【ラブライブ蓮ノ空】花帆「こ、ここがお台場.......すごい大都会だ!」 (59)

花帆「人がいっぱいいるし、お店もいっぱい。観覧車も見えるし、大道芸人もいるし、ロボットもある!」

花帆(蓮ノ空とは大違いだ)

花帆「......」

花帆「しっかりしろ私! ここで花咲くって決めたんだろ!」

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花帆「ところで虹ヶ咲学園にはどう行けばいいんだろう?」

花帆「りんかい線? ゆりかもめ? 電車がいっぱい有ってわからないよ〜」

??「あら? 迷子かしら?」

花帆「えっ?」

果林「ウチの制服を着ているようだけど」

花帆「すごい美人! まるでモデルみたい!」

果林「あら? ありがと」

花帆「はっ、すみません。つい口に出てしまって...... 私、虹ヶ咲学園に編入するんですけど行き方がわからなくて......」

果林「そうだったの、じゃあ連れてってあげるわ。私は虹ヶ咲学園ライフデザイン学科3年の朝香果林よ」

花帆「あ、私は普通科1年に編入する日野下花帆です! よろしくおねがいします!」

果林「ふふ、よろしくね」

30分後

花帆「......」

果林「おかしいわね〜」

花帆「......あの、ひょっとして迷ってます?」

果林「へ? そんなわけないじゃない///」

栞子「果林さん?」

果林「あら、栞子ちゃん、かすみちゃんも」ホッ

かすみ「どうしたんですかこんなところで? まさか迷ってたんですか〜?」ニシシ

果林「そういう事を言うお口はこうよ」ギュー

かすみ「おえんああ〜い」

花帆「ふふっ」

栞子「こちらの方は?」

果林「虹ヶ咲の1年に編入する花帆ちゃんよ」

花帆「あ、普通科1年に編入する日野下花帆です」

栞子「私は虹ヶ咲学園普通科1年、三船栞子です」ピシッ

かすみ「おっほん、私は普通科だけど普通じゃない可愛さのかすみんですっ!」キュルン

花帆「は、はぁ...... 都会にはいろんな人がいますね...」

かすみ「学校行くなら連れて行ってあげるよ、かほ子」

花帆「か、かほ子ぉ?」

果林「よかったわ〜」

花帆「やっぱり迷ってたんですね......」

放課後
虹ヶ咲学園

かすみ「か〜ほ子っ」

花帆「あっ、かすみちゃん、栞子ちゃん。今朝はいろいろありがとう」

栞子「編入手続きは済みましたか?」

花帆「うん、なんとか」

かすみ「かほ子、今日空いてたらかすみん達と遊びに行かない?」

栞子「ぜひご一緒しましょう」

花帆「えっ! いいの!? 行く行く!」

しずく「かすみさん、お待たせ」

かすみ「あ、しず子、りな子、ちょうどいいところに。かほ子、この子達は同じ1年生のしず子とりな子だよ」

花帆「は、はじめまして。普通科1年の日野下花帆です」

しずく「国際交流学科1年の桜坂しずくです。よろしくおねがいします」

花帆(お嬢様な感じ。梢先輩みたい)

花帆(梢先輩......)

璃奈「情報処理学科1年、天王寺璃奈。璃奈ちゃんボード『ぺこり』」

花帆「ど、どうも...」(やっぱり都会には変わった人がいるなぁ)

かすみ「よーし、それじゃかすみんのかほ子歓迎ツアーにしゅっぱーつ♪!」

虹ヶ咲学園前駅

花帆「学校の真ん前に駅があるなんてすごいよ! 大都会だぁ〜」

かすみ「ゆりかもめでお台場海浜公園まで行くよ」

ピンポンパンポーン

放送「間も無く2番線に新橋行きがまいります」

プシュー

花帆「ホームにもドアがあるなんてすごい!」

栞子「転落防止の為ですね」

璃奈「先頭車両だと景色がよく見える」

花帆「うわ〜本当だ! って、運転手さんいないじゃん?! 止めてー!」

璃奈「ゆりかもめは自動運転」

花帆「じ、自動運転......? 電車が?!」

璃奈「正確には電車じゃなくて自動案内軌条式旅客輸送システム。ゴムタイヤを履いてる」

花帆「......み、未来だ〜」

ジョイポリス

花帆「うわああああ! ゾンビだああああ!」

璃奈「花帆さん、援護に向かう」バンバンバン

かすみ「ぎゃー! ゾンビ可愛く無いですー!」

栞子「えい、えい! 悪霊退散です!」

しずく「こっちも手がかかりますね」バババババ

花帆「怖かった〜! でもすごい迫力! 都会にはこんなのがあるんだ」

璃奈「ハイスコア更新、ぶい!」

栞子「璃奈さんはお上手ですね」

かすみ「ぜーはーぜーはー」

しずく「かすみさん、泣きすぎて見られない顔になってるよ」

ビーナスフォート

花帆「うわ〜! おしゃれなお店がいっぱい!」

栞子「ヨーロッパの街並みを再現しているそうです」

花帆「建物の中なのに外にいるみたい!」

かすみ「屋根が空になってるからね」

花帆「えっ?! ほんとだ! あれ? 夕方っぽくなった?」

璃奈「照明演出で時間の変化を表してる」

花帆「はえ〜」ポカーン

しずく「そこの広場に噴水もあるんだよ」

花帆「建物の中なのに?! すごい......」

パンケーキ店

店員「バターミルクマウンテンパンケーキです」

花帆「うわっ! なにこれ! おしゃれ! 大きい!」

しずく「写真撮ると映えるよ」

花帆「ば、映え.......都会だぁ」

かすみ「みんなで切って食べよう」

璃奈「璃奈ちゃんブレード、むん!」

花帆「えっ?! おいしい! こんなの食べたことないよ!」

栞子「みなさんと食べると一層美味しいです」

かすみ「たくさんあるよ」

しずく「5人だとちょうど良いね」

花帆「あー、お腹いっぱい!」

しずく「おいしかったね」

花帆「こんなの長野や金沢で食べたことないよ。お店も食べ物もオシャレで楽しくて、これこそが私が思い描いてた高校生活だよ! 虹ヶ咲に来て良かった!」

しずく「花帆さんはどうして虹ヶ咲に来ようと思ったの?」

花帆「大都会でキラキラした高校生活を送りたくて。 それに、虹ヶ咲って『咲く』って字も入ってて花咲けるかなって」

かすみ「かほ子は前はどんな学校に通ってたの?」

花帆「うん......蓮ノ空女学院っていう高校だったんだけど......」

栞子「聞いたことあります。芸事に秀でた伝統ある学校ですよね」

かすみ「へ〜すごいじゃん」

花帆「うん...... でも山奥に有って、駅へのバスは週に1日しかなくて、寮の窓には鉄格子がハマってて...... ここじゃあまり青春できないなって思って飛び出してきたの」

しずく「そうだったんですか」

かすみ「なんか、可愛いくない感じだね」

花帆「で、でも、素敵な先輩や友達はいて!」

かすみ「ごめん、かすみん悪く言うつもりは無かったんです」

花帆「ううん...ごめんなさい変な話しちゃって」

一同「......」

花帆「そ、そう言えばみんなは学科違うけどどうやって仲良くなったの?」

かすみ「ふっふっふ、何を隠そう、かすみん達はスクールアイドル同好会なのです!」ドヤァ

花帆「えっ! スクールアイドル!?」

しずく「スクールアイドルをご存知ですか?」

花帆「う、うん」

かすみ「かすみん達は仲間として、時にライバルとして日々切磋琢磨しているのです」

花帆「へ、へぇ、そうなんだ......」

璃奈「璃奈ちゃんボード『むんっ』」

栞子「花帆さんもスクールアイドルしてみませんか?」

花帆「えっ! 私?!」

かすみ「かすみんも誘おうと思ってたんだよ。かすみんほどじゃないけどかほ子も可愛いし」

花帆「わ、わたしはそんな......」

栞子「ごめんなさい、無理強いするつもりはないんです。でも私たちの配信とか見て少しでも興味あったら遠慮無く見に来てくださいね」

璃奈「堅苦しいことは無い、楽しい同好会だよ」

しずく「他の部活と掛け持ちもできるし」

花帆「うん......」

かすみ「そうだ、今度スクールアイドルフェスティバルって言う、いろんな学校のスクールアイドルが集まるライブやるから良かったら見に来てよ」

花帆「ライブ......うん、見たいな......」


虹ヶ咲学生寮


花帆「すごい夜景。高層ビルがたくさん有って、とてもきれい......」

花帆「山に囲まれた蓮ノ空とは大違い......」

花帆「ここにはオシャレなお店もたくさん。私の理想通り、いや、理想をはるかに超えた世界だった」

花帆「ここでなら花咲ける、いや、ここで花咲けなかったら私はただ逃げただけになってしまう」

花帆「梢先輩やさやかちゃんは良くしてくれたのに、私はみんなを裏切って転校した......」

花帆「......」

花帆(それから私は毎日のように遊んだ)

花帆(夢の国にも行った、鎌倉のしずくちゃんのお家にも行った)

花帆(DECKS、有明ガーデン、ダイバーシティ、大江戸温泉物語、パレットタウン、ゲーマーズ、ヒルトン、フジテレビ......)

花帆(どこもキラキラして素晴らしい場所だった。でも......)

花帆(素晴らしいのは場所であって、私自身が花咲いているわけではなかった......)

スクールアイドルフェスティバル当日
会場

かすみ「あ、かほ子やっほー!」

花帆「かすみちゃん」

しずく「来てくれたんですね」

花帆「うん。みんなのステージは見逃せないよ」

栞子「嬉しいです」

璃奈「璃奈ちゃんボードもセッティングOK」

花帆「これつけて踊るんだ......すごいね......」

?「日野下さん?」

花帆「え?」

梢「お久しぶり、ね」

花帆「こ、梢先輩! どうしてここに...?」

梢「蓮ノ空もスクールアイドルフェスティバルに参加させていただけることになったの」

花帆「そ、そうだったんですか......」

梢「日野下さんは虹ヶ咲学園に行ったって聞いていたから、会えるかもって思ってた...... 元気にしてる?」

花帆「はい...... あ、あの......ごめんなさい......」

梢「えっ?」

花帆「梢先輩には良くしてもらったのに...... 裏切るように転校して......」

梢「ううん、そんなふうには思ってないわ。どうしても合わないことってあるし、日野下さんには一度しかない高校生活を悔いなく過ごしてもらいたいもの」

花帆「梢先輩.......」

梢「お友達もたくさんできたみたいで良かったわ。虹ヶ咲学園のみなさんはじめまして、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ部長の乙宗梢です。今回は参加させていただきありがとうございます」

かすみ「おっほん、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『部長』の中須かすみです。今日はよろしくお願いします」

梢「はい、では後ほど。日野下さんもお元気で」

花帆「はい......」

しずく「綺麗な方ですね」

花帆「うん...... 私、梢先輩のお手伝いで、スクールアイドルクラブのマネージャーみたいなことをしてたことがあって...」

かすみ「そうだったんだ......」

花帆「気にかけてもらってたんだけど転校しちゃって、合わせる顔が無いって言うか......」

栞子「花帆さん......」

ブー

しずく「あ、そろそろ私たちの出番ですね」

璃奈「璃奈ちゃんボード『キリリ』」

かすみ「私たち行くから、見ててね、かほ子!」

花帆「うん......」

花帆(虹ヶ咲のみんなのステージが始まる)


虹ヶ咲「♬夢を 奏でよう Rainbow World!」

花帆(すごい! 12人もいるんだ)

栞子「♬今 未来 とまらない」

花帆(栞子ちゃん)


かすみ「♬聞こえるよ胸のドキドキ」

花帆(かすみちゃん)


しずく「♬頬を濡らしたって」

花帆(しずくちゃん)


璃奈「♬心つないだらLet’s go!」

花帆(璃奈ちゃんも)

虹ヶ咲「♬Dream on !! 夢と夢響くMelody ! どこまでも広がっていくよ」

\Fly!/  \High!/

虹ヶ咲「♬終わりなく続く空へ」

\Everybody! Draw! Dream!/


花帆(すごい......一人一人の見せ場があって、そして12人が合わさる時の爆発力...... 会場も一体になってる)

...
...
...


虹ヶ咲「♬La la la ... Yeah」

\パチパチパチパチ/

花帆(すごかった......これが都会のスクールアイドル......)

かすみ「どうだった、かほ子?」

花帆「かすみちゃん、みんな。すごかったよ、もう何から何まで」

しずく「そう言ってもらえると嬉しいです」

栞子「はい」

璃奈「璃奈ちゃんボード『ぶい』」

栞子「次は蓮ノ空女学院のステージですね」

花帆「あ......」

花帆(梢先輩が1人で出てきた......)

花帆(虹ヶ咲の後で1人だと地味に見えちゃうな....... やっぱりスクールアイドルも都会で大勢の方が良いのかな......)

イントロ♬

花帆「このイントロは、水彩世界......」


梢「♬......君の......繋ぐ これはそんなストーリー」

花帆「え?」

梢「♬筆先を濡らした水が バケツの中濁るように」

かすみ「あれ? いきなり後ろ向いてますよ?」

梢「♬ひとりで悩んでいた 放課後のこと」

璃奈「不自然な振り付け」

梢「♬下手くそすぎる未来図と タイトルの無い感情と 未完成な自由を描いてた」

栞子「まるで対となるパートナーが居るかのようなフォーメーションですね」


花帆「梢先輩....... どうして......」

かすみ「かほ子?」

梢「♬不思議ね、今ならわかるの」

しずく「綺麗な歌声ですが、物足りなさを感じるのはなぜでしょうか?」

花帆(あれはデュオ用の振り付けとフォーメーション...... 1人で演じたらおかしく見えちゃうのに.....)

梢「♬ひとりじゃないんだ 信じて見たい True heart」

花帆「梢先輩...... 私、行かなきゃ!」

しずく「花帆さん?!」

梢「♬私と君の色を乗せて 花がパッと咲いた キャンパスの上」

梢「♬世界は変わる この手を伸ばした瞬間から あっ!」

花帆「♬創造できる」

梢・花帆「♬どんな風景も」

かすみ「かほ子がステージに?!」

花帆「......」コク

梢「......」コク

花帆「♬忘れたりしないように」

梢「♬すぐに思い出せるように」

花帆「♬呼吸も」

梢「♬この鼓動も」

梢・花帆「♬全部残してく」


璃奈「花帆さん、こんなに踊れたんだ」

しずく「息ぴったり.......」

梢「♬私と君の色をのせて」

花帆「♬花がパッと咲いた」

梢・花帆「♬キャンパスの上」

かすみ「可愛い...」

梢・花帆「♬世界は変わる この手を伸ばした瞬間から 創造できる どんな風景も」

栞子「綺麗なハーモニーです......」

梢・花帆「♬きっと......」


\ワー!/ \ワー!/  \パチパチパチパチ/


...
...
...

蓮ノ空女学院
スクールアイドルクラブ部室 

花帆「と、言うわけで、恥ずかしながら帰ってまいりました」

さやか「おかえりなさい、花帆さん」

綴理「おかえりー」

梢「戻ってきた以上、厳しい練習が待っているのはわかっていますね?」

花帆「うぅ......お手柔らかに......」

綴理「こずが元気になって良かった」

さやか「花帆さんが転校してから気が抜けたようでしたからね」

梢「こ、こらっ! 何言ってるの!///」

花帆「どうかしたんですか?」

梢「な、なんでもないのよ、なんでもっ/// さあ目指すはラブライブ優勝! 張り切っていくわよ!」

一同「おー!」

fin

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