幼馴染「う、嬉しくなんてないんだから!!」 (136)
幼馴染「......」
男「......」
俺の名前は男。
そして目の前で、なんとも不機嫌そうな顔で
俺を睨むこの女の子は俺の幼馴染。
彼女の特徴を一つあげるとすれば......それは
非常に照れ屋なところだ。
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例えば俺が彼女の頭を撫でたとき
幼馴染「ちょ!! なに人の頭撫でてんのよ!!」
そう言って、俺を睨みつけてくる。
しかし、ここでやってはいけないことは......
彼女、幼馴染の頭から手を退けることだ。
俺の幼馴染は非常に照れ屋だ。
この言動はその自分の感情を隠しているに過ぎない。
ここで手を退けようものなら......
幼馴染「......ぁ」
彼女は悲しげな表情をしてしまうだろう。
幼馴染「撫でるなとは......言ってないわよ......」
しかし、時には失敗もある。
現に俺は彼女の頭から手を退けた。
さて、この場合の対処は時間が重要だ。
男「幼」
幼「......え、ふむ!?」
まずは彼女を抱き締める。
すると彼女の身長は俺の胸くらいなので
抱き締めると自然と俺の胸に顔を埋めることになる。
幼「ちょ!! 男......はぅ!?」
そして抱き締めたら次だ
彼女が喋りだす前に決めないといけない。
幼「は、離しなさいよ......んん!?」
そして俺は自分の腕の中で、もじもじと動いている
彼女の頭を優しく撫でた。
男「幼......幼......」
この時、余裕があれば
彼女を撫でながら名前を呼んであげる。
幼「な、なによ......いきなり何なのよ......」
すると、彼女のさっきまでの
トゲトゲした雰囲気は消え、変わりに
幼「こんなことしないでよぉ......もう......バカァ......」
顔をすっかり赤くさせ、上目で俺に
睨むという反抗手段しか持たない、可愛い女の子になる。
男「幼」
幼「な、なによぉ......」
幼は照れ屋だ、俺が何かしら
幼にアクションを起こせば
大抵は照れ隠しという名の罵倒がくる。
男「髪、綺麗だな」
幼「だ、だから何よ!! は、早く離れなさいよ......」
しかし、先でも言ったが
素直に彼女の言葉をのんではいけない。
むしろ、対抗するくらいが良い。
今回は幼の髪を褒めちぎる。
男「こんなに綺麗なのを維持するのって大変だろ?」
幼「それはまぁ......楽ではないけど」
男「だろ? でも幼は凄いなぁ」
男「俺がこうやって撫でても崩れないし、全然引っかからないし」
男「幼はえらいなぁ......よしよし」
幼「なぁ......!?」
するとどうだろう、幼は俺の胸に顔を埋めてしまった。
幼「ふ、ふりぇしくなんて......ふぁいんだふぁら!!」
声が籠もって聞こえづらいが
幼がこの行動をしている時点で
幼が喜んでいるのは一目瞭然だ。
現に、俺が離れようとしても幼は俺の服をしっかりと
掴んで離れない。
と、このように俺の幼なじみは
非常に照れ屋さんだ。
口調はすこし凹凸あるが
その内側、心はとても純粋で
健気な温かい女の子である。
簡単にいうと、外はツンで中はトロトロである。
今日はここまでー
地の文あるけど、許してください。
ツンデレなんですね。期待
しかし、この照れ屋な幼は
俺が他人に優越感を感じる要因、そして
この睨みながらも、その愛らしい瞳で俺を見つめる幼は
幼の家族と俺の家族以外、俺だけしか知らない
なぜなら............
幼「学校......怖いよぉ......男ぉ......」
学校での彼女は他人と接するのが不器用な女の子だからだ
彼女は照れ屋だ
そしてそれが、他者が幼に近づきがたいという
非常に残念な効果を発揮している。
幼は基本的に受け身の立ち位置
つまり自分からは、他人に話しかけない。
学校では非常にクールで可愛い女の子だ。
それにより命名されたニックネームは
雪ダルマ
幼「......私って......太ってるの?」
半ば泣きながら俺に相談を持ちかけた昨年が懐かしい......。
男「きっと幼が校庭で楽しそうに雪ダルマを作っていたからだよ」
男子生徒曰わく、ギャップ萌えだとかなんとか......。
というわけで
俺の幼は学校でこそクールな女の子ではあるが
俺と二人きりになると
幼「ねぇ......男」
たちまち快活な女の子になる。
男「どうした?」
幼「学校で会話してたあの女の子だれ?」
男「ああ、同じ委員会の子」
幼「ふ~ん、そうなんだ......」
本などで見る照れ屋な女の子は
自身の照れを隠すために、多少暴力的な行動をする
それは彼女も例外ではない
現に幼は俺の脇腹にパンチしてきた
しかし、それは弱々しいものだ
幼の暴力は物理的な痛みでの暴力ではない
幼のその本質は先にも述べた......
健気さである。
幼「............」
ポス ポス
男「幼、言いたいことがあるなら口で言わないと駄目だぞ?
幼「ず......ずるいわよ」
男「うん」
幼「私はあんな風に男と話せないもん......」
幼「あの女の子、ずるいわよ......」
幼「私だって......男と学校で、あんな風に楽しく話せたらなって......」
幼「そ、それだけ......終わり」
ポス ポス
そんな、小さい女の子が大事ものを横撮りされて
拗ねているような表情の幼には
男「そっか、ごめんな......」
誤るのが一番効果がある。
幼「別に、謝らなくて......いいわよ」
と、幼は言うが、これは逆に慰めて欲しいと言っている証拠である
さて、ここで重要なのは
幼の健気な努力を褒めてやることだ
男「俺がその女の子と話しているとき、幼、物陰でこっち見てただろ?」
褒める材料は
学校で、もじもじ、しながら俺とその女の子を見ていた幼
そして、放課後に委員会で遅くなった俺を待ってくれた幼だ
幼「......む」
男「会話に混ざろうって頑張ってたもんな~」
幼「......うぅ」
男「そうやって努力してんだから、幼は偉いよ、よしよし」
ナデナデ
幼「べ、別に、嬉しくなんか......」
>>27
誤る → 謝るに訂正
男「それに俺のこと待っててくれたじゃないか」
幼「あれは......その、なんというかその......」
ここで高等テクニック、とは少し言い過ぎだが
幼が話している途中に、理不尽な愛情を与える
男「幼」
幼「なによ......ひぅ!?」
男「ああ~、幼~」
理不尽な愛情、それは幼を抱っこし、抱きしめることだ。
幼「ちょっと!! 降ろしてよ!! 私重いから......」
ちなみにここは俺の家なので問題はない。
男「幼」
幼「な、なによ......」
そして幼を見つめ続ける
それは幼が照れて俺から目をそらすまでだ
それまで幼から目をそらしてはいけない
幼「な、なによもう......」プイ
幼が俺から目を逸らしたら
勝ちだ。
男「幼、ありがとうな」
幼「......!!」
男「幼のそんな健気なところ......」
男「大好きだ」
幼「!!??」
すると、彼女はたちまち
俺に視線を戻し、しかし言われたことが事なので
照れてまたすぐ逸らす、それを数セットほど繰り返す。
幼「な、なんでそんなこと堂々と......!!
あう......うぅ.....もぉ......恥ずかしと思わないの?」
そして、そんな彼女からを目を逸らさず見つめ続ける。
優しく見つめるのが大切だ。
幼「むぅ、ちょっとぉ、そんなに見つめないでよ!!」
幼「ああ、もぅ......んん!!」チラチラ
幼「お、降ろしてよぉ......!!」
前に対抗するのがいいと言ったが
今回は少し捻りを加えてみようと思う。
男「嫌なら、抜け出せばいい」
男「俺、そんなに力入れてないよ?
抜け出そうと思えば、楽勝だよ?」
俺がそう言うや、幼は不意をつかれたような表情を浮かべ
そして、俺が本当に力を入れてないかを確認して
容易く俺の腕から抜け出した。
そして、俺をまるで恨みがましく、しかしもの足りないような表情で
幼「......バカ......」
そう言い残し、俺の部屋の窓から自分の部屋の窓へと
飛び移ろうと足をかけたところで幼は
こんな言葉を、呟くように言った。
幼「う、嬉しくなんてないんだから......」
そして自分の部屋へと帰ってしまった。
幼は照れ屋だ。
しかし、それは本人も理解している。
だからこそ、ささやかに努力をし続けている。
俺は幼のそんな健気なところが......
男「ふぅ、可愛いやつめ」
とても、魅力的だと思う。
誤字には気をつけます。
休憩。
幼は照れ屋で、健気だ
ある意味自分の気持ちを素直にさらけ出している。
そして、学校では俺と話したいなと
もじもじ、しながら機会をうかがう小動物だ
しかしながら、時に幼は、凄い行動力を見せる。
あれは昨年の2月、バレンタインデーだった。
残念ながら俺はチョコが苦手だった。
苦手というよりチョコを食べると鼻血がでる。
だからチョコは極力食べない。
しかし、その時ばかりはそうも言ってられなかった。
幼「お、男ぉ......」
その日はいつものように俺の部屋で
幼と他愛ない話しをしていた。
男「ん~なんだ?」
ふと、会話が途切れた時だ
幼が急にそわそわし始めた。
幼「え、えと......その......」
そんな幼を俺は黙って見守っていた。
言いたいことは分かっていたが
こんな風に手をしきりに動かしながら
俺にどうやってその話を切り出そうかと
そわそわしている、この可愛い奴を
見ているのも悪くないと思ったからだ
幼「......こ、これ......」
そしてそんな幼を見つめて数分......
俺の目の前には、手作りであろう
雪だるまの形をした平たいチョコレートが
俺に差し出すような感じで、幼の両手にのっていた
幼「た、たまたまお母さんが沢山チョコレート
買ってきたから......」
幼「だから、作っただけなんだから......」
幼「べ、べつにバレンタインデーとか......そういうわけじゃないから」
幼「か、勘違いしちゃいけないんだから......」
そう言いながら
幼が作ってくれたチョコを受け取る
しかし、俺はチョコを食べると鼻血がでる
男「なぁ幼、俺チョコを食べると鼻血でるんだけど」
そう俺が言った瞬間、幼は俺を意地悪な目で俺を睨みつけてきた
幼「男ぉ......前に私に言ったわよね」
幼「食べ物の好き嫌いは駄目だって」
男「これは好き嫌いではないと思うんだが......」
幼「でもチョコを食べて鼻血でるなんてマヌケよ
克服しないと駄目」
男「えぇ......」
男「でも毎年鼻血でるし......」
そう、この特訓らしきものは以前からしている
しかし、今だに克服できていない。
幼「そう言うと思って、私は策を考えてきたんだから!!」
男「ほう、どんなの?」
俺がそう言うと幼は堂々と言った
幼「チョコを食べると鼻血がでる」
幼「その考えを壊せばいいのよ!!」
つまり固定観念を壊すということだが
男「で、どうやって破壊するの?」
幼「ま、まぁ......それは......ね?」
男「はぁ......」
幼「ほ、ほら私達......こ、恋人じゃない?」
男「うん」
幼「つ、つまり......私にとっては男が.......ね?」
男「うん」
幼「で、でも私って学校とかだと男と話せないから......」
幼「そ、その分も兼ねての策を考えてきたわけで......」
男「つまり......?」
幼「......なんだから......」
男「へ?」
幼「今日だけ、特別なんだからね!!」
と、大きな声で幼はそう言い放った後
雪だるまチョコを一口サイズにしてゆく
そして......全部バラバラにしたあと
その内のひとつを自身の口へ持っていき、それをくわえ
幼「ん!!」
俺に突き出してきた
ここはあまり覚えてないから割愛しよう。
しかし、唯一覚えているのは
雪だるまチョコが全部なくなっていたことと
そして
チョコを食べて鼻血がでるのが治ったことだ
と、こういったように幼は
照れ屋で健気な一面をもち、そして
凄まじい行動力を見せる。
あ、あと一つ覚えていた。たしか幼が言っていたような......
幼「男......」
幼「お、美味しかった?」
幼「も、もしそうなら......」
幼「また......してあげても......いいんだから......ね?」
......今度は別の意味で鼻血がでないようにしよう。
そう俺は心に誓った。
ごめん昨年の2月じゃないね
今年だね。本当に失礼しました......。
また、夜書くから休憩。
ツンデレじゃなくて照れ屋なんだよ
だからツンデレって>>1は書いてないんだよ
さて俺の幼の魅力、少しは理解してくれたかと思う。
しかし、今でこそこんな可愛い奴だが
付き合う前は中々に暴れん坊な奴だった
だが、それは敢えて言わない
なぜなら、当時の幼を明かしてしまえば
今の幼とのギャップについていけなくなる
それほどに暴れん坊な奴だった。
まぁ......中身はやっぱり今と変わらなかったが......
その証拠に............
ピラ
ここに一通の手紙がある。
これは幼が俺にあてて書いた......そうラブレターだ
文面にはなんともスタイルの良い文字が連なっている
そして......照れ屋ながらも
自分の感情を懸命に言葉で表現した
幼の健気さも紙一杯に盛り込んである。
これを俺はすっかり暗記するほどに読み込んだ。
それくらい俺にとって、幼の手紙に書かれた言葉達が
甘ったるくて、そして心地よかった。
というわけで今日も読むことにする
まぁ、寝る前に読むのが日課になっているからだが......
では、開始。
男さんへ
こんにちは。男さん。
単刀直入ですが、私はアナタが好きです。
とってもとっても大好きです。
でもその気持ちとは裏腹にアナタには
つい無愛想な態度をとってしまいます。
でもそんな私にアナタはいつも笑ってくれます。
笑顔のアナタが好きです。
頑張る姿のアナタが好きです。
ちょっと抜けているアナタが好きです。
今はまだこの気持ちを直接伝えることは出来ませんが
近いうちに絶対、明かそうと思います。
それまで待っててください。
アナタを慕う人より。
............
ふと見れば、ありふれた言葉だろう。
だが俺にとってはそんな言葉が
強く、強烈に、色鮮やかに刻まれた。
なぜならこの手紙を、俺のげた箱に入れる
幼の幸せそうな顔を見てしまったからだ。
その瞬間、俺は幼に惚れた。
手紙なんか見るまえにだ
何時もとは違う、屈託のない笑みを浮かべ
頬を淡く染めながら
その手に持った恋文をげた箱に入れる
そんな、初めて見つけた幼の心に
惚れないわけがなかった......。
ーーーーーーーーー
男「......」
男「......幼」
そして俺はこうして幼と恋仲になった。
あの温かくて、照れ屋で健気な、そして時には大胆な行動をする
そんな、小さくて可愛い奴と一緒になれた。
男「......おやすみ」
そして......できることなら......
男「......また明日」
これからもずっと幼と同じ道を歩んでいきたい。
これにてこのSSは終わりです!!
短いけど、ありがとうございました!!
誤字多くてすいません!!
長くやるとグダっとなりそうなので
これでスパっ、と止めようと思いました!!
楽しみにしてた人は申し訳ない。
俺の幼の特徴の一つに
学校での彼女は他人と接するのが不器用な女の子だ
と、俺は言った。
なら学校以外は? 検証してみた。
結果......。
男「幼~幼~」
幼「なに? そんなにニコニコしてどうかしたの?」
男「買い物いこう」
幼「......コンビニ?」
男「いや、商店街で......」
幼「やだ......」
男「え.....どうして?」
幼「人ゴミ......嫌い」
どこででも、幼は人見知りでした。
男「えー 幼行こうぜ?」
幼「い、嫌なものは......イヤなの!!」
さて幼の人見知りが
学校限定ではなく
もっと広い範囲であったことが分かった。
しかし......
男「だったら俺、一人で行ってくるよ?」
幼「ぇ......」
買い物に出掛けないと
今夜の夕食がなくなる
男「そんじゃ留守番よろしくな」
幼「え!? そんな......うぅ」
ということで、少し悲しいが今回は乱暴に扱う
男「行ってきまーす」ガチャ
幼「あ......お、男ぉ......」
おどおどしている幼を背に
俺は家を出た。
すると......。
ピリリリリ......。
男「幼、なに?」
幼[わ、私も行く!!]
男「でも人ゴミ嫌いって......」
幼[そ、それは気にしなくていいの!!]
幼[今から準備するから待ってて!!]
幼[お、置いていったら......許さないんだから......]
プツ、ツー ツー
幼は人見知りだ。
でも、俺といるのが好きだから
そして学校だとどうしても離れてしまうから......
幼「男......」タタタタタ
その分を取り戻すように、それ以外では
ほとんど俺の隣にいる。
男「お、来たか」
幼「ほ、ほら......買い物行くわよ?」そわそわ
男「はいはい、あそうだ......ほら」
男「はぐれないように、手繋ごっか」
幼「は......恥ずかしいわよ......」
男「ん、そうか......分かった」ナデナデ
幼「で、でも!!」
それに俺もなるべく幼の隣にいたい
幼「お、男がどうしてもって言うなら......」
だから、俺は幼の人見知りを
少しだけ克服させようと思う。
男「幼」
幼「......な、なによ」
男「俺と、手を繋いでくれ」
幼「......ぁ」
そうすれば......
この真っ赤で可愛い奴と色んな場所に行けるから
幼「と、とくべつ......なんだから......」
これは幼への愛情だ
ギュ
男「......行こっか?」
幼「......」コクン
幼を俺好みに染め上げる。な
ごめんなさい、アイス食ったら腹を下したんです
これらの続きは明日。
あとツントロちゃんも少し続けることにしました。
では、おやすみなさい
腹痛くて寝れない、気晴らしに投下します。
さて、幼の人見知りを少しだけ克服させる
俺のささやかな目標が出来たわけだが
いかんせん、上手くはいかない。
学校では......
~ワイワイ ガヤガヤ~
男「(幼、頑張れ~......)」
幼「ぁぅ......!! ぇ......!!」もじもじ
モブ女「幼ちゃんどうしたの?」
男「(お、これは......!!)」
幼「......!! な、なんでもない......」プイ
男「(あらら......)」
商店街......。
幼「............」ソワソワ
男「幼、大丈夫?」
幼「こ、こんなのどうってこと......ないもん」
口ではこう言っているが、か細い声と
俺に引っ付いているという
この二つの要素のせいで
説得力がまるでない。
男「帰る......?」
幼「......うん」
~男の部屋~
とこのように
難航してしまっているのが現実だった。
男「ふーむ」
しかし、諦めるのはまだ早い。
幼「すぅ......すぅ......」スヤスヤ
この俺の肩にもたれて眠る小動物の
人見知りを克服させるのを諦めるのは
まだ早い。
幼「......ふにゅ、ジュル」タラリ
男「ああ!! 幼、俺のシャツに!! はぁ......」
幼「あ、挨拶運動......?」
男「そ、明日の朝に幼もするから」
幼「そんなの聞いてないわよ......」
この、目の前でムスっとした顔で俺を睨んでいる美少女は
みんなご存じ、照れ屋な幼だ。
そんて人見知り。
ちなみに挨拶運動というのは
俺の入っている生活委員会が行う
学校生活をより良いものとする活動の一つだ
朝、昇降口前に立ち
登校してくる生徒に挨拶する。
男「幼にはぜひ参加してほしい」
そう俺はこの挨拶運動で
幼の人見知りを克服させることにした。
幼「そんなの、生活委員だけで足りるでしょ」
男「幼の人見知りを克服させたいんだ」
幼「む......」
男「な?」
幼「もう、分かったわよ......し、仕方なくなんだから......」
そして何だかんだ言いつつも
頷いてくれる、この頑張り屋は
男「よっしゃ、頑張ろ」ワシャワシャ
幼「ふん......」
やっぱり俺の好きな幼だ。
~翌日~
しかし、現実は中々に厳しい。
ワイワイ ガヤガヤ
男「おはようございまーす!!」
幼「ぅ......ぁぁ......ぇぅ-......」もじもじ
只今俺達は、生活委員会数名と挨拶運動をしている。
生活委員会「おはようございまーす!!」
オハヨー オ~スッ
幼「............ぉ、ぉぅ.......ぬぅ」もじもじ
幼が顔を伏せながら、何かを言っているのは
分かるが......。
男「幼、声小さいよ......」
幼「......好きで小さくしてるわけじゃ......ないもん」
男「はぁ~ほら、頑張って」ペシペシ
幼「......負けないもん......負けないもん」
テイク1
オハヨー
幼「お、おはよ.......ござ......「おはようございまーす!!」
幼「バカ......バカ......!!」ポスポス
男「ほれほれ~もっと大きい声で言わないと~」
テイク2
オイ~ス
幼「お、おはよ.....」
~ ああ~幼ちゃんじゃん ~
~ 幼ちゃんおはよー ~
幼「お、おす......」
男「運動部かお前は......」
テイク3
オハザース!! アザス!!
幼「お、おはよ......」
男「(お......?)」
幼「おはようございます......」もじもじ
~声 ちっさ!! ~
~ オウオウ 挨拶は大きくだぞ? ~
男「(まぁ、言うとおりだよ......)」
~ ほら頑張って ~
男「(なんか捕まった......)」
幼「お、おはよ......」
~ あーあー聞こえなーい ~
幼「おはよう......!!」
~ 小さいぞー小さいぞー ~
幼「......おはようございます......!!」ピクピク
~ 俺、耳遠いんすわw ~
幼「......!!」ブチ!!
幼「もう!!! うるさいうるさいうるさーい!!!」
男「!?」
幼「別にあんたのために挨拶してるわけじゃないもん!!」
~ お、おう ~
幼「おはようございます!!」
~ お、おう、おはよう~
幼「くぬぅ............もぉぉぉぉ......」
幼「バカーーーーーー!!!」
ダダダダダ!!!
幼はそのままどこかへ走り去っていった。
男「(......まぁ、最初はこんなもんかぁ)」
~ なんかわりぃな ~
~ ごめんな ~
男「いいよいいよ、気にすんな」
俺の幼の人見知り克服計画は
男「さて、探しにいかねぇと」
始まったばかりだ。
ーーーーーー体育館裏
そして
幼「悔しくないもん......悔しくないもん」グスン
男「よしよし、今日は頑張ったな偉いぞ」ナデナデ
幼「うぅ.......激おこむか着火ふぁいゃ......グスン」
男「お、落ち着け......」
道のりは険しい。
休憩
全部書いてくよ。
今クール書いてる
幼の人見知りを克服する。
そして俺はこれともう一つ
幼の照れ屋なところも克服させようと思った。
だが結論を言うと、これは失敗した。
というより、止めた。
俺には、これを克服させることなんて
とても出来なかったからだ。
男「幼」
幼「な、なによ」
男「好きっていってくれ」
幼「はぁ!?」
俺が幼の照れ屋を克服させたかった理由。
それは幼に直接、好き、といってほしいからだ。
男「幼、俺はお前が好きだ。幼は?」
幼「......な、なによ突然、そんなこと言えるわけ......」
男「俺は正直、不安だ。幼に好きって
口で言われたことがない」
幼「そ、そんなの態度で察しなさいよ......」
たしかに態度ではもう明らかな幼ではある。
しかし、俺はなんとしても、目の前で
もじもじしてるコイツから、好きといってほしかった。
幼「じゃあ......変わりにハグで......」
男「却下」
幼「ぬぅ......なら、き......」
男「ボイスで」
幼「なぁぁ......」
幼から妥協案が提案されるが
俺は譲らなかった。
男「幼」
幼「むぅ......そんな顔で見つめないでよ......!!」
幼「こ、断れなくなるじゃない......」
と幼はせわしなく身体やら視線やらを動かし
もそもそと何かを呟く。
そして......
幼「わ、分かったわよ......」
男「おお!! 本当か?」
ついに幼が頷いた。
…ん?幼に好きと言われたことがないってことは、幼からラブレターもらったあと幼より先に男の方から告白したということか
しかし。
幼「でも、やっぱり恥ずかしいから......」
男「え?」
幼「か、紙頂戴......」
男「え、いや紙に書くとか......」
幼「いいから!!」
男「ふぅ、分かった ほい」
そして俺は授業ノートの紙一枚を幼に渡す。
幼「......」
それに幼は何かを書く始める。
幼「ん!!」
そして書き終えた紙を、自身の顔を隠す形で
俺に見せた。
男「嘘?」
紙には大きく嘘と書かれていた。
俺は最初意味が分からなかった。
男「幼、これなん......」
幼「嫌い」
男「.......へ?」
幼「嫌い、男のこと嫌い......」
男「(......あ、そうか)」
幼「嫌いなんだから......男なんて嫌いなんだから」
男「(これは、なんとも斬新な......)」
幼「男のことなんか......大嫌いなんだから......」
男「うん、そっか」ナデナデ
幼「あ、頭なでないでよ......」
俺は幼の照れ屋を克服させようとしたが
諦めることにした。
男「まったく可愛いことしてくれちゃって」
幼「う、嬉しくなんて......ないんだから」
なぜなら......
男「幼らしいな」
幼「......ふん」
この照れ屋なままの方が
幼がとても魅力的だからだ。
休憩。>>122それはこれの話しを伏線に後で書こうと思ったんだ。
夏休みが終わってやることが出来てしまった......
なんだかんだでこのはSSを閉じます!!
ありがとう!!
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません