～数分前、図書室～

しずく「う～ん…」ｸﾞｸﾞッ


侑「あれ？しずくちゃん何やってるの？」

しずく「あ、侑先輩…実は上にある本が取れなくて…」

侑「ああ…誰があんな高い所に置いたんだろ…」

しずく「困りましたね…」

侑「よし！私が肩車してあげよう！」

しずく「えっ！？そんな悪いですよ…」

侑「いいっていいって！こういう時は先輩に任せなさい！」

しずく（正直侑先輩のクソザコフィジカルじゃ不安なんですけど、そこまで言うなら…）



しずく「わかりました、よろしくお願いします」

侑「うん、任せて！」ﾌﾝｽ

侑「むぐぐぐぐ…」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

しずく「ゆ、侑先輩…大丈夫ですか？」

侑「だ、大丈夫だから…早く取って…」

しずく「は、はい…」


侑（つい引き受けちゃったけど、やっぱりこれ以上は…）ｸﾞﾗッ

しずく「え…」


ﾄﾞﾝｶﾞﾗｶﾞｯｼｬｰﾝ!

しずく「いたた…侑先輩大丈夫ですか？」


ｼｰﾝ…


しずく「あれ？侑先輩？」


侑「」ﾁｰﾝ


しずく「ゆ、侑せんぱああああああああああああああい！！！！！」

しずく（まさか私のお尻で侑先輩のお顔を押し潰してしまうなんて…それに…」


侑「う～ん…何も思い出せないな…」

しずく「そのショックで侑先輩の記憶が…」

しずく「これからどうすればいいんでしょうか…」

侑「ねぇ」

しずく「は、はい…？」

侑「あなたは…誰？」

しずく「え、ああそうですね…私は…」

侑「私の側にいるって事は、私にとって大切な人…なのかな？」

しずく「！」


しずく（こ、これは…）









しずく（無理に記憶を元に戻す必要は、ないのかもしれませんね）ﾆﾔﾘ

侑「ねぇ、どうなの？」

しずく「そうですね、確かに私たちはとても親しい仲でした」

侑「やっぱり…でもゴメン、何も覚えてなくて」

しずく「いえいえ、いいんですよ」


しずく「これからまた親密になっていけばいいんですから♡」

侑「う、うん…そうだね…」

しずく（さて、まずは…）


しずく「とりあえず、まずは私の頭を撫でてくれませんか？」

侑「え？」

しずく「2人きりの時は、いつもしてくれたじゃないですか」

侑「ああ…そう…なんだ…じゃあ…」


ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


侑「ど、どう？」

しずく「はい、凄く気持ち…いえイイ感じです」ｷｭﾝ

しずく（さて、次は…）


しずく「ハグ…してください」

侑「は…ハグ！」

しずく「これも2人きりの時は…」

侑「わ、わかった！するよ！」




ｷﾞｭッ



侑「ど、どう…？」

しずく「いい感じです♡」

しずく（さて、そろそろメインディッシュを…）


しずく「次は…キス…してください…」

侑「え！？キキキキキキキキス！？」

しずく「はい、侑先輩はキス魔でよく…」

侑「わ、わわわわわかったって…すればいいんでしょ！」

侑「じゃ、じゃあ…いくよ…」ｽｽｽ…

しずく「はい、来てください♡」

しずく（ああ。侑先輩の唇が遂に私の物に…♡）









しずく（あれ？来ない…）










侑「なーんちゃって！！！」

しずく「！？」

しずく「ゆ、侑先輩…まさか…」

侑「その通り！実は最初から記憶なんてなくなってなかったのです！」

しずく「ど、どうしてそんなことを…」

侑「いや～しずくちゃんのお尻に潰されててふと思いついちゃったんだよね」


侑「いつもしずくちゃんにはペース握られっぱなしだから、ここらで一発仕返しをしようかと…」

侑「そこで私が記憶喪失になればしずくちゃんは私を好き放題すると思って、ギリギリでネタばらしをする…」

侑「完全にときめいちゃったよ！！！」

侑「あーははははははは！！！」

しずく「…侑先輩」

ｶﾞｼッ

侑「え？」



ﾁｭッ


侑「！？」

侑「ぷはっ！え…しずくちゃん…え！？」

しずく「うふふ…侑先輩の唇いただきました♡」

侑「ななな…」


しずく「私気付いてましたよ？侑先輩が記憶喪失のフリをしていたのを」

侑「え…」

しずく「だって記憶喪失になってるのに妙に落ち着いてるんですもん」

侑「うっ…やっぱしずくちゃんの目はごまかせないか…」

しずく「さて、侑先輩…」

侑「え？」



ｶﾞﾊﾞッ



侑「うわっ！」ﾄﾞｻッ

しずく「うふふ…侑先輩お得意の押し倒され芸ですね♡」

侑「べ、別にお得意芸じゃ…」

しずく「さて、ここからは絶対に忘れなれない思い出を作ってあげましょうね、侑先輩♡」

侑「お、お手柔らかにね…」



侑（ああ、やっぱしずくちゃんには敵わないな…）



～おわり～