P「本当に週休8日制にしたから」杏「さすがP!話がわか…えっ?」(123)


P「いや、本当だよ。週休8日、ずーっと来なくていいんだ。最高だろ?」

杏「…わ、わかったぞ!後でブラック並に働かされるんだろ?杏を釣ろうたってそうは…」

P「おーい、凛。春香にきらりにかな子。営業いくぞー!」

杏「…スルーですか、そうですか」

凛「…プロデューサー、杏また寝てる」

春香「杏ちゃん、アメだよ~。ほらほら、早く来ないと無くなっちゃうよ?」プラプラ

杏「ん~…」

かな子「あ、春香ちゃん!それ新発売でしょ…え~と、ひとつ、いいかな~?」

きらり「にょわー?杏ちゃん全然ぐにゃぐにゃ、元気ないねー?おっしきらりんぱわーちゅうにゅう~!」ギュウウウ

杏「ぐぅえ~…」

P「ああお前ら、杏はもういいんだ」

一同「へ?」

P「前から休みたい休みたい言ってたし…本人が納得するまで長めの休みを取らしてやることにした」

杏「あ、あの~…ぷろ「そういうことで、杏はしばらく休みだ。ユニットメンバーが欠けて寂しいとは思うが、杏のペースも考えてやってくれ」

春香「そうですか…う~ん、さみしいけど…杏ちゃん、ゆっくり休んでね」

杏「あ、杏は…そ、その…」

凛「…杏っていつもだるいだるい言ってる気がするけど…今回は本当に疲れたんだね。体、大事にしてね」

杏「う、うん…」

かな子「あの、杏ちゃん…これ、食べる?○ッキーの新しい味」

杏「……」ポリポリ 

かな子「おいしい?」 杏「…ふつう」

かな子「え、えーとじゃあ、ア○フォート食べる?カントリー○マムもあるよ!」ゴソゴソ

凛「…かな子、出しすぎ」

かな子「えっと…その…ほんとに、何かあったら言ってね!私…おかし持ってくるくらいしか出来ないかもしれないけど…」

杏「う、うん…ありがと」

きらりん「杏にゃーーーん!!」ガバッ

杏「ぐげげっ!?」

きらりん「杏ちゃん…お休みしちゃうんだね…きらりんすごくブルーになっちゃったかも…」ギリギリギリ

杏「ぎ、ギブギブ!お前の腕の中で永眠するわ!!」

きらりん「うぅ~…」グスッ

杏「え…な、何泣いてるんだよ…」

やべぇきらりがきらりんになってた

きらり「だって、これから杏ちゃんにきらりんぱわーちゅうにゅうが出来なくなっちゃうんだもん…にょわー…」

杏「パワー注入って…あのチョークスリーパーのことか…」

きらり「ねぇ、ほんとにからだがわるいとかない?誰かにわるくちいわれちゃったとかない?」

杏「しつこいなー!だからこれはっ…」

P「おーい、みんな!そろそろ行くぞー!」

きらり「にょわー…うんPちゃん…じゃあね杏ちゃん、ゆっくりねむねむして早くげんきになってね!にょわー!」

凛「メールとか、出せたら出してね」

春香「風邪とかだったら早めに病院に出かけてってね」

かな子「あ、杏ちゃん!そこの机の上のアメ、杏ちゃんのだからね!えへへっ」

―――しーーーーん…

杏「…帰ろっと」

杏「…何だか妙に物分りがよくなったな、プロデューサー」

杏「いつもは無理にでも引っ張ってこうとするのに」

杏「…まぁいいや、休んでいいって言ってたしゲームとか漫画とか…へへっ」ニヤリ

アリガトウゴザイマシター

杏「ぐへへへ、大漁大漁!しかし中古でも人気のあるのは高いなー」

杏「よいしょっ…と」ガサガサ

杏「さーて、どれからやろーかな?へへっ」カチャカチャ

杏「……」カチャカチャ

杏「…のっ…しねっ、こんくそっ…」カチカチカチ

杏「ふー…お腹すいたー…あ、もう一時か…コンビニ行くかな」

杏「っの…今度こそっ…」カチャカチャ

杏「…ねむ…い…むにゃ…」パタッ

杏「ZZZ…」

携帯『突撃らぶはぁあ「…うっさいなぁもう…着信入ってる…後でいいよね…ZZZ…」

着信履歴/ はるか 三件
      りん  四件
     かなこ  三件
      きらり 五件
       P  一件

凛「プロデューサー」

P「ん、どうした凛?」

凛「杏が全然携帯に出ないの」

春香「私も、昨日夕方に電話したんですけど全部留守電になっちゃって…」

かな子「あ、あのう…Pさん。杏ちゃん、何で休んじゃったんですか?病気とかじゃないですよね?」

きらりん「にょわー…もしかして杏ちゃん、からだわるくなっちゃったのかなぁ…」

P「…ま、アイツのことだ。寝て気づいてないか、充電忘れてるかだろ」

凛「…プロデューサー」

P「へ?」

凛「そんな言い方、ひどいと思うよ」

春香「あっ、凛ちゃん…」

凛「春香、杏のうち知ってる?」

春香「え、あ、うん…前に、起こしにいった事あるし」

きらり「にょわー?ねぇねぇ、なにおはなししてるのー?」

かな子「杏ちゃん、まだ出ないのかなぁ…」プルルル

春香「かな子もっ、ほらこっち!」

かな子「へ?わっ、わわわっ!?」パタンッ

―――…

P「…ガールズトークってやつか。俺は邪魔者だな」

P「…ったく杏の奴…休むとか言ってまたゲーム三昧か」ピポパポペ

P「はぁ~…まったくアイツは…」プチッ

杏「……いよっし、レベ上がった」カチカチ

杏「んー…目がしょぼしょぼする…ちょっと寝よっと」

ピンポーン

杏「お?もう佐川来たのかな?…よいしょっ、と」

杏「ふぁ~い…あれ?」

春香「こ、こんにちは…えへへ」

杏「…え?何で春香が家に…」

かな子「私もお邪魔してるよ杏ちゃん」ヒョコッ

きらり「きらりもだよー!」ニョワッ

凛「…元気?」

杏「…え?なにこれ?」

凛「お見舞い。疲れてるって言ってから…」

杏「え、あ、その…つ、疲れてるって言っても!ちょーっと、日ごろのストレスが出ちゃったって感じかなー…」

かな子「や、やっぱり大げさすぎたのかなぁ…杏ちゃん、これ」

杏「へ?これ…」

かな子「期間限定のコンビニスィーツ!いっぱい食べてたくさん休んでね!」

きらり「えーっとね、きらりんは…ぎゅーっ!」

杏「ぐへぇええっ!?や、やめ…ぎぶぎぶ!」

きらり「ごめんね、今日はこれしかできないけど…きらりんぱわーちゅーにゅー!」

杏「お、お前はそれしかないのか…」ゼェゼェ

春香「えーっと私は…はい、これ!」

杏「ケーキ…」

春香「えへへー、私のおごりだよ。また一緒に歌お!」

凛「わ、私は…ごめん杏。変なのかも」

杏「…ゆ、ゆんける?」

凛「栄養ドリンクだって。薬局のおじさん、これが一番きくって言ってた」

杏「ん、ぬぅ…重いぃっ…」ドサッ

杏「はぁっ…ふぅっ…お礼、言っとこうかなぁ…」

杏「……」チラッ

TV『PAUSE』

杏「…いいや、めんどくさいし。明日返事すればいいよね」カチカチ

携帯『ゴマエー♪ゴマエ「ったく、いいとこで…プロデューサー?…休みって言ってたし、いいよね」プチ

杏「……」カチカチ

杏「……あ、ラッキー」カチカチ

杏「…お腹へった…お見舞い品」ゴソゴソ

杏「むぐ、むぐっ…み、水っ…んぐっ、ぐっ…げぷっ」

杏「お礼…まだ送ってなかったなぁ…」

杏「…いいや。もうみんな寝ちゃってるだろうし、明日起きたらメールうっとこ」カチカチ

杏「……杏、病気なんかじゃないのに…なんでお見舞い品なんか…」

杏「…もう朝の九時か…ふぁ~あぁ…寝よ」

杏「……」

――――…

春香『杏ちゃん、アメ食べる?』

杏「ん~…はむっ」

春香『おいしい?』

杏「ん。ふつう」

春香『ふつうかぁ…じゃあもっとあげるね』ポキッ

杏「!? な、なにして…」

春香『杏ちゃんごめんね。アメ、もう無いから私の指をあげるよ。』ぽきぽき

杏「や、やめろって…杏はそんなにアメは」

春香『…杏ちゃん体がだるいんじゃなかったの?杏ちゃん、アメがあれば元気になるんだよね』ぽきぽきぽき

 
杏「うわぁああああっ!!」

杏「…やな夢…」


杏「…このっ、えいっ」カチカチ

杏「あ、そうだ。お礼のメール…」

凛(お見舞い。元気?) 春香(また一緒に歌お!) かな子(ほんとに、ほんとに大丈夫?) きらり(きらりんぱわーちゅーにゅー!)

杏「……なんか気まずいし…気分のらないし、今昼だしみんな学校行ってるし…夜にしとこう」カチカチ

杏「…杏、みんなにウソついてることになるのかなぁ…で、でも……」カチカチ

杏「…あ、ステージクリア」カチカチ

杏「…もう夕方…お腹すいたなぁ」カチカチ

ピンポーン

杏「っ!」ビクッ

杏「ふぁ、ふぁ~い」

春香『あの、すいません?杏ちゃんいますか?』

杏「……今出るよ」モソモソ

春香「あ、杏ちゃん…すごいクマが出来てるよ、大丈夫?」

杏「…寝不足」

春香「えっとね、これ…きらりちゃんと凛ちゃんから」

杏「……」

春香「杏ちゃん?」

杏「…眠い、おやすみ」パタン

春香「あ…」

杏「…ぷっはぁっ!…な、何だよ…何でこんなに息苦しいんだ……」

杏「……お礼のメール……出さなきゃっ…」

杏「…取り合えず、寝よう。うん、それから…」ZZZ…

――――…
杏「…ここを、こうしてっ…えいっ」カチカチ

凛『…杏、何してるの?』

杏「ふぇっ!?り、凛…いやっ、これはそのー…ストレス解消だよ!うん、そう…」

凛『杏、体がだるいって言ってたよね?何で一日中ゲームなんてしてるの?』

杏「そ、その、それは…」

凛『…うそ、ついてたの?』

杏「っちがっ…」

きらり『ねぇねぇ杏ちゃん!きらりね、杏ちゃんに新しいぬいぐるみ作ったんだよ!杏ちゃんはがんばってるもんね!
だからいつも疲れてるんだよね!』

杏「え、えへへへ…」

きらり『だからきらりも寝ないでがんばっちゃうよ!にょわー!』

杏「き、きらり…何なんだよその顔っ…」

凛『だましてたの?』

きらり『杏ちゃんは一生懸命だよね!にょわー!』

杏「ひっ…!…ゆめ…」ポスン

杏「……」カチカチ

TV『実績を全て集めました! 50GP』ピコン

杏「…それがどうしたんだよ」プチン

杏「…ゲームが面白くないなんて初めてだなー…」ゴロリ

杏「………杏は、何してるんだろうな…」

ピンポーン

杏「ひっ……だ、誰かな…家間違えてるんじゃ…」

かな子『あのー…双葉さんのお宅でしょうか?』

杏「…!」

かな子「…?誰もいないのかな?杏ちゃーん?」

杏(やだ…いやだ…今まで返事も返さなかったのに、会えるわけ…)カタカタ

かな子「…留守みたい。しょうがないか」

杏「…行った?……どうしよう、またウソついちゃったよぅ…ウソ、ついちゃったよぅ…うぅっ、ぐっ…ふぅっ…」グスグス

杏「……いやだ…やだ、やだ、やだ…ずーっとウソついてきちゃった…」

携帯『ヴー!ヴー!』

杏「っ!…ぷ、プロデューサーからだ……う、はぁっ…う、はっ…あ、杏だよ」

P『…やっと出やがったか。杏、留守電に録音しといた件だが…それがお前の答えなんだな。』

杏「…へ?」

P『アイドル。もうこれ以上続けるつもり、ないんだろ?』

杏「……っは…あ、あのっ…ぷっ、プロデューサー」

P『…残念だけど、やる気の無いアイドルをこれ以上プロデュースするのは限界なんだ。ユニットの仲間には、理由は伏せておくから』

杏「あ、あのっ」プチン、ツーツー

杏「る、留守電っ…こんなに貯まってる…」カチッ

P『えーとだな、杏…週休8日なんて言って悪かった。お前が怒って帰ったのも無理は無い…程よく休んだらまた電話をくれ』

P『…マイペースなのはいいが、あいつら心配してたぞ?ゲームばっかやってたら頭が休まらないぞ』

P『えー、時々でいいので返信してください、以上』

杏「……」カチカチ

P『…杏。お前がそんなに、そんなにこの仕事が嫌なら無理をしなくていい。杏は17歳だ、まだ他の道もある…。』

杏「……どうしよう…」

杏「どうしよう、どうしよう……みんな、みんなメールや着信が…ずっと送ってたんだ…」

杏「杏、全然返事しなかったよう…みんな毎日電話したりしてたのにっ…ひっ…ひぐっ…うぇっ…」

杏「うぁああ~~ん、うぇええええっ!うぁあああ~~~んっ!ひぐっ、ぐふっ、ふぅっ…ぐっ、うぇえええんっ!」

杏「みんなっ、みんな杏のこと嫌いになっちゃったよぅ…うぇえええ…」グスグス

「あ、あの…杏ちゃん?」

杏「えぇえええ…うぇえええんっ!ひぐっ、ひっ…うわぁああああああんっ!」

「杏、ちょっとうるさいと思うよ」

杏「ひっ、ひっ…ひっ…ふぁわぁああああんっ!うぁああああっ!」

「杏ちゃん!ほらアメ!アメ!」

杏「うぁああああああああああ!!うぇええええ~~!!」

「きらりんぱわーちゅーにゅー!!」

杏「っうぉああ!!」ギギギ

「きらりちゃんストーップ!な、何だか変な音がしてるよー!」

「だ、大丈夫?アメ食べる?」

「…うるさかった。杏って大声出せるんだね」

杏「ひぐっ…うっ……っ!」

春香「杏ちゃん、大丈夫?どっか折れてたりしない?」

かな子「アメ食べる?」

凛「…元気?久しぶりだね」

きらり「ん~…やっぱり抱きごごちは杏にゃんが一番だにゃぁ~…」スリスリ「にょわ?」

杏「~!――!!」ジタバタ

きらり「あばれちゃだめーっ!」ギュウウウ

杏「!!!!……」クター

春香「杏ちゃん、ちゃんとご飯食べてるのかな…何だか頬こけてない?」

凛「…おにぎり、食べる?コンビニのだけど」

きらり「杏にゃん、どしたの?ぽんぽん痛いの?」ナデナデ

杏「……ひっ…ひぐっ…」ポロポロ

かな子「あ、杏ちゃん!どうしたの、どっか痛い?病気?」

杏「も、もういいよ…杏なんかにっ、構わないでよぅっ…もう、杏はアイドルじゃないよぅっ…」グスグス

一同「え?」

杏「…プロデューサー、やる気の無いアイドルはこれ以上プロデュースできないって…うっ、ぐすっ…だからっ、もうっ…」グスグス

凛「…杏は何か言わなかったの?」

杏「みんなからの着信もっ、メールもっ…みんなめんどくさくて見てなかったんだよう…」グスグス

春香「杏ちゃん、いこっ!」ガシッ

杏「えっ?ど、どこにっ?」

かな子「Pさんのとこっ!」

杏「で、でもいまさら…」

きらり「Pちゃんひどいよ!ぜったいに、杏ちゃんのアイドル引退、取り下げてもらわなきゃっ!」

杏「やめろよっ!!」

杏「……いいよ、杏はここにずっといるから…みんなだってこんなやる気の無いアイドル、迷惑でしょ…」

凛「杏、こっち見て」グイッ

杏「は、離せよ…」

凛「…杏は、ずっとここにいたい?一人のほうがいい?」

杏「……だって、みんなっ…みんなっ杏のこと嫌いなんだろっ!…嫌いに、なっちゃったんだろ…?」

凛「…私、杏のこと嫌いになったりしないよ」

春香「杏ちゃんと一緒のほうが、楽しいもん」

かな子「私も…いつもお菓子食べさせてあげる人がいるってうれしいよ?」

きらり「きらりんはね、杏にゃんの抱きごごち、だーいすっき!今でも…うにゃ~!」ギュウウ

杏「ひっ…ひくっ、うぇっ…うぁあっ…うぁあああ~~~んっ!うぇええっ!」

凛「…杏、ちょっとうるさい」

杏「うぇええええ~!うぁああああ~~~んっ!!」

――――…

杏「……」

春香「ほら、杏ちゃん。ちゃんとプロデューサーさんのほう向いて」

杏「……ごめんなさい…」

かな子「あ、あの…Pさん。杏ちゃん、私たちにたくさん謝ってくれました。ずっと連絡も取らなかった、って泣いてました。だから、その…」

凛「杏を、ユニットメンバーから外さないでください」

一同「お願いしますっ!」

P「……まぁこの状況ではお前らが何を言おうと俺は逆らえないワケだが」ギリギリギリギリ

きらりん「にょわー?Pちゃん何だか顔が青いよー?どしたのー?」

P「締まってる、締まってるって!…杏」

杏「う、うん」

P「明日のレッスン、ちゃんと出ろよ」

杏「!…うんっ!」

杏「だ、だるい~…きつい~…」ゼェゼェ

春香「あ、杏ちゃん!凛ちゃんそっち持って!」

凛「んっ…杏、『囚われの宇宙人』みたい」

かな子「? 何ですかそれ?」

凛「小学校の本に載ってたの」

きらり「杏ちゃん元気ないね~…きらりんぱわ「うっわぁあああ!!」

凛「あ、逃げた」

きらり「にょわー?まってよ杏にゃ~ん」

杏「は、速いっ!?くそっ、足のっ、長さがっ、ちがっ…」

きらり「つ~か~ま~え~った!」ガシッ

杏「や、やめ…「にょわーーーー!!」ギリギリギリギリ

「あ、杏、お家に帰るぅううううう~~~…!!」



おしまい

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