ある日の午後
虹ヶ咲スクールアイドル同好会のメンバーでチャットしていた。
歩夢 :学校も休校でしばらくみんなに会えて無いね。
かすみ:かすみんつまんないですー!
しずく:ライブも演劇関係もダメ……どうしたらいいのでしょう。
エマ :自然に触れ合えないのがつらいよ。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1587904595
せつ菜:こんな時こそ勉強しましょう!!
果林 :勉強はちょっと……
でも体動かさないから体重増えちゃうわ。
彼方 :彼方ちゃんはずっとお昼寝してるよ~。
璃奈 :彼方さんはいつもと変わらない…… 私もゲームしてるから変わらない。
愛 :なんのゲームしてるの? あつ森?
璃奈 :ううん、今はシヴィライゼーション6っていうシミュレーションゲームやってる。
歩夢 :どんなゲームなの?璃奈ちゃん。
璃奈 :内政の有る大戦略みたいなゲーム。
歩夢 :内政?大戦略?
せつ菜:私知ってます! 歴史上の人物になって文明を作っていくゲームですよね!!
しずく:歴史上の人物になるなんて、おもしろそうですね。
愛 :ヒマだからみんなでやってみない?
歩夢 :難しい? 私あんまりゲームしないから……
果林 :璃奈ちゃん以外みんな素人だからちょうどいいんじゃない?
エマ :わたしもやってみたい
かすみ (むむむ……やったことないゲームです。でも負けるのは悔しいです……)
愛 :かすかすはどうする?
かすみ:え? か、かすみんだってCivilizationくらいできますけどっ!」
愛 :じゃあ今度みんなでやってみよう
彼方 :お~
果林 :彼方わかってる?
かすみ (これは負けるわけにはいかないです。今から特訓しなければ……)
虹ヶ咲シヴィライゼーション大会当日
璃奈 :みんな準備いい? 璃奈ちゃんMODは入ってる?
みんな:はーい
璃奈 :勝利条件は無印と同じで次のいずれかを達成した人が勝ち。
他国の首都を全て制圧する”制覇による勝利”。
一番先に火星へ入植する”科学による勝利”。
自国の文化や宗教を広める”文化による勝利”と”宗教による勝利”。
それでも決着がつかない時は”スコアによる勝利”。
かすみ (今日まで寝る間を惜しんで特訓してきたんです。
みんなを出し抜いて一番になってやりますよー、にひひ……)
璃奈:それじゃあスタート。
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かすみ「始まりました。りな子のMODを入れたけど見た所普通の無印ですね……
まあいいです。まずはいつも通り入植者で首都を作ります」
首都建造
かすみ「ふふふ、ここから偉大なかすみん帝国を作っちゃいますよー」
かすみ「都市で投石兵ちゃんを作ってー、棍棒戦士ちゃんには偵察に出てもらいます」
棍棒戦士と投石兵で偵察していく。
かすみ「なかなか肥沃な土地です、これは幸先良さそうですね。マップは大陸でしょうか?」
エマ 「うらー!」
かすみ「わっ! 蛮族の斥候に首都が見つかってしまいました!
って、エマ先輩じゃないですかー?!」
エマ 「今回のわたしは蛮族だよ」
かすみ「りな子のMODのせいですね、プレイヤーが蛮族だなんてどうなってるんですか!
まあいいです。投石兵ちゃんで追い払います」ぴゅんぴゅん
エマ 「うわー」退散
かすみ「ふう。
かすみんはー、長距離攻撃でちく♡ちく♡するのが好きなんです!
腹黒系文明です♡」
弓術のテクノロジーを開発して投石兵を弓兵にアップグレードしていく。
歩夢 「あ、かすみちゃんこんにちわー」
かすみ「歩夢先輩、こんにちわ。ご近所さんみたいですね」
歩夢 「うん。お会いできて光栄だね」
かすみ「かすみんの素晴らしい都市にお招きしますよ」
歩夢 「わー、楽しみー」
かすみ (くくく、ゲーム初心者の歩夢先輩が近所とはラッキーです。
歩夢先輩がもたもたしているうちにかすみんの都市をばん♡ばん♡出して
領土を広げちゃいますよー)
かすみんは入植者を量産して都市を増やしていった。
かすみ「都市が増えてかすみん帝国民も増えて行きます。楽しい段階ですね」
エマ 「うらー!」
かすみ「わわっ、こんなところに蛮族の前哨地が! かすみんの入植者が捕まってしまいます!」
エマ 「えへへ~ 捕まえちゃうぞ~」
かすみ「えへへじゃないです! 弓兵ちゃんを送って一掃します!」
戦いの末、エマ蛮族の前哨地は制圧された。
エマ「うわー、やられたー」
かすみ「はあはあ、時間を食ってしまいました。領土拡大に戻らなければ」
愛 「あ、かすかすだ。おーい」
かすみ「げ、愛先輩の文明が領土を広げています。
ちょっと愛先輩!かすみん帝国の近くに入植しないでくださいよ!」
愛 「えー、愛友は好きなところに住むよー」
かすみ「我が帝国に敬意を払えない人には敬意を払えません!」
(愛さんの民の生産力は賞賛に値します……
これは強力なライバルになりそうです)
歩夢と愛に挟まれながら領土を拡大していくかすみん。
かすみ「かすみん帝国の政府は独裁なんです。
長距離攻撃ユニットと入植者の生産コストを下げて量産していきます」
璃奈 「はろー」
かすみ「あ、りな子。ってりな子はプレイヤーなのにNPCの都市国家なの?」
璃奈 「うん。私は慣れてるから今回は都市国家をやってる。これも璃奈ちゃんMODの効果」
かすみ「じゃあかすみん帝国の代表団を送ってりな子の都市国家と友好関係を結ぶね」
璃奈 「うん。璃奈ちゃんボード「友好」」
かすみ (くくく…… 都市国家なんか軍事力で制圧してもいいですけどー、
代表団を送ってかすみん帝国の属国にしてあげます)
かすみ「あれ? 一度探索した場所にまた蛮族の前哨地ができてます!
ほんとゴキブリみたいに湧いてきますね……」
エマ 「わたしのうちは多産系だからー」
かすみ「そんなの関係ないです! また弓兵ちゃん軍団を送って絶滅させてやります!」
かすみん弓兵隊がエマ蛮族と戦いを始めたその時。
歩夢 「かすみちゃん、ごめんね」シュキーン!
歩夢王国が背後からかすみん帝国に攻め込んできた。
かすみ「ぎゃー! ちょっと歩夢先輩何やってるんですか?!」
歩夢 「ごめんね」
かすみ「ごめんねじゃないです! そんな序盤で攻めてきてもお互い疲弊するだけですよ!」
かすみん帝国と歩夢王国が泥沼の戦いを始めた。
かすみ「あーあー、象兵(ヴァル)なんか作っちゃって!」
歩夢 「象さん可愛いかったからー」パオーン
かすみ「もう!象は硬いんですよ!めんどくさい!」ちくちく
象兵の突進を弓兵で取り囲むように応戦。
激しい戦いだったがかすみん帝国は弓兵の数で圧倒し、ついに歩夢王国の都市を全て陥落させた。
歩夢 「あーん、やられちゃったー」
かすみ「はあはあ、手こずらせないでください!」
歩夢 「もうこのぉ王国は終わりだっ!」
歩夢王国、崩壊。
かすみ「まったく、不毛な戦いをしたせいで内政が止まってしまいました。
労働者ちゃんを生産して収穫を増やさなければ」
かすみん帝国の労働者達が草原を農場に、丘陵を鉱山に改善し、食料と生産力を増やしていった
かすみ「かすみん帝国は区域を目一杯詰め込んだ贅沢な帝国なんです♡
キャンパスは山の麓に設置して科学力ボーナスをいただきますよー」
キャンパス、劇場広場の区域も整備し、科学力と文化力も高めていく。
愛 「ねえねえ、かすかすー。愛さんと取引しようよ」
かすみ「いいですよー。って、なんでかすみんが一方的にお金を貢ぐ条件なんですか?!
こんなの取引じゃ無いです!」
愛 「だって愛友共和国は強いから、断ったらどうなるかわかるよね?」
かすみ (くっ、これは脅迫です! 歩夢先輩と不毛な戦いをしている間に愛先輩に軍事力を
つけられてしまいました。悔しいですがここはおとなしく従うフリをしておきます)
愛 「悪いねー、愛さんめっちゃ強引、なんつって!」ホクホク
かすみ (軍事力にものを言わせてやりたい放題です……
愛先輩とは近いうちに戦争になりそうです。秘密の作戦で準備を進めなければ)
かすみん帝国は愛友共和国との国境の都市に防壁と兵舎区域を建設。
また機械のテクノロジーを開発し長距離攻撃ユニットを弩兵にアップグレードさせていった。
かすみ「だいぶ軍事力が強化されてきました。これにりな子の都市国家の戦力も加えれば
愛先輩を倒せるはず。愛友共和国との国境に戦闘ユニットを移動させます」
愛 「あれー? かすかすの戦闘ユニットが愛友共和国の近くに集結してるよー?
どういうことかなー?」
かすみ「たまたま通りかかっただけですよぉ♡」
愛 「そっか。って愛さんだまされないよ! こっちから先制攻撃だ!」シュキーン!
かすみ「バレちゃしょうがないです、戦争開始です! りな子も兵を送って!」
璃奈 「かすみちゃんゴメン」
なんと、璃奈の都市国家もかすみん帝国に攻め込んできた。
かすみ「ぎゃー! りな子何やってるの! 友好関係じゃなかったの?!」
璃奈 「私やっぱり愛さんにつく。璃奈ちゃんボード「裏切り」」
かすみ「あっ、いつの間にか愛先輩が代表団を大量に送り込んでりな子の宗主国になってます!
やられました!」
愛友共和国と璃奈都市国家に挟撃されるかすみん帝国。
愛友共和国は騎兵を中心に電撃作戦を仕掛けるも、かすみん帝国の都市と兵舎区域に
立てこもった弩兵により各個撃破されていった。
かすみ「なんとかしのぎました。ここから反撃ですよー、秘密のカタパルトちゃんの出番です♡」
かすみん帝国はカタパルトを含む長距離攻撃ユニット軍団で愛友共和国の都市を砲撃。
防壁が崩壊したところに剣士が突入し首都を制圧した。
愛 「ねえねえ かすみちゃん、和平を結ばない?」
かすみ「愛先輩がどーしてもって言うなら結んであげていいですけどー?
賠償金50ゴールドを30ターンで許してあげますよ?」
愛 「かすかすの鬼っ! でも愛さんにはもう他に選択肢は無いや。
愛さん降参。高二だけど」
膨大な賠償金で和平は成立した。
愛友共和国は首都を奪われ、大陸の片隅でひっそりと生きることになった。
かすみ「あとはりな子ですが…」
璃奈 「今はかすみちゃんが私の宗主国だよ。璃奈ちゃんボード「従属」」
かすみ「都市国家はほんとに調子がいいですね…… まあいいでしょう。
これでこの大陸はほぼ制覇しました。他の大陸を探索に行く時です」
かすみん帝国は戦争で荒れた国土を修復しつつ地図製作法のテクノロジーを開発し、
外洋航行能力を獲得した。そして自分の大陸以外の世界を探索し始めた。
かすみ「隣の大陸が見えてきました。あ、大陸がほぼ真っ赤です!」
せつ菜「あ!かすみさん!!はじめまして!!!」
かすみ「こんにちは、せつ菜先輩。せつ菜先輩がそっちの大陸を制覇したんですか?」
せつ菜「はい! せつ菜連邦の大好きを広める為にがむしゃらに戦っていたら
大陸を制覇してしまいました!!」
かすみ (しず子と果林先輩はせつ菜連邦に壊滅させられたようですね……
あ、大陸の隅っこに彼方先輩の国がありますが全然成長していません。
寝てるんでしょうか……?)
せつ菜「私の大好きをかすみさんの大陸にも広めに行きます!!」シュキーン!
かすみ「望むところです!」
(せつ菜先輩と戦ってる間に宇宙開発して科学による勝利を目指しますよ、にひひ。
彼方先輩は放っておきます。寝るのは軟弱者だけです)
せつ菜連邦の通称”赤い嵐の軍団(せつ菜スカーレットストーム)”が海を渡って
かすみん帝国に迫ってきた。
かすみ「さすがせつ菜先輩の軍は近代の強力な戦闘ユニットばかりです、戦艦までいます。
かすみんも長距離攻撃ユニットで迎撃しますよー」
例によってかすみん帝国は海岸沿いに兵舎区画を建設し、そこから大砲と野戦砲による
砲撃を展開。せつ菜連邦軍を水際沿いで撃破していく。
せつ菜「くっ、やりますね、かすみさん!」
かすみ「守る方が有利ですからねー」
(その隙に秘密のスパイちゃんをせつ菜連邦に送り込んで後方撹乱しちゃいます♡)
せつ菜連邦の都市に反乱軍発生。
反乱軍エマ「うおー! 略奪だー!」
せつ菜「あっ! 我が連邦の都市に反乱軍が発生しました!
なかがわスーパーアリーナを建設して快適性を上げていたのに
何が不満だったんですか?! すぐ鎮圧に向かわねば!」
かすみ「にひひ」
(しかし蛮族と反乱軍が同じというのは変なゲームです。
蛮族が戦車を持ってるのにいつも違和感を感じます…)
せつ菜連邦との戦いが膠着化する中、かすみん帝国はテクノロジーと社会制度の開発を進めた。
そして。
かすみ「人工衛星打ち上げ、月面着陸を成功させました。
あとはこの火星入植用水耕モジュールちゃんを打ち上げれば科学による勝利です!
火星でもアイドルになっちゃいますよー!」
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ナレーション「塵から生まれた我らが文明がまた塵に帰る。これもまた必然か」
かすみ「あれ? 敗北のムービーが流れ始めました。
どう言うことですか?! かすみん負けて無いですよー!」
彼方 「彼方ちゃんの夢の国が宗教による勝利をしたよ~」
かすみ「彼方先輩! 寝てたんじゃなかったんですか?!」
彼方 「うん。こっそり、すやぴ教を創始して布教してたんだ~」
せつ菜「うかつでした! 世界中の都市が彼方さんのすやぴ教に染まっています!
まったく気にしてませんでした!!」
かすみ「ううー、せっかくかすみん帝国の勝利が目前だったのにー」泣
彼方 「よしよし」
かすみ「もう一回です! もう一回!!」
ナレーション「我らが灯火は今、消え絶えようとしている。
願わくば誰かがこの火をまた灯さんことを」
完
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