モバP「風呂入れよ!?」 (80)


     がちゃっ……ずる……ずる……

杏「おはよ~……そしておつかれさまー……」

P「おー、おはよう。そして帰ろうとするな」

杏「事務所に出るという仕事はこなしたから帰……あづい」


     ぐたっ


P「あー……今日は猛暑だからなぁ。ひとまず事務所の中で涼め」

杏「くやしい……でも涼しいから事務所はいる……」

P「まぁとにかく汗かいたろ? 水分補給して熱中症にだけは気をつけてな。ほれ水だ」


杏「あー、ありがと……あと飴ちょうだいー。今日は家から一人で来たんだからご褒美がないとやってらんないよ」

P「へいへい。今日はきらりが休みだからな、お迎えなしのご褒美……っと」

杏「ん」

P「仕事にはまだ時間があるな……杏、一休みしたら汗流してこい。汗だくのアイドルなんて仕事にならないからな?」

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杏「えー……そりゃ体も髪もべとついてヤだけどさぁ、体動かすのもめんどい」

P「といってもな、汗かいたままじゃ衣装着るにしてもメイクできないしヘアセットも無理だろうが」

P「大体いつもはちゃんと汗流し…………」


P「おい。まさかきらりと一緒に来てるときは、きらりにやってもらってるとか言わないよな……?」

杏「杏の事よくわかってるじゃん。今日はこのまま必要最低限のお仕事だけこなしておしまいだよ?」

P「駄目だ、風呂入ってこい。必要最低限の仕事すらこなせないのは問題だろうが」

杏「えー……杏はいけると思うんだけどなぁ。それならプロデューサーが杏をお風呂に入れてよ」

P「はぁ!?」



P「今、なんて!?」


杏「やだなぁその若さで耳が遠くなっちゃうなんて」

P「ふざけて言うにしても限度があるだろうが。俺が杏を風呂に入れろと?」

杏「ちゃんと聞こえてるじゃん」

P「聞こえてても意味がわからんから聞いてるんだっ」

杏「あー……耳じゃなくて問題は頭かぁ」

P「さすがにそれは今のお前が言うな」

杏「だって杏はもう体動かないよー、それなのに鬼のプロデューサーはお風呂に入ってお仕事もやれって言うの?」

P「仕事をキャンセルしたら杏の印税飛ぶぞ? その仕事をする為にお風呂入れって言ってるんだが」

P「というか女の子なら身なりに気を使えと……」


杏「そりゃあ杏は性別上は女だけど、今も昔も変わらぬニートでめんどうは嫌いだっ」

P「ええいれっきとしたアイドルだろが! それが男に風呂入れてくれだなんて常識を疑うわ……」

杏「常識にとらわれちゃいけないよ。アイドルは流行を、常識を作る側なんだ」キリッ

P「……不衛生の流行を作るアイドルなんて居てたまるか……」


P「とにかく! 俺が風呂に入れるなんて駄目だ。きらりにいつも洗ってもらう訳にもいかないんだから自分で洗うんだ」

杏「あれも駄目これも駄目じゃあ杏何もできないよ? あ、しなくていいならそっちのほうがいいや」


P「…………」


P「……水着」

杏「ん?」

P「百歩譲って体は自分で洗え。但し、体あらった後水着を着ろ」

P「俺も水着を着てればお互い裸でなくなる、それなら髪を洗ってやろう」

杏「えー、水着の上から泡立てて洗うってのは?」

P「それじゃ細かいところまで綺麗にできないだろ。そこは譲れん」

杏「まぁ体洗うより髪がめんどくさいからねぇ……といって髪切るのは」

P「今の売り方にも関わるからスタイル変更も駄目」

杏「ほんと駄目駄目づくしだよこのプロデューサー」

P「仕事以外の事はごくごく普通の事を言っているつもりなんだがな」


杏「もー、分かったよ。体洗って水着着るからさ、そしたら髪は洗ってくれるよね」

P「不本意だがそれで妥協しよう」

杏「アイドルのプロデューサーとして妥協はよくないよね、全身手洗いコースとかは?」


P「………………」


杏「わ、わ、ちょっとその怖い顔と握りこぶしやめて、水着とってくる!」


       とて とて とて

―――――
――――
―――

       シャァァァ……

P「まったく……おい杏ー? 準備よければ言えよー? こっちはもう水着きたからなー」


<ワカッテルヨー


P(……今日は他の皆が居なくてよかったわ……こんな事したと知られたらセクハラと騒がれかねない……)


<モウアラッタヨー ハイッテキテイイヨー


P「おー。じゃあ入るぞ」

        ガラッ


杏「ん、体はぼちぼち綺麗にできた」

P「へいへい、じゃあ髪洗ってやるから巻いてるタオル取るぞ」

杏「くるしゅうないー」

P「ぐ……兄妹とかだったらはったおしてるぞお前」

杏「いいね。プロデューサーがお兄ちゃんだったらなんだかんだ面倒見てくれそう」

P「そのかわり教育的指導もあると思うがな?」

杏「えー……そこはほら、妹を思う愛情でだね」

P「愛の鞭という言葉もある」

杏「鞭より飴で」

P「……まったく、ほんと口だけはまわるな」

杏「伊達に飴を舐め続けてないからね」キリッ

P「いろいろ違うわ」



        わしっ! わしっ! じゃばっじゃばっ

杏「むぐ、ちょっとプロデューサー力強いよ、もうちょっと丁寧にお願いっ」

P「っと、髪とか傷めてしまうのはまずいな。すまん」


       わしっ……わしっ……

杏「ん……ちょうどいいよ、それくらいで」

P「じゃあ、このままシャンプーするから目瞑れな?」

杏「はーい、杏が見えてないからって変な気起こさないでね?」


      ぺちっ

杏「あだっ、チョップは髪洗うやり方じゃないでしょー」

P「なあにちょっとした頭皮マッサージだ」


      ぺちっぺちっ

杏「ちょ、ちょ、ごめんごめんって、このまま髪洗ってくださいお願いします」

P「うむ、よろしい。それでどう洗ってやればいい?」

杏「えっと、きらりはいっつも頭を軽くわしゃわしゃした後で」

杏「髪を両手で挟むように手もみしてくれてるから」

P「分かった、また加減まずかったら言ってくれよな」

杏「うん」


       わしっ わしっ わしゃわしゃわしゃ

杏「んー……プロデューサー結構上手いね、加減は大丈夫だよ」

P「じゃあこのまま頭洗って髪までいくぞー」



       わしゃわしゃ  ぎゅっ ぎゅっ


P「……んー。結構髪質いいんだな、洗った所から髪が滑らなくなってく」

杏「まぁアイドルやる前に比べたら生活水準上がったからねー……不本意ながら」

P「いやそれは元の基準が駄目だろ……」


       ぎゅっ  ぷちん


杏「いだっ!? 髪の毛抜けたよっ!」

P「うわ! すまん手をひっかけてしまった……」

杏「もー、抜くのは髪じゃなくて手でいいのに」

P「すまんって……だが綺麗にしなきゃならんから手は抜けん」

P「次は気をつけ……って次はないから今回限りにするぞ」

杏「えー、きらりとプロデューサーで交代してくれたら杏はそれで助かるんだけど」

P「いつまでたっても独り立ちできないだろ……ったく」



       わしゃ わしゃ  ぎゅっ  ぎゅっ


P「ほんとこんな妹いたら目離せられないわ……」

杏「じゃあこれからもプロデューサーが面倒見てくれるって事だよねー」

P「またチョップ食らいたいか?」

杏「冗談だってば、そんな怒りっぽいと人生損だよ?」

P「そんなぐうたらだと人生損だぞ?」

杏「霞だけで生きていけるならそれが至高」キリッ

P「仙人レベルのぐうたらって何だ……それ飴もいらないだろ」

杏「あ、それは困るなぁ。飴と霞だけで、に訂正」

P「さすがに髪が長い分確かに大変だな……まぁ一通り洗い終わったから流して次はリンスな」

杏「はーい、ちゃんとじっとしておくから」

P「むしろ動いて自分で洗って欲しいのだが……」


         じゃぁぁぁ  わしゃわしゃわしゃ


P「はーいお痒い所はありませんかー?」

杏「あはは何それ。プロデューサーも段々乗ってきたね」

P「もう今は何言っても聞かないからこうなりゃヤケだ。といってもちゃんと加減はするけどな」

杏「やっぱプロデューサーは杏の事よく分かってるね。痒いトコは無いから大丈夫ー」

P「わかった。じゃあ泡も綺麗に流せた所でリンスするぞー、やり方はさっきと同じで」

杏「うん、お願い」

 ◇ ◇ ◇ ◇


P「よし、これで綺麗になったな。洗い残しは無いな?」

杏「うん、ありがと」

P「じゃあ杏は上がってくれるか? 今度は俺が汗かいたから洗い流したいんだ」

杏「はーい、あとで髪も乾かしてくれてもいい?」

P「この期に及んで……まぁいい、ここまできたらもうやってもやらなくても変わらんか」

P「むしろ放置されて夏風邪なんてひかれたらたまったもんじゃないし」


杏「じゃあ杏は上がって着替えるから、プロデューサーはゆっくり洗ってていいからね」

P「あいよ。まぁ着替え終わったらまた声かけてくれ、出れないから」

杏「あーい……はっ、このまま上がって声をかけなければプロデューサーは出れずにお仕事が流れて……」

P「よし今すぐ上がるから杏待ってろ」

杏「ちょ、冗談だってちゃんと声かけるよ!」

P「……ならよろしい。上がったら給湯室の冷蔵庫から飲み物とってこいよー、水分補給は欠かさずだ」

杏「おっけー、何だかんだで世話焼きだよねプロデューサーって」

P「ここまで手のかかる奴もそうそう居てほしくないけどな」

杏「まぁまぁ、それも甲斐性? ってことで」

P「……むしろ苦労性かと悩んでる所だ」



杏「それじゃ杏は先に上がるね」

P「おう」


         がらっ ばたん

―――――――
――――――
―――――

今日はここまで、次は週末予定

再開

-次の日-


P(さて、もうそろそろ二人の来る時間か……今日も暑いがきらりが居れば俺は風呂の必要はないよな……)


         がちゃっ! ばたーん!



きらり「にゃっほーい☆ きらりんさんじょーっ!」

P「おー、おはようきらり。そろそろ来る頃だと丁度思ってた所だよ」

きらり「にゃははー、時間ぴったし☆」


P「……で、こっちは背負われてるのにぐったりしてるな」

杏「……あづいよ、昨日よりもあづいよ……」

P「なんで動いてない方がぐったりしてるのかねぇ?」

杏「この日差しで太陽に焼かれてみなよ? 動かなくっても溶けるって……」

P「分からないでもないが……それなら歩き回ったきらりのほうがもっと暑いんじゃないか」

きらり「うーんとねー、きらりもおひさまにてらされてねー、うにょわ~……ってあつーいあつーいしてるにぃ」

P「やっぱりきらりも暑かったか、とにかく二人とも落ち着いて涼むといい」

きらり「らじゃーっ☆」

杏「言われなくてもそうするー……」



きらり「ジュースつめたーい! おへやすずしー! ……でもちょっと汗でじとじと、ちょっとだけしゅーん」

杏「うんー、折角昨日洗ってもらったのにまた髪がべとついてるよ」

きらり「にょ? きらり昨日杏ちゃんと一緒にお風呂入ってないよ?」

杏「あー、きらりじゃないよ。プロデューサーに洗ってもらったんだよ」


きらり「えーっ! Pちゃんに!? どしてどして!?」


P「あっ、こら杏それは言う事じゃないだろがっ、セクハラと思われたらまずいだろ!」

杏「だーいじょうぶだって、そもそも杏がやってって言った事なんだし」

P「それでも普通はやらないって分かるだろ」

きらり「ねぇねぇPちゃん! 杏ちゃんをお風呂にいれたげたのー?」

P「あー……まぁ風呂入れって言ったら嫌がったからさ、水着をつけさせて髪を洗ってやったんだ」

P「決してやましい気持ちは……」


きらり「ぉぉぉ……にょわー! うらやますぃ! きらりも水着つけたらPちゃんと一緒にお風呂でじゃぶじゃぶできるかにぃ?」

P「お、おいきらり!?」

きらり「だってだってー、杏ちゃんとPちゃんでお風呂でじゃぶじゃぶー! ってとってもはぴはぴしてたんだにぃ?」

きらり「きらりも一緒にじゃぶじゃぶはぴはぴしたいのー!」

きらり「水着つけなかったらー……ぽっ☆だけど、ちゃんと水着つけたら大丈夫! ばっちし☆」

P「おいおい……きらりまでお風呂に入れてくれって言うのか? それは……」

きらり「むぇ~……杏ちゃんだけずるいのー。みんなでお風呂じゃぶじゃぶしたーいのー!」

杏「ほら、きらりもこう言ってることだからさー、またプロデューサー髪洗ってよー」

P「杏は楽したいだけだろ、そこは聞く耳持たんぞ」

P「とは言えきらりは……」

きらり「どぉかにぃ? いいかなぁ?」

P「……あーもうそんなすがる様な眼差しをするな。杏も一回洗ってやったからきらりも一回洗ってやるか」

きらり「うきゃー☆ きらりんやったーうれすぃー!」

P「最初は二人で体洗った上で水着をつけて、それから俺が入る。っていう順番だからな」

きらり「うんっ、ふたりできれーきれーしたら水着そうちゃーく☆ Pちゃんじゃぶじゃぶ!」

きらり「…………うぇへへへ、ちょびっとだけ照れ照れしちゃうけど楽しみ☆」

 ◇ ◇ ◇ ◇

      シャァァァァ…… ニョワー! ピッカピカー!

P(……またこうなるワケか……とは言え、一度OKしてしまった以上はなぁ……無碍にもできないな)


<Pチャンオッケーダニィ!


P「よーし、じゃあ入るからなー」


          ガラッ



きらり「きらりんバスルームにようこそだにぃ☆」

P「おいおい、ここは事務所の風呂場だろ、ははっ」

きらり「うぇへへ、言ってみただけっ☆」

杏「今日も洗ってちょーうだい」

きらり「杏ちゃんはきらりが洗ったげるにぃ、Pちゃんはきらりの髪をわしゃわしゃしてー!」

P「ああ、わかった。どうやって洗おうか?」

きらり「んとねー。きらりはシャンプーをおててであわあわーって泡立てたら」

きらり「わしゃわしゃーって泡をたっくさんつけちゃうのー!」

きらり「そしたらねー、もこもこーって泡いーっぱいになった後で、ざばーって泡を流すのー!」

P「きらりは杏とまた違った洗い方なんだな」

きらり「きらりの髪はゆらゆらーってうぇーぶしてるからにぃ」


杏「杏はいつもの通りきらりに洗ってもらってるから大丈夫だね」

P「そうだな、順番はまず杏から洗ってからかな?」

きらり「んーん、一緒にやるのー!」

P「ん……? でもシャンプーの泡で目が開けられないんじゃないか……?」


きらり「にゃはは、そういうときは……これ、これ!」

 
       ごそごそ ぱっ


P「シャンプーハット……」

きらり「きらりがこれをつければー、杏ちゃんをわしゃわしゃしながらきらりもわしゃわしゃしてもらえるのー!」

P「なるほど……置いてあったやつはきらりがいつも使ってたのか」

きらり「うんっ、杏ちゃんにときどき洗ってもらってるにぃ」


P「……杏、髪洗うの面倒じゃなかったのか?」

杏「そりゃ自分の髪は長くて大変だけどさ」

杏「きらりの髪は私よりは短いからね、ボリュームあるけど簡単だし」

P「やってやるぐらいなら自分のやれよ……」

杏「時々だよ、いつも洗ってもらってるからたまにはお返し」

杏「そうすれば杏の髪をいつも洗ってくれるんだから、そっちのほうが楽じゃん?」

きらり「うぇへへ、それに二人でじゃぶじゃぶすればたのすぃ☆」

P「……なんだろう、問題ないようで問題あるような……」

杏「きらりも私も満足できてるんだから問題ないんだよ」

P「う、うーむ……まぁとにかく洗うとするか、このまま居ても仕方ないしな」

きらり「うんっ、ぼうしそーちゃくっ☆ ばっちし♪」



P「じゃあまずは流すぞー」

きらり「はーい☆」

杏「じゃあ杏もきらりの前に立って……と、こっちもおっけー」


           じゃぁぁぁぁ ざばっ ざばっ


P「そのまま続いてシャンプーいくぞー、一応泡に気をつけてな」

きらり「きらりもあわあわすぅー! ボトルきゅっきゅっ、あわあわもこもこ♪」


          もこもこ あわわわわ わしっ わしっ


きらり「にゃははは! Pちゃんくすぐったぁい」

P「おっと、加減はもう少し強くても大丈夫かな?」

きらり「うん、杏ちゃんはぎゅーってやれないけど、Pちゃんなら強くしてもらえるにぃ」

P「じゃあもう少し強くするな、痛かったら言ってくれ」


          わしっ わしっ ぎゅーっ ぎゅーっ


きらり「うぇへへへ……とぉってもいい感じー!」

 
きらり「杏ちゃんにもおすそわけー!」


      わしゃわしゃ きゅっ きゅっ


杏「あーそこそこ、丁度かゆいとこもあったからいい具合」

P「お前はオッサンか……」

杏「失敬な、杏はれっきとしたニー…」

P「だからアイドルだろと言うに」

きらり「二人ともはぴはぴー?」


P「今のやりとりで楽しいと思えたのか……」

きらり「うぇへへへ、Pちゃんも杏ちゃんも楽しそうだにぃ」

きらり「その二人を見れるきらりんもとーってもはぴはぴ♪」


P「はは、きらりには敵わないな」

杏「ま、こういうのも悪くはないけどねー」


          わしっ わしっ  もこもこ もこもこ

      わしゃわしゃ きゅっ きゅっ


P「よーし、泡一杯で十分洗えたな、それじゃあ流……」

きらり「あっ、Pちゃん待って待って!」

P「ん? どうしたきらり」

きらり「えとねー……こうやって、こうして、もこもこして……」


       もこもこ こねこね


P「んー……泡をこねて……?」

きらり「もちあげてー……さきっぽとんがらせてー……ソフトクリームだにぃ♪」

P「おおう、泡でソフトクリームができた、でけぇ」

きらり「うぇへへへ、食べれないけどにぃ」

杏「きらりちょっと頭こっち向けてー」

きらり「にょ? ほい、杏ちゃんどーぞ」

杏「そのソフトクリームをちょっと手加えて……」


       もこっ もこっ


杏「ほい、昇天ペガサスMIX盛り」

P「ぶっ」

P「ふっ、はははははっ! お、おまえやめろそういうの、そうとしか見えなくなったじゃないかっ! あはははははっ!」

きらり「にゃははは、Pちゃん笑いすぎだにぃ」

P「あはははっ、いやすまん、ソフトクリームだったのにそれは予想外で、はははっ」

きらり「でもでも、これで新しい技を覚えたの! きらりんぺがさすもりー☆」

P「くくっ、あぁ笑っちまった……ふぅっ」


きらり「Pちゃんもはぴはぴ、杏ちゃんもはぴはぴ、きらりんもはぴはぴ!」

きらり「みんなでじゃぶじゃぶすればもーっとはぴはぴできるにぃ☆」

P「あんまり男の俺とお風呂に入るもんじゃあないけどなー、まぁ悪い気はしないけど」

杏「プロデューサーも素直じゃないなぁ、もうちょっと『楽しんだ』ってハッキリ言えばいいのに」


P「いや……あぁうむ、たまにはいいかもな……二人が嫌じゃあなければな」

きらり「きらりははぴはぴできればいつでもおっけー☆」

杏「杏も楽できるから毎日でも」

P「……訂正、きらりだけが嫌じゃなけりゃな」

杏「ちょっと杏をハブる気ー?」

P「お前はもうちょっと自分でやる事を覚えろっ」

きらり「にゃははは、たのすぃ♪」


――――――
―――――
――――


           がちゃっ ばたん


「皆おはよう……あら? 誰も居ないの?」




              しゃぁぁぁぁ  じゃばじゃば
         ニョワー! マッテキラリ、ウックルシ……



「……お風呂に入っているのね。Pさんは……居ないのかしら」


一旦区切り、次は明日できれば
きらりがコレジャナイ感あったらごめん

再開

 ◇ ◇ ◇ ◇


           がらっ ぱたぱた

杏「ふー、さっぱりしたね」

きらり「うんっ、さっぱりすっきりー☆」



「お風呂上がったのね。おはよう」


杏「おー千秋じゃん。おはよー」

きらり「ちあきーちゃんにゃっほー」

千秋「おはよう、今日は暑いものね。今週はずっとこんな調子だそうよ」

杏「もうちょっと涼しくなってくれないとねー。動けないよ」

千秋「貴女はいつでも動かないじゃない……」

きらり「にゃはは、杏ちゃん言われてるぅー♪」


杏「いやぁ寒くなったら凍っちゃうじゃん? 暑いと溶けるし。丁度いい時に私は動くんだよ」キリッ

千秋「春と秋は心地よさに眠る季節かしら?」

杏「うん」

千秋「即答はどうなの……」


千秋「私もシャワーを浴びようかしら。この地方の暑さにはまだ慣れないわ……汗で不快ね」

杏「ん、あー……もう少し落ち着いてからでいいんじゃない?」

千秋「そうね、水分を取って一息ついた所でそうするわ」

きらり「じゃあじゃあ杏ちゃん、きらりと一緒に髪をぶおおーってかわかそー!」


―――――――
――――――
―――――

きらり「にょ、そろそろお仕事の時間だにぃ、杏ちゃんいこっ」

杏「えー、もうあと一日ぐらいここでゆっくりしようよー」

きらり「めっなのー! 杏ちゃんお仕事連れていくにぃ。ちあきーちゃんまた後でにぃ」

千秋「ええ。いってらっしゃい。頑張ってね」

杏「私は頑張らな……きらりちょっと!?」


           がちゃっ ばたん
<ニョワー! キラリンパワーマーックス!!


千秋「……ふぅ、大分落ち着いて来た事だし、私もお風呂に入ろうかし」


           ガラッ ぱたぱた

P「ふぅー、さっぱりし……」

千秋「ら……」

P「た……」


           『………………………………』

P「…………」

千秋「…………」


千秋「……おはよう。Pさん」

P「あ、あぁ……おはよう。千秋」

千秋「ねぇ、Pさん? 少し聞いていいかしら?」

P「お、おぅ」

千秋「私は杏ときらりちゃんがお風呂から上がってきたのは見たのだけれど」

千秋「Pさんがお風呂に入っていく姿は見てなかったの」

千秋「いつ、入ったのかしら……?」

P「は、はは……」


P(や、やばい千秋が何か怒ってる!?)

P(……こんな一緒にお風呂入ってるなんて疑われでもしたら無理もないか……! どうする俺!)

 
千秋「ねぇ、答えて頂戴。正直に教えてくれればまだ怒らないで済むと思うの」

P(もう怒ってるよね……あかん千秋のこの雰囲気には勝てない)


千秋「杏ときらりちゃんとお風呂。入ったのね?」

P「……………」

千秋「入ったの、ね?」

千秋「折角お風呂に入ったのに随分とまた汗をかいているようね、冷汗かしら?」

千秋「ふふふ…………さぁ答えて頂戴」


P「ご、誤解しないでくれ千秋、確かに風呂には入ったが、その、ちゃんと水着をつけさせてだな」

千秋「ふぅん……?」

P「その、体は先に二人で洗わせて、俺は髪を洗ってあげただけで……他意はない、ん、です……」

千秋「そう……」


P(うぅ……千秋の目がどんどん冷たく……)

P「あ、あの千秋サン……」

千秋「………………」

P(だ、駄目だ……俺の人生終わった)


        ぽちぽち ピッピッ

千秋「携帯なんて取り出して、何をする気かしら」

P「あ、もしもし警察ですかあのセクハラしてしまって自首を」


           ばしっ ぷちっ

千秋「駄目よそんな事。別にアナタをロリコンだとか変態だとか罵りたい訳じゃないわ」

P「うぐっ……だけど……」


千秋「アイドルとプロデューサーなら固い絆で結ばれているんですもの」

千秋「水着をつけているならお風呂ぐらい大丈夫な筈よ」


P「えっ、そのりくつはおかしくないですか」

千秋「ただ私が一番にお風呂に入れてもらえない事が、ね……?」

P「えっ」


P「えっ」

千秋「他の子にもしてあげたのだから、私にもしてくれるのよね?」ニコッ

千秋「ね?」

P「えぇぇっ!? え、いや、はい……やらせて頂きます。はい」

P(目が笑ってねぇぇぇーっ!)

――――――
―――――
――――


            サァァァァァ…… パシャパシャ

P(どうしてこうなった……どうしてこうなった!)

P(千秋が暑さで頭をやられていた……何を言っているのか分からないと思うがやっぱり分からん)

P(しかも非常に不機嫌になってしまっている……ああもうどうすれば!)


<…ハイッテキテチョウダイ


P「は、はひっ、失礼します」


             ガラッ


P「で、ではその御髪を洗わせて頂きます」

千秋「もう……そんなに畏まらなくていいじゃない」

P「どどどのように、洗えばよろしいでござ、ございましょうか」

千秋「……アナタに任せるわ」

 
        じゃぁぁぁぁ ぱしゃ ぱしゃ


千秋「……………………」

P「………………」


千秋(……やってしまった……勢いに身を任せて、彼を困らせてしまうなんて……)

千秋(あの子達と同じお願いをしてもこの有様……とても楽しんでる風には見えない、わよね……)

千秋(私とした事が駄目ね……これのどこが『固い絆で結ばれた』ものかしら……)


千秋「……その」

P「……ん」

千秋「ごめん、なさい」

P「…………」


千秋「あの時、Pさんが楽しそうにお風呂から上がってきたのを見て」

千秋「少し……羨ましいと思ってしまったの」

千秋「いつお風呂に入ったのか聞いたのだけど、分かってたわ。一緒にお風呂入ったのねって……」

P「…………あぁ」

千秋「それが私とじゃなくあの子達と入って楽しそうだったのが、羨ましくて、胸のあたりがちくりと痛んだの……」


P「……ごめんな」

千秋「Pさんが謝る事じゃないわ。その後の事も含め私が間違っていたのだから」

千秋「私も同じようにして欲しかった……って。そう思ってた、だけれど……実際はこんな有様よ」

千秋「私の我侭で、Pさんを困らせて、笑顔もなくなってしまって……ごめんなさい」

P「…………」

P「最初はさ、杏にせがまれて少し嫌々ながらでやってたんだ」

P「次にきらりとも入った時に悪くないかなって思うようになってしまったんだ」

P「それを見て千秋は自分と扱いが違うっていうのを、俺が思わせちゃったんだな……ごめんな」

P「で、お互いこうやって謝る事ができたからさ……」


            じゃばぁぁっ! ざばっ!

千秋「きゃっ! もう、何をするの? 今はふざけてなんて……」

P「この件は水に流さないか? ……いや、今の場合はお湯かな……?」

千秋「…………」

P「あ、でもちゃんと髪は洗うからな」


千秋「……もうっ、何よそれ」

P「……ははっ」

千秋「……ありがとう」


P「じゃあ改めて……御髪を失礼致しますよ、お嬢様」

千秋「やめて頂戴、他の子と同じようにして」

P「えぇ、心を込めて髪を洗いますよ……はははっ」

千秋「くすくす……私の自慢の髪、Pさんの好きなようにしていいわよ」

 
          ぱしゃっ ぱしゃっ  さらさら きゅっ きゅっ

P「加減は、どうかな?」

千秋「ええ、大丈夫。とても心地良いわ……」

P「そこまで言われると照れるな……」

千秋「ふふ……このままずっとお願いしたいくらいよ」

P「おいおい、大人なら自分の身だしなみくらいできないとだぞ」

千秋「それなら……私は幼いままでも良いわ」


――――――
―――――
――――

-また次の日-


P「あー……三人とも、ちょっといいか?」

杏「んー……? なぁにー」

きらり「にょ?」

千秋「何かしら?」


P「いや、あれから考えたんだけどさ……やっぱ昨日一昨日みたいな事はやめようと思ってな」

杏「えーっ、杏まためんどくさい事しなきゃなんないの? うぇー」

きらり「Pちゃんはぴはぴできなかったにぃ? しゅーん」

千秋「…………」


P「楽しくないなんて事はないけれどやっぱ俺は男だからさ」

P「女の子とお風呂入るなんてよくないんだ」

P「例え皆の方からお願いされたとしてもだ、そこは断っておかないといけないと」


P「……そう思ったから今後こういうのは、無しだ」

千秋「私がPさんにお願いをしたとしても?」

P「あぁ、これ以上広まらない為にもこの事は無かった事に……」


千秋「ふふ……うふふふ」

P「お、おい?」

千秋「無かった事にですって……? そういうなら私にも考えがあるわ」


              すっ ぽちぽち ぴぴっ

P「一体何を……ん、メール?」


   【From:千秋
    To :全員連絡用
    Sub:Pさんと
    本文:事務所のシャワー室で一緒にお風呂に入ったの
       皆もお願いすれば入れてもらえるそうよ】

P「」


P「お、おい千秋何をしているんだっ。今広めないでくれと言ったばかりじゃないかっ」

千秋「私がお願いをしても聞いてくれないのなら、皆でお願いをして押し通すだけよ」

千秋「順番を待つ事になるでしょうけれど……背に腹は代えられないわ」



       ばたばた がちゃっ! ばたばたばた

凛「ふーん……私のプロデューサーがお風呂入れてくれるの? まぁ、悪くないかな」

卯月「プロデューサーさん! 一緒に入浴頑張りましょうっ!」

未央「つんつん♪ お風呂! えへへ」

P「お、おいお前達……!」


いつき「プロデューサーさん! 私と一緒に汗を流してくれるんですか?」

志乃「ねぇP君、スパークリングワインのシャンプー……試してみない?」

美世「お風呂でお互いボディのメンテ……しよっ!」

留美「さぁ、行きましょうかP君、二人の入浴場へ……」

P「み、皆落ち着いて!」


まゆ「うふふふ……Pさぁん? 他の子との入浴、楽しいですかぁ?」

P「まゆぅぅ!? 目が座ってる!」


         ばたばたばた  がちゃっ

愛海「キャッキャウフフイベントの匂いをかぎつけて!」

P「お前はこっちだ」


        ぽいっ がしゃーん

愛海inケージ「え!? ちょっと!? 何であたしだけこんななの!?」

P「今手一杯だから! ちょっと大人しくしてなさいっ」


<チョットー! ダシテー! マダナニモシテナイ!


凛「ねぇ」

未央「お風呂!」

卯月「入れてください!」


全員『さぁ、一 緒 に 入 り ま し ょ う !』



P「お前達……」


P「できるんだから自分で風呂入れよォ!?」


杏「私は自分でできないけどね」キリッ

-おしまい-

おわり感謝、短いかもしれないけどこれで
見てくれてありがとう。また何かできたら書く

それとこのネタ雑談スレで拾わせてもらったものなので、そっちにも感謝

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