助「うぉっと何だァ!? 敵のスタンド攻撃だな!」

  「どっかに飛ばされちまったみてぇだ! 玩具どもが見当たらねェ」

康一「なんだか湿気が多いな。どこだいここは。足元は石造りのようだ・・・」

億泰「湯気が出てるってこたァ風呂場か? 気をつけな二人とも。足を滑らすんじゃねえぜッ!」

  「と、のおわっ」 

    ツ ル リ   

              ゴ ツ ン

  「グワワワーッ 痛ええええよぉーーーーッ!」

仗助「自分で言っといて何してんだよォ~!?」

康一「岩場で頭を思い切りぶつけちゃった! これは酷いよ早く病院へ運ばなきゃ」


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アリス「ん・・・」 (そこまでするつもりはなかった)

キウィ「ぎゃああ! これはシャレにならねえ、救急車だ救急車!」

うてな「ええと、ええと、どこに呼べばいいんでしょ、てかさ電話つながるのここ」

ヴェナ「落ち着くんだ。救急車の必要はない。ネロアリスの能力はまだまだこんなものじゃあないよ」

   「君なら彼を治療できるはずだ。女医になればいい。」

アリス「ん」 (病院セットを領域展開)

   「んっ」 変身 ネロアリス → 女医アリス

キウィ「おお、病院かよ。変身すりゃ医者もできるんだそれ。凄えな」


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仗助「おっと・・・ また場所移動かよ。今度はどこだァ?」

康一「しめた! ここはどうやら病院だよ、それに医者っぽい人もいる、助かったよ。わーい!」

仗助「そいつはグレート!」

アリス「ん」

億泰「う、う・・・ 痛ぇよ~」

仗助「すんません先生、さっきコイツがスッ転んだんす、診てやって下さい!」

康一「保険証とか後でお渡ししますからお願いします。足首が折れてるかもしれない」

アリス「ん!」

仗助「え・・・ 足首より頭をぶつけたケガの診察が先だ、そこのベッドに寝かせろ? そう言われりゃ~ そうでしたね」

  「はは、気が動転していけねーや。まずは頭のケガが先だよな~ 誰だってそっちから診るよなァ~ おれもそーする」

  「そんじゃあ~ 手間ですけど先生、そっちを支えてください」

アリス「ん」

仗助「・・・億泰、しっかり捕まえておけよ」

億泰「おうよ」

アリス「ん?」

 
仗助「この野郎~ 女だから野郎じゃねーがまあいいッ! 引っ掛かりやがって、マヌケが!」

  「おい! てめーは億泰が頭を怪我してるってなぜわかる!? 詳しくは言わねぇがと~っくに治っているぜ?」(クレイジーダイヤモンドでよ)

  「てめーが医師ならよ、俺が「足首が折れてる」っつってんのに何のケガもない頭を診ようとするはずねえよなァ~?」

  「風呂場の岩でこいつが頭をぶつけるのが見えてたな。つまりてめーは俺たちをここへ連れてきた犯人ッつーことよ!」

康一「おまけにこんなにタイミングよく医者と病院が出てくるなんて偶然じゃあ有り得ないな。僕たちを観察していない限りはね」

アリス「ん!」(あ、ばれた)

仗助「ここじゃあ俺たちに分が悪い・・・ お前の用意した空間だからな。だからテメーを外の世界に連れ出してやるぜ!」

  (外の世界でブロック塀の破片を拾っといたんだよ。こいつを元通りにする! 破片が外まで運んでくれるって寸法よ!)

康一(そして4人でもエコーズact2で十分に軽くできる。敵の仲間に知られちゃ困るから教えないけどね)

アリス「んん」

康一「扉にドアだ! いっぱい出てきたよ、僕たちを自分ごと閉じ込めるつもりなんだ!」

億泰「そんなもんいくら出しても無駄だ、この億泰を甘く見るなよッ!」

  「この世から削り取ってやれるんだよ!」 がオン ガオン ガオン ガオン

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キウィ「あ、あー 激ヤバ! ネロアリスが誘拐されるー ホテルに連れてかれるー!」

うてな「あほっぽい見た目なのに頭脳プレイしてきた! 助けに行かなきゃ」

ヴェナ「待つんだ。自力で帰ってこれそうだよ」

うてな「ええ!?」

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仗助「はっはー もうすぐ元の場所だ! がっちり固められてりゃ空間移転もできねえようだな?」

アリス「ん~ 」変身 女医アリス → ネロアリス

億泰「うげげっ こいつ子供に・・・ 」

  (不味いぜ、子供になられりゃどれほどしっかり固めていたって抜け出されてしまう!)

アリス「ん」(ワープホール展開)

仗助「ありゃあ時空の穴か? ああ・・・ 逃げられた・・・」

  「駄目だ方向転換は出来ねえ、残念だがこのまま元の世界に帰るっきゃないな・・・」

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億泰「やれやれ。もう夕方じゃねえかよ。一日損しちまった気分だぜ~。おまけによぉ、ライター落としてきちまったい」

康一「あの子のスタンド能力は何だったんだろ。玩具を巨大化したり変な世界に閉じ込めたり自分を子供にしたり・・・ 」

  「・・・ヴィジョンがいなかったような気がするけどスタンド能力なのかな」

  「とにかくみんなに知らせて対応を練らないと」

億泰「いいや、そこまでしなくていいと思うぜ。なんつーか、敵意がまるでねぇんだよな。俺を診察しようとしたり」

  「新しい水鉄砲を買ってもらった子供がふざけて通行人を狙ったって感じだった。ガキンチョのいたずらだ。見逃してやろうや」

  「俺らを〇す気でいたんならもうちょい他の手もあったはずだ」

康一「そっか。それもそうか。」

仗助「まあ今日のとこは帰ろうや。家まで追いかけちゃ来ねえよ」

①ー2  第一回戦反省会

うてな「ほ~ら~! やっぱし危なかったじゃな~い! こりすちゃん誘拐されるとこだったよ怖くなかった?」

こりす「んん」(否定)

うてな「やっぱりこんな小さい子には無理だったんだよ」

ヴェナ「いや、僕は逆の意見だ。ネロアリスの可能性に驚いたね。例の3人を調べたけど、彼らはかなりの使い手だ」

   「しばらく前に杜王町という町でスタンド使い達の闘争が起きたんだ。彼らはその戦いを生き残った猛者だよ」

   「戦闘経験豊富なスタンド使いを3人まとめて相手にできたなんて予想以上と言っていい」

   「とはいえ勝つことはできなかった。もう少し練習が必要かもね。また数日後に集まれるかい?」

キウィ「いいよ。そん時まで勝手に戦うんじゃねえぞ」

うてな「玩具のメンテナンスもしとこうか。なんだか関節が外れやすくなってるからきちんと直しとこう。」

続きは気が向いたら書き込みます。

それもそうか。タイトルがまずかったかな。すまん悪かった。


② 第二回戦:漫画家

ヴェナ「集まったね。それじゃあネロアリスの練習試合、2回目と行こうじゃないか」

   「前回と同じ要領で誘い出し、適当にいたぶって終わったら帰ってもらおう」

うてな「悪の組織っぽい・・・ ふふふ・・・ できることが分かれば想像が捗る…」

キウィ「おい大丈夫か?」

うてな「うっ ついいろんな事考えてしまいました」

ヴェナ「やあ、ちょうど一人で歩いている人がいるね。前回は三人相手でしくじったから一人にしよう」

アリス「ん!」

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露伴「たしかこのあたりだと思った、が・・・」

僕、岸辺露伴は杜王町から遠出してとある町にやってきた。勿論漫画の『取材』のためだ。
面白い漫画にはリアリティが必要で、リアリティを得るにはこの目で取材するのが一番だと僕は思っている。
今回は知り合いの高校生が奇妙な体験をしたというので・・・ 玩具に追いかけられたとか女性が子供になったとか支離滅裂だが・・・
ここまで取材に来たというわけだ。

露伴「おっ、いたぞ。確か最初はボロッちい猫のぬいぐるみに誘われる、だったな」

  「ふん、誘うといえば憐れみを誘うほどにボロボロじゃあないか」

  「さあこの僕にも奇妙な体験を味あわせてもらおうか! 月並みなら承知しないからな!」

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キウィ「なんかさ、あのおっさん… やけにテンション高くないか? こっちのこと知ってんのかな?」

   「大喜びでぬいぐるみの後をついて行ってるんだけど」

うてな「服装もおかしいし変人じゃないと良いね」

   (いや待てよ、まっとうな人なら罪悪感があるけど変人なら構わない・・・ いやいや何考えてるのよ)


メモ:頭で考えてるだけで喋ってないのは()です。

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        フシャー!


露伴「おっと、こいつがさっきのぬいぐるみか。それに巨大化おもちゃ軍団、とでも呼べばいいのかな」

  (兵隊、道化師、バレエダンサー・・・ なるほどな確かに子供の玩具のようだ。愉快なスタンド能力じゃないか)

  「だが無意味だ」

自慢するわけじゃないが僕にとってサインをねだられるのは日常茶飯事だ。だからサインするスピードが日ごとに速くなる。
今じゃあファンが気づく前にちょっとしたイラスト付きでサインしてやれるようになった。ヘブンズドアにも使える特技だ。

  (岸辺露伴に危害を加えない、岸辺露伴の命令に従う、岸辺露伴がピンチの時に助ける。これだけ書けばいいだろう)

  「さあ命令に従ってもらおうか。お前たちの持ち主のところまで僕を案内しろ。僕を警固するのも忘れるな」

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ありす「ん~?」

うてな「え、おもちゃが思うように動かない? まだおねむじゃないよね。どうしたんだろ」

キウィ「あのおっさん超高速で腕を振ってたけど関係あんのかな。ヴェナさんわかる?」

ヴェナ「……これは驚いたね。彼もまたスタンド使いのようだ。2回続けてぶち当たるなんて運が良いのか悪いのか」

キウィ「おいおいおいおい・・・ 今度はどんな能力なんだよ」

ヴェナ「ネロアリスの魔力と押し合っているということは、対象物を操る能力と考えるべきだろう」

   「自分とよく似た相手と模擬戦なんて訓練にはうってつけじゃないか」

うてな「意外とポジティブシンキングなとこ、あるのね」

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露伴「どういうことだ。なぜ僕の指令に従わない。玩具のくせに何を逡巡している」

  (だがヘブンズドアを受け付けないというわけじゃないようだ。何を意味する?)

  (僕の指示を拒絶はしないが、まるで誰かに遠慮しているように見えるな・・・)  

  「・・・・・こいつらは誰かの支配下にあるんだ。そいつの能力がヘブンズドアとかち合っているから誰の命令に従うか迷っているのか」

  (岸辺露伴以外の者の支配は受け付けない、と)

  「これでどうだ。そこのピエロ、お前の持ち主がいる方向を指さしてみろ」

  「また迷ってやがるな・・・ だが僕の指示を守ろうとしているということは・・・ 何を意味する?」

  「どこを指させばいいのかわからないのか? 上空を飛行機で飛んでいるのかな」


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キウィ「なあこれちょいマズくない? どう見てもあっちのが体力あるぞ。こっちはちょいお疲れ気味だぜ」

アリス「ん…」

うてな(考えろ、どうすればいい… このままでは不利になるばかり… 能力は同じようなものだから真正面から戦うのは避ける)

   「敵は『お前たちの持ち主のところまで僕を案内しろ』と言っていました」

   「ここは指揮権を敵に譲って案内させましょう。そうすりゃ油断を誘えます」

   「そしたら機会をうかがって直接あの人に精神干渉をかけましょう! 前回は気が動転してて思いつかなかったけど」

ヴェナ「ふむ、いい策略かも知れないね」

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コッチデス コッチデス ゴアンナイシマス

露伴「ふん、どこの誰かは知らんが手下どもの支配権を奪ってやったぞ。誰かを負かすというのはなかなか良い気分だね」

  「今頃どこかで悔しがっていることだろう。はっははははは」

  「この向こうか。さっき良い気分といったが、まだ最高の気分ではない・・・」

  「最高の気分を味わうには悔しがらせるだけじゃあ駄目だ。コテンパンにしてッ! この露伴に挑んだことを後悔させてやるッ!」


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キウィ「この露伴って言ったぞ。このおっさん、漫画家の岸辺露伴じゃないか? スケッチブックを持ち歩くとかいかにも漫画家っぽいし」

うてな「あのピンクダークの少年、でしたっけ。私でも名前は知っています。でもこんなに大人げない人なんですかね」

   「誰かをコテンパンにしたら最高の気分になれるって… 人のこと言えないけどさ…」

キウィ「大人げないなら年相応にしてやろうぜい! 4つにしてくれ、できるだろネロアリス」

アリス「んっ」(精神年齢干渉)


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露伴「んぐわッ? な、何だ・・・ 僕の頭から何かが奪われていくぞッ!? 」

  (思考力・・・ 自我・・・? 違う、記憶だ! 記憶がうばわれつつあるんだ!)

  (今の僕は漫画家で、違うな大学生だっけ、・・・婆さんの下宿に帰らなけりゃ・・・)

  (下宿じゃなくてりょかんだよ。それにぼくはしょうがっこうもまだなのに。たしかどこかの家に入って・・・)

  (ぼくの家じゃないどこかの家で・・・ へんなやつにおそわれたっけ・・・ ここはどこだろう)

  (ここはどこだろう・・・ ぼくの家じゃないんだから・・・ )

  「・・・・鈴美お姉ちゃん?」

  「そうだ、わるいやつが来て、お姉ちゃんが僕をまどから出してくれて・・・?」

  「ま、まだお姉ちゃんはにげていないのかな? たすけにいったほうがいいのかな? こ、こわいよ」

  「で、でも鈴美お姉ちゃんもきっとこわがってる・・・ 鈴美お姉ちゃーん!」

     あたふた あたふた おろおろ おろおろ

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うてな「ねえアリスちゃん、あれで4歳くらいにしたの」

アリス「ん~」(肯定)

キウィ「普通の4歳ってあんなにうろたえて右往左往するものか?」

うてな「知らない場所で混乱してるってことなんですかね。鈴美お姉ちゃんって誰だろう」

ヴェナ「4歳のころに本当にあったことが再現されているのかもしれないね」

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   バジャアァァァ~ン! バジャアァァァァ~ン! バジャアァァァァァ~ン!

露伴「うわあああ、なんだよ!? お人形さんのシンバル!?」

       バジャアァァァ~ン!! バジャアァァァァ~ン!! バジャアァァァァァ~ン!!

露伴「う、うーん・・・ シンバルの音か。うるさいぞ何故そんなに鳴らすんだ・・・ いや僕のためか」

  「もう鳴らさなくていい。僕の頭ははっきりした。礼を言ってやるぞピエロ。」

  (岸辺露伴がピンチの時に助ける、と書いておいて良かった・・・ 命令に従うだけじゃ何もしてくれないだろう)

  「手下を奪われたら直接本人を狙うのに切り替える。そこそこガッツがあるじゃないか。そうでなきゃ叩き潰しがいがないからな」

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ヴェナ「どうやら失敗のようだね。玩具たちは彼の味方になったみたいだよ」

   「しかも彼が負けそうになると加勢するように指示したらしい。頭の切れる相手だ」

うてな「う~ん失敗か・・・ 今度はキウィちゃんが考えてよ」

キウィ「ええ~ え~っと、あいつへの攻撃は効くんだよね。そいじゃ玩具と引き離してどっかに閉じ込めたらどうかな」

   「そしたら少なくともおもちゃたちは取り返せっだろ」

   「ネロアリスさあ、牢獄とか地下牢のドールハウス持ってない?」

アリス「ん!」

うてな(いやそんなもん… あるんだ)


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露伴「おおっと・・・ 場所移動か。玩具どもとはぐれてしまったぞ。ここはどこだ、牢屋か」

  「フン、僕はカンヅメにされたことはないから一度どういう気分なのか味わってみたかったんだ。だが黴臭いな。」

  (どっから入れられたんだ? 周囲は壁に鉄格子か。床じゃなさそうだし上から放り込まれたのか)クイッ

アリス「ん…」

露伴「!? 見つけたぞッ ヘブンズドアー!」

牢屋の中で天井を見上げたらその代わりにデカい子供の顔(正確にはこっちが小さくなっていたわけだ)が覗き込んでるのを見たときには多少驚いたが、それでもこっちのほうがずっと年上なんだ! 経験値の差を思い知らせてやったぞッ!!

アリス「んん…」 変身解除 ネロアリス → 杜乃こりす

うてな「アリスちゃんの顔が? ノートに!?」

キウィ「トランs」

露伴「おっとそこにも2人と1匹、ヘブンズドア―!」

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露伴 「さて・・・ 貴様らの素性や個人情報は教えてもらったぞ。玩具どもと同じ命令も書き込んだ。観念するんだな」

   「そこのちっこいのが杜乃こりす(ネロアリス)、根暗そうなのが柊うてな(マジアベーゼ)、バカっぽいのが阿良河キウィ(レオパルト)で胡散臭いのがヴェナリータ、か」

キウィ(酷い言われようじゃねえか)ムス~

露伴 「なんか文句あるのかッ!? 僕のことおっさん呼ばわりしやがって! これでも20代だぞ、覚えておけスカタン」

   「それから僕を襲った理由と行動目的も読ませてもらったぞ・・・ 魔法少女トレスマジアをやっつける、というより俗にいう”悪質ないたずら”を仕掛けるための練習台とはナメた真似をしてくれたな」

こりす「ん?」(え、やっつけるんじゃないの?)

露伴「・・・そうかお前は知らなかったのか。耳をふさいでいろ」

こりす「ん」(ふさぐ)

露伴 「いいだろう。あのなあ柊うてな、お前の体験を読ませてもらった。未成年者にしちゃあ進んだことしてるじゃないか」

   「以前にお前とある程度同じ方向性で最低な使えん奴を見たことがあると言っといてやる」

   「僕のことを変人と思ったようだが人のこと言えんだろう。お前も似たようなもんだな阿良河キウィ」

うてな「う、ううう~・・・」

ヴェナ「・・・それで僕たちをどうするつもりなんだい? 反省させようっていうんじゃないのだろう」

露伴 「当たり前だッ! 僕は天才漫画家・岸辺露伴だぞ」

   「僕の哲学として、漫画というのはリアリティこそが神髄だ。自分の見た事や体験した事、感動した事を描いてこそ面白くなるんだ!」

   「嘘ごとや作り話では駄目なんだよ」

キウィ「はあ・・・」

   (芸術家っぽい難しいこと言い始めたぞ)



露伴 「そして今日の僕の体験、おそらく誰も信じないだろう。だが真実だ。なかなか得難い漫画のネタといえよう」

   「そういう意味では貴様らに感謝してやってもいい。ついでにトレスマジアも有名人だから扱いにくいファンも出てくるってこともな」

   「厄介なファンはどういう心理で行動し自分自身をどう分析しているのか・・・ そういうサンプルも得られたんだから二重に感謝だな」

うてな「いえ… あの… えっと…」

   (ん? ひょっとして見逃してくれるってことないよな…)

露伴 「期待するんじゃあないッ それだけでこの僕を4歳児にした恨みを忘れられるわけないだろうがッ!?」

   「お前たちは僕の命令に逆らえないんだ、今後1ヵ月間、僕の取材に付き合ってもらおうか」

   「この岸辺露伴の漫画のネタになれるとは身に余る光栄だと思うがいい。リアリティのために全てを知り尽くしてやる!」

うてな「ひええ・・・」

キウィ「そんなのありか」

こりす「ん・・・」

キウィ(ど、ど、ど、どーにかして逃げられないかなっ かなりぶっ飛んでるぞこの漫画家! 例えば地球の裏側まで逃げるんだよォ!)

露伴 「悪の組織の大幹部だろーが腹黒マスコットだろーが僕のとこから逃げれるもんなら逃げてみやがれってんだァァァーーーー!」

   「安心しろ、放課後に数時間程度で許してやる! まだ警察のお世話になりたいとは思わないからなァーー!」

キウィ「は、はい… 逃げません… 取材に応じます、応じます! なんでも話します!」


②ー2  第二回戦反省会

1ヵ月後

うてな「や、やっと解放されました、ね。『今日で恨みを忘れてやる』って台詞が天使の声に聞こえました」

キウィ「チクショーッ 乙女の純潔をすべて丹念にねっとりと調べ上げられたー! もう立ち直れねぇー」

   「だからどっかのホテルで慰めてくれよ~ 取材のお礼って札束くれたじゃんよ~」

うてな「え、駄目だよ。あんまり大金もってるのバレるとパパ活したって思われるよ」

こりす「ん」

キウィ「だいたいさぁ、そもそもはヴェナさんのせいだぞ。手ごろな練習台を引っかけるつもりが2回続けてスタンド使いとか勘弁してよね」

ヴェナ「わかったよ。僕としても不本意だった。次回はスタンド使いかどうかチェックしてから引き入れよう」

うてな「え、まだ続けるんですか。そろそろ本番でもいいんじゃ」

ヴェナ「今回はよく似た能力同士で真正面からぶつかって押し切られた形だ。まだまだ成長の余地はある」

   「せっかくなら完膚なきまでに心をへし折ってやりたいだろう、うてな?」

うてな「確かに。心が折れてから再起してこそヒロインですからね」

③ 第三回戦:東星大学2回生

 
ナレーター (声:小林清志)

人々を闇へと誘う古いぬいぐるみ

それはエノルミータの仕掛ける凶悪な罠だった

怪しげなヴェナリータの企てた幼い新幹部:ネロアリスの魔力強化計画が

黒き英雄に牙をむいて襲い掛かる

咆えろ 戦え 光太郎

真実の勇士が淫靡に染まった悪の組織を打ち砕く


次回・仮面ライダーBLACK
『エノルミータ最期の日?』
お楽しみに     


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ヴェナ「それじゃあ今日も手ごろな獲物を探そうか」

こりす「ん!」

うてな「今度こそ手ごろな獲物が来ますように。スタンド使いは来ませんように」

キウィ「お、スズキのバイクに乗った人が走ってるぜ~」

うてな「ぬいぐるみに気付いたみたいですよ。目撃者もいないし今回はあの人かな」

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光太郎「あ゛れはい゛ったい? ぬいぐるみが歩いてい゛るな゛んて?」

 見知らぬ街に迷い込んだ光太郎は破れかかったぬいぐるみが自分を誘うかのように歩くのを見た!
 不可解な光景に悪の気配を感じ取った光太郎はさっそく調査を開始した!

   「嫌な゛気配のする屋敷だな。ここに゛入っていったぞ。」

   「周囲に゛大神官や怪人はいな゛いようだ、が・・・」


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キウィ「ヘルメットの下は結構なイケメンじゃ~ん! なんか得した気分~」

うてな「イケメンというよりちょっと昔風なハンサムって感じですかね。カッコいいなあ、ねえアリスちゃん」

アリス「ん!」(大喜び)

キウィ「一応確認すっけどよ、あいつはスタンド使いじゃあないんだよな!?」

ヴェナ「違うね。その気配はみじんもない。(しかしどっかで見たことあるような)」

   「スタンド使いではないことだけは保証できるね。(まあそのうち思い出すかな)」

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    フニャー!

光太郎「うわっ おっと」

 不気味な巨大猫が鋭い爪を光太郎に振り下ろした。寸でのところで回避する。
 周りには他にも巨大で不気味な怪人が蠢いているではないか。(光太郎は怪人だと思っている)

 くるみ割り人形のような怪人がマスケット銃で殴り掛かってくる。それは前転して避けられた。
 だがマジシャンやピエロの体格差を生かした連携攻撃が光太郎を追い詰める!

   「でりゃあ! ううっ それほど効いてはいな゛いのか」

 最初の巨大猫に回し蹴りを喰らわせたがぬいぐるみなのでダメージは少ない。
 かえって薄気味の悪い笑みを浮かべる巨大猫。このままではやられる!

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うてな「アクションもカッコいいですねえ、動きもキレッキレでいい感じに暑苦しくってヒーローっぽいと言いますか」

キウィ「男の子の見てる一昔二昔前の特撮ヒーローってあんな感じだよね。ちょい服装が古臭いけど」

   「強いて文句をつければさあ、台詞に濁音がついてるように聞こえねぇ?」

アリス「んん」

ヴェナ「ちょっと昔の特撮ヒーローっぽいハンサム・・・ スズキのバイク・・・ 濁音・・・」

キウィ「まあいくらハンサムでも私のうてなちゃんほど魅力的じゃあないけど~ ははは~」

>『ゴルゴムの仕業かっ!?』

キウィ「ゴムゴム? 何ぞそれ」

ヴェナ「・・・やばい、にげろ」

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光太郎「ゆ゛る゛さ゛ん゛!」

雄たけびとともに光太郎はバク宙で高台へ飛びあがった!

ギチギチギチ ギチギチ

アーアーアーアーアー アーアーアーアーアー
 アーアーアーアーアー アーアーアーアーア

光太郎「変゛……身゛!!」

光太郎に埋め込まれた太陽のキングストーンが神秘の閃光を発する!
瞬間、醜きバッタ怪人の姿となり、黒鉄の鎧リプラスフォームで包まれる。
余剰エネルギーが白煙となり体中から排出される。
そして左胸には忌まわしいゴルゴムの刻印が・・・

BLACK「仮面ライダー  BLACK!!」ノ グッ


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キングストーンの閃光はナハトベースのネロアリスにも達した!

アリス「んぎゅあ!」 変身解除:ネロアリス → 杜乃こりす

爆発的なエネルギーでネロアリスが吹っ飛びながら杜乃こりすに姿を変える。
それは間違った進化の取り消しであった。そのままこりすは気を失う。

こりす「ふんぎゃぁ」

うてな「え、え?」

キウィ「何が起こったん」

ヴェナ「は、速く逃げろ、消し炭になりたいか」

うてな「あしが すくんで りかいがおいつかない、です」

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BLACK「な゛に゛!?」

BLACKの見たものは床に落ちている数体の人形であった。さっきまで戦っていた敵怪人によく似ている。
それは神秘の光が逆流する大河の如くにネロアリスの魔力を洗い流した結果であった。
そこに残されたものは、ただのおもちゃであった。

「どうい゛うことだ? 何かの罠か?」

「マルチアイ! センシティブイヤー! ライダーセンサー・・・・・!」

「・・・・・・? おかしい、この屋敷内にゴルゴムの怪人がいないぞ。別の悪人か?」

「どうして驚かすだけで俺を襲ってこないんだろう」

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ヴェナ(いまワープホールを遮断すると気づかれる。覗き穴はそのままで気配を消すんだ)

   (幸い、こっちには気が向いていない。後で謝るから今は言うとおりにしてくれ、頼む)

キウィ()コクコク

うてな()コクコク

こりす「ん・・・ ふぎゅ?」(うてなが口をふさいだ)

うてな(喋らないで静かにしてて、ね)

キウィ(気づかれませんように 気づかれませんように)

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BLACK「なんだ、この屋敷には誰もいないじゃないか。悪しき気配も消えてしまった」

  「こんな玩具がさっきの怪人だったのか? だがそうとしか考えられない。まるで白昼夢だ。小悪党の悪ふざけかな」

  「そもそもここは知っている町じゃない。別の世界に来てしまったような感覚もある」

  「しかしバトルホッパーなら来てくれるだろう。」

呼びさえすれば電脳世界にもやってくるバトルホッパーである(ヤマアラシ怪人回)。
まほあこ世界に来ることなど造作もない。そのまま主人を乗せて元の世界へ走り去っていく。

BLACK(バイクはまた後でとりに来よう。こっちの時空間にはゴルゴムはいないが・・・)

  (代わりに玩具を操る悪者がいるのかな? しかし正義の波動も確かに感じられた)

  (こちらの世界はこちらの世界の正義に任せるべきだろう。部外者が介入すべきじゃあない)

  「僕は僕の世界でやるべきことがある・・・! 待っててくれ信彦!」

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③ー2  第三回戦反省会

ヴェナ「・・・行ってしまったようだ。命の危機が去るとこんなにもホッとするものなんだね。本気で震えたよ」

キウィ「スタンド使いは止めろって言ったじゃん。なんできちんとチェックしないんだよ」

ヴェナ「彼はスタンド使いじゃないよ。1987年放送の仮面ライダーBLACK、南光太郎だ。」

   「暗黒結社ゴルゴムに太陽の石キングストーンを埋め込まれ誕生した世紀王ブラックサン」

   「彼がゴルゴムを脱走し、人類の自由と誇りのため、親友を助け出すために戦うのさ」

   「詳しくはこの資料を見ると良いよ。さっき倉庫から出してきたんだ。もっと早く気付くべきなのはすまなかった」

うてな「・・・生まれる前だけど1987年にあんなヒーローがいたなんて聞いたことないですしゴルゴムも知りませんよ?」

ヴェナ「それは僕たちのいるこの時間軸とは別の時間軸だからだよ。アニメじゃなくて実写だっただろ。」

   「前々回の模擬戦で空間を削り取るスタンドがいたよね。ネロアリスの作り上げた領域でそんなことするから時空が歪んだんだ」

   「その歪みを通ってきたんだよ。彼は時を超えるし空を駆けるから。おそらくだけどね」

こりす「・・・んん?」

ヴェナ「でもまだよかったよ。僕たちには気づいていなかったし、太陽の王子・仮面ライダーBLACKRXに進化した後だったらと思うと」

   「生まれてきたことを後悔するレベルに恐ろしいよ」

キウィ「もらった資料を読んだけどさあ、ネロアリスはキングストーンフラッシュで吹っ飛ばされたってこと? よく生きてたな本当」

ヴェナ「ああそれは違うねキウィ。本気のキングストーンフラッシュならナハトベースごと大惨事さ。」

   「吹っ飛ばされた時の光は単なる変身プロセスの一部に過ぎないよ。」

キウィ「単なる変身プロセスでけちょんけちょんかよ」

   (もし本気で戦う羽目になったら・・・)

③ー3  キウィの妄想


BLACK「ここが悪の゛組織エノルミータの゛根城・ナハトベースか! つい゛に追い詰めた、あ゛とはレオパルトとヴェナリータだけだ!」

レオパルト(つ、遂に来やがった。だが落ち着け。いくらなんでもネロアリスやマジアベーゼと闘って疲労のないわけがない)

     (待ち伏せ戦法でなんとか戦える・・・ 一気呵成に最大火力をぶつけりゃなんとか多少のダメージくらいは・・・)

BLACK「マルチアイ! ・・・いたぞ最後の大幹部レオパルト!」

レオパルト「う、う、撃てー! 撃てー!」

ドゥン ドゥン ドゥン ドゥン  ドゥン

  ズキュン ズキュン ズキュン ズキュン  シュバババ バババババ

ズガガガガガガガ ガガガ ガガガ ドガガガ ガガガガガガ

レオパルト「避ける暇もなかっただろ、サルファみたく小細工もできなかったはず・・・ アタックシールドも出てなかったぞ」

BLACK「無駄だ! リプラスフォームにその゛程度の゛火力は通用しない」

レオパルト「うげっマジかよ。だったら・・・ こっちも覚醒すりゃ・・・」

BLACK「パワーストライプス!」

仮面ライダーBLACKの人造筋肉フィルブローンは平時でも人間の30倍のパワーを発揮する。
そこへパワーストライプスに蓄えられたエネルギーを解放することで運動能力が何倍にも跳ね上がった!

BLACK「だが油断はできない。バイタルチャージ!  これでさらに格闘能力が飛び跳ねたぞ」

     「ライダー・チョップ!」

レオパルト「ぐへあっ あ、あ、 ぎゃああ~!!!」

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ヴェナ(この断末魔はレオパルトか・・・ もうおしまいだ・・・ 逃げ…)

BLACK「どこへ行くヴェナリータ。全ての黒幕め。センシティブイヤーから逃れら゛れると思ったか。」

   「覚悟しろ、もう終わりだ! 悪の組織が潰える時が来た!」

ヴェナ「ひっ・・・ ひぃ・・」

BLACK「バトルホッパー、モトクリスタルの゛エネルギーを解放しろ。キングストーンと共鳴ざせるんだ」

  「この地に残る悪の゛気配をヴェナリータごと洗い流してやる」

「サタンの都が栄えることは決してないのだ。キングストーンフラッシュ!」

世紀王の馬:バトルホッパーのモトクリスタルは無限のエネルギーを生み出す。
その惜しみなく注ぎ込まれるエネルギーはキングストーンの輝きを極限にまで高めた。

キングストーンフラッシュが悪徳の闇を消していく。それはエノルミータの終焉であった。
生命の光が満ち溢れた後、廃墟となったナハトベースが残された。

BLACK「こんな城、壊してしまおう。ライダーパンチ! ライダーキック!」

  「バトルホッパー、ダイナミックスマッシュで城壁をぶち破れ。ロードセクター、スパークリングアタックだ!」

  「がれきの゛山に変えてや゛るんだ! そうすればこの゛空間は自然に消えてしま゛うだろう。完全に終わりだ!」

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キウィ「めっちゃくちゃ幸運だったんだな私達」

   「頼むからああいうのは2度と引っかけないでくれよ。今度あんなのが来たら簀巻きにすっからな」

   「超能力なんか持たないし魔法も使えない生物学的に普通の人間にしてくれよ。頼むから本当」

ヴェナ「僕だってあんなのは不本意だ。普通の人間以外は入れないように細工しておこう」

④ 第四回戦:中学校第四学年(カトリエーム)


うてな「前回は散々だったからこっちを怖がるような普通の人間を誘い込んで憂さ晴らししましょうよ」

   「考えてみりゃ逃げる気はさらさらなくってこっちをぶちのめしに来る戦闘要員ばっかりじゃないですか」

   「もっとこう、普通の女の子とかのほうがいいですよ。痛めつけられてばっかりでつまんない」

   「私は痛めつける側に立ちたいんです! できれば可愛い女の子を! 怖がらせて!」

キウィ(こりすの前にうてなちゃんが成長しちまったよ・・・)

こりす「ん」

うてな「どっかにいないんですか、そういうの。その辺歩いてない?」

ヴェナ「君たちくらいのが一人で歩いているよ。あいつなら大丈夫じゃないかな」

キウィ「短期留学の奴じゃん。あいつは強いけどさ、それでも人間なのは間違いないからとっちめようぜ!」

うてな「実家が大病院の聖なる怪物でしたっけ… でもこっちには本物の怪物がいますからねえ、ふへへ」

ヴェナ(あの長いバッグは楽器かな。高価なものなら大事にならないと良いけどね)

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ファネ「・・・・・? ぬいぐるみが歩いている・・・ この国にはああいうのもいるのかしら」

   「でもこどものおもちゃというには禍々しい・・・ 近づかないようにしよう」

不信を募らせて今来た道を引き返そうとする。意味もなく危険に近づく真似をしたくはなかった。
それは遺伝子と経験から養われた生存本能からの行動である。しかし敵は放っておいてはくれなかった。

ファネ「え!? きゃあ!」

有無を言わさず後ろから抱き上げられ、空を飛んだ。誘拐されるのは2回目だが巨大なぬいぐるみは初めてだ。
バッグを握る手に力が入る。これを落とすわけにはいかない。

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うてな「今の見た? 逃げようとしましたよ。『きゃあ!』だって。へっへっへ」

   「スポーツ射撃や格闘技が万能のマドモアゼルでもウサギみたいに臆病な一面もあるんですねぇ。ふえへへへ」

キウィ(露伴の言ってた同じ方向性で最低な使えん奴って、他にもうてなちゃんみたいなのいるんかな)

うてな「こっちを怖がって逃げてくれましたよ! 今度こそ私たちの完全勝利です。」

   「ぐへへへ、たまには浮気もいいでしょう。金髪パリジェンヌを泣かせてやりましょう。実家が病院だしナースコスできる?」

   「それとも患者さんがいいかな、ねえどっちがいいと思う? ぐえっへへへw」

アリス「んん・・・」(ジト目)

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どこかの洋館に連れ込まれたがバッグは無事だ。それで落ち着きをいくらか取り戻す。
巨大で不気味な人形たちに面食らいながらも手早く持ち物を確認した。ついでにライターが落ちているのも見つけた。

ファネ(エアライフル、エアピストル、小さいカッターナイフにソーイングセット、銃弾はそこそこ)

   (拾ったライターは燃料も入ってる。100,000,000って書いてあるわ)

   (戦う前に退避を考えよう。勝ち目があるようには思えない)

ライフル選手権優勝の特典でもらったカスタムメイド・エアライフルは頑丈に作らせた。
多少の衝撃で壊れるものではない。銃床でドアノブを殴りつけた。

ファネ「駄目だ、開かない」

それなら窓ガラスを割るまでだと思ったが、室内のものを投げつけても跳ね返される。
何かしら不思議な力で閉じ込められたようだ。
そうこうする間にも猫らしいぬいぐるみが爪を立てて襲ってくる。逃げ回るのにも限界があった。

ファネ(戦わなければならない)

全く無駄のない動きでエアライフル・エアピストルが組み立てられる。
自分でも驚くほどに頭は冷静だ。恐怖によって感覚と判断力が研ぎ澄まされる。
適当に縫い付けられたぬいぐるみだ。ならば糸を切ってやればいいだろう。

ピシューン‥‥  ふぎゃー!?

狙い通りに糸を切れた。中綿が飛び出て動けなくなったようだ

ファネ「よし」

他の人形にも試してみるが単発式なので思うようにはいかない。
それでも目くらまし程度にはなるだろう。

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うてな「ふへっへっへっへ、怖がって逃げていきますよ。ビビッて乱射しまくってますね。」

キウィ「…」

うてな「ん… なんでそんな静かなの。というか何か怖がってますか?」

キウィ「うてなちゃん気づかない?  あのフランス娘、たった一発でぬいぐるみの糸を切っちゃったよ」

   「ビビッてる奴にそんなことは無理だって。それに他のおもちゃだって・・・・ すべて眉間かこめかみに当ててる」

   「走りながらだぞ」

アリス「ん」

キウィ「あの娘はちょっとヤバイかも。ヴェナさんさ、あの娘は本当に普通の人間なんだな?」

   「動きが軍人のそれなんだよね。スポーツ選手ってだけじゃないよ。」

ヴェナ「聖闘士でもないしグラップラーでもないし伝承者でもないよ。でも確かに気になるね」

   「君たちの知っている娘らしいけど、名前はなんていうのさ」

うてな「えっと確かね… ファネット・ゴベールちゃんだっけ?」

ヴェナ「…あっ」

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ファネ「はあ・・・ はあ・・・ はぁ・・・」

不可解な追っ手からなんとか逃げ延びたがまるで安心はできない。
悪夢の中を彷徨っているような感覚がする。悪の組織とかいう連中の仕業だろうかと思った。
そんな敵と戦った経験はない。敵はどういったような奴らなのかすら定かではない。
似ている存在と言えば・・・ おとぎ話の悪い魔女くらいしか知らない。

ファネ「だったらどうしろというのよ・・・ 魔法少女になった覚えはないわ」

『兄と妹』『2人の兄弟』
『ヘンゼルとグレーテル』『太鼓叩き』(いずれの童話でも悪い魔女が焼き〇される)

ファネ「おとぎ話を信じろと? しかし試してみる価値はある」

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キウィ「おいおい、何が『あっ』だよ。知ってることをすべて吐きやがれ」

ヴェナ「フランスの聖なる怪物ファネット・ゴベール、顔は知らなかったよ」

   「魔法少女や悪の組織がいるのは日本だけじゃないさ。当然だがヨーロッパにだって僕みたいなのがいる」

   「魔法少女をスカウトする奴もね。最近、彼女を取り合ったんだけど、あまりに危険なのでどちらも勧誘しないとの紳士協定ができたよ」

   「言葉ではわかりにくいだろう。今探してきたから倉庫にあったこの資料を読むと良い」(Gの遺伝子、スピンオフ作品など)

うてな「ふ~ん・・・  うわ、秘密工作員や人民解放軍と銃撃戦してますよ。なにこの子のアグレッシブな闘争心」

キウィ「・・・プロから拳銃を奪い取って銃撃戦で数名倒すってどういう女子中学生だよ。フィジカル最強で激ヤバメンタルだよファネットさん」

   「〇人の経験があるように見えるぜ。しかも意図的に」

アリス「ん」(ちょっと読んでみたい)

うてな「・・・・でも所詮は(魔法を使えないという意味で)普通のマドモアゼル、魔法少女じゃないでしょ」

   「こっちは悪の組織の大幹部ですよ、手下もいっぱいいるんです。いくら凄くても魔法やスキルのない人に負けませんよ」

   「そんなに凄いなら精神操作で家来にしてやりましょう! やってしまえネロアリス」

アリス「ん!」

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ファネ「うぐっ? な、なによ、頭が・・・ 」

   「まるで 自分の頭脳ではないような・・・ うう・・・」

   (このままではいけない 何かあったはず)

   「ソーイングセットの針。 い、痛たたた・・・」

   針を自分の肩に突き刺す。鋭い痛みで靄が晴れるように視界が明るくなる。

   「精神が錯乱するとは・・・ 敵は物理攻撃以外もできるのね・・・・!」

   「早く脱出しなければ」

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ヴェナ「失敗のようだね。針を自分に突き刺した痛みで洗脳から逃れたようだ」

うてな「ええ、そんなので逃げられるようなチャチい魔法じゃないよね、アリスちゃん」

アリス「ん~?」(おかしいな~)

ヴェナ「もともと意志が非常に強固で自律した心が備わってるのさ。己に課したルールを順守するタイプだ」

   「本気で潰すつもりでかからないと返り討ちだよ」


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ファネ「ライター、それに中綿、この洋館にあった布、可燃物はこんなところかしら」

   「それに空気が流れているのを感じる。少しばかりではあるが、窒息死の危険は比較的低い」

   「なるべく高い所につけなくては… あの化け物どもに見つからないようにするには…」

   (敵が魔女かどうかもわからないし、仮にそうだとしてもどこにいるかわからない。望み薄にもほどがある)

   (しかし何もしないよりは‥‥ 薄い望みに賭けなければならない!)

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キウィ「止めとけ止めとけ。面白半分にちょっかいかけて良い相手じゃねえって」

ヴェナ「僕も同意見だね。それに彼女とかかわると高確率で恐ろしい人と関わり合いになる」

キウィ「…もっと恐ろしいのがいるのかよ」

ヴェナ「渡した資料を最後まで読みなよ。眼光がカミソリみたいな東洋人が出てくるだろ? パッと見、親子みたいなやつ」

   「その人こそ自称デューク・東郷、通称ゴルゴ13って世界最高のスナイパーだ。もちろん魔法なんて使えないただの人間だけどね」

   「詳しく知りたいなら彼の資料もたくさんあるよ。読むといい」

うてな「おお… ふえへへへ」(楽園の汚染) 
   「あ… こういうのもいいかな… 」(キャサワリー)

キウィ(マジでヤベえ)(メジャー・オペレーション) 
   (戦っちゃダメだ。知り合っても駄目だ)(帝王の罠)

   「火照ってる場合じゃないだろ、うてなちゃんよぉ。そういうのじゃなくてこっち読めこっち」(崩壊第四帝国 狼の巣)

   「超A級スナイパーのスーパーアクションを敵にしたくねえよ。嫌だよこんな人」

うてな「・・・・世界最高のワンマン・アーミーの遺伝子がファネットちゃんに流れているってこと? はやく展開領域から出て行ってもらいましょう」

ヴェナ「ファネットと関わると不思議とゴルゴとも関わることが多いんだよ。縁というものかも知れないね」

アリス「ん!」(貸して 貸して)

キウィ「え、読みたいの? ダメダメ、〇ックスシーンや〇人シーンがあるからアリスには早い」

   「ちょっと待て、これならいっか。自分の才能を自慢しすぎると手痛いしっぺ返しを喰らうんだぞ」つ(誇り高き葡萄酒)


メモ
「楽園の汚染」 :ゴルゴを買って(意味深)SMプレイを仕掛けるぶっとんだ女マフィアが出てくる。

「キャサワリー」:レズビアンで美熟女の殺し屋がゴルゴに挑む前にお楽しみをするシーンあり。なおゴルゴは持病が起きている。

「メジャー・オペレーション」:対ゲリラ戦のシミュレーションのためアメリカ軍特殊部隊が丸腰のゴルゴを襲う。

「帝王の罠」:傭兵集団と化した警察とゴルゴとの摩天楼を舞台にした死闘

「崩壊第四帝国 狼の巣」:難攻不落の要塞でのナチス残党集団とフル装備ゴルゴとの死闘

「誇り高き葡萄酒」:日本人をだまして安物ワインを売りつけたフランス人がばれそうになって凄い困る。ゴルゴの嫌みがきつい。

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ファネ「ここが屋根裏部屋ね。煙は上に上るから、巻き込まれないためにはここが最適かな」

   「悪い魔女の魔法にどのくらい効果があるか… それでもやるしかない」

   (水筒の水はすべて飲み干した… 幾ばくか火傷が軽くなるはず。そして前進あるのみ!)

   「神よライターをお恵み下さり感謝します」

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うてな「・・・あれ、そういやファネットちゃんはどこですか?」

アリス「ん?」

キウィ「うげ、見失ったのかよ。…んん? 煙が出てるけど暖炉をつけた?」

アリス「んーん」(否定)

キウィ「じゃあなんで煙が上がってんだ… … …誰か放火したのか!」

うてな「ひょっとして壁を焼いたら外に出れるって思ったんじゃないかな」

キウィ「あり得るかも」

アリス「ん」

ヴェナ「不味いんじゃないかい。ここいらで解放するのがお互いのためだと思うな」

   「我が子を焼き〇された金持ちの医師が連絡する相手って誰だろうね」

キウィ「…おいアリス、よく聞け。今すぐファネットを気絶させろ。夢か現実かわからなくさせろ」

   「忘れさせるよりそっちのほうがいい。何の拍子に思い出すかわかんねえし」

   「それから元の場所に戻すぜ。」

アリス「ん!」

うてな「とりあえず私達も変身しておきましょう」

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ファネ「うぐ~ 頭がっ 一酸化炭素中毒? 違うわね、空気が流れている」

   「また精神錯乱かっ もう少しで壁が焼け落ちるというのに・・・」

   「う~ん… 」

   「・・・ ・・・・」

>『おい銃弾はどうするよ。学校に保管したって記憶書き換えっか』

>『気絶してる間に火傷と刺し傷の治療もしましょうか。私が運びますね』

>『ん!』

(・・・だれよっ!? 3人?)

  ガ バ ッ    ボ カ ッ

ベーゼ「げぶっ?」

ファネ「あんたたち味方のはずないわね」

一気に体中のスイッチがオンになった。カッターナイフを使うべきだったか?
話し声は3人。飛び起きると同時にそのうち1人の顔面を殴り飛ばした。残りは2人だ。
エアピストルで一人を倒せればそのまま殴りつけるつもりでいた。

ファネ「こども?」

同時に2つのことに面食らって一瞬だけ判断が送れる。
1つは敵の一人が下半身に下着しか着用していないこと。これは単なる混乱工作だろうとすぐに理解した。
もう1つはエアピストルを向けた相手が子供で脅えた表情を浮かべたことで、こちらはすぐには理解できなかった。

ファネ「なぜこどもが うぐ、う~ん‥‥」

キウィ「ヴェナさん」

ファネ「危なかった。ネロアリスが全力で気絶させてもこれほどすぐに目を覚ますなんて。」

   「生存本能というのか、闘争本能というのか、いや逃走のほうかな。急ごう、またすぐ目を覚ますかもしれないよ」

   「思い切りぶん殴られたベーゼの治療も頼む」

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ファネ「!」ガバッ

   「ゆ、夕方だ。私は一体何を… たしか変な猫におそわれて… 変な格好の女とこども…??」

   「空気銃はここにあるわね。銃弾は部室に全部おいてきたし… 針で刺した後がない?」

   「…魔法少女とか悪の組織とか聞いたことあるけど、人を誘拐して何もせず解放する悪の組織ってあり得るかしら?」

   「邪気に当てられて変な夢を見たのかな。 ・・・いけない、ホストファミリーの家へ帰らねば。」

   「そろそろ帰国の準備もしなくちゃいけないわね。お別れの挨拶も考えなきゃ」

④ー2  第四回戦反省会

ヴェナ「どうして僕を簀巻きにするんだい、キウィ」

キウィ「ったり前だろーがっ! 本気で命の危機を感じたのは2回目だぞ!」

うてな「ファネットちゃんも思い切りぶちのめしてくるんだもん。顔面をグーでぶん殴られるなんて初めてです。私まで気を失いました」

   「変身してたのに一般人に殴られてあんなに痛いなんて… 角度が違うのかな」

キウィ「あんなの仲間にするのは無理。敵に回すのはもっと無理」

うてな「なんていうのかな。トレスマジアから〇意を感じることはあるんだよね。私たちが攻撃で〇んでもいいやって本気で思ってるときもある」

   「でもファネットちゃんには〇意なんてなかった。ただ単に事を処理するっていう意識しか感じなかった」

   「襲ってくる敵を〇すのと道をふさいでる放置自転車をのけることが同じって域に片足を突っ込んでるんじゃないかな」

キウィ「なにそれ。人間やめてない?」

ヴェナ「それはそうと大丈夫だっただろうね。正体に勘付かれていないかい」

キウィ「本当に大変だったんだからな。エアライフルやエアピストルのことなんかわかんないのにさ」

   「使った分をくすねてきて補充したり、様子を窺ったり… 」

   「カミソリみたいな目でこっちを見てきたときには終わったと思ったけどバレてはいないよ」

うてな「でも女の子にモテる女の子っていいですよね。強くて美人で賢くて優しくて実家は大病院の金持ちで…」

   「それに比べて私は… あれこれ適当な理由をつけては輝いてる人を困らせるのを楽しんでる… はあぁ(溜息)」

ヴェナ「俺はただ…… 依頼者が絶対的に求める、技量と価値観を、身につけるよう心がけているだけだ……」

   「ゴルゴ13のセリフだ。君も君の大切な人が君に持っていてほしい技量と価値観を身につけるよう努力すれば良いんだよ」

うてな「なるほど。怖いだけじゃないんですね。でももう二度と関わり合いになるかもとすら思いたくないです」

   「焼け落ちかけたドールハウスを修理するだけじゃ済みそうにないですから」

   (もし狙われる羽目になったら・・・)

③ー3 柊うてなの妄想


『魔 法 少 女 の 親』


アズールパパ「そろそろ時間だ。時間には正確なエキスパートと聞いているのだが… 」

      「何かルール違反があったかな。残念だ。呼び鈴くらい鳴るはずだろうに」

      「あっ!?」

デューク東郷「・・・俺にそういった慣習はない。用件を聞こうか・・・」

アズールパパ「い、いつの間に私の部屋に?」

パート1「父親という生き物」


パパ「ミスター東郷、私は実業家で信頼と実績を重んじます。そこで契約の前に『ゴルゴ13』について調べさせてもらいました」

  「貴方が私ならきっとそうするはずです。これは余計な詮索というルール違反ではありますまい」

東郷「それで・・・?」

パパ「・・・あなたに娘さんがいるという情報をキャッチしました。私の依頼も娘が絡むものです」

  「つまり私と貴方とは、娘を持つ父親という共通点があるのかと。一人娘を想う父親の気持ちが分かっていただける相手が望ましい」

東郷「それが必要条件ならこの話はなかったことにしてもらおう」

  「そして俺の”血筋”の調査も… これ以上はルール違反だと言っておこう」


パパ「し、失礼しました。勘違いをお許しいただきたい。調査もしません。ですから話だけでも聞いてください」

  「私の娘は… 私には気づかれていないと思い込んでますが… 魔法少女として活躍しています。」

  「魔法少女として戦っている娘は、親の贔屓目でしょうが、快活で誇らしげで… 知っていると言えないのが悩みでした」

  「認識阻害魔法なぞに惑わされているようでは親失格でしょう。それに変身の瞬間を見るチャンスも一度二度ではなかった」

  「しかし最近はどうにも様子がおかしい。会社のお抱え探偵に探らせたのだが… クソッ! 女の探偵もいたのに! 私のミスだ、畜生!」

  「し、失礼。だが写真術の上手い奴なのでこの写真が撮れた!」


          スチャッ


東郷「手をゆっくりと動かすんだ。」

パパ「はは、承知してますよ。つまりこの写真です… いくらプロでも男のあなたに見せるのは屈辱だが…」

  「つまり、私の娘は、その新入り幹部になぶられたのだ。正義と悪の戦いなら娘の選んだ道だ。痛めつけられてもまだ耐えられる、しかし…」

  「娘が面白半分にもてあそばれて耐えられる父親などこの世におらん! だが認識阻害魔法があるからどこの誰かわからない」

  「その現場を見られたと知られるわけにもいかない。だからあなたに頼むのだ! こいつに命で償ってもらいたい!」

東郷「俺に父親の気持ちとやらが理解できるかわからんが、お前の言葉に偽りはなさそうだな。やってみよう。標的の部分を切り取ってよこせ」

パパ「おおお! ありがとう、ミスター東郷!」

東郷「もう一つ確認だ、この件の依頼人はお前ひとりか」

パパ「そうだ、私一人で妻も知らないことだ。荒事には巻き込みたくない。それから正体が誰かなんて教えないでくれ」

  「もしも知っている人だったらと思うと… ただでさえ弱っているのにどんなショックになるかわからんからな」

パート2 「邪念を祓う者」

三重県某所

神職「私に頼みとは何でしょうか」

東郷「この写真を見て気づいたことを言ってみてくれ」

神職「・・・はあ? ・・・えっと  ・・・いやこれは認識阻害術ですか」

東郷「写真の人物が誰かわかるようにできるか」

神職「完全にとはいかないかもしれません。人類の敵は人類の一部だけでは倒せない」

  「あと一回は別の誰かにも頼んだほうがいいでしょう。我々とは別の宗教もあるということです」

東郷「明後日また来る。それまでにできることをしておいてくれ」



ローマ市某所

司教「久しぶりだねミスターゴルゴ。その節は世話になった。それで… 用件は何だね」

東郷「これを見てくれ」

司教「・・・おいおい、ジャパンのコスプレアニメガールに興味があるのかよ」

  「なんと卑猥なHENTAIだ。こいつは未成年じゃないのか。どこで手に入れたか知らんが焼き捨ててしまえ」

東郷「・・・悪の組織」シュボッ

司教「え? うっ! そうかこれは認識阻害の呪法か!」

東郷「弱まっているはずなのだがな・・・」フー

司教「ハハハ、ついびっくりしてな。未成年と分かっただけすごいだろう。明日のこの時間までに完全にわかるようにしてやる」

東郷「頼んだ・・・」

司教「行っちまったか。いくら悪の組織でも、あのプロフェッショナルが相手じゃなぁ‥‥」

  (俺がしなくても誰かに頼むんだろ。誰かは知らんが悪魔の甘言に耳を貸すとは哀れな。せめて俺が罪を半分背負ってやるよ)


パート3 「悪の組織の逃亡者」


ヴェナ「言っておくけどね、僕は君を少しばかり焚きつけたことは認める。しかし君の行為はほとんど君の選択だったはずだ」

うてな「調子に乗ってやりすぎた。土下座したってもうお終いだ」

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ベーゼ「いつもはヒイヒイ泣いてるくせに今日は余裕の表情ですねぇ。なんのハッタリですかぁ?」

アズール「私は親に愛されているっていうことよ。私には貴女の正体がわからないけど」

    「両親は私のために… 仇を取ってくれる人を探したみたい」

    「貴女は責任を取らねばならない。その方法はただ一つ… 命で償う覚悟はあった?」

    「フフフ… 変身する瞬間、解除の瞬間、今まで誰にも見られなかった? 生きていられたらまた会いましょうね」


ベーゼ ()ゾワ~ッ

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うてな「変身しっぱなしというわけにはいかないから一日の大半は単なる女子中学生でしかないですよ」

   「仇って、命で償うって、生きていられたらって、あれはどう聞いても〇し屋かヤ〇ザを雇ったってことじゃないですか」

   「既に柊うてなが正体だって気づいてるかも・・・」ゾワ~ッ

   「に、に、逃げよう! こりすちゃんのドールハウス…」

ヴェナ「魔力が切れたらそれまでだし杜乃家を巻き込んじゃうね」

うてな「じゃあナハトベースに籠城する…」

ヴェナ「こりすやキウィは安全なのかい。彼女たちを脅して案内させるかも知れないよ」

うてな「… … どこか別の町へ逃げよう! 学校は退校処分だし家出扱いだろうけどそれしかない!」

   「あんたももう私とは無関係よ、話しかけないでね。どこで誰が見ているかわかんないから」

ヴェナ「いいよ。そうしよう。」

パート4 「すぐに忘れられるニュース」


うてな「見知らぬ町で雨まで降ってきました。あと何日くらい生活できるんでしょう‥‥」

   「お巡りさんや大人の人の目がこれほど怖いとは思いませんでした。見つかったら保護されて連れ戻されて…」

   「勝手に学校をサボったことや家出をド叱られるくらいならいいですけど、〇刑台への一本道ですからね…」とぼとぼ


 ーー おい探したぞマジアベーゼ、どこへ行くんだよ!ーー
 

うてな「へ? キウィちゃん?」クルッ

   「… あ…」

東郷 「聞き間違いです、などと言わないだろうな」 つ『録音機』

うてな「トr」

東郷 (変身道具を熟知している!)

   ヒョッ  グサリ! 


「うぷっ…」

   ドサッ

(人間だから血が赤い? うてなでいたかった。ベーゼの血なんか、みんな出ちまえ・・・ )


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続いてのニュースです。本日未明、〇〇市の住宅街で、◇◇県××町に住む10代の女子中学生が心肺停止の状態で発見されました。
発見者の話では、首にナイフのようなものが刺さっていたということです。
女子中学生は数日前から行方が分からなくなっており、警察では家出してトラブルに巻き込まれたものとみて捜査しています・・・

パート5 プロフェッショナルのルール


パパ「何ですって、ルール違反があった!?」

東郷「標的は自分が狙われていると確信していた。お前は誰かに話したか?」

パパ「いいや話していないぞ。…しかし責任を取れというのなら私にとらせてくれ! 頼む!」

  「娘が勘付いて敵に話した‥‥ というのが有り得そうな線だ」

  「子供が嗅ぎつけたといっても親である私の責任だっ」

東郷「お前が話していないというのなら、またお前の娘が俺のことを知らないというのなら、・・・ギルティとまでは言えない」

  「俺のことを詮索するなとよく言っておけ。次は無い」

パパ「わ、わかった…」

  (俺たち夫婦が娘を見ているように、娘も俺たち夫婦を見ている年だということか‥‥ もう隠し事は出来んな)


E N D

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うてな「ふと思ったんですけど・・・  こっちにだって銃器はいっぱいあるんだから不意打ちとかどうかな?」

   「離れたところからレオパルトちゃんがどっかんどっかん撃ち込めば、あるいは・・・」

キウィ「こっちに押し付けないでくれよ」

ヴェナ「思いつきだけで行動するのは愚か者のすることだ。」

ヴェナ「それを得意気に話すのは、もっと愚か者のすることだ。」(スキャンダルの生まれる日)

うてな「…」


キウィ「いやそれより自衛隊あたりから戦車や重機関銃をもってきてさ、支配の鞭(フルスタ・ドミネイト)で操れば」

ヴェナ「おまえたちはそろいもそろって、能なしの役立たずだな!」(ザ・メッセンジャー)

   「お前の仕事は、当分黙っていることだ」(餓狼おどる海)

キウィ「こりす、レジ袋持ってこい。密封してやる」

ヴェナ「ふざけすぎた悪かったよ。それに本気で挑もうっていうんじゃないだろう?」

ヴェナ「念のためだ、ファネット・ゴベールが帰国するまで練習試合はお休みにしよう」

⑤ 第五回戦:正統派宇宙海賊とその相棒


うてな「ネロアリスちゃん特訓の趣向を変える必要があると思うんですよ。このままじゃ駄目です」

   「なんていうか碌な目にあっていないじゃないですか」

こりす「ん」

キウィ「私に言わせりゃさあ、アリスの能力は多彩で万能で応用がきくけどまだまだ魔力自体の強さがないんだよね」

   「だから単純な力押しになるとやられる感じ? 今までの敵も敵だけどさ」

うてな「同意見です。そこでこんなものを作ってみました」

こりす「ん」フンスッ

うてな「私の元来の器用さとアリスちゃんの能力を組み合わせ… 閉じ込められたら出られない部屋です! めっちゃくちゃ頑丈に作りました」

   「ここに生贄を放り込めば無理にでも出ようとするでしょう。そこをアリスちゃんの魔力で抑えようってわけです」

   「これで小細工なしの単純な力強さを鍛えましょう。ついでに私たちも最初から変身してスタンバイしておきましょう」

ヴェナ「なるほど、名案かもしれないね。」

うてな「だからまあ、かなりの武闘派でも大丈夫でしょう」

   「おっ… 真っ赤な全身タイツみたいな変な服の男と鎧を着た人かな? が二人連れで歩いてますよ。なかなか筋肉質に見えますね」

   「でもなんだか妙にスタイリッシュに見えます。ちょっと間違えたらお笑い芸人なのに」

キウィ「路上禁煙なのに葉巻なんぞ咥えてやがる。マナー違反だぞ。懲らしめてやろうぜぃ」

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コブラ「ありゃあ? ここはどこだ。ちょっとお土産買うのにこの次元に来てよ」

   「あのチビがこっちだって言うからついてきたら、妙な部屋に入れられたぜ」

レディ「天井も壁も真っ白じゃない。それにモニター?」


2人が怪訝に思っているとモニターがパッとついてニヤついた女が話しかけてくる。


ベーゼ ≪いやいやおふたりさん、お忙しい所およびだてしてすいませんねえ≫

    ≪悪いんですがおふたりには私が満足するまで出られない部屋に入ってもらいました≫

    ≪どうしても出ていくというなら力づくでどうぞ≫

コブラ 「シつッコイねえギルドも。グラビアデビューなんかしないって言ってんだろ」

    「いい加減にしねえと味噌つけて頭から喰っちまうぞ!」


ベーゼ ≪ギルド? いや知らないですね≫

    ≪おふたりは魔法とかスタンドとか使えますか? つかえるんならぜひ見せてほしいと思いまして≫

レオパ ≪まあゆっくりしてって~。記念すべき最初のお客さんだよ、ふへへ≫

コブラ「おい… 悪戯にしちゃあ度を超えてるぜ。本気で俺がここから出れねえと思ってんのか」

   「俺は女を殴ったことはないが〇したことならあるぜ? それから口のきき方に気をつけろ。俺は気が短けぇんだ」

「」ビクッ

レディ「やめなさいコブラ、あんまり女の子を怖がらせるものじゃないわ」

コブラ「女の子?」

レディ「・・・ああ、そっか。貴方の目は肉眼だったわね。え~っと」

   「だいたい電気使いのミスティくらいかしらね。14~15歳くらいか。私の目には透視機能がついてること忘れてないでしょ」

   「認識阻害の魔法でごまかしてたのよ」

コブラ「な~んでえ、つまんないの。10年早いぜ」

レオパ(こんな早くバレるとか! さっそく悪い予感がしてきたんだが逃げていい?)

ベーゼ(大丈夫です。多分。保護者枠を私一人にしないでください)


メモ:コブラから見てモニターの向こう側から聞こえる声(マジアベーゼ達の声)は≪≫で表してます。
  ()は聞こえないように小声で話してるとでも思ってください。

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コブラ 「まずはマイトシガーだ」

   ポイッ  ボウウゥゥン

レディ 「あら、湿気ってるみたいね」

コブラ 「ちぇっ 線香花火にもなりゃしねえ」

    「仕方ねぇなあ、そんじゃ、ま、俺の身分証明書その2といきますか」 スチャッ

    「危ねえから下がっていろよ~」

アリス ≪ん≫ (身構える)

ベーゼ ≪そんな拳銃で壊せるような代物じゃありませんよ。一晩かかった力作なのです≫

レオパ ≪…いやあれはちょっと不味い。大きすぎるぞ。あんな馬鹿でっかいもの見たことねぇ≫

    ≪ネロアリスひとりの魔力じゃ勝負あり、だ。なんだよあれ≫

コブラ 「知らねえのかい。パイソン77マグナムってんだ」

    「銃口初速2000m/s。 500メートルの距離から撃っても厚さ100センチの特殊合金を撃ち抜けるんだぜ」

レオパ ≪小型ミサイル並じゃねえかよ!? そっ 備えろー!≫

アリス ≪ん!≫

   ガウゥーン!  ビシッ

アリス ≪ん…≫

ベーゼ ≪は、ははは。壁が凹んだだけじゃないですか。3人の魔力を合わせりゃこんなものですよ≫

   (傷一つつくはずないのにまたまたまたまた訳の分かんない人が… 泣いていいかな…)

レオパ(終わったらホテル行こうや~ 慰めてやるよ~)

コブラ 「ふうん・・・ 凄いねえ そんならこれでどうだ」

   ガウゥーン!  パキィィ ー ィン

ベーゼ ≪壁に、穴が・・・ なぜ? どうして今度は穴が開いたんです!?≫

コブラ 「銃声が1発分しか聞こえなかったかい。腕は錆びついていないようだぜ。俺は0.1秒で6発全部を撃てるんだ」

ベーゼ (人間に可能なのかしら?)

コブラ 「・・・っと、だがここまでだな。鉛弾がなくなっちまったい。もうパイソンは使えねえな。お手上げだ」

ベーゼ ≪よ、よっしゃ! まだ小さな穴が開いただけだ!≫

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レディ 「しょうがないわね。それじゃあ選手交代ね」

ベーゼ ≪鎧を着こんだ人が挑戦するんですって≫
 
レオパ ≪透視機能付きの鎧って珍しいね≫

レディ 「・・・貴女たち勘違いしてるわね。鎧じゃあないわ。自己紹介しておきましょうか。私はアーマロイド・レディ」

    「古代火星文明の遺物:ライブメタル製のボディを持つアーマロイドよ」

アリス ≪ん~?≫

レオパ(ヴェナさん、何のことかわかる?)

ヴェナ(わからないね。全ての並行世界やマルチバースを把握してはいないんだ)

レディ「凄まじい超合金でできた戦闘用強化サイボーグみたいなものと言えばわかるかしら? 格闘技もできるわ」

レオパ ≪…そっ 備えろー!≫

レディ「用意はいいわね。それじゃあ行くわ」

 「デヤァー!」
    「デヤァー!」
       「デヤァー!」

 掛け声とともに鉄拳が壁にめり込んでいき、壁にヒビが広がっていく

レオパ ≪まずいぞ、ここままじゃ・・・≫

レディ「ふう・・・ デヤァー!」 バキィーン

ベーゼ「か、壁がぁ‥‥」

レディ「これはこれは。直接会うのは初めてだったかな。初めまして」

ベーゼ「は、初めまして…」

レディ「私達は小さくされていたのねえ。凄い魔法じゃない。見直したわよ」

   「よっと。あら、部屋から出たら体も大きくなるのね」

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コブラ「そいで閉じ込められたら出られない部屋ってえのはどこでぇ?」

ベーゼ「すいません。勘弁してください」

ヴェナ「ものすごい戦闘能力だね。それに言い方は悪いけど人〇しの悪党のにおいでむせかえるようだ。よかったら組織に入らないかい」

   「服の上からでも分かるよ。鋼のような筋肉じゃないか。君みたいな地獄をねぐらとしているような逸材を探していたんだ」

   「僕はヴェナリータというんだ。君なら明日にでも全ての悪の組織のトップに立てるよ」

レオパ「コラー! 本気かー!」

アリス「んっ・・・」 (ちょっと嬉しそう)

コブラ「よせやい。俺は子守が苦手なんだ。用事の途中なんだ帰らせてもらうぜ」

   「タートル号応答せよ。こっちに急行してくれ」

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ヴェナ「すばらしい宇宙船だ。仕事とは無関係に欲しくなったよ」

アリス「んっ・・・」

コブラ「いやだ。ことわる。」

レディ「異次元潜航エンジンに異状なし。すぐにでも目的地に行けるわ」

コブラ「そんじゃさようなら。もう悪いことするんじゃあねえぜっ」


ー タートル号操縦席

コブラ「・・・っとやれやれ。とんだ寄り道になっちまった。お土産運んでる中途だってのによ」

   「俺はすぐに出られたが、例の彼女は永遠にたった一人っきりになるところだった… 一部屋だけの宇宙、か・・・」(神の瞳編)

レディ「だからあなたが行っておしゃべりしてあげるのよ。いいみやげ話ができたじゃない。ところで・・・」

   「なぜサイコガンを使わなかったの。サイコガンならあれくらいの壁は紙みたいなものでしょ?」

   「単純な腕力だって私よりあるんじゃなかった?」

コブラ「ははっ レディ、自分が言ったんだぜ。『あんまり女の子を怖がらせるもんじゃない』」

   「それに見たところ俺たちの文明よりだいぶん遅れているようだ。見せびらかしちゃ悪いってもんよ」

レディ「それもそうね。さあ急ぎましょうか。近くまで来たらこのウサギを持って行ってあげて」

   「広い宇宙を、遠くの銀河の輝きを見せてあげましょう」

⑤ー2  第五回戦反省会


うてな「ヴェナさん何を考えてるんですかまったく。勧誘するならですね、もっとこう可愛らしい女の子をですね」

ヴェナ「作戦だようてな。君はときめきとかざわめきを感じなかったかい? そうかタイプじゃないか」

   「ストレートに言えば彼は女たらしだ。背伸びしたい女の子から伴侶を求める大人の女まで、女のほうからハートを鷲掴みにして欲しがる」

   「でも彼はイバラの道の未来を選び、女が心に描いてる幸せは手に入らないかもね。そこでさらに惹かれる」

   「まあ君にとっての幸せは根本的に形が違いすぎだ。あまりに特異というか風変りというか」

うてな「う、うう・・・」

キウィ「つまりあれか、トレスマジアどもを色仕掛けで堕とそうってことか」

   「その前にうちのこりすが女の顔になってるぞ」

こりす「ん・・・」

キウィ「駄目だこりす、もう彼には会えない。ギルドとかいうのと抗争しててあんなダイナマイトや拳銃を持ち歩いてるんだぞ」

   「こりすは天国に行けるだろ、でもあいつがいつか行くのは地獄だ。住む世界が違うんだ」

こりす「ん・・・」(しょんぼり)

⑥ 第六回戦:探偵


キウィ「頭が沸いてるのが一人だけでも手に負えないってのに二人に増えちまった」

   「おっと自分を忘れてた。三人だったな。これ以上増えないでくれよ」

こりす「ん・・・」

ヴェナ「そいつは保証できないね。さて前回は人間の能力の限界に近い人を選んだら他の宇宙から化け物が来た」

   「こんどはもう少し身体能力を抑えようか」

うてな「でも結構がんばれたと思うんですよね。小型ミサイルに一度は耐えられたし」

   「そんじゃあそういうのを探してくださいね、猫ちゃん」

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ゴクウ(この町はどこだ。次元移動ミサイルの事故に巻き込まれたことは覚えている)

   (ビルの林がないってのは見晴らしが良いもんだ… うん? あの襤褸切れみたいなぬいぐるみは俺を呼んでるのか?)

   「殺風景な部屋だ・・・ 古臭いディスプレーしか置いてない。映画館か? チケット売り場はなかったが」

ベーゼ≪いやあ、お忙しいところご足労いただきまして。私は悪の組織エノルミータのマジアベーゼと言うものです≫

   ≪この部屋は特別に頑丈に作った、いわば閉じ込められたら出られない部屋… 出たいなら力づくです≫
 
   ≪まあ私たちの魔力で押さえつけますけどね。ふへへ≫

ゴクウ「そいつはいい。保証書はついてるのか。クリスマスに売り出せ。」

 シュボっというライターの音が聞こえた。煙草に火をつけながら顔色一つ変えずにジョークを飛ばしてくる。
 ワイシャツなしのスーツとでもいうような独特の服装をしている。眼差しは淋しそうに渇いていた。

レオパ(なんか… 前回の人と同じ匂いがするんだが、知り合いかな)

アリス(ん)

ベーゼ(服装も同じようなテイストです)

ゴクウ「内緒のひそひそ話は女の子の特権だな。特に中学生あたりは秘密を持ちたがる」


 ー認識阻害魔法検知 解除中 解除成功ー

 ー氏名 阿良河キウィ 柊うてな 杜乃こりすー

ゴクウ「そういうことかい、阿良河キウィ 柊うてな 杜乃こりす。こっちも自己紹介しよう。風林寺悟空だ。よくジェームズ・ディーンと間違われる」

レオパ ≪おい! 個人情報まで知られたのこれで2回目だ、どーすんだよ!?≫

ベーゼ ≪なぜ、どうしてわかったんです?≫

ゴクウ「調べりゃわかる。俺の左目は超高性能端末機になっていて世界中のコンピュータにアクセス可能だ。スキャナー機能もついている。」

   「お前さんたちの顔をスキャンして画像データ化しネットワーク検索するくらいすぐできるさ。住所と電話番号も把握済みだ」

   「だが驚かされたな。魔法を検知したのは初めてだしそっちの浮いている黒いのの正体は不明だ」

レオパ ≪嘘つけ、AI顔認証じゃねえか! 目ん玉みたいなちっちゃい機械でそんなことできるわけないだろ~!≫

アリス ≪ん!≫ (そうだそうだ)

ゴクウ「そんなに信用のない顔かな。刑事をやめて正解だった… 政治家にでもなろうか」

   「君のブラジャーの色でも透視してやったら信用するかい。おまけでスリーサイズも計測してやる」

レオパ ≪おまけにセクハラ魔だー! 私にセクハラしていいのはうてなちゃんだけだぞー!≫

ベーゼ ≪しないよ≫

ゴクウ「お前さん、自分の下半身を見たことがないのかい。どっちがセクハラ魔だ。まあいいお巡りさんを呼んでくれ」

   「犬のおまわりさんだぞ。なにせここに迷子の子猫ちゃんがいるからな」

   「安心してくれおうちも大丈夫だ。西暦2014年の東京シティに帰りたいって泣いてるんだ」

ベーゼ ≪2014年ってこりすちゃん産まれてたっけ? だいぶん昔だよ≫

アリス ≪ん?≫

レオパ ≪それに東京シティってなんだよ≫

ゴクウ「なんだと? ・・・ ・・・・ 確かにそのようだ。ここでは2014年が昔のことらしい」

   「なんて未来だ。・・・違うなここは別の宇宙かもしれん。道理でOSがおかしいと思った」

   「次元移動ミサイルめ。今度会ったら損害賠償請求してやる」


ヴェナ ≪君たち目的を見失っていないかい? ネロアリスの魔力を鍛えるんだろ?≫

ベーゼ ≪あ、そうだった。え~っとゴクウさんでしたね。そんなに急いで帰りたがらなくてもいいじゃないですか≫

    ≪ちょいと付き合ってくださいよ。具体的にはその部屋から出ようと足搔いてください≫

    ≪それとも諦めて子猫ちゃんとして飼われますか? なんてね、ふへへへっへ≫

    ≪いくらコンピュータネットワークに侵入できてもその部屋から出るのは無理ですよ≫

レオパ ≪おまけに私たちがどこの誰かまで知ってしまったからな。かわいそうだが一生そこにいてもらうぜ≫

ゴクウ「そいつは断る。子猫は脱走の名人だからな。そしてこんな玩具まで持っている」

   「如意棒だ。こいつは無限に伸びるんだ」


     ギュオオオオ・・・・ オオォン  ドゴオオオォン

レオパ「壁に、穴が、2つ…」

 崩れた壁を広げて咥え煙草の男性が顔を出す。少なくとも見た目は人間であることが安心材料だと自分自身に言い聞かせた。
 左目が赤く光ったように見えた。キウィはスリーサイズとブラの色がバレるという恐怖を感じたが、そこまでデリカシーがなくはなかった。


ゴクウ「すまないがタクシー呼んでくれ。ツケで走ってくれるのが良い」

ベーゼ「ううう… 徹夜で修理して補強したのに…」

   「マグナムより酷いですよ。マグナムは弾ぎれしますから。」

アリス「…ん」

ゴクウ「おしゃべりはそこまでだ。悪の組織とか言ったな。ここはお前たちのアジトらしいが、俺がさまよった街とは別の空間か?」

ヴェナ「ここはナハトベースだ。通常の空間とは別物だね」

ゴクウ「それなら俺が元いた世界・宇宙に帰る方法がわかるか?」

ヴェナ「残念だがわからない。マルチバースをすべて把握してはいないんだ」

ゴクウ「それじゃあ帰る方法を考え付いてくれ。できないなら魔法を使え」

ベーゼ(むちゃくちゃなこと言い出しましたよ!)

レオパ(魔法を使えって… んあっ!?)

   「異次元潜航エンジンのついた宇宙船をついこの間見たばっかしじゃねえか! そいつのおもちゃをつくりゃいいんだ!」

   「そいつを本物にしちまおうぜぃ! できっだろアリス?」

ベーゼ「む、む、むちゃだよ。そんなのネロアリスちゃんの魔力だけじゃ足りないよ絶対。」

ゴクウ「エネルギー問題か。この如意棒は衝撃波も出せる。威力は無限大だ。こいつを使えないか」

レオパ(・・・無限?)

ベーゼ(さっきも無限ってさらりとトンデモナイこと言わなかった?)

アリス「ん」(なるたけやってみます)

レオパ「おっちゃんもさぁその義眼凄いんだろ。インターネット検索とか資料の分析・解析もできんの?」

   「できるんならパラレルワールドとか多元宇宙論とかの論文探して協力してよ。こっちは女子中学生だよ。」

ゴクウ「いいだろう。それじゃあ頼む。オートメーション化された工場もあればなおさら助かるんだがな」

ベーゼ(悪い人じゃなさそうですけど個人情報握られたら言うこと聞くしかないですよね)

レオパ(うん)

アリス(ん)



メモ:1989年のOVA「MIDNIGHT EYE ゴクウ」での風林寺悟空の声はムック(ガチャピンの相方)の声と同じ松田さん

⑥ー2  第六回戦反省会

キウィ「おあ~・・・・ 3人+ヴェナさんの魔力を全部持ってかれた・・・ でもきちんと動いてよかった・・・」

うてな「・・・やっと帰ってくれましたね。前回同様ハードボイルだけどもっと濃厚に危険な香りがしてバイオレンスでエロティックでした」

   「逆らったら私たちが正体だってことに加えて住所氏名電話番号スリーサイズに下着の色まで拡散されるかもと気が気でなかったです」

キウィ「露伴先生にもらった札束が宇宙船模型の材料に消えちまったぃ。泣けるぜ」

こりす「ん」

うてな「わかったことがあるんですよ。めっちゃくちゃ頑丈に作って魔力も3人分注ぎ込んだドールハウスなのに・・・」

   「力づくでいとも簡単にぶち壊されてしまいました」

キウィ「パイソン77マグナムやアーマロイド、無限に伸びる如意棒? が相手なら仕方ねえっしょ」

うてな「それは言えますけど、やっぱし考えなしのゴリ押しって失敗のもとですね。相手の特技や個性を研究して対処しないといけないんです」

   「例えば… 凍らせてくる敵なら高性能の暖房器具をいっぱい置いておく、とか…」

ヴェナ「それは言えているかもしれないね」

   「ネロアリスちゃんも様々な敵と戦い、着実に経験を積んでいます。もうちょっとで仕上がりますよ!」


⑦ 第七回戦:子守ロボット&小学生


うてな「力づくの相手は食傷気味です。もっとこういろいろ手を変え品を変え立ち向かってくる相手がいいですね」

   「私のもそうですが自分の領域に取り込んでしまえば何でもありのネロアリスちゃんの魔法にも臨機応変の判断力が必須です」

   「トップレベルの猛者達と戦ってアリスちゃんの魔法も鍛えられてますけどね」

キウィ「まあ気長に探しゃあいいだろ… 都合のいい奴がそうそう居るもんじゃねえよ」

こりす「ん…」

ヴェナ「バラエティ豊かな能力、ということだね。そもそも多芸なのか、一種類の能力で応用がきくのか… 」

   「! こいつはラッキーだ。あっちを歩いてる3人がいるだろう。あいつらを引き込むんだ」

キウィ「誰だよあの顔のデカいの。連れはこりすくらいか? もうちょい上かな?」

ヴェナ「いいからいいから。多分向こうは僕のこと知らないけど、悪の組織として知っておくべき相手なんだ」

   「とんでもないお宝が手に入る。はははは」

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ドラ 「いやあ、今日は買い物につき合わせちゃって悪かったね2人とも」

ジャイ「いいってことよ。どうせ家にいても店番させられっからよ」

のび 「しずちゃんにスネ夫も来ればよかったのにね」

ジャイ「荷物もってやったんだぞ。お茶くらい飲ませてくれよ」

ドラ 「やっぱりそれが狙いかい。まあいいよ」

のび 「あれ・・・? しずちゃんたちも来てるみたいだよ、ほらあれ。迎えに来てくれたみたい」

(のび太はネロアリスのぬいぐるみをロボッターか無生物催眠メガホンで動いていると勘違い)

ドラ 「ああ、本当だね」

(ドラえもんはのび太の勘違いに引きずられた)

ジャイ「そんじゃあっちに行こうぜ」

(もちろんジャイアンも)

ドラ 「なかなかおしゃれな洋館に入っていったね。喫茶店かな?」

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ドラ 「何だいこの部屋は。資材置き場かな」

のび 「あっ見てよ。あんなおっきなテレビがある」

ジャイ「なんでえ喫茶店だと思ったのによ。まあいい帰ろうぜ」

のび 「テレビとガラクタだけおいてあるなんて変なの~」

   「?」ガチャ ガチャガチャ

   「ドアノブが壊れちゃったのかな?」

ドラ 「ええー? 何してるんだよもう」

ジャイ「俺がやってみる」

ドラ 「ああ力任せにやったらますます壊れちゃうよ」

   「いざとなりゃ道具があるからさ」


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ベーゼ「なんですかあのずんぐりむっくりは。あんなのがすごいんですか?」

ヴェナ「僕たちの商売仇だよ。あまりに自然にこの時代に溶け込んでいるから君たちは不審に思うことすらないけどね」

   「彼は特定意志薄弱児童監視指導員… 要するに未来からきた子守ロボットだ。あまり活躍されると悪の組織に引っかける子がいなくなる」

レオパ「へえ~ そう言われりゃあ変なロボットにも見えてきたぜ」

ヴェナ「世界各国に彼の仲間がいてね。ちょっとやりにくいと思っていたんだ。訓練ついでに排除してしまおう」

   「そうすりゃすばらしく便利な道具も大量に手に入る。僕たちは無敵だ。トレスマジアなんぞイチコロにできる。キヒヒヒヒ」

ベーゼ(ん? 私はこっちの味方でいいのかな?)

   「念のため僕は隠れているけどあとは任せたよ。やっちまえネロアリス! 君は最強無敗の神にだってなれるんだ!」

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ベーゼ ≪初めまして皆さん、お困りのようですねぇ≫

のび 「あ、テレビに人が映ったよ。こっちが見えてるのかな」

ドラ 「こんにちは。ぼくドラえもん。ここは君の部屋かい? 悪いね、知らずに入っちゃった」

   「鍵が壊れちゃったみたいなんだ。外から開けてくれないかな」

ベーゼ ≪そいつはできない相談ですねえ。なぜなら皆さんはここで私達エノルミータに倒されるからです≫

のび 「ねえドラえもんの知ってる人? 聞いたことないよ」

ドラ 「今までにやっつけた奴らの残党かな」

ジャイ「やい! エノルミータだか絵の具三日だか知らねえけど何が目的だ? 教えやがれ!」

ベーゼ ≪この子の遊び相手になって欲しいんですよ。早い話がサンドバッグですね。必死に抵抗してください≫

アリス ≪ん!≫

レオパ ≪悪の組織が能力お披露目に一般人を襲うあれだよ≫

ドラ 「何言っているんだ。そんな乱暴な話があるか」

ジャイ「・・・////」

のび 「・・・////」

レオパ ≪・・・? ・・・はは~ん≫ ニヨニヨ

    ≪ひょっとしてさ、小学生の坊やにはコスチュームの刺激が強すぎた? ウブでやんのw≫ ニヨニヨ

ドラ 「ああもうまったく世話が焼けるなあ・・・ ドリームガン! 少し眠っててもらおう」 

   ズキュン  ズキュン

レオパ「はあ? 撃った!?」

ヴェナ(驚くことはないよ。おそらく麻酔銃だ。ああいった未来の不思議で便利な道具で彼はいろんなことができるのさ)

レオパ(その道具も頂いちまおうってことか)

ドラ 「四次元ポケットにしまってと。さてと、君たちエノルミータだっけ。どうも僕が未来のロボットだと知ってるようだね」

   「こっから見た未来の時空犯罪者ってとこかな」

ベーゼ ≪いいえ、それは違います。少なくともこの3人は現代人なので≫

アリス ≪ん≫

ドラ 「ふうん。どちらにしても僕たちを襲おうってわけだ。仕方ないね」

ベーゼ ≪ふっふっふ。覚悟は決まりましたか≫

========================

ドラ 「馬鹿馬鹿しい。付き合ってられないよ。どこでもドアー! これで帰らせてもらうからね」ガチャ

ベーゼ(あのポケットみたいなのが倉庫なんだな~ あんな大きいのも入るんだ)

ドラ 「あれ? どういうこと?」


ドアの向こうには資材置き場(?)が続いていた。いつもの空き地に行くつもりのドラえもんは面食らう。
どこでもドアが使えないのはどういう場合だったのかドラえもんは記憶をたどった。


ベーゼ ≪その空間は魔法をかけてあるから逃げれないんですよ≫

ドラ 「・・・そうみたいだね。もっと正確に言えばここは君たちの作った空間だろ。この場所は内蔵地図にないしドアは次元をまたげない」

   「どうも君たちを甘く見ていたね。ひみつ道具を総動員しなくっちゃ」

ベーゼ ≪そう来なくちゃ≫

ドラ 「その前に、緊急ドラミ連絡通信機! これで助けを呼んでやる。  ・・・だめだ電池切れだ」

ベーゼ ≪そ、そうですか≫

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ドラ (スペースイーターじゃ時間がかかりすぎるね。見逃しちゃくれないだろ)

   「壁をぶち抜いてやる! 空気ピストル! バンバンバン」

ベーゼ ≪それくらいじゃあびくともしませんね≫

ドラ 「それじゃあ空気砲! ドッカーン!」

アリス ≪ん≫

ドラ 「机が飛んできてななめになった? そのためのガラクタか。その小さい子の超能力だね。圧縮空気弾の威力をななめの板で弱めるなんて」

   「ショックガン! 衝撃波ピストル! アタールガン!」


無機物にショックガンはあまり意味がなかった。アタールガンも威力不足だった。
そして衝撃波ピストルの衝撃波は、硬い壁などに当たると跳ね返ってくることをドラえもんは忘れていた。


ドラ 「ぐべへっ  おお痛い。衝撃波が跳ね返ってきた・・・」

レオパ(ちょっと間が抜けてるとこがあるな)

ドラ 「手投げミサイル、ペンシル・ミサイル」

アリス ≪んー≫

ドラ 「駄目か。威力が弱いな。そんじゃあ取って置きだね」

   「君たちがかかってきたんだからね。悪く思わないでくれよ。ジャンボガン&熱線銃! これで最後だ!」

   「戦車だって吹き飛ぶしビルディングも溶かしちまうんだぜ?」

レオパ「おい! パイソン77マグナムよりマジヤバだぞあれ!?」

アリス ≪んー!≫


コンクリのブロックが飛んできてドラえもんの手からジャンボガンと熱線銃を叩き落とした。
そのまま2丁とも叩き潰してしまった。ひしゃげた銃を見てドラえもんが青ざめる。

ドラ 「うわあ! なんてことするんだ、こいつは膨大なエネルギーを詰め込んだひみつ道具なんだぞ!? それを叩き潰したらねえ!」

ベーゼ ≪・・・変な音がして白煙が上がってきましたね≫

ドラ 「えっと、えっと、ないしょごみすてホール! ホールが開かない! じゃあ安全カバーをひっくり返して…  はひぃ、間に合った・・・」

   「やい! ものすごい大爆発が起きて部屋ごと吹き飛ぶところだったんだよ!」

ベーゼ ≪す、すいません・・・ ほらアリスちゃんも謝って≫

ドラ 「・・・!? 僕が安全カバーに入れば安全に君たちを吹き飛ばせたかもしれないのに」

レオパ ≪やっぱちょっとぬけてるとこあるぞあいつ≫

ドラ 「うるさいなあもう、放っておいてよ」

========================

ドラ (なんで僕一人がこんな目に。のび太君だけでも起こしときゃ良かった)

   (起こしときゃ? これだ!)

   「夜ランプ、それに暗くなる電球!」

夜ランプをつけると出られない部屋が薄暗くなり、暗くなる電球で完全に真っ暗闇となった。
モニター越しではドラえもんがどこで何をしているのか全く見えない。


ドラ 「僕が何をしているのかわからないだろう」

ベーゼ ≪お部屋が真っ暗・・・ これはこれは≫

レオパ(あの2つって名前以外に何が違うんだよ? 良く見えねえな… )

   (なんだかぼんやり見えるような見えないような…)

ドラ「そして、こけおどし手投げ弾。音の機能は壊しておいた」

 ・・・カッ・・・ (ものすごい閃光)

アリス ≪ん!≫

ベーゼ ≪ぐう?≫

ヴェナ ≪うわっ?≫

レオパ ≪め、目が・・・≫

ドラ 「暗いから目を凝らしてよ~く見ていただろ? まさかスターライトスコープとか覗いてなかっただろうね。」

   「眼科に行っときな。そんじゃ僕は出ていく用意をするからね」

ベーゼ ≪くう 逃げられる・・・? まだよく見えない≫

レオパ ≪ぼ、ぼやける・・・  いやあっちだ、ネロアリス、あっちへ何か飛ばせ!≫

アリス ≪ん!  ・・・んん?≫


レオパルトがドラえもんらしき影を認めてネロアリスに指示を出した。それに従ってネロアリスは木槌を飛ばして影は粉々になった。
ドラえもんはロボットのはずなのに部品が散らばったりしないし悲鳴も聞こえない。何かおかしいなと思っているとドラえもんの声が聞こえる。


ドラ 「そいつはウソ800の入れ物じゃあない。僕はこの部屋から出ていくことができない」

   「そして僕ドラえもんが入っているのはどこでも大ほうだ。入った人はどこへでも飛んでいける機械、じゃないんだ。じゃあねじゃない!」

アリス ≪んん!≫

レオパ ≪よっしゃ間に合った! 木槌で叩けば大砲だってバラバラだぜ・・・?≫

========================

ヴェナ ≪いや聞いたことある。あれは喋ったことがウソになる薬だ。「ドラえもんが入っているのはどこでも大ほうだ」だって?≫

ドラ 「そっちはコピーロボットじゃあないんだよ。これは通り抜けフープじゃない!」

   (これは壁の原子を揺らして穴をあけるんだ。空間を捻じ曲げるわけじゃないからどこでもドアじゃ駄目でも・・・)

   (ついでに、そろそろウソ800の効果が切れる頃合いだな)

ベーゼ ≪あ・・・≫

アリス「ん」


壁に空いた穴の向こうへドラえもんが消えていく。ネロアリスが大慌てでドールハウスを開いた。


ドラ 「通り抜けた! ってあれれ・・・? またどっかの家の中じゃないか」

   「さっきまで居たところじゃないね。なんだいあいつらは。・・・大きなぬいぐるみやブリキの兵隊、エノルミータの仲間だね」

ベーゼ ≪第二ラウンドですよ、ドラえもんさん≫

   (アリスちゃんがとっさの機転で領域展開してくれて助かりました。成長を感じますね)

    ≪あなたが部屋から脱出した瞬間、別の建物へご案内しました。残念でしたね≫

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ドラ「とりあえず、タケコプター」

  「大きいだけで玩具じゃないか、おもちゃにはおもちゃだ、おもちゃの兵隊! それ突撃だ、みんな頑張れ!」

  「ころばし屋! 10円持っててよかった。みんなガリバートンネルを通って大きくなりな」

  「おまけでデラックスライト! これでデラックスなころばし屋と兵隊さんになったよ。撃て撃て!」

  ズダダダーン ガウン ガウン バキューン バキューン

アリス ≪んッ・・・ ん?≫

ベーゼ ≪これは不味い。防戦一方になってしまいました≫

ヴェナ ≪しかし壊されるほどの威力はないようだね。敵の弾ぎれを待とう≫

レオパ ≪あれ、どこへ行きやがったあのずんぐりむっくり?≫

ドラ (透明マント。これで今のうちにこの館を探ろう)

アリス ≪ん? んん~?≫

     うにゃー! ボカっ

ドラ 「あいて! 痛いなあもう。マントがはぎ取られちゃった」

   「な、なぜ見破れたんだい? 透明マントで見えなかったはずだ。まさか魔法!? 22世紀の科学が魔法に負けたって?」

ベーゼ ≪いやその・・・ その赤くて丸い小さいの、しっぽですか? それが見えてました≫

レオパ ≪ちょっと間が抜けてるところがあるって言われないか?≫

アリス ≪ん≫

ドラ 「し、しまった」

========================

ドラ (透明マント。これで今のうちにこの館を探ろう)

アリス ≪ん? んん~?≫

     うにゃー! ボカっ

ドラ 「あいて! 痛いなあもう。マントがはぎ取られちゃった」

   「な、なぜ見破れたんだい? 透明マントで見えなかったはずだ。まさか魔法!? 22世紀の科学が魔法に負けたって?」

ベーゼ ≪いやその・・・ その赤くて丸い小さいの、しっぽですか? それが見えてました≫

レオパ ≪ちょっと間が抜けてるところがあるって言われないか?≫

アリス ≪ん≫

ドラ 「し、しまった」

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ドラ 「どうすりゃいいんだ・・・」

なる (ドラえもん、ドラえもん、聞こえるかね? なるほどロボットだ。ポケットの中から話すから聞きたまえ)

   (敵にバレるといけないからこっちは見ないほうがいい。大丈夫だ時間稼ぎすればよろしい。自分で解決しなくていいのだ)

   (ミチビキエンゼルもそう言っておる)

ドラ (頼りになるね、とにかく君たちを信じようか。ありがとう)


倒さなくてもいいというのなら逃げ回っていてもいいということか。それなら捕まらないようにすればいいとドラえもんは考えた。
敵は自律的に動いているわけではなさそうだ。どうしても一呼吸遅れて動く。その点で優位に立てそうな道具ならいくつかある。


ドラ 「クイック&スロー、このクイックのほうを飲む。ついでにチャカチャねじ巻き(ハッスルねじ巻き)も巻いておこう」

   「そうするとね、とっても速く動けるようになる。こんな感じにね」

    ヒュン    ヒュオン

ベーゼ ≪す、すごい速い!≫

ヴェナ ≪落ち着け。いくら速くても領域展開からは逃れられないよ≫

レオパ ≪敵兵はだいたい片付いたぞ。こっちのが防御が固かったんだ。じっくり探しゃいい≫


ああそうか。今いる場所は敵の一人が魔法やら超能力やらで物を飛ばしてきたり操ったりできる場所じゃないか。
逃げ回るだけではいくら速く動いてもそのうち捕捉されるかもしれないな。やっぱり次から次へと攻撃しなきゃダメか。


ドラ 「コエカタマリン!」

  ワワッ!! 
        ワワッ!! 
               ワワッ!! 

ヴェナ ≪まだ飛び道具があるのか。しかも音速ということかい?≫

レオパ ≪だけどあっちの思うようには利いてなさそうだぜ。こっちは堅いんだよ≫

ベーゼ ≪アリスちゃんのおかげですよ≫

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ドラ 「その子の魔法は念力みたいなものだね。ただの玩具を動かして操ってるわけだ」

   「無生物催眠メガホン。君たちはドラえもん配下のひみつ道具だ! ドラえもんの命令に従うんだ!」

レオパ ≪ぐぐ、第二回戦と同じような展開に・・・≫

ベーゼ ≪でもアリスちゃんが押してますよ。こっちの支配下に置けそうです≫

アリス ≪んんー!≫

ドラ 「ひみつ道具ひとつとどっこいどっこいか。やっかいな魔法じゃないか。」

   「それじゃあね、ロボッタ―! こいつをくっつければ僕の命令に従うロボットになるんだ。えい!」

ベーゼ ≪手伝いますよアリスちゃん。魔力を貸してあげます≫

アリス 「ん~」

ドラ  「そしてなんでも操縦機。さっきから見ていると猫のお化けが君のお気に入りのようだ」

    「僕に操縦されるぬいぐるみを他の玩具で攻撃できるかい」

アリス 「んーん」(否定)

ドラ  「だろうねえ」

    「そしてコピーロボット。僕の代わりに頼むぜ」

コピー 「あいよー 任しとけ」

ヴェナ ≪逃がすか! おもちゃ以外も操れるって忘れてないか?≫

    ≪コピーロボットに金床を直接ぶつけてやる!≫

   ゴ ッ ツ ン

コピー 「ぐへえ~ 悪いけど僕はもうだめだ、すまないね。本物の僕も気をつけな」 プシュ~・・・ 

ドラ  「なんて乱暴な奴らだ。ええと、ええと、ひらりマント・・・ はずっと使ってないといけないね。」

    「がんじょうを飲んでおこう。これで僕は鉄より硬いから瓦礫やガラクタでもどんと来いだ」


========================

ドラ 「そしてミニドラえもん! 3人いるんだ。壊されちゃ困る、がんじょうを飲んどきな」

赤「どら」 緑「どら」 黄「ら」

べーぜ ≪あら可愛らしい。一体欲しいです≫

アリス ≪ん≫

ドラ 「君たちおもちゃの兵隊&ころばし屋を出しな。ビッグライト! フエルミラー!」

   「ロボッタ―は外されたのか。でもメガホンの効果は残ってるね。止まれ、動くな! 今だよミニドラ」

赤「どらら!」 緑「どら!」 黄「ら!」 (撃て撃て! 撃ちまくれ! それ!)

 パン パン  パン パン パン

ドラ 「いいぞ、空気砲やミサイルも使うんだ!」

レオパ ≪ちッ 玩具ども、気を抜くとずんぐりむっくりを守ろうとしやがるぜ。おまけに敵の数が増えやがった≫

べーぜ ≪でも一体一体の性能は落ちているようですよ。悪あがきですね≫

ドラ  「そりゃあ本命はこっちだからね。たつまきストロー! こいつで吹き飛ばしてやる。おまけで強力うちわ「風神」!」


 「たつまき」とか「うちわ」とか聞こえたので嵐を呼び起こすひみつ道具だとネロアリスは理解した。
 配下のおもちゃ軍団にひとかたまりになって耐え過ごすように指令を出す。しかし想像以上の風圧でいくつか吹き飛ばされてしまった。

   ビュオオオオオオ・・・・・  ギュオオオオ・・・・ オオオ  ・・・・


レオパ ≪うわっ! こりゃひどい!≫

ヴェナ ≪ひるむな。ただ単に飛ばされただけだ。≫

アリス ≪ん・・・ ≫

ベーゼ ≪え、飛ばされないよう魔法で抑えてたのに飛ばされた? まずいな疲れてきちゃったみたい。魔力が低下してる≫

レオパ ≪こっちもひみつ道具だ。元気栄養ドリンク~! ほらこれ飲んで頑張りな。冷えてておいしいぞ≫


========================

ドラ 「今のうちだね。ミニドラ、戻ってきてポケットに隠れな。今から壁をぶち抜くから」

   「強力ウルトラスーパーデラックス錠! ウルトラリング! ・・・は意味ないか。スーパー手ぶくろ!」

   「レンガやら金床やらダンベルやら置いといたのが裏目に出たね。今の僕はサイヤ人やスーパーマンみたいなもんだ。ガラクタでぶち破ってやる」

レオパ ≪あ・・・ ≫

 自信たっぷりの顔のドラえもんがいつの間にやら集めていたガラクタを一つ握りつぶして粉々にした。
 レオパルトとベーゼは「お前たちもこうなるのだ」と威嚇されたと思って恐怖した。
 だが2つ3つ粉砕するとドラえもんは怪訝な面持ちになり、やがて青ざめてきて、最後には泣きそうになった。
 ドラえもんが何をしたいのかエノルミータの3人と1体にはわからなかった。

ヴェナ ≪・・・?≫

ベーゼ ≪・・・ あれ、何してるんです?≫

ドラ 「飲み過ぎだった。力加減が上手くできないんだよ。レンガでも石ころでも掴んだら粉々になっちゃうんだ」

レオパ ≪掴む・・・? 団子やゴムまりみたいな手でどうやって掴んでんのそれ?≫

ドラ  「ペタリハンドって言ってね。正確に言えば吸い付かせるんだ。でも掴むって言えば意味わかるだろ?」

    「やりにくいから手袋をはずそう… あっ、破れちゃった。今度は慎重に・・・ タイムふろしきに包まる」

    「これで強力ウルトラスーパーデラックス錠を飲む前の僕になったよ」

ベーゼ ≪記憶は消えないんですね≫

ドラ 「漫画だから細かいことはいいの」

レオパ ≪・・・ガラクタを投げつけないで壁を自分で殴ったらいけなかったのか?≫

ドラ 「あっ」

レオパ ≪おっちょこちょいのあわてんぼ~w≫

ドラ 「放っておいてって言ってるじゃないか!」

レオパ ≪ずんぐりがバカやってる間にネロアリスが復活したぜ~ 回りくどいこと止めてさ、直接壁にぶつけちまえっ それ!≫

アリス ≪んん~≫ (重いなあ)

ドラ 「わ、わ、わ、 僕は129.3キログラムだぞ、よく持ち上がったね、 うわあー」

      べ ち こ ~ ん

   「ぐへえ・・・ 酷いじゃないか。だったらエスパーぼうし!」

   「念力(テレキネシス)、透視(クレヤボヤンス)、瞬間移動(テレポーテーション)が使えるんだぜ」

ヴェナ ≪透視と瞬間移動はとにかく、念力はやっかいだな≫

ベーゼ ≪おっと、忘れてましたよ。ロボットだけど人間みたいにエスパーになれるというのなら≫

    ≪アリスちゃん、あのずんぐりを私たちの子分にしてやりましょう!≫

アリス ≪ん!≫

ドラ  「へ? ・・・・精神操作か!? それじゃあこれだ、四次元ハット~!」

    「『ドラミ&ドラえもんズ ロボット学校七不思議!?』でドラ・ザ・キッドが被ってた帽子と同じ型番だよ」

レオパ ≪よくわかんねけど洗脳は出来ないってことか≫

========================

ヴェナ ≪ちくしょう、やけに粘るじゃないか。とはいえ使い方の解説はありがたい、か≫

レオパ ≪そろそろ決めねえと元気ドリンクなんかその場しのぎだぞ≫

ドラミ ≪こっちも飲みましょ。錠剤だけどおいしいわよ≫

レオパ ≪お、サンキューな≫

アリス ≪ん≫

ベーゼ ≪気が利くじゃないですか。ありがとうございます≫

レオパ ≪どこへ行ってたんだよ≫

ドラミ ≪ごめんね、この階級ワッペンを取ってきたのよ。みんなは二等兵のをつけてね≫

    ≪そして私は大元帥のワッペンをつけるっと。質問に答えなさい。みんなオモイコミンを飲んだわね?≫

4体  ≪イエス、マム! 全員オモイコミンを飲みました!≫

ドラミ ≪それじゃあ私を最高司令官と思い込むのよ。私が戻るまで待機せよ≫

4体  ≪イエスマム!≫

========================

ドラ 「ドラミ~ 助かった~ どうしてここが分かったんだい?」

赤「どら」 緑「ら」 黄「っら」

ドラミ「ドラえもんズ結成記念パーティーの買い物からなかなか帰ってこないから居所探知機とたずね人ステッキを使ったのよ」

   「そしたらお兄ちゃんが悪の組織とドンパチやってるじゃない。だからまず仲間入り線香で私を仲間と思わせて」

   「飲ませたオモイコミンと階級ワッペンであいつらは末端の下っぱで私がトップだって思い込ませちゃった」

   「ついでに魔法辞典にエノルミータ構成員を洗脳する方法を書いといたのよ。駄目押しで未来ノート、あらかじめ日記も使ったわ」

ドラ 「流石はドラミだ。本当に助かったよありがとう。こいつらのこと知ってるのかい?」

ドラミ「何言ってるのよ子守り学の座学でやったでしょ。この時代に暗躍した悪者集団エノルミータ!」

   「まあ私たちの時代にはとうに壊滅してるから詳しくはやらなかったかな。」

   「それでね、お兄ちゃんよく聞いてね。まずタイムパトロールに連絡してこいつら逮捕してもらおうと思ったんだけど管轄外なんだって」

ドラミ「管轄外? そういや時空犯罪者じゃなくて現代人だとかなんとか言ってたな・・・ この時代の法令に介入しちゃいけないからね」

   「次にこの時代の警察に通報したら、今度は悪の組織のことは魔法少女に一任してあるって言われちゃった」

   「そもそも下手人は小中学生だから無理に警察沙汰にしても補導がせいぜいよ。ヴェナリータは人間じゃないからこっちも難しいの」

ドラ 「なんだいそりゃ」


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ドラミ「つまりなっともならんってことね。でも放ってはおけないでしょ」

   「そういうわけで、私たちの記憶や知識をこいつらから完全に消去するってのはどう?」

   「ヴェナリータがお兄ちゃんを狙ったのもひみつ道具欲しさなんだから、それで問題は解決すると思うんだけど」

ドラ 「そいつはいい。それでもう絡まれることもなさそうだ。」

ドラミ「だったらさっそく・・・ わすれろ草! ワスレンボー! メモリーディスク!」

   「そして魔法辞典、未来ノート、あらかじめ日記っと・・・ これでもう大丈夫よ。のび太さんとジャイアンさんにも忘れてもらいましょ」

   「壊れちゃった玩具やドールハウスは復元光線で直しとけばいいわね」

   「10分もすればメモリーディスクの偽の記憶を覚えて目を覚ますわ。さて帰りましょうか」

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ドラ 「いやいや今日は2人ともご苦労だったねえ。だいぶ歩かせちゃったみたい」

のび 「う・・・ん」

ジャイ「ふあぁ~ なんだもうこんな時間か」

ドラミ「今日はお兄ちゃんにつきあってくれてありがとうね。お礼に私がお夕飯をおごるわ」

のび 「ドラミちゃんも来てたんだ」

ジャイ「お! ほんとか! だったらよ、この近くにおいしいカツ丼屋ができたって噂だからよ、行ってみようぜ」

のび 「さんせ~い」

ドラ 「僕の分は僕が出そう。それじゃあ行こうか。遅くなるって電話しときなよ」

ジャイ「おう、ちょっと連絡してくる、あっちのほうだから先に歩いててくれ」

   「すぐに追いつくからよ~!」

⑦ー2  第七回戦反省会


うてな「今日はこりすちゃんの欲しいお人形さん探してあっちこっち歩きましたねえ。見つからずに残念でした」

   「明日からネットでも探してあげますからね。気を落としちゃだめですよ」

キウィ「すっかり遅くなっちまったな~。もうどっかで晩飯喰ってこうぜ~ そんでそれから一泊しようよ~」

うてな「明日は学校あるから駄目だし明日がお休みでもホテルは行かないよ」

こりす「ん」

キウィ「ちぇ。つれないの。晩飯だけでもどっかで食べてこうよ。おなかすいたしラーメン屋行こうよ」 

うてな「いいよ。こりすちゃんどうする? 行くんならおうちの人に電話しておきなよ」

キウィ「夜中に小学生を連れまわす中学生カップルとか補導案件だかんな。保護者の承諾は得とかんと」

うてな「カップルじゃないけど」

キウィ「ヴェナさんにも唐揚げくらい買ってやろっか?」

ヴェナ「そうかい。ありがたいね。ご相伴にあずかろうか」

⑧ 第八回戦:からくり人形


うてな 「やれやれ、こりすちゃんのお人形探しもひと段落しましたし、そろそろ魔力強化特訓を再開しましょうか」

ヴェナ 「そうだね。せっかく身についた経験だ。放っておくとまた感覚を忘れてしまうからね」

こりす 「ん」

キウィ 「あ~ 肩慣らしも良いけどさぁ・・・ うっぷん晴らしとか景気づけとかして~な~」

うてな 「ホテルには行きませんよ」

キウィ 「違うって! 4回目で失敗したやつだよ! こちとら悪の組織の幹部だぞ、それくらい許されっしょ」

    「まあアレだ、あんまり弱っちいのだと気が滅入るから加減が難しいけどさ」

    「面白半分に小突いたり引っ叩いたりしても弱い者いじめにならないくらいのはいないのかよ」

こりす 「ん~」(ジト目)

うてな 「な、なんて自己中な…」

    「あれれ、なんでしょうあの小っちゃいの。人間じゃなさそうだけど… 生意気にも刀なんか背負っちゃって」

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コロ助 「~♬ コロッケいっぱい買っちゃったナリ~ ママさんのコロッケも美味しいけどたまにはお店で買うのも楽しいナリ」

    「キテレツ、みよちゃん、ブタゴリラにトンガリ、勉三さん、それにワガハイの食べる分で、ええっと・・・ 12個ナリ」

    「早く家に帰って食べるナリ~♪  おや? 可哀そうに、おんぼろの子がいるナリ。コロッケ食べるかい、ナリ」

    「え、そっちが君のおうちナリか? 武士として怪我してる子を放っておけないナリ。送ってあげるナリよ」


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キウィ 「改めてよく見れば、なんだあの小っちゃいの… ロボット? にしては動きが滑らかだな」

    「頭はボールで体は… お風呂の桶かな?」

うてな 「アリスちゃんのぬいぐるみにコロッケを食べさせようとしてますよ。そうすると年齢は幼稚園児くらいかな」

    「あ、ついてきた‥‥」

ヴェナ 「ふうん・・・? 僕もあいつが何なのかわからないね。興味深い」

アリス 「ん」

========================

コロ助 「? ここが君のおうちナリか。なんだか窓のない部屋ナリね。あ、おっきいテレビがついてるナリ」

    「こんな大きいのでグランドロボを見たら、さぞかし大迫力ナリねえ」

ベーゼ  ≪残念ですがロボットアニメは上映しませんよ≫

コロ助 「それは残念ナリ。ワガハイは怪我をした子をここへ送り届けただけだから、これで失礼するナリ。さようならナリ」

レオパ  ≪そうは行かねえな。もうちょい遊んで行けよ≫

コロ助 「寄り道しちゃだめってキテレツに言われたナリよ。おいとまするナリ。 ・・・・ぎょへっ!? 化け猫ナリ!」

アリス  ≪・・・ん≫(にんまり)

ベーゼ  ≪ここは悪の組織エノルミータの用意した部屋です≫

ベーゼ  ≪どうしても帰るというのならコロッケ置いていきなさい。そしたら無事に帰してあげますよ≫

レオパ (おいコロッケなんか強奪してどうすんだよ)

ベーゼ (お腹すいてきて食べたくなってきました… それに私達って悪者だから…)

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コロ助 「コロッケ泥棒に変な部屋に閉じ込められてしまったナリ。しかしワガハイは侍の端くれナリ。悪者に屈するわけにはいかないナリ」

    「エノキダケとかいう悪党を成敗してやるナリ! こんな時のためにキテレツが発明品を持たせてくれたナリ」

レオパ ≪最初の二文字しか合ってねえ。やっぱ幼稚園児か≫

コロ助 「放っておいてほしいナリ。ワガハイこそキテレツの発明品第1号、助手兼掃除当番のサムライ・コロ助ナリ! いざ!」

ヴェナ  ≪発明品だって? キテレツというのは君を作った人なのかい≫

コロ助 「その通りナリ。ワガハイの他にも発明品がいっぱいあるんだナリ。」

    「いろんなことができてみんながビックリするナリ」エヘン

ヴェナ  ≪そうかい、それじゃあ君が持っているものだけでもいただくとしようか≫

コロ助 「コ、コロッケのみならず発明品まで盗むつもりナリ!? とんでもない泥棒ナリ! 絶対に絶対に渡さないナリ!」

レオパ (おいおい、そこまで分捕らなくてもいいじゃねえかよ)

ヴェナ (わからないかいレオパルト、あのコロ助とかいうやつ、今の科学じゃまず作れないぞ。あの頭はどうみてもゴム毬だろう)

    (そんなものを作り出した人物の発明品… 悪の組織としては喉から手が出るほど欲しいね)

レオパ (そう言われるとそうだな)

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コロ助 「まずはこの部屋から出ないといけないナリ エイヤ!」


コロ助が背中の刀を抜いて威勢よく壁に切りかかる。しかし無常にも跳ね返される。
跳ね返されて転がったところで巨大化け猫に襲われる始末であった。


コロ助 「ふんぎゃあ、ワガハイ、お化けは嫌いナリ! 如意光ナリ!」 
 

   テーテ テーテ テレレッレー テッテッ


 懐中電灯のような器具でネロアリスの巨大猫を照らすとみるみる小さくなるではないか。
 これにはヴェナリータも驚きを隠せない。大興奮である。

ヴェナ ≪こいつは凄い! あの猫を小さくするなんてどういう技術だい?≫

コロ助 「ワガハイはよくわからないナリ。でも小さくしたらなんとか勝てるかも知れないナリ」

  「一人を大勢で襲おうとは卑劣ナリ、1対1で正々堂々と勝負するナリよ」

ベーゼ ≪むう、確かに・・・ あんまり力の差があっても興ざめですね。それじゃあちょうど小さくなったその子でいいでしょう≫

アリス ≪ん!≫

コロ助 「いざ尋常に勝負、ナリ」

    「えいや! とあー! きえー!」

 未来の世界では剣道師範になっているくらいの腕前である。簡単に負けたりはしない。
 それどころか押しているではないか。ちなみにコロ助の日本刀はピストルの弾をはじき返す描写がある。

アリス ≪んん…≫

ベーゼ ≪あの子なかなかやりますね。ネロアリスちゃん頑張れ≫

コロ助 「ていやー!」

   ふにゃー!?   どさっ

アリス  ≪んっ・・・≫

コロ助 「安心するナリ。ワガハイ、無益なせっしょうは好まないから峰打ちナリ」

    「実際には歴史上どの剣術の流派にも峰打ちなんて技は存在しないけどカッコいいから練習したナリ」

レオパ  ≪へえー お前、物知りじゃねえか。そんなの知らなかったぜ≫

コロ助 「褒められると照れるナリ」 えへへ


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レオパ ≪ところで・・・ 何か無くなっているものはないかい?≫

コロ助 「ほえ? あー!? コロッケが持っていかれるナリ! 返すナリー」


猫一匹を倒したところでネロアリスのおもちゃ軍団はいくらでもいるのだ。バレリーナみたいな人形がコロッケを持って逃げていく。
コロ助が大慌てでその後を追いかける。

コロ助 「コロッケを返すナリ―! 待つナリー!」

レオパ ≪待てと言われて待つ馬鹿はいね~よ≫

ヴェナ (なるほど、これで彼をこっちへ誘い込んで捕獲するわけだね)

ベーゼ (え? ああそっか。そこまで考えてなかった。)

コロ助 「や、やっと取り返したナリ。 ・・・なんだか軽くなっているナリね。2個入の包みが・・・ 1、2、3、4、5つナリ」

    「キテレツ、みよちゃん、ブタゴリラ、トンガリ、勉三さん、ワガハイ・・・ 全部で5人かな、ナリ。ええと、ええと」

    「あっ違うナリ! 6人だから包みを1つ盗まれたナリ! 返すナリー!」

ベーゼ (私はコロッケが欲しくて・・・ さすがに全部取り上げたらかわいそうだから2個だけ・・・)

レオパ (コロッケがメインかよ! しかも一人につき半分じゃねえか) 

アリス 「ん」

コロ助 「に、逃げられたナリ、見失ったナリ! うわあ~ん うわあ~ん 」

ベーゼ (心が痛むので共犯になってください・・・)


========================

ベーゼ  ≪あ、でもすごい美味しいですねこれ。ばいきんまん大先輩になった気分ですよ。ははは≫

レオパ  ≪ほー まだ揚げたてだな、やっぱ揚げたてが一番だな≫

アリス  ≪んっ≫ もぐもぐ

コロ助 「うぐぐ~ 泣けるナリ」

ベーゼ  ≪コロ助ちゃんはコロッケの美味しいお店を見つけるのが上手いんですねえ≫

コロ助 「チラシや地域情報誌をよく読むナリよ。特集があってお小遣いがあれば買いに行くナリ」

レオパ (機嫌なおったぜ。ちょろ!)

ヴェナ  ≪研究熱心でいいことじゃないか。コロッケを盗んだことは謝るよ。空腹だったものでね≫

     ≪ところでその如意光の他にはどんな発明品を持っているんだい≫

コロ助 「野良犬に襲われた時のために愛愛あめを持ってるナリ」


   テーテ テーテ テレレッレー テッテッ


コロ助 「これを生き物に食べさせると食べさせた人を慕ってくるナリ」

ベーゼ  ≪なにそれ! めっちゃ欲しい!≫

コロ助 「? 悪の組織のくせに野良犬に襲われるナリ? そんなのおかしいナリ」

    「キテレツは他にも、ええと、2人で入れば本物の夫婦だと思い込むこころみの家とか、動物を自由に動かす獣類操り機とか発明したナリ」

ベーゼ  ≪魔法少女も植物や菌類じゃないから動物に該当するよな… めっちゃ欲しい!≫

レオパ  ≪是が非でも手に入れるぜ、絶対に!≫

アリス  ≪ん!≫

コロ助 「あ、そういえばお前たち、発明品も分捕るとか言っていたナリ! 余計なこと喋っちゃったナリ?」

ヴェナ  ≪君を人質… ロボ質にしてキテレツとかいう人に発明品を持ってきてもらうことにするよ≫

レオパ  ≪悪く思うなよ。このレオパルトちゃんにはマジアベーゼちゃんと本物の夫婦・・・ 婦婦? になるという壮大な夢があるのだ≫

コロ助 「一大事ナリ! 必殺召し捕り人か唐倶利武者でも連れてくればよかったナリ!」


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ヴェナ  ≪君くらい高級だと催眠術くらい効くだろう。ネロアリス、とりあえず眠らせてしまえ≫

アリス  ≪ん!≫

ドラミ  ≪はいはいわかったわ。砂男式さいみん機! まったくもう… よしよし4人とも寝たわね≫

ドラミ  ≪コロ助さん大丈夫だった? 怪我はなさそうね≫

コロ助 「た、助かったナリ。ありがとうナリ。ええ~と…」

ドラミ  ≪ドラえもんの妹のドラミよ。悪いけどコロ助さんにも寝てもらうわね。さいみん機!≫

ドラ   ≪見に来てよかったよ。魔法でひみつ道具の効果が薄まることがあるっていうものね≫

ドラミ  ≪話がややこしくなるからコロ助さんにも忘れてもらいましょ。こいつらももう一回記憶消去ね≫

ドラミ  ≪江戸時代に22世紀のひみつ道具にも匹敵するいろいろな発明品を作り上げた異才・キテレツ斎・・・≫

ドラ   ≪発明品を悪用されないで本当良かったよ。オーパーツにも程がある代物ばっかりだからね≫

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コロ助 「う、う~ん… 」

トンガリ「あ、いたぞ! こんなところで寝てちゃだめじゃないか。探したんだぞ」

コロ助 「トンガリ、どうしてここに、ナリ?」

トンガリ「コロッケ買いに行ったのに戻ってこないからキテレツもみんなも心配してるぞ。早く帰ろうよ」

コロ助 「そうするナリ。コロッケはここに… ありゃ? 包みが5つしかないナリ!?」

トンガリ「ええー? 落としたんじゃないかい。まあ大丈夫だよ。勉三さん、友紀さんとのデートの約束思い出して出かけちゃったから」

トンガリ「だから僕たちだけで食べてくれだってさ。だから5人でいいんだよ」

コロ助 「それを聞いて安心したナリ」

トンガリ「さ、暗くなる前に帰ろうよ。コロッケは晩御飯にすりゃいいか」

⑧ー2 第八回戦反省会


キウィ 「面白半分に小突いたり引っ叩いたりしても弱い者いじめにならないくらいのって居ないもんだな」

キウィ 「今日は一日、待ちぼうけだったな…」

うてな 「ねえキウィちゃん、何か食べたような感触が口に残ってるんだけど、キウィちゃんはどう?」

キウィ 「ええー 気持ち悪いこと言うなよ~ ・・・あれ? フライドポテトかな」

こりす 「んー」

うてな 「私はハッシュブラウンみたいに思うんですけどねぇ」

ヴェナ 「おかしなこともあるものだね」

ヴェナ 「それじゃまた数日後に集合してもらおうか。そろそろ仕上げと行こうじゃないか」

⑨ 第九回戦:高校生3人組


うてな「さて今回で7回目です。出られない部屋作戦で魔法力を鍛えた成果を見てみようと思います」

こりす「んっ!」

キウィ「でもさ、規格外のを誘い込むとまたこっちがケチョンケチョンにされて終わりだよ?」

   「格闘技をたしなんだことがあるとか、常識の範囲で喧嘩が強いとかにしときなよね」

ヴェナ「まあそういう人が通りがかるのを待とうか。いなけりゃ探しに行ってもいい・・・」

   「・・・あいつらなんかどうだい。ちょっと真面目そうなやつとモヒカンのコンビが歩いているね」

   「おっともう一人いたか」

キウィ「お、いかにも頭が悪そうな顔! いいねあいつらにしよう!」

   「何だあのドラム缶?」

うてな「そんなものないよ?」

キウィ「あれ、見間違いかな・・・?」

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林田 「道に迷ったから聞こうと思っただけなのに妙な家に閉じ込められちまったぜ・・・ なんだよあの猫は!」

神山 「林田くん、いくら困ったからってボロボロのぬいぐるみに聞かなくてもいいじゃないか」

メカ沢「まあそういうな。悪気があったわけじゃねえ。そんなことより周りを見ろよ」

林田 「ぬあ!? 変な奴らが俺たちを囲んでるぜ。」

メカ沢「どうやら俺たちをフクロにする気で待ち伏せしていたらしいな・・・ 」

林田 「いい度胸じゃねえか! ちょっとくれえ大きいからってよ、クロマティをなめんじゃねえぞコラァ?」

神山 「2人とも頑張って!」

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キウィ「やっぱりドラム缶が喋ってる? いやよく見ると手も足もある・・・ ロボット!? こりすのおもちゃがまぎれこんでんぞ」

うてな「な、何を言ってるのキウィちゃん。そんなものどこにもないってば」

キウィ「え? いやほらあれ・・・ モヒカンが話しかけてる・・・ 人間は二人しかいないよね?」

うてな「ちょっと待って、状況を確認するね。まず優等生っぽい人がいるよね」

>『林田くん大丈夫かい?』(神山くん)

うてな「それからモヒカン」

>『くッ ボクシング部のこの俺のパンチが・・・ なかなか強えじゃねえか』(林田くん)

うてな「そしてちょっと顔の大きい人。根性ってTシャツに書いてある」

>『だがクロマティの名を貶めるわけにゃあ行かねえ。降参は無しだぜぇ林田?』(メカ沢くん)

キウィ「ちょっと顔の大きい人・・・、ちょっと顔の大きい人??」


キウィはうてながちょっとふざけているだけかもしれないという希望を胸に抱いていた。
しかし、それはこれから彷徨う無間地獄の入り口に過ぎなかった・・・

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メカ沢「数が多い・・・ どうやら本気を出さねえといけねえようだ。こいつを使わせてもらうぜぇ」


 キュイイイイイィィーン


林田 「おうよメカ沢! 数に頼る卑劣漢に容赦は無用だぜ!」

神山 「あれさえあれば百人力だよ。どこの誰だかわかんないけど覚悟するんだね!」

メカ沢「おらぁ! 喰らいな、ドリルパンチ!」

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キウィ「ほ、ほら! ドリルだぞドリル。やっぱロボットじゃねえか!」

   「もう片方だってよく見りゃアルファベットのCみたいな形じゃねえかよ! こりすのおもちゃだろ、よく見てくれよ!」

アリス「ん~?」

ヴェナ「・・・いや、あんなのは今まで見たことないよ。それにロボットなんているわけないじゃないか」

うてな「そうですよドリルハンドだって何かの事情でつけているんですよきっと」

キウィ「魔法少女が普通にいる世界でロボットなんているわけないなんて説得力ゼロにも程があるだろ、なあ・・・」

アリス「ん」

キウィ「ま、まさかネロアリスもそっち側・・・ 孤立無援なのか?」

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神山 「メカ沢君、いつもの本調子じゃないようだけどどうしたんだい?」

メカ沢「くッ・・・ こいつら準備なしにクロマティに喧嘩を売ったわけじゃないらしいな」

   「ドリルパンチがどうもダメージを与えられねえんだよ」

林田 「だが怯んでる場合じゃねえ。敵の作戦を見破らねえと・・・」

神山 「あ、わかったぞ!」

   「敵は異様に皮膚の堅い人たちを集めたんだ! メカ沢君のパンチに耐えたのもそれで説明がつく!」

林田 「た、確かに! 俺たちを襲うのに異様に皮膚が硬い野郎を集めたに違えねえ!」

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 一見するとまっとうな優等生に見える神山の発言は、ゆっくりと、しかし確実に、キウィの心をむしばむのであった。
四面楚歌、孤立無援、まさに今のキウィのためにあるような言葉である。


キウィ(い、異様に皮膚が硬い人だと? あいつらネロアリスの玩具を人間だと思ってんのか・・・?)

   (ネロアリスの精神錯乱攻撃・・・ じゃないよな、多分)

   (こっちはドラム缶ロボを人間だと思い込んでる、あっちはおもちゃを人間だと思い込んでる)

   (バランスがとれていて結構なことじゃないか、ははは… 世の中って変なところで上手くできてるよ)

   (いや待て、しっかりしろキウィ! お前まで陥落したら誰がロボットをロボットだと言い続けるんだ?)

   (・・・いやもう陥落してもいいんじゃないか)

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林田 「けっ いくら異様なほど皮膚が硬くてもよ、結局メカ沢のドリルには勝てなかったようだな!」

   「効き目が弱いなら効くまでぼこりゃあいいんだよ!」

メカ沢「おう任しとけ! と言いてえところなんだが・・・」

   「あのぬいぐるみの繊維が巻き付いちまった・・・ 糸が絡まってうまく動かねえ」

神山 「な、なんてこったい」

メカ沢「落ち着け神山、俺の武器はこれだけじゃあねえんだよ。それにクロマティ魂がある限り負けるわけにはいかねえ・・・ だろ?」

神山 「そうだったね。すまない取り乱してしまった。僕も隠れてないで戦うよ」

メカ沢「いいってことよ」

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キウィ (ロボットなのに不良っぽい熱いこと言ってる! やっぱ人間なのかな)

    「そ、そっかわかった。きっとああいう茶筒みたいな服を着た高校生なんだ。そうに違いない」

    「はは、ロボットなんているわけねえもん。中に人間が入っているんだ。漢字で書いたら女鹿沢かな。」

うてな 「・・・言ってる意味がよく理解できないけど、納得してくれたら嬉しいな」

アリス 「ん」

ヴェナ 「無理やり自分を納得させたみたいに見えるけどね」

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メカ沢 「このタッパだけのデカブツどもめがぁ。俺にはこ~んなとっておきもあるんだぜぇ」

    パカ 

      ひゅるるるるる 

              ドカーン!

神山 「よ、よしっ やった!」

林田 「一人倒したぜ。さすがはメカ沢だ!」

メカ沢「よせやい。褒めても何も出ねえよ」

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キウィ「ほ、ほら見ろやっぱロボットだ! 今の見ただろ、頭の蓋がカパッて開いてミサイルが出てきたぞ!」

   「人間は頭の蓋がカパッて開かねえしましてやミサイルなんか内蔵してねえよ! つかできねえよ!」

アリス「ん?」

うてな「・・・あのねキウィちゃん、よく聞いてね。キウィちゃんのしてることはイジメだと思うの」

キウィ「・・・ ・・・・ ・・・・・え?」

うてな「人間なんだからきっといろんな事情があるんだよ。人それぞれの事情を考えずにロボットだロボットだって騒ぐなんて」

   「悪の組織の一員だとしてもちょっと違うんじゃないかな?」

ヴェナ「それは言えるかもね。悪の組織なのであってクズの集まりじゃないからね」

キウィ「・・・・ ・・・・・え? ええ?」

アリス「んっ!」

キウィ「・・・ え、あ、 ・・・・・」

   「そ、そっか、私がおかしいんだな。ごめんね最近ちょっと疲れ気味で・・・ 無意識に攻撃的になってたかも」

うてな「わかってくれたらいいんだよ」

アリス「ん」

ヴェナ「反省は成長につながるね」

キウィ(悪夢を見ているのか? いや現実だ。スタンド攻撃ってやつ・・・? でもなさそうだ・・・ アーマロイドでもねぇよな・・・)

   (認識阻害魔法を使われてるのかも。だったら話を合わせとかなきゃ・・・)

   (ひょっとして本当に私がおかしくなったのかな? いやそんなことはない! 絶対あいつがロボットだって確実な証拠をつかんでやる!)

うてな「ミサイル攻撃とはなかなか強力な技を持っていますね。精神攻撃に切り替えましょう」

アリス「ん」

キウィ(まさか魔法を反射してきた? ・・・違うな片方は自分の名前も間違えそうなほど馬鹿な顔だもん、そんな高度なことできるはずない)

   (待てよ、もしもロボットなら精神があるはずがない! つまり錯乱しないはずだよ! これではっきりするぜ!)

うてな「そんじゃあ精神攻撃やっちゃってください! 幼児化させましょう」

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メカ沢 「うぐわあっ? ピー ガガガ ピー ピー ピー」

神山  「メカ沢くんどうしたんだい?」

林田  「こんな大変なときに様子がおかしいぜ」

メカ沢 「メ、 メカメカ、 メッメッ メカラッタ。メカラッタ」

林田  「・・・記憶が飛んじまったのか?」

神山  「いや違うね、これは・・・ きっと初期化だ! 誰かが遠隔操作でメカ沢くんを初期化したんだ!」

林田  「な、なんだと!? コンピュータウイルスってやつか? そう言われりゃあ弟のベータみてえになってやがる」

メカ沢 「メカラッタ」

神山  「ウイルスかどうかわからないけど不正アクセスには違いないよ!」 

    「メカ沢くんのアンチウイルスソフトやファイヤウォールを突破するなんてきっと犯人はとても高度なハッカーに違いないや!」

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うてな 「ふっふっふ、大混乱していますね。ネロアリスちゃんの力は確実に成長しています」

ヴェナ 「もともと素質がある上にやる気もあって努力もするからね。掘り出し物だった」

アリス 「ん」フンス

キウィ (遠隔操作? 不正アクセス? アンチウイルスソフト? ハッカー?)

    (こいつらそれを聞いてもまだ人間だって言い張るんだろうな・・・ あ、もしかして左目が高性能端末のおっさんか?)

    (違うだろうな、洗脳や意識改変はできないはずだもん・・・)

    (とにかく私がしっかりしねえとロボットがどんどん侵出してきて人間が機械に支配されちまうぜ。頑張れキウィ!)


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一方そのころ外では


前田  「林田とメカ沢はどこ行っちまったんだ。神山がついていながら迷子かよ」

北斗  「まあそう愚痴るな。今度から現地集合は止めておこう」

フレディ「・・・」

ゴリラ 「ンゴ」

前田  「ゴリラはどうやってここまで来たのかな? ・・・ん、おい大変だあれを見ろ!」

子分  「何だよ ・・・ああっ?」

北斗  「む・・・ うお!?」

前田  「家が空中に浮かんでいるぞっ! どういうことだ? こいつは尋常じゃないぜ!」

    「ひょっとしたら神山たちはあれに捕まっているんじゃねえのか? とにかく警察か消防に通報しねえと!」

子分  「待て、前田。ちょいとビビったがそんなに騒ぐことじゃねえよ」

前田  「何言ってんだ浮かんでるのは家だぞ家! いやちょっと造りが安っぽいからおもちゃの家? どっちにしろ一大事だろうが?」

子分  「まあそう騒ぐんじゃねえ、落ち着け。いいか前田、お前はあれを大変な事態だと認識しているようだが・・・」

    「町中にゴリラや馬やロボットがいるのとあれとどっちが大変な事態だ?」

前田  「おお?」

北斗  「学校に隕石が落ちてきたこともある。隕石から宇宙人が出てきたこともある。それに比べてあれはどうだ」

    「ただプカプカと浮かんでいるだけではないか。騒ぐほどのことでもあるまい。」

前田  「・・・」


平井さん「竹ノ内が二人いたこともあったな。まあ3人の仲間を見失い浮足立つのはわかる。仲間思いだという証拠だ。お前の美点だ」

    「しかし騒いでも迷子は見つからん。ここは冷静になろう」

前田  「・・・そ、そうだな。すまねえ。ちょいとびっくりした」

    「神山に林田、メカ沢を探さねえとな・・・」 

平井さん「よし、次はあっちを探すぞ」

子分  「神山~! どこだ~?」

前田  (・・・やっぱ町中を探してる場合じゃないような ・・・・・・)


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林田  「何とかならねえのかよ神山? ラジオ組み立てたみたいにメカ沢も直せねえのかよ?」

神山  「とにかくカバーを外そう。僕の記憶が確かならこの辺に・・・ あったよ再起動ボタンだ!」

    「パソコンは再起動すれば不思議と不調が直ることも多いからね。サトウ電気店のおやじにつけてもらったんだ」

林田  「おお! さすがはサトウ電気店のおやじだぜ!」

神山  「上手くいけばいいんだけど。それじゃあ押すよ」 カチッ

  ピッ ウイイィン カタカタカタ ピー ピー ガガガ ピピー ピピー 

メカ沢 「う、う~ん・・・ 俺は一体・・・」

神山  「上手くいったよ、やった!」

林田  「良かったなメカ沢!」

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アリス 「ん~・・・」

うてな 「ぐぬぬぬ、味な真似を…」

キウィ (再起動? 再起動… いや待てよ、さっき精神があれば操られるから人間だって結論出したよな)

    (ならば人間… ロボットじゃなくて人間… そうかやっぱ人間なんだな)

    「弟のベータって言ってたな。機械なら弟がいるはずねえし。」

    「はは、世界は広いな。あんな人間がいるんだもんな」

うてな 「まったくです。再起動ボタンでアリスちゃんの意識介入を無効化とは。あんな人間は初めてですよ」

キウィ 「もう人間でいいや」

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メカ沢 「林田、神山、聞いちゃくれねえか? 衆寡敵せず、多勢に無勢ってやつだ」

林田  「んな?」

メカ沢 「このままじゃあ3人とも病院送りにされっちまうかもしれねえ… 後遺症が残らねえとも限らねえ」

神山  「な、何が言いたいんだい?」

メカ沢 「悔しくて悔しくて仕方ねえが… ここは逃げるってのも一つの手だって言いてえんだよ」

メカ沢 「クロマティの看板背負って逃げるなんて大恥だが、おめぇ達には未来ってもんがある。生き恥をさらさなきゃあいけない時もあるってことよ」

林田  「メ、メカ沢… 」

神山  「その通りかもしれない! 大丈夫だ、僕たちだって言いふらしたりしない! メカ沢君の武勇に傷はつかないよ!」

林田  「いや、メカ沢を笑うやつがいたらそいつはクロマティの男じゃねえ・・・ 俺がそいつをぶちのめしてやるぜ」

メカ沢 「すまねえな。それじゃあ変形・バイクモード! さあ乗ってくれ」

    「窓をぶち破る。顔を覆っておいてくれよ!」

       ブロロロロ・・・    ロロロ・・・

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うてな 「あ、あー 逃げられた。残念ですがここまでですね」

    「とはいえ不良高校生3人をボコって逃走させたのです。ネロアリスちゃんの能力は素晴らしい成長をとげました!」

    「それにしてもノーヘルで二人乗りとは・・・ いけませんね・・・」

キウィ (バイクに変形する人間・・・  世界は広いんだそれくらいいるさ。だってうてなちゃんが疑問に思って無いもん)

    (ネロアリスだって疑問に思ってないしヴェナさんも何とも思ってない。だって人間だからさ)

    (だからロボットじゃない。ロボットじゃない)

うてな 「んん、あれ、そういえば・・・ きゃあ!」

キウィ 「どした?」

うてな 「きゃあ! どうしようどうしよう!? あの根性ってTシャツの奴、き、き、き、き・・・」

キウィ (き・・・  きかい、機械か? やっぱりロボットだ! ロボットなんだ! 洗脳が解けたか?)

うてな 「き、着ているのは上の服だけで下にはズボンとか履いてなかったよ!」

キウィ 「惜しいけどそこじゃねえよ!」

⑨ー2  第九回戦反省会


うてな「キウィちゃん、頭が混乱するとか言って帰っちゃった。大丈夫かな顔色悪かったけど」

こりす「ん!」

うてな「女医アリスで看病するって? こりすちゃんは優しいね。でもしばらく魔法から離れていたいんだって」

こりす「ん~・・・」

うてな「まあしばらくそっとしておいてあげようよ。」


ヴェナ「そろそろトレスマジアと対峙していいころだ。だいぶ自分の魔法を使いこなせるようになった」

   「最初のうちは玩具をバラバラにされてポカンとしていたのが遠い昔のようだ」

   「精神支配だってトレスマジアは再起動できないんだからきっと大丈夫だろう」

こりす「ん!」

うてな「そうですよ。悪が魅力的に強力になればなるほど魔法少女が輝くのです! 」

   「次回はトレスマジアを引き込みましょう! そんでもって・・・  ふへへ・・・」


なげっぱ気味だがおわり!

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