P「いや、本当だよ。週休8日、ずーっと来なくていいんだ。最高だろ?」
杏「…わ、わかったぞ!後でブラック並に働かされるんだろ?杏を釣ろうたってそうは…」
P「おーい、凛。春香にきらりにかな子。営業いくぞー!」
杏「…スルーですか、そうですか」
凛「…プロデューサー、杏また寝てる」
春香「杏ちゃん、アメだよ~。ほらほら、早く来ないと無くなっちゃうよ?」プラプラ
杏「ん~…」
かな子「あ、春香ちゃん!それ新発売でしょ…え~と、ひとつ、いいかな~?」
きらり「にょわー?杏ちゃん全然ぐにゃぐにゃ、元気ないねー?おっしきらりんぱわーちゅうにゅう~!」ギュウウウ
杏「ぐぅえ~…」
P「ああお前ら、杏はもういいんだ」
一同「へ?」
P「前から休みたい休みたい言ってたし…本人が納得するまで長めの休みを取らしてやることにした」
杏「あ、あの~…ぷろ「そういうことで、杏はしばらく休みだ。ユニットメンバーが欠けて寂しいとは思うが、杏のペースも考えてやってくれ」
春香「そうですか…う~ん、さみしいけど…杏ちゃん、ゆっくり休んでね」
杏「あ、杏は…そ、その…」
凛「…杏っていつもだるいだるい言ってる気がするけど…今回は本当に疲れたんだね。体、大事にしてね」
杏「う、うん…」
かな子「あの、杏ちゃん…これ、食べる?○ッキーの新しい味」
杏「……」ポリポリ
かな子「おいしい?」 杏「…ふつう」
かな子「え、えーとじゃあ、ア○フォート食べる?カントリー○マムもあるよ!」ゴソゴソ
凛「…かな子、出しすぎ」
かな子「えっと…その…ほんとに、何かあったら言ってね!私…おかし持ってくるくらいしか出来ないかもしれないけど…」
杏「う、うん…ありがと」
きらりん「杏にゃーーーん!!」ガバッ
杏「ぐげげっ!?」
きらりん「杏ちゃん…お休みしちゃうんだね…きらりんすごくブルーになっちゃったかも…」ギリギリギリ
杏「ぎ、ギブギブ!お前の腕の中で永眠するわ!!」
きらりん「うぅ~…」グスッ
杏「え…な、何泣いてるんだよ…」
やべぇきらりがきらりんになってた
きらり「だって、これから杏ちゃんにきらりんぱわーちゅうにゅうが出来なくなっちゃうんだもん…にょわー…」
杏「パワー注入って…あのチョークスリーパーのことか…」
きらり「ねぇ、ほんとにからだがわるいとかない?誰かにわるくちいわれちゃったとかない?」
杏「しつこいなー!だからこれはっ…」
P「おーい、みんな!そろそろ行くぞー!」
きらり「にょわー…うんPちゃん…じゃあね杏ちゃん、ゆっくりねむねむして早くげんきになってね!にょわー!」
凛「メールとか、出せたら出してね」
春香「風邪とかだったら早めに病院に出かけてってね」
かな子「あ、杏ちゃん!そこの机の上のアメ、杏ちゃんのだからね!えへへっ」
―――しーーーーん…
杏「…帰ろっと」
杏「…何だか妙に物分りがよくなったな、プロデューサー」
杏「いつもは無理にでも引っ張ってこうとするのに」
杏「…まぁいいや、休んでいいって言ってたしゲームとか漫画とか…へへっ」ニヤリ
アリガトウゴザイマシター
杏「ぐへへへ、大漁大漁!しかし中古でも人気のあるのは高いなー」
杏「よいしょっ…と」ガサガサ
杏「さーて、どれからやろーかな?へへっ」カチャカチャ
杏「……」カチャカチャ
杏「…のっ…しねっ、こんくそっ…」カチカチカチ
杏「ふー…お腹すいたー…あ、もう一時か…コンビニ行くかな」
杏「っの…今度こそっ…」カチャカチャ
杏「…ねむ…い…むにゃ…」パタッ
杏「ZZZ…」
携帯『突撃らぶはぁあ「…うっさいなぁもう…着信入ってる…後でいいよね…ZZZ…」
着信履歴/ はるか 三件
りん 四件
かなこ 三件
きらり 五件
P 一件
凛「プロデューサー」
P「ん、どうした凛?」
凛「杏が全然携帯に出ないの」
春香「私も、昨日夕方に電話したんですけど全部留守電になっちゃって…」
かな子「あ、あのう…Pさん。杏ちゃん、何で休んじゃったんですか?病気とかじゃないですよね?」
きらりん「にょわー…もしかして杏ちゃん、からだわるくなっちゃったのかなぁ…」
P「…ま、アイツのことだ。寝て気づいてないか、充電忘れてるかだろ」
凛「…プロデューサー」
P「へ?」
凛「そんな言い方、ひどいと思うよ」
春香「あっ、凛ちゃん…」
凛「春香、杏のうち知ってる?」
春香「え、あ、うん…前に、起こしにいった事あるし」
きらり「にょわー?ねぇねぇ、なにおはなししてるのー?」
かな子「杏ちゃん、まだ出ないのかなぁ…」プルルル
春香「かな子もっ、ほらこっち!」
かな子「へ?わっ、わわわっ!?」パタンッ
―――…
P「…ガールズトークってやつか。俺は邪魔者だな」
P「…ったく杏の奴…休むとか言ってまたゲーム三昧か」ピポパポペ
P「はぁ~…まったくアイツは…」プチッ
杏「……いよっし、レベ上がった」カチカチ
杏「んー…目がしょぼしょぼする…ちょっと寝よっと」
ピンポーン
杏「お?もう佐川来たのかな?…よいしょっ、と」
杏「ふぁ~い…あれ?」
春香「こ、こんにちは…えへへ」
杏「…え?何で春香が家に…」
かな子「私もお邪魔してるよ杏ちゃん」ヒョコッ
きらり「きらりもだよー!」ニョワッ
凛「…元気?」
杏「…え?なにこれ?」
凛「お見舞い。疲れてるって言ってから…」
杏「え、あ、その…つ、疲れてるって言っても!ちょーっと、日ごろのストレスが出ちゃったって感じかなー…」
かな子「や、やっぱり大げさすぎたのかなぁ…杏ちゃん、これ」
杏「へ?これ…」
かな子「期間限定のコンビニスィーツ!いっぱい食べてたくさん休んでね!」
きらり「えーっとね、きらりんは…ぎゅーっ!」
杏「ぐへぇええっ!?や、やめ…ぎぶぎぶ!」
きらり「ごめんね、今日はこれしかできないけど…きらりんぱわーちゅーにゅー!」
杏「お、お前はそれしかないのか…」ゼェゼェ
春香「えーっと私は…はい、これ!」
杏「ケーキ…」
春香「えへへー、私のおごりだよ。また一緒に歌お!」
凛「わ、私は…ごめん杏。変なのかも」
杏「…ゆ、ゆんける?」
凛「栄養ドリンクだって。薬局のおじさん、これが一番きくって言ってた」
杏「ん、ぬぅ…重いぃっ…」ドサッ
杏「はぁっ…ふぅっ…お礼、言っとこうかなぁ…」
杏「……」チラッ
TV『PAUSE』
杏「…いいや、めんどくさいし。明日返事すればいいよね」カチカチ
携帯『ゴマエー♪ゴマエ「ったく、いいとこで…プロデューサー?…休みって言ってたし、いいよね」プチ
杏「……」カチカチ
杏「……あ、ラッキー」カチカチ
杏「…お腹へった…お見舞い品」ゴソゴソ
杏「むぐ、むぐっ…み、水っ…んぐっ、ぐっ…げぷっ」
杏「お礼…まだ送ってなかったなぁ…」
杏「…いいや。もうみんな寝ちゃってるだろうし、明日起きたらメールうっとこ」カチカチ
杏「……杏、病気なんかじゃないのに…なんでお見舞い品なんか…」
杏「…もう朝の九時か…ふぁ~あぁ…寝よ」
杏「……」
――――…
春香『杏ちゃん、アメ食べる?』
杏「ん~…はむっ」
春香『おいしい?』
杏「ん。ふつう」
春香『ふつうかぁ…じゃあもっとあげるね』ポキッ
杏「!? な、なにして…」
春香『杏ちゃんごめんね。アメ、もう無いから私の指をあげるよ。』ぽきぽき
杏「や、やめろって…杏はそんなにアメは」
春香『…杏ちゃん体がだるいんじゃなかったの?杏ちゃん、アメがあれば元気になるんだよね』ぽきぽきぽき
杏「うわぁああああっ!!」
杏「…やな夢…」
杏「…このっ、えいっ」カチカチ
杏「あ、そうだ。お礼のメール…」
凛(お見舞い。元気?) 春香(また一緒に歌お!) かな子(ほんとに、ほんとに大丈夫?) きらり(きらりんぱわーちゅーにゅー!)
杏「……なんか気まずいし…気分のらないし、今昼だしみんな学校行ってるし…夜にしとこう」カチカチ
杏「…杏、みんなにウソついてることになるのかなぁ…で、でも……」カチカチ
杏「…あ、ステージクリア」カチカチ
杏「…もう夕方…お腹すいたなぁ」カチカチ
ピンポーン
杏「っ!」ビクッ
杏「ふぁ、ふぁ~い」
春香『あの、すいません?杏ちゃんいますか?』
杏「……今出るよ」モソモソ
春香「あ、杏ちゃん…すごいクマが出来てるよ、大丈夫?」
杏「…寝不足」
春香「えっとね、これ…きらりちゃんと凛ちゃんから」
杏「……」
春香「杏ちゃん?」
杏「…眠い、おやすみ」パタン
春香「あ…」
杏「…ぷっはぁっ!…な、何だよ…何でこんなに息苦しいんだ……」
杏「……お礼のメール……出さなきゃっ…」
杏「…取り合えず、寝よう。うん、それから…」ZZZ…
――――…
杏「…ここを、こうしてっ…えいっ」カチカチ
凛『…杏、何してるの?』
杏「ふぇっ!?り、凛…いやっ、これはそのー…ストレス解消だよ!うん、そう…」
凛『杏、体がだるいって言ってたよね?何で一日中ゲームなんてしてるの?』
杏「そ、その、それは…」
凛『…うそ、ついてたの?』
杏「っちがっ…」
きらり『ねぇねぇ杏ちゃん!きらりね、杏ちゃんに新しいぬいぐるみ作ったんだよ!杏ちゃんはがんばってるもんね!
だからいつも疲れてるんだよね!』
杏「え、えへへへ…」
きらり『だからきらりも寝ないでがんばっちゃうよ!にょわー!』
杏「き、きらり…何なんだよその顔っ…」
凛『だましてたの?』
きらり『杏ちゃんは一生懸命だよね!にょわー!』
杏「ひっ…!…ゆめ…」ポスン
杏「……」カチカチ
TV『実績を全て集めました! 50GP』ピコン
杏「…それがどうしたんだよ」プチン
杏「…ゲームが面白くないなんて初めてだなー…」ゴロリ
杏「………杏は、何してるんだろうな…」
ピンポーン
杏「ひっ……だ、誰かな…家間違えてるんじゃ…」
かな子『あのー…双葉さんのお宅でしょうか?』
杏「…!」
かな子「…?誰もいないのかな?杏ちゃーん?」
杏(やだ…いやだ…今まで返事も返さなかったのに、会えるわけ…)カタカタ
かな子「…留守みたい。しょうがないか」
杏「…行った?……どうしよう、またウソついちゃったよぅ…ウソ、ついちゃったよぅ…うぅっ、ぐっ…ふぅっ…」グスグス
杏「……いやだ…やだ、やだ、やだ…ずーっとウソついてきちゃった…」
携帯『ヴー!ヴー!』
杏「っ!…ぷ、プロデューサーからだ……う、はぁっ…う、はっ…あ、杏だよ」
P『…やっと出やがったか。杏、留守電に録音しといた件だが…それがお前の答えなんだな。』
杏「…へ?」
P『アイドル。もうこれ以上続けるつもり、ないんだろ?』
杏「……っは…あ、あのっ…ぷっ、プロデューサー」
P『…残念だけど、やる気の無いアイドルをこれ以上プロデュースするのは限界なんだ。ユニットの仲間には、理由は伏せておくから』
杏「あ、あのっ」プチン、ツーツー
杏「る、留守電っ…こんなに貯まってる…」カチッ
P『えーとだな、杏…週休8日なんて言って悪かった。お前が怒って帰ったのも無理は無い…程よく休んだらまた電話をくれ』
P『…マイペースなのはいいが、あいつら心配してたぞ?ゲームばっかやってたら頭が休まらないぞ』
P『えー、時々でいいので返信してください、以上』
杏「……」カチカチ
P『…杏。お前がそんなに、そんなにこの仕事が嫌なら無理をしなくていい。杏は17歳だ、まだ他の道もある…。』
杏「……どうしよう…」
杏「どうしよう、どうしよう……みんな、みんなメールや着信が…ずっと送ってたんだ…」
杏「杏、全然返事しなかったよう…みんな毎日電話したりしてたのにっ…ひっ…ひぐっ…うぇっ…」
杏「うぁああ~~ん、うぇええええっ!うぁあああ~~~んっ!ひぐっ、ぐふっ、ふぅっ…ぐっ、うぇえええんっ!」
杏「みんなっ、みんな杏のこと嫌いになっちゃったよぅ…うぇえええ…」グスグス
「あ、あの…杏ちゃん?」
杏「えぇえええ…うぇえええんっ!ひぐっ、ひっ…うわぁああああああんっ!」
「杏、ちょっとうるさいと思うよ」
杏「ひっ、ひっ…ひっ…ふぁわぁああああんっ!うぁああああっ!」
「杏ちゃん!ほらアメ!アメ!」
杏「うぁああああああああああ!!うぇええええ~~!!」
「きらりんぱわーちゅーにゅー!!」
杏「っうぉああ!!」ギギギ
「きらりちゃんストーップ!な、何だか変な音がしてるよー!」
「だ、大丈夫?アメ食べる?」
「…うるさかった。杏って大声出せるんだね」
杏「ひぐっ…うっ……っ!」
春香「杏ちゃん、大丈夫?どっか折れてたりしない?」
かな子「アメ食べる?」
凛「…元気?久しぶりだね」
きらり「ん~…やっぱり抱きごごちは杏にゃんが一番だにゃぁ~…」スリスリ「にょわ?」
杏「~!――!!」ジタバタ
きらり「あばれちゃだめーっ!」ギュウウウ
杏「!!!!……」クター
春香「杏ちゃん、ちゃんとご飯食べてるのかな…何だか頬こけてない?」
凛「…おにぎり、食べる?コンビニのだけど」
きらり「杏にゃん、どしたの?ぽんぽん痛いの?」ナデナデ
杏「……ひっ…ひぐっ…」ポロポロ
かな子「あ、杏ちゃん!どうしたの、どっか痛い?病気?」
杏「も、もういいよ…杏なんかにっ、構わないでよぅっ…もう、杏はアイドルじゃないよぅっ…」グスグス
一同「え?」
杏「…プロデューサー、やる気の無いアイドルはこれ以上プロデュースできないって…うっ、ぐすっ…だからっ、もうっ…」グスグス
凛「…杏は何か言わなかったの?」
杏「みんなからの着信もっ、メールもっ…みんなめんどくさくて見てなかったんだよう…」グスグス
春香「杏ちゃん、いこっ!」ガシッ
杏「えっ?ど、どこにっ?」
かな子「Pさんのとこっ!」
杏「で、でもいまさら…」
きらり「Pちゃんひどいよ!ぜったいに、杏ちゃんのアイドル引退、取り下げてもらわなきゃっ!」
杏「やめろよっ!!」
杏「……いいよ、杏はここにずっといるから…みんなだってこんなやる気の無いアイドル、迷惑でしょ…」
凛「杏、こっち見て」グイッ
杏「は、離せよ…」
凛「…杏は、ずっとここにいたい?一人のほうがいい?」
杏「……だって、みんなっ…みんなっ杏のこと嫌いなんだろっ!…嫌いに、なっちゃったんだろ…?」
凛「…私、杏のこと嫌いになったりしないよ」
春香「杏ちゃんと一緒のほうが、楽しいもん」
かな子「私も…いつもお菓子食べさせてあげる人がいるってうれしいよ?」
きらり「きらりんはね、杏にゃんの抱きごごち、だーいすっき!今でも…うにゃ~!」ギュウウ
杏「ひっ…ひくっ、うぇっ…うぁあっ…うぁあああ~~~んっ!うぇええっ!」
凛「…杏、ちょっとうるさい」
杏「うぇええええ~!うぁああああ~~~んっ!!」
――――…
杏「……」
春香「ほら、杏ちゃん。ちゃんとプロデューサーさんのほう向いて」
杏「……ごめんなさい…」
かな子「あ、あの…Pさん。杏ちゃん、私たちにたくさん謝ってくれました。ずっと連絡も取らなかった、って泣いてました。だから、その…」
凛「杏を、ユニットメンバーから外さないでください」
一同「お願いしますっ!」
P「……まぁこの状況ではお前らが何を言おうと俺は逆らえないワケだが」ギリギリギリギリ
きらりん「にょわー?Pちゃん何だか顔が青いよー?どしたのー?」
P「締まってる、締まってるって!…杏」
杏「う、うん」
P「明日のレッスン、ちゃんと出ろよ」
杏「!…うんっ!」
杏「だ、だるい~…きつい~…」ゼェゼェ
春香「あ、杏ちゃん!凛ちゃんそっち持って!」
凛「んっ…杏、『囚われの宇宙人』みたい」
かな子「? 何ですかそれ?」
凛「小学校の本に載ってたの」
きらり「杏ちゃん元気ないね~…きらりんぱわ「うっわぁあああ!!」
凛「あ、逃げた」
きらり「にょわー?まってよ杏にゃ~ん」
杏「は、速いっ!?くそっ、足のっ、長さがっ、ちがっ…」
きらり「つ~か~ま~え~った!」ガシッ
杏「や、やめ…「にょわーーーー!!」ギリギリギリギリ
「あ、杏、お家に帰るぅううううう~~~…!!」
おしまい
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