ちひろ「とりあえず、そのやり方は間違っているとわかった所で」

P「しかし……」

ちひろ「ガチャの価格を四倍にされる前に、さっさと行ってこい！」

P「は、はい！」

ｶﾞﾁｬ

ﾊﾞﾀﾝ



ちひろ「ふぅ……」

ちひろ「由愛ちゃんも、とんだ朴念仁を好きになったみたいですね……」ﾊｧ

―一方

由愛「くすん……くすん……」

由愛「私なんて……やっぱりいらない子なんだ……」



ありす「一体、何が……？」

千枝「由愛さん、何を言われたんですか？」

雪美「P……何か変なことを……？」

「おや？」



杏「みんなどうしちゃったのさ？」

智絵里「隠していたおやつを、かな子ちゃんに食べられたとか？」

かな子「なんでやねん」

杏「あぁ、そんなのはいいから……さ」

杏「言いにくいかもしれないけど、言ってすっきりしたりするからさ。ちゃんと話してみてごらん」

かな子「三人いれば文殊の知恵っていうし、その倍いるんだよ」

智絵(ちえ)里「『ちえ』も二人いるし。ね、千枝ちゃん」

千枝(ちえ)「？」

由愛「あ、はい……」



由愛「実は……」

―名前でなく名字で呼ばれたことを伝えました



杏「なるほど。たしかにいきなり言われたら困惑するよね」

由愛「はい……」

かな子「うーん、うちの武内Pさんは最初は名字呼びだったから……」

智絵里「緒方ァ！……ですね」

杏「それは他人のネタだから……」

ありす「私も最初、自分の名前が嫌で、名字呼びを頼みましたが……」

千枝「ありすちゃん、すぐに名前で呼んでくださいだったもんね」

雪美「朝令暮改……」

ありす「あ、あれは……」

杏「まぁまぁ。それで急に呼ばれたもんでか……そりゃショックだよなぁ」

かな子「私も、たまに名字で「三村ぁ！」ひゃ、ひゃい！」ﾋﾞｸｯ

智絵里「……とマストレさん風にかな子ちゃんを呼ぶと面白いからね」



かな子「もう、智絵里ちゃんってばぁ！」ﾄﾞｽｺｲﾄﾞｽｺｲ

智絵里「ちょ！突っ張りに力入れすぎ！」ﾊﾞｷﾍﾞｷｺﾞﾘﾊﾞﾘ

杏「まぁ、どうして名字呼びにしたかを聞いて……案外適当な理由かもしれないから、怒っちゃ駄目だからね」

かな子「そうそう、メニュー表のデザートの端から端まで頼んでいいかの許可を取り付ける感じで話を進めないとね」

智絵里「な、なんでやねん」ﾍﾛﾍﾛ

千枝「これが……」

ありす「大人の駆け引き……ですか」ｺﾞｸﾘ

杏「あとは、名字呼びは嫌だから、名前で呼んで欲しいのを言えると完璧だね」

由愛「あ、あぅぅぅ……(///)」



智絵里「顔を真っ赤にしちゃって」

かな子「可愛いね」

由愛「そ、そんな(///)可愛いだなんて(///)」

杏「ほらほらそれぐらいにしないと」



ﾕﾒｰ



杏「ほら、愛しのプロデューサー様のお呼びだしだよ」

由愛「は、はいっ！」

杏(その後、どうなったか杏達は知らない)

杏(ただ、スイーツ食べ放題の無料券をもらえたからうまくいったと思う)

杏(……問題は)

ありす「ぐぎがが……」

千枝「……」ｷﾞﾘｷﾞﾘｷﾞﾘ

雪美「……極……滅……」



由愛「はい、あーん」

P「あ、あーん」

ﾊﾟｸｯ

P「うん、ケーキの味がする」ｶﾞｸﾌﾞﾙ

由愛「えへへっ」





杏(この空気は……ねぇ)

智絵里「あ、このモンブランおいしい！」

かな子「こっちのタルトタタンもすっごくおいしいよ」

杏(あと、まったく空気を読まない我がユニットも……)

杏(杏、知らないからね)





由愛「ふふっ」ﾆﾁｬﾘ



おしまい